安価な中古ミラーレス機とマニアックなレンズによる
コスパの良いアダプター遊びを楽しむシリーズ第41回目。
まず、このシステムから。
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カメラはμ4/3機、DMC-GX7
基本性能は高いが、操作系にやや難ありのカメラだ、
優秀なGシリーズの操作系を、なぜか引き継がず、ゆがめて
しまっている所がある、ターゲットユーザー層が違うと言えば
それまでかも知れないが、優れたものは引き継ぐのが
当然だと思うが・・
レンズは、SIGMA 105mm/f2.8 EX DG Macro である。
これは最新型の手ブレ補正内蔵型ではなく、旧型の方だ、
EFマウントなので、新型では手ブレ補正内蔵になっている
だろうが、マクロ撮影で手ブレ補正は不要なので、
(被写体ブレの方がむしろ問題である事と、撮影者の前後
方向へのブレ補正が出来ない事等)旧型でも十分である。
そして、いざとなれば、GX7には、ボディ内手ブレ補正がある。
尤も、マクロ撮影には不要なので、その機能はOFFしているが・・
EFアダプターは、絞り羽根内蔵の機械式、しかし、このレンズ
では、あまり絞り込むと光束が遮られて、大きなケラれが発生
してしまうので要注意だ。
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本レンズは実はAFが効かない、故障品をあえて購入したのだ。
けど、近接撮影では、手ブレ補正と同様にAFも不要なのだ。
AFに任せてしまうと、被写体の花などが風で揺れると当然AFは
合い難いし、もし外すとAFがいったりきたりで、大きなタイム
ロスとなる、最短撮影距離以下まで踏み込んでしまった時も
同様にAFが迷って、とてもうっとうしい。
よって、マクロはMF専用で使うのがベターだ。
2010年頃に、これを購入した大阪の老舗中古店では、店員から
店「AFが壊れてますよ、それでもいいですか?」
と念を押された。でも、値段は破格の5000円、一般的な中古
相場の5分の1程度だ(これは旧型の場合。現在、新型の中古
相場は5万円前後もする)それに、AFも(ましてや手ブレ補正も)、
私としては、全く必要無いのだ。
内心”これはラッキーな買い物だ”と思いながらも、
もし、ここが値切りが効く店であれば、
匠「え~!?AFが無いと困るなあ、もう少し安くなりませんか?」
と粘るところだが、残念ながら、この店は値切りが効かない。
老舗だからか?ちょとお高くとまっている若い店員から、
店「そりゃ無理ですね、ウチもギリギリでやってますから」
と過去何度も、生意気な口調で言われて、ちょっと不快に感じて
いた店だ。まあ、今回は値切らずとも良い、5000円ならば
十分すぎるほど安いのだ。
ちなみに、この店、最近店舗改装で縮小して(さすがに銀塩系が
メインの中古商売では、今時なかなかやっていけないのだろう)
店員もベテランの幹部級だけとなって、ずいぶんと雰囲気が変わり、
親しみ易くなった(あいかわらず値切りは無理だが)
まあ、以前の記事で、大手中古チェーン店で、若いカメラの事を
何も知らない店員と、値切りの件で喧嘩になりそうになった事を
書いたが、いずれにしても中古買いは気持ちよくしたいものだ。
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さて、このレンズの描写力だが、一級品である。
もう1つ秘密(?)をバラしてしまうと、本レンズの購入は
2本目である、1本目はニコンマウントのものを、2000年代
前半に購入していた、長くこのレンズを使って、描写力が優れて
いる事はわかっていたので、EFマウントでも使おうとした訳だ、
ちなみに、ペンタックスとミノルタ/ソニーの一眼では
TAMORN 90mm/f2.8Macroを使っている。
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さらに余談だが、このレンズの前身は存在せず、いきなり
105mmマクロが発売されたのだ。そこには、裏話があって
これ以前、1990年代にはSIGMA 90mm/f2.8マクロという
物が存在していた、だが、このレンズは描写力にやや問題ありで、
しかも、名レンズTAMRON 90マクロと同じ焦点距離だ、
私は「お! SIGMAにも90マクロがあったのか」と、少々レアな
このレンズを1990年代に購入したのだが、写してみてがっかり、
