2019年8月25日(日)に、滋賀県大津市サンシャインビーチ
にて行われた「第29回びわこペーロン」の模様より、前編。
今回の観戦記事群は、前中後編からなる3回連載であり、
前編の今回は、本大会に参戦しているチームの一部を
順次紹介して行こう。
(下写真は、「関西龍舟シンバ」(10人漕ぎ混合))
![c0032138_19493221.jpg]()
さて、参戦チームの紹介・・ と言いながらも、本大会に
エントリーしているチーム数は60を超え、とても全ての
チームを取材して写真を撮って紹介するのは無理だ。
今回は、あまり他の本ブログのドラゴン系記事では紹介の
機会が少ない、本大会の常連地元チームや新鋭チームに
絞って紹介をしていく事にしよう。
なお、本大会は4カテゴリー(20人漕ぎ、10人漕ぎ一般、
10人漕ぎ混合、女子)であるが、今回の紹介チームは参加
カテゴリー名は書くものの、順不同(バラバラ)である。
ではまず、最初のチーム
「Spirits Club」(女子の部)
![c0032138_19493291.jpg]()
匠「スピリッツさんは、いつもこの大会では、同じ場所に
テントを構えているので探し易いですよ(笑)
ところで、以前、本大会の連続長期出場で表彰されて
いますが、全大会(29回)に参戦しているのですか?」
ス「いえいえ・・ 確か第5回目くらいからなので、
今年で25年目くらいですかねぇ?」
匠「25年・・(汗)も続けるのはたいしたものですね。
で、去年は準優勝でしたっけ?」
ス「優勝したいのですけどね、琵琶ドラさんには勝てない」
匠「ふうむ・・ まあ”びわにゃん”は確かに(連覇中で)
強いです。それと今年は、他にも強い女子チームが
いくつか入ってきています、ともかく頑張って少しでも
上の順位を目指すしか無いでしょうね。」
ス「はい、がんばります」
![c0032138_19493268.jpg]()
女子の部の結果は、続く中編記事で紹介しよう。
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さて、次のチームは、対照的に本大会初出場だ。
「潜水艦 うんりゅう」(10人漕ぎ一般の部)
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匠「こちらは”潜水艦うんりゅう”さん? 写真や取材は
大丈夫ですか? 海上自衛隊さんですよね?」
潜「写真、大丈夫ですよ。そうです、自衛隊です、
広島の呉(港)から来ました、”うんりゅう”は
所属している潜水艦の名前です。」
匠「あれ? 潜水艦の名前と言えば、”なだしお”とか
”おやしお”とか、”しお”がつくのでは?
”そうりゅう”とか”うんりゅう”では、第二次大戦
時の空母の名前ですよね?」
潜「お~、よくご存知で。 ”しお”がつくのはだいたい
10年位前までの型でして、そちらは後ろの舵が十字型
になってしますが、”りゅう”は、X字型なのです。」
ん? X字型・・? そこが新型での改良点なのか?
・・ははあ、なるほど、わかったぞ。まず十字型の場合は
縦の舵を切れば左右に進路を変更でき、横の舵は深度を
調整できる。それがX字型では、4枚の舵を個々に複雑に
動作させれば、回転とかも含めた自在な三次元的な動きが
海中で出来るから、機動性があがるのだな・・・
まあ最近の飛行機(戦闘機)の翼の仕組みと同じような
ものだ、海中も空中と同じ、三次元の空間だからな。
でも、その仕組みでは、手動制御は無理だろうな・・
例えば、強豪ドラゴンボート(ペーロン)チームのベテラン
舵手だって、4本の舵を持って、それを個別に動かして
ボートの向きを自在にターンさせるというのは無理だろう。
きっと、戦闘機でのFBW(フライ・バイ・ワイヤ)と同様に
コンピューター制御で動作させるに違い無い。
ちなみに、この対応でちょっとあたふたして、自身の持つ
軍事関連知識が相当に古くなっている事に気づき、この後、
潜水艦については、色々と勉強している。
匠「なるほど、X字型の舵ですか・・ しかし、そういう
話をして頂いても良いのですか? 国家機密では?」
潜「あはは・・(公開されている情報なので)大丈夫です。
それに我々は、広報の目的でも来ていますからね。
既に琵琶湖放送さんにも取材されておりますし。」
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匠「広報・・ わかりました、”自衛隊に入ろう”と、
私も観戦記事で宣伝しておきます(笑)
ところで、普段からカッター(船に搭載する大型
手漕ぎボート)等で練習しているのですか?」
(注:潜水艦にカッターは搭載されていないので、
これも”愚問”の類であろう・・汗)
潜「いえ、まったくの初めてです、どこまで通用するか?
でも、この大会だけではなく、関空大会とかスモール
選手権にも出場する予定ですよ。」
匠「おお、それは嬉しいです。ドラゴンの世界でもたまに
陸上や航空自衛隊のチームが出場し、皆さんそこそこ
強いので、大会を盛り上げてくださるのですが・・、
どうやら転勤が多いらしく、参戦が長続きしないの
ですよ。是非、色々な大会にいらしてください。
でも、毎週のように休んでいて、国家の安全は大丈夫
なのですか?(笑)」
潜「あはは・・ 土日は一応休養日です」
匠「しかし、休みの日にドラゴン漕いでいたら、ちっとも
休養にならないですね(笑)」
彼らは、自衛官の中でもエリートの潜水艦部隊だけあって
さすがに体力がありそうだ、そして閉所の潜水艦の中での
仕事だから、チームワーク力も高い事だろう。
結果、彼らは本大会で大活躍するのだが、その模様は続く
中編記事に譲ろう。
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では、次のチーム。
「堀場テクノサービス」(20人漕ぎ一般)
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例年、本大会に出場している常連チームである。
話によると、今年で19回目という事で、私が本大会の
観戦を始める前から出場している大ベテランチームだ。
大企業であり、創立60年を超える老舗企業でもある。
自動車を始めとする様々な製品に係わる技術開発を
行っている模様だ。
参戦している選手達が何処の部署なのかは聞いていない
のだが、全体的に技術者色が強いチームであろう。
技術者とかエンジニアとか聞くと、スポーツに縁が無い
草食系男子をイメージするかも知れないが、実は本大会
には、こちらのチーム以外でも技術者のチームは沢山
エントリーしていて、中には、そこそこの強豪チームも
あるのだ。
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滋賀県ドラゴンボート協会のスタッフにも技術系企業の
方は多く、先日、こういう話をしていた。
匠「滋賀県には技術系企業が多いですよね?」
滋「多いですよ、あの企業もこの企業も・・(と、だいたい
7、8もの良く知られている企業名が挙げられた)」
匠「それらの一流企業の技術力を結集して、凄いモノが
作れませんかね?」
滋「凄いモノ? とは?」
匠「う~ん、何でしょうね? では、身近な困り事ですが、
例えば”びわこペーロン大会”等では、天気が良いと
午前中は酷い逆光になって、ボートが皆、真っ黒に写って
しまいます。これはカメラをどう設定しても防げない、
この問題、どうにかなりませんかねぇ?」
滋「確かに逆光になりますよね。 で、どうにか、って?」
匠「すぐには思いつかないけど・・ あ、それならば例えば
”水中ドローン”とかはどうです? カメラを構えると
リモコンでレンズだけドラゴン艇の方まで勝手に進んで
行って、近くから、逆光では無い写真を撮れるとか・・」
滋「あ~、それいいですね。”水中ドローン”、作れますかね?」
匠「それ位、琵琶湖の技術力を結集すればすぐですよ!(笑)」
でも、良く考えれば、普通の空中ドローンで十分だ(汗)
水面のボートを撮影するのに、わざわざ水中を進む意味が
無い。(それか、前述の”潜水艦うんりゅう”のX字型舵に
するとか・笑)まあでも、沈没していってレンズや機構部
や受信器が回収不能になると被害甚大だ(汗)
まあ、現実的にやるならば「水上ドローン」かな?
あるいは、琵琶湖の名物「鳥人間コンテスト」にちなんで
「人力プロペラ機ドローン」などはどうか?(笑)
なにせ、人力飛行機の進歩はすさまじく、今年の同大会
では、なんと飛行距離60km(!)の超絶的記録が出ている。
もう琵琶湖に向けて飛ぶのでは距離が足りず、20kmづつ
2箇所でのターンを経て、スタート地点にまで、戻って
これるのだ!
それくらいの飛行能力があれば、ボートレースの間、
短時間だけ人力で空を飛ぶのは十分に可能であろう。
(ただし、大きな”発射台”が必要になるが・・汗
それと万が一、ボートの上に落下したら大惨事だ・汗)
さて余談が長くなった、「堀場テクノサービス」だが
今年は残念ながら予選敗退であった。(昨年も同様)
「オーパル」で専業チームからの練習指導を受けている、
