本シリーズ記事は、「オールドレンズ」ならぬ、
「オールド・デジタルカメラ」を、時代とカテゴリー
(一眼レフ、コンパクト機、ミラーレス機)で分類し、
順次紹介していく記事群である。
紹介機体は勿論、全て自身で所有しているカメラであり、
実際に長期に渡って実用としている。個々の長所短所も
知り尽くしている訳であり、ちょっと機体を借りてきて
評価したり、仕様を調べて転記しただけの「まとめ記事」
等とは、全くリアリティが異なると思う。
また、本シリーズ記事の根幹としては、「古いデジタル
カメラは、どういう点が不利なのか? その課題を回避
して用いるには? 古いカメラを使い続ける理由は何か?」
等についても分析を行っている。
で、本記事での紹介機は、2012年~2014年の期間に
発売されたデジタル一眼レフを5台とする。
この時代、フルサイズ一眼レフが色々と新規に発売
されていて、特に、2012年は「フルサイズ元年」
である、と本ブログでは定義している。
今回の紹介機の中でも、3台がフルサイズ機だ。
また、本シリーズを進めるにあたり様々な取り決め
事項があるが、だいたい他のシリーズ記事と同様の
ルールとしている。(本シリーズ第1回記事を参照)
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では、今回最初のオールド(デジタル)一眼レフ。
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カメラは、CANON EOS 6D(フルサイズ機)
(2012年発売、発売時実勢価格約20万円弱)
(中古購入価格 83,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第16回
レンズは、SIGMA 85mm/f1.4 DG HSM | ART
(2016年発売)を使用する。
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本機の特徴としては、発売時点でのフルサイズ
デジタル一眼レフ中、最軽量、そして最安値で
あった事である。
重量に関しては、本機EOS 6Dが680g(ボディのみ、
以下同様)で、ちなみに後継機のEOS 6D MarkⅡは
685gであり、CANONフルサイズデジタル一眼レフ
の中では、本機EOS 6Dが継続して最軽量だ。
加えて、他社一眼レフも含め、フルサイズ機最軽量
の座を、ずっと明け渡していないかも知れない(?)
(注:詳細未調査)
他社機ではNIKON D600(当時発売済み)が760g
NIKON Df(翌2013年発売、後述)が710gで、
DfがNIKONフルサイズ一眼レフ中では最軽量だ。
また、SONY α99(当時発売済み、後述)は
733gで、この機体は、ほんの僅かな期間だけ、
フルサイズデジタル一眼レフ中最軽量であった。
価格の件だが、NIKON D600の発売時実勢価格は
約22万円であったと聞く。本機EOS 6Dは約20万円
であったので、本機発売当時では(フルサイズ・
デジタル一眼レフ中)最安値である。
もっとも、EOS 6Dは、D600の直後に発売されて
いる為、D600の実勢価格に対抗した値付けであった
かも知れず、かつ、これらはオープン価格なので、
すぐにNIKON D600も、EOS 6Dと同等の価格帯に
値下げされた事であろう。
ただ、これらのフルサイズ機最軽量、最安値の話は、
あくまで(デジタル)一眼レフ中での比較であって、
翌2013年に、SONY α7(ミラーレス第13回記事)
が発売されると、その重量は416g(本体のみ)
実勢価格は約15万円だったので、一眼レフとは比較
にならないレベルだ。(まあ、そういう事もあって
SONY α7は人気機種となった)
軽量、安価である事は良いのであるが、その代償
として、本機EOS 6Dは、ドライブ性能(連写等)が
弱く、かつ機能不足だ。
機能不足については、例えばエフェクト(CANONでは
「クリエィティブフィルター」と呼ぶ)が未登載で
あったり、フルサイズセンサーのクロップ機能が
無かったりする。クロップはともかく、エフェクトは
CANON低価格帯機(例:EOS 60D、EOS Kiss X5等、
いずれも当時発売済み)には搭載されているので
上位機種である本機EOS 6Dにエフェクトが無いのは
かなり不満であった。
私のEOS 6Dは、趣味撮影専用機として、MF使用も
想定し、スクリーンをEg-S(MF用)に換装してある。
趣味撮影において、エフェクト等の機能不足は
やはり「表現力の低下」という不満が大きい。
なお、本機以降の時代(2013年~)では、CANONの
比較的多くの機体で、スクリーンの交換が不可と
なってしまったので、趣味撮影に向かないという課題
がある。(=だから本機を使い続けるしか無い)
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本機EOS 6Dは、総合的には「可も無く不可も無し」
という地味な機体である。
中古購入時点(2017年頃。注:EOS 6D MarkⅡが発売
されて初代機の中古相場が下落した事を受けての購入)
においては、この地味なスペックを見て、
「持論の減価償却ルール(1枚3円の法則)が完了
しそうも無い」(=あまり枚数を撮影しない)という
危惧があったのだが、その後、年間1万枚程度の撮影を
コンスタントに続け、2020年頃に減価償却済みと
なった、つまり「十分に元を取った」という判断だ。
ただ、元を取っても、次に「ローテーション購入」
(基本的には「買い足し」、ごく稀に「買い替え」)
をする適切な、または魅力的な機体が存在しない。
これはまあ、2010年代後半からの、デジタル一眼レフ
市場の大きな縮退を受け、メーカー側としても、
目を引く新鋭機の発売が出来ない(高価に売りたく
ても技術的な改良の余地が無い、または発売しても
売れない)状況となっている、という訳だ。
もう少しの間、本機EOS 6Dには、引き続き頑張って
貰う事としようか・・
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さて、2台目のオールド(デジタル)一眼レフ。
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カメラは、SONY α99(フルサイズ機)
(2012年発売、発売時実勢価格約28万円)
(中古購入価格 64,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第26回
レンズは、TAMRON SP AF 90mm/f2.8 Di MACRO 1:1
USD(Model F004)(2012年発売)を使用する。
購入価格が比較的安価なのは、発売から時間が経った
2020年頃の購入で、かつC級品(やや難あり)の
機体を、あえて選んだからである。
私は「フルサイズ機である」事には、殆ど付加価値を
感じないから、本機の適正購入相場は、「APS-C機の
SONY α77Ⅱと同等」と事前に見積もっていて、
すなわち、6~7万円が想定入手価格であったので、
「この購入価格で適正又はやや安価」と見なしている。
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本機の最大の弱点は、操作系の全てが「鈍重」である
事だ。本機以外にも、この時代前後のα77、α65、
α77Ⅱ(後述)のいずれにも同様な弱点がある。
(ただしカメラ毎に程度差がある、私の感覚では
同時代のSONY機の中ではα99が最も劣悪な状態だ)
何故鈍重なのか?は、いくつかの機体を買って
評価している時点では理由が不明であったが、
近年に有力な情報が入ってきている。
それは「SONYはこの時代に、旧来の組み込み型の
OSから、汎用OSに変えた」という話である。
(OS=オペレーティング・システム。コンピューター
やマイコンの様々な処理を管理する基本ソフト)
そうであれば、技術的には納得できる原因である。
汎用OS+組み込み用CPUでは、さほどの高速動作は
期待できない事は、技術者間における常識だ。
では、何故汎用OSを採用したのか? という理由の
推察だが、まずライセンス料が不要な汎用OSでは、
わずかだか製品のコストダウンが出来る。
そして汎用OS+一般的なC言語系プログラム開発環境
は、多くのエンジニア層に馴染みがある為、あまり
専門的なスキル(知識、経験)が無い技術者でも
カメラの制御プログラム開発に従事出来る。
まあ、これらがメーカー側から見た主なメリットで
あるが、操作系が鈍重になるというデメリットを
どう捉えるか?が課題だ。
まず、開発前においては、全ての動作が、どの程度
重く(遅く)なるかは、正確には把握(予測)する
事はできない。だから、開発側においては、
「作ってみましたが、遅いです、どうしましょう?」
という決済事項になった事は確実だと思われるが・・
その際、営業(系)側の判断としては、恐らくだが、
「今時のユーザー層は、凝ったカメラ操作などしない、
だからこれで大丈夫だ、製品化してしまえ」
という決議の流れになった可能性も捨てきれない。
しかし・・ まあ、確かに現代のユーザー層では
超高機能化した高級デジタルカメラ(一眼やミラーレス
機)の全搭載機能をフルに活用する事は出来ない。
まず、高級機の主要ユーザー層は、ビギナー層であるし、
たとえ中級クラスのユーザーであっても、超高機能を
全て理解し、それらを自在に扱うのは無理だ。
だから、この操作系の不満は、上級層、職業写真家層、
上級マニア層あたりからしか出て来ない。
・・で、SONY αフタケタAマウント機のユーザー層は、
微妙に、そうした上級層とは異なっている。
(上級層が、実用撮影あるいは業務撮影をするならば、
αフタケタ機では無く、CANONまたはNIKON機を使う)
そして、本機α99の翌年にはフルサイズ・ミラーレス
機のα7シリーズの発売が開始されていて、そちらの
シリーズは、SONYの製品ロードマップ的には、将来的に
プロユース(業務撮影、または上級者での実用撮影)に
耐えうる状況とする事を、本機発売時点では想定して
いたのだと思われる。
つまり、もう本機α99の発売時点では、この操作系の
鈍重さに不満を持つ上級ユーザー層の事は無視していた
のだろうと推察できる。(あわよくば、ミラーレス機に
乗り換えてもらいたい訳だ。その為に、翌2013年には
ミラーレス機の商品名も、それまでの「NEX」から「α」
に改められた訳だ)
まあ、こうして仕掛けが全てわかってしまえば、ユーザー
視点からすれば、なんとも面白く無い結論である。
(いいようにメーカー側の都合に振り回されているから)
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・・でも、私の本機α99の購入動機としては
「手持ちのα機が全て減価償却ルールを完遂していて、
そこそこ物理的な老朽化が厳しくなってきている。
しかし、もうAマウントα機の新発売は期待できない
ので、最後のAマウント機として、長期間に渡って
使えそうな機体を買っておこう」という理由だ。
・・という訳で、操作系の鈍重さは我慢して使い、かつ
もう本機では「減価償却ルールの完遂」を早めに目指す
必要すら無い。むしろ、例えば2027年頃になるまで、