まあ、銀塩時代の当時は、レンズの欠点を回避しながら使う等
という高度なテクニックは使えない、何せ、現像するまで
どんな風に写っているかは分からなかったからだ。
私としては珍しく、SIGMA 90マクロは手離してしまった。
SIGMAも「TAMRON 90マクロと比較されるのはマズい」と
思ったからだろうか? 90マクロを生産中止とし、その後に、
焦点距離も設計も大きく変えて発売されたのが、この105mm
マクロである。
ライバルは当然、TAMRON 90マクロであろう、だからか非常に
気合の入った、優れた設計になっている。
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本レンズは、申し分無い性能であるが、TAMRON 90マクロ
との比較となると、ちょっと迷うところもあるかも知れない、
まあ、どちらも甲乙付けがたい性能であるから、
(各々の詳細の特徴は、いずれ別の記事で述べる予定)
中古の場合は、値段次第というところであろうか、
再三述べているように、マクロ撮影時に手ブレ補正機能は
不要であるし、アダプター使用時は、特殊な電子アダプターを
使わない限り、手ブレ補正は効かない。
よって旧型でも十分である、もし、どうしても新型しか
無い場合は、手ブレ補正を内蔵していない、ソニーα(A)
マウントやPENTAX Kマウント版を選べば良い、
それらは、ボディ内手ブレ補正対応であるので中古相場は、
時間とともに若干有利に(安価に)なる可能性がある。
これはTAMRON 90マクロの場合も同じ選択だ、いずれを選ぶに
しても、手ブレ補正機能の無い旧型であれば、2万円前後から
入手可能であろうと思う。
TAMRON 90マクロか、SIGMA 105マクロは必携のマクロ
レンズだとは思うが、APS-C機やμ4/3機では、若干焦点距離が
長すぎて、使いにくさも感じるかも知れない。
けど、良く本シリーズで述べているように、マクロレンズの
場合は、焦点距離の差は、ワーキングディスタンスの差および、
背景の画角の差と思えばよく、通常レンズのように、望遠には
遠距離被写体、といった考え方をしなければ良い訳だ。
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さて、次のシステム。
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カメラは、DMC-G5 、操作系のバランスのとれた高性能
μ4/3機で、中古で1万円台後半で安価に購入できる。
望遠アダプター母艦として、あるいは本レンズの専用機と
している。
レンズは、フォクトレンダーNOKTON 42.5mm/f0.95である。
安価な(といっても10万円超えだが・汗)超大口径レンズ
として4機種をラインナップしている。
近年「中一光学」という中国のメーカーが、同じくf0.95の
超大口径レンズを数機種販売をはじめた、こちらも興味が
あるが、あれもこれも買う訳にもいかず、まだ入手していない。
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ノクトン42.5/0.95は、超大口径による強烈なボケ量や、
独特の描写力を持ち、おまけに23cmまで近接撮影できる。
G5の上面レバーにデジタルズームをアサインすれば、
85~170mm/f0,95相当の望遠超大口径ズームとして
使いやすい画角に非常に重宝する。
2013年の発売後、少しの期間我慢し、新品割引率が若干
下がってきた頃に約9万円で購入したが、現在においても、
かなりのお気に入りのレンズの1本である(現有レンズに
ランキングをつけるとすれば、BEST 5には確実に入ると思う)
最強に見えるノクトン42.5/0.95にも弱点はある、
絞りをf0.95の開放として、近接撮影時に、ハイライト(光が
強くあたっている)部分に、強い滲み(ハロ)が発生するのだ。
これを回避するには、ハイライトになる被写体を避ける事、
あるいは絞りを少しだけ絞る事などの対策がある。
どんなレンズでも、長所もあれば欠点もある、完璧なレンズなど
存在しないのだ、もし、技術の粋を結集して作られた完全無欠の
超々高性能レンズがあったとしても、同時にそれはコストが高い
という欠点が間違いなく発生する。
たとえば、その「超々高性能レンズ」を50万円も出して
買う位ならば、同予算で「超高性能レンズ」程度で良いから、
それを中古で各10万円づつであれば、5本も買える事になる!
