今回の記事は補足編として「25mmマニアックス」
という主旨とする。
ここでは「実焦点距離がジャスト25mm」のレンズを
7本紹介する。
なお、この「25mmレンズ」はフルサイズ対応のみならず、
APS-C以下機対応、トイレンズや特殊レンズを含んでいる。
また、いずれも過去記事で紹介済みのレンズである為、
個々のレンズについての説明は最小限としよう。
----
ではまず、今回最初の25mmレンズ。
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レンズは、7artisans (七工匠) 25mm/f1.8
(新品購入価格 12,000円)
カメラは、FUJIFILM X-T1 (APS-C機)
2018年に発売された、中国製のミラーレス機用MF広角
(準広角画角)単焦点レンズ(APS-C型以下対応)
「七工匠」は「しちこうしょう」と読まれている。
恐らくは銀塩MF時代の小口径標準レンズ(50mm/F1.8級)
をスケールダウンした設計であり、元となったレンズ
の設計は、銀塩時代、既に完成の域に達していた程に
高性能な為、本レンズも、そこそこ写りが良い。
こうした設計手法(過去の名レンズの設計の焼き直し)で
作られたレンズを本ブログでは「ジェネリック・レンズ」
と呼んでいる。
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なお、銀塩MF時代の各社の小口径標準レンズの多くは、
変形ダブルガウス型等と呼ばれる5群6枚構成であり、
メーカー間で、僅かな仕様等の差はあれど、ほとんど
どれも横並びで、高性能・高描写力であった。
また、これらは完成度が高かった為、銀塩AF時代や
その後のデジタル時代に至るまで、AF化や、外観等を
若干変えながら、光学系を殆ど変更せずに、数十年間
もの間、継続的に生産されていたものも多い。
この為、各時代における中級層や初級マニア層等では
自身の贔屓するメーカー等の小口径標準レンズを手にし、
それらは、どれも写りが良い為・・
PENTAX党であれば「銀のタクマー(SMC-T55/1.8
1970年代頃)は良く写るぞ!」 とか、あるいは
シニアのNIKON党であれば「Ai50/1.8S(1980年代頃)
は、さすがNIKKORじゃ、良く写るのぉ!」
はたまた、CANON党初級層であれば「EF50/1.8Ⅱ
(1990年代~2010年代)は、とても安くて良く写る、
これは”神レンズ”だ!」
と、それぞれ他メーカーの同等製品の事などは知らずに
自身が崇拝するメーカーのレンズだけを褒め称える訳だ。
でも、メーカーや流通市場においては、より高価である
大口径標準(50mm/F1.4級)を買ってもらったほうが
儲かってありがたい。なので当然ながら「50mmはF1.4
の方がF1.8よりも良く写る、よって高価なのだ!」と、
そういう市場論理を消費者層に植え付けようとする訳だ。
(勿論、そんな事実は何処にも無い)
したがって、中級層やマニア層などでも、高価な方の
F1.4版を”高級品だ”と信じて購入する訳だから、
「F1.8版など、安物だから良く写るはずが無い」と、
一刀両断に切り捨ててしまう。
まあ、いくらマニア等とは言え、銀塩時代においては、
同じメーカーの同じ50mmのレンズを開放F値の違いで
(例えば、F1.2版、F1.4版、F1.8版等)同時に所有する
など、そんな贅沢は、有り得ない時代であった。
よって結局は「高価な大口径レンズの方が良いに決まって
いる」と、撮り比べもせず、単なる「思い込み」で物事を
語っていたに過ぎない。
(注:F1.8版の方が描写力が良い事がユーザーにわかって
しまうと市場倫理が崩壊してしまう為、メーカーによっては
わざとF1.8版の最短撮影距離を長くし、浅い被写界深度を
取れないようにと、性能を低めてしまう措置を行っていた)
まあ、過去何度も、この話は書いてきたので、このあたり
までにしておこう。幸い、現代においては銀塩時代の標準
レンズは中古相場も安価であり、F値違いで揃えてみる事も
さしたる贅沢では無い。それら複数を入手したら、自分の
目で、しっかりその差異を確かめてみれば良いだけだ。
「試せる事は、必ず自分自身で確かめる」
それを行う事が、マニア道における知的好奇心であろう。
何も試したりもせず、思い込みだけで語っているのは
好ましく無い状態だが、そういう事例が極めて多い。
・・さて、ということで、銀塩時代における傑作レンズ、
変形ダブルガウス型の小口径標準レンズの設計をベース
に、ミラーレス機(APS-C機以下)用にダウンサイジング
した、本レンズ七工匠25mm/f1.8は、まあ、すなわち
”血筋が良い”というレンズである。
ただまあ、ミラーレス機用に調整が施されている為、
(有効径は小さく、焦点距離は短く、フランジバックの
補正の為のレンズも1枚入っていると思われる)
これは、完全に銀塩時代の小口径標準と同じ性能では無い。
(加えて焦点距離が短くなった事、さらにはセンサーサイズ
が銀塩35mm判よりも小さい為、浅い被写界深度が取れない
原理であるが、本レンズの場合は、最短撮影距離が18cmと、
銀塩標準レンズ(普通:最短45cm)よりも大幅に短く
なっているので、近接撮影に持ち込めば、大きな背景ボケを
得る事は可能だ)
それに、もし、ただ単に銀塩時代の小口径標準が欲しい
ならば、本レンズよりも安価な中古相場で、それらを
買う事ができるので、マウントアダプターを介して
任意のミラーレス機で使えば、それで良い訳である。
だったら、本レンズ七工匠25mm/F1.8の目的は?
