2018年9月1日(日)、大阪府泉佐野市、関西国際空港
(KIX)にて行われた「第16回KIX国際交流ドラゴンボート大会」
の模様より、前編。
今回前編記事は「会場・チーム編」と称し、大会会場の
雰囲気やチーム紹介を中心とし、レースの模様は後編記事
に譲る事とする。
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まず最初に、昨年の本大会の2日後の2018年9月4日に、
近畿地方を「最強台風」と呼ばれた台風21号が直撃し
この会場である「関西空港」にも甚大な被害をもたらした。
だが、そこからの関空の復興は非常に速やかであり、
各方面からも感嘆の声があがっていた。
(注:被災当時、関空に限らず、関西圏等では様々な
被害が出ていたのだが、この時、東京方面のTV局等で
「関空の安全対策は大丈夫なのか?」といった、空気を
読まない不快なコメントを発していた事に憤慨したのか?
関空が、速やかかつ大規模な対応を進めると、そうした
傍観者的なコメントも影を潜めるようになった)
今年2019年、連絡橋、関空および本大会会場には被害の
爪痕も殆ど見られず、何も問題がなく大会が実施できて
いる。
ただ1点、本大会開始から15年間続いた「2期島」側での
会場だが、今年から場所を移して「1期島」側の会場と
なっている。その具体的な理由は不明であるが、どうやら
2期島側で高潮対策による防潮堤の工事が入っている模様だ。
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さて、会場位置が変わっても、関空は関空であり、あまり
大きな違和感は感じ難い。むしろ駅からは近くなり、徒歩で
会場に向かう事もできるようになったし(注:2期島が会場
の場合はシャトルバスを利用)さらには撮影上の利点もある。
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すなわち、旧来の会場だと多くの時間帯で逆光条件となり、
レースの模様の撮影が困難なのだ。
今回の会場は、概ね順光状態が得られ、おまけにコース
までの距離も従来よりもやや近い。
例年では、400mm級超望遠ズームをAPS-C機で用いた、
換算画角600mmでも、やや足りない状況であったが、
この会場では300mm+APS-C機の、およそ500mm
でも十分という感じで、来年もこちらの会場であれば、
撮影機材の軽量化が計れそうだ。
大会当日の天候は、曇り時々晴れ。
大会前日まで大気が不安定で、ずっと雨続きであったが、
当日はなんとか天候は持った。今年のドラゴン系大会
では毎回そんな感じであるので、強力な「晴れ男」か
「晴れ女」が存在するのであろうか? 居るならば
毎試合参戦する常連チームの選手か、一部のスタッフ
という事になるかも知れない。
最高気温は30℃程度で、曇り空では風が心地よいが
晴れ間となると、やや暑くなる。日焼けもするが、
今年の日焼けも本大会がピークであろうか?この後の
大会では、もう日射は弱くなっていく一方だろう。
(注:実際にはそうでもなく、大阪では10月初旬まで
真夏日(最高気温30℃以上)が続く状況であった・・)
この時期に(ドラゴン系以外の)人に会うと
「ずいぶんと焼けてますね~」と言われる事が多いが
まあ、毎週のように水辺でドラゴン系大会の観戦撮影を
していれば、それはそうなってしまう。
現代では「夏(休み)」と行っても、空調環境の整った
室内設備等で過ごす人が大半であり、昔よりも日焼け
して「夏休み、遊んできました」という様相になって
いる人は少ないが、まあ、そうであれば、逆に日焼けも
また、アウトドア派の個性の主張になるかも知れない。
さて、会場の風はやや強い。本大会で最も警戒すべきは
風である。私は本大会は全て観戦しているが、約12年前と
3年程前に、強風を原因に(複数の)沈没艇が出ている。
今回は強風による浸水沈没は無かったが、後編で説明
するが、外からの要因では無い、単独転覆アクシデントが
1件あった。(下写真は、転覆艇のクルーで、落水して
びしょ濡れになってしまた美人(外国人)選手)
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では、このあたりからチームの紹介をして行こう。
冒頭写真のチームは、「大阪魂 小麦色 もんさん」
「大阪魂 小麦色」は、大阪市役所および周辺自治体の
職員関連のチームであり、ここ5年程、本KIX大会および
堺泉北港(高石)大会に、複数チームをエントリーして
いる大勢力だ。
いずれもビギナーチームではあるが、都合十数大会程度
に出場している常連チーム群なので、そろそろ何処かの
大会で入賞等の「結果」が欲しい所だ。
本大会には「大阪魂 小麦色」軍団として、「もんさん」
「なべしまん」「おりはし」「はなてぃ色」各チームが
エントリー。いずれも20人漕ぎなので、総勢100名程度の
「大阪魂」軍団は、本大会の最大勢力となってる。
なお、個々のチーム名は、リーダーの名前にちなむ。
旧来は「あんどりゅー」という外国人選手をリーダーと
するチーム名もあったのだが・・
匠「あれ? ”あんどりゅー”君は、今日は?」
大「アンドリュー君は”なべしまん”に乗っています、
彼は東京に転勤になったのですよ。今日はこの大会
の為に、ゲストとして東京から来てくれています」
匠「そうですか、遠くからわざわざ、ご苦労様です」
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後ほど、アンドリュー君を見かけたので、彼が今回所属
する「なべしまん」のメンバーの一部を集めて撮った
のが上写真。このドラゴン艇の模型は、会場に備え付け
られていて、各チームの集合写真スポットとなっている。
なお、この後ろには、「写真プリントサービス」の
ブースがあり、ここで各チームがスマホ等で撮った
記念写真を、すぐに全員分プリントアウトでき、好評だ。
ちなみにアンドリュー君とは以前は英語と日本語交じり
で会話していたのだが、東京転勤のおかげか? とても
日本語が上達していて、今年は日本語のみの会話でも
十分であった、恐らく周囲に英語を使う人が少ないので
あろう。思えば、私も昔、海外勤務の経験があって、
そこでは周囲に日本語を話す人が誰も居なかった為、
毎日毎日英語を使っているうちに、そこそこ話せるように
なった訳だ。
他の例を挙げれば、外国人力士が相撲部屋に入門した際、
母国語が何語であっても、相撲部屋では日本語しか一切
使われないので、皆、数年で日本語がペラペラになる。
まあ、本当に外国語を習得しようとするならば、それくらい
厳しい状態・環境で外国語漬けの生活を送らないとならず、
日本に居ながら、たまに英会話教室等に通う程度では、
なかなか習得は難しいのかも知れない。
ちなみに、さらなる効率的な外国語習得法を挙げれば、
それは、外国人の恋人(彼氏、彼女)を作る事である。
そうすれば、必死に外国語を覚え、みるみるうちに
それを習得できる。これに勝る外国語習得法は無い。
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上写真、および冒頭から3枚目の乗艇チームの写真は、
混合の部に出場している「ISHINKAI」、昔から本大会には
良くエントリーしていただいている常連チームである。
病院関連の職員チームであると聞き、恐らくだが
「医真会」の方達だと思う。
なお、上写真は、昨年大会より会場に臨時設置されている
屋根付きの観覧席の下での撮影なので、被写体の人物が
暗くて、背景がとても明るい(逆光)状態だ。
こんな場合は「日中シンクロ」と呼ばれる技法を用いる。
すなわち、昼間であってもカメラ内蔵フラッシュを焚いて、
人物と背景の明暗差を緩和する措置だ。
この時、本格的な撮影であれば「外付けフラッシュ」を
用いれば「高速シンクロ」という機能が使え、背景の
明るさがどうであっても、速いシャッター速度で撮影が
可能だ。だが、わざわざ「外付けフラッシュ」を使わず
カメラの内蔵フラッシュで撮る場合、一眼レフ等では
「シンクロ速度」(X接点速度/フラッシュ同調シャッター
スピード等)と呼ばれる性能的な制限(限界)がある。
例えば今回使用の、初級一眼レフNIKON D5300では
(注:ドラゴン系大会撮影では、過酷な撮影環境故に、
撮影機材は消耗品であり、あまり高価なシステムを
用いる事は好ましく無い)・・シンクロ速度は、
僅かに1/200秒と低い。
これはつまり、D5300の最低感度ISO100で撮影して
いたとしても、このシャッター(シンクロ)速度では、
日中快晴時では最低限F11程度まで絞らないと、背景が
白飛びしてしまう。
通常、一眼レフは、必ず「絞り優先露出」で用いるが、
そこまで絞り込んでいるケースは少ない。具体的には
観覧席の中の弱暗所での人物撮影に備え、シャッター
速度低下を防ぐ為に、F5.6前後となっている状況だ。
ここで、「逆光だから日中シンクロ技法を使おう」
となって、内蔵フラッシュをポップアップさせると、
それだけでは背景がオーバー露出となる為、絞り値
の大きな変更、および、場合によりISO感度変更や
フラッシュ調光補正操作も行わなければならない。
選手達のスナップ撮影をするのに、そんなモタモタと
設定をしている暇は無い、撮影のテンポが悪い(遅い)
と、撮られる方もノリが減り、シラけた表情になって