できるだけ、のんびりと長期間、α Aマウントのレンズ
の母艦として、長寿を全うすれば良い訳だ。
きっとその頃には、α Eマウントの機体のAF性能も
十分に向上されているだろうから、Aマウント用レンズは
マウントアダプターで、Eマウント機で使えば良い訳だ。
その時点で、仕様老朽化寿命の尽きた本機は、リタイア
する事となるだろう。
なお、「仕様老朽化寿命」とは、デジタル機の旧機種の
性能や仕様が、新鋭機に対して大きく見劣りする為に
故障していない完動品であっても、使いたく無くなって
しまう事だ。
私の定義では、仕様老朽化寿命は、通常の機体では
「カメラ発売後10年迄」であるのだが、本機α99では
後継機が小改良版のα99Ⅱしか存在しない事、
(=買い替えをすべき新鋭機種が無い)
そして、カメラを扱うスキルがあれば、仕様老朽化寿命
は伸ばす事が出来る(ここが、本シリーズ記事での
根幹であり、「オールドカメラを使いこなす」という
意味である)という事が、近年ではわかりかけてきた
ので、仕様老朽化寿命を15年間に迄、延長できるので
あれば、本機は最低限2027年頃までは使用可能となる。
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では、3台目のオールド(デジタル)一眼レフ。
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カメラは、PENTAX K-30 (APS-C機)
(2012年発売、発売時実勢価格約8万円)
(中古購入価格 21,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第24回
レンズは、smc PENTAX-DA 40mm/f2.8 XS
(2012年発売、銀色塗装限定版)を使用する。
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PENTAXがHOYAの傘下から、RICOHの傘下に変わった
時代に発売されたカメラであるが、その企画コンセプト
は、明らかにHOYA時代のものであり、若干発売の
タイミングが遅くなっただけ、と思われる。
HOYA時代のPENTAXは、入門・初級層向けのカメラの
発売や、エントリー層向けの販売戦略を前面に押し出し
カメラ事業を黒字化したのだが、ちょっと「やりすぎ」
の感もあった中で、HOYA時代企画の最終機と思われる
本機K-30は、性能や機能に優れ、かつ価格も安価な
ハイコスパな機体である。
スポーティなデザインとカラーリングは、外観の
格好良さのみならず、簡易防滴仕様であり、実際に
雨天イベント撮影等で活躍しているバリバリの現役機だ。
通称、「黒死病」とも呼ばれる、絞り制御ユニットの
劣化故障が発生するリスクを除き、本機においては、
大きな弱点は特に無いのだが、唯一気になる点として、
レンズ収差補正機能をONとすると連写性能(速度および
バースト(最大撮影)枚数)が大幅にダウンしてしまう
事である。
イベント撮影用では、レンズ側も、防滴機能を備えた
HD PENTAX-DA 18-50mm/f4-5.6 DC WR RE
(2015年)と組み合わせて使う場合が多いのだが、
このレンズは広角側で歪曲収差が発生する為、(歪曲)
収差補正機能をONとして使うのが望ましいのだが、
前述のように、そうすると連写性能が失われてしまう
のが痛いところだ。
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「実用撮影や業務用途のカメラならば、高級機や高性能機
(例:旗艦クラス)を使うのが普通なのでは?」
と、多くのアマチュア層は思うかも知れないが、それは
そうとは限らない。
実務撮影に必要なカメラやレンズを、カメラマンが所属する
組織・企業等が買ってくれたり、経費で落とせる、という
状況は、かなり恵まれている類の環境であって、普通は、
大半の職業写真家層は、カメラ等を買うのは自己負担だ。
だから、そこで収支決済の概念が出て来る。つまり高い
カメラやレンズを買ったら、その金額に見合う収益を
得なければ赤字になってしまうのだ。常に赤字だったら
それは「仕事」にはならない、それではただの「道楽」に
なってしまう。
よって、仕事がメインで撮影をする人達で、自腹で
機材を買っている場合は、最新の高性能機を使うケースは
稀であり、たとえ高性能機であっても、少し前の世代の
機体をボロボロになっても使い続けている。
また、所属する組織等が機材を揃える場合であっても、
新聞社等では基本的な会社所有機材を複数のカメラマン
が使いまわししている状況であるし、企業や自治体等の
広報担当カメラマンの場合では、ほぼ担当者専用機材を
使えたとしても、勿論ながら高額な予算は承認されず、
可哀想なくらいの、初心者向けの低性能機を使わざるを
得ないという状況だ。
低性能機材では我慢出来ないマニア等の広報担当者等は、
趣味を兼ねて、自腹で高性能機材を購入し、それを仕事
でも使っている。
こうした場合、会社等から「私物は仕事では使うな!」と
お達しが出る場合もあるのだが、「そう言われても、
会社が良いカメラやレンズを買ってくれないんだもの、
しょうがないじゃないか・・」と、結局、現状維持しか、
結論が無い。
まあ、なんとも世知辛い世の中であり、ビギナー層が
思うように「プロカメラマン達は、常に最高の機材を
使って最高の写真を撮っている」というのは完全なる
幻想だ。
むしろ、フリーランス等の職業写真家層の考え方では
「同等の品質の写真を納品して、同じ収入を得るならば
使用機材は安ければ安いほど、利益率がアップする」
である。
なので実務上では、まあ一応、体面的に高級機材を所有
していたとしても、実際の撮影時には、そういう機材を、
できるだけ温存して、消耗用の(安価な)サブ機で
撮影をしているケースを大変良く見かける次第だ。
・・そういう「実務上の消耗機」としては、本機
PENTAX K-30等は、2010年代としては最適の部類で
あるだろう。高性能で、かつ価格が安価だから、申し分
無い訳だ。過酷な環境でハードに使って壊してしまって
も、もう十分に機材購入投資は回収できているだろう。
(注:前述の「黒死病」は、使用状況には依存しない)
ただまあ、業務撮影において、常にこのクラスの機体だけ
を使う訳にはいかないし、時代が過ぎれば、もうこの
クラスでは仕様老朽化寿命が来てしまい、もう少し新しい
世代の機体に買い換えざるを得ない。
その際、2010年代後半以降の時代では、一眼レフ市場
の縮退により、一眼レフの価格が高騰している事が課題に
なる訳だ。例えば、PENTAX KP(2017年)を本機の代替と
しようとしても、中古相場が少なくとも3倍から5倍は
高価となってしまう、そうした機体を買って、それで
元を取る為には、例えば、「仕事量を3倍に増やす」とか、
投資金額の回収方法をちゃんと考えなくてはならない訳だ。
なお、これは業務撮影に限らず、趣味の世界だけに特化
して考えたとしても同様であろう。趣味であっても使える
金額(予算)には限界があり、機材購入の為に無尽蔵に
お金をつぎ込む事は出来ない訳だ。
だから、ユーザーがそれぞれの用途や志向性に応じて、
機材の予算配分をちゃんと考えていかなければならない。
やはり、なんというか・・ 世知辛い世の中だ。
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さて、4台目のオールド(デジタル)一眼レフ。
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カメラは、NIKON Df (フルサイズ機)
(2013年発売、発売時実勢価格約28万円)
(中古購入価格 160,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第17回
レンズは、NIKON AF-S NIKKOR 58mm/f1.4G
(2013年発売)を使用する。
前機種の話の続きからすれば、この機体はもう完全に
「道楽」の類であろう。「実用撮影には非常に厳しい」
とも言える数々の重欠点が存在している。
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銀塩時代を経験して来たベテラン層から見れば、
本機は、ともかく「格好が良い」。そこが最大の
長所であり、その方向性を志向するユーザー層に
向けては、それが付加価値(ユーザーから見た魅力)
にダイレクトに繋がる。
しかし、本機Dfの課題は、いざ実際に本機を実用撮影
に持ち込むと、「劣悪」とも言える操作性の課題が
襲ってくる。これは実用範囲以下のレベルであるので
「使い物にならないカメラだ!」と、すぐに見限って
しまう上級マニア層等は、かなり多いと思われる。
余談だが、現代においてカメラやレンズを紹介する
レビュー記事等は、それは流通(販売)側が、その
機材を売りたいが為の記事であるから、そこには悪い
情報はいっさい書かれていない。だが、本機を実際に
使ってみれば、実用レベル以下の性能しか無い事は、
記事等のライター(執筆者)クラスのスキルがあれば、
誰にでも理解は容易だ。
でも、記事内容を悪くは書けない、この点で困った
あるライターは「じっくり撮るのに向くカメラだ」
と、本機を評価した。
言いえて妙であり、私も思わず笑ってしまった。
まあつまり「効率的な撮影はできない」という事を
見事な婉曲表現(否定的な内容を直接書かない)で
置き換えていたからだ。
さて、本機Dfの課題の最大の原因は、本機はアナログ
機体風の外観であるのに、中身はデジタル機であるから、
そこから出て来る様々な矛盾だ。
ごく簡単な例を挙げれば、露出補正やISO感度の変更
用には専用の操作子が存在している。だから、そこで
設定した値、例えば露出補正+0.7EVとか、ISO感度
1600とかは、通常の一眼レフのように、前後の電子
ダイヤルで設定すると、ツマミ操作子と値が異なって
しまうから、必ずアナログダイヤル(操作子)側で
設定しなければならない。
で、こうしたダイヤル類は、操作がしにくいカメラ左上
等の軍艦部にある事のみならず、これらにはロック機構
があるので、「必ず両手を用い、ロックを解除」しないと
全く使えない。
これはもう、ここまで書いた事を理解した段階で
「ダメダメカメラだ」という事が容易に認識できる
であろう。
つまり、「見た目は物凄く美人なので、苦労して
くどいて結婚したら、家事がまるで出来なかった」
という状態である。
まあでも、そういう美人(?)であっても、デート
に連れていくのならば最高な訳であり、つまり、
「欠点があっても、使う人が理解していれば良い」
という訳だ。
同様な設計思想で、本機Dfと類似点が非常に多い
銀塩機NIKON F4(1988年、銀塩一眼第15回記事)も、
AF性能と、露出補正の操作性、巻き戻し操作性等に
重欠点を持つカメラであった。
(だから旗艦機でありながらも当時の市場からの評価は
高くなく、職業写真家層やマニア層にも不人気であった)
だが、そのF4は「MFレンズを使ってAFの弱点を解消し、
36枚撮りネガフィルムを用いて、露出補正の操作を
不要とし、巻き戻しの頻度を減らす」という対策で
ほとんどの欠点が綺麗さっぱり無くなり、素晴らしい
MF専用機となった訳だ。
