安価な中古ミラーレス機に、マニアックなレンズを組み合わせ
コスパの良いアダプター遊びを楽しむシリーズ、第39回目。
今回は、まず、このシステムから。
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カメラは、PENTAX K-01 、唯一のKマウントミラーレス機だ。
その構造上、ピント合わせに致命的とも言える課題を抱える。
ただ、レンズによっては(被写界深度の深い広角等)
そこそこ使える場合もあるので、様々なレンズを装着して
試している。
今回のレンズはPENTAX FA28-70mm/f4 AL だ。
1990年代のAF一眼用レンズ、当初はMZ-3/5の
標準ズームとして発売されたと記憶している。
このレンズは、実は2回目の購入だ。最初は1990年代
後半、MZ-3とのセットで購入して使っていた。
以前の記事で書いたが、その後、FA43mm/f1.9Limited
が発売され、友人が持っていたそのレンズの描写力に
衝撃を受け、FA43/1.9が欲しくなったところ、折良く、
MZ-3 SEという限定版の中古が出てきた。
これは、デザインが異なるMZ-3と、付属レンズにFA43/1.9
がついていたのだ、多少高かったがこのセットを購入、
それまで使っていたMZ-3は、同じものを2台持っていても
しかたが無いのでFA28-70/4ごと、下取りしてしまった。
だが、後から思うと、FA28-70/4は結構良く写るレンズで
あったので、手離したのを少し後悔していた。
それから20年近くの年月が流れ、ごく最近、たまたま
このレンズの中古を見つけ、税込3980円という安価な
価格に惹かれ再度の購入になった次第だ。
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やはりなかなかの写りだ、レンズの型番のALというのは
非球面レンズ使用、という意味であるが、なかなかキットズーム
でそういう仕様のものは、当時は無かったのではなかろうか?
まあ、MZ-3は当時のPENTAX がかなり気合を入れて
作ったカメラであったので、付属レンズもまた気合が入って
いたのであろう。
PENTAXは、F4通しの小型高性能ズームを作るのが
得意であり、その傾向は現在に至るまで続いている。
もしかするとピント合わせの苦手な K-01で、こうした小型
標準ズームならば問題点を回避できるか?というのも
本レンズの購入動機の1つであったのだが、その点については
あまり芳しくない、このレンズでも、やはりAFは問題ありだ。
もう1つの問題点は、K-01の個性的だが流麗なデザインが、
この時代のFAレンズの無骨なデザインとの組み合わせで
台無しになってしまう事だ。
そういう意味でも、K-01用の標準レンズは、通常はFA31/1.8
を使用している、そのレンズはデザイン的にも描写力的にも
優れているからだ(ただし、高価で性能はそこそこと、コスパ
が極めて悪いので、あまり好きなレンズでは無い)
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早くも飽きてきたので(汗)エフェクト母艦としてのK-01の
優れた機能を持ち出して遊び始めてしまった、まあ、こうした
標準ズームレンズというのは、元々殆ど興味が無いし、
おまけに、マニアックさの欠片も無い。
ただまあ、FA28-70/4の長所としては、描写力が高く、
F値固定ズームである事(これは思いの他重要な事だ、
別にf2.8では無くても良いが、F値が変わらない事が
使いやすいズームとなる)
そして、コスパが極めて高い事だ(ここも重要な事だ、いくら
写りが良くても、値段が高いレンズは、本シリーズにおいては
優秀とは定義していない)
欠点としては、まず最短撮影距離が40cmと、やや長め
である事、28mmからのズームであれば、28cmくらいは
期待したいのだが、まあこのあたりはやむを得まい。
そしてデザインが悪く、K-01に組み合わせるのは厳しい事だ。
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まあでも、4000円もしないレンズで、これだけ写れば、まず
文句は出まい。現代において必要なレンズか?と聞かれれば、
それはNOという答えになると思うし、APS-C機が中心のPENTAX
デジタル一眼(およびK-01)では、28mmからの広角も、
42mm相当からのズームとなり、使い勝手が悪い。
(なお、最近発売されたK-1 フルサイズ機を使えば
