最強のマクロレンズを決定するシリーズ記事。
今回から決勝リーグとなり、まずは「B決勝」
すなわち「下位決勝、または順位決定戦」である。
このB決勝戦に進出できた所有マクロレンズは
以下の6本だ。(それらを簡略名表記で示す)
*COSINA MACRO APO-LANTHAR 65mm/F2
*SIGMA EX105mm/F2.8
*TAMRON 20mm/F2.8
*PENTAX HD35mm/F2.8
*OLYMPUS OM90mm/F2
*TOKINA 300mm/F6.3
レンズ個別の評価点は記事の最後で付ける、
それで「最強マクロ」の順位が決まる事となる。
----
まずは最初のB決勝進出マクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
レンズ名:Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm/f2
(注:独語綴りの変母音記載省略。本ブログで全て同様)
レンズ購入価格:122,000円(新品)(以下、MAP65/2)
使用カメラ:SONY α6000 (APS-C機)
2017年に発売されたフルサイズ対応大口径MFマクロ
レンズ。最大1/2倍仕様である。
本「決勝リーグ」に進出したレンズ群は、全て
この「最強マクロ選手権」の予選リーグにおいても
対戦(紹介)をしているので、重複する内容になって
しまうので、個別のレンズ毎の長所短所等の説明は、
できるだけ最小限とする。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
本MAP65/2は、近代レンズらしく、コンピューター
光学設計による高度なレンズ構成により、描写力が
高い特徴を持つが、反面、高付加価値化により高価
な点が弱点だ。
だがまあ、同じ「高付加価値化」と言っても、
マクロレンズには不要と思われる「手ブレ補正機能」
や「超音波モーター」を搭載していないところは、
消費者側からの納得感は高い。すなわち
「余計な機能は不要だから、純粋に描写性能だけを
高めて欲しい、それだったらお金を出すぞ」
という硬派なニーズに対応できている、という意味だ。
MF専用である事も、潔くて良いであろう。
もっとも、この点に関しては、コシナの生産ライン
はMFレンズ製造に特化していると思われるので、
変にAFで無い事は、製造側にとっても利点であろう。
その昔、1980年代頃、コシナは数機種であるがAFの
レンズを製造し、自社ブランドで販売した事がある。
私は、そのうちの1本しか現有レンズは無いが、
さほど高性能なAFレンズでは無かったという認識だ。
(特殊レンズ第53回「COSINA レンズ」編記事参照)
Image may be NSFW.
Clik here to view.
総括として、特に大きな課題は見当たらない優秀な
マクロレンズである。高価格と、やや使い難い点が
許容できるマニア層向けレンズであろう。
現在、中古玉数も多く、入手性は悪く無いと思う。
---
では、2本目のマクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
レンズ名:SIGMA AF MACRO 105mm/f2.8 EX DG
レンズ購入価格:5,000円(故障品)(以下、EX105/2.8)
アダプター:CANON EF-EOS M
使用カメラ:CANON EOS M5(ASP-C機)
2004年に発売されたフルサイズ対応AF等倍マクロ。
入手価格が安価なのは、AF故障品を購入したからである。
当時、既にNIKON Fマウント版の同型レンズを所有していて、
それの写りが良かった為、CANON EFマウントで同型レンズ
を追加購入。入手価格は、NIKON F版の中古が25,000円に
対し本AF故障品は1/5の価格であったので、これは満足だ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06520830.jpg]()
なお、AFが動作しないのは、もしかすると数年前(2000年)
での、「CANONとSIGMAのプロトコル変更」(その時代に、
CANONはSIGMAの旧型レンズを新型EOS機で使えなくした)
の影響も無きにしもあらずか? との懸念もあった為、
今回、電子アダプターEF-EOS Mを用いて再確認を行った。
電子アダプターでは、あまり強い「プロトコルの縛り」
(=排他的仕様)が施されていない可能性もあるからだ。
だが、残念ながら、やはりAFは動作せず。一応AF動作の
コマンド(命令)は、カメラ側からレンズに向かって
発せられている模様で、「ウーン」とモーターの駆動
らしき機械音が僅かに聞こえるが、ピントリングは廻って
くれない為、これは純粋に、レンズ側のAF機構(メカ)の
故障である事が確認できた。
まあ、そうならばそれで良い。そうであろう事を予想し、
今回は母艦としてミラーレス機EOS M5を使用している。
この機体であれば、レンズ側をMF設定にした際にも、
「常時」ピーキング表示を出す事が出来る。
(注:一部の他社ミラーレス機では、常時ピーキングを
出す事ができないケースもある)
「EFマウントのレンズだから」と言って、これをEOSの
一眼レフで使用すると、たいていの近代EOS機では、
光学ファインダーおよびスクリーンの性能が低くて、
MF合焦操作に、「イマイチ確証が無い」状態だ。
この課題を鑑みて、所有EOS 6DのみMF用スクリーンの
Eg-Sに換装してあるが、それは抜群の効果をもたらす
ものではなく、かつ、フルサイズでしか使えない。
(注:2010年代前半までのEOS一眼レフでスクリーン
交換が出来る機体はフルサイズ機が中心で希少であり、
2010年代後半からのEOS機では、殆どの機体で交換不可
となっている。この為、EOS 6Dを、後継のMarkⅡに
アップデートも出来ない→MarkⅡはスクリーン交換不可)
「EOS APS-C機で、撮影倍率を高められないものか?
EOS APS-C機で、MF性能の優れたものは無いのか?」
と思っていたところ、ミラーレス機のEOS M5を母艦として
使用すれば、その課題が解決できる事に気づき、今回は
その用法を実践している。
案の定、本(故障)レンズを、非常に快適に使用する事が
出来る。近接撮影では、どうせAFも超音波モーターも殆ど
役に立たないのだから、「MF+ピーキング」で十分だ。
APS-C機なので、撮影倍率も高められ、レンズ周辺収差を
カットして画面平均画質を高める事も出来る。
結果、申し分の無いシステムに成り得る訳だ。
もっと早く、この方法に気づくべきであったが(汗)
まあ、「用途開発」とか「弱点相殺型システム」というもの
の発見は、一種の「研究」である為、そう一朝一夕には
実現できるものでは無い。何年、あるいは十数年もかけて
成り立つものなのだ。(なので「ちょっと借りてきた」
だけの機材を評価する等は、有り得ない話だと思っている)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06520897.jpg]()
本レンズの性能(描写力)であるが、過去、多数の記事で
紹介・評価している通り、申し分の無い実力値を持つ。
SIGMAとしても、製品ラインナップ上での主力マクロで
あろう。それは、SIGMAが2013年に製品ラインナップを
「アート、コンテンポラリー、スポーツ」に整備した際、
EX50/2.8や、EX70/2.8の旧来のマクロを生産終了に
してもなお、本EX105/2.8は、OS(手ブレ補正)や、
HSM(超音波モーター)を搭載して(2011年に)後継機
とし、「Others(その他)」の製品カテゴリーに押し
込めてまで生産継続した事からも、このEX105/2.8の
製品系列が、SIGMAから見ても、捨て難いものであった
だろう事が類推できる。
(追記:2020年より、光学系を変更した同仕様の
マクロが、ミラーレス機用にも発売されている)
OSやHSMは、個人的には「マクロには不要」と考えて
いる付加機能であるから、ますます本EX105/2.8(旧)
の存在意義が高まり、コスパの良さが光る状態である。
総括だが、このレンズは「買い」であろう。
仮に、TAMRON SP90/2.8系マクロを既に所有して
いたとしても、重複購入する意味は十分にある。
---
では、3本目のマクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06520899.jpg]()
レンズ名:TAMRON 20mm/f2.8 Di Ⅲ OSD M1:2
(Model F050)
レンズ購入価格:30,000円(新古)(以下、F050)
使用カメラ:SONY α7S(フルサイズ機)
2020年に発売されたミラーレス機用、フルサイズ
対応AF超広角ハーフ(1/2倍)マクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06520884.jpg]()
初の超広角マクロ、と言うべきレンズであろうか?
それか、”一応前例は有る”と言うべきか・・?
本レンズ以前の時代での、フルサイズ対応の20mm以下
の(超)広角マクロは、例えば下記のようなものがある。
(注:焦点距離、最短撮影距離、最大撮影倍率、
発売年代、レンズ型番簡易表記、の順で記載)
15mm:12cm:1.00倍:2010年代:LAOWA 15/4
20mm:20cm:0.2?倍:1990年代:COSINA MC20/3.8
20mm:20cm:0.25倍:2000年代:SIGMA EX20/1.8
20mm:11cm:0.50倍:2020年代:TAMRON 20/2.8(本レンズ)
20mm:数mm:4.50倍:2010年代:中一光学 FW20/2
いずれのレンズも、本シリーズ第5/6回記事で紹介済み
ではあるが、未所有のレンズで抜けがあるかも知れない。
でもまあ、他に超広角マクロと言うものは、あまり聞いた
事が無いので、だいたい、これくらいか?
ちなみに「中一光学 FreeWalker20/2」は1970年代の
「OLYMPUS OM20/2医療用特殊マクロ」の復刻版であり、
これは一般無限遠撮影が出来ない特殊な製品である。
なお、AFレンズは、この内SIGMA EX20/1.8と本レンズ
TARMON 20/2.8(F050型)のみである。
ただし、「AFでもMFでも、被写体に接近した撮影は
非常に難しい」という事は確かである。
本レンズの最大の課題は、AF精度が低い事に加えて、
MFでは無限回転式ピントリング仕様で、極めて使い難い