存在意義は? という疑問にも繋がってくるかも知れない。
で、そう言われてしまうと、実は、あまり本レンズの特徴
を活かせる適切な「用途開発」は難しいのではなかろうか
とも思うようになってしまった。
まあ、私の場合は、本レンズの購入目的は「研究用途」で
あった訳だ。2018年頃から市場での流通が活発となった
新鋭海外製(中国製等)のレンズの「品質や実力値を
確かめたかった」という理由が大きい。
何本か買ってみて性能や品質に大きな問題点が無いならば、
これらの新鋭海外製レンズは安価であるから、十分に
コスパが良いと見なせるからだ。
本レンズが、そうした目的におけるテスト製品であったと
言え、これが個人的評価においては、合格であったから
その後、十数本の海外製レンズを購入した次第である。
(他シリーズ「海外レンズ・マニアックス」を参照)
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総括だが、基本的には「ジェネリック」である為、
決して「安かろう、悪かろう」という手抜きレンズでは
無い。外観の材質や仕上げも良く、国産の同価格帯の
AFレンズのプラスチッキーなレンズとは一線を画する。
注意点としては、あくまでMFレンズである為、EVF搭載
および各種MFアシスト(ピーキングや画面拡大系等)
性能が優れている母艦を使用する事が望ましい。
その点、FUJIFILMの機体は、ピーキング精度が他社より
低く、拡大操作系も優れていない為、精密ピント合わせは
若干苦しいところがある。ちなみに、その理由がある為、
FUJI機でMFレンズを使う場合、できるだけ焦点距離が
短く、被写界深度を深く取れる、すなわちMFでのピント
合わせの負担が少ないものを選ぶ事が望ましい訳だ。
---
では、次の25mmレンズ。
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レンズは、Voigtlander NOKTON 25mm/f0.95(初期型)
(フォクトレンダー ノクトン)(注:変母音省略)
(新品購入価格 84,000円)(以下、NOKTON25)
カメラは、PANASONIC DMC-G1 (μ4/3機)
2011年発売のμ4/3機専用超大口径MF標準画角レンズ。
μ4/3専用である為、換算50mmの標準レンズ相当の画角と
なるが、画角がそうなるというだけであり「一般的な標準
レンズとは用法がまるで異なる」と思っておくのが良い。
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本レンズは、最短撮影距離17cmと驚異的な近接性能を
誇る。一般的な50mm標準レンズの最短撮影距離は、
45cm程度であるし、50mm等倍マクロですら最短20cm
位であるので、本レンズにおける寄れる距離は半端無い。
しかし、ここで言う「寄れる」とは、「被写体を大きく
写せる」という意味では無い。
本レンズが「寄れる」事を活用しようと思うならば、
まず1つは、F0.95の超大口径を絡め、被写界深度を
極めて浅くする事を可能とする。
もう1つは、WD(ワーキンング・ディスタンス)の
短さを利点とした、アングル的な撮影自由度の高さだ。
(=被写体に対して、上下左右どの角度からでも撮れる
為、背景等の取り込みの自由度が格段に増す)
こちらの特徴が「寄れる」という本来の意味であろう。
他記事でも何度か述べているが、本レンズは使いこなし
が難しい。勿論、超大口径故にの浅い被写界深度による
MFの難しさという技法的な課題はあるのだが、それよりも、
まず、浅い被写界深度を、どのような作画表現に用いる
べきか? その「用途開発」がかなり難しいのだ。
さらに言えば、本レンズは、絞りを開けていくと、
急速に画質が低下する。これは超大口径を所以とする
球面収差等の増大だと思われるが、それにしても、
レンズの特性上、絞りを開けて使いたいのに、それと
相反して低画質化していく事が、大きな課題となる訳だ。
(注:球面収差は有効径(≒F値の逆数)の3乗に比例して
大きくなる、つまり(超)大口径レンズを開放で使うと、
通常の設計手法では抑えきれない程に収差が増大する)
いずれにしても、初級中級層には推奨できないレンズ
である。
なお、参考の為、フォクトレンダーNOKTON(ノクトン)
F0.95シリーズは、10.5mm,17.5mm,25mm,42.5mm
の4本が存在し、全てμ4/3機専用、他マウント版は無い。
(追記:2020年に、60mm/F0.95が久しぶりに
新発売された、こちらは悪く無いレンズだ→後日紹介)
それと、他にF0.95級の超大口径は、中一光学による
SPEEDMASTERシリーズが入手が容易ではあるが、
こちらも安価なものは、μ4/3版であり、センサー
サイズが大きいAPS-C機版や、フルサイズ対応版は、
多少高価になってしまう。また、他社製品でも非常に
高価なF0.95レンズがいくつか存在している。
----
さて、次はトイレンズシステムだ。
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レンズは、HOLGA LENS 25mm/f8 HL(W)-SN
(新品購入価格 3,000円)
カメラは、SONY NEX-7(APS-C機)
2010年代のAPS-C機以下用MFトイレンズ。
HOLGAについて述べていくと長くなる。参考記事として
「特殊レンズ超マニアックス第3回HOLGA LENS編」を
適宜参照されたし。
本レンズは周辺減光が大きく、かつ、写りも低解像感で、
いわゆる「ユルい」あるいは「Lo-Fi」と呼ばれる写りと
となる。
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ここで、「Lo-Fi」レンズの存在意義、という話になると
とても長くなる、興味があれば、「匠の写真用語辞典
第5回記事、項目”ローファイ”」等を適宜参照されたし。
(注:言葉の意味を理解できたとしても、概念を応用する
のは、とても難しいかも知れない)
さて、HOLGA LENS(単体販売のもの)には、マウントに
応じて、いくつかの焦点距離のものが存在する。
具体的には、10mm、25mm、60mmとなっている。
いずれもF8の固定絞りであり、60mmの最初期(2000年代)
のものを除き、周辺減光の効果を得る事ができる。
(注:BC=ブラックコーナー機構による)
いずれも描写力は似たりよったりのLo-Fi志向なので
複数を持つ必要性は無く、あくまで、使用マウントに
応じて選べば良いであろう。
「Lo-Fi描写を表現力の増強の為に使いたい」という
アート系ユーザー層向けのレンズであり、一般的な
Hi-Fi志向の初級中級層やマニア層向けのレンズでは無い。
また、購入するならば、本レンズの特性を理解した上で、