解消するが、レンズよりカメラの価格を高くしすぎない、
という方針に外れる)
が、本レンズに関しては、実は特殊な用途が存在する、
それはいずれまた、記事で紹介してみよう。
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さて、次のシステム。
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カメラは、Eマウント最強の高度な操作系を誇るNEX-7
レンズは、YASHICA オートヤシノン DX135mm/f2.8
本レンズは、1960年代後半~1970年代前半のMF
一眼用レンズで、M42マウントを採用している。
京セラ・コンタックスに吸収される前のヤシカの一眼の
Jシリーズや、エレクトロ・シリーズ用のレンズだ。
1990年代の第一次中古カメラブームの際、マニアの間では
「ヤシカのレンズは良く写る」という評判が立ち、確かに
何本かの標準レンズを入手してみると、どれも極めて良く
写った事から「では望遠はどうか?」と購入したものである。
ただ、購入時期は2000年代だったと思う、1990年代には
マニアが買い占めたからか?ヤシカのレアなレンズは玉数が
少なかったのだ、しかし、中古カメラブームも終わった頃で
世の中は銀塩からデジタルに変わる時期であったので、
本レンズの中古価格は、破格の3000円であった。
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これはデジタルズームを使用している。
NEX-7はAPS-C機であるので、135mmレンズを装着した
時の画角は約200mm相当だ、だが、NEX-7の優れた
操作系により、こうしたオールドレンズであっても、ボタン
一発で、プレシジョン・デジタルズーム機能を呼び出せる。
(注:そのようにカスタマイズしてある)
この機能により、NEX-7の背面ダイヤルを廻す事で、1.1倍~
最大10倍まで連続的にデジタルズームをかけることができる。
ただし、4倍位を超えると画質の劣化がはなはだしいので、
そのあたりまでで止めておく必要がある。
これは確か4倍くらいであったか?つまり換算800mm位の
画角となっている。
本レンズの弱点を最初に言ってしまうと、最短撮影距離が
1.5mとやや長めである事だ。
ヤシカのレンズには寄れないものが多い、標準レンズはどれも
最短50cm以上であるし、この135mmも、本来であれば、
1.3m位の最短でもおかしく無い。
しかし、実は秘密兵器がある、このレンズを装着している
マウントアダプター(M42→E)が、ヘリコイド内蔵タイプなのだ。
ヘリコイドアダプターは、それを繰り出す事により、最短撮影
距離を縮める事が出来る、すなわち接写リングによるマクロ撮影
を行っているのと同等だ。
なので、この特殊アダプターを使っている場合では、最短が長い
レンズであっても何も心配する必要が無い、ちょっと廻せば
それに応じて寄る事ができる(ただし、あまりやりすぎると
画質が劣化してしまう)
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で、デジタル・ズームにも、ヘリコイド・マクロにも耐えられる
という事はそこそこ優秀なレンズであるという事だ、
装着しているレンズの性能が悪いと、こうした裏ワザ的な
機能を用いると、とたんに描写力が大きく落ちてしまうのだ。
では、何もそうした機能を使わずに、DX135mm/f2.8
そのものだけで写してみよう。
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比較的ボケは綺麗に見えるが、本レンズの場合、背景によっては
ボケ質が破綻してしまう事がある。まあ、これはこの時代の
望遠レンズであればしかたない事であるが、いつもこのシリーズ
で書いているような「ボケ質破綻回避」を行わなければならない。
NEX-7の236万ドットEVFは、ピントの山は掴み難いが、反面
ボケ質の再現性は高い。ピントに関しては、NEXシリーズの
優秀なピーキング機能を用いれば、だいたいいけるし、
いざとなれば、拡大ボタンを使いやすい位置に設定してある。
で、ボケ質を見ながら、必要に応じて絞り値や背景のパターン
(アングル、距離、絵柄)を変化させてボケ質破綻を回避する。
あともう1つの本レンズの弱点は、やや大柄な事だ。
銀塩時代のヤシカ製のMF一眼レフは、どれも大きく重かったので
