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【熱い季節2019】日本国際ドラゴンボート選手権大会(中編)

2019年7月14日(日)に、大阪府・大川・八軒屋浜
にて行われた「ドラゴンボート日本選手権大会」の
模様より、中編。
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今回中編では「(選手権)混合の部」の模様について
紹介していく。

まずはレギュレーションであるが、20人漕ぎ、男女の
漕手は各8名以上の計16名以上と、太鼓手(ドラマー)
舵手(舵取り)であるが、舵手はチーム自前で無くても
協会派遣舵が利用可能だ。最大22名編成となる。
(オープンの部を含め、この22名編成を「レギュラー艇」
と呼んでいる)

コースは250m直線、最大5艘建てレースだ。
時間帯によっては(満潮時等)、端の1レーン、5レーン
は若干水流の不利があるが、準決勝等でのタイム順で
中央の3レーンをポールポジションとする。

端のレーンに行きたくなければ、事前にがんばるしか
無いのであるが、とは言え、2016年の決勝戦では、
不利と言われた5レーンで「東京龍舟」は優勝しているし
レーン間のコンディション差は微々たるものか、あるいは
特定のレーンに限らず、水流とか順位関係とかの、その都度
の変化の方が大きいのであろう(注1:この会場は、大阪湾に
ほど近く、潮の満ち干と川の流れの干渉が大きい)
(注2:もう少し詳しくは、後述する)


各レースでの1位タイムは、予選の間は1分を少し切る
あたり。水流が悪くなる夕方の準決勝~決勝戦では
1分を少し上回るタイムとなるであろう。

カテゴリーは、大きく選手権の部と普及の部に分かれ、
選手権の部は他大会も含めたポイント制で、トータルの
ポイント取得が高いチームが、国際レースでの日本代表
チームとなる、というルールだ。(注:A登録時)
選手権の部は、オープン、(男女)混合、女子、シニア
に細分化されている。

そして、オープンの部と混合の部では重複出場が不可
であるが、他のカテゴリー同士の重複出場には寛容な
ルールではある。(ただし、後半戦、連続出場で疲労が
激しくなるので、実際に、そうする事は困難だ)

普及の部は、スモールの部として、20人艇を使用した
10人漕ぎルール。こちらは参加資格は特に無いが、
勝っても日本代表権などの特典は得られない。
また、参加費や入賞賞品等については、選手権の部と
スモール(普及)の部は差異がある。

で、(選手権)混合の部の詳細であるが・・
まず全般の話だが、このカテゴリーは激戦区である、
数年前から、決勝に進出するチームの実力はほぼ均衡
していて、トップ(優勝)から、5着まで、わずかに
1艇身(=ボートの長さ。時間差は約3秒)という状況も
普通であった。
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参考の為、本大会の過去3年間の混合の部の決勝順位を
掲載しておこう。
(上写真は、この期間活躍している「INO-G」(埼玉))

2016年
1位:東京龍舟(注:優勝は8年ぶり)
2位:INO-G
3位:関西龍舟シンバ(注:INO-Gと僅差)
4位:ビューテイープレミアMIX(注:bp+吹龍女子)
5位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ

2017年
1位:INO-G(注:優勝は2年ぶり4度目)
2位:東京龍舟
3位:関西龍舟シンバ(注:東京龍舟と僅差)
4位:すいすい丸(注:初の本大会での決勝進出)
5位:東海龍舟(注:すいすい丸と僅差)

2018年
1位:東京龍舟
2位:INO-G
3位:関西龍舟シンバ(注:INO-Gと僅差)
4位:TOKYO DRAGON(注:東京龍舟のサブチーム)
5位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ

・・と、ここ数年、混合の部の決勝進出チームは
だいたい同じ顔ぶれであり、かつ実力伯仲ではあるの
だが、何故か、順位も毎年同様な結果となっている。
もっと順位変動があっても良さそうなのだが、例えば
「関西龍舟」(下写真)は、毎年僅差の3位と不運だ。
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しかし、最近では、またチーム間のパワーバランスが
変化しつつある。なんとなく本大会が、その転換点と
なりそうな気配が事前にも感覚的に伝わってくる。
その根拠は色々とあるのだが、記事には書き難い事も
ある、まあ、客観的な視点で公開できる範囲で書いては
みるが、慎重かつ綿密にレースの模様を観戦・紹介して
行こう。