弱点があり、「重欠点」に等しいとの認識を持っている。
(注:AF速度・精度に関しては、SONY機の母艦を、
より新しく、かつ像面位相差AF搭載の機体にする事で
僅かに改善されるが、顕著に良くなる状態では無い)
前述のように「超広角マクロ」は、世に殆ど存在しない
が故に、この製品のコンセプトや仕様は非常に好みだ。
だが、その実用性が低いのであれば、せっかくの優れた
製品コンセプトも役には立たない事となってしまう。
超音波モーターとか距離指標を省略して、総合的に
コストダウンした事が課題なのであろう。
数年前(2010年代中頃)のSP F1.8単焦点シリーズ
が、「価格の高さ(9万円~11万円台)という事から、
不人気であったと」メーカー側では推測しているの
かも知れないが、個人的な視点からすれば、9万円
以上であっても、そこまでの性能が伴っているならば、
コスパが悪いと思う事は無いし、事実、SP F1.8系は、
どれも極めて高性能で、悪いレンズでは無い。
(参考:最強レンズ選手権シリーズ記事において、
SP45/1.8(F013)=最強50mm選手権、優勝
SP35/1.8(F012)=最強35mm選手権、第3位
SP85/1.8(F016)=最強85mm選手権、暫定優勝
と、いずれも立派な成績を上げている)
SP F1.8単焦点シリーズが不人気であったのは、現代
における主力消費者層がビギナー層ばかりになって
いる為、「開放F1.8は、開放F1.4のレンズに比べて、
低性能の廉価版だ!」というビギナー評価しかして
こなかった事が主たる原因であり、それでいて
価格が9万円台以上と高額であったのが問題点だ。
主原因は開放F1.8であり、副次的に価格の課題が
あった訳だから、価格の高さは主原因では無い。
(ちなみに、もう1つの理由を挙げれば、35mm、
45mm、85mmという他社レンズは、マニア層ならば
誰でも所有している。だからこそ、このスペック
のレンズを欲しがるのはビギナー層以外には無い。
中上級者で無いとSP F1.8系の凄さは理解不能だ)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06521397.jpg]()
・・で、本レンズ、あるいは、M1:2シリーズは、
SP F1.8単焦点シリーズの営業的失敗の反省から、
ビギナー層向けに「かつて見た事の無いスペック
(広角マクロ)を、安価に提供する」という
企画意図があったのだろう、と推測できる。
価格帯は、SP F1.8系の半額程度で、定価でも
46,000円(+税)となっている(全Model同一)
しかし、この「半額」というコストダウンの為に
ローコストの直流モーター(OSD)を使用し、
シームレスMF実現の為に距離指標を廃止してしまった
事から、「近接撮影において、AFピントでは合わず、
MFでは困難な操作性を強いられる」という重欠点が
生じてしまったわけだ。
「せっかくのユニークな製品コンセプトが活かせず、
まことに惜しい限りだ」とも言えるが・・
なんだか、近年のTAMRONでの、製品企画思想が、
どうも、ちぐはくなように思えてならない。
とても良い性能のレンズ(SP F1.8系)を作っても
マーケティング(市場調査・市場分析)の甘さで
売れないし、ユニークな仕様のレンズ(M1:2系)
は、コストダウンの為に実用性能を満たしていない。
結果的に、非常にちぐはくで「市場の流れに乗れて
いない」ように思えてならないのだ・・・
(参考:とは言え、本レンズ発売以降、2021年頃
より、各社(カメラ・レンズメーカー)においても
性能を削って低価格化した新製品が増えて来ている。
根本原因として「市場縮退で高価格化されてしまった」
近代の新製品の状況を打開したいという要素や戦略が、
各社に存在するのであろう。ただし、市場縮退により、
マニア層等も激減してしまったので、これらの新鋭
低価格帯レンズを直ちに入手し、速やかに適正なレベル
でのユーザーレビューを行える人達も皆無となったので
実際の新鋭低価格帯レンズの実力値は、現状では不明だ)
---
では、4本目のマクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06521338.jpg]()
レンズ名:HD PENTAX-DA 35mm/f2.8 Macro Limited
レンズ購入価格:26,000円(中古)(以下、HD35/2.8)
使用カメラ:PENTAX KP (APS-C機)
2013年に発売されたDA型(APS-C専用)準広角
(標準画角相当)AF等倍マクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06521479.jpg]()
簡単に言えば「弱点の殆ど無い優秀なマクロ」
である。
APS-C機専用である事は、PENTAX機は、K-1系以外
は、全てAPS-C機なので、何ら問題にならない。
描写力は優秀だし、新鋭HDコーティングもそれに
寄与している。
ちゃんと有限回転式ピントリングと距離指標を持ち
上級MF技法にも対応できる、勿論近接撮影では、
MFの比率と重要性が高まるので、こうした仕様で
無い(例:超音波モーター+無限回転式)近代の
マクロレンズは、その時点で、「失格」に等しい
扱いになってしまっている。
絞り環こそ持たないが、変な電磁絞り対応では
無く、機械式絞り動作連動方式であるから、これは
機械式絞り込みレバーを備えたマウントアダプター
を用いれば、任意のミラーレス機で用いる事も出来、
(ミラーレス機側の)各種MFアシスト機能を併用し、
さらに近接ピント性能を高める事が出来る、という
母艦汎用性がある。
作りも良く、外観は、ほとんど金属製と見間違う
ような高品質な仕上げだ。
おまけに、比較的安価であり、コスパは極めて良い。
いったい、このレンズの何が不満なのであろうか?
まあ、思うに、PENTAXは、旧来の銀塩時代から
一定ファン層(PENTAX党)を抱えてきたのだが、
2010年前後での、HOYA-PENTAX時代において、
極端な「エントリー戦略」を行ってしまっていた。
ここでエントリー戦略とは、一眼レフでは低価格帯
機の性能充実と、ファッショナブル化、それから
特殊ミラーレス機(Qシリーズ、K-01)の発売。
両者に共通するオーダーカラー制度の実施。
販売戦略における、アニメ、ゆるキャラ、他企業
とのコラボ実施、あるいは特殊仕様カメラの発売
(例:エヴァンゲリオン・モデル等)などがあり、
この戦略により、HOYA-PENTAX時代のカメラ事業は
黒字化したそうなのだが・・
これらの措置で、しっちゃかめっちゃかに製品企画を
いじくり廻し過ぎたのだろうか?この時代において
旧来からのマニア層を中心とした「PENTAX党」の
比率は激減してしまったように思えてならない。
「なんだか、初心者向けの浮ついた企画のカメラ
ばかりになってしまったよ。FA-Limitedの高性能
レンズや、SP/MX/LXのような優れたカメラは、
もう二度と出してくれないのだろうか・・?」
と、PENTAX党のマニアであれば思った事だろう。
HOYA-PENTAXの黒字化戦略は、数年続いただけで
さっと撤退、事業を丸々今度はRICOHに売却する。
RICOHは新規技術を中心に据え、そこまでのHOYA
時代に開発がほったらかしであったPENTAX上級機に、
新機能を搭載して巻き返しを図るが・・
残念ながら、PENTAX機のユーザー層は、すでにHOYA
時代にかき回された入門層や初級層ばかりとなって
しまっていた。従来機と比較して素晴らしく操作系が
改善された「PENTAX KP(2017年)」を見て初級層は
「高感度性能が付いただけで、旧来機の2倍も高価に
なったので、がっかりだ」
のようなビギナー評価(操作系の価値がわからない)
をしているのだから、結局のところ、2010年代中頃
からのRICOH版設計思想のPENTAXデジタル一眼レフ
の上級機の「超絶性能」は、ビギナー層ばかりに
なってしまったPENTAX機のユーザー・消費者層からは
全く理解されない。
哀れ、2017年以降は、PENTAXでは新型機(レンズ交換
型カメラ=一眼レフとミラーレス機)を何も発売
する事が出来ていない。
まあつまり「ターゲット層(消費者)が見えなく
なってしまった」訳である。
(追記:ようやく2021年に、新型機K-3 MarkⅢが
発売されたのだが、ターゲット層が見え難い製品だ)
「PENTAXは、フルサイズ機も少ないし、フルサイズ
用で評判が高いレンズも少ないから、いらないよ」
等と考えてしまうビギナー層ばかりでは、もうさすがに
商売は厳しい。そう考える消費者層は、最終的には
PENTAX機を買う事はなく、SONY α、CANON EOSに
走ってしまう(シニア層ならばNIKONに行く)だろう
からだ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06521446.jpg]()
まあだから、本レンズHD35/2.8のような、優れた
レンズであっても正当な評価を受ける術(すべ)も無く、
きっと、このまま時代とともに忘れ去られてしまう
のであろう。
まあ、極めて惜しい話ではあるが、これは消費者側の
問題だけ、とも言い切れない。時代や世情、環境の変化に
メーカー側の企画や技術開発も追いついていけなかった、
という要素もあるだろう。
---
さて、5本目のマクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522275.jpg]()
レンズ名:OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO 90mm/f2 Macro
レンズ購入価格:50,000円(中古)(以下、OM90/2)
使用カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1(μ4/3機)
1980年代後半頃に発売と思われる、MF1/2倍中望遠
マクロレンズ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522264.jpg]()
優秀なマクロであり、描写表現力上の弱点は無い。
加えて、μ4/3機に装着する事で、自然観察撮影
用途において、無類の適合性を発揮する為、
殆ど「軽量で大口径の仮想望遠マクロ」のような
実用的な特性に変貌する事が魅力となっている。
惜しむらくは、OM-SYSTEMの企画開発時点において
「宇宙からバクテリアまで(何でも撮れる)」と