しまう。よって、少なくとも数秒程度の内にカメラの
設定変更を完了して撮影しなくてはならないのだ。
そこで、こんな場合の裏技であるが、内蔵フラッシュ
をポップアップさせると同時に、カメラを「P」露出
モードに切り替える。後は、自動露出で適正値まで
絞り込まれ、かつTTL調光制御であるから、適正な
光量でフラッシュが焚かれる。この操作であれば
概ね2秒以内にカメラ設定が完了するから、選手達の
スナップを撮るのに適正なテンポとなる。
なお、「日中シンクロ」撮影が終了したら、忘れずに
通常の「A」(絞り優先)露出モードに戻すのだが、
NIKON機の場合、「P」(プログラム露出)で適当に
変更された絞り値は、「A」に戻した際、それまで
撮影者が設定していた絞り値(例:F5.6)に自動的に
復帰するので、何も問題無い。つまり撮影モードを
通常に戻す設定も1~2秒で完了するから、速やかに
次のシチュエーションの撮影準備に移行できる。
こうした撮影技法は、写真の教則本にも載っていないし
写真教室の講師や先輩方が教えてくれる訳でも無い。
1つのドラゴン系大会で、多い場合は1000枚にも及ぶ
スナップ撮影を百数十大会もこなしていて、膨大な
撮影数の中から、ようやく自力で身につけるテクニックだ。
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上写真は、相生(兵庫県)より参戦の「魚橋水神龍会」
である。聞いた事の無い名前だと思うが、実は、この
チームは、元「ヤンググリーン」である。
「ヤンググリーン」は、元々「相生ペーロン競漕」の
強豪チームであるが、4年程前から複数のドラゴン系
大会にも参戦しているので、もうお馴染みであろう。
昨年の本大会において、彼らはドラゴン系大会初の
3位入賞を遂げている。今年も当然入賞が目標であり、
できれば1つでも上の順位を目指したいところ。
魚「匠さん、今日は我々は何位に入れますかね?」
匠「あれ? ”魚橋水神龍会”って言っているけど、
”ヤンググリーン”さんじゃあないですか!」
魚「あはは、バレました・・? バレますよね。」
匠「そりゃあそうですよ、元々”魚橋病院”さんの
チームだしね。院長先生とかに何か言われましたか?」
魚「いや、そういう訳でも無いのですが、なんとなく
変えてみました。ただし、「相生ペーロン」では、
元の”ヤンググリーン”名で出場する予定です。
で、なんとなくですが、このチーム名、言い難いです、
なんか、1文字多いのですかね?」
匠「そうですね・・ では”魚橋水龍会”とかは?」
魚「それだと、坊勢(ぼうぜ)さんと同じになってしまう」
匠「いや、あちらは”坊勢酔(すい)龍会”ですよ」
魚「・・ところで、我々のオープンの部の順位ですが?」
匠「そうでした・・ その話を忘れてました(汗)
え~と、まず、ご存知”bp”さんが居ますね、
でも今年は1チームだけです。(昨年は2チーム)
それから海外勢では”Hong Kong National Team”、
それと”Bangladesh(バングラデシュ)”ですが、
こちらはどうやら、ビザが取れず欠場棄権となって
いる模様です。他は”陸(くが)ペーロン”かな?」
魚「”陸ペーロン”は、同郷ですが、今日は、中学生の
メンバーが中心のチームみたいですよ。
”香港”は、ナショナルチームと言ってますが、
まさか国際選抜チームなのですか?」
匠「わかりません。 まず予選でヤンググリーン、もとい
”魚橋水神龍会”(長いので、以下”魚橋”)さんと
当たるので、そこで様子を見たらいかでしょうか?」
魚「・・ですね、では、予選後に、もう一度作戦会議で」
「香港」は実は超強豪だったのだが、その強さの模様は
続く後編で紹介しよう。
ところで、上のような一般的な集合写真を撮る時の
テクニックであるが、まず被写界深度を稼ぐ為に
広角レンズ使用で、絞り値はF8以上に設定する。
前述のように撮影機材は安価なものが望ましい為、
低価格帯ズームレンズでは、広角端で「歪曲収差」が
目だってしまう。が、歪曲収差は絞っても消えないので、
カメラ側に「歪曲補正」機能があり、かつ純正レンズ
(または補正データ入りレンズ)であれば、それをON
とする。
ただしこの場合、連写性能等に大幅な性能低下が
起こる場合が大半であるが、後述の理由で、その問題は
無視できる。
カメラに歪曲補正機能が無い場合、歪曲収差は
画角に応じて減少するので、あまりズームの広角端を
用いない構図や撮影距離とするか、あるいは背景に
直線部を入れない(上写真では、そうした悪条件において
建物の直線部の歪曲が目立つが、歪曲の説明用の写真だ。
それと、タル型歪曲収差を減らそうとすると、特定の
焦点距離あたりで逆に糸巻き型歪曲収差が出るレンズも
(特に高倍率ズーム等で)あるので要注意だ。いずれに
しても、自身の所有するレンズの特性(長所短所)は
完全に把握しておく必要がある)
あるいは、歪曲収差は、あまり気にしないでも良いとも
思うが、どうしても気になる(目立つ)場合は、市販の
高機能レタッチソフトで、歪曲収差補正の編集を行う。
この作業は写真個々に行う必要があるので、編集コスト
(=時間や手間という意味)が、大幅に増大する事との
トレードオフだ。(趣味撮影ならばともかく、撮影後に
速やかに納品する必要のある業務撮影ではやっていられない)
次いで撮影時の話だが、「低速連写」を行うのが良い。
10人、あるいは20人もの集合写真では、必ず誰かが
目をつぶっていたり、横や下を向いていたりする(汗)
最も状態の良い写真を選ぶには、秒2~3コマ程度で
2秒間程度(4~6枚程度)の低速連写を行い、その中
から写真を選別する。この時、高性能カメラであると
秒8~10コマもの高速連写性能があるが、そこまで
沢山撮っても、どのカットも殆ど同じ状態であるので
写真選別時のコスト(労力)が増えるばかりである。
したがって、あくまで低速連写でなくてはならない。
低速連写とするには、カメラ側でそうできる機種は
多いと思うし、また、裏技ではあるが、前述した
「収差補正」の機能をONとすると、連写速度が低速化
してしまう機種があり、それはそれで、集合写真用途
には、むしろ助かる訳だ。
つまり、理想的には、安価なズームレンズで、歪曲収差
補正をONし、低速連写で撮る、というのがベストだ。
ただ、全ての条件が整うシステム(カメラ+レンズ)も、
そう多くは無いと思うし、自身の持つカメラやレンズの
性能・機能を隅々まで完全に理解していないと、こういう
措置は取れない。
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ここからは海外チームについて少し紹介しよう。
本KIX大会には、海外からのチームが良く参戦する。
(まあ、それ故に「国際交流」大会と銘打っている)
参戦するチームは、過去には航空関連の海外チーム
(例:キャセイ・パシフィック、KLM等)が多かったが
近年では、毎年、様々な(企業、学校、選抜等)の
チームが年替わりで来日するという感じだ。
年次によっては、20人漕ぎ決勝戦の大半が海外から
の強豪チームで占められる事もあるが、海外からの
参戦は色々と大変なので、毎年そうした状況が続く
訳でも無い。また、あまり速く無い中堅チームの場合も
あれば、メンバーが足りずに10人漕ぎの部に特例で
参戦するケースもある。(それ故に、先の”魚橋”
との会話で、今年の海外チームは強いか否か?という
話題が出てていた)
今年に関しては、前述の「バングラディシュ」は
ビザの関係で急遽欠場となったのだが、他には
3つの海外チームが来日し、エントリーしている。
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上写真は香港から参戦の「HKUST MBAAA Dragon 科大商碩龍」
こちらはスモール(10人漕ぎ)の部への参戦である。
昨年までの本大会では、20人漕ぎが、専業チームおよび
関空関係者以外のカテゴリーで、10人漕ぎは、関空関連
(例:空港の運営等に係わる部門)の専用という風に
分けられていたが、今年からそうした制限が緩和され
スモールの部には海外チームや他地区からの初参戦チーム
等、バラエティに富んだカテゴリーとなっている。
また、あまりスモールの部に居座るのも好ましく無いとの
ことであろうか? 過去のスモールの部での優勝チームが
20人漕ぎの部に昇格(?)しているケースも見られる。
「HKUST」チームの出自は不明、写真は沢山撮っては
いるが、今年については、あまり詳しくは海外チームの
出自等は聞いていない。前述のように、私は英語は
話せない訳では無いが、1つのチームから詳しく話を聞いて
いると、かなり時間がかかってしまう。本大会への参戦
チーム数は60程度と多く、あまり1つのチームばかりに
時間を割く訳にはいかない、すべてが常連専業チーム
ならば、それでも良いのだが、本KIX大会にしか参戦しない
チームが大半であるので、あちらこちらと取材が忙しい。
加えて、近年では毎年参戦する海外チームは殆ど無く、
せっかく苦労して聞いた海外チームの出自や事情等が、
翌年以降の大会で活かされる事が少なくなったからだ。
だから英語での会話は、世間話程度に留まっている。
「HKUST」の予選のレースは、国内チームに次ぐ2位で
敗者復活戦行きとなった。タイムは標準的であり、
あまり「強豪」という雰囲気は無い模様だ。