との噂も聞いてはいるが詳細までは耳に入ってきていない。
来年は是非頑張っていただきたいと思う。
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では、次のチーム
「師走の会」(10人漕ぎ一般)
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ベテラン常連チームである、私が本大会の観戦を始めた
10数年前から、ずっと参戦していると記憶している。
チーム名の「師走」は、彼らの出自を示す、すなわち
元々は教師(学校の先生)を中心としたチームである。
準決勝あるいは決勝進出あたりの実力値を持っていると
思われるが、近年の戦績はあまりふるわない。
どうやらメンバーが揃わないで練習不足な模様だ。
以前から、あまり本大会以外には参戦していないので
私の定義するところの「ドラゴン専業チーム」では無く
まあ、「準専業チーム」という事にしておこう。
本大会では、残念ながら準決勝で敗退であった。
なお、女子チーム「師走の会 上村組」がある。
そちらは本大会での女子の部の常連チームであり、
今回大会にも参戦しているが、過去に多数の本大会での
入賞実績を持つ。
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では、次のチーム
「チーム技術本部」は、異カテゴリーダブルエントリー
となっている。
「レッド ドラゴン」(20人漕ぎ一般)
「ホワイトドラゴン」(10人漕ぎ一般)
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上写真はチーム全員の集合写真、なかなかの大所帯だ。
本年5月の「宇治大会」で、パナソニック社から初めて
「他流試合」(ここでは、「ホーム大会」である「びわこ
ペーロン大会」以外の大会に参戦する、という意味)を
行ったチームである。
企業を出自とするチームで、ホーム大会以外の各地の
大会に参戦するチームは、全国的にもかなり珍しい。
関西圏では「小寺製作所」「メタルスタイリスト福田」
あたりくらいか・・?
関東地区では、直接に企業名を冠するチームは少ないかも
知れないが、「ageha」「Roa's」「Gドラゴン」等が
他地区大会に参戦している企業チームだと思われる。
(余談:関西人であれば「目だってナンボ」という
意識があるから、企業チームならば当然企業名を冠する。
しかし関東では、プライベートで行っているドラゴン
競技に企業名を付けるのは良く無いと思うのだろうか?
もし、そうだとすれば、関西人と関東人の感覚の差異が
明確な話であり、なかなか興味深い)
で、こちらの「技術本部」とは、Panasonic社の技術本部
の事である、様々な同社製品の、基礎技術開発を行って
いる部署のチームであろう。
そして、本大会でのパナソニック社関連のチームは
毎年多数の参戦があり、だいたい15~20チームがそうだ。
つまり、全体の1/4~1/3程度がパナソニック関連で
占められている事になるのだが・・ これまでの本大会の
観戦記事でパナソニック関連チームの紹介があまり無かった
のは、1つは決勝戦等に進出してくるチームが少なく、
「パナソニック キッチン」(注:ダブルエントリーの場合も
ある、今回もA/Bチームが参戦)あたりしか無かったからだ。
まあ、ぶっちゃけ言えば、あまり活躍していなかったので、
記事で紹介しずらい、という意味だ。
それから、パナソニック社に限らず、企業チームは、通常、
そのチームメンバー内でしかコミュニケーションを取らず、
他チームの選手やスタッフや観客等と話をする事は、まず
殆ど無い、という状態だ。
「閉鎖的」とも言えるかも知れないが、わからない話でも
無く、多くの企業チームにとって、本大会は「福利厚生」
とか、レクレーションの一環であり、あまり「競技である」
という意識は無いし、仮に競技だと考えているならば、
なおさら、ライバルの他チーム等とは話をしない。
だが、面白い傾向があり、それは、そうした企業チームが
段々強くなり、戦績が高まってくるに連れて、他チームや
スタッフ等とのコミュニケーションが急速に増えて
いくのだ。
具体的には「日立建機ティエラ」(本年は不参加)
「シンコーメタリコン」(本年は大活躍、後編記事予定)
「東レ・プレシジョン」「パナソニック キッチン」
あたりがそうである。つまり決勝進出クラスの戦績や
実力値を持つチームであり、これらは他の専業チームや
スタッフ等とも良くコミュニケーションを取っている。
そして、今まさに戦績が高まりつつあるのが、この
「チーム技術本部」である。
現在、各カテゴリーで準決勝進出クラスの実力値、
あと1歩で決勝進出、という状態だ。
ドラゴン専業チーム(=日常的にボートの練習を行い、
多数の各地域の大会に参戦する専門的チームの事)に
混じっての決勝進出は、地元チームの中ではトップ
クラスの実力値を持つ、という事に繋がる。
特に「20人漕ぎの部」は激戦区であり、ここ10年程では
専業チームを除いて、地元(企業)チームが決勝進出
できたケースは、前述の「日立建機」「シンコー」
「東レ」くらいしか記憶に無いし、さらに言えば、
これら企業チームが入賞したケースも近年では皆無だ。
(注:本年、初めて企業チームが入賞した、その模様は
後編記事で紹介する)
![c0032138_19500350.jpg]()
「チーム技術本部」の激闘の模様は、続く中編および
後編記事で記載していこう。
なお、個人的には、Panasonic社製のカメラを7台所有
していて、本大会にはPanasonic社チームが多い事から
同社製カメラを持ってくる事が多い(今回もそうしている。
そういう事にも気が廻るか否か?は、とても重要な事だ。
ちなみに、FUJIFILM社関連チームが参戦する大会では、
同様にFUJIFILM製カメラを持ち込んで撮影している)
ただ、7台の所有機の中で最も新しい機種でも6年前に
発売された古い機体である、それ以降の時代のPana機を
何故購入していないか?は、色々と不満事項があるからだ。
「技術本部」では、カメラの基礎技術開発の担当者も
居る模様なので、いずれユーザーの立場で、そのあたり
の話をしてみたいと思っている。
ただ、Pana機の基礎技術自体に不満がある訳では無く、
課題は「製品企画コンプセプト」と「操作系」であるので
「技術本部」と話をしても意味が無いかも知れないが・・
----
では、次のチーム
「メタルスタイリスト福田」(10人漕ぎ一般に
ダブルエントリー)
![c0032138_19500315.jpg]()
京都・山科に事業所を置く、金属加工の老舗企業の
チームである、初出場は初回の宇治大会だったと
記憶していて、もう6~7年程前となる。
その後数年し、会社から正式なクラブ活動として
認められ、本ブログでも特集記事を書いた事がある。
その頃から、ホーム大会の宇治大会以外にも、キッズ大会、
グランドシニア大会、びわこペーロン、高島ペーロン等の
各大会に積極的に参戦、つまり企業発の「専業チーム」
として希少な立場となるチームだ。
会社公認なので、各大会には(大会社であるのに)
社長さんが応援に来る事も良くある。この社長さんは
とても「熱い人」で、走ってドラゴン艇を追いかけながら
「ほら~ もっと漕げ~!!」と激を飛ばすのだ。
まあ、企業名を冠するチームであるので、悪い戦績は
望まない事は確かであろうが、「宣伝」という訳でも無く、
すなわち「福田金属箔粉工業」はBtoB(会社対会社)の
ビジネスモデルで、BtoC(会社対消費者)では無いから、
名前が知られても製品(商品)が売れるという訳でも無い。
ちなみに、前述した滋賀県の多数の技術関連企業であっても
パナソニック以外には、あまり一般消費者層に直接商品を
販売する企業は多く無く、殆どがBtoB型の事業構造だ。
さて、「メタルスタイリスト福田」肝心の戦績だが、
宇治大会では「市内の部」で、4位が数回。
また、他大会では、準決勝進出が最高順位だと思う。
「そろそろ結果を出したい」と、彼らはいつも言って
いるが、まあ、それはそうであろう・・
当面の目標は各大会での決勝進出だと思われる。
課題は、同社工場は月~土曜の勤務で、休日が日曜日
しか無い事かも知れない。休日に用事を済ますなどを
していると、どうしても練習日があまり取れない状況だ、
ここについては、やむを得ない節があるとは思うが、
できるだけ多くの練習を重ね、より高い順位を目指して
いただきたいと思う。
----
では、次のチーム
「G・P・O」(10人漕ぎ一般)
![c0032138_19500358.jpg]()
滋賀県の地元メンバーが中心のベテラン専業チーム。
どうやら今年で結成20年を迎えた模様だ。
琵琶湖を中心に様々な大会に出場していて、入賞実績も
複数回あったと記憶している。
メンバーは流動的であり、他チームの選手が加わって
いたり、あるいは逆に、他チームにGPOのメンバーが
混じっているケースも良く見かける。
また、滋賀県大津市堅田の「湖族船競争」では、
和太鼓集団「湖鼓Ro」(こころ)とのコラボチームで
ここ数年、連続入賞を重ねている。