「21mmから250mmまで、開放F2で揃えられる」
など、OM ZUIKOの交換レンズラインナップを
「充実しすぎた」事が課題になったのではなかろうか?
まあ勿論、交換レンズがずらりと揃っていないマウント
は消費者層から見て魅力を感じない為、上記の企画の
意図や戦略は間違いでは無い。
ただ、問題は販売台数だ。当時のOM機(銀塩一眼)は、
さほど大きなシェアを持った訳では無い。だから交換
レンズも沢山売れるものでは無い。そこにラインナップ
充実の為に、数が売れないレンズ群を用意すると、
開発費や製造費の原価の償却の為、非常に高価な
レンズとなる。ますます売れないし、そういう特殊な
仕様のレンズは大型化してしまう事もあるから、
小型軽量なOMシリーズの一眼レフへ装着するのは、
明らかにアンバランスだ。
さらにまずい事に、1980年代後半のAF転換期に
OM-SYSTEMはAF化に失敗。そのまま1990年代を通じて
OM-SYSTEMが販売されるが、数度の「値上げ」の措置
があって、OM一眼レフやZUIKOレンズは「マニア層や
好事家向けの、高価な贅沢品」となってしまっていた。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522230.jpg]()
本OM90/2も同様な立場だ。高価すぎて、あるいは大型
すぎて殆ど売れておらず、後年には極めてレア(希少)
なレンズとなる。その結果「投機的」な観点から、
本レンズの中古相場は「時価」となり、8万円、10万円
あるいはそれ以上の価格で売られている状況となった。
「性能に比例している価格」では無い製品は、すなわち
「コスパが極めて悪い」という状態になるから、
残念ながら本OM90/2を現代において、推奨できる
理由は何も無い。
「どうしても欲しい」などとは決して思わない事が
賢明であろう。たとえば、マクロ・アポランターの
65mm/F2を買ってきて、APS-C機につけて写した方が、
(約100mm画角、F2、最大撮影倍率0.75倍以上)
本OM90/2をフルサイズ機で使うより、よほど良く写る。
----
次は本記事ラストのミラー(レンズ)となる。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522372.jpg]()
レンズ名:TOKINA Reflex 300mm/f6.3 MF MACRO
レンズ購入価格:18,000円(中古)(以下、MF300/6.3)
使用カメラ:PANASONIC DMC-GX7(μ4/3機)
2012年発売のMFミラー(レンズ)である。
μ4/3機で換算600mm相当、最短撮影距離は80cmで、
最大撮影倍率は1/2倍仕様であるが、まずは
μ4/3機専用なのでフルサイズ換算等倍相当、加えて
μ4/3機に備わる各種デジタル拡大機能と組み合わせれば
実用範囲を超えた超マクロ撮影も可能だ。
過去のランキング系記事においては、
*ミラーレスマニアックス名玉編=第13位
*ハイコスパレンズBETS40=第12位
*最強超望遠レンズ選手権=優勝
・・の好成績を上げている「強豪レンズ」である。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522954.jpg]()
本来は、本「最強マクロ選手権」においても、決勝進出
マクロレンズにノミネートされても、おかしくは無いが、
ただ、本レンズは「ちゃんとしたマクロレンズ」だとは
言い難い点もあるから、そのあたりは、他の本格派マクロ
レンズに少しだけ配慮をして、決勝戦では無く、B決勝戦
に進出とした経緯もある。
でも、そうしたとしても「B優勝」または、「B準優勝」
あたりの高い位置にランクインするとは思うが、もうそこは
本レンズの実力値であるから、これ以上、あれこれと忖度
(そんたく)する必要は無いであろう。
用途はやはり「自然観察撮影」がベストであろう。
600mmの換算画角から、遠距離の野鳥撮影等にも
向くし、普通そのようなシステム(カメラ+レンズ)
を一眼レフで組むと、数kgという、持ち上げられない
程の重量級システムとなってしまうのだが・・
本システム(DMC-GX7+MF300/6.3)であれば、
装備重量(付属品含む)でも、およそ700gしか
無い、これはハンドリング性能(持ち運び、構え)
において抜群の優位性を発揮できる事となる。
まあ「片手でひょいひょい」と撮るのは超望遠画角
であるから不可能とは言えるが「片手で持ち歩く」
事については、まるで負担は無い。
MFなので、遠距離(無限遠)撮影における、ピント
合わせの負担も少ない。純粋に無限遠撮影ならば、
ピントリング(有限回転式)を、いっぱいに廻して
おくだけでピントが合うから、遠距離を飛ぶ野鳥
等の撮影において「合焦時間=ゼロ秒」の理想的な
システムとなる。ただし、ミラーレンズの常として
無限遠からやや近づいていく、20m~∞あたり
の距離域においては、通常のガラスレンズよりも
ピント合わせの精密性が要求される点がある。
つまり、数十mという中途半端な距離にある
野鳥等においては、飛行中のピント合わせは、やや
難しいという事になる。これはPANASONIC μ4/3機
の優秀な精度のピーキング機能を持ってしても同様で
あり、MF操作自体が困難なのだから、MF精度は
そこに依存してしまう訳だ。
また、開放F6.3は、やや暗いので、日中晴天時なら
何も問題は無いが、雨天、夕景、室内等の弱暗所と
なると、シャッター速度の低下は、動体被写体ブレ、
利用者の手ブレ、の両方に留意しなければならない。
で、遠距離撮影のみならず、そのまま視点を近くに
寄せると、最短撮影距離80cmは、中距離にある
小動物や小型昆虫(トンボや蝶など)を全て
ターゲット(被写体)とできる、無類の被写体汎用性
を持つ。その際の注意点であるが、
1)近距離のピント合せは、なかなかシビアである
2)絞りが無いので、被写界深度調整が困難
3)露光倍数で、やや暗くなり、ブレリスクが発生
4)リングボケ発生の是非を意図する事
がある。
近接撮影は、結構高難易度となるので上級層や
実践派マニア層向けであろう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![_c0032138_06522941.jpg]()
やや使いこなしが難しい点を除けば、仕様、性能、
入手性、コスパ等において不満は無い事であろう。
μ4/3機の上級ユーザーであれば、必携のレンズだ。
----
さて、ここから以下はB決勝戦の順位である。
順位は、個人評価データベースでの「総合平均点」
とするが、特別加点として「歴史的価値」、「用途開発」
(用途適正)を合計最大0.4点まで加算する事とする。
B決勝最終順位は以下の通り。
1位:4.1点+加点0.2:TOKINA 300/6.3
2位:4.2点+加点0.0:OLYMPUS OM90/2
3位:3.9点+加点0.2:COSINA MAP65/2
4位:3.8点+加点0.0:SIGMA EX105/2.8
5位:3.7点+加点0.0:PENTAX HD35/2.8
6位:2.9点+加点0.4:TAMRON 20/2.8
・・という結果となった、以下は寸評である。
B優勝(決勝順位を含めて、総合6位相当)は、
「TOKINA Reflex 300mm/f6.3 MF MACRO」
となった。まあ本文で前述した通り、非常にユニーク
な特徴を持つマニアックな超望遠マクロであるから、
このあたりの順位にランクインするのは当然であろう。
2位、「OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO 90mm/f2 Macro」
は、OM-SYSTEMの範疇に留まらず、銀塩時代を代表する
名マクロレンズではあるが、現代における入手性が
極めて低い事が最大の課題だ。これは非推奨。
3位、「Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm/f2」
は、現代において入手性が高い最善のマクロであろう。
ただし価格が高価すぎるので、中古買い等で適宜、
入手価格を下げないと、コスパ評価が低すぎる。
幸いして中古市場での玉数は比較的豊富ではあるが、
例によってコシナ製品は、いつのまにか生産完了し
入手不能となって、投機的要素がついて高額化する
危険性が高いので、必ず流通期間内に入手する必要が
ある。
4位、「SIGMA AF MACRO 105mm/f2.8 EX DG」
は、思ったよりも順位が伸びていない。
本シリーズ記事執筆前の時点での予想(構想)においては
”このレンズ(EX105/2.8)がB優勝というのが妥当か?”
という感覚値ではあったが、やや意外な結果だ。
(他のマクロレンズが十分に個性的な為、基本評価点が
やや高目に付けられていた事が原因であろう・・)
ここでの順位とかに拘らず、安価な個体を見つけたら
入手しておくのが望ましいマクロレンズだと思う。
5位、「HD PENTAX-DA 35mm/f2.8 Macro Limited」
は、PENTAX機(デジタル一眼レフ)ユーザーならば
必携のマクロであろう、特に目につく弱点は無い。
ただまあ、記事本文中に記載したように、既に
PENTAX機のユーザー層も激変し、かつ、市場縮退の
まっただ中のレンズであるから、将来性については
全く期待できない事は重要なポイントだ。
6位、「TAMRON 20mm/f2.8 Di Ⅲ OSD M1:2」
は、最新鋭(2020年発売)、かつ非常に特殊な仕様
(フルサイズ対応超広角マクロ)であるので、本B決勝
戦にノミネートされたのだが、残念ながら評価点が全く
伸びていなかった。まあ、マクロとしての実用的な面
での使い難さが、大きな課題となった訳だ。
----
次回の本シリーズ記事は、最終回となる。
「最強マクロ選手権・決勝戦」
を予定している。
今回から決勝リーグとなり、まずは「B決勝」
すなわち「下位決勝、または順位決定戦」である。
このB決勝戦に進出できた所有マクロレンズは
以下の6本だ。(それらを簡略名表記で示す)
*COSINA MACRO APO-LANTHAR 65mm/F2
*SIGMA EX105mm/F2.8
*TAMRON 20mm/F2.8
*PENTAX HD35mm/F2.8
*OLYMPUS OM90mm/F2
*TOKINA 300mm/F6.3
レンズ個別の評価点は記事の最後で付ける、
それで「最強マクロ」の順位が決まる事となる。
----
まずは最初のB決勝進出マクロレンズ。
Clik here to view.

