やや特殊な交換レンズをカテゴリー別に紹介するシリーズ
記事であるが、今回の記事では、特殊なレンズではなく、
オーソドックスなCANON製の一眼レフ用の新旧標準レンズを
6本紹介する。
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ここで言う「CANON一眼レフ用」とは、銀塩FD系マウント、
銀塩EF(EOS)マウント、デジタルEOS用EFマウントを差す。
なお、FD系マウントとEFマウントは相互互換性が無い。
銀塩とデジタルのEFマウントは、形状互換性があるが、
プロトコル(情報伝達の内容)が異なる。この時、
CANON純正レンズであれば銀塩・デジタル共通で利用できる
が、一部の他社製レンズではエラーとなり、使用できない
場合もある。(例:1990年代以前のSIGMA製EFマウント
レンズを、2000年以降のEOS一眼レフ機に装着時、等)
これより古い、FL系以前のマウントの標準レンズや、
ミラーレス機のEF-M/EF-Rマウントの標準レンズは
未所有につき紹介しない。
「標準レンズ」とは「実焦点距離が40~60mm程度の
範囲の単焦点(主にフルサイズ対応)レンズ」と
本ブログでは定義しているが、今回紹介の標準レンズは、
殆どが50mmの実焦点距離である。
いずれもフルサイズ対応のものをセレクトしている。
口径比(開放絞り値)だが、大口径版(F1.2~F1.4級)と、
小口径版(F1.8~F2.8級)を、適宜混ぜて紹介する。
かつてCANONには、一眼用F1.0版レンズも存在したが、
それは未所有につき紹介しない。
それと「標準マクロレンズ」も本記事では紹介しない。
今回紹介のCANON標準レンズの発売年代は1970~2010
年代の約40年間となる。
今回記事では古い物から年代順に歴史を追って紹介しよう。
実写におけるカメラはCANON一眼レフに拘らず、任意とする。
紹介本数が多いので掲載写真数は少な目とする、それぞれ
ミラーレス・マニアックス等の過去記事でも紹介済みだ。
それと、言うまでも無く「キャノン」ではなく「キヤノン」
が正解であるが、本記事ではカタカナ表記は行わない。
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では、まず最初のCANON標準レンズ
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レンズは、CANON FD50mm/f1.4
(中古購入価格 6,000円相当)(以下、FD50/1.4)
カメラは、FUJIFILM X-T1 (APS-C機)
ミラーレス・マニアックス第12回記事等で紹介の、
1971年発売と思われる大口径MF標準レンズ。
レンズ型番だが、レンズ本体等では「FD 50mm」の
ようにスペース(空白)がある表記(冒頭写真参照)だが、
近年のCANON Webでは「FD50mm」のように「空白なし」
の表記も見受けられ、どちらが正式か?わからない。
(注:FDに限らず、EFレンズ等も同様な状況)
まあ、恐らくはWebの方が間違いであろう。Web製作者や
その内容をチェックする人達が、皆、カメラ等に精通して
いる保証は無いので、正解が良くわからないままで、
そう(間違って)記載してしまった可能性は高い。
結局、レンズ本体側の記載の方が正当だとは思うのだが、
仮にメーカー側で、そう(空白なしに)統一したい、と
遅れ馳せながら考えているならば、どちらが正しいとも
言えない状況なので、本記事では「空白なし」表記も
使っていく事としよう。
また、開放F値の記載法もメーカー毎にバラバラである。
「仕様表記の標準化」が、写真レンズが市販されてから
100年もたっても、まるで出来ていない状況は異常だ。
そうした、市場やメーカー側の問題点に振り回されて、
ユーザー側に(正解はどこにあるのだ?とか調べる等)
「余計な負担」を生じさせる事には、賛同できない。
ましてや「ツァイスのレンズは絞り値を先に書くんだぜ」
といった風に、ユーザー側でも特定のメーカーを特別視
し、さらに混乱を助長するような様相には、もっと賛同
できない為、本ブログでは、開設当初から「50mm/f1.4」
といった暫定表記法で統一している。
これは勿論光学的に正しい表記法では無いが、問題点は、
いつまでも仕様表記や用語等が統一化・標準化できない
カメラ界や光学界の方であり、正解が何処にも無い状況に
おいては、ユーザー側で好き勝手な表記法を用いても、
それはもう、やむを得ない事だ。
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さて、本レンズFD50/1.4の話に入ろう。
CANON F-1(旧)(1971年、銀塩一眼レフ第1回記事)
のキット(付属)レンズとして発売された物であろう。
マウントは(旧)FDであり、スピゴット式と呼ばれる、
レンズ側の外部リングを捻って締め付ける方式だ。
そして、この時代(FD/NEW FD 1970~1980年代)の
CANON標準レンズは極めて機種数が多い。
*焦点距離(50mmまたは55mm)
*口径比(F1.2,F1.4,F1.8,(F2.0:後年))
*コーティング型式(S.C./S.S.C.銘はマルチコート仕様)
*非球面レンズの有無(ALは非球面搭載)
*L仕様か否か(L銘は、贅沢な設計の高級品仕様)
*マクロか否か(FDM銘はマクロ仕様)
・・の組み合わせの、多数のFD系標準レンズが存在する。
この傾向は、旧F-1の時代の1970年代を通して続き、
続くNEW F-1の時代、つまり1980年前後でのNEW FD
レンズの時代においても同様だ。
これらは、余りに数が多すぎて、収集したり比較研究を
する気には、あまりなれない。
最も代表的と思われる本FD50/1.4を所有していれば、
このFD時代のサンプルとしては十分だ、という個人的な
考え方だ。
なお、この時代以前のCANON製(交換式)標準レンズだが、
*レンジファインダー機時代(1930年代~1950年代)
*初期一眼レフ時代(EX,R,FL 1960年代~1970年代)
・・で、様々なものが発売されていたが、これらは仕様的な
未成熟もあって、もう現代においては実用価値が殆ど無い為、
デジタル時代に入った頃に処分してしまっている。
FLレンズは数本のみを残しているが、マウントアダプター
を用いても現代機には上手く装着出来ないケースもあり、
これはもう、やむなく死蔵だ。
今回紹介のFD50/1.4(1971年)あたりからが、ようやく
現代においても、かろうじて使用できる時代の製品となる。
ただし、FD系であっても、現代のデジタル一眼レフには
直接は装着できない。フランジバックが短すぎるからだ。
補正レンズ入りのアダプターを使用すれば、一眼レフで
使えるが、描写力が低下する事との引き換えとなる。
あるいは、補正レンズ無しのアダプターでは、近接撮影
専用となってしまう(無限遠撮影が出来ない)
しかし、各社ミラーレス機では、フランジバックが短い為、
FD用マウントアダプターが作れ、どのミラーレス・マウント
でも使用が可能となる。
FD系は開放測光型レンズである為に、殆どのアダプター
には、OPEN/CLOSE/LOCK等の(注:アダプター毎に記載は
異なる)絞り切り替えレバーが存在し、操作性が若干
落ちるが、常に実絞り(絞り込み)測光で用いれば、
この操作性は、あまり気になる程では無いであろう。
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さて、本FD50/1.4であるが、6群7枚のオーソドックスな
変形ダブルガウス型構成である。
この時代以降の銀塩時代を通じて、50mm/F1.4レンズは、
大半が、この構成であり、メーカー毎、あるいは時代毎の
基本的な写りの傾向には殆ど差異が無い。
この事実(殆ど全レンズが同じという事)を認識するまでに
非常に多数の標準レンズを購入してしまったのであるが(汗)
まあ、それは”勉強代”という事にしておこう。
思えば、例えば、あるメーカーの標準レンズが同時代の他社
製品より劣った性能であれば、そのメーカーのカメラまで
評判を落としてしまうでは無いか。その当時は、殆どの
一眼レフが標準レンズとのセットでの販売であったからだ。
よって、各社とも小改良を繰り返し、少し時間が経てば、
各社の標準レンズは、全て同等の高水準の性能に落ち着く。
この時代1970年代では、そうやって標準レンズ設計の
基礎が、もう固まってきつつあった時代なのだ。
ただし、時代によっては技術や性能の未成熟も若干はある。
本FD50/1.4はマルチ(多層)コーティング化以前の時代の
製品と思われる。この為、逆光耐性やコントラスト再現性、
カラーバランス等に弱点が出てくるので、この特徴を良く
理解した上で使用する必要がある。
また、「ボケ質破綻」が発生する頻度が高い為、これもまた
回避する必要がある。
本レンズの過去紹介記事(ミラーレス第12回)では、ボケ質
破綻の回避について、実例を含めて紹介しているし、本記事
においても本レンズの最初のトンボの写真のボケ質は汚い。
いずれにしても、約50年も前に発売されたオールドレンズ
であるが故に、使いこなしは高度な技法が要求される。
初級中級層向けとは言えないので、上級マニア向けレンズ
である。
なお、逆光耐性等については、やや後年(1973年)に発売の、
S.S.C.(スーパー・スペクトラ・コーティング)(多層)版
(FD50/1.4 S.S.C.)を使用すれば若干改善されるのだろうが、
それは未所有であるので詳細の言及は避ける。が、恐らくは
本FD50/1.4と基本的な描写傾向は大差無い事であろう。
ちなみに2017年頃、FD50/1.4 S.S.C.が、ハード全般の
中古を扱うチェーン店で、ジャンクコーナーに1500円
程の価格で置かれていた。
匠「おっ! SSC版か、買おうかな?」と思って手に取ると、
レンズ内に多数のゴミが入っていて程度が悪いので見送った。
数ヶ月後、同じ店舗を訪れると、そのレンズは業者修理が
施され、綺麗になっていたが、同時に価格も9000円だかに
跳ね上がっていたので(汗)やっぱり見送った。
匠「まあ、FD50/1.4と、きっと同じ写りだよね」
と、自分を納得させたのであった(笑)
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では次に、2本目のCANON標準レンズ