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上写真は、予選で「HKUST」を破って1位抜け(準決勝
進出)となった「鹿島(かじま)龍舟部」の
美人ドラマーさんである。
「鹿島(建設)」は、東京の企業(専業)チームである。
東京大会(未観戦)では、常連の強豪チームとなって
いて「企業カテゴリー」がある場合には上位に入賞する
ケースが多い模様だが、今年の東京大会では一般向けの
「スモールの部」で、それでも地元強豪「東京龍舟」の
サブチームに次ぐ準優勝となっている。
大阪の日本選手権へは「ageha」の名前で、ここ2年
ほど参戦している。今年に関しては、メンバー不足で
タイムダウン、惜しくも決勝進出を逃している。
今日のKIX大会に関しては、遠征メンバーは足りている
模様である。海外チームや国内強豪とともに決勝進出が
可能な雰囲気ではあるが、決勝枠数から考えて、今年の
スモールの決勝戦は関空関連職員チームの進出は極めて
難しい状況になるであろう。
このあたり、バランス感覚が難しく、スモールの部を
ビギナーチームに限定してしまうと競技性が低くなり
専業・海外チームの参戦を許すと、とたんに競技志向が
強まりすぎ、ビギナーチームが手も足も出なくなって
しまう。
![c0032138_20144127.jpg]()
上写真も、同じく香港からの参戦、今回エントリーの
海外チームは全て香港よりである。
チーム名は「Stanley Raptors Dragon Boat」
スモールの部への参戦である。
予選を1位抜けしているが、こちらも上記「HKUST」と
同等の1分03秒程度のタイム、いずれも超強豪と言う
よりも、中堅チームという雰囲気である。
![c0032138_20144230.jpg]()
近年での香港系チームの選手の持つカメラは、たいていが
CANONまたはSONY製というのが通例だ、その国により
人気や流行があるのかも知れないが、近年においては
国内でも上級層や職業写真家層では、同様な状況に
なりつつあり、NIKON機は逆にビギナー層に人気がある。
(・・と言うか、ビギナー層にしか売れていない)
上写真の女性選手のカメラは、SONYのミラーレス機に
CANONの一眼レフ用レンズを装着している。
当然、(電子)マウントアダプターを介さないと
装着できないのだが、AFも効き、レンズを複数ボディで
共用できるので、国内上級者層でも、この組み合わせは
とても良く見かける。この場合、電子アダプターは、
SIGMA製MC-11を使うのが定番だが、彼女のアダプター
は海外製の無名のものだ、でも、カメラをちょっと借りて
使ってみると、ちゃんとAF精度は出ている模様であった。
![c0032138_20144249.jpg]()
会場には、多数の「屋台」が出ている。
特に、カレー(ライス)は、海外選手達にも人気なのか
昼食時には、上写真のように長蛇の列が出来る。
まあ、並んでいるのは主に「Stanley」チームの選手で、
予選から1位抜けして準決勝進出なので、敗者復活の間の
時間を持て余している模様だ。
なお、予選1位抜けチームが準決勝進出する際、次の
レースまで最大4~5時間も間が開いてしまう事もあり、
国内チーム等では、その間、関西空港のターミナルまで
行って食事をしたり時間を潰すケースもあるようだ。
![c0032138_20144148.jpg]()
対して、スタッフは、あまり時間的な余裕が無い。
本大会は「昼食休憩」といった時間は特に設けず、
正午の前後であっても、ずっと敗者復活戦等が続いて
いる次第だ。まあ、参加チーム数も多いし、そうでも
しないと夕方までに全レースをこなせない。
スタッフは各々、開いている僅かな時間で食事を取る。
食べる場所もあまり無い為、上写真のように地べたに
座り込んで、急いで食事を取るケースも日常茶飯事だ。
![c0032138_20145777.jpg]()
上写真は、スタート地点の審判スタッフ。
海外チームも参戦する大会なので、国際ドラゴンボート
連盟の役員さんも海外から来ていただいたり、各艇に
指示をする為、英語に堪能な国内スタッフが詰めている。
それと、本大会では、レーススタート地点にドラゴン艇を
半固定する為のポンツーン(浮島)が設置されており、
そこにも数名のスタッフが詰めているのだが、ポンツーン
上は日差しを遮るものも無く、陸上との行き来はボートで
しか出来ないので、あまり頻繁な交替もできない。暑いし
食事や飲料も自由には取れないし、トイレにも行きづらい
という結構過酷な任務である。
![c0032138_20145752.jpg]()
さて、海外チームの3つ目は「Hong Kong National Team」
である、こちらは非常に強い。実際に国際選抜チームか
どうかはさだかでは無いが、かなりの強豪チームであり、
これだと同じオープン20人漕ぎでの国内最強の「bp」も
苦戦は免れない雰囲気だ。
なお、上写真は、ちょっとおどけてユニフォームの
短パンを皆でズラしてはいている状態だ。
あと、スモールの部に「キャセイパシフィック航空」が
参戦しているが、こちらは関空国内勤務のチームの
模様であり、海外からの参戦では無い。
なお、空港/航空関連チームでは、メンバー中の数名が
外国人というケースも多い、前述の落水した外国人
美女もそのケースである。
![c0032138_20145788.jpg]()
国内チームの紹介に戻って、上写真は、相生から
参戦の「陸(くが)ペーロン」である。
既に、今年の堺泉北港(高石)大会の記事で出自を
紹介しているので、重複する為、紹介は最小限としよう。
かつて(15年以上前)に、ドラゴン界を席巻した
強豪チームであるが、すっかり代替わりしていて、
今回は何と、中学生(13~15歳程度)の漕手が
およそ半数の9名程度乗っている、超若手チームだ。
他のオープン参戦チームでは「中学生に負けてたまるか」
とも言っている状況だが・・
さすがにペーロンの英才教育を受けているチームだけ
あって、その実力値は高い。すでに今年の高石大会でも
「池の里」や「しげる」という強豪チームを抑えて
優勝しているし、相生ペーロンでも、最上位カテゴリー
の「Ⅰ部」に昇格している。
今日も、予選を見ている感じでは、まずまずの速さで
あり、決勝戦には進んでくるだろうと思われる。
末恐ろしい中学生軍団とも言え、あと3年もしたらドラゴン
界に、再び旋風を巻き起こす存在になるであろう。
![c0032138_20145708.jpg]()
上写真は「Iwatani」(岩谷産業)の企業チームとその
関係者の大集合写真。チーム選手自体は、20人漕ぎの
オープンと混合のダブルエントリーなので、50名程では
あるが、本大会スポンサーチームでもあり、社員、家族
や記録(広報)等、ともかく関係者の数が多いのだ。
![c0032138_20151359.jpg]()
上記「Iwatani」と、同様の立場の企業チームが、
こちらの「竹中工務店」チーム、同じく20人漕ぎの
オープンと混合にダブルエントリー、しかも両者ほぼ
同等のタイムであり、本大会に関しては、両者のライバル
意識は、なかなか強い。
上手くして準決勝や決勝戦で両者が当たるならば、いずれも
大勢力故に応援合戦がなかなか見ものになりそうである。
![c0032138_20151356.jpg]()
上写真で、竹中工務店チームのメンバーといるユルキャラ
は「スフラ」ちゃんと言い「ワールドマスターズゲームズ
2021関西」の公式キャラである。
「マスターズ」については、ドラゴンの部もある、と
他記事でも良く紹介しているので、詳細は割愛する。
![c0032138_20152406.jpg]()
上写真が、本会場での「マスターズ」の広報ブースだ。
最低限の情報としては、2021年5月29~30日に、
琵琶湖競艇場で、ドラゴンボートの部が開催予定である。
こうした広報ブースは、他にもいくつかあって、
「泉南市」とか「大阪税関」等である。
![c0032138_20152471.jpg]()
中には「顔ハメ」とか工夫をこらし、ドラゴンの
選手達や観戦来場者への広報活動に余念が無い。
なお、本大会には前大会「びわこペーロン」に続き
海上自衛隊チーム「潜水艦うんりゅう」が参戦している、
今期かぎりの限定活動とは聞くが、各大会で活躍する
事で「広報」としての指命があるとのこと。
匠「”うんりゅう”さん、広報活動だったら、ちゃんと
ブースやテントを持ってきて、制服の担当者を置いて、
”自衛隊に入りましょう! さあ、体験入隊の
申し込みはこちら・・”って、やらなくちゃ!」
と、先週の「びわこペーロン」で彼らには伝えておいたが、
さすがに1週間で準備は無理だった模様、次のスモール
選手権では、はたしてそこまで出来るであろうか?
![c0032138_20152419.jpg]()
上写真は大会終了後の「ミニ交流会」で、乾杯している
「潜水艦 うんりゅう」と「関西龍舟」の選手達。
さて、まだまだチームや会場の雰囲気の紹介を続けたい
のだが、もう記事文字数も写真数もかなり多くなって
きていて、持論で決めている限界値を超えている。
やむなく、本記事は、このあたりまでとしておこう、
以降、後編記事では、レースの模様を紹介する。
(KIX)にて行われた「第16回KIX国際交流ドラゴンボート大会」
の模様より、前編。
今回前編記事は「会場・チーム編」と称し、大会会場の
雰囲気やチーム紹介を中心とし、レースの模様は後編記事
に譲る事とする。