本レンズを装着してもバランスは取れていただろうが、
現代のミラーレス時代、NEX-7のような小型ボディに装着すると
どうしてもアンバランスとなってしまう。
以前、NEXに400mm望遠を装着してみたことがあるが、いかにも
アンバランスな上、アダプターに負担がかかりすぎ、内部のネジ
が緩んで、危うくレンズ脱落事故を起こしそうになった事もある、
まあ、NEXシリーズであれば、本レンズくらいの大きさまでが
重量バランス的にも限界であろう。
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再びデジタルズーム、結構距離があるので5倍以上の倍率に
していたと思う、このあたりから画質が劣化してくるので、
デジタルズームは、あまり上げ無いのが望ましい。
まあ、4倍程度までで使うとして、135mm単焦点は、
換算で200~800mm/f2.8ズームとして使えるので
便利と言えば便利だ。
本レンズは、3000円という価格からすれば高コスパのレンズ
であるが、まあ、現代においては135mm/f2,8のMFレンズは
特別必要なものでは無いであろう。中古市場においても、
MF135mmは人気が無く、50mm標準レンズよりも安い相場で
売られている事も多い。まあ、なので、安価な事を長所として
買うのも良いかも知れないが、この焦点距離は、f2級の大口径
レンズに非常に性能の良いものが多いので、買うとすれば
そちらが良いであろう、ただし、中古価格は、f2.8版の10倍
以上も高くなる場合もあるので、ちょっと微妙な選択だ・・
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さて、次のシステム。
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カメラは、FUJI X-E1 、Xマウント最初期のミラーレスであり
AF/MFともに、精度や操作系に課題を持つ、MF操作系は特に
劣悪であり、未完成なカメラであるとも言える。
まあ、でも、絵作りに長所を持ち、そのあたりは捨てがたい、
なので、本カメラも冒頭のK-01と同様に、様々なレンズを
組み合わせ、使えるものを模索したり、限界性能を試したりして
いる状態だ。
ということで、今回のレンズは、NIKON AiAF50mm/f1.8だ。
ただし、このシステムは、推奨できる組み合わせでは無い事を
最初に言っておく、AFレンズなので、勿論ニコンのデジタル
一眼と組み合わせた方が良い訳だ。
すなわち本シリーズでは、アダプター遊びと言っても、ただ
デタラメにシステムを組むのではなく、カメラとレンズとの
組み合わせにおいて、「お互いの欠点を相殺する」ものが
良いというのを1つのコンセプトとしているからだ。
まあでも、最近の本シリーズでは比較の為に、AFレンズも
ほぼ解禁している。
で、以前の第21回記事で紹介したAi50mm/f1.8は、
本レンズの前身となったMF版である(レンズ構成は同等)
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第21回記事のAi50/1.8では、NEX-7との組み合わせで、
ノーマルな撮影というよりは、エフェクト中心の撮影に
偏ってしまった。まあ、NEX-7の場合はオーソドックス
すぎるレンズで撮っていて物足りなくなってくると、そういう
エフェクトに走ってしまう傾向がよくあるのだが、今回は、
X-E1との組み合わせだ。X-E1にはエフェクトが無く、
かつ絵作りが良いので、普通に撮っていても、あまり飽きが
来ない、これでMF操作系が優れていれば問題無いのだが、
残念ながらその点は、本レンズを使った場合でも、欠点は
解消されない。
ニコンの50mm/f1.8の描写力が優れている事は、わかって
いたので、今回は特に、ボケ質のチェックを中心としている。
晴天であったので、ND4(減光1/4)のフィルターを装着している、
この状態で、絞りを開放から最小まで自由に使う事ができる。
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しかし、被写界深度が浅い撮影になると、X-E1の課題が
また出てくる、ピーキング機能はほとんど効かないほど
精度が悪く、拡大操作系は劣悪すぎて、もうそうした課題を
いちいち書いて説明する気にもならない程だ。
この状態なので、撮影はかなり難易度が高い状態となっている、
つまり、X-E1のMF性能で、このレンズのピントが合うのか?