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レンズは、CANON (NEW) FD50mm/f1.8
(中古購入価格 2,000円)(以下、NFD50/1.8)
カメラは、SONY α6000(APS-C機)
ミラーレス・マニアックス第74回記事等で紹介の、
1979年発売と思われる、小口径MF標準レンズ。
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以降の時代に続く50mm/F1.8系(EF50mm/F1.8、Ⅱ、STM)
とはレンズ構成が異なり、シンプルな4群6枚構成である。
「大放出時代」(2010年前後に地方DPE店等が、銀塩の現像
ビジネスの縮退により多数廃業し、それらの店舗で抱えていた
中古銀塩カメラ・レンズが集められ、中古チェーン店等で
大量に販売された。標準又は単焦点レンズは程度によっては
非常に安価(1000~3000円程度)で購入できた時代だ。
ただしマニア層等が買い漁った為、ものの数年間で売りつく
されてしまい、現代では、もうこれらは残っていない)
・・に購入したレンズであり、相場は安価であった。
本レンズの時代から、旧来のスピゴット式のFDレンズは
順次、バヨネット式(=はめ込むだけ)のNEW FDレンズに
交替されている。
これは、レンズ着脱の手間を改良した事のみならず、
「マルチモードAE」への完全対応もあった事であろう。
(注:旧来のFD時代から、一部マルチモードAE対応が
行われていた。当該カメラが発売されたのは、1978年の
CANON A-1であった為、レンズの方が時代的に先行していた、
という先見的な仕様だ)
マウント形状は旧来のFD系のままであったので、
レンズ自身には、「NEW」の文字は書かれていない。
ただ、操作性が異なるので、取扱説明書にはNEW等と明記
されていたかも知れないが、当時の説明書はもう入手困難だ。
なお、中古市場やマニア間等では、勿論明確に区別されて
いて、「NEW FD」または「NFD」レンズと呼ばれている。
(注:CANONの正式名では無いので、NEW、New、ニュー、
等の表記が、市場では混在している)
このNEW FDレンズは、本レンズを含め、NEW F-1(1981年
銀塩一眼レフ・クラッシックス第9回記事)よりも僅かに早く
発売されているが、これはNEW FD化のターゲットとなった
機体は、旗艦機のNEW F-1ではなく、マルチモードAE
(絞り優先AE、シャッター優先AE、プログラムAE)を
CANONで初搭載したCANON A-1(1978年)であったからだ。
ただ、その割にはNEW FDの各焦点距離のレンズ群の
発売は、A-1以降、やや遅れていた。最初期のA-1では
マルチモードAEを、どうやって使っていたのであろうか?
まあ、一部のFDレンズであれば、マルチモードAEが使えた
という感じであったのだろう。
A-1は過去2台所有していたが、現在では未所有であるので
そのあたりの詳細は、もう確かめる術も無い。
本レンズNFD50/1.8であるが、最短撮影距離が60cmと
長い事が、第一の不満事項である。
銀塩時代の50mm標準レンズの最短撮影距離は45cm、と
各社横並びでスペックが決まっている。これはまあ各社同じ
レンズ構成であるし、他社よりも性能が劣っていたら商売に
影響があるから、当然の成り行きであろう。
ただ、各社において大口径版(F1.2~F1.4級)標準と、
小口径版標準は「仕様的差別化」が行われる場合もあり、
それは開放F値の差異の他に、最短撮影距離を長くする事も
この時代では、ごく普通に行われていた。
すなわち、最短が短ければ、近接撮影において多大な背景
ボケ量を得る事ができるし、明るい開放F値とあいまって、
なおさら両者には差が出る。その為、営業トーク等では、
営「ほら、こちらのF1.4版の方が良く背景がボケるでしょう?
だからF1.4版は値段が高いのですよ」
と、消費者層に(無理やり)納得させる事が出来る訳だ。
(参考:50mm標準レンズのF1.4版とF1.8版は、最大の
ケース/条件で、被写界深度の差異が2倍にも達する)
ただまあ、現代では、もはやこれは通用しない販売戦略だ。
ユーザー層の知識は、当時1980年頃よりも現代の方がレベル
アップしていると思われる。まあ現代でも依然、初級層等では
初「解放F値(注:開放の誤り)の小さいレンズの方が
良く写るレンズだ。だって、値段が高いのだから
当然でしょう?」
と思い込んでしまっているので、当時と大差無い状況か?
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さて、本NFD50/1.8であるが、最短撮影距離の長さへの
不満を緩和する為に、今回は母艦としてSONY α6000を使用
している。APS-C機なので、フルサイズ機に対して1.5倍の
画角が得られるし、いざとなれば、優秀なデジタルズーム
機能で、さらに仮想的に撮影倍率を高める事が可能だ。
(但し勿論、最短撮影距離を物理的に短縮する事は無理だ。
→それをしたい場合は、ヘリコイド付きアダプターまたは、
様々な近接撮影用アタッチメント(付属品)が必要となる)
本レンズも、やはりボケ質が破綻しやすいので、最低でも
絞り値の制御によるボケ質破綻回避の対策が必要だ。
また、本レンズの時代には既にマルチ(多層)コーティング
化は常識となっているので、レンズ名には、S.C.やS.S.C.の
表記は省略されている。
よって、逆光耐性は、旧来の単層コーティングのFD系レンズと
比較した場合、さほど悪くない。
なおS.S.C.表記は、NEW FDでは単に省略されただけである
ので、それ以前のFDの時代のレンズに「S.S.C.」の表記が
ついているから、と言って、NEW FDレンズよりも優れている
とか、仕様上での優位性がある、という訳では無い。
このあたりは、中級マニア層レベルでも勘違いしやすいので
要注意だ。
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さて、3本目のCANON標準レンズ
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レンズは、CANON (NEW) FD50mm/f1.2 L
(中古購入価格 55,000円)(以下、NFD50/1.2L)
カメラは、OLYMPUS OM-D E-M1(μ4/3機)
ミラーレス・マニアックス第3回記事等で紹介の、
1980年発売のNEW FD大口径MF標準、高級仕様(L)
レンズ。
なお、正確な、レンズ上での製品名表記は
「CANON LENS FD 50mm 1:1.2 L」となっている。
この為、他サイト等でよくある「FD L50mmF1.2」等の
記載は誤りである。高級仕様を示す「L」は、レンズ名の
最後に必ず書かれていて、赤色文字となっている。
(なお「CANON CAMERA MUSEUM」Webにおいても、
New FD50mm F1.2L(本来はNew銘無し、FDと50mm
の間と、F1.2とLの間にはスペース有り)と、あまり
正確性が無い。すなわち古い機材の正式名称は、どんな
公式資料を引用したとしても信用が置けない状況であるし、
何らかの資料引用があるから正確な情報だ、とも言えない。
→様々な学術分野のように「資料引用が無いと正確性が
保証されない」といったスタンスは、カメラ界では、
残念ながら通用しない。元の資料が正確では無いケースや、
メーカー側資料ですらも間違っている状況があるからだ)
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さて、嫌いなレンズの登場だ。
その理由は言うまでも無く、55,000円と異常な迄の
高値の購入価格である。
実際の性能と比較して、コスパが壊滅的に悪い。
購入は1990年代の第一次中古カメラブームの時代。
その頃の私は、まださほど多数の標準レンズを所有している
訳でもなく、「開放F1.2で、しかもL仕様だ、どんなに凄い
写りをするのだろう?」と、そうした期待だけで本レンズの
高値を受け入れて、購入してしまったのだ(汗)
勿論、こんな考え方は、単なる「思い込み」である。
銀塩時代から現代に至るまで、星の数ほどの初級中級層が、
高額レンズに同様な期待感を持って(持ちすぎて)、
こうしたレンズを買ってしまった事であろうか・・
さて、手にした本NFD50/1.2Lであるが、レンズキャップに
「1980 OLYMPIC WINTER GAMES・・」との表記がある。
すなわち、1980年レークプラシッド冬季オリンピックの
記念モデル、という意味であり、当時のオリンピックで
CANONがスポンサーとなったか?あるいは公式記録カメラ
として認定されたか?そういうった類の事情であろう。
(今となっては詳細不明)
なお、単に「OLYMPIC」だけの記載でありレークプラシッド
等の大会名は書かれていないので、単なる記念モデルで
あったのかも知れない。
匠「しまった、これはコレクター仕様であったか?」
と、瞬時に思った。こういう珍しいロゴやら記載が入って
いるカメラやレンズは、投機層が買い、好事家が欲しがる
為に、中古相場が高騰してしまうのだ。
当時1990年代の「第一次中古カメラブーム」は、その初期
では単に、当時のバブリーな仕様(=カタログスペックを
「盛る」)の銀塩AF一眼レフに、ユーザー層があまり興味を
持てず、マニア層がクラッシックなMF一眼レフやレンジ機、
新鋭高級コンパクト等に興味をシフトさせたのが、きっかけ
であったが・・
ブーム後期には、珍しいカメラやレンズの売買で、差額の
利益を期待する「投機層」が市場の主体となってしまい、
際限なく中古機材の価格が高騰する「カメラバブル」に
なっていたのだ(汗)
その様子は、マニアのユーザー層にとっては、面白く無い
状態であったので、「投機対象商品」(=好事家が欲しがる)
を避ける買い方をする事が、「バブル」に巻き込まれない
対策であった訳だ。(=「珍しいモノや高価なモノだけを
欲しがるのは、真のマニアでは無い」という事である)
で、実際にNFD50/1.2Lを使ってみる。
当時はNEW F-1やT90等の銀塩機が母艦であった。
まず、開放F1.2が使えない。母艦の1/2000~1/4000秒