---
(選手権)混合の部には17チームが参加、4艘~5艘
建てで4レース行われた予選では特に大きな波乱は無い。

しかし、予選から直接準決勝に上がれるのは1位の
チームのみ(イチ抜け)であるので、強豪同士が当たる
場合では、頑張って1位を取るか、あるいは戦略上等の
理由(例:姉妹チームの潰し合いを回避したり、
新人メンバーの調整を行う、等)において、あえて
2位以下の順位(敗者復活戦に行く)を甘んじるケース
もありうるし、純粋に競り負けて1位を取れない状況も
勿論ある。
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注目は混合予選第三レースであり、ここは
「TOKYO DORAGON」(東京龍舟サブチーム、昨年決勝進出)
「すいすい丸」(今期好調。前月の堺泉北港大会優勝)
「INO-G」(本、日本選手権で4回の優勝。上写真は鼓手)
が、ガチで1位抜けを狙い、57秒台の好タイムにおいて
コンマ差の三つ巴の超接戦であった。

結果的に「TOKYO DORAGON」が競り勝ったが、ハイレベル
な戦いなので、破れたチームも必ず敗者復活戦から勝ち
上がってくるだろう。で、本大会は参加チーム数が多く、
予選→敗者復活→準決勝→決勝→(国際決勝)の
レースフローにおいて、十分なインターバルの時間が
あるので、体力的な(敗復で1本余計に漕ぐ)心配は
無さそうである。

なお、タイムであるが、基本的に予選の方が良い。
これは、午前中は大阪湾は干潮であり、また前日までの
雨により、会場の大川は良く流れていて「追い潮」で
あるからだ。ただ、昼頃から午後、夕方にかけ、大阪湾
が満ちてくると、水流はだんだんとスロー化していき、
タイムが低下していくとともに、複雑な水流が微妙に
レースコンディションに影響する場合もある。だが、
これはまあ、運の要素や順位関係もあり、総合的に、
どのチームやどのレーンが、有利だとか不利だとかと
いう話には、あまり繋がらない。
(注:あえて言うならば、午後からの第5レーンは、
岸壁からの反射波の影響で、やや水流が厳しく、一部の
地点で「漕ぎが重く感じる」と言われているが、これも
レース順位や時間帯によりけりな模様だし、大型観光船
(水上バス)等の通過後のタイミングにも応じて、目に
見えない水流の影響がありそうである)
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ここでちょっと余談、上写真は本大会名物の「天神カレー」
である。選手や関係者に配布されるのは1杯づつであるが、
大量に作る為、昼食後の時間帯には、余る場合が殆どであり
余ったカレーは、希望者に無料配布される事が多い。

私はこの天神カレーが好物であり、例年、複数回おかわり
するのだが、今年は計3杯であった。これは毎年の最小
ノルマであり(笑)必ず3杯以上(最高記録は5杯)は
食べる事にしている。「大食い選手権」に挑戦する選手を
募集中なのだが、5杯は恐らく本大会記録だ(笑)
ただまあ、私は常に大食いという訳では無く、本大会の
撮影は体力を消耗するので、沢山食べて、水分も沢山
取らないと持たない、というだけである。そして今回は
最高気温26℃と低く、暑さによる体力消耗は少ないので
カレーも3杯だけと控えめだ(笑)

今年もおいしく頂きました、調理スタッフの皆様、
毎年、ご苦労様です。
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さらに余談、上写真は「ワールド・マスターズ・ゲームス
2021関西」の、告知スタッフのブースである。

同大会での「ドラゴンボートの部」の開催日程が決定、
2021年5月29日(土)~30日(日)の2日間だそうだ。
場所は、琵琶湖競艇場(スモール選手権と同一会場)だ。

参加料は1人15,000円と高目、ただし1度の登録で5種目まで
参加できる模様であり、例えばドラゴンの他に、カヌーや
自転車(ロードレース)、球技、陸上など、任意だそうだ。
ドラゴンの場合、チーム登録の前に、個別に個人での参加
登録が必要で、その後、チームとしての編成となるそうだ。

私が聞いているのはここまでであるので、さらなる詳細は、
「ワールド・マスターズ・ゲームス2021関西」のWEB等で。
なお、KIX大会でも例年、担当者がブースを構えているので
直接聞いてみるのも良いであろう。
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閑話休題、「混合の部」は予選と敗者復活戦を終え、これより
準決勝となる。その組み合わせを紹介しておこう。

第23レース、混合準決勝第1組
1レーン:すいすい丸(京都)
2レーン:TOKYO DRAGON(東京)
3レーン:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4レーン:Fish Eagle Dragon Boat Team(香港)
5レーン:吹田龍舟倶楽部(大阪)