自身における用途を考える必要がある。
しかし、「Lo-Fi」の「用途開発」が、高難易度である事
は述べておく。これはまあ、「わざわざ画質を低めて撮る
必要性」を探す訳だから、難しいのは当然であろう。
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逆に言えば、「写真は目で見たままを綺麗に写すものだ」
と信じて疑わない初級中級層においては・・
「常にそうとも限らない」という広い視点を理解する上で
Lo-Fi志向のレンズを使ってみる事は「教材」的な観点に
おいては、勧められるかも知れない。
まあ、なかなか本記事においては「誰にでも推奨できる
レンズ」というものが出てこないのだが。
元々、この記事は「マニアックス」という副題があり、
上級マニア層を対象としているので、念の為。
----
では、次のシステム
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レンズは、PANASONIC G25mm/f1.7 ASPH.(H-H025M)
(新古品購入価格 14,000円)
カメラは、PANASONIC LUMIX DMC-GX7 (μ4/3機)
2015年頃に発売のμ4/3機専用のAF標準(画角)レンズ。
ここで、25mmレンズの存在意義であるが、
まず、デジタル時代での、4/3(フォーサーズ)機や、
μ4/3(マイクロフォーサーズ)機であれば、
センサーサイズによる換算焦点距離が2倍となる為、
フルサイズ換算50mmの、いわゆる「標準画角」となる
25mmは、スタンダードな焦点距離であり、各社から
多数の4/3およびμ4/3用の25mmレンズが発売されている。
また、APS-C機用においても、25mmレンズは、およそ
37mm前後の汎用的な準広角の画角となる為、これも
無い訳では無い。
ただ、銀塩35mm判用レンズについては、通常の広角
レンズの焦点距離は、28mmまたは24mmが一般的な為、
25mmの焦点距離のレンズは、とても少なかった状況だ。
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さて、本レンズであるが、初期のものは単体発売されて
いたが、LUMIX DC-GF9(2017年)のキットレンズ
として、デザイン等がリニューアルされている。
その変更時に、旧来の初期型の在庫品が、新古品として
中古市場に安価に大量に放出されたものを購入した為、
本レンズは初期型である。
旧来、一眼レフやミラーレス機の「ダブルズーム」キット
と言うと、フルサイズ換算で28-70mm位の標準ズームと
同70-300mm位の望遠ズームをセットして販売される事が
多かったのだが、近年においては、高倍率ズーム+
大口径(小口径)単焦点標準レンズの組み合わせや
高倍率ズーム+標準マクロレンズ、といった組み合わせも
存在している。
まあ、エントリー層やビギナー層が、安直なズームレンズ
以外に単焦点レンズにも興味を持って貰うのは悪い傾向
では無いと思うし、実用的にも、高倍率ズームと、大口径
またはマクロ、という組み合わせは利便性が高いと思う。
なにせ、初級一眼レフ等のキットレンズが標準ズーム
になってしまった1990年代以降では(注:それ以前は
カメラのキットレンズは50mm単焦点である事が殆どだ)
ビギナー層が、その標準ズームで中遠距離の平面的被写体
を、絞り値を変えて撮ったりしていても、その場合では
被写界深度の変化は殆ど無いから・・
初「あれ?絞りを変えても、写りは何も変わらないよ」
と、いつまでも絞りの効能や被写界深度について、何も
理解が進まないまま・・ という状況を良く見かける。
先日も、数年間も写真を撮っている初級者において、
「遠距離を撮る場合は絞りを絞り、近距離の被写体では
絞りを開ける」という誤まった絞りの使い方をしている
状況を見かけた。勿論、「絞りは、そうやって使うのでは
無い」という事は説明したが、結局、キット標準ズームを
使っていて、平面的な被写体感覚しか持っていなければ、
絞りの効能というも、何年写真を撮っていても、まったく
理解できないのであろう・・
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本レンズG25/1.7は、特筆すべき描写力や機能・性能は
無いし、多大な被写界深度変更効果が得られるものでも無い、
ただまあ、中古相場は、前述の旧製品の放出以降、ずっと
安値安定傾向であり、コスパは良いとは思う。
(ハイコスパ名玉編で、BEST31位にランクイン)
----
では、5本目はマシンビジョン用レンズだ。
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レンズは、VS Technology VS-LD25N
(発売時定価22,000円)
カメラは、PENTAX Q (1/2.3型機)
2000年代(?)の、FA用低歪曲マクロ(近接専用)
初期メガピクセル対応、MF単焦点(25mm)手動絞り
マシンビジョンレンズ。
開放F値は撮影距離に関連した「露出倍数」に応じ、
F2.1~F2.5程度となる。
ここでマシンビジョン用レンズについて説明しだすと
とても長くなるので、ばっさりと割愛する。
興味があれば、例えば「特殊レンズ超マニアックス
第1回マシンビジョン編」等の記事を参照されたし。
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ただし、マシンビジョン用レンズは一般写真撮影向け
のレンズでは無いし、撮影システムを組むにも
こうした機材に係わる専門的な知識が必要とされるし、
そうやってシステムを組んだとしても、実際の撮影には
非常に高度な撮影技能が要求される。
おまけに本レンズは近接撮影専用であり、一般的な
中遠距離撮影は出来ない。
そうした条件は、上級層や上級マニア層でも厳しいものが
あると思われる。あくまでこうしたレンズは、この分野の
専門家向けとし、一般ユーザー層には非推奨としておく。
おまけに、マシンビジョン用レンズは、一般的には個人で
購入できるものでは無い(例えば、法人(企業)等の名義
で購入しなくてはならない)ので、ますます非推奨だ。
----
さて、6本目のシステム
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レンズは、mEiKe 25mm/f1.8 (MK25F18M4/3)
(新品購入価格 約9,000円)(以下、Meike25/1.8)
カメラは、OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ Limited (μ4/3機)
2019年に発売された、APS-C型以下マウント用の
