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【熱い季節2015】第24回びわこ高島ペーロン大会(前編)

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私は、昨年度、18もの、ドラゴンボートやペーロンの大会、
および関連イベントを観戦していたのだが、昨年末にまとめた
2014ベスト大会の記事で、一番面白かった大会としてあげたのが、
びわこ高島ペーロン大会であった、



歴史の長い本大会は、今年もまた第24回大会が2015年7月26日(日)
に滋賀県高島市のJR近江今津駅近くの琵琶湖畔(今津町南浜)の
会場で行われた。
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本ペーロン大会のルールであるが、ターン有りの300m往復、
計600mによるレース、専用FRP艇、15人漕ぎ(+ドラ、指揮者、舵)
実力別2カテゴリー制、となっている。

まあ、ここまでは普通の大会ルールであり、特に驚くべきものではない、
しかし昨年、本大会を初めて観戦した時は、まさに衝撃であった。
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今回掲載している写真は、全て今年の大会の模様であるが、
レースがはじまって間もないというのに、既に衝突事故が発生。

いや、多少のニアミスや衝突などは、本大会では当たり前なのだ。
蛇行、スピン、接触、衝突、転覆、舵や船体の破損、落下(落水)等、
ありとあらゆるアクシデントが日常茶飯事の、極めてデンジャラスな
大会なのである(汗)

その凄まじさからか、かつては「勇ましい地元のお祭り」のような
イメージで続けらていたのかも知れないが、とはいえ地元のみで
門戸を閉ざしているわけではない。
どの地区からの、どんなチームの参加もウエルカムであるとのこと。

近年、いわゆる「ドラゴン専業チーム」がいくつか、この危険かつ
難しく、勇ましくもユニークな大会に挑戦をはじめている。
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さて大会の方だが、午前9時台の現時点では、フレンドシップの部、
いわゆるビギナー向けのカテゴリーのレースが続いている。
中には、今日初めてペーロンを漕ぐという選手も勿論多い、
しかも艇は極めて操縦(操船)の難しい、本大会専用FRP艇だ。
まあ、よほど慣れたチームでもないかぎり、絶対と言っていいほど、
真っ直ぐには進まない。

スタート直後で真横を向くくらいならまだしも、50mほど
進んだ時点で、意図せずUターン、スタート地点に戻ってしまって、
そのまま行き過ぎ、いったどこまで行くのか・・と思っているうちに
タイムアウト失格、などというケースが続出する。

以前、滋賀県ドラゴンボート協会の役員さんに聞いてみると、
滋「ああ、あの大会は難しいよ、ドラゴンの人達には無理かも・・」
という発言もあったくらいだ。

あるいは、競技志向の強いドラゴン専業の選手達の中には、外因や
偶然性によって勝敗が左右されやすい、こうした不安定なレギュレーション
のレースは「やりにくい」と感じて避ける傾向もある事だろう。
正統派として真面目にドラゴンに取り組んできた選手やチームであれば、
それは、そうであろうと思う。
しかし、選手心理はともかくとして、観客目線からはとても面白くも
デンジャラスな大会である事は間違いない。

将来のドラゴン・ペーロン界においては、「観客に何をうったえる事が
できるか」、すなわち「見ごたえのあるレースを提供できるかどうか?」
が、非常に重要な要素(コンテンツ)になってくると私は予想している。
そう、ドラゴンがメジャーなスポーツになる為には、もはや選手達だけの
気持ちでは成り立たなくなってくるのだ、そこには観客の視点が必須だ。
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まあ、そんなデンジャラスなローカル大会に、果敢にも挑んでいる
ドラゴン専業チームが2つ、写真の「小寺製作所」と、ご存知
「池の里Laksers!」である、どちらも、滋賀県大津市を本拠として
主に滋賀県を中心としたドラゴン・ペーロン大会ではおなじみの
強豪チームだ。

ちなみに、過去2年間の本大会のチャンピオンの部(強豪チームに
よるカテゴリー、フレンドシップより参加費が高いが、現金が賞金
として出る)の上位3チームを書き出してみよう。

2013年
1位:松陽台(しょうようだい、地元最強チーム)
2位:小寺製作所
3位:池の里Lakers!

2014年
1位:小寺製作所(初優勝)
2位:池の里Lakers!
3位:松陽台

という感じで、地元強豪と専業チーム2つによる三つ巴戦が続いている。

チャンピオンの部では、他、地元強豪として「ビクトリー南浜」が居る、
この会場(今津町南浜)の名を冠した、完全なる地元チーム。
昨年も決勝に進出したが、惜しくも4位で入賞ならず。
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おっと、今年初の落水者発生!