「じゃあ、AFレンズとかポジ(リバーサル)フィルムで
撮りたい人はどうするんだ?」とは聞くなかれ、
そういう人はNIKON F4を使ってはならない、非効率的
だからだ。そういうニーズがあれば、さらに少し時代
が進んだ、NIKON F90系、F5、F100あたりが適正な
機体であっただろう。
結局、カメラに弱点があったとしても、それを解消
する為の措置を行い、少しでも快適に使おうとしたり
カメラの長所短所に見合うレンズ・システムを組み、
適切な用途で用いる事で、弱点は回避できる。
そうする事は「ユーザー側の責務」であると、近年
では思うようになってきている。
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では、本機Dfの弱点を回避するにはどうするのか?
実は、そこもユーザー次第だ、ユーザー各々において
カメラの使用目的も、撮影する被写体の種類やその
写真の用途も、あるいは撮影技能(スキル)も、全て
まちまちだからだ。
「誰かがこう言ったから、オレもそうしてみよう」
などという弱点回避法は有り得ない。
本機Dfの長所だけ書いておくので、それを参考にして
ユーザー個々に、自身の目的に合うように「用途開発」
が必要だ、という事となる。
1)銀塩機を彷彿させる流麗なデザイン。
特に銀塩用レンズとのデザインマッチングに優れる。
2)現代機の中で唯一と言って良いほどの、NIKON製の
一眼レフ用オールドレンズの使用(装着)汎用性。
非Aiレンズ等も含め、ほとんど全てが装着が可能だ。
(ただし、非Aiレンズ使用時の操作系は劣悪だ)
3)現代機の中では(SONY α7S系を除いて)最大の
ピクセルピッチ(大きさ)がある。
この為、高感度性能に優れ、最大ISOは20万だが、
かなりの高感度まで実用範囲として使える。
4)同、ピクセルピッチの広さにより、絶対的解像力が
とても低いオールドレンズを使用時にも、センサー側
の性能とアンバランスになりにくい。
5)センサーと画像処理エンジンは、旧旗艦機NIKON D4
の使いまわしであり、発色傾向やDレンジの広さ等は
当時の最高峰のノウハウが投入されている。
6)発売当初は高価すぎる状況であったが、長期間に
渡り販売されている機体なので、2020年頃以降
からは中古相場も下落し、描写性能から見たコスパは
適正範囲に収まりつつある。(追記:生産終了が発表
されてからは、また相場高騰を招いてしまった)
である。
上級マニア層等であれば、Dfの持つ様々な重欠点に、
目をつぶっても、上記の長所を活用したいという
シチュエーションは、色々と想定できるであろう。
まあつまり、そういう事を理解して機材を買える人
のみに推奨できるカメラである、という訳だ。
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では、今回ラストのオールド(デジタル)一眼レフ。
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カメラは、SONY α77Ⅱ (APS-C機)
(2014年発売、発売時実勢価格約14万円)
(中古購入価格 76,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第18回
レンズは、TAMRON SP 70-300mm/f4-5.6 Di VC USD
(Model A005)(2010年発売)を使用する。
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比較的優秀な機体だ。高速連写性能はバースト枚数
(=連続撮影可能枚数)が、やや不足気味な事と、
AE追従が出来ない事を除いては問題が無く、快適だ。
それでいて、重量は比較的軽く(本体のみ647g)
かつ高機能であり、EVFにより、ピーキング表示や
EVF内メニュー操作系も充実。
APS-C型センサーで画素数も十分(α99等と同じ
2430万画素)なので、デジタル拡大(テレコン)
機能と組み合わせる事で、優れた「望遠レンズ母艦」
として活用できる。
遠距離スポーツ(ボート競技等)撮影用の主力
カメラとして使用中であるが、勿論弱点もある。
まず、本機α77Ⅱが現状でのSONY α Aマウントの
APS-C最終機となっていて、後継機が発売される
見込みは無い。
仕様老朽化寿命を、仮に発売後10年とすれば、
2024年には、たとえ壊れていなくても、使用する
事が厳しくなって来るであろう。
ただまあ、同型機を予備機として買っておき、
物理的な老朽化を抑えながら使えば、寿命は延ばせる
とは思っている。(前述のα99の項目参照)
第二の実用的課題としては、バッテリーの持ちが
悪い事だ。この時代(2010年代前半)の、SONY α
フタケタのAマウント機は、多くが同じバッテリー
を使用するが、いずれも消耗が早い。
本機α77ⅡのCIPA規格準拠上での撮影可能枚数は
EVF使用時で410枚と貧弱な性能であり、業務用途
機としては適正なレベルでは無い。
ただ、持論では「CIPA規格の5~6倍は持たせる事」
という目標値があるので、2000枚程度までは余裕で
本機では撮影が可能だ。
又、高速連写を主体とすれば、撮影可能枚数は増える
ので、最大では5500枚まで持たせた経験もある。
(この場合、CIPA基準の13倍程度だ)
そして、バッテリーが他機と共通である利点を
活かし、本機を長時間の撮影に持ち出す場合には、
α65やらα77、α99等、他機のかたっぱしから
バッテリーを抜いて、予備電池として持っていけば
良い訳だ。ただ、SONY機用のインフォリチウム・
バッテリーは、いずれも「自然放電」が大きい事が
重欠点であり、しばらく機体を使わないでいると
バッテリーがカラカラに干上がっているケースが
大半であるから、他機から抜き出して使う場合は
残量には要注意だ。
まあつまり、抜き出すのは、出かける直前ではなく、
前夜や前日あたりから抜き出して、全てのバッテリー
を事前に満充電しておく必要がある。
これは面倒だし、そういう準備の余裕が無い場合には、
自然放電の少ないCANONやNIKONの一眼レフを、
急遽SONY機の代わりに出動させる事もある訳だ。
![_c0032138_21574989.jpg]()
他には大きな課題は無い、あえて細かい欠点を
上げておけば、以下となる。
*絞り込んだ時のシャッター音(絞り動作音)が
異様であり、なんだか壊れそうで怖い。
*連写時にAWBがコマ毎に不安定になる。
*汎用OSを使用している。その課題として・・
まず、完全休止時からの起動(コールドスタート)
が、とても遅い事。(注:スリープ状態からの
ウォームスタートであれば起動は速い)
次いで、汎用OSにより操作系全般の動作が重い
(遅い)事があるが、これについては前時代の
機種、α77/α99(2011年~2012年)よりも、
若干だが改善が見られる。
(注:α77/99は、業務用途で使うには、操作系の
遅さから誤操作を頻発するので「失格」である。
なお、同じ2012年頃の発売でも、α65では
さほど操作系の重さは感じない。これは恐らく
α65は他の高級機に比べて操作子の数が少ない為、
プログラム構造上での、操作子状態スキャンと
割り込み動作の負担が少ないからだと思われる)
総括だが、αフタケタ一眼レフは、既に準オールド
デジカメではあるのだが、後継機が無く、事実上
終焉してしまっているが故に、これらを使い続ける
しか無い。
まあ、一般的解釈は「SONY/MINOLTAのAマウント用
レンズを持て余しているならば、SONY α7/9系の
ミラーレス機でアダプターを介して使えば良い」
という考えになるのだろうが、事はそう単純では無い。
本機α77Ⅱは、望遠母艦として、400mm級や
500mm級の大型望遠レンズを装着するケースが大半だ。
フルサイズ小型ミラーレス機を母艦とする場合では、
重量バランスが悪すぎてホールディングが効かず、
特に望遠ズームでは、ズーミング操作で重心位置の
変動による持ち替え操作が発生し、不適切となる。
(だからと言って、α7/9系の軽量機にグリップ等
の補助部品を追加するのは、軽量の利点をスポイル
してしまい、本末転倒だ)
それと、望遠撮影用途で、フルサイズ機を使うのも
適正では無い。クロップした場合には、記録画素数が
大幅に減少してしまう点が課題だ。
また、たとえ電子アダプターであっても、AF性能等
が完全に活かせる訳では無いし、切り札の超高速
連写(本機では、速度優先AEで秒12コマ、かつ
それはメカシャッターで得られるので、動体歪みが
起こらない)も使え無ければ、ワンプッシュで動作
するデジタル(スマート)テレコンバーター機能も
α7/9系機体には無い。
そもそも、APS-C機として「望遠画角を得ながら
高速連写が出来る」という要件は、α7/9系機の
旧型機においては満たさず、それをするならば、
α6000系機体となるが、小型軽量なα6000系機は、
ますます大型レンズが装着しにくい状態だ。
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中級マニア層やら、メーカー開発側でもそうだが、
それらが陥り易い課題として、「それは、こういう
方法で代替できる」という錯覚だ。
勿論、マウントアダプターを用いれば、物理的には
AマウントレンズをEマウント機に装着は可能だ。
でも、それでは実用上において様々な制約や課題が
発生してしまい、「使い物にならない」という状態
になってしまう。
そして、それが使い物になるかならないか?は
「どこまでギリギリの撮影条件を満たさなければ
ならないか?」というユースケース(機器を使用
する際の環境条件)に依存する為、ユーザーごとに
依存する。結局のところ、実用撮影を殆どしない人達
の考えや意見は、全くあてにならない訳だ。
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では、今回の「オールド・デジカメ(7)」編は、
このあたり迄で、次回記事に続く。
「オールド・デジタルカメラ」を、時代とカテゴリー
(一眼レフ、コンパクト機、ミラーレス機)で分類し、
順次紹介していく記事群である。
紹介機体は勿論、全て自身で所有しているカメラであり、
実際に長期に渡って実用としている。個々の長所短所も
知り尽くしている訳であり、ちょっと機体を借りてきて
評価したり、仕様を調べて転記しただけの「まとめ記事」
等とは、全くリアリティが異なると思う。
また、本シリーズ記事の根幹としては、「古いデジタル
カメラは、どういう点が不利なのか? その課題を回避
して用いるには? 古いカメラを使い続ける理由は何か?」
等についても分析を行っている。
で、本記事での紹介機は、2012年~2014年の期間に
発売されたデジタル一眼レフを5台とする。
この時代、フルサイズ一眼レフが色々と新規に発売
されていて、特に、2012年は「フルサイズ元年」
である、と本ブログでは定義している。
今回の紹介機の中でも、3台がフルサイズ機だ。
また、本シリーズを進めるにあたり様々な取り決め
事項があるが、だいたい他のシリーズ記事と同様の
ルールとしている。(本シリーズ第1回記事を参照)
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では、今回最初のオールド(デジタル)一眼レフ。