「G・P・O」の意味は不明、確か10年程前に聞いたが
失念してしまった(汗) まあ、うろおぼえだが、
「グレート、なんとか、オレンジ」であったか??
尋ねた際に「いったい、それ、どういう意味ですか?」
とも聞いたのだが「かなり初期のメンバーの、だれそれ
さんが付けた名前なので、正確な意味や意図は不明」
との事であった。何度も同じ質問をするのも失礼かと
思っているのだが、今度、もう1度だけ聞いてみるか・・
昨年の本大会では、ひさしぶりの(あるいは初の?)
決勝進出、結果は5位であったが、今年もまた、連続の
決勝進出を当然狙っている・・
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では、次のチーム
「チーム未来」(10人漕ぎ一般)
![c0032138_19500381.jpg]()
大阪府のメンバーが中心の、こちらも超ベテランの専業
チームである。正確な結成時期は不明だが、30年近く
にもなるかも知れない。(注:当然、メンバーは代替わり
している)
各地の大会の非常に多くに常時参戦しているので、あまりに
身近な存在であるから、逆に本ブログでの紹介機会は
少ないかも知れない。まあ、近年では、春の桜の時期に
練習拠点での大川・桜ノ宮で「さくら(ナイト)クルーズ」
を実施する事が良くあり、その記事では紹介はしている。
びわこペーロン大会と「チーム未来」の関連についてだが、
十数年前、まだ本大会が殆ど地元(滋賀県)のビギナー
チームばかりで占められていた頃、初めて県外ドラゴン専業
チームとして参戦し、本大会で「未来」としても県外専業と
しても初優勝を遂げたのが強く印象に残っている。
「未来」から話が広まったのか? その翌年の本大会には
「東海龍舟」を初め、多数の県外専業チームがエントリー
して、そこから一気に本大会の競技志向が格段に高まった、
という歴史だ。
近年の「未来」は優勝から遠ざかっている、そろそろ
どこかの大会で、また勝っておきたいところであろう。
----
では、次のチーム
「シンコーメタリコン」(20人漕ぎ一般にダブル
エントリー)
![c0032138_19501813.jpg]()
「溶射」という特殊技術により、滋賀県での優良企業に
選出される事も何度もあった老舗企業のチームだ。
社員数は80数名とのことであるが、20人漕ぎにダブル
エントリーしていて、社長さんや役員さんを初め、
社員総出という感じで、近年ではドラゴンの世界に
のめりこんでいる模様。
数年前までは、完全なビギナーチームであったのだが、
「池の里Lakers!」等、強豪専業チームによる直接指導
を受けてから、めきめきと上達。2017年には初の決勝に
進出、年々腕前を上げている様子が漕ぎからも見られる。
今年は初の入賞を狙いたいところ、そして今年の20人
漕ぎの部は、強豪チームが2つほど、欠場または他の
カテゴリーに移動している、ここは最大の入賞のチャンス
であろう、さて、この機会を活かせるか?
20人漕ぎの部の模様は、後編記事で紹介する。
----
では、次のチーム
「DBS」(10人漕ぎ一般と10人漕ぎ混合にダブル
エントリー)
![c0032138_19501851.jpg]()
「DBS」とは、「同志社大学大学院ビジネス研究科」の
卒業生によるチームと聞く。
インテリチーム、という雰囲気があるが、昨年は
準決勝にまで進出している。
匠「同志社大、と言うと、カヌーが強いと聞きますが?」
同「いえ、我々はカヌー部では無いし、ボート経験者も
ほとんど居ません」
今年はメンバーを増やしてのダブルエントリーであったが
残念ながら両チームとも予選敗退であった。
----
では、次のチーム
「日本ケイテム」(20人漕ぎ一般)
![c0032138_19501761.jpg]()
工場系(製造系)の業務の、人材紹介や人材派遣を行う
京都の会社のチームである。
創業から約50年という事だが、本びわこペーロン大会
には何と25回の出場と聞く、冒頭で紹介した「Spirits
Club」と並んで、最も長く出場を続けているチームの
1つであろう。
過去、3位入賞の実績があると聞くが、しかし、私が観戦
している10数年の範囲では残念ながら上位入賞は無いと思う。
まずは準決勝や決勝進出を目指して頑張りたいところだろう。
20人漕ぎの部は現在激戦区だ、「日本ケイテム」に限らず
各地元チームの場合、2分割して、10人漕ぎの部にダブル
エントリーをする手段もあるので、検討してみるのも
良いと思う。
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では、次のチーム
「ヤバセ J1」(10人漕ぎ混合)
![c0032138_19501705.jpg]()
詳細の情報は不明であるが、各地のボート競技
(ナックルフォア等)において、高年齢の部で何度も
入賞や優勝を重ねている情報が散見される。
まあつまり、ボート経験者を中心とするチームだ。
ドラゴン競技でも、2006年「びわこスプリント大会」
(現在の「スモール選手権」の前身)のシニアの部で
優勝している(注:本ブログでも2006年の同大会の
観戦記事は残っているが、当時の観戦記事は現在の
ように客観的な大会記録ではなく、物凄く主観的な
視点だ、まあでも、それはそれで別の見方で面白い。
いずれ機会があれば、大会記録から離れて、そのように
個人の好き勝手に観戦記事を書きたいとも思っている。
ちなみに、同大会での「ヤバセJ1」の戦績の記載は
記事中には無かった・・汗)
まあ、「ヤバセJ1」は、すなわち「古豪」あるいは
「レジェンド」と呼べるだろう。
ボートつながりで、今回は「チーム未来」の「らお」さん
を舵手に起用し、上位入賞を狙う。
![c0032138_19503172.jpg]()
上写真は、10人漕ぎ混合の部のレースの模様、その結果は
後編記事で紹介しよう。
---
では、次のチーム
「龍女(どらんじょ)」(女子の部)
![c0032138_19503176.jpg]()
母体の「龍人(どらんちゅ)」は、「琵琶湖の三国志」と
呼ばれる強豪チームであり、本大会では、20人漕ぎの部
での決勝進出常連である。しかし、優勝はまだ無い。
その理由の1つとして、20人漕ぎの場合は女子メンバーが
多いチームであるからだ。これだと、他の男子ばかりの
チームに比べ、若干の不利がある。
(ちなみに、「関西龍舟」が20人漕ぎにエントリーしない
のも、同チームは、元々「(男女)混合の部」が主体
だからである。)
もう6~7年も前の話になるが、本大会には「20人漕ぎ混合」
の部があり、「龍人」はそこにエントリーしていた。
しかし、同年の大会はゲリラ豪雨により途中中止になって
しまい、予選のタイムで「龍人」が優勝となった。
だが、「龍人」は「それでは勝った事にならない」と、
その優勝を「無かった事」としている。
「龍人」は、今年、男子を10人漕ぎ一般の部に参戦、
女子メンバーを分離し、「女子の部」にエントリーする
事とした。それが「龍女(どらんじょ)」チームである。
女子メンバーは若干足りなかった模様だが、瀬田漕艇倶楽部
あたり(?)から、ボート系選手を助っ人参戦させた模様。
これはなかなか強力なチームが出来上がったかも知れない。
今年の女子の部は、なかなか面白い事になりそうだ・・
----
では、本記事ラストのチーム
「東レ・プレシジョン」(20人漕ぎ一般と10人漕ぎ一般に
ダブルエントリー)
![c0032138_19503159.jpg]()
今年で7年目の出場となる企業チームだ。
5年程前に、企業チームとして初めてカーボンパドルを
装備している。
匠「初めてカーボンパドルを使った企業チームが
東レさんですよ」
東「まあ、我々はカーボン素材も扱っていますから、
導入をする事に反対意見は少なかったのですよ」
匠「で、東レさんがカーボンにしてから、丁度そのころ
から戦績が上がり、決勝戦にも良く進出するように
なりました。 それを見た他の企業のチームが
”オレ達もカーボンが欲しい”と言い出したのです」
東「そうなんですか? じゃあ、我々が元祖なのか・・」
匠「でも、カーボンは高価です、メンバー全員となると
数十万円になるので、なかなか会社決済が降りない。
その後、”パナソニック”さん”日立建機”さん
”シンコーメタリコン”さんが、順次導入していますが
まだまだその数は少ない、だから、会社から買って貰う
のでは無く、自腹で買っている選手も居るのですよ」
東「へ~、そうなのですか」
「東レ・プレシジョン」は、例年、準決勝~決勝戦に
安定して進出できる実力値を持つ、企業系チームの中では
強豪である、しかし、残念ながらまだ20人漕ぎの部での
入賞経験が無い。
そろそろ、どちらかのカテゴリーで入賞が欲しいところ
であろう・・
---
さて、本記事はこのあたりまでで、以降は中編に続く。
にて行われた「第29回びわこペーロン」の模様より、前編。
今回の観戦記事群は、前中後編からなる3回連載であり、
前編の今回は、本大会に参戦しているチームの一部を
順次紹介して行こう。
(下写真は、「関西龍舟シンバ」(10人漕ぎ混合))