程度の最高シャッター速度では低感度フィルムを用いても
日中では簡単にシャッター速度オーバーとなる。
ND(減光)フィルターを使用すれば良いが、今度は暗所で
手ブレを起こすため、着脱が煩雑となり、かつ当時では
NDの使用は、まだ一般的な撮影スタイルでは無かった。
(注:現代のデジタル機では、広いISO感度可変範囲が
あるので、大口径レンズではNDフィルターの使用は必須だ)
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描写力も大した事が無い(汗) 高画質を示す「L」仕様は、
単に本レンズがL無しの通常版に加えて1枚の非球面レンズを
採用した6群8枚構成の新規設計のレンズであったからだろう。
もし、そのレンズ構成が本当に優れているのであれば、その
設計は後年に引き継がれている筈だが、その様相は無い。
その新規開発経費の償却が、本レンズのみの1本に、全て、
のし掛かって来ているのだと思われる。(故に高価だ)
なお、開放F1.2仕様としたのは、銀塩MF時代に、差別化や
高付加価値化の為、従来の口径F1.4からさらに大口径化が
図られたのだが・・各社ともF1.2級標準が出揃ってしまうと、
やはり差別化の要因は無くなってしまった。
そして、どのメーカーのF1.2標準も、大口径化で無理をした
設計の為、F1.4版やF1.8級小口径版よりも、絞り開放での
描写力は劣ってしまっている(解像感が低く、甘い描写。
別シリーズ、最強50mm選手権MF F1.2級対戦記事参照)
また、本レンズの発売数年前にはCONTAXよりPlanar T*
50mm/F1.4が登場している。当時の他社標準レンズより
凝った設計であり、評判が良かった(注:「CONTAXだから」
というブランドイメージの思い込みも多かった事であろう)
CANONは、さらに、そのPlanar 50/1.4を超えるスペックを
目指したのかも知れない。(P50/1.4が、他社より1枚多い
レンズ構成としたものを、本NFD50/1.2Lは、さらに1枚
増やした6群8枚構成とした)
・・で、その当時、私は他にも何本かの「L仕様」のレンズ
を購入した。
中にはLの有り無しで同じスペックのレンズを2本買った
事もある。
1990年代迄の銀塩時代では、なかなか撮影条件を一定に
キープする事は難しかったので、L仕様は「まあまあ良く
写る」という評価で終わっていた。
後の2000年代のデジタル一眼時代では、FD系レンズは
使い難く、追加検証が難しかったのであるが・・
2010年代、ミラーレス時代になるとFD系レンズが再び使用
できるようになった。この頃から、また本FD50/1.2L等の
L仕様レンズの評価も再開したのであるが、やはり特別な
性能優位性はあまり感じられない。
そして、結局のところ、レンズの描写力も撮影技法に
よりけりであって、レンズの弱点を回避しながら撮れば、
たいてい、どんなレンズであっても普通にちゃんと写る事も、
ようやくわかってきた。
「L仕様やらF1.2が良く写るレンズ」というのは、初級中級
層等での単なる思い込みであろう。
本FD50/1.2Lは現代でも中古相場がとても高価であろうから、
コスパが悪すぎて、全く推奨できるレンズでは無い。
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では、4本目のCANON標準レンズ。ここからAF時代だ。
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レンズは、CANON EF50mm/f1.8 (初期型/Ⅰ型)
(中古購入価格 11,000円)(以下、EF50/1.8)
カメラは、CANON EOS D30(APS-C機)
ミラーレス・マニアックス補足編第5回、ハイコスパレンズ
第1回記事等で紹介の、1987年発売の小口径AF標準レンズ。
母艦は極めて古いEOS D30(2000年、デジタル一眼第23回)
を使用しているが、これは単に「気まぐれ」であり、特に
システム構成上での意味は無い。母艦の性能的未成熟で
描写力は、あまり高くできないが、「さほど酷くは無い」
という点もまた注目ポイントであろう(→博物館行きの
古いカメラでも写真は撮れる訳だ)
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さて、本レンズの出自は上記記事群に詳しいので、詳細は
割愛するが、CANONが当時、FDマウントを捨て、互換性の
無いEF(EOS)マウントに転換した直後の標準レンズである。
当時は、新規銀塩EOS機の交換レンズ群はズームレンズが
主力で、それまでの時代のように単焦点が主体では無い。
(厳密に言えば、ユーザーの興味をズームレンズに向け、
新規販売を促進する。さらに旧FD単焦点ユーザーに対して
マウント変更による不満を少しでも解消する狙いがある)
よって、当初は大口径版標準は存在せず、後年になって
F1.0L版(1989,USM)、F1.4版(1993,USM)が出て
きている。(まあ、F1.0版はバブル期の企画だ)
ただ、本レンズは、その後1990年にEF50mm/f1.8Ⅱに
リニューアルされ、徹底的なコスト削減(光学系は
そのままで、外装部品等の簡略化、および海外生産等)
により、極めて低価格(新品で、およそ1万円以下)の
レンズとなった。
これは新規マウントのCANON EOSの市場を磐石とする為の
戦略的な製品であり、その後の時代の「エントリーレンズ」
(注:交換レンズのお試し版であり、安価なそれを買った
ユーザーに、続けて高価格商品を買ってもらう為の呼び水
である。その為、どのエントリーレンズも、価格からは
考えられない程の高性能を与えられている、勿論、初期
購入者(ユーザー)層を、がっかりさせない為だ)
・・の、走り(最初)となったレンズである。
このⅡ型レンズは、「安いのに、とても良く写る」と、
初級中級層から「神格化」され、EOSの市場評価を不動の物
とする裏方となった。(つまり、メーカーの狙い通りだ)
結果、Ⅱ型は、実に25年間ものロングセラー商品となった
のだ。
しかし、後年、Ⅱ型は海外で模造品が出回ってしまい、
それもまた新型のSTM型に変更した要因かも知れないし、
(模造品に近い製品として、ヨンヌオYN50/1.8がある)
あるいは高騰した海外人件費による海外生産中止後の、
模造品生産等の、複雑な裏事情があるのかも知れない。
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で、本Ⅰ型(初期型)購入の理由だが、私は、そのⅡ型の
出自を良く知っていた故に、それを買う気が全く起こら
なかったのだ。
レンズ構成が同じで、あまり安っぽい印象を持たない
初期型を探し続けて15年以上の年月が経った(汗)
ようやく2010年代に入ってから適価な初期型を見つけて
購入した次第である。
まあ、Ⅱ型と同様、とても良く写るレンズである。
上記のNFD50/1.8の4群6枚構成から、本EF50/1.8では
5群6枚へとレンズ構成が変化、これは、ほぼ完成された
光学系の設計であり、他社の小口径(F1.7~F2.0級)
標準レンズも、銀塩時代には、ほぼ全てが同様の構成で、
かつ、どれも非常に良く写る。
(つまり、どのメーカーの小口径AF標準を買っても、殆ど
差異がないし、それらの描写力にも不満は無い事であろう)
本EF50/1.8に限っては、CANON EF大口径標準レンズは
本レンズよりも後に発売された為、「仕様的差別化」の
要素は無く、本EF50/1.8の最短撮影距離は45cmと、
一般的な、満足いく仕様だ。
全体的に何も不満は無い。本レンズあるいはⅡ型は
マニア層必携のレンズであろう。
Ⅱ型は中古市場で玉数が豊富にあり、7,000円前後の
相場と安価に購入が可能であるが、「ありふれたレンズ」
である事と引き換えである。
Ⅰ型は3年間のみの販売で玉数が少なく、セミレア品と
なっているので入手が難しいかも知れない。
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では、5本目のシステム
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レンズは、CANON EF50mm/f1.4 USM
(中古購入価格 25,000円)(以下、EF50/1.4)
カメラは、CANON EOS 6D(フルサイズ機)
ミラーレス・マニアックス第69回記事で紹介の、
1993年発売の大口径AF標準レンズ。USM(超音波モーター)
仕様である。(注:CANONのUSMには、大中小のサイズ、
つまり、リング、マイクロ、ナノの3種類がある模様。
本レンズは、中サイズのマイクロUSMを搭載し、AFのままで
MF移行できるシームレスMF(注:CANONでは「フルタイム
マニュアルフォーカス」と呼ぶ)が可能である)
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20年以上の長期に渡って使い続けているレンズである。
1990年代には銀塩EOS機の標準レンズとして、それ以降の
2000年代からのデジタル時代では、デジタルEOS機での
標準レンズとして多数の撮影をこなしている。
2000年代、本レンズは冬の極寒の撮影でピントリングの
動きが、かなり不調になってしまったのだが、幸い自然に
復活し、修理に出す事もなく、その後も使い続けている。
長期間使用した本レンズが、ハイコスパ系のレンズ記事で
全く登場しないのは、個人的には「コスパが悪いレンズ
である」と思っているからだ。
本レンズは1993年発売と、既に上記EF50/1.8Ⅱの25年間
の発売を超える超ロングセラーとなっていて、近年の定価も
55,000円(+税)と、あまり高価という訳でも無いのに
中古相場が下がらず、25,000円~30,000円の間でずっと
推移しているのだ。
同等のスペックおよび描写性能を持つ、他社の銀塩時代
からのAF50mm/F1.4級標準であれば、1万円台の中古相場
となる事が普通であるので、本レンズは高価すぎる。
「USM仕様だから・・」という理由はあるかも知れないが、
同じ部品を25年以上も使い続けていれば、開発費も部品代も
もう十分すぎる程こなれている事であろう、もう古い時代の
レンズ故に、大安売りしても悪くは無いのではなかろうか?