(2012年発売、発売時実勢価格約20万円弱)
(中古購入価格 83,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第16回
レンズは、SIGMA 85mm/f1.4 DG HSM | ART
(2016年発売)を使用する。

デジタル一眼レフ中、最軽量、そして最安値で
あった事である。
重量に関しては、本機EOS 6Dが680g(ボディのみ、
以下同様)で、ちなみに後継機のEOS 6D MarkⅡは
685gであり、CANONフルサイズデジタル一眼レフ
の中では、本機EOS 6Dが継続して最軽量だ。
加えて、他社一眼レフも含め、フルサイズ機最軽量
の座を、ずっと明け渡していないかも知れない(?)
(注:詳細未調査)
他社機ではNIKON D600(当時発売済み)が760g
NIKON Df(翌2013年発売、後述)が710gで、
DfがNIKONフルサイズ一眼レフ中では最軽量だ。
また、SONY α99(当時発売済み、後述)は
733gで、この機体は、ほんの僅かな期間だけ、
フルサイズデジタル一眼レフ中最軽量であった。
価格の件だが、NIKON D600の発売時実勢価格は
約22万円であったと聞く。本機EOS 6Dは約20万円
であったので、本機発売当時では(フルサイズ・
デジタル一眼レフ中)最安値である。
もっとも、EOS 6Dは、D600の直後に発売されて
いる為、D600の実勢価格に対抗した値付けであった
かも知れず、かつ、これらはオープン価格なので、
すぐにNIKON D600も、EOS 6Dと同等の価格帯に
値下げされた事であろう。
ただ、これらのフルサイズ機最軽量、最安値の話は、
あくまで(デジタル)一眼レフ中での比較であって、
翌2013年に、SONY α7(ミラーレス第13回記事)
が発売されると、その重量は416g(本体のみ)
実勢価格は約15万円だったので、一眼レフとは比較
にならないレベルだ。(まあ、そういう事もあって
SONY α7は人気機種となった)
軽量、安価である事は良いのであるが、その代償
として、本機EOS 6Dは、ドライブ性能(連写等)が
弱く、かつ機能不足だ。
機能不足については、例えばエフェクト(CANONでは
「クリエィティブフィルター」と呼ぶ)が未登載で
あったり、フルサイズセンサーのクロップ機能が
無かったりする。クロップはともかく、エフェクトは
CANON低価格帯機(例:EOS 60D、EOS Kiss X5等、
いずれも当時発売済み)には搭載されているので
上位機種である本機EOS 6Dにエフェクトが無いのは
かなり不満であった。
私のEOS 6Dは、趣味撮影専用機として、MF使用も
想定し、スクリーンをEg-S(MF用)に換装してある。
趣味撮影において、エフェクト等の機能不足は
やはり「表現力の低下」という不満が大きい。
なお、本機以降の時代(2013年~)では、CANONの
比較的多くの機体で、スクリーンの交換が不可と
なってしまったので、趣味撮影に向かないという課題
がある。(=だから本機を使い続けるしか無い)