(注:独語綴りの変母音記載省略。本ブログで全て同様)
レンズ購入価格:122,000円(新品)(以下、MAP65/2)
使用カメラ:SONY α6000 (APS-C機)
2017年に発売されたフルサイズ対応大口径MFマクロ
レンズ。最大1/2倍仕様である。
本「決勝リーグ」に進出したレンズ群は、全て
この「最強マクロ選手権」の予選リーグにおいても
対戦(紹介)をしているので、重複する内容になって
しまうので、個別のレンズ毎の長所短所等の説明は、
できるだけ最小限とする。
Clik here to view.

光学設計による高度なレンズ構成により、描写力が
高い特徴を持つが、反面、高付加価値化により高価
な点が弱点だ。
だがまあ、同じ「高付加価値化」と言っても、
マクロレンズには不要と思われる「手ブレ補正機能」
や「超音波モーター」を搭載していないところは、
消費者側からの納得感は高い。すなわち
「余計な機能は不要だから、純粋に描写性能だけを
高めて欲しい、それだったらお金を出すぞ」
という硬派なニーズに対応できている、という意味だ。
MF専用である事も、潔くて良いであろう。
もっとも、この点に関しては、コシナの生産ライン
はMFレンズ製造に特化していると思われるので、
変にAFで無い事は、製造側にとっても利点であろう。
その昔、1980年代頃、コシナは数機種であるがAFの
レンズを製造し、自社ブランドで販売した事がある。
私は、そのうちの1本しか現有レンズは無いが、
さほど高性能なAFレンズでは無かったという認識だ。
(特殊レンズ第53回「COSINA レンズ」編記事参照)
Clik here to view.