欲しかったあのレンズも、このレンズも買えるとなったら、
どう見ても、その方が楽しいと思うが、どうだろうか・・?
レンズの欠点ばかりを言う人も居る。だが、ちょっと待った。
レンズの欠点が分かるというのは、その時点で凄い事だ。
カメラユーザーが100人居るとしたら、そのうち90人までは、
レンズの欠点も長所も何もわからず使っている事であろう。
欠点が分かった時点で、既に「一握り」の部類な訳だ。
で、そうであれば、もう1歩上を目指すのも良いと思う、
つまり、レンズの欠点と長所を理解し、そのレンズが最大の
パフォーマンスを発揮できるように考えて使ったり、あるいは
レンズの欠点を逆に積極的に利用し、それを作画表現に使って
しまう等である(例:ゴーストをわざと入れて、日差しが強い、
神々しい、などのイメージを出す)
ここまでできれば、さらに「一握りの中の一握り」だ、完全に
レンズを使いこなしている。すなわち、残った10人の中の
さらに、1人になれるであろう。
そうなればもう「レンズ・マスター」の称号を貰っても良い
位になるかもしれない!
つまり、ネガティブな発言ばかりだと、レンズを使いこなして
いない事を露呈しているみたいで格好悪いという事だと思う。
余談が長くなった・・上の写真では、まさにそのノクトン
の弱点が画面下部の梅の花のところに出るケースであったので、
絞りを少し絞って(と言っても、f1.4~f2程度だが)、
ハイライト部の滲みを回避して使っている。
私は、この状況は、ノクトンからの、
「被写界深度が浅すぎますよ」という警告だと思っている。
レンズが「無理だ」と言っているのであれば、それに素直に従い、
「ハイハイ、わかりましたよ、じゃあ、もう少し絞りますね」
という風に受け止めれば良いのではなかろうか?
「ハロが出た!こりゃあダメなレンズだ!」と、突き放して
しまうスタンスは、ネガティブすぎる考えという事だ。
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で、言うまでもなくf0.95の超大口径のMFピント合わせは
難易度が極めて高い。母艦としているG5にはピーキング
機能が搭載されていないが、仮にGX7やG6等のピーキング
がある機種でも困難な事は変わらない。
なので、ぼぼ毎回の画面拡大操作(MFアシスト)が必須となる。
拡大操作系に優れ、かつEVFも、ピントの山が見やすい旧型の
144万ドット型を搭載するDMC-G5でないと、ノクトンを常用する
条件には当てはまらなかった訳だ。
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近接撮影のみならず中距離撮影においても背景ボケを得られる
事は、大きなメリットだ、この点、他のノクトンシリーズは
いずれも焦点距離が短いので、f0.95と言えども背景ボケを
大きくできるのは近接撮影に限られてしまう。
また、G5には優れた操作系のデジタルズームが搭載されて
いるので、必要に応じて2倍までの範囲であれば、構図(画角)
を微調整できるが、これは光学ズームでは無いので、
望遠にしても、ボケ量が大きくなることは無い。
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超大口径f0.95のピント合わせは深刻な問題だと思う。
ピント合わせそのものが難しい他、被写体の選び方にも関連が
あって、例えば複数の接近した距離が密集している被写体
(例:中~近距離の梅や桜など)を選んでしまうと、被写界深度
が浅い為、どこにピントが合っているのかわからないような
曖昧な写真になってしまう。
難易度の高いレンズなので、ビギナーにはお勧めできない。
私の場合は、先行して発売されたノクトン25/0.95を、
4~5年使いこんでから、さらに難しい本42.5mmを
追加で購入している。
ピント合わせだけではなく、被写体の選び方や描写のクセ等
があり、そう簡単では無い。こんな調子なので、数万枚位は
撮影しないと、なかなかこの超大口径は使い切れないと思う。
価格だが、中古はまず存在せず、新品値引きで買うしかない、
その場合の価格は、9万円前後になると思う。