近畿地方を「最強台風」と呼ばれた台風21号が直撃し
この会場である「関西空港」にも甚大な被害をもたらした。
だが、そこからの関空の復興は非常に速やかであり、
各方面からも感嘆の声があがっていた。
(注:被災当時、関空に限らず、関西圏等では様々な
被害が出ていたのだが、この時、東京方面のTV局等で
「関空の安全対策は大丈夫なのか?」といった、空気を
読まない不快なコメントを発していた事に憤慨したのか?
関空が、速やかかつ大規模な対応を進めると、そうした
傍観者的なコメントも影を潜めるようになった)
今年2019年、連絡橋、関空および本大会会場には被害の
爪痕も殆ど見られず、何も問題がなく大会が実施できて
いる。
ただ1点、本大会開始から15年間続いた「2期島」側での
会場だが、今年から場所を移して「1期島」側の会場と
なっている。その具体的な理由は不明であるが、どうやら
2期島側で高潮対策による防潮堤の工事が入っている模様だ。

大きな違和感は感じ難い。むしろ駅からは近くなり、徒歩で
会場に向かう事もできるようになったし(注:2期島が会場
の場合はシャトルバスを利用)さらには撮影上の利点もある。

レースの模様の撮影が困難なのだ。
今回の会場は、概ね順光状態が得られ、おまけにコース
までの距離も従来よりもやや近い。
例年では、400mm級超望遠ズームをAPS-C機で用いた、
換算画角600mmでも、やや足りない状況であったが、
この会場では300mm+APS-C機の、およそ500mm
でも十分という感じで、来年もこちらの会場であれば、
撮影機材の軽量化が計れそうだ。
大会当日の天候は、曇り時々晴れ。
大会前日まで大気が不安定で、ずっと雨続きであったが、
当日はなんとか天候は持った。今年のドラゴン系大会
では毎回そんな感じであるので、強力な「晴れ男」か
「晴れ女」が存在するのであろうか? 居るならば
毎試合参戦する常連チームの選手か、一部のスタッフ
という事になるかも知れない。
最高気温は30℃程度で、曇り空では風が心地よいが
晴れ間となると、やや暑くなる。日焼けもするが、
今年の日焼けも本大会がピークであろうか?この後の
大会では、もう日射は弱くなっていく一方だろう。
(注:実際にはそうでもなく、大阪では10月初旬まで
真夏日(最高気温30℃以上)が続く状況であった・・)
この時期に(ドラゴン系以外の)人に会うと
「ずいぶんと焼けてますね~」と言われる事が多いが
まあ、毎週のように水辺でドラゴン系大会の観戦撮影を
していれば、それはそうなってしまう。
現代では「夏(休み)」と行っても、空調環境の整った
室内設備等で過ごす人が大半であり、昔よりも日焼け
して「夏休み、遊んできました」という様相になって
いる人は少ないが、まあ、そうであれば、逆に日焼けも
また、アウトドア派の個性の主張になるかも知れない。
さて、会場の風はやや強い。本大会で最も警戒すべきは
風である。私は本大会は全て観戦しているが、約12年前と
3年程前に、強風を原因に(複数の)沈没艇が出ている。
今回は強風による浸水沈没は無かったが、後編で説明
するが、外からの要因では無い、単独転覆アクシデントが
1件あった。(下写真は、転覆艇のクルーで、落水して
びしょ濡れになってしまた美人(外国人)選手)