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まあでも、古いレンズと言っても、6群7枚変形ガウス型の
構成は、銀塩時代に、ほぼ完成の域に達した設計であり、
時代が過ぎて現代になっても、あまり性能的な古さを感じる
事は殆ど無い。
しかし、2010年代における新鋭の完全新設計の標準レンズ、
例えばSIGMA ART50mm/F1.4やTAMRON SP45mm/F1.8
やZEISS MILVUS 50mm/F1.4(いずれも他記事で紹介済み)
等と比較してしまうと、さすがに、この銀塩時代での完成
された光学系設計でも、若干の古さを感じる事は確かだ。
ただ、それら新鋭標準レンズは「高付加価値型商品」で
あるから、いずれも定価は、ほぼ10万円以上と高額である。
つまりコスパを考えれば、依然、銀塩AF時代の大口径標準
レンズの方に優位点が存在する。
さらに言えば、銀塩AF小口径標準は、さらに良く写り、
しかも安価だ、最もコスパが良い標準レンズはこれらになる。
で、そうした状況において本EF50/1.4はコスパが悪い訳だ。
まあ新鋭高付加価値標準レンズを持っていなかった数年前
までは、本EF50/1.4が主力とならざるを得なかったのだが、
現在では、私のEOS主力標準はSIGMA ART50/1.4となって
いる為、本EF50/1.4の出番は殆ど無い。
現在では、市場のタイミングが悪く、本EF50/1.4の購入は
あまり推奨できない。買うならば安価でコスパが極めて良い
前述のEF50/1.8(Ⅱ)または新鋭EF50/1.8STM(未所有)か
あるいは、予算があるならば、各社新鋭高付加価値型標準の
いずれかであろうが、高付加価値型レンズは、もうすこし
中古相場が下がるまで待つのも、良い選択かも知れない。
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さて、今回ラストのCANON標準レンズ
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レンズは、CANON EF40mm/f2.8 STM
(中古購入価格 12,000円)(以下、EF40/2.8)
カメラは、CANON EOS 7D MarkⅡ(APS-C機)
レンズマニアックス第10回記事で紹介の、
2012年発売の薄型(パンケーキ型)AF標準レンズ。
STM仕様は、ステッピング・モーターというレンズ内モーター
搭載を意味し、AF速度精度の向上と小型軽量・ローコスト化
を同時に図っている。(注:ただし、モーターの動作音が
かなり聞こえる、これはUSM仕様レンズよりも目立つ)
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フルサイズ対応である為、CANON APS-Cデジタル一眼レフ
でも使用可能だ。これが、EF-S仕様(APS-C機専用)の
レンズである場合、EOSフルサイズ機では装着不能となって
しまう為、両用(共用)が出来ない。
よって、APS-C機とフルサイズ機が並存するEOSデジタル
一眼レフ用の交換レンズでは、EF-S型の購入を避けて、
EFマウント用(フルサイズ対応)のレンズを購入するのが
鉄則である。(が、EF-Sのみの特殊仕様レンズ等では
例外はある)
さもないと、初級層等が最初にAPS-C型EOSを購入し、後に
フルサイズEOSに買い換えた場合、それまでのEF-S型レンズ
は使用できず、全て無駄になってしまう。
まあ、フルサイズ機とAPS-C機の両方を所有していれば、
問題は起こらないが、初級層ではそういう贅沢な使い方は
出来ない事であろう。
今回EOS 7D MarkⅡで使用時には、およそ64mm相当の
画角となり、やや長めの標準画角となるが、あまりその
あたりは気にせずとも、装着したシステム毎で、良く換算
画角を意識すれば済む話である。
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で、問題点は他にあって、本レンズがSTM仕様である事だ。
この場合、EOS機(一眼レフ)に装着するか、または
電子アダプターを介さない限り、STMレンズはMFでの
ピントリングが動作しない(→全く廻らない。STMは
電源を通電しない限り、手動では動作しないのであろう)
よって本レンズを他社のミラーレス機で用いて、デジタル
拡大機能やピーキングや、各種エフェクトをかけて遊ぶ
という訳にはいかず、汎用性(互換性)が無いのだ。
(注:EOS M/EOS Rのミラーレス機+純正電子アダプター
であれば、一応、装着&動作は可能だ)
EOS 7D/6D/7D MarkⅡ等の、ミドルクラス高級機では、
デジタル拡大機能も、ピーキングもエフェクトも無い為、
これらでは、他社ミラーレス機に対して、作画表現や
撮影技法上、物足りなく感じてしまう。
加えて、STMは電源投入前(時)のMF操作が効かない。
野鳥等の遠距離の被写体を見つけて、カメラの電源を入れ
ながらも、ピントリングを予め無限遠方向に廻し、合焦の
速度を短縮する。あるいは、近距離に昆虫等を見つけ、
ピントリングを最短撮影距離にまで手指の感触で廻し、
そのまま最短撮影距離付近まで近づきながら、カメラの
電源をONし、昆虫が逃げない間に、すぐさま撮影する・・
等の高度なMF技法が一切使えない。
(もっとも、EOS機の多くは電源スイッチの位置が悪く
片手での電源投入が難しい機種が多い事も課題である。
他社機の場合は、右手のみでカメラを保持しながらも
そのまま電源をONする事を可能とする機種も多い。
そういう機種であれば、左手事前MFはさらに効果的だ)
これらの問題点がある為、私は、STM仕様のレンズの
購入を、ずっと躊躇(ためら)っていた。
例えば、前述のEF50/1.8(Ⅱ)は描写力に優れたレンズで
あるが、後継機に2015年発売のEF50/1.8STMが存在する。
これは、最短撮影距離が、これまでの45cmから35cmまで
短縮されている為、魅力的なスペックであるし、描写力は
旧製品譲り、しかもエントリーレンズの一種であるから、
中古相場も1万円前後と極めて安価で、買い易く思えるの
だが・・
そのSTM仕様での問題点がある為、EF50/1.8STMは購入を
ずっと保留しつづけている。
本来は本記事で最新のCANON標準は、そのEF50/1.8STMの
紹介が望ましいのだが、残念ながらそれが出来ない。
では何故本EF40/2.8STMを所有しているのか?という話だ、
本EF40/2.8は、CANON史上初の「パンケーキ(薄型)」
レンズなのだ。
銀塩時代、1970年代~1980年代では、他社各社では
パンケーキレンズを色々と発売したが、レンズのAF化が
行なわれた1980年代後半以降では技術的問題により
パンケーキが無くなってしまった。
そこで、例の1990年代の「中古カメラブーム」では、
古い時代のパンケーキレンズが人気となり、投機的要素も
加わって、際限なく中古相場が上昇してしまったのだ。
ところがCANONにおいては、銀塩時代を通じてパンケーキ
型レンズは1本も存在しなかった。これはメーカーとしての
商品展開ポリシーがそうであったからだ、と思われるし、
技術的には、FD系レンズの複雑なAE機構を薄型レンズに
搭載できなかった事が理由かも知れない。
ようやく2012年になって、本EF40/2.8が、CANON初の
パンケーキとして発売された訳であり、「歴史的価値」が
非常に高い。
私としても、STM仕様での欠点と、歴史的価値を天秤に
かけて、本レンズの購入を選択した訳である。
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なお、とは言え、1万円強と安価な中古相場であるから、
気まぐれで買ってしまうのも勿論有りだろう。
EF50/1.8STMも買ってしまえば良いのだが、なんとなく
意地がある。
メーカーを超えた製品使用上での汎用性が存在する事は、
現代での家電業界やPC業界では、言わずもがなの常識だ。
なぜカメラ業界だけ、いつになってもマウントの統一も
できずに、各社好き勝手に製品を展開しているのか?