MF広角(準標準~標準画角相当)レンズ。
「mEiKE」と大文字小文字混じりのロゴデザインであるが、
以下は「Meike」と記載する。
冒頭の「七工匠25mm/F1.8」と同様の「ジェネリック・
レンズ」かも知れないが、こちらはレンズ枚数は公開
されているが、レンズ構成図等が見当たらず、詳細は不明だ。
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写りはさほど悪く無いが(注:上写真はエフェクトを掛けて
いる為、画質評価用のカットでは無い)最大の弱点としては、
MFにおけるピントリングが、無限遠を超えて「オーバー
インフ」の状態にまで廻ってしまう事である。
この弱点の為、MF時に遠距離被写体撮影の際、ピント
リングを最大に廻して、止まったところで撮影する、
という、ごく基本的なMF技法が使えない。
これは「致命的な問題」といっても良く、困った状況だ。
本レンズ購入以前、Meikeのレンズは数本購入していて
いずれも性能には満足していたので、続けて本レンズも
購入したのだが、ちょっとこれは「ハズレ」であった。
まあ、本レンズはMeikeのレンズの中では最も安価で
あり、様々なコストダウン上での要因が、こうした
「オーバーインフ」状態を招いてしまったのかも知れない。
なお、もしかすると、他マウント(例:FUJIFILM X)
製品では、オーバーインフになっていないかも知れないが、
μ4/3機用以外は所有していないので、詳細は不明だ。
いずれにしても、購入時にチェックできるのであれば、
必ずオーバーインフ状態を確認してみるのが賢明だ。
オーバーインフになっているならば、購入は推奨しない。
新鋭海外製(中国製等)のレンズの一部は、一眼レフや
ミラーレス機の交換レンズ市場に参入したばかりである、
なので、最初期の製品では、まだ仕様や性能が未成熟な
ものも存在するだろう。(例:KAMLAN FS50mm/F1.1は
描写性能に大きな課題を持ち、僅か3ヶ月で、後継製品に
改良されている、このように明確に新製品化しない迄も
生産ロットによって目立たない改良が行われている場合
もあると思う→レンズでは無いが、他分野の中国製品で
そのような実例を知っている)
まあ、そんな事もあるので、新製品に慌てて飛びつかず、
少し時間を置いて、適宜完成度が上がったバージョンを
入手するのも良いかも知れない。
----
では、次は今回ラストの25mmシステム
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レンズは、CONTAX Distagon T* 25mm/f2.8(AE)
(中古購入価格 45,000円)
カメラは、CANON EOS 6D (フルサイズ機)
1975年に発売された、CONTAX RTS(Y/C)マウント用
MF広角レンズ。
銀塩時代のレンズなので、勿論フルサイズ(35mm判)
対応である。本記事でフルサイズ対応なのは、本レンズ
のみという状況であるが、これについては、少し前述したが
銀塩時代での25mmレンズ、というのは数が少ないからだ。
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本レンズの入手価格が高価なのは、銀塩時代の1990年代に
買った、という理由もあるが(注:当時、中古カメラブーム
が起こっていた)、基本的に(京セラ)CONTAXレンズは
価格が高く、コスパが悪い。
コストが高くてもパフォーマンスが高かったり、唯一無二の
特徴があれば良いのだが、本レンズには特筆すべき長所は
あまり無い。
むしろ、弱点としては、周辺画質の低下、およびピント
歩留まりの悪さが存在している。
周辺画質の低下は、本レンズをフルサイズ機で撮ろうと
欲張らず、APS-C機やμ4/3機で使えば解消できると思うが、
広角画角が得られなくなってしまう事とトレードオフだ。
ピント歩留まりの悪さ、というのは、すなわち、光学
ファインダーで本レンズを使うと、ピントの山が非常に
わかりにくく、一見画面上のどこででもピントが合って
いるように錯覚してしまう事を所以とする。
そして、そうしたピントの掴み難さは、どうやら
いわゆる「ディスタゴン構成」(つまり、「逆望遠型」や
「レトロフォーカス型」とも呼ばれている構成・構造)
のレンズ全般で起こるようにも思えている。
ただ、個人的にそうした構成のレンズを多数所有して
いる訳ではなく、明らかにそうだと思われるレンズは
10本にも満たないので、詳細は明らかでは無い。
ともかく、本レンズや、「ディスタゴン構成」のレンズ
の一部には、ピントのピークが掴み難い弱点が存在して
いる事は確かである。
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使い難いレンズである他、描写力もスペシャルという
訳では無いので、コスパが悪く、あまり推奨できないレンズ
である。あえて特徴を言うならば(国産)CONTAXにおいて
あるいは銀塩時代の35mm判用レンズの中では希少とも
言える「25mm」の焦点距離である事だ。
これが、(35mm判の)「24mmレンズ」と差があるか
無いかは何とも言えない。25mmと24mmを付け替えて、
画角の差を見るような実験はやっていないし、それをやって
僅かな差が感じられたとしても、あまり意味が無いかも
知れないからだ。
まあ、つまり、本レンズは、一般的な28mm広角よりも、
少しだけ広い画角、という風に認識しておけば良いと思う。
なお、周辺収差の減少を狙って、APS-C型機で使うのも、
換算37mm程度と準広角域であり、常用(汎用)レンズ
として悪い選択では無いかも知れない。
----
さて、今回紹介の「25mmレンズ」の総括であるが、いずれも
マニアックなレンズであり、一般ユーザーに推奨できるものは
極めて少ない。で、注意事項だが、「25mmレンズだから」
という理由(例:μ4/3機で丁度50mmになる等)という理由で
買うべきものは1本も無く、あくまでそのレンズの持つ特徴が
自分にとって必要だから買う訳であって、それが「たまたま
25mmという焦点距離であった」という風に解釈した方が
良いであろう、まあつまり「25mmというスペックだけを
見て指名買いをするレンズは1つも無い、という事である。
----
では、今回の「25mmマニアックス編」は、このあたり迄で、
次回記事に続く。
という主旨とする。
ここでは「実焦点距離がジャスト25mm」のレンズを
7本紹介する。
なお、この「25mmレンズ」はフルサイズ対応のみならず、
APS-C以下機対応、トイレンズや特殊レンズを含んでいる。
また、いずれも過去記事で紹介済みのレンズである為、
個々のレンズについての説明は最小限としよう。
----
ではまず、今回最初の25mmレンズ。
Clik here to view.