マクロレンズである。高価格と、やや使い難い点が
許容できるマニア層向けレンズであろう。
現在、中古玉数も多く、入手性は悪く無いと思う。
---
では、2本目のマクロレンズ。
Clik here to view.

レンズ購入価格:5,000円(故障品)(以下、EX105/2.8)
アダプター:CANON EF-EOS M
使用カメラ:CANON EOS M5(ASP-C機)
2004年に発売されたフルサイズ対応AF等倍マクロ。
入手価格が安価なのは、AF故障品を購入したからである。
当時、既にNIKON Fマウント版の同型レンズを所有していて、
それの写りが良かった為、CANON EFマウントで同型レンズ
を追加購入。入手価格は、NIKON F版の中古が25,000円に
対し本AF故障品は1/5の価格であったので、これは満足だ。
Clik here to view.

での、「CANONとSIGMAのプロトコル変更」(その時代に、
CANONはSIGMAの旧型レンズを新型EOS機で使えなくした)
の影響も無きにしもあらずか? との懸念もあった為、
今回、電子アダプターEF-EOS Mを用いて再確認を行った。
電子アダプターでは、あまり強い「プロトコルの縛り」
(=排他的仕様)が施されていない可能性もあるからだ。
だが、残念ながら、やはりAFは動作せず。一応AF動作の
コマンド(命令)は、カメラ側からレンズに向かって
発せられている模様で、「ウーン」とモーターの駆動
らしき機械音が僅かに聞こえるが、ピントリングは廻って
くれない為、これは純粋に、レンズ側のAF機構(メカ)の
故障である事が確認できた。
まあ、そうならばそれで良い。そうであろう事を予想し、
今回は母艦としてミラーレス機EOS M5を使用している。
この機体であれば、レンズ側をMF設定にした際にも、
「常時」ピーキング表示を出す事が出来る。
(注:一部の他社ミラーレス機では、常時ピーキングを
出す事ができないケースもある)
「EFマウントのレンズだから」と言って、これをEOSの
一眼レフで使用すると、たいていの近代EOS機では、
光学ファインダーおよびスクリーンの性能が低くて、
MF合焦操作に、「イマイチ確証が無い」状態だ。
この課題を鑑みて、所有EOS 6DのみMF用スクリーンの
Eg-Sに換装してあるが、それは抜群の効果をもたらす
ものではなく、かつ、フルサイズでしか使えない。
(注:2010年代前半までのEOS一眼レフでスクリーン
交換が出来る機体はフルサイズ機が中心で希少であり、
2010年代後半からのEOS機では、殆どの機体で交換不可
となっている。この為、EOS 6Dを、後継のMarkⅡに
アップデートも出来ない→MarkⅡはスクリーン交換不可)
「EOS APS-C機で、撮影倍率を高められないものか?
EOS APS-C機で、MF性能の優れたものは無いのか?」
と思っていたところ、ミラーレス機のEOS M5を母艦として
使用すれば、その課題が解決できる事に気づき、今回は
その用法を実践している。
案の定、本(故障)レンズを、非常に快適に使用する事が
出来る。近接撮影では、どうせAFも超音波モーターも殆ど
役に立たないのだから、「MF+ピーキング」で十分だ。
APS-C機なので、撮影倍率も高められ、レンズ周辺収差を
カットして画面平均画質を高める事も出来る。
結果、申し分の無いシステムに成り得る訳だ。
もっと早く、この方法に気づくべきであったが(汗)
まあ、「用途開発」とか「弱点相殺型システム」というもの
の発見は、一種の「研究」である為、そう一朝一夕には
実現できるものでは無い。何年、あるいは十数年もかけて
成り立つものなのだ。(なので「ちょっと借りてきた」
だけの機材を評価する等は、有り得ない話だと思っている)
Clik here to view.