第24レース、混合準決勝第2組
1レーン:INO-G(埼玉)
2レーン:東京龍舟(東京)
3レーン:関西龍舟シンバ(兵庫)
4レーン:Bon Oyage(東京)
5レーン:関西龍舟バーバリアンズ(兵庫)

順当な結果とは言えるが、あえて言うならば若干の波乱が
あって、静岡の強豪「うみひ」(旧:海猿火組)と、
滋賀の強豪「龍人」(どらんちゅ)の強力なコラボチーム
「Drahaaan! うみひ☆どらんちゅ」が予選敗退となって
しまっている(下写真)
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まあでも、「うみひ」は「スモールの部」にも、重複
エントリーしていて、そちらは決勝進出して3位入賞
(注:1位2位は海外勢だったので国内最上位)で
あった事は前編記事で紹介した通りである。

そして、混合の部は、ここ(準決勝)からが面白い。
これらのチームは実力伯仲、どこが勝って決勝戦に
上がっても不思議では無い。ちなみに決勝に上がる為
には2位迄ならば文句無くOK、3位ならば両準決勝で
タイムが良かった方のチームが勝ちあがりだ。

ただし例外があり、海外チームは国内の「選手権決勝」
には出られず、その後に行われる「国際決勝」に出る
事となるので、うまくすれば4位のチームですらも
タイムによっては決勝に出れるチャンスがある。

特に、準決勝第1組の「Fish Eagle」(香港)は、
超強豪であり、2017年のKIX(関空)大会で優勝して
いる。つまり準決勝第1組の国内チームからすれば
「Fish Eagleは、居ないもの」と思ってレースに
臨むのが得策であろう。

それから、本大会は大阪で行われているが、既に
大阪の地元チームは「吹田龍舟倶楽部」しか残って
おらず、他は全て他地域のチームである。


これはつまり「全国から強豪が集まる、レベルの高い
大会である」という状況を示し、近年の選手権クラスの
大会では、良く見る状態だ。もう1つの選手権級の
大会として、滋賀の「スモール選手権」があるが、
こちらも準決勝以降、地元滋賀県勢が1つも残って
いない事も良くある。

なお、大阪府も滋賀県も、ドラゴン競技が盛んな地域で
あって、それ故に選手権大会もそうした場所で行われて
いるし、それぞれの地元チームも、決して弱い訳では
なく、かなりの強豪チームがいくつも揃っている。
それなのに、地元勢が全滅に近い状態にまで追い込まれて
しまうのは、やはり選手権クラスの大会は全国区であり、
レベルがとても高い、という事だ。

そして、混合の部は、実力伯仲の大激戦区でもある。
ここから厳しい準決勝を勝ち抜け、さらに厳しい決勝戦で、
入賞や優勝の栄冠を勝ち取るのは本当に大変な事だ。

個人的には「選手権クラスの大会での決勝進出は
地方大会の優勝クラスの栄誉がある」と思っていて、
決勝に進出するだけでも十分であり、たとえ入賞
できずとも「日本で4位(5位)!」とかと周囲に
自慢げに言っても全然オッケーだと思っている。

さあ、混合の部準決勝第1組のレースの模様だ。
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写真は中盤戦の模様。
このレースには、前述の香港の超強豪「Fish Eagle」
が居る(本記事冒頭写真の手前チーム)、彼らは1位に
なるだろうが国内決勝には参戦できないので、ここでの
注目点は3位争いだ。つまり3位迄であれば(国内)決勝
進出は確定であり、4位であっても準決勝第2組での
3位のタイムを上回れば決勝に進める。

その3位争いの焦点となっているのが、上写真での
2レーン「TOKYO DRAGON」と、3レーン「琵琶ドラ」で
ある。

「TOKYO DRAGON」は、「東京龍舟」のサブチームである。
近年の東京地区においては、超強豪チームは「東京龍舟」
のみという状況だ。これの遠因としては、東京という
土地柄においては、仕事等での人の動きが激しく、ライフ
スタイルが多様化しているからだろう、と分析している。

つまり、20人以上もの固定的なメンバーを長期に渡って
維持しつづける事は難しく、いくつかあった強豪チーム
も、多くが活動停止に追い込まれてしまい、その残存
メンバーで、ドラゴンを漕ぎ続けたい選手達が、皆、
「東京龍舟」に集まってきているからだと思われる。
その為、本大会でも、例年60名以上の「東京龍舟」の
選手達が大挙遠征してきていて、これは関西圏チームを
含めても本大会の最大勢力となっている。