(新品購入価格 12,000円)
カメラは、FUJIFILM X-T1 (APS-C機)
2018年に発売された、中国製のミラーレス機用MF広角
(準広角画角)単焦点レンズ(APS-C型以下対応)
「七工匠」は「しちこうしょう」と読まれている。
恐らくは銀塩MF時代の小口径標準レンズ(50mm/F1.8級)
をスケールダウンした設計であり、元となったレンズ
の設計は、銀塩時代、既に完成の域に達していた程に
高性能な為、本レンズも、そこそこ写りが良い。
こうした設計手法(過去の名レンズの設計の焼き直し)で
作られたレンズを本ブログでは「ジェネリック・レンズ」
と呼んでいる。
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変形ダブルガウス型等と呼ばれる5群6枚構成であり、
メーカー間で、僅かな仕様等の差はあれど、ほとんど
どれも横並びで、高性能・高描写力であった。
また、これらは完成度が高かった為、銀塩AF時代や
その後のデジタル時代に至るまで、AF化や、外観等を
若干変えながら、光学系を殆ど変更せずに、数十年間
もの間、継続的に生産されていたものも多い。
この為、各時代における中級層や初級マニア層等では
自身の贔屓するメーカー等の小口径標準レンズを手にし、
それらは、どれも写りが良い為・・
PENTAX党であれば「銀のタクマー(SMC-T55/1.8
1970年代頃)は良く写るぞ!」 とか、あるいは
シニアのNIKON党であれば「Ai50/1.8S(1980年代頃)
は、さすがNIKKORじゃ、良く写るのぉ!」
はたまた、CANON党初級層であれば「EF50/1.8Ⅱ
(1990年代~2010年代)は、とても安くて良く写る、
これは”神レンズ”だ!」
と、それぞれ他メーカーの同等製品の事などは知らずに
自身が崇拝するメーカーのレンズだけを褒め称える訳だ。
でも、メーカーや流通市場においては、より高価である
大口径標準(50mm/F1.4級)を買ってもらったほうが
儲かってありがたい。なので当然ながら「50mmはF1.4
の方がF1.8よりも良く写る、よって高価なのだ!」と、
そういう市場論理を消費者層に植え付けようとする訳だ。
(勿論、そんな事実は何処にも無い)
したがって、中級層やマニア層などでも、高価な方の
F1.4版を”高級品だ”と信じて購入する訳だから、
「F1.8版など、安物だから良く写るはずが無い」と、
一刀両断に切り捨ててしまう。
まあ、いくらマニア等とは言え、銀塩時代においては、
同じメーカーの同じ50mmのレンズを開放F値の違いで
(例えば、F1.2版、F1.4版、F1.8版等)同時に所有する
など、そんな贅沢は、有り得ない時代であった。
よって結局は「高価な大口径レンズの方が良いに決まって
いる」と、撮り比べもせず、単なる「思い込み」で物事を
語っていたに過ぎない。
(注:F1.8版の方が描写力が良い事がユーザーにわかって
しまうと市場倫理が崩壊してしまう為、メーカーによっては
わざとF1.8版の最短撮影距離を長くし、浅い被写界深度を
取れないようにと、性能を低めてしまう措置を行っていた)
まあ、過去何度も、この話は書いてきたので、このあたり
までにしておこう。幸い、現代においては銀塩時代の標準
レンズは中古相場も安価であり、F値違いで揃えてみる事も
さしたる贅沢では無い。それら複数を入手したら、自分の
目で、しっかりその差異を確かめてみれば良いだけだ。
「試せる事は、必ず自分自身で確かめる」
それを行う事が、マニア道における知的好奇心であろう。
何も試したりもせず、思い込みだけで語っているのは
好ましく無い状態だが、そういう事例が極めて多い。
・・さて、ということで、銀塩時代における傑作レンズ、
変形ダブルガウス型の小口径標準レンズの設計をベース
に、ミラーレス機(APS-C機以下)用にダウンサイジング
した、本レンズ七工匠25mm/f1.8は、まあ、すなわち
”血筋が良い”というレンズである。
ただまあ、ミラーレス機用に調整が施されている為、
(有効径は小さく、焦点距離は短く、フランジバックの
補正の為のレンズも1枚入っていると思われる)
これは、完全に銀塩時代の小口径標準と同じ性能では無い。
(加えて焦点距離が短くなった事、さらにはセンサーサイズ
が銀塩35mm判よりも小さい為、浅い被写界深度が取れない
原理であるが、本レンズの場合は、最短撮影距離が18cmと、
銀塩標準レンズ(普通:最短45cm)よりも大幅に短く
なっているので、近接撮影に持ち込めば、大きな背景ボケを
得る事は可能だ)
それに、もし、ただ単に銀塩時代の小口径標準が欲しい
ならば、本レンズよりも安価な中古相場で、それらを
買う事ができるので、マウントアダプターを介して
任意のミラーレス機で使えば、それで良い訳である。
だったら、本レンズ七工匠25mm/F1.8の目的は?