冒頭写真のチームは、「大阪魂 小麦色 もんさん」
「大阪魂 小麦色」は、大阪市役所および周辺自治体の
職員関連のチームであり、ここ5年程、本KIX大会および
堺泉北港(高石)大会に、複数チームをエントリーして
いる大勢力だ。
いずれもビギナーチームではあるが、都合十数大会程度
に出場している常連チーム群なので、そろそろ何処かの
大会で入賞等の「結果」が欲しい所だ。
本大会には「大阪魂 小麦色」軍団として、「もんさん」
「なべしまん」「おりはし」「はなてぃ色」各チームが
エントリー。いずれも20人漕ぎなので、総勢100名程度の
「大阪魂」軍団は、本大会の最大勢力となってる。
なお、個々のチーム名は、リーダーの名前にちなむ。
旧来は「あんどりゅー」という外国人選手をリーダーと
するチーム名もあったのだが・・
匠「あれ? ”あんどりゅー”君は、今日は?」
大「アンドリュー君は”なべしまん”に乗っています、
彼は東京に転勤になったのですよ。今日はこの大会
の為に、ゲストとして東京から来てくれています」
匠「そうですか、遠くからわざわざ、ご苦労様です」

する「なべしまん」のメンバーの一部を集めて撮った
のが上写真。このドラゴン艇の模型は、会場に備え付け
られていて、各チームの集合写真スポットとなっている。
なお、この後ろには、「写真プリントサービス」の
ブースがあり、ここで各チームがスマホ等で撮った
記念写真を、すぐに全員分プリントアウトでき、好評だ。
ちなみにアンドリュー君とは以前は英語と日本語交じり
で会話していたのだが、東京転勤のおかげか? とても
日本語が上達していて、今年は日本語のみの会話でも
十分であった、恐らく周囲に英語を使う人が少ないので
あろう。思えば、私も昔、海外勤務の経験があって、
そこでは周囲に日本語を話す人が誰も居なかった為、
毎日毎日英語を使っているうちに、そこそこ話せるように
なった訳だ。
他の例を挙げれば、外国人力士が相撲部屋に入門した際、
母国語が何語であっても、相撲部屋では日本語しか一切
使われないので、皆、数年で日本語がペラペラになる。
まあ、本当に外国語を習得しようとするならば、それくらい
厳しい状態・環境で外国語漬けの生活を送らないとならず、
日本に居ながら、たまに英会話教室等に通う程度では、
なかなか習得は難しいのかも知れない。
ちなみに、さらなる効率的な外国語習得法を挙げれば、
それは、外国人の恋人(彼氏、彼女)を作る事である。
そうすれば、必死に外国語を覚え、みるみるうちに
それを習得できる。これに勝る外国語習得法は無い。

