さて、今年もそろそろ「熱い季節」がやってくる。
まずは大会日程の告知という事で、本年度前半期5月~7月の
近畿圏の主要大会の日程及び開催場所について紹介しよう。
今年の皮切りはこちら。
5月8日(日)第4回宇治川・源平・龍舟祭

京都、宇治市で行われる、ドラゴンボート大会である。
京都でも有数の観光地である宇治で行われる本大会の特徴は
まずは観客数が多い事。
世界遺産、宇治平等院のすぐ裏手の宇治川で行われる大会
であり、勿論、観光誘致を1つの目的としている。
まあ、もっとも、今年の大会は、ゴールデンウィーク直後で
あり、観光客の入りの状況は良くわからない。
ただ、近年は、外国人観光客の急増などから、京都の
トップシーズンは何処も恐ろしく混雑する。観光地の混雑の
分散という意味においても、GWをちょっと外したくらいの
タイミングも良いのかも知れない。
で、観光客、観客に配慮しているという事からの、本大会の
1つの特徴としては、「仮装自由」の珍しい大会である事だ。

地元のチームはもとより、「ドラゴン専業チーム」ですらも
思い思いの仮装で観客の目を楽しませている。
ちなみに、本大会は「市内の部」「市外の部」に分かれているが
これは実質的な「実力別カテゴリー分け」と同等であり、ビギナー
チームでも(市内の部で)上位入賞のチャンスがある。
もっとも、過去3回の大会を観戦した経験から言うと、
市内の部でも、ちょっと頭ひとつ抜きんでいるチームが
3~4チーム程あり、毎年、これらのチームの上位争いが
見ものとなっている。

宇治川そのものは流れが速いので、大会は、宇治川の派流で
観光船などが行きかう半閉水面で行われる。狭いという事もあり、
各レースは2艘建てのマッチレースとなっている。
ただし、昨年までの状況を見ると、この会場ではちょっとした
問題点があった。レーン毎の状況が、イコール・コンディション
ではなく、漕ぎやすさや水流等が異なり、レーンによって、
結果的に2秒程度のタイム差がついてしまっていた。
昨年(2015年)の大会では、この状態を考慮し、予選では、
2回戦の各レースで、同一組み合わせによるレーン交代を行い、
できるだけイーブンな条件になるようにしていた。
ただし、準決勝および決勝戦では、レーン交代する余裕も無く、
1発勝負となるため、そうした対策が行えない。
(抽選)で厳しいレーンに当たったら、ちょっと不運な所もある。
まあ、この問題の原因は、恐らく川底の地形や水深の差にあった
のであろう。
で、最新情報だが、本年(2016年)、1月~3月(頃)にかけ、
宇治川の会場域水面は、大規模な工事が入っている。

これが工事の模様、恐らくは、水害対策の工事だと思われる。
この写真の左側の地形は、中の島(通称:塔の島)と呼ばれる
宇治川の中に浮かぶ小島(人は住んでいないで公園となっている)
だが、2013年9月の大雨では、この島が殆ど水没するほど
宇治川が増水した。
まあ、そういった洪水対策もあっての川底改良工事という事で
あろう。
ただ、宇治大会参加経験のある選手の方が、この写真を見て
もらえればわかるように、工事場所はモロに大会のコースと
なっている。この結果、川底がどう変化して、前述のレーン毎
のコンディションの差がどうなるかは現時点ではわからない。
もしかすると、レーン毎の差はなくなるかも知れないし、
場合により、もっと別の形で条件に差が出てしまうかも知れない。
まあ、そのあたりちょっと不安もあるが、ともかく、本大会は
本年度、近畿圏では最初の大会になるため、楽しみでもある。
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続くは、5月22日の、東京ドラゴンポート大会(お台場)
であるが、残念ながら私はこの大会を観戦した事が無いので
写真の掲載や詳細の紹介はは出来ない、いちおう参考まで。
次いで、こちらの大会。
6月19日(日)第4回堺泉北ドラゴンボート大会