存在意義は? という疑問にも繋がってくるかも知れない。
で、そう言われてしまうと、実は、あまり本レンズの特徴
を活かせる適切な「用途開発」は難しいのではなかろうか
とも思うようになってしまった。
まあ、私の場合は、本レンズの購入目的は「研究用途」で
あった訳だ。2018年頃から市場での流通が活発となった
新鋭海外製(中国製等)のレンズの「品質や実力値を
確かめたかった」という理由が大きい。
何本か買ってみて性能や品質に大きな問題点が無いならば、
これらの新鋭海外製レンズは安価であるから、十分に
コスパが良いと見なせるからだ。
本レンズが、そうした目的におけるテスト製品であったと
言え、これが個人的評価においては、合格であったから
その後、十数本の海外製レンズを購入した次第である。
(他シリーズ「海外レンズ・マニアックス」を参照)
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決して「安かろう、悪かろう」という手抜きレンズでは
無い。外観の材質や仕上げも良く、国産の同価格帯の
AFレンズのプラスチッキーなレンズとは一線を画する。
注意点としては、あくまでMFレンズである為、EVF搭載
および各種MFアシスト(ピーキングや画面拡大系等)
性能が優れている母艦を使用する事が望ましい。
その点、FUJIFILMの機体は、ピーキング精度が他社より
低く、拡大操作系も優れていない為、精密ピント合わせは
若干苦しいところがある。ちなみに、その理由がある為、
FUJI機でMFレンズを使う場合、できるだけ焦点距離が
短く、被写界深度を深く取れる、すなわちMFでのピント
合わせの負担が少ないものを選ぶ事が望ましい訳だ。
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では、次の25mmレンズ。
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(フォクトレンダー ノクトン)(注:変母音省略)
(新品購入価格 84,000円)(以下、NOKTON25)
カメラは、PANASONIC DMC-G1 (μ4/3機)
2011年発売のμ4/3機専用超大口径MF標準画角レンズ。
μ4/3専用である為、換算50mmの標準レンズ相当の画角と
なるが、画角がそうなるというだけであり「一般的な標準
レンズとは用法がまるで異なる」と思っておくのが良い。
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誇る。一般的な50mm標準レンズの最短撮影距離は、
45cm程度であるし、50mm等倍マクロですら最短20cm
位であるので、本レンズにおける寄れる距離は半端無い。
しかし、ここで言う「寄れる」とは、「被写体を大きく
写せる」という意味では無い。
本レンズが「寄れる」事を活用しようと思うならば、
まず1つは、F0.95の超大口径を絡め、被写界深度を
極めて浅くする事を可能とする。
もう1つは、WD(ワーキンング・ディスタンス)の
短さを利点とした、アングル的な撮影自由度の高さだ。
(=被写体に対して、上下左右どの角度からでも撮れる
為、背景等の取り込みの自由度が格段に増す)
こちらの特徴が「寄れる」という本来の意味であろう。
他記事でも何度か述べているが、本レンズは使いこなし
が難しい。勿論、超大口径故にの浅い被写界深度による
MFの難しさという技法的な課題はあるのだが、それよりも、
まず、浅い被写界深度を、どのような作画表現に用いる
べきか? その「用途開発」がかなり難しいのだ。
さらに言えば、本レンズは、絞りを開けていくと、
急速に画質が低下する。これは超大口径を所以とする
球面収差等の増大だと思われるが、それにしても、
レンズの特性上、絞りを開けて使いたいのに、それと
相反して低画質化していく事が、大きな課題となる訳だ。
(注:球面収差は有効径(≒F値の逆数)の3乗に比例して
大きくなる、つまり(超)大口径レンズを開放で使うと、
通常の設計手法では抑えきれない程に収差が増大する)
いずれにしても、初級中級層には推奨できないレンズ
である。
なお、参考の為、フォクトレンダーNOKTON(ノクトン)
F0.95シリーズは、10.5mm,17.5mm,25mm,42.5mm
の4本が存在し、全てμ4/3機専用、他マウント版は無い。
(追記:2020年に、60mm/F0.95が久しぶりに
新発売された、こちらは悪く無いレンズだ→後日紹介)
それと、他にF0.95級の超大口径は、中一光学による
SPEEDMASTERシリーズが入手が容易ではあるが、
こちらも安価なものは、μ4/3版であり、センサー
サイズが大きいAPS-C機版や、フルサイズ対応版は、
多少高価になってしまう。また、他社製品でも非常に
高価なF0.95レンズがいくつか存在している。
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さて、次はトイレンズシステムだ。
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(新品購入価格 3,000円)
カメラは、SONY NEX-7(APS-C機)
2010年代のAPS-C機以下用MFトイレンズ。
HOLGAについて述べていくと長くなる。参考記事として
「特殊レンズ超マニアックス第3回HOLGA LENS編」を
適宜参照されたし。
本レンズは周辺減光が大きく、かつ、写りも低解像感で、
いわゆる「ユルい」あるいは「Lo-Fi」と呼ばれる写りと
となる。
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とても長くなる、興味があれば、「匠の写真用語辞典
第5回記事、項目”ローファイ”」等を適宜参照されたし。
(注:言葉の意味を理解できたとしても、概念を応用する
のは、とても難しいかも知れない)
さて、HOLGA LENS(単体販売のもの)には、マウントに
応じて、いくつかの焦点距離のものが存在する。
具体的には、10mm、25mm、60mmとなっている。
いずれもF8の固定絞りであり、60mmの最初期(2000年代)
のものを除き、周辺減光の効果を得る事ができる。
(注:BC=ブラックコーナー機構による)
いずれも描写力は似たりよったりのLo-Fi志向なので
複数を持つ必要性は無く、あくまで、使用マウントに
応じて選べば良いであろう。
「Lo-Fi描写を表現力の増強の為に使いたい」という
アート系ユーザー層向けのレンズであり、一般的な