という地味な機体である。
中古購入時点(2017年頃。注:EOS 6D MarkⅡが発売
されて初代機の中古相場が下落した事を受けての購入)
においては、この地味なスペックを見て、
「持論の減価償却ルール(1枚3円の法則)が完了
しそうも無い」(=あまり枚数を撮影しない)という
危惧があったのだが、その後、年間1万枚程度の撮影を
コンスタントに続け、2020年頃に減価償却済みと
なった、つまり「十分に元を取った」という判断だ。
ただ、元を取っても、次に「ローテーション購入」
(基本的には「買い足し」、ごく稀に「買い替え」)
をする適切な、または魅力的な機体が存在しない。
これはまあ、2010年代後半からの、デジタル一眼レフ
市場の大きな縮退を受け、メーカー側としても、
目を引く新鋭機の発売が出来ない(高価に売りたく
ても技術的な改良の余地が無い、または発売しても
売れない)状況となっている、という訳だ。
もう少しの間、本機EOS 6Dには、引き続き頑張って
貰う事としようか・・
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さて、2台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

(2012年発売、発売時実勢価格約28万円)
(中古購入価格 64,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第26回
レンズは、TAMRON SP AF 90mm/f2.8 Di MACRO 1:1
USD(Model F004)(2012年発売)を使用する。
購入価格が比較的安価なのは、発売から時間が経った
2020年頃の購入で、かつC級品(やや難あり)の
機体を、あえて選んだからである。
私は「フルサイズ機である」事には、殆ど付加価値を
感じないから、本機の適正購入相場は、「APS-C機の
SONY α77Ⅱと同等」と事前に見積もっていて、
すなわち、6~7万円が想定入手価格であったので、
「この購入価格で適正又はやや安価」と見なしている。