という訳だ。
ちなみに、レンズの最短撮影距離は45cmと標準的だ。
他社の場合、f1.4の大口径標準(50mmm)と、小口径版を
ラインナップする際、f1.4の最短は45cmだが、小口径版
(f1.7~f2.0)は、最短が50ないし60cmとなってしまう事もある。
これは、ラインナップの「差別化」という意味もかも知れない。
つまり、高価な大口径版より、安価な小口径版が性能が良く
なってしまったら都合が悪いからだ。
まあ、ビジネス的には、やむを得ない措置かも知れないが、
個人的にはあまり好きでは無いやりかただ。
レンズのみならず(デジタル)一眼レフなどでも同様な
ケースがあり、たとえば、同じ画像周りの部品(エンジン)
を使っているのに、高級機では機能がフルに使えるが、
安価な入門機では、あえてその部品の性能を落として
(制限をして)性能を差別化し、価格ラインナップの
整合性を取っている事がある。まあ、高級機用と初級機用の
部品をいちいち変えて設計していたらコストがかかるで、
同じエンジンを使うのはある意味当然であるが、値段により
性能を差別化をするというスタンスは、やはり好きにはなれない。
まあ良い、そういう状況が、そのカメラやレンズ(あるいは
他の製品もしかり)の性能・仕様などを慎重に調べる事で
何か気になったら、そうした機種は買わなければ良いだけだ、
つまり「気に入らないから」買わない訳であり、これが
メーカー側のスタンスに対する、ユーザー(消費者側)に
出来る唯一の対抗手段だ。
まあ、こうした色々と裏の事情があるので、結局、モノを
買うときは、私の場合は「コスパ」を最優先としている。
つまり「値段が高いから良いものである」というのは
ユーザーの全くの思い込み・誤解であるから、自身がモノ
に対する価値感覚を高める事で、そのモノの価格が適正か
どうかを自身で判断する、それがすなわち「コスパ」であり
値段に対して性能が優れていれば良しとし、その逆はNG
という訳だ。
極端に言えば、モノの売買は、それは戦争(競争)であり、
ユーザーがその物を、本来の価値よりも高く購入したら、
その時点で「負け」であるという認識だ。
さて、余談が長くなったが、AiAF50/1.8の話であった。
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ピント合わせが困難な状況は、やはりX-E1ではやむを得ないが
まあ、それでも本レンズ自体の描写力は一級品だ、
第21回記事でも、MF版の50/1.8を同様に紹介したが、その頃
(1970年代)から、すでに完成の域に達しているという事であろう。
ニコンのレンズは、ボケの固いものが大多数なので、こういう
レンズは特に貴重だ。ニコンユーザーならばMF版でもAF版でも
シリーズE版でも好みに応じ、必携と言っても良いかも知れない。
ちなみに、本レンズは2010年代の購入。
中古価格は、破格の5000円であった。
これは、AF版としては最初期であり、D型では無い事、
それとちょっと値切った事からである。
D型とは「距離エンコーダー内蔵」型のことで、AF合焦時に
距離情報を、ニコンの一眼レフに伝える、その合焦距離に
応じ、露出計の動作や、フラッシュ光量などを調整して
それらの精度を高めるという仕組みだ。
勿論、これはミラーレス機でアダプターで使う場合には
無効であるから、D型でなくても一向に差し支えない。
それと、本レンズはボケ質の破綻は出難いが、ミラーレス機
で使用する上では、絞込み測光となるので、撮影前に被写界
深度やボケ質が(目安だが)確認できる。
一眼レフで使用する場合は、開放測光となるので、それらは
確認できない、仮にプレビューボタンを使っても、絞り込んだ
映像は暗いし、スリガラスのファインダーでは被写界深度は
良くわからない。
ボケ質にいたっては、一眼レフでは、さらにわからず、だから、
銀塩時代は、撮影して現像が上がってきて「ギャーッ」となった
事が多発したのだ。
ミラーレス機では、撮影前にボケ質も(ある程度)確認できる
事で、このあたりは一眼レフに対しての多大なメリットであろう、
まあ、なので、最近は「AFレンズであっても、本来のAFボディ
(デジタル一眼)ではなく、ミラーレス機で使った方が
もしかしたら、トータルのメリットは大きいのでは?」とも
思うようになってきている。
まあ、ただし、MFに何のストレスも感じない、という条件つき
の話ではある。(ちなみに、私の場合は逆で、ミラーレス機の
コントラスト検出方式のAFに性能上のストレスを感じてしまう)
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さて、次は今回ラストのシステム。
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カメラは、LUMIX DMC-G1
レンズは、フォクトレンダー ノクトン25mm/f0.95だ。
本シリーズ記事を始めるまでは、2台持っているG1のうち、
赤の方をアダプター母艦、青の方を、このノクトン専用機と
していた、ノクトンだけで3万枚近くも撮ったであろうか?