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次は、うって変わってトイレンズだ。
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カメラが超小型ミラーレス機 PENTAX Q7
ただし、私としては、このカメラは小型である事よりも、
「エフェクト母艦」としての優れた操作系に最大の長所があると
考えている、そのため、装着するレンズもオーソドックスな
ものではなく、PENTAX がラインナップしているトイレンズ系
の方が、本機を使っていて楽しい。
レンズは、Qシステム純正の05 TOY LENS TELE PHOTO
レンズスペックは、18mm/f8で、Q7装着時には94mm相当の
中望遠画角となる、最短撮影距離は27cmだ。
パンフォーカスではなく、ピントリングのついたMF仕様である。
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早速エフェクトを併用している、Q7あるいは、それ以前の
Qシリーズのような、1/1.7型や1/2.3型の小型の撮像センサー
では、高画質を求めるというよりも、いかに楽しく撮るか、
という部分を重視するべきであろう。
ただし、本レンズ05 TELEの場合は、他のQのトイレンズ、
つまり 03 FISHEYE(第2回、第10回記事)や、
07 MOUNT SHIELD(第4回、第14回、第34回記事)の
ような完全なトイレンズで、ピントも甘い描写をするもの
ではなく、どちらかといえば、04 WIDE(第31回記事)の
ように、トイレンズとノーマルレンズの中間のような、
微妙なポジションにある描写力である。
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思ったより「普通に」写ってしまうので、ちょっと拍子抜け
ししてしまっている、変な話であるが、トイレンズであれば、
もっとダメダメの写りを期待していたのだ。
普通に(まともに)写したかったら、他のカメラを使えば良い、
このレンズしか持ち出していないという訳では、さすがに無く、
同時に他のまともなカメラ(レンズ)も持ってきているのだ。
なのでQ7で撮る場合は、エフェクトを多用しているという状況だ。
この05 TELE の望遠画角は微妙なスペックだ、Q7シリーズの
標準ズーム02は5mm~15mm(Q7装着時、23mm~69mm
相当)の仕様であるので、望遠域がちょっと足りないと感じる時が
ある(Q7にはデジタルズーム機能が搭載されていない)
とは言え、Q7にマウントアダプターを介して一眼レフ用レンズ
を装着すると、4.6倍相当の画角変化は、50mm標準レンズが、
230mm望遠の画角になってしまうので、少々使い難い。
なので、産業用 Cマウント(16mm)レンズを使ってもみたが
(第21回記事)手ブレ補正をOFFしても起動時に毎回焦点
距離入力が出ることがうっとうしく、かつMFアシスト(拡大)
機能が無く、ピーキング精度も低い事から実用的ではなかった。
だったら、純正の06 TELEPHOTO ZOOM(15~45mm
Q7装着時は69~207mm相当)を使えば良いか?と思ったが、
基本的にメインとなりえないQシステムにそこまでレンズを揃える
のもどうか?と思って(とは言え、すでに5本も揃えたが・汗)
購入していない。
まあ、そういう微妙な焦点距離というのは、メーカー側の製品
ラインナップ上のポイントかもしれない、つまり、02ズーム
を使って望遠がちょっと不足したら、この05を使いなさい、
という事なのであろう、もしこれが14mmとかの焦点距離で
あったら、02ユーザーは画角がかぶるので、このレンズを
欲しいとは思わないであろうからだ。
エフェクトばかりではわかりにくいので、ノーマルな撮影を。
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まあ、普通に写ってしまう、でも、望遠とは言えf8であるし、
撮像センサーも小さいから、背景ボケなどは殆ど出ない。
そして、MFのアシスト機能は無いに等しいのでピント合わせも