紹介・評価している通り、申し分の無い実力値を持つ。
SIGMAとしても、製品ラインナップ上での主力マクロで
あろう。それは、SIGMAが2013年に製品ラインナップを
「アート、コンテンポラリー、スポーツ」に整備した際、
EX50/2.8や、EX70/2.8の旧来のマクロを生産終了に
してもなお、本EX105/2.8は、OS(手ブレ補正)や、
HSM(超音波モーター)を搭載して(2011年に)後継機
とし、「Others(その他)」の製品カテゴリーに押し
込めてまで生産継続した事からも、このEX105/2.8の
製品系列が、SIGMAから見ても、捨て難いものであった
だろう事が類推できる。
(追記:2020年より、光学系を変更した同仕様の
マクロが、ミラーレス機用にも発売されている)
OSやHSMは、個人的には「マクロには不要」と考えて
いる付加機能であるから、ますます本EX105/2.8(旧)
の存在意義が高まり、コスパの良さが光る状態である。
総括だが、このレンズは「買い」であろう。
仮に、TAMRON SP90/2.8系マクロを既に所有して
いたとしても、重複購入する意味は十分にある。
---
では、3本目のマクロレンズ。
Clik here to view.

(Model F050)
レンズ購入価格:30,000円(新古)(以下、F050)
使用カメラ:SONY α7S(フルサイズ機)
2020年に発売されたミラーレス機用、フルサイズ
対応AF超広角ハーフ(1/2倍)マクロレンズ。
Clik here to view.

それか、”一応前例は有る”と言うべきか・・?
本レンズ以前の時代での、フルサイズ対応の20mm以下
の(超)広角マクロは、例えば下記のようなものがある。
(注:焦点距離、最短撮影距離、最大撮影倍率、
発売年代、レンズ型番簡易表記、の順で記載)
15mm:12cm:1.00倍:2010年代:LAOWA 15/4
20mm:20cm:0.2?倍:1990年代:COSINA MC20/3.8
20mm:20cm:0.25倍:2000年代:SIGMA EX20/1.8
20mm:11cm:0.50倍:2020年代:TAMRON 20/2.8(本レンズ)
20mm:数mm:4.50倍:2010年代:中一光学 FW20/2
いずれのレンズも、本シリーズ第5/6回記事で紹介済み
ではあるが、未所有のレンズで抜けがあるかも知れない。
でもまあ、他に超広角マクロと言うものは、あまり聞いた
事が無いので、だいたい、これくらいか?
ちなみに「中一光学 FreeWalker20/2」は1970年代の
「OLYMPUS OM20/2医療用特殊マクロ」の復刻版であり、
これは一般無限遠撮影が出来ない特殊な製品である。
なお、AFレンズは、この内SIGMA EX20/1.8と本レンズ
TARMON 20/2.8(F050型)のみである。
ただし、「AFでもMFでも、被写体に接近した撮影は
非常に難しい」という事は確かである。
本レンズの最大の課題は、AF精度が低い事に加えて、
MFでは無限回転式ピントリング仕様で、極めて使い難い
弱点があり、「重欠点」に等しいとの認識を持っている。
(注:AF速度・精度に関しては、SONY機の母艦を、
より新しく、かつ像面位相差AF搭載の機体にする事で
僅かに改善されるが、顕著に良くなる状態では無い)
前述のように「超広角マクロ」は、世に殆ど存在しない
が故に、この製品のコンセプトや仕様は非常に好みだ。
だが、その実用性が低いのであれば、せっかくの優れた
製品コンセプトも役には立たない事となってしまう。
超音波モーターとか距離指標を省略して、総合的に
コストダウンした事が課題なのであろう。
数年前(2010年代中頃)のSP F1.8単焦点シリーズ
が、「価格の高さ(9万円~11万円台)という事から、
不人気であったと」メーカー側では推測しているの
かも知れないが、個人的な視点からすれば、9万円
以上であっても、そこまでの性能が伴っているならば、
コスパが悪いと思う事は無いし、事実、SP F1.8系は、
どれも極めて高性能で、悪いレンズでは無い。
(参考:最強レンズ選手権シリーズ記事において、
SP45/1.8(F013)=最強50mm選手権、優勝
SP35/1.8(F012)=最強35mm選手権、第3位
SP85/1.8(F016)=最強85mm選手権、暫定優勝
と、いずれも立派な成績を上げている)
SP F1.8単焦点シリーズが不人気であったのは、現代
における主力消費者層がビギナー層ばかりになって
いる為、「開放F1.8は、開放F1.4のレンズに比べて、
低性能の廉価版だ!」というビギナー評価しかして
こなかった事が主たる原因であり、それでいて
価格が9万円台以上と高額であったのが問題点だ。
主原因は開放F1.8であり、副次的に価格の課題が
あった訳だから、価格の高さは主原因では無い。
(ちなみに、もう1つの理由を挙げれば、35mm、
45mm、85mmという他社レンズは、マニア層ならば
誰でも所有している。だからこそ、このスペック
のレンズを欲しがるのはビギナー層以外には無い。
中上級者で無いとSP F1.8系の凄さは理解不能だ)
Clik here to view.

SP F1.8単焦点シリーズの営業的失敗の反省から、
ビギナー層向けに「かつて見た事の無いスペック
(広角マクロ)を、安価に提供する」という
企画意図があったのだろう、と推測できる。
価格帯は、SP F1.8系の半額程度で、定価でも
46,000円(+税)となっている(全Model同一)
しかし、この「半額」というコストダウンの為に
ローコストの直流モーター(OSD)を使用し、
シームレスMF実現の為に距離指標を廃止してしまった
事から、「近接撮影において、AFピントでは合わず、
MFでは困難な操作性を強いられる」という重欠点が
生じてしまったわけだ。
「せっかくのユニークな製品コンセプトが活かせず、
まことに惜しい限りだ」とも言えるが・・
なんだか、近年のTAMRONでの、製品企画思想が、
どうも、ちぐはくなように思えてならない。
とても良い性能のレンズ(SP F1.8系)を作っても
マーケティング(市場調査・市場分析)の甘さで
売れないし、ユニークな仕様のレンズ(M1:2系)
は、コストダウンの為に実用性能を満たしていない。
結果的に、非常にちぐはくで「市場の流れに乗れて
いない」ように思えてならないのだ・・・
(参考:とは言え、本レンズ発売以降、2021年頃
より、各社(カメラ・レンズメーカー)においても
性能を削って低価格化した新製品が増えて来ている。
根本原因として「市場縮退で高価格化されてしまった」
近代の新製品の状況を打開したいという要素や戦略が、
各社に存在するのであろう。ただし、市場縮退により、
マニア層等も激減してしまったので、これらの新鋭
低価格帯レンズを直ちに入手し、速やかに適正なレベル
でのユーザーレビューを行える人達も皆無となったので
実際の新鋭低価格帯レンズの実力値は、現状では不明だ)
---
では、4本目のマクロレンズ。
Clik here to view.

レンズ購入価格:26,000円(中古)(以下、HD35/2.8)
使用カメラ:PENTAX KP (APS-C機)
2013年に発売されたDA型(APS-C専用)準広角
(標準画角相当)AF等倍マクロレンズ。
Clik here to view.