慣れたチーム(選手)だと、水に落ちても舷側で懸垂して這い上がり、
ほんの10秒ほどでレースに復帰すると聞く、本大会のルールでは
復帰すればレース続行可だ、ただ、落ちた選手が欠けたまま進んで
ゴールしても失格となってしまう。
(まあそうだろう・・ 置いてけぼりはあまりに無慈悲だ!汗)

今回は、ビギナーチームなので自力の復帰は難しかったのか、
救助艇にレスキューされてレース復帰、しかし、ここでのタイムロスが
かなりあったので、実質的にタイムアウト失格であろう。

ちなみに、タイムアウトは、6分間とかなり厳しいルールだ。
600mのターン有りペーロンレース、まあ、ドラゴン国内最強の
「磯風漕友会」をもってしても、地元相生ペーロン競漕で、3分を
切るのがやっとだ。

本大会のコースレコードは、正確に全部の記録を調べたわけでは
ないのだが、確か3分27秒、相生ペーロンの強豪「南風(なんぷう)」
が参加したときで、もうずいぶん以前の話だと聞く。

昨年のチャンピオンの部での「小寺製作所」の優勝タイムは、確か、
3分40秒前後。
ビギナーの部(フレンドシップの部)では、速いチームでも、4分を
切ってくるケースは稀だ。

その状況で、タイムアウト6分というのは、ほとんど余裕が無いに
等しい、蛇行、スピン、衝突、落水等で、タイムアウト失格が続出する。

おまけにフレンドシップの部は、予選タイム2回戦合計上位が決勝に
進出するルールなので、1度でも失格があると致命的だ。
まあ、しかし、フレンドシップは基本的に順位戦ではなく、優勝(および
準優勝)の他は、審査員の特別賞や、飛び賞、抽選による賞品、という
カテゴリーなので、順位はあまり関係ないのであるが・・・

チームは、ボートに乗る18人に加え、ボートには乗れない監督1名で
構成されている。
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監督の役目は何か?と言うと、アクシデントがあった際など、
陸に戻ってくる選手の数を確認するの役割だ(!)

これはジョークではない、岸の近くで転覆して、メンバーが
ちりじりに泳いで戻ってくることなど、この大会では珍しくない。

漕ぎ手の数は15人、で、もしメンバーが足りていなくても、
(勿論レースには不利だが)参加は可能だ。
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こちらは、高島市の市役所チーム、主催側なので、ちょっと強引に
参加チームを増やしたという感じで、見たところ、半数くらいしか
乗っていない。けど、それでも、着実に真っ直ぐ進み、遅かったが
タイムアウトせずに無事ゴールに戻れた。

結果的に1mも進めなかった(戻ってしまった)ビギナーチームも
いくつかあったくらいなので、むしろ、これは立派なもの。
で、タイムアウトしたときだが、自力でなんとかゴールまで漕いで
戻れれば良いが、それが無理そうだと判断されると、哀れ、救助艇に
曳航されて戻ることになる。

ちなみに、レース結果はHPなどでは公表されていない、
まあ、チームの以前の成績などを調べるには不便ではあるが、
失格、失格、などと書かれているのも格好悪い話なので、それも
ある意味適切な措置かな?とも思う。

フレンドシップの部には、32チームという結構な数が参加して
いるが、ビギナーチームばかりかというと、そうでもなく、常連で
かなりの実力を持つチームもいくつかある。
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写真は、常連の「北深会」(ほくしんかい)
見るからにターンが上手い、チャンピオンの部の各チームよりも
むしろスムーズだと思う、直線でややパワー不足だが、それでも
4分を切る好タイムを叩き出してくる。

この他、「Crew2 11号」というチームも強い、本大会3連覇中で
あると聞くが、今日は、ちょっとタイムが伸び悩んでいる様子。

あと注目は、航空自衛隊がフレンドシップに2チーム参戦、
加えて、チャンピオンシップにも「SPIRITS」の名で参戦、
(注:瀬田にも、SPIRITS というチームがあるが、無関係とのこと)
冒頭写真で、選手を湖に投げ込んで遊んでいるのが航空自衛隊だ。

チャンピオンの部で地元最強の「松陽台」も、若手初心者を
「松陽台トマホープ555」の名前でフレンドシップにエントリー、
地元チーム戦も、色々とわかってくると結構見所が多く、面白い。