まあ、すでに発売してから5~6年を経過するレンズなので、
それ位撮っていてもおかしくない。
近年、ノクトン42.5mmを購入した際に、その母艦はG1では
なく、G5を選択した。
すなわち、G1はベースISO感度がI00であり、ND4を装着
した25nm/f0.95で、日中、絞りの可変範囲がちょうど良く、
拡大操作系も優れ、ピントが見やすい144万ドットEVFであり、
25mmレンズは、μ4/3で、銀塩換算50mm相当の画角となり
まさしく標準レンズとして慣れ親しんだ画角となるからだ。
対して、G5は、ベースISO感度が160であり、ND8を装着した
42.5mm/f0.95と相性が良く、拡大操作系に優れた144万ドット
で、かつダイレクトアサインできるデジタルズーム(連続2倍)で
85mm~170mm/f0.95相当の、超大口径望遠ズームとして
使い勝手に優れるからである。
より新しいG6と迷ったが、G6はピーキング機能が入っているが
EVFがピントの山の見難いタイプだ、そして、ピーキングは、
ノクトンのような被写界深度が非常に浅いレンズでは無理と
見たので、G5を選んだ次第だ。
余談だが、後日、ピーキング機能をC言語で作って実験して
みた事がある、ピーキングは自分オリジナルの画像処理法だが、
計算時間が無制限なので、カメラのような、リアルタイムで
画像処理しなければならないものよりは精度が高い筈である。
で、それで試してみると、広角レンズのような被写界深度が
深いものはピーキングが綺麗に出るが、ノクトンで撮ったような
写真ではちょっと精度が怪しかった。まあ、自作アルゴリズム
でもコントラストを検出する方式であり、つまり、これは
正確には「ピントそのものを検出している訳では無い」のだ。
で、この方式はミラーレス機のAF方式ともイコールであろう、
まあ、冒頭のK-01や、X-E1、GXRなどで、さんざんAF性能の
低さに辟易していたので、「やはりまあこんなものか」という
のが、実験の結論であった。
で、さらに後日、ピーキング機能つきのGX7を入手したのだが、
GX7のピーキングは他機種に比べててさほど低い性能では
無いが、それでも被写界深度が浅いレンズでは精度が怪しい。
ちなみに、GX7のEVFはNEX-7よりさらに高精細な276万ドットで
あるが、236万と、さほどの差異は感じられない。
まあ、つまり、どのカメラもそれなりに長所短所があって、
レンズと組み合わせる事で、その短所をできるだけ目立たなく
するのが重要な訳だ。
ということで、余談が長くなったが、
ノクトン 25mm/f0.95は、G1が壊れたり老朽化しない
限りは、しばらくは、G1を母艦として使う事になると思う。
何故ならば、それが一番相性が良さそうだからだ。
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あいかわらずだが、このレンズの描写は本当に独特だ、
このレンズでしか得られない雰囲気というものがある、
そういう意味では、本当に「唯一の」レンズであろう。
発売直後の2010年ごろに新品購入したので、8万4000円と
かなりの出費となったが、3万枚近くも撮影したので、
十分元はとれているだろう。
ちなみに、本ブログで提唱する「1枚3円の法則」は、
カメラの減価償却の目安であり、レンズには適用しない、
何故ならばレンズはずっと長期にわたって使い続ける事が
出来る為であり、カメラは高価なものを買ってもどんどん価値が
落ちるので、元をとるには、1枚あたり3円になるまで撮れという
ルールだ。
仮に30万の新品高級カメラを買ったら、10万枚も撮らなければ