である。
APS-C機専用である事は、PENTAX機は、K-1系以外
は、全てAPS-C機なので、何ら問題にならない。
描写力は優秀だし、新鋭HDコーティングもそれに
寄与している。
ちゃんと有限回転式ピントリングと距離指標を持ち
上級MF技法にも対応できる、勿論近接撮影では、
MFの比率と重要性が高まるので、こうした仕様で
無い(例:超音波モーター+無限回転式)近代の
マクロレンズは、その時点で、「失格」に等しい
扱いになってしまっている。
絞り環こそ持たないが、変な電磁絞り対応では
無く、機械式絞り動作連動方式であるから、これは
機械式絞り込みレバーを備えたマウントアダプター
を用いれば、任意のミラーレス機で用いる事も出来、
(ミラーレス機側の)各種MFアシスト機能を併用し、
さらに近接ピント性能を高める事が出来る、という
母艦汎用性がある。
作りも良く、外観は、ほとんど金属製と見間違う
ような高品質な仕上げだ。
おまけに、比較的安価であり、コスパは極めて良い。
いったい、このレンズの何が不満なのであろうか?
まあ、思うに、PENTAXは、旧来の銀塩時代から
一定ファン層(PENTAX党)を抱えてきたのだが、
2010年前後での、HOYA-PENTAX時代において、
極端な「エントリー戦略」を行ってしまっていた。
ここでエントリー戦略とは、一眼レフでは低価格帯
機の性能充実と、ファッショナブル化、それから
特殊ミラーレス機(Qシリーズ、K-01)の発売。
両者に共通するオーダーカラー制度の実施。
販売戦略における、アニメ、ゆるキャラ、他企業
とのコラボ実施、あるいは特殊仕様カメラの発売
(例:エヴァンゲリオン・モデル等)などがあり、
この戦略により、HOYA-PENTAX時代のカメラ事業は
黒字化したそうなのだが・・
これらの措置で、しっちゃかめっちゃかに製品企画を
いじくり廻し過ぎたのだろうか?この時代において
旧来からのマニア層を中心とした「PENTAX党」の
比率は激減してしまったように思えてならない。
「なんだか、初心者向けの浮ついた企画のカメラ
ばかりになってしまったよ。FA-Limitedの高性能
レンズや、SP/MX/LXのような優れたカメラは、
もう二度と出してくれないのだろうか・・?」
と、PENTAX党のマニアであれば思った事だろう。
HOYA-PENTAXの黒字化戦略は、数年続いただけで
さっと撤退、事業を丸々今度はRICOHに売却する。
RICOHは新規技術を中心に据え、そこまでのHOYA
時代に開発がほったらかしであったPENTAX上級機に、
新機能を搭載して巻き返しを図るが・・
残念ながら、PENTAX機のユーザー層は、すでにHOYA
時代にかき回された入門層や初級層ばかりとなって
しまっていた。従来機と比較して素晴らしく操作系が
改善された「PENTAX KP(2017年)」を見て初級層は
「高感度性能が付いただけで、旧来機の2倍も高価に
なったので、がっかりだ」
のようなビギナー評価(操作系の価値がわからない)
をしているのだから、結局のところ、2010年代中頃
からのRICOH版設計思想のPENTAXデジタル一眼レフ
の上級機の「超絶性能」は、ビギナー層ばかりに
なってしまったPENTAX機のユーザー・消費者層からは
全く理解されない。
哀れ、2017年以降は、PENTAXでは新型機(レンズ交換
型カメラ=一眼レフとミラーレス機)を何も発売
する事が出来ていない。
まあつまり「ターゲット層(消費者)が見えなく
なってしまった」訳である。
(追記:ようやく2021年に、新型機K-3 MarkⅢが
発売されたのだが、ターゲット層が見え難い製品だ)
「PENTAXは、フルサイズ機も少ないし、フルサイズ
用で評判が高いレンズも少ないから、いらないよ」
等と考えてしまうビギナー層ばかりでは、もうさすがに
商売は厳しい。そう考える消費者層は、最終的には
PENTAX機を買う事はなく、SONY α、CANON EOSに
走ってしまう(シニア層ならばNIKONに行く)だろう
からだ。
Clik here to view.

レンズであっても正当な評価を受ける術(すべ)も無く、
きっと、このまま時代とともに忘れ去られてしまう
のであろう。
まあ、極めて惜しい話ではあるが、これは消費者側の
問題だけ、とも言い切れない。時代や世情、環境の変化に
メーカー側の企画や技術開発も追いついていけなかった、
という要素もあるだろう。
---
さて、5本目のマクロレンズ。
Clik here to view.

レンズ購入価格:50,000円(中古)(以下、OM90/2)
使用カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1(μ4/3機)
1980年代後半頃に発売と思われる、MF1/2倍中望遠
マクロレンズ。
Clik here to view.

加えて、μ4/3機に装着する事で、自然観察撮影
用途において、無類の適合性を発揮する為、
殆ど「軽量で大口径の仮想望遠マクロ」のような
実用的な特性に変貌する事が魅力となっている。
惜しむらくは、OM-SYSTEMの企画開発時点において
「宇宙からバクテリアまで(何でも撮れる)」と
「21mmから250mmまで、開放F2で揃えられる」
など、OM ZUIKOの交換レンズラインナップを
「充実しすぎた」事が課題になったのではなかろうか?
まあ勿論、交換レンズがずらりと揃っていないマウント
は消費者層から見て魅力を感じない為、上記の企画の
意図や戦略は間違いでは無い。
ただ、問題は販売台数だ。当時のOM機(銀塩一眼)は、
さほど大きなシェアを持った訳では無い。だから交換
レンズも沢山売れるものでは無い。そこにラインナップ
充実の為に、数が売れないレンズ群を用意すると、
開発費や製造費の原価の償却の為、非常に高価な
レンズとなる。ますます売れないし、そういう特殊な
仕様のレンズは大型化してしまう事もあるから、
小型軽量なOMシリーズの一眼レフへ装着するのは、
明らかにアンバランスだ。
さらにまずい事に、1980年代後半のAF転換期に
OM-SYSTEMはAF化に失敗。そのまま1990年代を通じて
OM-SYSTEMが販売されるが、数度の「値上げ」の措置
があって、OM一眼レフやZUIKOレンズは「マニア層や
好事家向けの、高価な贅沢品」となってしまっていた。
Clik here to view.

すぎて殆ど売れておらず、後年には極めてレア(希少)
なレンズとなる。その結果「投機的」な観点から、
本レンズの中古相場は「時価」となり、8万円、10万円
あるいはそれ以上の価格で売られている状況となった。
「性能に比例している価格」では無い製品は、すなわち
「コスパが極めて悪い」という状態になるから、
残念ながら本OM90/2を現代において、推奨できる
理由は何も無い。
「どうしても欲しい」などとは決して思わない事が
賢明であろう。たとえば、マクロ・アポランターの
65mm/F2を買ってきて、APS-C機につけて写した方が、
(約100mm画角、F2、最大撮影倍率0.75倍以上)
本OM90/2をフルサイズ機で使うより、よほど良く写る。
----
次は本記事ラストのミラー(レンズ)となる。
Clik here to view.