エントリーしているチーム数は60を超え、とても全ての
チームを取材して写真を撮って紹介するのは無理だ。
今回は、あまり他の本ブログのドラゴン系記事では紹介の
機会が少ない、本大会の常連地元チームや新鋭チームに
絞って紹介をしていく事にしよう。
なお、本大会は4カテゴリー(20人漕ぎ、10人漕ぎ一般、
10人漕ぎ混合、女子)であるが、今回の紹介チームは参加
カテゴリー名は書くものの、順不同(バラバラ)である。
ではまず、最初のチーム
「Spirits Club」(女子の部)

テントを構えているので探し易いですよ(笑)
ところで、以前、本大会の連続長期出場で表彰されて
いますが、全大会(29回)に参戦しているのですか?」
ス「いえいえ・・ 確か第5回目くらいからなので、
今年で25年目くらいですかねぇ?」
匠「25年・・(汗)も続けるのはたいしたものですね。
で、去年は準優勝でしたっけ?」
ス「優勝したいのですけどね、琵琶ドラさんには勝てない」
匠「ふうむ・・ まあ”びわにゃん”は確かに(連覇中で)
強いです。それと今年は、他にも強い女子チームが
いくつか入ってきています、ともかく頑張って少しでも
上の順位を目指すしか無いでしょうね。」
ス「はい、がんばります」