Hi-Fi志向の初級中級層やマニア層向けのレンズでは無い。
また、購入するならば、本レンズの特性を理解した上で、
自身における用途を考える必要がある。
しかし、「Lo-Fi」の「用途開発」が、高難易度である事
は述べておく。これはまあ、「わざわざ画質を低めて撮る
必要性」を探す訳だから、難しいのは当然であろう。
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と信じて疑わない初級中級層においては・・
「常にそうとも限らない」という広い視点を理解する上で
Lo-Fi志向のレンズを使ってみる事は「教材」的な観点に
おいては、勧められるかも知れない。
まあ、なかなか本記事においては「誰にでも推奨できる
レンズ」というものが出てこないのだが。
元々、この記事は「マニアックス」という副題があり、
上級マニア層を対象としているので、念の為。
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では、次のシステム
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(新古品購入価格 14,000円)
カメラは、PANASONIC LUMIX DMC-GX7 (μ4/3機)
2015年頃に発売のμ4/3機専用のAF標準(画角)レンズ。
ここで、25mmレンズの存在意義であるが、
まず、デジタル時代での、4/3(フォーサーズ)機や、
μ4/3(マイクロフォーサーズ)機であれば、
センサーサイズによる換算焦点距離が2倍となる為、
フルサイズ換算50mmの、いわゆる「標準画角」となる
25mmは、スタンダードな焦点距離であり、各社から
多数の4/3およびμ4/3用の25mmレンズが発売されている。
また、APS-C機用においても、25mmレンズは、およそ
37mm前後の汎用的な準広角の画角となる為、これも
無い訳では無い。
ただ、銀塩35mm判用レンズについては、通常の広角
レンズの焦点距離は、28mmまたは24mmが一般的な為、
25mmの焦点距離のレンズは、とても少なかった状況だ。
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いたが、LUMIX DC-GF9(2017年)のキットレンズ
として、デザイン等がリニューアルされている。
その変更時に、旧来の初期型の在庫品が、新古品として
中古市場に安価に大量に放出されたものを購入した為、
本レンズは初期型である。
旧来、一眼レフやミラーレス機の「ダブルズーム」キット
と言うと、フルサイズ換算で28-70mm位の標準ズームと
同70-300mm位の望遠ズームをセットして販売される事が
多かったのだが、近年においては、高倍率ズーム+
大口径(小口径)単焦点標準レンズの組み合わせや
高倍率ズーム+標準マクロレンズ、といった組み合わせも
存在している。
まあ、エントリー層やビギナー層が、安直なズームレンズ
以外に単焦点レンズにも興味を持って貰うのは悪い傾向
では無いと思うし、実用的にも、高倍率ズームと、大口径
またはマクロ、という組み合わせは利便性が高いと思う。
なにせ、初級一眼レフ等のキットレンズが標準ズーム
になってしまった1990年代以降では(注:それ以前は
カメラのキットレンズは50mm単焦点である事が殆どだ)
ビギナー層が、その標準ズームで中遠距離の平面的被写体
を、絞り値を変えて撮ったりしていても、その場合では
被写界深度の変化は殆ど無いから・・
初「あれ?絞りを変えても、写りは何も変わらないよ」
と、いつまでも絞りの効能や被写界深度について、何も
理解が進まないまま・・ という状況を良く見かける。
先日も、数年間も写真を撮っている初級者において、
「遠距離を撮る場合は絞りを絞り、近距離の被写体では
絞りを開ける」という誤まった絞りの使い方をしている
状況を見かけた。勿論、「絞りは、そうやって使うのでは
無い」という事は説明したが、結局、キット標準ズームを
使っていて、平面的な被写体感覚しか持っていなければ、
絞りの効能というも、何年写真を撮っていても、まったく
理解できないのであろう・・
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無いし、多大な被写界深度変更効果が得られるものでも無い、
ただまあ、中古相場は、前述の旧製品の放出以降、ずっと
安値安定傾向であり、コスパは良いとは思う。
(ハイコスパ名玉編で、BEST31位にランクイン)
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では、5本目はマシンビジョン用レンズだ。
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(発売時定価22,000円)
カメラは、PENTAX Q (1/2.3型機)
2000年代(?)の、FA用低歪曲マクロ(近接専用)
初期メガピクセル対応、MF単焦点(25mm)手動絞り
マシンビジョンレンズ。
開放F値は撮影距離に関連した「露出倍数」に応じ、
F2.1~F2.5程度となる。
ここでマシンビジョン用レンズについて説明しだすと
とても長くなるので、ばっさりと割愛する。
興味があれば、例えば「特殊レンズ超マニアックス
第1回マシンビジョン編」等の記事を参照されたし。
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のレンズでは無いし、撮影システムを組むにも
こうした機材に係わる専門的な知識が必要とされるし、
そうやってシステムを組んだとしても、実際の撮影には
非常に高度な撮影技能が要求される。
おまけに本レンズは近接撮影専用であり、一般的な
中遠距離撮影は出来ない。
そうした条件は、上級層や上級マニア層でも厳しいものが
あると思われる。あくまでこうしたレンズは、この分野の
専門家向けとし、一般ユーザー層には非推奨としておく。
おまけに、マシンビジョン用レンズは、一般的には個人で
購入できるものでは無い(例えば、法人(企業)等の名義
で購入しなくてはならない)ので、ますます非推奨だ。
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さて、6本目のシステム
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(新品購入価格 約9,000円)(以下、Meike25/1.8)