混合の部に出場している「ISHINKAI」、昔から本大会には
良くエントリーしていただいている常連チームである。
病院関連の職員チームであると聞き、恐らくだが
「医真会」の方達だと思う。
なお、上写真は、昨年大会より会場に臨時設置されている
屋根付きの観覧席の下での撮影なので、被写体の人物が
暗くて、背景がとても明るい(逆光)状態だ。
こんな場合は「日中シンクロ」と呼ばれる技法を用いる。
すなわち、昼間であってもカメラ内蔵フラッシュを焚いて、
人物と背景の明暗差を緩和する措置だ。
この時、本格的な撮影であれば「外付けフラッシュ」を
用いれば「高速シンクロ」という機能が使え、背景の
明るさがどうであっても、速いシャッター速度で撮影が
可能だ。だが、わざわざ「外付けフラッシュ」を使わず
カメラの内蔵フラッシュで撮る場合、一眼レフ等では
「シンクロ速度」(X接点速度/フラッシュ同調シャッター
スピード等)と呼ばれる性能的な制限(限界)がある。
例えば今回使用の、初級一眼レフNIKON D5300では
(注:ドラゴン系大会撮影では、過酷な撮影環境故に、
撮影機材は消耗品であり、あまり高価なシステムを
用いる事は好ましく無い)・・シンクロ速度は、
僅かに1/200秒と低い。
これはつまり、D5300の最低感度ISO100で撮影して
いたとしても、このシャッター(シンクロ)速度では、
日中快晴時では最低限F11程度まで絞らないと、背景が
白飛びしてしまう。
通常、一眼レフは、必ず「絞り優先露出」で用いるが、
そこまで絞り込んでいるケースは少ない。具体的には
観覧席の中の弱暗所での人物撮影に備え、シャッター
速度低下を防ぐ為に、F5.6前後となっている状況だ。
ここで、「逆光だから日中シンクロ技法を使おう」
となって、内蔵フラッシュをポップアップさせると、
それだけでは背景がオーバー露出となる為、絞り値
の大きな変更、および、場合によりISO感度変更や
フラッシュ調光補正操作も行わなければならない。
選手達のスナップ撮影をするのに、そんなモタモタと
設定をしている暇は無い、撮影のテンポが悪い(遅い)
と、撮られる方もノリが減り、シラけた表情になって
しまう。よって、少なくとも数秒程度の内にカメラの
設定変更を完了して撮影しなくてはならないのだ。
そこで、こんな場合の裏技であるが、内蔵フラッシュ
をポップアップさせると同時に、カメラを「P」露出
モードに切り替える。後は、自動露出で適正値まで
絞り込まれ、かつTTL調光制御であるから、適正な
光量でフラッシュが焚かれる。この操作であれば
概ね2秒以内にカメラ設定が完了するから、選手達の
スナップを撮るのに適正なテンポとなる。
なお、「日中シンクロ」撮影が終了したら、忘れずに
通常の「A」(絞り優先)露出モードに戻すのだが、
NIKON機の場合、「P」(プログラム露出)で適当に
変更された絞り値は、「A」に戻した際、それまで
撮影者が設定していた絞り値(例:F5.6)に自動的に
復帰するので、何も問題無い。つまり撮影モードを
通常に戻す設定も1~2秒で完了するから、速やかに
次のシチュエーションの撮影準備に移行できる。
こうした撮影技法は、写真の教則本にも載っていないし
写真教室の講師や先輩方が教えてくれる訳でも無い。
1つのドラゴン系大会で、多い場合は1000枚にも及ぶ
スナップ撮影を百数十大会もこなしていて、膨大な
撮影数の中から、ようやく自力で身につけるテクニックだ。