レンズ購入価格:18,000円(中古)(以下、MF300/6.3)
使用カメラ:PANASONIC DMC-GX7(μ4/3機)
2012年発売のMFミラー(レンズ)である。
μ4/3機で換算600mm相当、最短撮影距離は80cmで、
最大撮影倍率は1/2倍仕様であるが、まずは
μ4/3機専用なのでフルサイズ換算等倍相当、加えて
μ4/3機に備わる各種デジタル拡大機能と組み合わせれば
実用範囲を超えた超マクロ撮影も可能だ。
過去のランキング系記事においては、
*ミラーレスマニアックス名玉編=第13位
*ハイコスパレンズBETS40=第12位
*最強超望遠レンズ選手権=優勝
・・の好成績を上げている「強豪レンズ」である。
Clik here to view.

マクロレンズにノミネートされても、おかしくは無いが、
ただ、本レンズは「ちゃんとしたマクロレンズ」だとは
言い難い点もあるから、そのあたりは、他の本格派マクロ
レンズに少しだけ配慮をして、決勝戦では無く、B決勝戦
に進出とした経緯もある。
でも、そうしたとしても「B優勝」または、「B準優勝」
あたりの高い位置にランクインするとは思うが、もうそこは
本レンズの実力値であるから、これ以上、あれこれと忖度
(そんたく)する必要は無いであろう。
用途はやはり「自然観察撮影」がベストであろう。
600mmの換算画角から、遠距離の野鳥撮影等にも
向くし、普通そのようなシステム(カメラ+レンズ)
を一眼レフで組むと、数kgという、持ち上げられない
程の重量級システムとなってしまうのだが・・
本システム(DMC-GX7+MF300/6.3)であれば、
装備重量(付属品含む)でも、およそ700gしか
無い、これはハンドリング性能(持ち運び、構え)
において抜群の優位性を発揮できる事となる。
まあ「片手でひょいひょい」と撮るのは超望遠画角
であるから不可能とは言えるが「片手で持ち歩く」
事については、まるで負担は無い。
MFなので、遠距離(無限遠)撮影における、ピント
合わせの負担も少ない。純粋に無限遠撮影ならば、
ピントリング(有限回転式)を、いっぱいに廻して
おくだけでピントが合うから、遠距離を飛ぶ野鳥
等の撮影において「合焦時間=ゼロ秒」の理想的な
システムとなる。ただし、ミラーレンズの常として
無限遠からやや近づいていく、20m~∞あたり
の距離域においては、通常のガラスレンズよりも
ピント合わせの精密性が要求される点がある。
つまり、数十mという中途半端な距離にある
野鳥等においては、飛行中のピント合わせは、やや
難しいという事になる。これはPANASONIC μ4/3機
の優秀な精度のピーキング機能を持ってしても同様で
あり、MF操作自体が困難なのだから、MF精度は
そこに依存してしまう訳だ。
また、開放F6.3は、やや暗いので、日中晴天時なら
何も問題は無いが、雨天、夕景、室内等の弱暗所と
なると、シャッター速度の低下は、動体被写体ブレ、
利用者の手ブレ、の両方に留意しなければならない。
で、遠距離撮影のみならず、そのまま視点を近くに
寄せると、最短撮影距離80cmは、中距離にある
小動物や小型昆虫(トンボや蝶など)を全て
ターゲット(被写体)とできる、無類の被写体汎用性
を持つ。その際の注意点であるが、
1)近距離のピント合せは、なかなかシビアである
2)絞りが無いので、被写界深度調整が困難
3)露光倍数で、やや暗くなり、ブレリスクが発生
4)リングボケ発生の是非を意図する事
がある。
近接撮影は、結構高難易度となるので上級層や
実践派マニア層向けであろう。
Clik here to view.

入手性、コスパ等において不満は無い事であろう。
μ4/3機の上級ユーザーであれば、必携のレンズだ。
----
さて、ここから以下はB決勝戦の順位である。
順位は、個人評価データベースでの「総合平均点」
とするが、特別加点として「歴史的価値」、「用途開発」
(用途適正)を合計最大0.4点まで加算する事とする。
B決勝最終順位は以下の通り。
1位:4.1点+加点0.2:TOKINA 300/6.3
2位:4.2点+加点0.0:OLYMPUS OM90/2
3位:3.9点+加点0.2:COSINA MAP65/2
4位:3.8点+加点0.0:SIGMA EX105/2.8
5位:3.7点+加点0.0:PENTAX HD35/2.8
6位:2.9点+加点0.4:TAMRON 20/2.8
・・という結果となった、以下は寸評である。
B優勝(決勝順位を含めて、総合6位相当)は、
「TOKINA Reflex 300mm/f6.3 MF MACRO」
となった。まあ本文で前述した通り、非常にユニーク
な特徴を持つマニアックな超望遠マクロであるから、
このあたりの順位にランクインするのは当然であろう。
2位、「OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO 90mm/f2 Macro」
は、OM-SYSTEMの範疇に留まらず、銀塩時代を代表する
名マクロレンズではあるが、現代における入手性が
極めて低い事が最大の課題だ。これは非推奨。
3位、「Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm/f2」
は、現代において入手性が高い最善のマクロであろう。
ただし価格が高価すぎるので、中古買い等で適宜、
入手価格を下げないと、コスパ評価が低すぎる。
幸いして中古市場での玉数は比較的豊富ではあるが、
例によってコシナ製品は、いつのまにか生産完了し
入手不能となって、投機的要素がついて高額化する
危険性が高いので、必ず流通期間内に入手する必要が
ある。
4位、「SIGMA AF MACRO 105mm/f2.8 EX DG」
は、思ったよりも順位が伸びていない。
本シリーズ記事執筆前の時点での予想(構想)においては
”このレンズ(EX105/2.8)がB優勝というのが妥当か?”
という感覚値ではあったが、やや意外な結果だ。
(他のマクロレンズが十分に個性的な為、基本評価点が
やや高目に付けられていた事が原因であろう・・)
ここでの順位とかに拘らず、安価な個体を見つけたら
入手しておくのが望ましいマクロレンズだと思う。
5位、「HD PENTAX-DA 35mm/f2.8 Macro Limited」
は、PENTAX機(デジタル一眼レフ)ユーザーならば
必携のマクロであろう、特に目につく弱点は無い。
ただまあ、記事本文中に記載したように、既に
PENTAX機のユーザー層も激変し、かつ、市場縮退の
まっただ中のレンズであるから、将来性については
全く期待できない事は重要なポイントだ。
6位、「TAMRON 20mm/f2.8 Di Ⅲ OSD M1:2」
は、最新鋭(2020年発売)、かつ非常に特殊な仕様
(フルサイズ対応超広角マクロ)であるので、本B決勝
戦にノミネートされたのだが、残念ながら評価点が全く
伸びていなかった。まあ、マクロとしての実用的な面
での使い難さが、大きな課題となった訳だ。
----
次回の本シリーズ記事は、最終回となる。
「最強マクロ選手権・決勝戦」
を予定している。