若干難しい。この状況であれば、むしろ、もっとダメダメな
写りのレンズであった方が良かったかも知れない、ピントも
まともに合わず、合ったとしても、ボケボケの方が(例えば
03や07がそれだ)、Qシリーズらしく楽しめる。
本レンズの購入価格だが、最近の購入で、中古で3000円程で
あった。Qシステムに必須のレンズか?といえば極めて微妙な
ところであり。もっと個性的な 03や07からまず始めるのが
良いかとも思う。その上で、本レンズも使いたいのであれば、
3000円という安価な価格で入手できる事は悪くは無い。
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さて、次は今回ラストのシステム。
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カメラは、Eマウントアダプター母艦のNEX-7
最近は、その優秀な操作系に加え、精度の高いピーキング
機能とデジタルズームを頼りに、中望遠レンズの母艦とする
ケースも多くなってきた。カメラを複数使うという事は、それぞれ
の長所短所に応じたレンズを装着できるという事でもあり、
その事は、本シリーズ記事でアダプターを使う上で、
「カメラとレンズの組み合わせを良く考えて使う」
という基本コンセプトにも通じている。
ただ、NEX-7自体、かなり小型なカメラであるので、中望遠と
言っても大口径とか、あまり巨大なレンズはバランスが悪くて
装着しずらい、持ち運び時にも、重量級レンズではマウント部や
アダプターにかかる負担を考えると常にレンズ側を持って移動
しなくてはならず、結構それは面倒だからだ(他のカメラが
すぐに使えない)
(アダプター部が重量オーバーでネジが緩んでレンズが脱落
してしまうケースは実際にあったので、常に注意が必要だ)
レンズは、PENTAX スーパータクマー 135mm/f2.5
1960年代のM42マウントレンズで、自動絞り対応である。
尤も、その点については、レンズ後部絞り連動ピンを押せる
現代のアダプターであれば問題にならず、絞込み測光で
普通に使用できる。
古いレンズであるが・・ まずは写り。
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色味がちょっと変なのは、NEX-7側の問題だ。
NEX-7は極めて優秀なカメラであるが、数少ない欠点の
1つに、AWB(オートホワイトバランス)が安定しない、という
問題点がある。1枚1枚、微妙に色味がばらつく事があるのだ。
尤も、それも、AWBアルゴリズム側の問題だ。
余談だが、私はC++言語等のプログラミングが出来るので、
AWB機能も、実験の為、自身で作ってみた事がある、
AWBには決まったアルゴリズムは存在せず、各々のメーカー
の独自方式と思われるが、いずれにしても、ともかく最初に
基準となる色を抽出しなければならない、これは基本的には、
無彩色の部分を基準とするのが良く、RGB空間をHSV空間に
変換してから、そこで彩度の低い部分を求める。
そこでの基準点の決め方は複数考えられるので、
それがメーカー間の独自性に繋がるのであろう、
次に、その基準点のRGB値を元に、全画素のRGB値に対し、
基準点を結ぶ直線で収束するように輝度値を補正する、
(なお、整数値への切捨て誤差等でトーンジャンプが
発生する場合もある)
で、その結果、AWBの出来上がり、という感じだ。
これはシミュレーション実験としては上手くいったが、様々な
画像で、全て正確な色味が出るとは限らなかった。
したがって、撮影状況によって、基準値が求め難い被写体の
場合は、AWBがバラつくのもやむを得ない、いかに多くのケース
でそれが安定してできるか?というのが各メーカーの、または
各カメラの機種毎の、設計上のポイントになるのであろう。
ということだが、色味の問題を抜きにして考えても、本レンズ
ST135/2.5の写りは、ちょっとイマイチのところがある。
まあ50年程前のレンズなのでやむを得ない。
事実、これ以降の1970年代においては、ST135/2.5は、
SMCT135/2.5としてリニューアル時に、設計変更してレンズ