である。聞いた事の無い名前だと思うが、実は、この
チームは、元「ヤンググリーン」である。
「ヤンググリーン」は、元々「相生ペーロン競漕」の
強豪チームであるが、4年程前から複数のドラゴン系
大会にも参戦しているので、もうお馴染みであろう。
昨年の本大会において、彼らはドラゴン系大会初の
3位入賞を遂げている。今年も当然入賞が目標であり、
できれば1つでも上の順位を目指したいところ。
魚「匠さん、今日は我々は何位に入れますかね?」
匠「あれ? ”魚橋水神龍会”って言っているけど、
”ヤンググリーン”さんじゃあないですか!」
魚「あはは、バレました・・? バレますよね。」
匠「そりゃあそうですよ、元々”魚橋病院”さんの
チームだしね。院長先生とかに何か言われましたか?」
魚「いや、そういう訳でも無いのですが、なんとなく
変えてみました。ただし、「相生ペーロン」では、
元の”ヤンググリーン”名で出場する予定です。
で、なんとなくですが、このチーム名、言い難いです、
なんか、1文字多いのですかね?」
匠「そうですね・・ では”魚橋水龍会”とかは?」
魚「それだと、坊勢(ぼうぜ)さんと同じになってしまう」
匠「いや、あちらは”坊勢酔(すい)龍会”ですよ」
魚「・・ところで、我々のオープンの部の順位ですが?」
匠「そうでした・・ その話を忘れてました(汗)
え~と、まず、ご存知”bp”さんが居ますね、
でも今年は1チームだけです。(昨年は2チーム)
それから海外勢では”Hong Kong National Team”、
それと”Bangladesh(バングラデシュ)”ですが、
こちらはどうやら、ビザが取れず欠場棄権となって
いる模様です。他は”陸(くが)ペーロン”かな?」
魚「”陸ペーロン”は、同郷ですが、今日は、中学生の
メンバーが中心のチームみたいですよ。
”香港”は、ナショナルチームと言ってますが、
まさか国際選抜チームなのですか?」
匠「わかりません。 まず予選でヤンググリーン、もとい
”魚橋水神龍会”(長いので、以下”魚橋”)さんと
当たるので、そこで様子を見たらいかでしょうか?」
魚「・・ですね、では、予選後に、もう一度作戦会議で」
「香港」は実は超強豪だったのだが、その強さの模様は
続く後編で紹介しよう。
ところで、上のような一般的な集合写真を撮る時の
テクニックであるが、まず被写界深度を稼ぐ為に
広角レンズ使用で、絞り値はF8以上に設定する。
前述のように撮影機材は安価なものが望ましい為、
低価格帯ズームレンズでは、広角端で「歪曲収差」が
目だってしまう。が、歪曲収差は絞っても消えないので、
カメラ側に「歪曲補正」機能があり、かつ純正レンズ
(または補正データ入りレンズ)であれば、それをON
とする。
ただしこの場合、連写性能等に大幅な性能低下が
起こる場合が大半であるが、後述の理由で、その問題は
無視できる。
カメラに歪曲補正機能が無い場合、歪曲収差は
画角に応じて減少するので、あまりズームの広角端を
用いない構図や撮影距離とするか、あるいは背景に
直線部を入れない(上写真では、そうした悪条件において
建物の直線部の歪曲が目立つが、歪曲の説明用の写真だ。
それと、タル型歪曲収差を減らそうとすると、特定の
焦点距離あたりで逆に糸巻き型歪曲収差が出るレンズも
(特に高倍率ズーム等で)あるので要注意だ。いずれに
しても、自身の所有するレンズの特性(長所短所)は
完全に把握しておく必要がある)
あるいは、歪曲収差は、あまり気にしないでも良いとも
思うが、どうしても気になる(目立つ)場合は、市販の
高機能レタッチソフトで、歪曲収差補正の編集を行う。
この作業は写真個々に行う必要があるので、編集コスト
(=時間や手間という意味)が、大幅に増大する事との
トレードオフだ。(趣味撮影ならばともかく、撮影後に
速やかに納品する必要のある業務撮影ではやっていられない)
次いで撮影時の話だが、「低速連写」を行うのが良い。
10人、あるいは20人もの集合写真では、必ず誰かが
目をつぶっていたり、横や下を向いていたりする(汗)
最も状態の良い写真を選ぶには、秒2~3コマ程度で
2秒間程度(4~6枚程度)の低速連写を行い、その中
から写真を選別する。この時、高性能カメラであると
秒8~10コマもの高速連写性能があるが、そこまで
沢山撮っても、どのカットも殆ど同じ状態であるので
写真選別時のコスト(労力)が増えるばかりである。
したがって、あくまで低速連写でなくてはならない。
低速連写とするには、カメラ側でそうできる機種は
多いと思うし、また、裏技ではあるが、前述した
「収差補正」の機能をONとすると、連写速度が低速化
してしまう機種があり、それはそれで、集合写真用途
には、むしろ助かる訳だ。
つまり、理想的には、安価なズームレンズで、歪曲収差
補正をONし、低速連写で撮る、というのがベストだ。
ただ、全ての条件が整うシステム(カメラ+レンズ)も、
そう多くは無いと思うし、自身の持つカメラやレンズの
性能・機能を隅々まで完全に理解していないと、こういう
措置は取れない。

本KIX大会には、海外からのチームが良く参戦する。
(まあ、それ故に「国際交流」大会と銘打っている)
参戦するチームは、過去には航空関連の海外チーム
(例:キャセイ・パシフィック、KLM等)が多かったが
近年では、毎年、様々な(企業、学校、選抜等)の
チームが年替わりで来日するという感じだ。
年次によっては、20人漕ぎ決勝戦の大半が海外から
の強豪チームで占められる事もあるが、海外からの
参戦は色々と大変なので、毎年そうした状況が続く
訳でも無い。また、あまり速く無い中堅チームの場合も
あれば、メンバーが足りずに10人漕ぎの部に特例で
参戦するケースもある。(それ故に、先の”魚橋”
との会話で、今年の海外チームは強いか否か?という
話題が出てていた)
今年に関しては、前述の「バングラディシュ」は
ビザの関係で急遽欠場となったのだが、他には
3つの海外チームが来日し、エントリーしている。

こちらはスモール(10人漕ぎ)の部への参戦である。
昨年までの本大会では、20人漕ぎが、専業チームおよび
関空関係者以外のカテゴリーで、10人漕ぎは、関空関連
(例:空港の運営等に係わる部門)の専用という風に
分けられていたが、今年からそうした制限が緩和され
スモールの部には海外チームや他地区からの初参戦チーム
等、バラエティに富んだカテゴリーとなっている。
また、あまりスモールの部に居座るのも好ましく無いとの
ことであろうか? 過去のスモールの部での優勝チームが
20人漕ぎの部に昇格(?)しているケースも見られる。
「HKUST」チームの出自は不明、写真は沢山撮っては
いるが、今年については、あまり詳しくは海外チームの
出自等は聞いていない。前述のように、私は英語は
話せない訳では無いが、1つのチームから詳しく話を聞いて
いると、かなり時間がかかってしまう。本大会への参戦
チーム数は60程度と多く、あまり1つのチームばかりに
時間を割く訳にはいかない、すべてが常連専業チーム
ならば、それでも良いのだが、本KIX大会にしか参戦しない
チームが大半であるので、あちらこちらと取材が忙しい。
加えて、近年では毎年参戦する海外チームは殆ど無く、
せっかく苦労して聞いた海外チームの出自や事情等が、
翌年以降の大会で活かされる事が少なくなったからだ。
だから英語での会話は、世間話程度に留まっている。
「HKUST」の予選のレースは、国内チームに次ぐ2位で
敗者復活戦行きとなった。タイムは標準的であり、
あまり「強豪」という雰囲気は無い模様だ。

進出)となった「鹿島(かじま)龍舟部」の
美人ドラマーさんである。
「鹿島(建設)」は、東京の企業(専業)チームである。
東京大会(未観戦)では、常連の強豪チームとなって
いて「企業カテゴリー」がある場合には上位に入賞する
ケースが多い模様だが、今年の東京大会では一般向けの
「スモールの部」で、それでも地元強豪「東京龍舟」の
サブチームに次ぐ準優勝となっている。
大阪の日本選手権へは「ageha」の名前で、ここ2年
ほど参戦している。今年に関しては、メンバー不足で
タイムダウン、惜しくも決勝進出を逃している。
今日のKIX大会に関しては、遠征メンバーは足りている
模様である。海外チームや国内強豪とともに決勝進出が
可能な雰囲気ではあるが、決勝枠数から考えて、今年の
スモールの決勝戦は関空関連職員チームの進出は極めて
難しい状況になるであろう。
このあたり、バランス感覚が難しく、スモールの部を
ビギナーチームに限定してしまうと競技性が低くなり
専業・海外チームの参戦を許すと、とたんに競技志向が
強まりすぎ、ビギナーチームが手も足も出なくなって
しまう。