主力は「東京龍舟」であり、「TOKYO DRAGON」は
サブチームなのだが、とは言え、他地区での強豪
チーム並みの実力値を誇る。本、日本選手権でも
昨年に決勝進出しているので、あなどれない。


手前「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」だが、こちらは
滋賀県の最大勢力チームである。主力メンバーは恐らく
30名程度であり、関西圏の大会ではスモール化が進んで
いるので、そうした大会では、2~3チームの複数
エントリーも普通であり、多くの場合、それらの複数で
上位の好成績を収めている。女子チームも優秀であり、
「びわこペーロン」の女子の部では連覇中である。
今回は、複数エントリーをやめて「混合の部」に
集中している、恐らくはベストメンバーに近い状態で
あろう。
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この準決勝第1組の結果は以下となった。
1位:Fish Eagle(香港)
2位:すいすい丸
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ (1分02秒03)
4位:TOKYO DRAGON (1分02秒22)
5位:吹田龍舟倶楽部

この時点で「すいすい丸」と「琵琶ドラ」が、(国内)
決勝戦へ進出決定。「Fish Eagle」は国際決勝に進む。

混合の部で唯一残った地元大阪の「吹龍」(上写真)
は、残念ながらここで敗退だ。

「TOKYO DRAGON」は、4位ながら、次の準決勝2組
の3位とのタイム順で決勝進出できるかが決まる。

---
さて、注目の準決勝第2組。
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中間地点、2レーンの「東京龍舟」(東ドラ)が速い。
1レーンの「INO-G」は、撮影アングルの関係で写って
いないが、悪くなさそうで、「東ドラ」に追従している。

この2チームは、2013年~2018年の期間、混合の部の
優勝を分け合っているライバル関係である。
このまま行けば、今年も、この2チームは決勝に進出し
優勝争いに絡んでくるであろう。
問題は3位チームだ、準決勝第1組の「TOKYO DRAGON」
の1分02秒台を上回らないと、決勝に進めない。


3レーンが「関西龍舟シンバ」、4レーンが「Bon Oyage」
5レーンは「関西龍舟バーバリアンズ」である。
この中間地点では5レーンがやや有利、しかし前述の
ように、5レーンの水流は不安定であり、運が悪いと
ここから先、漕ぎが重くなって速度が落ちてしまう。

「関西龍舟」であるが、他大会で2017年~2018年の
間に、実に4度の「ワンツーフィニッシュ」を達成して
いて、とても好調だ。しかし、ワンツーを実現した
4大会は、いずれも10人漕ぎである。

これはつまり20人迄であればベストメンバーが得られる
という事であろう。
で、「関ドラ」は、基本的にダブルエントリーの場合に、
両チームにあまり実力差をつけない方針であり、これは
どちらかのチームが敗れても他チームがバックアップ
するという戦術で、私は「関ヶ原の真田家」方式と
呼んでいる(参考:戦国時代の真田家は、天下分け目の
”関ヶ原”の戦いで、兄の信之(信幸)は徳川方(東軍)
に付き、弟の幸村(信繁)は、西軍の石田方に付く。
まあ背景に複雑な事情があるのだろうが、それでも、
「どちらが勝っても真田家は存続できる」事となる)

ただ、真田家方式が取れるのは、メンバー数が潤沢な
場合だけである、正規メンバーが足りない状態で
実力を平均化したら、両方とも負けてしまう。

「関西龍舟」は、昨年の本大会では、混合の部に
「関西龍舟シンバ」をエントリーし、こちらは3位と
なっている。そして、それと同時に、スモールの部に
「関西龍舟バーバリアンズ」「関西龍舟白鹿」の
2チームをエントリーしてる、恐らくこちらは育成枠
であって、新人選手達が乗っていたと思われる。
その昨年のスモールの部では、両チームともに決勝へ
進出していて、「バーバリアンズ」が優勝、「白鹿」が
5位となっていた。この好成績を見て、今年の大会では
「白鹿」と「バーバリアンズ」を合併、20人漕ぎの
レギュラーチームとして(選手権)混合の部に参戦した
というシナリオであろう。

・・で、あれば、新生「バーバリアンズ」は、まだ
育成途上であるから、戦績はあまり関係無い。数年後に
両姉妹チームで「日本選手権ワンツーフィニッシュ」の
偉業を狙えば良い訳だ。(注:その快挙は、「関ドラ」は