----
さて、次のチームは、対照的に本大会初出場だ。
「潜水艦 うんりゅう」(10人漕ぎ一般の部)

大丈夫ですか? 海上自衛隊さんですよね?」
潜「写真、大丈夫ですよ。そうです、自衛隊です、
広島の呉(港)から来ました、”うんりゅう”は
所属している潜水艦の名前です。」
匠「あれ? 潜水艦の名前と言えば、”なだしお”とか
”おやしお”とか、”しお”がつくのでは?
”そうりゅう”とか”うんりゅう”では、第二次大戦
時の空母の名前ですよね?」
潜「お~、よくご存知で。 ”しお”がつくのはだいたい
10年位前までの型でして、そちらは後ろの舵が十字型
になってしますが、”りゅう”は、X字型なのです。」
ん? X字型・・? そこが新型での改良点なのか?
・・ははあ、なるほど、わかったぞ。まず十字型の場合は
縦の舵を切れば左右に進路を変更でき、横の舵は深度を
調整できる。それがX字型では、4枚の舵を個々に複雑に
動作させれば、回転とかも含めた自在な三次元的な動きが
海中で出来るから、機動性があがるのだな・・・
まあ最近の飛行機(戦闘機)の翼の仕組みと同じような
ものだ、海中も空中と同じ、三次元の空間だからな。
でも、その仕組みでは、手動制御は無理だろうな・・
例えば、強豪ドラゴンボート(ペーロン)チームのベテラン
舵手だって、4本の舵を持って、それを個別に動かして
ボートの向きを自在にターンさせるというのは無理だろう。
きっと、戦闘機でのFBW(フライ・バイ・ワイヤ)と同様に
コンピューター制御で動作させるに違い無い。
ちなみに、この対応でちょっとあたふたして、自身の持つ
軍事関連知識が相当に古くなっている事に気づき、この後、
潜水艦については、色々と勉強している。
匠「なるほど、X字型の舵ですか・・ しかし、そういう
話をして頂いても良いのですか? 国家機密では?」
潜「あはは・・(公開されている情報なので)大丈夫です。
それに我々は、広報の目的でも来ていますからね。
既に琵琶湖放送さんにも取材されておりますし。」

私も観戦記事で宣伝しておきます(笑)
ところで、普段からカッター(船に搭載する大型
手漕ぎボート)等で練習しているのですか?」
(注:潜水艦にカッターは搭載されていないので、
これも”愚問”の類であろう・・汗)
潜「いえ、まったくの初めてです、どこまで通用するか?
でも、この大会だけではなく、関空大会とかスモール
選手権にも出場する予定ですよ。」
匠「おお、それは嬉しいです。ドラゴンの世界でもたまに
陸上や航空自衛隊のチームが出場し、皆さんそこそこ
強いので、大会を盛り上げてくださるのですが・・、
どうやら転勤が多いらしく、参戦が長続きしないの
ですよ。是非、色々な大会にいらしてください。
でも、毎週のように休んでいて、国家の安全は大丈夫
なのですか?(笑)」
潜「あはは・・ 土日は一応休養日です」
匠「しかし、休みの日にドラゴン漕いでいたら、ちっとも
休養にならないですね(笑)」
彼らは、自衛官の中でもエリートの潜水艦部隊だけあって
さすがに体力がありそうだ、そして閉所の潜水艦の中での
仕事だから、チームワーク力も高い事だろう。
結果、彼らは本大会で大活躍するのだが、その模様は続く
中編記事に譲ろう。
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では、次のチーム。
「堀場テクノサービス」(20人漕ぎ一般)