大阪府、高石市の臨海工業地帯の海水面で行われる大会だ。
会場は恐ろしく広く、今では全国でも珍しくなった500mの中距離
レースが行われる(注:市内の部は、250mの短距離戦)
会場は「浜寺公園」の西側の水面と言えば分かり易いであろうか。
埋立地である工場群と浜寺公園の間の運河(浜寺水路)である。
ただし、電車を使った場合、最寄り駅からこの会場へのアクセス
はかなり遠い。このため、大会当日は高師浜駅から200mほど
西に歩いた「臨海スポーツセンター」前から、会場(選手村)までは、
無料シャトルバスが出ている。
しかし、一般観客の場合は、選手村から観戦する必要性は
あまり無く、浜寺公園側からでも十分にレース観戦は出来るので、
家族でお弁当片手に行楽がてら、というのもありだと思う。

こちらも宇治大会同様に「市内の部」があり、ビギナーチーム
でも大会を楽しむ事ができる。
まあ宇治同様、本大会でも、近年、地元ビギナーチームの中から
強いチームが出てきていて、本大会で優勝のみならず、他地区の
大会にも参戦して優勝の実績を持つチームも居る。
見所は500mという中距離戦であろう、強豪ドラゴンチームも
よく全国(あるいは海外からも)から集まってくる大会であるので、
激戦が見られる時も多々ある。

これは、昨年(2015年)大会のオープンの部決勝で、
国内最強の「磯風漕友会」が、同トップクラスの「bp」に
敗れた瞬間である。
「磯風」は、国内の大会では、ここ8年くらいは、出場した
(ドラゴンボートの)大会で優勝を逃した事はなかった。
だから、この磯風の敗北、あるいはbpから見たら「金星」は、
ひとつの「事件」とも言えるのであるが・・
続く翌月の「日本選手権」では、海外の超強豪チームが
優勝したものの、磯風2位、bp3位と、また順位が逆転した。
まあ、そのあたりも色々とドラマがある、詳細は長くなるので
割愛しよう。昨年の各々の大会観戦記事を見返してもらえれば
幸いだ。
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次いで、こちらの大会。
6月26日(日)第9回静岡県ドラゴンボート大会御前崎市長杯
昨年の本大会は、風速15m/sを越す強風により、残念ながら
大会当日に中止となってしまい、急遽行われたのがジャンケン
大会による、賞品争奪戦であった。

まあ、ジャンケン大会は、意外なほどの盛り上がりを見せて
選手達はそこそこ楽しめた模様である。
大会中止は残念であったが、さすがに大自然の猛威に
勝つ事は出来ない。
ちなみに、数年くらい前までは、ドラゴン(ペーロン)大会が
中止になる事は殆ど無かったのであるが、2013年以降、
台風や強風などの理由で中止になる大会が結構目立つ。
ちょうどその頃から、「異常気象」というものが世間で言われ
始めた時期である。ドラゴンは、天候には比較的強いイベントで
あるが、今後もこういう事はあるかも知れない。
晴れていれば、御前崎大会はなかなかの盛り上がりを見せる。

静岡近郊のチームならず、特に関東方面からのチームの
参戦が多い。
静岡では、他に10月の体育の日の連休に「ツナカップ大会」が
行われている。こちらも従来は関西地区からの参戦が少なかった
のだが、2015年、bp、関空飛龍、河童などのチームが参戦、
なかなかの盛り上がりを見せている。
関西から静岡は思うよりも近いのと、タイミング的に他地区の
大会とかぶる事も無いと思うので、関西圏からの多数の出場も
是非期待したいところだ。
なお、地元チームの数は多く、場合により計50チーム前後に
までなる事もある。