海外チームは全て香港よりである。
チーム名は「Stanley Raptors Dragon Boat」
スモールの部への参戦である。
予選を1位抜けしているが、こちらも上記「HKUST」と
同等の1分03秒程度のタイム、いずれも超強豪と言う
よりも、中堅チームという雰囲気である。

CANONまたはSONY製というのが通例だ、その国により
人気や流行があるのかも知れないが、近年においては
国内でも上級層や職業写真家層では、同様な状況に
なりつつあり、NIKON機は逆にビギナー層に人気がある。
(・・と言うか、ビギナー層にしか売れていない)
上写真の女性選手のカメラは、SONYのミラーレス機に
CANONの一眼レフ用レンズを装着している。
当然、(電子)マウントアダプターを介さないと
装着できないのだが、AFも効き、レンズを複数ボディで
共用できるので、国内上級者層でも、この組み合わせは
とても良く見かける。この場合、電子アダプターは、
SIGMA製MC-11を使うのが定番だが、彼女のアダプター
は海外製の無名のものだ、でも、カメラをちょっと借りて
使ってみると、ちゃんとAF精度は出ている模様であった。

特に、カレー(ライス)は、海外選手達にも人気なのか
昼食時には、上写真のように長蛇の列が出来る。
まあ、並んでいるのは主に「Stanley」チームの選手で、
予選から1位抜けして準決勝進出なので、敗者復活の間の
時間を持て余している模様だ。
なお、予選1位抜けチームが準決勝進出する際、次の
レースまで最大4~5時間も間が開いてしまう事もあり、
国内チーム等では、その間、関西空港のターミナルまで
行って食事をしたり時間を潰すケースもあるようだ。

本大会は「昼食休憩」といった時間は特に設けず、
正午の前後であっても、ずっと敗者復活戦等が続いて
いる次第だ。まあ、参加チーム数も多いし、そうでも
しないと夕方までに全レースをこなせない。
スタッフは各々、開いている僅かな時間で食事を取る。
食べる場所もあまり無い為、上写真のように地べたに
座り込んで、急いで食事を取るケースも日常茶飯事だ。

海外チームも参戦する大会なので、国際ドラゴンボート
連盟の役員さんも海外から来ていただいたり、各艇に
指示をする為、英語に堪能な国内スタッフが詰めている。
それと、本大会では、レーススタート地点にドラゴン艇を
半固定する為のポンツーン(浮島)が設置されており、
そこにも数名のスタッフが詰めているのだが、ポンツーン
上は日差しを遮るものも無く、陸上との行き来はボートで
しか出来ないので、あまり頻繁な交替もできない。暑いし
食事や飲料も自由には取れないし、トイレにも行きづらい
という結構過酷な任務である。

である、こちらは非常に強い。実際に国際選抜チームか
どうかはさだかでは無いが、かなりの強豪チームであり、
これだと同じオープン20人漕ぎでの国内最強の「bp」も
苦戦は免れない雰囲気だ。
なお、上写真は、ちょっとおどけてユニフォームの
短パンを皆でズラしてはいている状態だ。
あと、スモールの部に「キャセイパシフィック航空」が
参戦しているが、こちらは関空国内勤務のチームの
模様であり、海外からの参戦では無い。
なお、空港/航空関連チームでは、メンバー中の数名が
外国人というケースも多い、前述の落水した外国人
美女もそのケースである。

参戦の「陸(くが)ペーロン」である。
既に、今年の堺泉北港(高石)大会の記事で出自を
紹介しているので、重複する為、紹介は最小限としよう。
かつて(15年以上前)に、ドラゴン界を席巻した
強豪チームであるが、すっかり代替わりしていて、
今回は何と、中学生(13~15歳程度)の漕手が
およそ半数の9名程度乗っている、超若手チームだ。
他のオープン参戦チームでは「中学生に負けてたまるか」
とも言っている状況だが・・
さすがにペーロンの英才教育を受けているチームだけ
あって、その実力値は高い。すでに今年の高石大会でも
「池の里」や「しげる」という強豪チームを抑えて
優勝しているし、相生ペーロンでも、最上位カテゴリー
の「Ⅰ部」に昇格している。
今日も、予選を見ている感じでは、まずまずの速さで
あり、決勝戦には進んでくるだろうと思われる。
末恐ろしい中学生軍団とも言え、あと3年もしたらドラゴン
界に、再び旋風を巻き起こす存在になるであろう。

関係者の大集合写真。チーム選手自体は、20人漕ぎの
オープンと混合のダブルエントリーなので、50名程では
あるが、本大会スポンサーチームでもあり、社員、家族
や記録(広報)等、ともかく関係者の数が多いのだ。

こちらの「竹中工務店」チーム、同じく20人漕ぎの
オープンと混合にダブルエントリー、しかも両者ほぼ
同等のタイムであり、本大会に関しては、両者のライバル
意識は、なかなか強い。
上手くして準決勝や決勝戦で両者が当たるならば、いずれも
大勢力故に応援合戦がなかなか見ものになりそうである。

は「スフラ」ちゃんと言い「ワールドマスターズゲームズ
2021関西」の公式キャラである。
「マスターズ」については、ドラゴンの部もある、と
他記事でも良く紹介しているので、詳細は割愛する。

最低限の情報としては、2021年5月29~30日に、
琵琶湖競艇場で、ドラゴンボートの部が開催予定である。
こうした広報ブースは、他にもいくつかあって、
「泉南市」とか「大阪税関」等である。

選手達や観戦来場者への広報活動に余念が無い。
なお、本大会には前大会「びわこペーロン」に続き
海上自衛隊チーム「潜水艦うんりゅう」が参戦している、
今期かぎりの限定活動とは聞くが、各大会で活躍する
事で「広報」としての指命があるとのこと。
匠「”うんりゅう”さん、広報活動だったら、ちゃんと
ブースやテントを持ってきて、制服の担当者を置いて、
”自衛隊に入りましょう! さあ、体験入隊の
申し込みはこちら・・”って、やらなくちゃ!」
と、先週の「びわこペーロン」で彼らには伝えておいたが、
さすがに1週間で準備は無理だった模様、次のスモール
選手権では、はたしてそこまで出来るであろうか?

「潜水艦 うんりゅう」と「関西龍舟」の選手達。
さて、まだまだチームや会場の雰囲気の紹介を続けたい
のだが、もう記事文字数も写真数もかなり多くなって
きていて、持論で決めている限界値を超えている。
やむなく、本記事は、このあたりまでとしておこう、
以降、後編記事では、レースの模様を紹介する。