話によると、今年で19回目という事で、私が本大会の
観戦を始める前から出場している大ベテランチームだ。
大企業であり、創立60年を超える老舗企業でもある。
自動車を始めとする様々な製品に係わる技術開発を
行っている模様だ。
参戦している選手達が何処の部署なのかは聞いていない
のだが、全体的に技術者色が強いチームであろう。
技術者とかエンジニアとか聞くと、スポーツに縁が無い
草食系男子をイメージするかも知れないが、実は本大会
には、こちらのチーム以外でも技術者のチームは沢山
エントリーしていて、中には、そこそこの強豪チームも
あるのだ。
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滋賀県ドラゴンボート協会のスタッフにも技術系企業の
方は多く、先日、こういう話をしていた。
匠「滋賀県には技術系企業が多いですよね?」
滋「多いですよ、あの企業もこの企業も・・(と、だいたい
7、8もの良く知られている企業名が挙げられた)」
匠「それらの一流企業の技術力を結集して、凄いモノが
作れませんかね?」
滋「凄いモノ? とは?」
匠「う~ん、何でしょうね? では、身近な困り事ですが、
例えば”びわこペーロン大会”等では、天気が良いと
午前中は酷い逆光になって、ボートが皆、真っ黒に写って
しまいます。これはカメラをどう設定しても防げない、
この問題、どうにかなりませんかねぇ?」
滋「確かに逆光になりますよね。 で、どうにか、って?」
匠「すぐには思いつかないけど・・ あ、それならば例えば
”水中ドローン”とかはどうです? カメラを構えると
リモコンでレンズだけドラゴン艇の方まで勝手に進んで
行って、近くから、逆光では無い写真を撮れるとか・・」
滋「あ~、それいいですね。”水中ドローン”、作れますかね?」
匠「それ位、琵琶湖の技術力を結集すればすぐですよ!(笑)」
でも、良く考えれば、普通の空中ドローンで十分だ(汗)
水面のボートを撮影するのに、わざわざ水中を進む意味が
無い。(それか、前述の”潜水艦うんりゅう”のX字型舵に
するとか・笑)まあでも、沈没していってレンズや機構部
や受信器が回収不能になると被害甚大だ(汗)
まあ、現実的にやるならば「水上ドローン」かな?
あるいは、琵琶湖の名物「鳥人間コンテスト」にちなんで
「人力プロペラ機ドローン」などはどうか?(笑)
なにせ、人力飛行機の進歩はすさまじく、今年の同大会
では、なんと飛行距離60km(!)の超絶的記録が出ている。
もう琵琶湖に向けて飛ぶのでは距離が足りず、20kmづつ
2箇所でのターンを経て、スタート地点にまで、戻って
これるのだ!
それくらいの飛行能力があれば、ボートレースの間、
短時間だけ人力で空を飛ぶのは十分に可能であろう。
(ただし、大きな”発射台”が必要になるが・・汗
それと万が一、ボートの上に落下したら大惨事だ・汗)
さて余談が長くなった、「堀場テクノサービス」だが
今年は残念ながら予選敗退であった。(昨年も同様)
「オーパル」で専業チームからの練習指導を受けている、
との噂も聞いてはいるが詳細までは耳に入ってきていない。
来年は是非頑張っていただきたいと思う。
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では、次のチーム
「師走の会」(10人漕ぎ一般)

10数年前から、ずっと参戦していると記憶している。
チーム名の「師走」は、彼らの出自を示す、すなわち
元々は教師(学校の先生)を中心としたチームである。
準決勝あるいは決勝進出あたりの実力値を持っていると
思われるが、近年の戦績はあまりふるわない。
どうやらメンバーが揃わないで練習不足な模様だ。
以前から、あまり本大会以外には参戦していないので
私の定義するところの「ドラゴン専業チーム」では無く
まあ、「準専業チーム」という事にしておこう。
本大会では、残念ながら準決勝で敗退であった。
なお、女子チーム「師走の会 上村組」がある。
そちらは本大会での女子の部の常連チームであり、
今回大会にも参戦しているが、過去に多数の本大会での
入賞実績を持つ。
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では、次のチーム
「チーム技術本部」は、異カテゴリーダブルエントリー
となっている。
「レッド ドラゴン」(20人漕ぎ一般)
「ホワイトドラゴン」(10人漕ぎ一般)

本年5月の「宇治大会」で、パナソニック社から初めて
「他流試合」(ここでは、「ホーム大会」である「びわこ
ペーロン大会」以外の大会に参戦する、という意味)を
行ったチームである。
企業を出自とするチームで、ホーム大会以外の各地の
大会に参戦するチームは、全国的にもかなり珍しい。
関西圏では「小寺製作所」「メタルスタイリスト福田」
あたりくらいか・・?
関東地区では、直接に企業名を冠するチームは少ないかも
知れないが、「ageha」「Roa's」「Gドラゴン」等が
他地区大会に参戦している企業チームだと思われる。
(余談:関西人であれば「目だってナンボ」という
意識があるから、企業チームならば当然企業名を冠する。
しかし関東では、プライベートで行っているドラゴン
競技に企業名を付けるのは良く無いと思うのだろうか?
もし、そうだとすれば、関西人と関東人の感覚の差異が
明確な話であり、なかなか興味深い)
で、こちらの「技術本部」とは、Panasonic社の技術本部
の事である、様々な同社製品の、基礎技術開発を行って
いる部署のチームであろう。
そして、本大会でのパナソニック社関連のチームは
毎年多数の参戦があり、だいたい15~20チームがそうだ。
つまり、全体の1/4~1/3程度がパナソニック関連で
占められている事になるのだが・・ これまでの本大会の
観戦記事でパナソニック関連チームの紹介があまり無かった
のは、1つは決勝戦等に進出してくるチームが少なく、
「パナソニック キッチン」(注:ダブルエントリーの場合も
ある、今回もA/Bチームが参戦)あたりしか無かったからだ。
まあ、ぶっちゃけ言えば、あまり活躍していなかったので、
記事で紹介しずらい、という意味だ。
それから、パナソニック社に限らず、企業チームは、通常、
そのチームメンバー内でしかコミュニケーションを取らず、
他チームの選手やスタッフや観客等と話をする事は、まず
殆ど無い、という状態だ。
「閉鎖的」とも言えるかも知れないが、わからない話でも
無く、多くの企業チームにとって、本大会は「福利厚生」
とか、レクレーションの一環であり、あまり「競技である」
という意識は無いし、仮に競技だと考えているならば、
なおさら、ライバルの他チーム等とは話をしない。
だが、面白い傾向があり、それは、そうした企業チームが
段々強くなり、戦績が高まってくるに連れて、他チームや
スタッフ等とのコミュニケーションが急速に増えて
いくのだ。
具体的には「日立建機ティエラ」(本年は不参加)
「シンコーメタリコン」(本年は大活躍、後編記事予定)
「東レ・プレシジョン」「パナソニック キッチン」
あたりがそうである。つまり決勝進出クラスの戦績や
実力値を持つチームであり、これらは他の専業チームや
スタッフ等とも良くコミュニケーションを取っている。
そして、今まさに戦績が高まりつつあるのが、この
「チーム技術本部」である。
現在、各カテゴリーで準決勝進出クラスの実力値、
あと1歩で決勝進出、という状態だ。
ドラゴン専業チーム(=日常的にボートの練習を行い、
多数の各地域の大会に参戦する専門的チームの事)に
混じっての決勝進出は、地元チームの中ではトップ
クラスの実力値を持つ、という事に繋がる。
特に「20人漕ぎの部」は激戦区であり、ここ10年程では
専業チームを除いて、地元(企業)チームが決勝進出
できたケースは、前述の「日立建機」「シンコー」
「東レ」くらいしか記憶に無いし、さらに言えば、
これら企業チームが入賞したケースも近年では皆無だ。
(注:本年、初めて企業チームが入賞した、その模様は
後編記事で紹介する)