そこが極めて疑問であり、かつ賛同もできない不満事項
なのだ。
EF50/1.8STMを買ってしまったら、その「不条理」を
認めた事になってしまう。
(あるいは、近接撮影能力が高いレンズでありながら
STM仕様では、MFを併用する近接撮影が、やりにくい
のではなかろうか? という懸念事項がある)
たかが1万円のレンズではあるが、カメラ機材を購入する
上での、個人的な「ポリシーやコンセプト」は、値段に
係わらずに「曲げてはならない事だ」と思っているからだ。
皆が買い控えをすれば、メーカー側も、そのコンセプトが
間違っている事に気づき、続く製品では、そういった
「排他的仕様」を廃し、「自社優先」の思想から脱却して
くれるかも知れないからだ。
本EF40/2.8の購入は、ユーザー毎の「好き好き」であろう。
逆光耐性が低く、MF操作性も悪いが、現代レンズらしく、
そこそこちゃんと写るし、最短撮影距離も短い、そして、
やはり、なんと言っても「パンケーキ」は格好が良い。
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さて、今回の記事「CANON新旧標準レンズ」特集は、
このあたり迄で、次回記事に続く・・
記事であるが、今回の記事では、特殊なレンズではなく、
オーソドックスなCANON製の一眼レフ用の新旧標準レンズを
6本紹介する。
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銀塩EF(EOS)マウント、デジタルEOS用EFマウントを差す。
なお、FD系マウントとEFマウントは相互互換性が無い。
銀塩とデジタルのEFマウントは、形状互換性があるが、
プロトコル(情報伝達の内容)が異なる。この時、
CANON純正レンズであれば銀塩・デジタル共通で利用できる
が、一部の他社製レンズではエラーとなり、使用できない
場合もある。(例:1990年代以前のSIGMA製EFマウント
レンズを、2000年以降のEOS一眼レフ機に装着時、等)
これより古い、FL系以前のマウントの標準レンズや、
ミラーレス機のEF-M/EF-Rマウントの標準レンズは
未所有につき紹介しない。
「標準レンズ」とは「実焦点距離が40~60mm程度の
範囲の単焦点(主にフルサイズ対応)レンズ」と
本ブログでは定義しているが、今回紹介の標準レンズは、
殆どが50mmの実焦点距離である。
いずれもフルサイズ対応のものをセレクトしている。
口径比(開放絞り値)だが、大口径版(F1.2~F1.4級)と、
小口径版(F1.8~F2.8級)を、適宜混ぜて紹介する。
かつてCANONには、一眼用F1.0版レンズも存在したが、
それは未所有につき紹介しない。
それと「標準マクロレンズ」も本記事では紹介しない。
今回紹介のCANON標準レンズの発売年代は1970~2010
年代の約40年間となる。
今回記事では古い物から年代順に歴史を追って紹介しよう。
実写におけるカメラはCANON一眼レフに拘らず、任意とする。
紹介本数が多いので掲載写真数は少な目とする、それぞれ
ミラーレス・マニアックス等の過去記事でも紹介済みだ。
それと、言うまでも無く「キャノン」ではなく「キヤノン」
が正解であるが、本記事ではカタカナ表記は行わない。
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では、まず最初のCANON標準レンズ
Clik here to view.

(中古購入価格 6,000円相当)(以下、FD50/1.4)
カメラは、FUJIFILM X-T1 (APS-C機)
ミラーレス・マニアックス第12回記事等で紹介の、
1971年発売と思われる大口径MF標準レンズ。
レンズ型番だが、レンズ本体等では「FD 50mm」の
ようにスペース(空白)がある表記(冒頭写真参照)だが、
近年のCANON Webでは「FD50mm」のように「空白なし」
の表記も見受けられ、どちらが正式か?わからない。
(注:FDに限らず、EFレンズ等も同様な状況)
まあ、恐らくはWebの方が間違いであろう。Web製作者や
その内容をチェックする人達が、皆、カメラ等に精通して
いる保証は無いので、正解が良くわからないままで、
そう(間違って)記載してしまった可能性は高い。
結局、レンズ本体側の記載の方が正当だとは思うのだが、
仮にメーカー側で、そう(空白なしに)統一したい、と
遅れ馳せながら考えているならば、どちらが正しいとも
言えない状況なので、本記事では「空白なし」表記も
使っていく事としよう。
また、開放F値の記載法もメーカー毎にバラバラである。
「仕様表記の標準化」が、写真レンズが市販されてから
100年もたっても、まるで出来ていない状況は異常だ。
そうした、市場やメーカー側の問題点に振り回されて、
ユーザー側に(正解はどこにあるのだ?とか調べる等)
「余計な負担」を生じさせる事には、賛同できない。
ましてや「ツァイスのレンズは絞り値を先に書くんだぜ」
といった風に、ユーザー側でも特定のメーカーを特別視
し、さらに混乱を助長するような様相には、もっと賛同
できない為、本ブログでは、開設当初から「50mm/f1.4」
といった暫定表記法で統一している。
これは勿論光学的に正しい表記法では無いが、問題点は、
いつまでも仕様表記や用語等が統一化・標準化できない
カメラ界や光学界の方であり、正解が何処にも無い状況に
おいては、ユーザー側で好き勝手な表記法を用いても、
それはもう、やむを得ない事だ。
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CANON F-1(旧)(1971年、銀塩一眼レフ第1回記事)
のキット(付属)レンズとして発売された物であろう。
マウントは(旧)FDであり、スピゴット式と呼ばれる、
レンズ側の外部リングを捻って締め付ける方式だ。
そして、この時代(FD/NEW FD 1970~1980年代)の
CANON標準レンズは極めて機種数が多い。
*焦点距離(50mmまたは55mm)
*口径比(F1.2,F1.4,F1.8,(F2.0:後年))
*コーティング型式(S.C./S.S.C.銘はマルチコート仕様)
*非球面レンズの有無(ALは非球面搭載)
*L仕様か否か(L銘は、贅沢な設計の高級品仕様)
*マクロか否か(FDM銘はマクロ仕様)
・・の組み合わせの、多数のFD系標準レンズが存在する。
この傾向は、旧F-1の時代の1970年代を通して続き、
続くNEW F-1の時代、つまり1980年前後でのNEW FD
レンズの時代においても同様だ。
これらは、余りに数が多すぎて、収集したり比較研究を
する気には、あまりなれない。
最も代表的と思われる本FD50/1.4を所有していれば、
このFD時代のサンプルとしては十分だ、という個人的な
考え方だ。
なお、この時代以前のCANON製(交換式)標準レンズだが、
*レンジファインダー機時代(1930年代~1950年代)
*初期一眼レフ時代(EX,R,FL 1960年代~1970年代)
・・で、様々なものが発売されていたが、これらは仕様的な
未成熟もあって、もう現代においては実用価値が殆ど無い為、
デジタル時代に入った頃に処分してしまっている。
FLレンズは数本のみを残しているが、マウントアダプター
を用いても現代機には上手く装着出来ないケースもあり、
これはもう、やむなく死蔵だ。
今回紹介のFD50/1.4(1971年)あたりからが、ようやく
現代においても、かろうじて使用できる時代の製品となる。
ただし、FD系であっても、現代のデジタル一眼レフには
直接は装着できない。フランジバックが短すぎるからだ。
補正レンズ入りのアダプターを使用すれば、一眼レフで
使えるが、描写力が低下する事との引き換えとなる。
あるいは、補正レンズ無しのアダプターでは、近接撮影
専用となってしまう(無限遠撮影が出来ない)
しかし、各社ミラーレス機では、フランジバックが短い為、
FD用マウントアダプターが作れ、どのミラーレス・マウント
でも使用が可能となる。
FD系は開放測光型レンズである為に、殆どのアダプター
には、OPEN/CLOSE/LOCK等の(注:アダプター毎に記載は
異なる)絞り切り替えレバーが存在し、操作性が若干
落ちるが、常に実絞り(絞り込み)測光で用いれば、
この操作性は、あまり気になる程では無いであろう。
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変形ダブルガウス型構成である。
この時代以降の銀塩時代を通じて、50mm/F1.4レンズは、
大半が、この構成であり、メーカー毎、あるいは時代毎の
基本的な写りの傾向には殆ど差異が無い。
この事実(殆ど全レンズが同じという事)を認識するまでに
非常に多数の標準レンズを購入してしまったのであるが(汗)
まあ、それは”勉強代”という事にしておこう。
思えば、例えば、あるメーカーの標準レンズが同時代の他社
製品より劣った性能であれば、そのメーカーのカメラまで
評判を落としてしまうでは無いか。その当時は、殆どの
一眼レフが標準レンズとのセットでの販売であったからだ。
よって、各社とも小改良を繰り返し、少し時間が経てば、
各社の標準レンズは、全て同等の高水準の性能に落ち着く。
この時代1970年代では、そうやって標準レンズ設計の
基礎が、もう固まってきつつあった時代なのだ。
ただし、時代によっては技術や性能の未成熟も若干はある。
本FD50/1.4はマルチ(多層)コーティング化以前の時代の
製品と思われる。この為、逆光耐性やコントラスト再現性、
カラーバランス等に弱点が出てくるので、この特徴を良く
理解した上で使用する必要がある。
また、「ボケ質破綻」が発生する頻度が高い為、これもまた
回避する必要がある。
本レンズの過去紹介記事(ミラーレス第12回)では、ボケ質
破綻の回避について、実例を含めて紹介しているし、本記事
においても本レンズの最初のトンボの写真のボケ質は汚い。
いずれにしても、約50年も前に発売されたオールドレンズ
であるが故に、使いこなしは高度な技法が要求される。
初級中級層向けとは言えないので、上級マニア向けレンズ
である。
なお、逆光耐性等については、やや後年(1973年)に発売の、
S.S.C.(スーパー・スペクトラ・コーティング)(多層)版
(FD50/1.4 S.S.C.)を使用すれば若干改善されるのだろうが、
それは未所有であるので詳細の言及は避ける。が、恐らくは