事だ。本機以外にも、この時代前後のα77、α65、
α77Ⅱ(後述)のいずれにも同様な弱点がある。
(ただしカメラ毎に程度差がある、私の感覚では
同時代のSONY機の中ではα99が最も劣悪な状態だ)
何故鈍重なのか?は、いくつかの機体を買って
評価している時点では理由が不明であったが、
近年に有力な情報が入ってきている。
それは「SONYはこの時代に、旧来の組み込み型の
OSから、汎用OSに変えた」という話である。
(OS=オペレーティング・システム。コンピューター
やマイコンの様々な処理を管理する基本ソフト)
そうであれば、技術的には納得できる原因である。
汎用OS+組み込み用CPUでは、さほどの高速動作は
期待できない事は、技術者間における常識だ。
では、何故汎用OSを採用したのか? という理由の
推察だが、まずライセンス料が不要な汎用OSでは、
わずかだか製品のコストダウンが出来る。
そして汎用OS+一般的なC言語系プログラム開発環境
は、多くのエンジニア層に馴染みがある為、あまり
専門的なスキル(知識、経験)が無い技術者でも
カメラの制御プログラム開発に従事出来る。
まあ、これらがメーカー側から見た主なメリットで
あるが、操作系が鈍重になるというデメリットを
どう捉えるか?が課題だ。
まず、開発前においては、全ての動作が、どの程度
重く(遅く)なるかは、正確には把握(予測)する
事はできない。だから、開発側においては、
「作ってみましたが、遅いです、どうしましょう?」
という決済事項になった事は確実だと思われるが・・
その際、営業(系)側の判断としては、恐らくだが、
「今時のユーザー層は、凝ったカメラ操作などしない、
だからこれで大丈夫だ、製品化してしまえ」
という決議の流れになった可能性も捨てきれない。
しかし・・ まあ、確かに現代のユーザー層では
超高機能化した高級デジタルカメラ(一眼やミラーレス
機)の全搭載機能をフルに活用する事は出来ない。
まず、高級機の主要ユーザー層は、ビギナー層であるし、
たとえ中級クラスのユーザーであっても、超高機能を
全て理解し、それらを自在に扱うのは無理だ。
だから、この操作系の不満は、上級層、職業写真家層、
上級マニア層あたりからしか出て来ない。
・・で、SONY αフタケタAマウント機のユーザー層は、
微妙に、そうした上級層とは異なっている。
(上級層が、実用撮影あるいは業務撮影をするならば、
αフタケタ機では無く、CANONまたはNIKON機を使う)
そして、本機α99の翌年にはフルサイズ・ミラーレス
機のα7シリーズの発売が開始されていて、そちらの
シリーズは、SONYの製品ロードマップ的には、将来的に
プロユース(業務撮影、または上級者での実用撮影)に
耐えうる状況とする事を、本機発売時点では想定して
いたのだと思われる。
つまり、もう本機α99の発売時点では、この操作系の
鈍重さに不満を持つ上級ユーザー層の事は無視していた
のだろうと推察できる。(あわよくば、ミラーレス機に
乗り換えてもらいたい訳だ。その為に、翌2013年には
ミラーレス機の商品名も、それまでの「NEX」から「α」
に改められた訳だ)
まあ、こうして仕掛けが全てわかってしまえば、ユーザー
視点からすれば、なんとも面白く無い結論である。
(いいようにメーカー側の都合に振り回されているから)

「手持ちのα機が全て減価償却ルールを完遂していて、
そこそこ物理的な老朽化が厳しくなってきている。
しかし、もうAマウントα機の新発売は期待できない
ので、最後のAマウント機として、長期間に渡って
使えそうな機体を買っておこう」という理由だ。
・・という訳で、操作系の鈍重さは我慢して使い、かつ
もう本機では「減価償却ルールの完遂」を早めに目指す
必要すら無い。むしろ、例えば2027年頃になるまで、
できるだけ、のんびりと長期間、α Aマウントのレンズ
の母艦として、長寿を全うすれば良い訳だ。
きっとその頃には、α Eマウントの機体のAF性能も
十分に向上されているだろうから、Aマウント用レンズは
マウントアダプターで、Eマウント機で使えば良い訳だ。
その時点で、仕様老朽化寿命の尽きた本機は、リタイア
する事となるだろう。
なお、「仕様老朽化寿命」とは、デジタル機の旧機種の
性能や仕様が、新鋭機に対して大きく見劣りする為に
故障していない完動品であっても、使いたく無くなって
しまう事だ。
私の定義では、仕様老朽化寿命は、通常の機体では
「カメラ発売後10年迄」であるのだが、本機α99では
後継機が小改良版のα99Ⅱしか存在しない事、
(=買い替えをすべき新鋭機種が無い)
そして、カメラを扱うスキルがあれば、仕様老朽化寿命
は伸ばす事が出来る(ここが、本シリーズ記事での
根幹であり、「オールドカメラを使いこなす」という
意味である)という事が、近年ではわかりかけてきた
ので、仕様老朽化寿命を15年間に迄、延長できるので
あれば、本機は最低限2027年頃までは使用可能となる。
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では、3台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

(2012年発売、発売時実勢価格約8万円)
(中古購入価格 21,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第24回
レンズは、smc PENTAX-DA 40mm/f2.8 XS
(2012年発売、銀色塗装限定版)を使用する。

時代に発売されたカメラであるが、その企画コンセプト
は、明らかにHOYA時代のものであり、若干発売の
タイミングが遅くなっただけ、と思われる。
HOYA時代のPENTAXは、入門・初級層向けのカメラの
発売や、エントリー層向けの販売戦略を前面に押し出し
カメラ事業を黒字化したのだが、ちょっと「やりすぎ」
の感もあった中で、HOYA時代企画の最終機と思われる
本機K-30は、性能や機能に優れ、かつ価格も安価な
ハイコスパな機体である。
スポーティなデザインとカラーリングは、外観の
格好良さのみならず、簡易防滴仕様であり、実際に
雨天イベント撮影等で活躍しているバリバリの現役機だ。
通称、「黒死病」とも呼ばれる、絞り制御ユニットの
劣化故障が発生するリスクを除き、本機においては、
大きな弱点は特に無いのだが、唯一気になる点として、
レンズ収差補正機能をONとすると連写性能(速度および
バースト(最大撮影)枚数)が大幅にダウンしてしまう
事である。
イベント撮影用では、レンズ側も、防滴機能を備えた
HD PENTAX-DA 18-50mm/f4-5.6 DC WR RE
(2015年)と組み合わせて使う場合が多いのだが、
このレンズは広角側で歪曲収差が発生する為、(歪曲)
収差補正機能をONとして使うのが望ましいのだが、
前述のように、そうすると連写性能が失われてしまう
のが痛いところだ。