2010年の第一次黄金期で、すでに実現している)
現状では、その為に、試合経験を積んで行けば良いの
だろうと思う。

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こちらの準決勝第2組の結果は以下となった。
1位:東京龍舟
2位:INO-G
3位:関西龍舟シンバ (1分03秒01)
4位:Bon Oyage
5位:関西龍舟バーバリアンズ

この時点で、「東京龍舟」と「INO-G」は文句無く決勝進出。
注目のタイム順は、第1組の「TOKYO DRAGON」が
「関西龍舟シンバ」を約1秒上回り、決勝進出となった。

「Bon Oyage」(上写真)は、ここで残念ながら敗退だ。

番狂わせとしては、「関西龍舟」が、決勝進出を
逃してしまった事である。全ての記録を調べた訳では
無いが、少なくともここ10数年程の本大会で「関西龍舟」
が決勝に進めなかったのは初めてではなかろうか?


前述のように「関西龍舟」は、ここ数年好調であり、
私は「第二次黄金期」と呼んでいる位なので、若干の
不思議もあるのだが、でもまあ、前述のように新生
「関西龍舟」は現在発展途上である。
来年以降は、きっとまた決勝戦で「関西龍舟」の
勇姿が見れる事であろう。
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さて、決勝戦の話に進む前に、混合の部「B決勝」の
模様を伝えておく。(上写真)
「B決勝」とは「下位決勝」あるいは「詳細順位決定戦」
という意味合いで設けられている。
本大会の場合は「準決勝に進出できなかったチームの
中から上位(優勝)を決める」というルールであり、
まあ、11位~15位決定戦だ。

混合の部B決勝の結果は以下だ。
1位:Drahaaan! うみひ☆どらんちゅ(静岡+滋賀)
2位:東海龍舟(愛知)
3位:Team BANANA(兵庫)
4位:チーム☆ニライカナイ(東京)
5位:チーム未来(大阪)

例によって地方色が豊かな取り合わせであり、これは
日本選手権らしく、好ましい傾向だ。
結果、本大会での(オープンの部)で決勝進出経験の
ある「うみひ」系コラボチームと、同じく決勝常連の
「東海龍舟」が上位の結果。

まあつまり、本、日本選手権においては、B決勝で
あっても地方大会での準決勝~決勝並みのハイレベル
である、という事であろう。
「(日本選手権では)決勝進出ですら価値がある」と
前述したのは、あながち的外れでも無いと思う。

B優勝、とはいえ「日本で第11位のチーム」であるから
なかなかのものだ。例えば、他のスポーツでのランキング
11位は、もう一流のトッププレーヤーであろう。
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さて、大注目の(選手権)混合の部の決勝戦が
スタートした。上写真は中盤戦だが、すでに3レーン
「東京龍舟」がリードの気配。珍しく混戦にならずに
独走か? いや、それはまず無い。上写真はアングルの
関係で右に向いて撮影しているので、手前1レーンと
2レーンの艇は遅れて見えるだけだ。

レーン割りを示しておこう。
1レーン:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
2レーン:すいすい丸
3レーン:東京龍舟
4レーン:INO-G
5レーン:TOKYO DRAGON

本大会では、ポールポジション(準決勝タイムによる)の
3レーンが若干有利だ、という定説であるが、これは3レーン
が先行した際に、両脇の2、4レーンは、その引き波の
影響を受ける事。(注:本会場はレーン間隔が狭い)
また、最も端の1、5レーンは岸壁からの反射波で
水流が不安定となる(可能性がある)という事からだ。

ただ、これらは、あくまでシナリオどおりに「3レーンが
大きく先行した場合」であり、独走が生じ易い「オープン
の部」では顕著であろうが、全チームがほぼ並走して混戦
状態となる「混合の部」では、そうしたレーン間の条件差は
生じ難い。事実、「東京龍舟」が8年ぶりに優勝した2016年
の本大会決勝では、5レーンからのスタートであった訳だ。
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c0032138_19065504.jpg
混合の部決勝、ゴール地点の模様。
すでに3レーン「東京龍舟」はゴールしており、これで
昨年優勝に続き、2連覇である。
すると注目は2位争いとなる。
手前2レーンの「すいすい丸」か? 4レーン「INO-G」か?