ならない、これは一般の人には無理な数だ。
だからこのルールによれば、一般ユーザーは高すぎるカメラは
購入してはならないという事になる。
高級機が中古となって10万円くらいまでになれば、3万3000枚
だったら、まあ頑張れば、数年でクリアできるだろうから、
せいぜいそのあたりまでという事になる。
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最短撮影距離は17cmと驚異的だ、それで1/4倍マクロとなり、
μ4/3で実質2倍であるから、フルサイズ換算1/2倍マクロである。
この写真の寄り具合ではまだまだ余裕で、いくらでも、という
イメージで寄ることができる。で、近接撮影ではただでさえ浅い
被写界深度がさらに浅くなり、平面に近いような被写体でさえも
画面の多くの部分をボケに埋もらせてしまう事も可能だ。
そしてf0,95の超大口径は、普段は、ND4のサングラスを用いて
暗くして使わないと、すぐにシャッター速度オーバーになるが
いざとなれば、ND4を外して暗所での撮影にも役に立つ。
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これはライブでの撮影、ただし、動き回る被写体では、MFが
難しく追いつかないので、人物中心のライブや舞台は極めて
難易度が高い撮影となる、5~6回ほど試してみたが、いくら
やっても歩留まりが悪い(つまり、ピンボケを量産する)ので
最近は、もうこうした暗所の撮影でも、AFの大口径レンズ
(f1.4~f2)を使う事にしている。
まあ、それには、カメラのISO感度が上がり、中級機でも、
最大ISOが12800~51200が普通の時代となった、
というのも、イベント撮影でのf0.95のノクトンの必要性が
無くなった理由の1つであろう。
では止まっている人物撮影ではどうか?
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まあ、難しさはライブ等とさほど変わらない、人物の場合は
さらに表情という要素が加わる。人間はそんなに長時間
じっと同じ表情をしている事は無いのだ。そのため、撮りたい
時にすぐ撮れない(つまりピントが難しい)ノクトンは
あまり人物撮影にも向いていないレンズなのかも知れない。
ちなみに、人物撮影というジャンルに対する興味は近年は
かなり減ってしまった、以前は、人物は最も好きな被写体で
あり、機材も技術も要求されるし、話術などのテクニックも
とても重要なので、かなり面白いと思って、色々と撮っていた
のだが、ある時、ふと気がつくと、一見奥が深い撮影ジャンルの
ように見えて、結局のところ「被写体が勝ち」のジャンルで
ある事を思い知らされる。つまり、いくら上手く撮れたところで
魅力的なのは、その被写体の人物の方が主体であり、撮った人
の手柄には、あまりならないのだ。
このような「被写体の方が強い」というジャンルは他にも
いくらでもあって、綺麗なオネイサンの他、綺麗な風景、
綺麗な花、格好良い乗り物、珍しい行事、珍しい動物・・
まあ、一般のカメラマンが好む被写体の殆どがそうである、と
言っても過言では無いであろう、しかし、それではいつまで
たっても「被写体の勝ち」であり、「撮影者の勝ち」に
なる事は有り得ない、なんかそのあたりが非常に疑問に
思えてきて、被写体の勝ちとなる写真はできるだけ撮らない
ようにしよう、と思うようになった次第だ。
まあでも、その事は、本レンズ ノクトン25mm/f0.95とは
関係が無い。ノクトンには独特の個性があり、それがまた
たまらない魅力なのだ。
次回に続く・・