構成が変化している、PENTAXとしても、このレンズの性能
には、ちょっと問題を感じていたのであろう。
レンズ自身の個性も少なく、早くも飽きてきた(汗)
まあ、それはわかっていた、本レンズは銀塩時代に、良く流通
していたSMCT135/3.5に、スペック的な物足りなさを感じて
ちょっとレアを狙ってf2.5版を購入したのだが、思ったほどの
写りをせず、がっかりして、その後あまり使用する事もなく、
休眠していたレンズだ。
で、そんな事(つまらない)もあろうかと、NEX-7を持ち出して
いるので、優秀なエフェクト機能を使って遊び始めた(汗)
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特定の撮影位置以外にグラデーションボケをかけるという
「ジオラマ効果」である、本シリーズではお馴染みのエフェクトだ。
ちなみにNEX-7との重量バランスの問題であるが、本レンズは
大柄で重いので、NEX-7とのバランスはこのあたりが限界だ。
最短撮影距離は1.5mと、135mmレンズとしては物足りない、
ただ、その点についてはヘリコイド内蔵アダプターを用いて
いるので、いざとなれば最短を短縮する事が自在だ。
だが、本レンズの描写力やボケ質においては、マクロ的撮影
には向かないと判断し、今回は遠距離被写体に徹してみよう。
メジロが飛んでいるのを見つけたので、早速デジタルズームを
使ってみる。
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野鳥撮影は意外に難しい、まず近くに人の気配を感じるとすぐに
どこかに飛んで言ってしまう、よってできるだけ静かに動かない
ようにしているのだが、近くに「犬の散歩」をしている人が
通りかかったり車の物音がすると、すぐに飛び去ってしまう。
おまけに、じっとしていない、好みの木の実や木の葉を探して
いるのだろうが、あっちこっちに飛び回る。
NEX-7のデジタルズームは連続可変である、1.1倍~10倍の
範囲でMFレンズをアダプターで使った場合でも可動する
(注:最初期のNEX-3/5では、純正単焦点でないと動作しなかった)
本レンズの場合は、まず135mmであるから、換算で約200mm
の画角となり、デジタルズーム(実用的には、4倍程度まで、
それを超えると画質劣化が激しい)を併用することで、
200~800mm相当のf2.5望遠レンズとして使用できる。
800mm程度であれば、ブレは比較的大きいものの、撮影不可
というレベルでは無いので、手ブレ補正機能の無い本システムに
おいても問題は無い(ただし1500mmを超えると撮影不能になる)
で、最初から800mmでは、素早く動き回る野鳥に正確に
レンズを向けるのは難しい、なので、デジタルズームをONに
したまま低倍率に設定をキープし、300mm相当位の画角で、
まず野鳥をとらえ、そこからおもむろにデジタルズーム倍率を
必要に応じて上げていく、これらは素早くやらないと、野鳥が
どこかに逃げていってしまう。ましてや三脚などを立てていたら、
その視野に、たまたま野鳥が入ってくる確率は極めて低いから、
勿論三脚は不要である。
そしてカメラの操作系も簡便さが要求される、冒頭のGX7では、
テレコン・ズームの操作系が良くないので、せっかくの手ブレ補正
内蔵のスペックだが望遠母艦としてはあまり適さない。
2機種目に紹介のDMC-G5では、デジタルズームの操作系は
ダイレクトに可能なので、ボタン必須のNEX-7よりむしろ優れて
いるが、そこで可能なのは2倍までだ、それを超えると
デジタルテレコンの併用が必須となり、その為には3~4回の
ボタン操作が必要となり、不便だ。
NEX-7では、ボタンCにデジタルズームをアサインしておけば、
1プッシュ+背面ダイヤル操作だけで10倍拡大までを速やかに
操作できる。ただし、ダイヤルを廻す際に、近接した十字キーに
触れてしまうと、別のメニューが出てしまうのが、ちょっとした
「操作性」上の欠点だ。
本レンズの購入価格だが、1990年代に12000円程であった、
ちょっと高すぎたし、性能的にも必携と言えるレンズでは
無いと思う。
さて、文字数がもう限界だ、次回記事に続く。