本FD50/1.4と基本的な描写傾向は大差無い事であろう。
ちなみに2017年頃、FD50/1.4 S.S.C.が、ハード全般の
中古を扱うチェーン店で、ジャンクコーナーに1500円
程の価格で置かれていた。
匠「おっ! SSC版か、買おうかな?」と思って手に取ると、
レンズ内に多数のゴミが入っていて程度が悪いので見送った。
数ヶ月後、同じ店舗を訪れると、そのレンズは業者修理が
施され、綺麗になっていたが、同時に価格も9000円だかに
跳ね上がっていたので(汗)やっぱり見送った。
匠「まあ、FD50/1.4と、きっと同じ写りだよね」
と、自分を納得させたのであった(笑)
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では次に、2本目のCANON標準レンズ
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(中古購入価格 2,000円)(以下、NFD50/1.8)
カメラは、SONY α6000(APS-C機)
ミラーレス・マニアックス第74回記事等で紹介の、
1979年発売と思われる、小口径MF標準レンズ。
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とはレンズ構成が異なり、シンプルな4群6枚構成である。
「大放出時代」(2010年前後に地方DPE店等が、銀塩の現像
ビジネスの縮退により多数廃業し、それらの店舗で抱えていた
中古銀塩カメラ・レンズが集められ、中古チェーン店等で
大量に販売された。標準又は単焦点レンズは程度によっては
非常に安価(1000~3000円程度)で購入できた時代だ。
ただしマニア層等が買い漁った為、ものの数年間で売りつく
されてしまい、現代では、もうこれらは残っていない)
・・に購入したレンズであり、相場は安価であった。
本レンズの時代から、旧来のスピゴット式のFDレンズは
順次、バヨネット式(=はめ込むだけ)のNEW FDレンズに
交替されている。
これは、レンズ着脱の手間を改良した事のみならず、
「マルチモードAE」への完全対応もあった事であろう。
(注:旧来のFD時代から、一部マルチモードAE対応が
行われていた。当該カメラが発売されたのは、1978年の
CANON A-1であった為、レンズの方が時代的に先行していた、
という先見的な仕様だ)
マウント形状は旧来のFD系のままであったので、
レンズ自身には、「NEW」の文字は書かれていない。
ただ、操作性が異なるので、取扱説明書にはNEW等と明記
されていたかも知れないが、当時の説明書はもう入手困難だ。
なお、中古市場やマニア間等では、勿論明確に区別されて
いて、「NEW FD」または「NFD」レンズと呼ばれている。
(注:CANONの正式名では無いので、NEW、New、ニュー、
等の表記が、市場では混在している)
このNEW FDレンズは、本レンズを含め、NEW F-1(1981年
銀塩一眼レフ・クラッシックス第9回記事)よりも僅かに早く
発売されているが、これはNEW FD化のターゲットとなった
機体は、旗艦機のNEW F-1ではなく、マルチモードAE
(絞り優先AE、シャッター優先AE、プログラムAE)を
CANONで初搭載したCANON A-1(1978年)であったからだ。
ただ、その割にはNEW FDの各焦点距離のレンズ群の
発売は、A-1以降、やや遅れていた。最初期のA-1では
マルチモードAEを、どうやって使っていたのであろうか?
まあ、一部のFDレンズであれば、マルチモードAEが使えた
という感じであったのだろう。
A-1は過去2台所有していたが、現在では未所有であるので
そのあたりの詳細は、もう確かめる術も無い。
本レンズNFD50/1.8であるが、最短撮影距離が60cmと
長い事が、第一の不満事項である。
銀塩時代の50mm標準レンズの最短撮影距離は45cm、と
各社横並びでスペックが決まっている。これはまあ各社同じ
レンズ構成であるし、他社よりも性能が劣っていたら商売に
影響があるから、当然の成り行きであろう。
ただ、各社において大口径版(F1.2~F1.4級)標準と、
小口径版標準は「仕様的差別化」が行われる場合もあり、
それは開放F値の差異の他に、最短撮影距離を長くする事も
この時代では、ごく普通に行われていた。
すなわち、最短が短ければ、近接撮影において多大な背景
ボケ量を得る事ができるし、明るい開放F値とあいまって、
なおさら両者には差が出る。その為、営業トーク等では、
営「ほら、こちらのF1.4版の方が良く背景がボケるでしょう?
だからF1.4版は値段が高いのですよ」
と、消費者層に(無理やり)納得させる事が出来る訳だ。
(参考:50mm標準レンズのF1.4版とF1.8版は、最大の
ケース/条件で、被写界深度の差異が2倍にも達する)
ただまあ、現代では、もはやこれは通用しない販売戦略だ。
ユーザー層の知識は、当時1980年頃よりも現代の方がレベル
アップしていると思われる。まあ現代でも依然、初級層等では
初「解放F値(注:開放の誤り)の小さいレンズの方が
良く写るレンズだ。だって、値段が高いのだから
当然でしょう?」
と思い込んでしまっているので、当時と大差無い状況か?
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不満を緩和する為に、今回は母艦としてSONY α6000を使用
している。APS-C機なので、フルサイズ機に対して1.5倍の
画角が得られるし、いざとなれば、優秀なデジタルズーム
機能で、さらに仮想的に撮影倍率を高める事が可能だ。
(但し勿論、最短撮影距離を物理的に短縮する事は無理だ。
→それをしたい場合は、ヘリコイド付きアダプターまたは、
様々な近接撮影用アタッチメント(付属品)が必要となる)
本レンズも、やはりボケ質が破綻しやすいので、最低でも
絞り値の制御によるボケ質破綻回避の対策が必要だ。
また、本レンズの時代には既にマルチ(多層)コーティング
化は常識となっているので、レンズ名には、S.C.やS.S.C.の
表記は省略されている。
よって、逆光耐性は、旧来の単層コーティングのFD系レンズと
比較した場合、さほど悪くない。
なおS.S.C.表記は、NEW FDでは単に省略されただけである
ので、それ以前のFDの時代のレンズに「S.S.C.」の表記が
ついているから、と言って、NEW FDレンズよりも優れている
とか、仕様上での優位性がある、という訳では無い。
このあたりは、中級マニア層レベルでも勘違いしやすいので
要注意だ。
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さて、3本目のCANON標準レンズ
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(中古購入価格 55,000円)(以下、NFD50/1.2L)
カメラは、OLYMPUS OM-D E-M1(μ4/3機)
ミラーレス・マニアックス第3回記事等で紹介の、
1980年発売のNEW FD大口径MF標準、高級仕様(L)
レンズ。
なお、正確な、レンズ上での製品名表記は
「CANON LENS FD 50mm 1:1.2 L」となっている。
この為、他サイト等でよくある「FD L50mmF1.2」等の
記載は誤りである。高級仕様を示す「L」は、レンズ名の
最後に必ず書かれていて、赤色文字となっている。
(なお「CANON CAMERA MUSEUM」Webにおいても、
New FD50mm F1.2L(本来はNew銘無し、FDと50mm
の間と、F1.2とLの間にはスペース有り)と、あまり
正確性が無い。すなわち古い機材の正式名称は、どんな
公式資料を引用したとしても信用が置けない状況であるし、
何らかの資料引用があるから正確な情報だ、とも言えない。
→様々な学術分野のように「資料引用が無いと正確性が
保証されない」といったスタンスは、カメラ界では、
残念ながら通用しない。元の資料が正確では無いケースや、
メーカー側資料ですらも間違っている状況があるからだ)
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その理由は言うまでも無く、55,000円と異常な迄の
高値の購入価格である。
実際の性能と比較して、コスパが壊滅的に悪い。
購入は1990年代の第一次中古カメラブームの時代。
その頃の私は、まださほど多数の標準レンズを所有している
訳でもなく、「開放F1.2で、しかもL仕様だ、どんなに凄い
写りをするのだろう?」と、そうした期待だけで本レンズの
高値を受け入れて、購入してしまったのだ(汗)
勿論、こんな考え方は、単なる「思い込み」である。
銀塩時代から現代に至るまで、星の数ほどの初級中級層が、
高額レンズに同様な期待感を持って(持ちすぎて)、
こうしたレンズを買ってしまった事であろうか・・
さて、手にした本NFD50/1.2Lであるが、レンズキャップに
「1980 OLYMPIC WINTER GAMES・・」との表記がある。
すなわち、1980年レークプラシッド冬季オリンピックの
記念モデル、という意味であり、当時のオリンピックで
CANONがスポンサーとなったか?あるいは公式記録カメラ
として認定されたか?そういうった類の事情であろう。
(今となっては詳細不明)
なお、単に「OLYMPIC」だけの記載でありレークプラシッド
等の大会名は書かれていないので、単なる記念モデルで
あったのかも知れない。
匠「しまった、これはコレクター仕様であったか?」
と、瞬時に思った。こういう珍しいロゴやら記載が入って
いるカメラやレンズは、投機層が買い、好事家が欲しがる
為に、中古相場が高騰してしまうのだ。
当時1990年代の「第一次中古カメラブーム」は、その初期
では単に、当時のバブリーな仕様(=カタログスペックを
「盛る」)の銀塩AF一眼レフに、ユーザー層があまり興味を
持てず、マニア層がクラッシックなMF一眼レフやレンジ機、
新鋭高級コンパクト等に興味をシフトさせたのが、きっかけ
であったが・・
ブーム後期には、珍しいカメラやレンズの売買で、差額の
利益を期待する「投機層」が市場の主体となってしまい、
際限なく中古機材の価格が高騰する「カメラバブル」に
なっていたのだ(汗)
その様子は、マニアのユーザー層にとっては、面白く無い