(例:旗艦クラス)を使うのが普通なのでは?」
と、多くのアマチュア層は思うかも知れないが、それは
そうとは限らない。
実務撮影に必要なカメラやレンズを、カメラマンが所属する
組織・企業等が買ってくれたり、経費で落とせる、という
状況は、かなり恵まれている類の環境であって、普通は、
大半の職業写真家層は、カメラ等を買うのは自己負担だ。
だから、そこで収支決済の概念が出て来る。つまり高い
カメラやレンズを買ったら、その金額に見合う収益を
得なければ赤字になってしまうのだ。常に赤字だったら
それは「仕事」にはならない、それではただの「道楽」に
なってしまう。
よって、仕事がメインで撮影をする人達で、自腹で
機材を買っている場合は、最新の高性能機を使うケースは
稀であり、たとえ高性能機であっても、少し前の世代の
機体をボロボロになっても使い続けている。
また、所属する組織等が機材を揃える場合であっても、
新聞社等では基本的な会社所有機材を複数のカメラマン
が使いまわししている状況であるし、企業や自治体等の
広報担当カメラマンの場合では、ほぼ担当者専用機材を
使えたとしても、勿論ながら高額な予算は承認されず、
可哀想なくらいの、初心者向けの低性能機を使わざるを
得ないという状況だ。
低性能機材では我慢出来ないマニア等の広報担当者等は、
趣味を兼ねて、自腹で高性能機材を購入し、それを仕事
でも使っている。
こうした場合、会社等から「私物は仕事では使うな!」と
お達しが出る場合もあるのだが、「そう言われても、
会社が良いカメラやレンズを買ってくれないんだもの、
しょうがないじゃないか・・」と、結局、現状維持しか、
結論が無い。
まあ、なんとも世知辛い世の中であり、ビギナー層が
思うように「プロカメラマン達は、常に最高の機材を
使って最高の写真を撮っている」というのは完全なる
幻想だ。
むしろ、フリーランス等の職業写真家層の考え方では
「同等の品質の写真を納品して、同じ収入を得るならば
使用機材は安ければ安いほど、利益率がアップする」
である。
なので実務上では、まあ一応、体面的に高級機材を所有
していたとしても、実際の撮影時には、そういう機材を、
できるだけ温存して、消耗用の(安価な)サブ機で
撮影をしているケースを大変良く見かける次第だ。
・・そういう「実務上の消耗機」としては、本機
PENTAX K-30等は、2010年代としては最適の部類で
あるだろう。高性能で、かつ価格が安価だから、申し分
無い訳だ。過酷な環境でハードに使って壊してしまって
も、もう十分に機材購入投資は回収できているだろう。
(注:前述の「黒死病」は、使用状況には依存しない)
ただまあ、業務撮影において、常にこのクラスの機体だけ
を使う訳にはいかないし、時代が過ぎれば、もうこの
クラスでは仕様老朽化寿命が来てしまい、もう少し新しい
世代の機体に買い換えざるを得ない。
その際、2010年代後半以降の時代では、一眼レフ市場
の縮退により、一眼レフの価格が高騰している事が課題に
なる訳だ。例えば、PENTAX KP(2017年)を本機の代替と
しようとしても、中古相場が少なくとも3倍から5倍は
高価となってしまう、そうした機体を買って、それで
元を取る為には、例えば、「仕事量を3倍に増やす」とか、
投資金額の回収方法をちゃんと考えなくてはならない訳だ。
なお、これは業務撮影に限らず、趣味の世界だけに特化
して考えたとしても同様であろう。趣味であっても使える
金額(予算)には限界があり、機材購入の為に無尽蔵に
お金をつぎ込む事は出来ない訳だ。
だから、ユーザーがそれぞれの用途や志向性に応じて、
機材の予算配分をちゃんと考えていかなければならない。
やはり、なんというか・・ 世知辛い世の中だ。
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さて、4台目のオールド(デジタル)一眼レフ。

(2013年発売、発売時実勢価格約28万円)
(中古購入価格 160,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第17回
レンズは、NIKON AF-S NIKKOR 58mm/f1.4G
(2013年発売)を使用する。
前機種の話の続きからすれば、この機体はもう完全に
「道楽」の類であろう。「実用撮影には非常に厳しい」
とも言える数々の重欠点が存在している。

本機は、ともかく「格好が良い」。そこが最大の
長所であり、その方向性を志向するユーザー層に
向けては、それが付加価値(ユーザーから見た魅力)
にダイレクトに繋がる。
しかし、本機Dfの課題は、いざ実際に本機を実用撮影
に持ち込むと、「劣悪」とも言える操作性の課題が
襲ってくる。これは実用範囲以下のレベルであるので
「使い物にならないカメラだ!」と、すぐに見限って
しまう上級マニア層等は、かなり多いと思われる。
余談だが、現代においてカメラやレンズを紹介する
レビュー記事等は、それは流通(販売)側が、その
機材を売りたいが為の記事であるから、そこには悪い
情報はいっさい書かれていない。だが、本機を実際に
使ってみれば、実用レベル以下の性能しか無い事は、
記事等のライター(執筆者)クラスのスキルがあれば、
誰にでも理解は容易だ。
でも、記事内容を悪くは書けない、この点で困った
あるライターは「じっくり撮るのに向くカメラだ」
と、本機を評価した。
言いえて妙であり、私も思わず笑ってしまった。
まあつまり「効率的な撮影はできない」という事を
見事な婉曲表現(否定的な内容を直接書かない)で
置き換えていたからだ。
さて、本機Dfの課題の最大の原因は、本機はアナログ
機体風の外観であるのに、中身はデジタル機であるから、
そこから出て来る様々な矛盾だ。
ごく簡単な例を挙げれば、露出補正やISO感度の変更
用には専用の操作子が存在している。だから、そこで
設定した値、例えば露出補正+0.7EVとか、ISO感度
1600とかは、通常の一眼レフのように、前後の電子
ダイヤルで設定すると、ツマミ操作子と値が異なって
しまうから、必ずアナログダイヤル(操作子)側で
設定しなければならない。
で、こうしたダイヤル類は、操作がしにくいカメラ左上
等の軍艦部にある事のみならず、これらにはロック機構
があるので、「必ず両手を用い、ロックを解除」しないと
全く使えない。
これはもう、ここまで書いた事を理解した段階で
「ダメダメカメラだ」という事が容易に認識できる
であろう。
つまり、「見た目は物凄く美人なので、苦労して
くどいて結婚したら、家事がまるで出来なかった」
という状態である。
まあでも、そういう美人(?)であっても、デート
に連れていくのならば最高な訳であり、つまり、
「欠点があっても、使う人が理解していれば良い」
という訳だ。
同様な設計思想で、本機Dfと類似点が非常に多い
銀塩機NIKON F4(1988年、銀塩一眼第15回記事)も、
AF性能と、露出補正の操作性、巻き戻し操作性等に
重欠点を持つカメラであった。
(だから旗艦機でありながらも当時の市場からの評価は
高くなく、職業写真家層やマニア層にも不人気であった)
だが、そのF4は「MFレンズを使ってAFの弱点を解消し、
36枚撮りネガフィルムを用いて、露出補正の操作を
不要とし、巻き戻しの頻度を減らす」という対策で
ほとんどの欠点が綺麗さっぱり無くなり、素晴らしい
MF専用機となった訳だ。
「じゃあ、AFレンズとかポジ(リバーサル)フィルムで
撮りたい人はどうするんだ?」とは聞くなかれ、
そういう人はNIKON F4を使ってはならない、非効率的
だからだ。そういうニーズがあれば、さらに少し時代
が進んだ、NIKON F90系、F5、F100あたりが適正な
機体であっただろう。
結局、カメラに弱点があったとしても、それを解消
する為の措置を行い、少しでも快適に使おうとしたり
カメラの長所短所に見合うレンズ・システムを組み、
適切な用途で用いる事で、弱点は回避できる。
そうする事は「ユーザー側の責務」であると、近年
では思うようになってきている。