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ちなみに、本日の撮影機材は、例によって安物のカメラ・レンズ
ばかりだ、水、雨、風、潮、砂、熱、という過酷な撮影条件の
ドラゴン・ペーロン大会では、カメラは消耗品であり、数年で
使い潰すこととなる。まあ、とは言え、最近のカメラはそう簡単に
壊れるものではないので、10年以上も前の初期のデジタルカメラを
使い続ける事にもなる。その間、新しい機種は当然購入している
のだが、そういうのを、もっと安全な環境の撮影の際に、散々使った
あげく、お下がりを、ドラゴンやペーロン撮影に持ち出すのだ。

具体的には、今日の機材(カメラ)は、CANON EOS 30D (2006年)、
PANASONIC DMC-LX3(2008年),SONY NEX-3 (2010年)と
いう感じだ。
レンズは基本的に、カメラが変わってもずっと使い続けるが、
それらもドラゴン撮影では、消耗品と言っても良いであろう。
ちなみに、雨などが予想されるもっと厳しい条件では、さらに古い
カメラやレンズの出番となる、もう壊しても惜しくない、という
ものばかりになる。撮影は3台のカメラ持ちが基本だが、3セット
まとめて、レンズ込み、時価(中古相場)合計5万円、といった
ような値段感覚だ。さすがに、これならいつ壊れても問題ない。

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それと、本大会の会場だが、JR近江今津駅より徒歩10分ほどの
場所にある。近江今津はJR湖西線の新快速停車駅で、京都駅
からは50分ほどだ、直通新快速であれば、大阪、神戸方面からも
乗り換えなしだが、本大会は朝が早いので、開会式に間に合う
時間だと、直通新快速は残念ながら走ってなく、普通列車となる。

なお、チャンピオンの部とフレンドシップの部のレース順番を逆に
すれば遠方からのチームも、若干参加しやすくなる事であろう。

近江今津駅を降りて、琵琶湖側に少し歩くと、竹生島(ちくぶじま)
観光客船乗り場が見えてくる、そこを右手に歩いて南浜方面へ、
5分ほどで大会会場が見えてくる。駅前にコンビニがあるし、
大会会場にも屋台の出店が出ているので、飲食には困らない。
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そして、湖西、湖北は、夏のレジャーの定番スポットなので、
風光明媚で、観光スポット等も多く、気温も都会より涼しい。
まあ、涼しいのは確かなのだが、本日は、台風12号の直撃も
避けられて、日本全国で猛暑日となった日なので、ここ高島市
でも同様に暑いのは暑いのだが・・・
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まあ、上の方の写真でも紹介しているが、湖水浴がしほうだい
なので、暑ければ、水に入るという選択肢もある。
水はとても綺麗で、しかも勿論無料、地元の子供達も琵琶湖で
遊ぶのは慣れっこ、親御さんも、過保護になりすぎることもない。
大阪や京都などの都会から考えたら、まるで別世界だ。

「小寺製作所」チームの、小寺団長も水鉄砲を持ち込んでいる。
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小「ほんと、ここは、いい所だよなあ、
  混雑する有名観光地に行くなんて、馬鹿馬鹿しいよなあ」

匠「そうですね、ここに来るたびに実感します、
  それもこれも、皆、知らないからなんですよね・・」

まあ、ある意味やむを得ない、今の世の中、雑誌、TVや、
インターネットからいくらでも情報が入る時代ではあるが、
それはある意味、捻じ曲げられた情報なのだ。観光誘致や
ビジネスという目的が、見え隠れしていることがほとんどだ。

その証拠に、情報化時代が進めば進むほど、休みの日には皆が同じ
場所に集まり、異常なまでに混雑したり、あるいは、皆同じ流行もの
を欲しがり、売り切れたり高騰したり、欲しくも無いのに買わされる
場合がとても多い。
情報が増えているのに、一極集中するというには、いったい
どういう訳か・・ これは、皆が深く考える必要があるだろう。
結局、情報の洪水の中から、自身の目的に合った情報を上手に
選択していかないと、ただただ、皆と同じ情報に踊らされるだけで、
何も良いことは無い。

さて、この大会には、地味だが、もう1つ工夫がある。
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それが、この優勝予想投票制度。

チャンピオンシップの部の参加チームの中から、勝つと思う
チームを予想して投票する。

これは私には有利なイベントだ、チームの様子も、ドラゴンも
ペーロンも熟知している、ただ、去年は初観戦なので、この
投票はやめておいた。 今年は投票してみるとしよう、
予選を見て、だいたいチームの様子はわかった、どこのチームに
投票したのかは、また続く記事でのお楽しみとしておこう。

中篇に続く・・・

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