状態であったので、「投機対象商品」(=好事家が欲しがる)
を避ける買い方をする事が、「バブル」に巻き込まれない
対策であった訳だ。(=「珍しいモノや高価なモノだけを
欲しがるのは、真のマニアでは無い」という事である)
で、実際にNFD50/1.2Lを使ってみる。
当時はNEW F-1やT90等の銀塩機が母艦であった。
まず、開放F1.2が使えない。母艦の1/2000~1/4000秒
程度の最高シャッター速度では低感度フィルムを用いても
日中では簡単にシャッター速度オーバーとなる。
ND(減光)フィルターを使用すれば良いが、今度は暗所で
手ブレを起こすため、着脱が煩雑となり、かつ当時では
NDの使用は、まだ一般的な撮影スタイルでは無かった。
(注:現代のデジタル機では、広いISO感度可変範囲が
あるので、大口径レンズではNDフィルターの使用は必須だ)
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単に本レンズがL無しの通常版に加えて1枚の非球面レンズを
採用した6群8枚構成の新規設計のレンズであったからだろう。
もし、そのレンズ構成が本当に優れているのであれば、その
設計は後年に引き継がれている筈だが、その様相は無い。
その新規開発経費の償却が、本レンズのみの1本に、全て、
のし掛かって来ているのだと思われる。(故に高価だ)
なお、開放F1.2仕様としたのは、銀塩MF時代に、差別化や
高付加価値化の為、従来の口径F1.4からさらに大口径化が
図られたのだが・・各社ともF1.2級標準が出揃ってしまうと、
やはり差別化の要因は無くなってしまった。
そして、どのメーカーのF1.2標準も、大口径化で無理をした
設計の為、F1.4版やF1.8級小口径版よりも、絞り開放での
描写力は劣ってしまっている(解像感が低く、甘い描写。
別シリーズ、最強50mm選手権MF F1.2級対戦記事参照)
また、本レンズの発売数年前にはCONTAXよりPlanar T*
50mm/F1.4が登場している。当時の他社標準レンズより
凝った設計であり、評判が良かった(注:「CONTAXだから」
というブランドイメージの思い込みも多かった事であろう)
CANONは、さらに、そのPlanar 50/1.4を超えるスペックを
目指したのかも知れない。(P50/1.4が、他社より1枚多い
レンズ構成としたものを、本NFD50/1.2Lは、さらに1枚
増やした6群8枚構成とした)
・・で、その当時、私は他にも何本かの「L仕様」のレンズ
を購入した。
中にはLの有り無しで同じスペックのレンズを2本買った
事もある。
1990年代迄の銀塩時代では、なかなか撮影条件を一定に
キープする事は難しかったので、L仕様は「まあまあ良く
写る」という評価で終わっていた。
後の2000年代のデジタル一眼時代では、FD系レンズは
使い難く、追加検証が難しかったのであるが・・
2010年代、ミラーレス時代になるとFD系レンズが再び使用
できるようになった。この頃から、また本FD50/1.2L等の
L仕様レンズの評価も再開したのであるが、やはり特別な
性能優位性はあまり感じられない。
そして、結局のところ、レンズの描写力も撮影技法に
よりけりであって、レンズの弱点を回避しながら撮れば、
たいてい、どんなレンズであっても普通にちゃんと写る事も、
ようやくわかってきた。
「L仕様やらF1.2が良く写るレンズ」というのは、初級中級
層等での単なる思い込みであろう。
本FD50/1.2Lは現代でも中古相場がとても高価であろうから、
コスパが悪すぎて、全く推奨できるレンズでは無い。
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では、4本目のCANON標準レンズ。ここからAF時代だ。
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(中古購入価格 11,000円)(以下、EF50/1.8)
カメラは、CANON EOS D30(APS-C機)
ミラーレス・マニアックス補足編第5回、ハイコスパレンズ
第1回記事等で紹介の、1987年発売の小口径AF標準レンズ。
母艦は極めて古いEOS D30(2000年、デジタル一眼第23回)
を使用しているが、これは単に「気まぐれ」であり、特に
システム構成上での意味は無い。母艦の性能的未成熟で
描写力は、あまり高くできないが、「さほど酷くは無い」
という点もまた注目ポイントであろう(→博物館行きの
古いカメラでも写真は撮れる訳だ)
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割愛するが、CANONが当時、FDマウントを捨て、互換性の
無いEF(EOS)マウントに転換した直後の標準レンズである。
当時は、新規銀塩EOS機の交換レンズ群はズームレンズが
主力で、それまでの時代のように単焦点が主体では無い。
(厳密に言えば、ユーザーの興味をズームレンズに向け、
新規販売を促進する。さらに旧FD単焦点ユーザーに対して
マウント変更による不満を少しでも解消する狙いがある)
よって、当初は大口径版標準は存在せず、後年になって
F1.0L版(1989,USM)、F1.4版(1993,USM)が出て
きている。(まあ、F1.0版はバブル期の企画だ)
ただ、本レンズは、その後1990年にEF50mm/f1.8Ⅱに
リニューアルされ、徹底的なコスト削減(光学系は
そのままで、外装部品等の簡略化、および海外生産等)
により、極めて低価格(新品で、およそ1万円以下)の
レンズとなった。
これは新規マウントのCANON EOSの市場を磐石とする為の
戦略的な製品であり、その後の時代の「エントリーレンズ」
(注:交換レンズのお試し版であり、安価なそれを買った
ユーザーに、続けて高価格商品を買ってもらう為の呼び水
である。その為、どのエントリーレンズも、価格からは
考えられない程の高性能を与えられている、勿論、初期
購入者(ユーザー)層を、がっかりさせない為だ)
・・の、走り(最初)となったレンズである。
このⅡ型レンズは、「安いのに、とても良く写る」と、
初級中級層から「神格化」され、EOSの市場評価を不動の物
とする裏方となった。(つまり、メーカーの狙い通りだ)
結果、Ⅱ型は、実に25年間ものロングセラー商品となった
のだ。
しかし、後年、Ⅱ型は海外で模造品が出回ってしまい、
それもまた新型のSTM型に変更した要因かも知れないし、
(模造品に近い製品として、ヨンヌオYN50/1.8がある)
あるいは高騰した海外人件費による海外生産中止後の、
模造品生産等の、複雑な裏事情があるのかも知れない。
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出自を良く知っていた故に、それを買う気が全く起こら
なかったのだ。
レンズ構成が同じで、あまり安っぽい印象を持たない
初期型を探し続けて15年以上の年月が経った(汗)
ようやく2010年代に入ってから適価な初期型を見つけて
購入した次第である。
まあ、Ⅱ型と同様、とても良く写るレンズである。
上記のNFD50/1.8の4群6枚構成から、本EF50/1.8では
5群6枚へとレンズ構成が変化、これは、ほぼ完成された
光学系の設計であり、他社の小口径(F1.7~F2.0級)
標準レンズも、銀塩時代には、ほぼ全てが同様の構成で、
かつ、どれも非常に良く写る。
(つまり、どのメーカーの小口径AF標準を買っても、殆ど
差異がないし、それらの描写力にも不満は無い事であろう)
本EF50/1.8に限っては、CANON EF大口径標準レンズは
本レンズよりも後に発売された為、「仕様的差別化」の
要素は無く、本EF50/1.8の最短撮影距離は45cmと、
一般的な、満足いく仕様だ。
全体的に何も不満は無い。本レンズあるいはⅡ型は
マニア層必携のレンズであろう。
Ⅱ型は中古市場で玉数が豊富にあり、7,000円前後の
相場と安価に購入が可能であるが、「ありふれたレンズ」
である事と引き換えである。
Ⅰ型は3年間のみの販売で玉数が少なく、セミレア品と
なっているので入手が難しいかも知れない。
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では、5本目のシステム
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(中古購入価格 25,000円)(以下、EF50/1.4)
カメラは、CANON EOS 6D(フルサイズ機)
ミラーレス・マニアックス第69回記事で紹介の、
1993年発売の大口径AF標準レンズ。USM(超音波モーター)
仕様である。(注:CANONのUSMには、大中小のサイズ、
つまり、リング、マイクロ、ナノの3種類がある模様。
本レンズは、中サイズのマイクロUSMを搭載し、AFのままで
MF移行できるシームレスMF(注:CANONでは「フルタイム
マニュアルフォーカス」と呼ぶ)が可能である)
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1990年代には銀塩EOS機の標準レンズとして、それ以降の
2000年代からのデジタル時代では、デジタルEOS機での
標準レンズとして多数の撮影をこなしている。
2000年代、本レンズは冬の極寒の撮影でピントリングの
動きが、かなり不調になってしまったのだが、幸い自然に
復活し、修理に出す事もなく、その後も使い続けている。
長期間使用した本レンズが、ハイコスパ系のレンズ記事で
全く登場しないのは、個人的には「コスパが悪いレンズ
である」と思っているからだ。
本レンズは1993年発売と、既に上記EF50/1.8Ⅱの25年間
の発売を超える超ロングセラーとなっていて、近年の定価も
55,000円(+税)と、あまり高価という訳でも無いのに
中古相場が下がらず、25,000円~30,000円の間でずっと
推移しているのだ。
同等のスペックおよび描写性能を持つ、他社の銀塩時代
からのAF50mm/F1.4級標準であれば、1万円台の中古相場
となる事が普通であるので、本レンズは高価すぎる。
「USM仕様だから・・」という理由はあるかも知れないが、
同じ部品を25年以上も使い続けていれば、開発費も部品代も
もう十分すぎる程こなれている事であろう、もう古い時代の
レンズ故に、大安売りしても悪くは無いのではなかろうか?