実は、そこもユーザー次第だ、ユーザー各々において
カメラの使用目的も、撮影する被写体の種類やその
写真の用途も、あるいは撮影技能(スキル)も、全て
まちまちだからだ。
「誰かがこう言ったから、オレもそうしてみよう」
などという弱点回避法は有り得ない。
本機Dfの長所だけ書いておくので、それを参考にして
ユーザー個々に、自身の目的に合うように「用途開発」
が必要だ、という事となる。
1)銀塩機を彷彿させる流麗なデザイン。
特に銀塩用レンズとのデザインマッチングに優れる。
2)現代機の中で唯一と言って良いほどの、NIKON製の
一眼レフ用オールドレンズの使用(装着)汎用性。
非Aiレンズ等も含め、ほとんど全てが装着が可能だ。
(ただし、非Aiレンズ使用時の操作系は劣悪だ)
3)現代機の中では(SONY α7S系を除いて)最大の
ピクセルピッチ(大きさ)がある。
この為、高感度性能に優れ、最大ISOは20万だが、
かなりの高感度まで実用範囲として使える。
4)同、ピクセルピッチの広さにより、絶対的解像力が
とても低いオールドレンズを使用時にも、センサー側
の性能とアンバランスになりにくい。
5)センサーと画像処理エンジンは、旧旗艦機NIKON D4
の使いまわしであり、発色傾向やDレンジの広さ等は
当時の最高峰のノウハウが投入されている。
6)発売当初は高価すぎる状況であったが、長期間に
渡り販売されている機体なので、2020年頃以降
からは中古相場も下落し、描写性能から見たコスパは
適正範囲に収まりつつある。(追記:生産終了が発表
されてからは、また相場高騰を招いてしまった)
である。
上級マニア層等であれば、Dfの持つ様々な重欠点に、
目をつぶっても、上記の長所を活用したいという
シチュエーションは、色々と想定できるであろう。
まあつまり、そういう事を理解して機材を買える人
のみに推奨できるカメラである、という訳だ。
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では、今回ラストのオールド(デジタル)一眼レフ。

(2014年発売、発売時実勢価格約14万円)
(中古購入価格 76,000円)
紹介記事:デジタル一眼レフ・クラッシックス第18回
レンズは、TAMRON SP 70-300mm/f4-5.6 Di VC USD
(Model A005)(2010年発売)を使用する。

(=連続撮影可能枚数)が、やや不足気味な事と、
AE追従が出来ない事を除いては問題が無く、快適だ。
それでいて、重量は比較的軽く(本体のみ647g)
かつ高機能であり、EVFにより、ピーキング表示や
EVF内メニュー操作系も充実。
APS-C型センサーで画素数も十分(α99等と同じ
2430万画素)なので、デジタル拡大(テレコン)
機能と組み合わせる事で、優れた「望遠レンズ母艦」
として活用できる。
遠距離スポーツ(ボート競技等)撮影用の主力
カメラとして使用中であるが、勿論弱点もある。
まず、本機α77Ⅱが現状でのSONY α Aマウントの
APS-C最終機となっていて、後継機が発売される
見込みは無い。
仕様老朽化寿命を、仮に発売後10年とすれば、
2024年には、たとえ壊れていなくても、使用する
事が厳しくなって来るであろう。
ただまあ、同型機を予備機として買っておき、
物理的な老朽化を抑えながら使えば、寿命は延ばせる
とは思っている。(前述のα99の項目参照)
第二の実用的課題としては、バッテリーの持ちが
悪い事だ。この時代(2010年代前半)の、SONY α
フタケタのAマウント機は、多くが同じバッテリー
を使用するが、いずれも消耗が早い。
本機α77ⅡのCIPA規格準拠上での撮影可能枚数は
EVF使用時で410枚と貧弱な性能であり、業務用途
機としては適正なレベルでは無い。
ただ、持論では「CIPA規格の5~6倍は持たせる事」
という目標値があるので、2000枚程度までは余裕で
本機では撮影が可能だ。
又、高速連写を主体とすれば、撮影可能枚数は増える
ので、最大では5500枚まで持たせた経験もある。
(この場合、CIPA基準の13倍程度だ)
そして、バッテリーが他機と共通である利点を
活かし、本機を長時間の撮影に持ち出す場合には、
α65やらα77、α99等、他機のかたっぱしから
バッテリーを抜いて、予備電池として持っていけば
良い訳だ。ただ、SONY機用のインフォリチウム・
バッテリーは、いずれも「自然放電」が大きい事が
重欠点であり、しばらく機体を使わないでいると
バッテリーがカラカラに干上がっているケースが
大半であるから、他機から抜き出して使う場合は
残量には要注意だ。
まあつまり、抜き出すのは、出かける直前ではなく、
前夜や前日あたりから抜き出して、全てのバッテリー
を事前に満充電しておく必要がある。
これは面倒だし、そういう準備の余裕が無い場合には、
自然放電の少ないCANONやNIKONの一眼レフを、
急遽SONY機の代わりに出動させる事もある訳だ。

上げておけば、以下となる。
*絞り込んだ時のシャッター音(絞り動作音)が
異様であり、なんだか壊れそうで怖い。
*連写時にAWBがコマ毎に不安定になる。
*汎用OSを使用している。その課題として・・
まず、完全休止時からの起動(コールドスタート)
が、とても遅い事。(注:スリープ状態からの
ウォームスタートであれば起動は速い)
次いで、汎用OSにより操作系全般の動作が重い
(遅い)事があるが、これについては前時代の
機種、α77/α99(2011年~2012年)よりも、
若干だが改善が見られる。
(注:α77/99は、業務用途で使うには、操作系の
遅さから誤操作を頻発するので「失格」である。
なお、同じ2012年頃の発売でも、α65では
さほど操作系の重さは感じない。これは恐らく
α65は他の高級機に比べて操作子の数が少ない為、
プログラム構造上での、操作子状態スキャンと
割り込み動作の負担が少ないからだと思われる)
総括だが、αフタケタ一眼レフは、既に準オールド
デジカメではあるのだが、後継機が無く、事実上
終焉してしまっているが故に、これらを使い続ける
しか無い。
まあ、一般的解釈は「SONY/MINOLTAのAマウント用
レンズを持て余しているならば、SONY α7/9系の
ミラーレス機でアダプターを介して使えば良い」
という考えになるのだろうが、事はそう単純では無い。
本機α77Ⅱは、望遠母艦として、400mm級や
500mm級の大型望遠レンズを装着するケースが大半だ。
フルサイズ小型ミラーレス機を母艦とする場合では、
重量バランスが悪すぎてホールディングが効かず、
特に望遠ズームでは、ズーミング操作で重心位置の
変動による持ち替え操作が発生し、不適切となる。
(だからと言って、α7/9系の軽量機にグリップ等
の補助部品を追加するのは、軽量の利点をスポイル
してしまい、本末転倒だ)
それと、望遠撮影用途で、フルサイズ機を使うのも
適正では無い。クロップした場合には、記録画素数が
大幅に減少してしまう点が課題だ。
また、たとえ電子アダプターであっても、AF性能等
が完全に活かせる訳では無いし、切り札の超高速
連写(本機では、速度優先AEで秒12コマ、かつ
それはメカシャッターで得られるので、動体歪みが
起こらない)も使え無ければ、ワンプッシュで動作
するデジタル(スマート)テレコンバーター機能も
α7/9系機体には無い。
そもそも、APS-C機として「望遠画角を得ながら
高速連写が出来る」という要件は、α7/9系機の
旧型機においては満たさず、それをするならば、
α6000系機体となるが、小型軽量なα6000系機は、
ますます大型レンズが装着しにくい状態だ。

それらが陥り易い課題として、「それは、こういう
方法で代替できる」という錯覚だ。
勿論、マウントアダプターを用いれば、物理的には
AマウントレンズをEマウント機に装着は可能だ。
でも、それでは実用上において様々な制約や課題が
発生してしまい、「使い物にならない」という状態
になってしまう。
そして、それが使い物になるかならないか?は
「どこまでギリギリの撮影条件を満たさなければ
ならないか?」というユースケース(機器を使用
する際の環境条件)に依存する為、ユーザーごとに
依存する。結局のところ、実用撮影を殆どしない人達
の考えや意見は、全くあてにならない訳だ。
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では、今回の「オールド・デジカメ(7)」編は、
このあたり迄で、次回記事に続く。