後編記事で記載していこう。
なお、個人的には、Panasonic社製のカメラを7台所有
していて、本大会にはPanasonic社チームが多い事から
同社製カメラを持ってくる事が多い(今回もそうしている。
そういう事にも気が廻るか否か?は、とても重要な事だ。
ちなみに、FUJIFILM社関連チームが参戦する大会では、
同様にFUJIFILM製カメラを持ち込んで撮影している)
ただ、7台の所有機の中で最も新しい機種でも6年前に
発売された古い機体である、それ以降の時代のPana機を
何故購入していないか?は、色々と不満事項があるからだ。
「技術本部」では、カメラの基礎技術開発の担当者も
居る模様なので、いずれユーザーの立場で、そのあたり
の話をしてみたいと思っている。
ただ、Pana機の基礎技術自体に不満がある訳では無く、
課題は「製品企画コンプセプト」と「操作系」であるので
「技術本部」と話をしても意味が無いかも知れないが・・
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では、次のチーム
「メタルスタイリスト福田」(10人漕ぎ一般に
ダブルエントリー)

チームである、初出場は初回の宇治大会だったと
記憶していて、もう6~7年程前となる。
その後数年し、会社から正式なクラブ活動として
認められ、本ブログでも特集記事を書いた事がある。
その頃から、ホーム大会の宇治大会以外にも、キッズ大会、
グランドシニア大会、びわこペーロン、高島ペーロン等の
各大会に積極的に参戦、つまり企業発の「専業チーム」
として希少な立場となるチームだ。
会社公認なので、各大会には(大会社であるのに)
社長さんが応援に来る事も良くある。この社長さんは
とても「熱い人」で、走ってドラゴン艇を追いかけながら
「ほら~ もっと漕げ~!!」と激を飛ばすのだ。
まあ、企業名を冠するチームであるので、悪い戦績は
望まない事は確かであろうが、「宣伝」という訳でも無く、
すなわち「福田金属箔粉工業」はBtoB(会社対会社)の
ビジネスモデルで、BtoC(会社対消費者)では無いから、
名前が知られても製品(商品)が売れるという訳でも無い。
ちなみに、前述した滋賀県の多数の技術関連企業であっても
パナソニック以外には、あまり一般消費者層に直接商品を
販売する企業は多く無く、殆どがBtoB型の事業構造だ。
さて、「メタルスタイリスト福田」肝心の戦績だが、
宇治大会では「市内の部」で、4位が数回。
また、他大会では、準決勝進出が最高順位だと思う。
「そろそろ結果を出したい」と、彼らはいつも言って
いるが、まあ、それはそうであろう・・
当面の目標は各大会での決勝進出だと思われる。
課題は、同社工場は月~土曜の勤務で、休日が日曜日
しか無い事かも知れない。休日に用事を済ますなどを
していると、どうしても練習日があまり取れない状況だ、
ここについては、やむを得ない節があるとは思うが、
できるだけ多くの練習を重ね、より高い順位を目指して
いただきたいと思う。
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では、次のチーム
「G・P・O」(10人漕ぎ一般)

どうやら今年で結成20年を迎えた模様だ。
琵琶湖を中心に様々な大会に出場していて、入賞実績も
複数回あったと記憶している。
メンバーは流動的であり、他チームの選手が加わって
いたり、あるいは逆に、他チームにGPOのメンバーが
混じっているケースも良く見かける。
また、滋賀県大津市堅田の「湖族船競争」では、
和太鼓集団「湖鼓Ro」(こころ)とのコラボチームで
ここ数年、連続入賞を重ねている。
「G・P・O」の意味は不明、確か10年程前に聞いたが
失念してしまった(汗) まあ、うろおぼえだが、
「グレート、なんとか、オレンジ」であったか??
尋ねた際に「いったい、それ、どういう意味ですか?」
とも聞いたのだが「かなり初期のメンバーの、だれそれ
さんが付けた名前なので、正確な意味や意図は不明」
との事であった。何度も同じ質問をするのも失礼かと
思っているのだが、今度、もう1度だけ聞いてみるか・・
昨年の本大会では、ひさしぶりの(あるいは初の?)
決勝進出、結果は5位であったが、今年もまた、連続の
決勝進出を当然狙っている・・
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では、次のチーム
「チーム未来」(10人漕ぎ一般)

チームである。正確な結成時期は不明だが、30年近く
にもなるかも知れない。(注:当然、メンバーは代替わり
している)
各地の大会の非常に多くに常時参戦しているので、あまりに
身近な存在であるから、逆に本ブログでの紹介機会は
少ないかも知れない。まあ、近年では、春の桜の時期に
練習拠点での大川・桜ノ宮で「さくら(ナイト)クルーズ」
を実施する事が良くあり、その記事では紹介はしている。
びわこペーロン大会と「チーム未来」の関連についてだが、
十数年前、まだ本大会が殆ど地元(滋賀県)のビギナー
チームばかりで占められていた頃、初めて県外ドラゴン専業
チームとして参戦し、本大会で「未来」としても県外専業と
しても初優勝を遂げたのが強く印象に残っている。
「未来」から話が広まったのか? その翌年の本大会には
「東海龍舟」を初め、多数の県外専業チームがエントリー
して、そこから一気に本大会の競技志向が格段に高まった、
という歴史だ。
近年の「未来」は優勝から遠ざかっている、そろそろ
どこかの大会で、また勝っておきたいところであろう。
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では、次のチーム
「シンコーメタリコン」(20人漕ぎ一般にダブル
エントリー)