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構成は、銀塩時代に、ほぼ完成の域に達した設計であり、
時代が過ぎて現代になっても、あまり性能的な古さを感じる
事は殆ど無い。
しかし、2010年代における新鋭の完全新設計の標準レンズ、
例えばSIGMA ART50mm/F1.4やTAMRON SP45mm/F1.8
やZEISS MILVUS 50mm/F1.4(いずれも他記事で紹介済み)
等と比較してしまうと、さすがに、この銀塩時代での完成
された光学系設計でも、若干の古さを感じる事は確かだ。
ただ、それら新鋭標準レンズは「高付加価値型商品」で
あるから、いずれも定価は、ほぼ10万円以上と高額である。
つまりコスパを考えれば、依然、銀塩AF時代の大口径標準
レンズの方に優位点が存在する。
さらに言えば、銀塩AF小口径標準は、さらに良く写り、
しかも安価だ、最もコスパが良い標準レンズはこれらになる。
で、そうした状況において本EF50/1.4はコスパが悪い訳だ。
まあ新鋭高付加価値標準レンズを持っていなかった数年前
までは、本EF50/1.4が主力とならざるを得なかったのだが、
現在では、私のEOS主力標準はSIGMA ART50/1.4となって
いる為、本EF50/1.4の出番は殆ど無い。
現在では、市場のタイミングが悪く、本EF50/1.4の購入は
あまり推奨できない。買うならば安価でコスパが極めて良い
前述のEF50/1.8(Ⅱ)または新鋭EF50/1.8STM(未所有)か
あるいは、予算があるならば、各社新鋭高付加価値型標準の
いずれかであろうが、高付加価値型レンズは、もうすこし
中古相場が下がるまで待つのも、良い選択かも知れない。
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さて、今回ラストのCANON標準レンズ
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(中古購入価格 12,000円)(以下、EF40/2.8)
カメラは、CANON EOS 7D MarkⅡ(APS-C機)
レンズマニアックス第10回記事で紹介の、
2012年発売の薄型(パンケーキ型)AF標準レンズ。
STM仕様は、ステッピング・モーターというレンズ内モーター
搭載を意味し、AF速度精度の向上と小型軽量・ローコスト化
を同時に図っている。(注:ただし、モーターの動作音が
かなり聞こえる、これはUSM仕様レンズよりも目立つ)
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でも使用可能だ。これが、EF-S仕様(APS-C機専用)の
レンズである場合、EOSフルサイズ機では装着不能となって
しまう為、両用(共用)が出来ない。
よって、APS-C機とフルサイズ機が並存するEOSデジタル
一眼レフ用の交換レンズでは、EF-S型の購入を避けて、
EFマウント用(フルサイズ対応)のレンズを購入するのが
鉄則である。(が、EF-Sのみの特殊仕様レンズ等では
例外はある)
さもないと、初級層等が最初にAPS-C型EOSを購入し、後に
フルサイズEOSに買い換えた場合、それまでのEF-S型レンズ
は使用できず、全て無駄になってしまう。
まあ、フルサイズ機とAPS-C機の両方を所有していれば、
問題は起こらないが、初級層ではそういう贅沢な使い方は
出来ない事であろう。
今回EOS 7D MarkⅡで使用時には、およそ64mm相当の
画角となり、やや長めの標準画角となるが、あまりその
あたりは気にせずとも、装着したシステム毎で、良く換算
画角を意識すれば済む話である。
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この場合、EOS機(一眼レフ)に装着するか、または
電子アダプターを介さない限り、STMレンズはMFでの
ピントリングが動作しない(→全く廻らない。STMは
電源を通電しない限り、手動では動作しないのであろう)
よって本レンズを他社のミラーレス機で用いて、デジタル
拡大機能やピーキングや、各種エフェクトをかけて遊ぶ
という訳にはいかず、汎用性(互換性)が無いのだ。
(注:EOS M/EOS Rのミラーレス機+純正電子アダプター
であれば、一応、装着&動作は可能だ)
EOS 7D/6D/7D MarkⅡ等の、ミドルクラス高級機では、
デジタル拡大機能も、ピーキングもエフェクトも無い為、
これらでは、他社ミラーレス機に対して、作画表現や
撮影技法上、物足りなく感じてしまう。
加えて、STMは電源投入前(時)のMF操作が効かない。
野鳥等の遠距離の被写体を見つけて、カメラの電源を入れ
ながらも、ピントリングを予め無限遠方向に廻し、合焦の
速度を短縮する。あるいは、近距離に昆虫等を見つけ、
ピントリングを最短撮影距離にまで手指の感触で廻し、
そのまま最短撮影距離付近まで近づきながら、カメラの
電源をONし、昆虫が逃げない間に、すぐさま撮影する・・
等の高度なMF技法が一切使えない。
(もっとも、EOS機の多くは電源スイッチの位置が悪く
片手での電源投入が難しい機種が多い事も課題である。
他社機の場合は、右手のみでカメラを保持しながらも
そのまま電源をONする事を可能とする機種も多い。
そういう機種であれば、左手事前MFはさらに効果的だ)
これらの問題点がある為、私は、STM仕様のレンズの
購入を、ずっと躊躇(ためら)っていた。
例えば、前述のEF50/1.8(Ⅱ)は描写力に優れたレンズで
あるが、後継機に2015年発売のEF50/1.8STMが存在する。
これは、最短撮影距離が、これまでの45cmから35cmまで
短縮されている為、魅力的なスペックであるし、描写力は
旧製品譲り、しかもエントリーレンズの一種であるから、
中古相場も1万円前後と極めて安価で、買い易く思えるの
だが・・
そのSTM仕様での問題点がある為、EF50/1.8STMは購入を
ずっと保留しつづけている。
本来は本記事で最新のCANON標準は、そのEF50/1.8STMの
紹介が望ましいのだが、残念ながらそれが出来ない。
では何故本EF40/2.8STMを所有しているのか?という話だ、
本EF40/2.8は、CANON史上初の「パンケーキ(薄型)」
レンズなのだ。
銀塩時代、1970年代~1980年代では、他社各社では
パンケーキレンズを色々と発売したが、レンズのAF化が
行なわれた1980年代後半以降では技術的問題により
パンケーキが無くなってしまった。
そこで、例の1990年代の「中古カメラブーム」では、
古い時代のパンケーキレンズが人気となり、投機的要素も
加わって、際限なく中古相場が上昇してしまったのだ。
ところがCANONにおいては、銀塩時代を通じてパンケーキ
型レンズは1本も存在しなかった。これはメーカーとしての
商品展開ポリシーがそうであったからだ、と思われるし、
技術的には、FD系レンズの複雑なAE機構を薄型レンズに
搭載できなかった事が理由かも知れない。
ようやく2012年になって、本EF40/2.8が、CANON初の
パンケーキとして発売された訳であり、「歴史的価値」が
非常に高い。
私としても、STM仕様での欠点と、歴史的価値を天秤に
かけて、本レンズの購入を選択した訳である。
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気まぐれで買ってしまうのも勿論有りだろう。
EF50/1.8STMも買ってしまえば良いのだが、なんとなく
意地がある。
メーカーを超えた製品使用上での汎用性が存在する事は、
現代での家電業界やPC業界では、言わずもがなの常識だ。
なぜカメラ業界だけ、いつになってもマウントの統一も
できずに、各社好き勝手に製品を展開しているのか?
そこが極めて疑問であり、かつ賛同もできない不満事項
なのだ。
EF50/1.8STMを買ってしまったら、その「不条理」を
認めた事になってしまう。
(あるいは、近接撮影能力が高いレンズでありながら
STM仕様では、MFを併用する近接撮影が、やりにくい
のではなかろうか? という懸念事項がある)
たかが1万円のレンズではあるが、カメラ機材を購入する
上での、個人的な「ポリシーやコンセプト」は、値段に
係わらずに「曲げてはならない事だ」と思っているからだ。
皆が買い控えをすれば、メーカー側も、そのコンセプトが
間違っている事に気づき、続く製品では、そういった
「排他的仕様」を廃し、「自社優先」の思想から脱却して
くれるかも知れないからだ。
本EF40/2.8の購入は、ユーザー毎の「好き好き」であろう。
逆光耐性が低く、MF操作性も悪いが、現代レンズらしく、
そこそこちゃんと写るし、最短撮影距離も短い、そして、
やはり、なんと言っても「パンケーキ」は格好が良い。
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さて、今回の記事「CANON新旧標準レンズ」特集は、
このあたり迄で、次回記事に続く・・