「すいすい丸」(京都)は、近年非常に進歩が目覚しい。
今年は特に好調であり、5月の宇治大会(練習拠点)では
オープンの部で「bp」に次いで準優勝。
同5月の東京大会では混合の部で準優勝。
前月の堺泉北(高石)大会では、史上初のダブルエントリー
づつの2チーム計4チームによる決勝戦となり、そこで2年
連続ワンツー継続中の「関西龍舟」軍団を押さえ、優勝と
3位を獲得している。

数年前に「すいすい丸」は、「INO-G」(埼玉)(当時
本大会3連覇中)の指導を仰ぐ為、メンバーがわざわざ
京都から埼玉まで遠征練習を行っている。

その「師匠チームINO-G」への恩返しの為、「すいすい丸」
は本大会で初の「入賞」を目指したい。(注:これまでは
2017年に決勝進出が1度あっただけである)
また、「INO-G」も、ここ6年間は本大会で、必ず優勝か
準優勝だし、「弟子のチーム」に負けるわけにもいかない・・


意地と意地のぶつかりあい、各々のチームには、それぞれ
勝たなくてはならない理由が存在する。

結果、最終順位は以下となった。
1位 :東京龍舟
2位 :すいすい丸
3位 :INO-G
4位 :TOKYO DRAGON
5位 :琵琶湖ドラゴンボートクラブ

各々の順位差は僅差~半艇身程度。
1位から5位までの差も3秒半という感じで、これは
ほぼ1艇身程度だ、例によっての大混戦・大激戦であるが
やはり微妙な実力差がコンマ差の順位に直結する。
だからまあ、「混戦」と言いつつも、例年の順位に
大きな変動は無いのであろう。
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c0032138_19065544.jpg
この中では初入賞となった「すいすい丸」の健闘が光る。
(上写真)
スポンサーを持つ希少なチーム、ドラゴン競技のプロ化が
将来起こるならば、その先駆けとなっているチームだ。
ここ数年間で急成長し、既に多数の入賞・優勝経験を持つ
チームではあるが、より精進し、来年は同チーム初の
「日本一」を狙って来る事は間違いない。
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c0032138_19070756.jpg
上写真は優勝した「東京龍舟」、これで2連覇だ。
サブチーム「TOKYO DRAGON」とともに、決勝進出が
定位置になりつつある。潤沢なメンバー構成である事が
最大のメリットであろうが、今後は同チーム初の
「日本選手権ワンツーフィニッシュ」を狙って来るであろう。
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c0032138_19070785.jpg
さて、(選手権)混合の部の表彰式の模様だ。
上写真は、2連覇で通算7度目の優勝の「東京龍舟」
である。王者の貫禄が身に付いてきた。 
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c0032138_19070711.jpg
対して、本大会初入賞、フレッシュな感覚の「すいすい丸」
である。数年前の本ブログ記事では、「すいすい丸」はまだ
「成長する可能性が高い中堅チーム」に過ぎなかったのが
”ついに日本2位の位置まで来た”という事である。

でも、当然ながらこれで満足する事は無い、これから
真の「黄金期」を築く為に、選手権大会優勝、その連覇、
海外進出、等の、長くて厳しい道のりが控えている。
まあ、どこまで「すいすい丸」が伸びていくのか、
楽しみである。

なお、余談まじりの参考情報としては、近年、すいすい丸は
チームユニフォームの改定にハマっている模様で、毎回
見るたびに、ユニフォームのデザインが変わっている。
私が同チームの練習会や体験会の見学に行った際にも、
す「お~い、新しいユニフォームが出来たぞ」
と、誰かが持ってくると、残りのメンバーが
す「どれどれ? わ~い!かわいい~(格好良い~!)」
と大盛り上がりだ。

まあ、こういう些細な事も、チームの連帯意識や練習の
モチベーションを高めるきっかけとなっているのであろう。
若干お金はかかるが、他チームでもユニフォームの新調は
気持ちの切換やリフレッシュの効果があるかも知れない、
伸び悩むチームへの参考まで。

----
最後に参考まで、国内(選手権)混合決勝の後に行われた
エキシビジョンの国際(混合)決勝では、香港チーム
「Fish Eagle Dragon Boat Team」が「東ドラ」等の追撃
を振り切って優勝している。
2017年のKIX大会でも「関ドラ」等の国内や海外強豪チーム
を押さえて優勝したチームであり、さすがにレベルが高い。

国内のドラゴン界も(超)強豪チームが育ちつつあるが
まだ海外のレベルには、少し追いついていない状況かも
知れない・・

----
さて、本記事はこのあたりまでで、次回後編記事では
(選手権)オープンの模様を紹介しよう。


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