選出される事も何度もあった老舗企業のチームだ。
社員数は80数名とのことであるが、20人漕ぎにダブル
エントリーしていて、社長さんや役員さんを初め、
社員総出という感じで、近年ではドラゴンの世界に
のめりこんでいる模様。
数年前までは、完全なビギナーチームであったのだが、
「池の里Lakers!」等、強豪専業チームによる直接指導
を受けてから、めきめきと上達。2017年には初の決勝に
進出、年々腕前を上げている様子が漕ぎからも見られる。
今年は初の入賞を狙いたいところ、そして今年の20人
漕ぎの部は、強豪チームが2つほど、欠場または他の
カテゴリーに移動している、ここは最大の入賞のチャンス
であろう、さて、この機会を活かせるか?
20人漕ぎの部の模様は、後編記事で紹介する。
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では、次のチーム
「DBS」(10人漕ぎ一般と10人漕ぎ混合にダブル
エントリー)

卒業生によるチームと聞く。
インテリチーム、という雰囲気があるが、昨年は
準決勝にまで進出している。
匠「同志社大、と言うと、カヌーが強いと聞きますが?」
同「いえ、我々はカヌー部では無いし、ボート経験者も
ほとんど居ません」
今年はメンバーを増やしてのダブルエントリーであったが
残念ながら両チームとも予選敗退であった。
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では、次のチーム
「日本ケイテム」(20人漕ぎ一般)

京都の会社のチームである。
創業から約50年という事だが、本びわこペーロン大会
には何と25回の出場と聞く、冒頭で紹介した「Spirits
Club」と並んで、最も長く出場を続けているチームの
1つであろう。
過去、3位入賞の実績があると聞くが、しかし、私が観戦
している10数年の範囲では残念ながら上位入賞は無いと思う。
まずは準決勝や決勝進出を目指して頑張りたいところだろう。
20人漕ぎの部は現在激戦区だ、「日本ケイテム」に限らず
各地元チームの場合、2分割して、10人漕ぎの部にダブル
エントリーをする手段もあるので、検討してみるのも
良いと思う。
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では、次のチーム
「ヤバセ J1」(10人漕ぎ混合)

(ナックルフォア等)において、高年齢の部で何度も
入賞や優勝を重ねている情報が散見される。
まあつまり、ボート経験者を中心とするチームだ。
ドラゴン競技でも、2006年「びわこスプリント大会」
(現在の「スモール選手権」の前身)のシニアの部で
優勝している(注:本ブログでも2006年の同大会の
観戦記事は残っているが、当時の観戦記事は現在の
ように客観的な大会記録ではなく、物凄く主観的な
視点だ、まあでも、それはそれで別の見方で面白い。
いずれ機会があれば、大会記録から離れて、そのように
個人の好き勝手に観戦記事を書きたいとも思っている。
ちなみに、同大会での「ヤバセJ1」の戦績の記載は
記事中には無かった・・汗)
まあ、「ヤバセJ1」は、すなわち「古豪」あるいは
「レジェンド」と呼べるだろう。
ボートつながりで、今回は「チーム未来」の「らお」さん
を舵手に起用し、上位入賞を狙う。

後編記事で紹介しよう。
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では、次のチーム
「龍女(どらんじょ)」(女子の部)

呼ばれる強豪チームであり、本大会では、20人漕ぎの部
での決勝進出常連である。しかし、優勝はまだ無い。
その理由の1つとして、20人漕ぎの場合は女子メンバーが
多いチームであるからだ。これだと、他の男子ばかりの
チームに比べ、若干の不利がある。
(ちなみに、「関西龍舟」が20人漕ぎにエントリーしない
のも、同チームは、元々「(男女)混合の部」が主体
だからである。)
もう6~7年も前の話になるが、本大会には「20人漕ぎ混合」
の部があり、「龍人」はそこにエントリーしていた。
しかし、同年の大会はゲリラ豪雨により途中中止になって
しまい、予選のタイムで「龍人」が優勝となった。
だが、「龍人」は「それでは勝った事にならない」と、
その優勝を「無かった事」としている。
「龍人」は、今年、男子を10人漕ぎ一般の部に参戦、
女子メンバーを分離し、「女子の部」にエントリーする
事とした。それが「龍女(どらんじょ)」チームである。
女子メンバーは若干足りなかった模様だが、瀬田漕艇倶楽部
あたり(?)から、ボート系選手を助っ人参戦させた模様。
これはなかなか強力なチームが出来上がったかも知れない。
今年の女子の部は、なかなか面白い事になりそうだ・・
----
では、本記事ラストのチーム
「東レ・プレシジョン」(20人漕ぎ一般と10人漕ぎ一般に
ダブルエントリー)

5年程前に、企業チームとして初めてカーボンパドルを
装備している。
匠「初めてカーボンパドルを使った企業チームが
東レさんですよ」
東「まあ、我々はカーボン素材も扱っていますから、
導入をする事に反対意見は少なかったのですよ」
匠「で、東レさんがカーボンにしてから、丁度そのころ
から戦績が上がり、決勝戦にも良く進出するように
なりました。 それを見た他の企業のチームが
”オレ達もカーボンが欲しい”と言い出したのです」
東「そうなんですか? じゃあ、我々が元祖なのか・・」
匠「でも、カーボンは高価です、メンバー全員となると
数十万円になるので、なかなか会社決済が降りない。
その後、”パナソニック”さん”日立建機”さん
”シンコーメタリコン”さんが、順次導入していますが
まだまだその数は少ない、だから、会社から買って貰う
のでは無く、自腹で買っている選手も居るのですよ」
東「へ~、そうなのですか」
「東レ・プレシジョン」は、例年、準決勝~決勝戦に
安定して進出できる実力値を持つ、企業系チームの中では
強豪である、しかし、残念ながらまだ20人漕ぎの部での
入賞経験が無い。
そろそろ、どちらかのカテゴリーで入賞が欲しいところ
であろう・・
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さて、本記事はこのあたりまでで、以降は中編に続く。