カメラは、OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ Limited (μ4/3機)
2019年に発売された、APS-C型以下マウント用の
MF広角(準標準~標準画角相当)レンズ。
「mEiKE」と大文字小文字混じりのロゴデザインであるが、
以下は「Meike」と記載する。
冒頭の「七工匠25mm/F1.8」と同様の「ジェネリック・
レンズ」かも知れないが、こちらはレンズ枚数は公開
されているが、レンズ構成図等が見当たらず、詳細は不明だ。
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いる為、画質評価用のカットでは無い)最大の弱点としては、
MFにおけるピントリングが、無限遠を超えて「オーバー
インフ」の状態にまで廻ってしまう事である。
この弱点の為、MF時に遠距離被写体撮影の際、ピント
リングを最大に廻して、止まったところで撮影する、
という、ごく基本的なMF技法が使えない。
これは「致命的な問題」といっても良く、困った状況だ。
本レンズ購入以前、Meikeのレンズは数本購入していて
いずれも性能には満足していたので、続けて本レンズも
購入したのだが、ちょっとこれは「ハズレ」であった。
まあ、本レンズはMeikeのレンズの中では最も安価で
あり、様々なコストダウン上での要因が、こうした
「オーバーインフ」状態を招いてしまったのかも知れない。
なお、もしかすると、他マウント(例:FUJIFILM X)
製品では、オーバーインフになっていないかも知れないが、
μ4/3機用以外は所有していないので、詳細は不明だ。
いずれにしても、購入時にチェックできるのであれば、
必ずオーバーインフ状態を確認してみるのが賢明だ。
オーバーインフになっているならば、購入は推奨しない。
新鋭海外製(中国製等)のレンズの一部は、一眼レフや
ミラーレス機の交換レンズ市場に参入したばかりである、
なので、最初期の製品では、まだ仕様や性能が未成熟な
ものも存在するだろう。(例:KAMLAN FS50mm/F1.1は
描写性能に大きな課題を持ち、僅か3ヶ月で、後継製品に
改良されている、このように明確に新製品化しない迄も
生産ロットによって目立たない改良が行われている場合
もあると思う→レンズでは無いが、他分野の中国製品で
そのような実例を知っている)
まあ、そんな事もあるので、新製品に慌てて飛びつかず、
少し時間を置いて、適宜完成度が上がったバージョンを
入手するのも良いかも知れない。
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では、次は今回ラストの25mmシステム
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(中古購入価格 45,000円)
カメラは、CANON EOS 6D (フルサイズ機)
1975年に発売された、CONTAX RTS(Y/C)マウント用
MF広角レンズ。
銀塩時代のレンズなので、勿論フルサイズ(35mm判)
対応である。本記事でフルサイズ対応なのは、本レンズ
のみという状況であるが、これについては、少し前述したが
銀塩時代での25mmレンズ、というのは数が少ないからだ。
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買った、という理由もあるが(注:当時、中古カメラブーム
が起こっていた)、基本的に(京セラ)CONTAXレンズは
価格が高く、コスパが悪い。
コストが高くてもパフォーマンスが高かったり、唯一無二の
特徴があれば良いのだが、本レンズには特筆すべき長所は
あまり無い。
むしろ、弱点としては、周辺画質の低下、およびピント
歩留まりの悪さが存在している。
周辺画質の低下は、本レンズをフルサイズ機で撮ろうと
欲張らず、APS-C機やμ4/3機で使えば解消できると思うが、
広角画角が得られなくなってしまう事とトレードオフだ。
ピント歩留まりの悪さ、というのは、すなわち、光学
ファインダーで本レンズを使うと、ピントの山が非常に
わかりにくく、一見画面上のどこででもピントが合って
いるように錯覚してしまう事を所以とする。
そして、そうしたピントの掴み難さは、どうやら
いわゆる「ディスタゴン構成」(つまり、「逆望遠型」や
「レトロフォーカス型」とも呼ばれている構成・構造)
のレンズ全般で起こるようにも思えている。
ただ、個人的にそうした構成のレンズを多数所有して
いる訳ではなく、明らかにそうだと思われるレンズは
10本にも満たないので、詳細は明らかでは無い。
ともかく、本レンズや、「ディスタゴン構成」のレンズ
の一部には、ピントのピークが掴み難い弱点が存在して
いる事は確かである。
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訳では無いので、コスパが悪く、あまり推奨できないレンズ
である。あえて特徴を言うならば(国産)CONTAXにおいて
あるいは銀塩時代の35mm判用レンズの中では希少とも
言える「25mm」の焦点距離である事だ。
これが、(35mm判の)「24mmレンズ」と差があるか
無いかは何とも言えない。25mmと24mmを付け替えて、
画角の差を見るような実験はやっていないし、それをやって
僅かな差が感じられたとしても、あまり意味が無いかも
知れないからだ。
まあ、つまり、本レンズは、一般的な28mm広角よりも、
少しだけ広い画角、という風に認識しておけば良いと思う。
なお、周辺収差の減少を狙って、APS-C型機で使うのも、
換算37mm程度と準広角域であり、常用(汎用)レンズ
として悪い選択では無いかも知れない。
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さて、今回紹介の「25mmレンズ」の総括であるが、いずれも
マニアックなレンズであり、一般ユーザーに推奨できるものは
極めて少ない。で、注意事項だが、「25mmレンズだから」
という理由(例:μ4/3機で丁度50mmになる等)という理由で
買うべきものは1本も無く、あくまでそのレンズの持つ特徴が
自分にとって必要だから買う訳であって、それが「たまたま
25mmという焦点距離であった」という風に解釈した方が
良いであろう、まあつまり「25mmというスペックだけを
見て指名買いをするレンズは1つも無い、という事である。
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では、今回の「25mmマニアックス編」は、このあたり迄で、
次回記事に続く。