古くから「実力別カテゴリー制度」を採用している大会なので、
初心者のチームでも楽しめることができる。
ドラゴンの大会では、旧来は「男女混合」「オープン」「シニア」
などのざっくりとしたカテゴリー分けが主流であったが、いわゆる
「ドラゴン専業チーム」と呼ばれる上級チームが出始めてからは、
ビギナーチームとの実力差が深刻になってきた。
よって、近年では、「チャレンジ」「チャンピオン」などの
実力別カテゴリー分が各大会での主流になりつつある。
ちなみに、前述の「宇治」も「高石」も、市外の部、市内の部と
便宜上なっているが、これらも、ほぼ実力別カテゴリーと言える。
静岡は風光明媚な土地であり、海産物をはじめとするグルメも
魅力だ、本、御前崎大会、そして10月のツナカップ大会は
私も毎年の楽しみでもある。
関西圏からのチーム参戦も大歓迎とのことなので、今年は是非
静岡の大会にも挑戦してもらいたい。
ちなみに、現在静岡県では、南海トラフ巨大地震による想定津波
被害対策の為、各港湾に順次、防潮堤の設置工事が進んでいる。
この為、御前崎大会の会場は、これまで大会を行っていた場所が
防潮堤設置により使い難くなってしまった、そこで本年から
会場位置を移動し、南側の港を使うという話も出ている。
(従来の200m戦から、150m戦となる可能性もある)
将来的にはツナカップ会場である清水港にも防潮堤が設置され
会場を移動する可能性もあると聞いている。
こういう被害対策は必須だと思うので、会場環境などでの多少の
不便は目をつぶりたいところだ。
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次は、こちらの大会。
7月3日(日)2016相生ペーロン競漕

兵庫県、相生市で行われる伝統行事的な大会であり、すでに
100年近くの歴史があるという。
例年 5月末頃に行われる大会だが、今年は他の行事と日程が
かぶるということから、7月に変更された模様だ。
地元中心のお祭り的な雰囲気もあり、ちょっと県外チームなどは
敷居が高いイメージもあるが、それでも関西圏や長崎(ペーロンの
本場)からの参戦も目につく。
相生を地元とする男子強豪「磯風漕友会」(上写真)がともかく
強く、10年前後の期間、連覇を続けている。
しかし、2番手、3番手のチームも、それなりの実力がある
常連チームであり、決勝戦(ターン2回ありの 900m)では、
なかなかの激戦が繰り広げられ、見ごたえがある。

「磯風」の兄妹チーム、女子強豪「スーパードルフィン」は、
さらに磯風の上を行き、十何連覇と、他の女子チームから
すれば、もう手がつけられない状態である。
また、磯風同様、「ドルフィン」も、日本選手権など関西圏の
ドラゴンボート大会でも連覇を続けており、磐石という感じだ。
相生ペーロンも、駅から選手村はかなり距離があり、駅に近い
港側の公園から無料シャトルバスで選手村に行くことができる。
一般カメラマンの多い大会であるが、選手村は「場違い」と感じる
のか、ほとんどのカメラマンは、公園側から観戦・撮影をしている
模様だ。
なお、前日には多数の花火が上がり、関西圏ではほぼ最初の
時期の花火であるから、数万人という観客が訪れる。
その余波で、ペーロン競漕の当日も、万単位の観客に恵まれる
大会である。
なお、ドラゴン・ペーロンの観戦撮影には、少なくとも銀塩換算
600mm以上の望遠レンズが必須になる。
三脚は、動き物被写体には百害あって一利無しなので使用不能だが、
600mmオーバー望遠での手持ち動体撮影は、ビギナーカメラマン
には機材的にも技術的にもハードルが非常に高いと思うので、
無理して撮影しようとせず、純粋に競技を観戦して楽しんで貰えれば
良いと思う。
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次いで、こちらの大会。
7月17日(日)2016天神祭奉納日本国際ドラゴンボート選手権大会

大阪、天満橋の八軒屋浜で行われる、国内最高峰の大会。
古くは「天神大会」と呼ばれていた、四半世紀の長い歴史を誇る
ドラゴンボート大会であるが、2000年代後半より「日本選手権」
としてリニューアル、ちょっと参加料が高いのが玉に瑕だが、
まあ上位に入れば、それなりの名誉にはなる大会である。

関西圏はもとより、東京、埼玉、静岡、愛知、四国、九州、
といった全国区、加えて海外チームなど、まさにオールスター
大集合の大会だ、観戦していても楽しく、極めてハイレベルかつ
スリリングな激戦が繰り広げられる。選手(チーム)の裏事情を
知ればさらに見所が増し、もはやそれは「ドラマ」であるとも言える。
観客はかなり多い大会なので、できれば、彼等一般観客にも、
そうしたチーム事情を知ってもらいたいと思っているのだが、
なかなかそれを伝えていくのは難しいのかも知れない・・
でも、それ(観客の理解と興味)が、ドラゴンやペーロンを
メジャーなスポーツにしていく第一歩でもあると思う。

まあ、あれやこれやあるが、そのドラマはとても短い記事では
語りつくせない、過去記事などを参照してもらえれば良いと思う。
日本選手権は、ともかく、必見の大会だ。
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さて、7月までの日程では、次がラストの大会だ。
7月24日(日)第25回 びわ湖高島ペーロン大会

滋賀県、西琵琶湖の高島市で長い歴史を誇る大会である。
とは言え、ドラゴンボートのチームにはあまり馴染みが無い。
恐らくだが、「ドラゴン専業チーム」で本大会への参戦経験が
あるのは地元滋賀の2チームだけであろう。
(ただし、ペーロン、カヌー系チームでの県外からの参戦は
過去あった模様だ)
特徴は、極めてデンジャラスな大会であるという事。
すなわち、本大会のFRP製専用ペーロン艇は、他地区では類を
見ない特殊な形状、特殊な漕ぎ方を要求され、ビギナーチーム
は勿論、ドラゴン専業チームですらも相当苦戦する。
デンジャラスというのは、その操船が極めて難しい艇により、
蛇行、接触、衝突、舵の破損、クルーの落水、転覆など、
ありとあらゆるアクシデントが日常茶飯事的に起こる大会という
意味だ。
通常、ドラゴンやペーロンでは、チームの「監督」は、クルーと
して艇に同乗するが、本大会では監督は乗艇が禁止されている。
というのも、転覆などのアクシデントがあった際、岸に戻ってくる
メンバーの安否を確認するのが本大会の監督の役目なのだ!
まあ、でも、観戦する上では、これほど面白い大会は他に無い、
通常のドラゴン・ペーロン大会を見慣れている目からすると
様々なアクシデントは、衝撃的ですらある。

高島市は琵琶湖の北西部にあたり、水質は南琵琶湖とは
比べ物にならないくらい綺麗である。
このため、大会を観戦する子供達はもとより、選手にいたる
まで、(大会中に)湖水浴を楽しんでいる事もよく見かける。
大会はターン有りの600m戦だ、ターンの良否が勝敗を分ける。
ちなみに、ドラゴンボートの大会はすべて直線コースのみで
戦われる。これは、ドラゴンボートとは古来の類似の各種競技
(ペーロン、ハーリー等)を規格化してルール統一した国際競技で
あるからだ。
ペーロンはドラゴンと類似競技であるが、そのルール上の制約を
受けない、なので国内のペーロン大会は、一部を除き、ほとんど
ターン有り、のルールとなっている。

主催側の、高島市観光協会によると、
「ドラゴンボート強豪チームの参加大歓迎」という事である。
私もこの話には賛同する、この難しくもユニークな大会を
是非「ドラゴン専業チーム」で盛り上げてもらえれば良いと
思っている。ちなみに、本大会も実力別カテゴリー制なので
実力派チームであっても、地元チームに対する遠慮は無用だ。
さらにちなみに、入賞は、賞品ではなく、賞金(現金)なので、
そのあたりもプロ志向・競技志向の上級チームには魅力的であろう。
(まあ、専業チームが、あえてチャレンジの部(フレンドシップと
呼んでいる)に参加して勝つのは、ちょと大人気ないのだが、
賞金が出るのは、チャンピオンの部だけなので、そのあたりは
間違いなく上のカテゴリーに出る事になるだろう)
なお、本大会は、人気大会の「久美浜大会」(正式名称は
京丹後ドラゴンカヌー選手権大会)と良く日程が被ってしまうのが
参加しずらい原因の1つであったのだが、今年の久美浜大会は
翌月の8月7日開催予定なので日程がかぶらない。
また、日本選手権の翌週であることも若干参加しずらい理由と
なっているが、まあ、ドラゴン専業チームであれば、毎週の
ように大会に参戦しても体力的には問題は無いだろう、遠征費用や
参加料(安価である)は、優勝すれば賞金で楽に回収できる。
・・という事で、本年(2016年)の、5~7月のドラゴン・ペーロン
大会の紹介まで。 今年の「熱い季節」は、もうまもなくだ!