2019年6月16日(日)に大阪府高石市・大阪府立漕艇センター
にて行われたドラゴンボート大会(通称:高石大会)の観戦記事。
今回、後編では「エキスパートの部」における「男女混合の部」
および「オープンの部」の模様を紹介して行く事にしよう。
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大会当日の天候は晴れ時々曇り、短時間だけにわか雨。
最高気温は30℃をやや下回るくらい、風はやや強く、
7m/s前後、レースに対して向かい風である。
大会のレギュレーションや大会会場については、前編記事や
昨年以前の本大会の記事で色々と書いてあるので、今回は
ばっさりと割愛しよう。では早速「(男女)混合の部」の
模様について・・
<男女混合の部の見所・結果>(以下、「混合の部」)
本大会の混合の部は、昨年第8回大会、一昨年第7回大会
ともに「関西龍舟」のダブルエントリー、1&2(ワンツー)
フィニッシュ(優勝、準優勝を独占する)の状態が続いている。
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すなわち「関西龍舟」(上写真)としては、この時期が
「第二次黄金期」に当たり、非常に強い。
(参考:関ドラの第一次黄金期は、およそ2010年前後)
ちなみに、その2年間では「ぴわこペーロン大会」でも、
続けてワンツーフィニッシュを実現していて、実に2年間で
4回の大記録は、勿論、前人未踏だ。
なお、余談だが、本大会の開催回数は、現状西暦の下1ケタと
同じであり、例えば第2回大会であれば2012年、と覚え易い。
(ただし、災害などで大会中止の年が出たら、この同期は
狂ってしまうし、2020年以降も数字がわかりにくくなる)
さて、混合の部の見所であるが、「関西龍舟」(以下、関ドラ)
の牙城を、どこのチームが崩すか?、という点である。
ちなみに、昨年(2018年)の3位は「吹田龍舟倶楽部」
(以下、吹龍。下写真)であり。
2017年の3位も「吹田龍舟倶楽部」(チーム名SRC)である。
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2016年まで遡ると、この年は「関西龍舟」は未参加であり、
1位「すいすい丸 トレイン」2位が「吹田龍舟倶楽部S」
3位「すいすい丸 工場」となっていた。
したがって、今年の見所としては、ここ数年間の本大会で
好調の3チーム「関ドラ」「吹龍」「すいすい丸」(下写真)
の三つ巴状態の激戦を期待したいところだ。
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なお、「関ドラ」と「すいすい丸」は、今年もダブル・
エントリー(2チームを同一カテゴリーに出場させる)
であるが、「吹龍」は「混合」+「オープン」の変則的
ダブルエントリーとなっている。
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他にも、ダブルエントリーチームが2つ(計4チーム)ある。
「Team BANANA Ray」「Team BANANA Wa」および
「河童 令子」「河童 和子」である。
上写真手前は「河童 令子」、写真奥はベテランであり
関西圏各大会の運営にも尽力している「Team 風」である。
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で、BANANA(上写真)や河童のサブチーム名は、
勿論「令和」にちなんでいる。
匠「BANANAさん、このチーム名"令和"ですよね?
河童さんと、モロにかぶっているのですが・・」
B「あはは・・(汗) 本大会へのエントリー時期が、
丁度、新元号が発表された頃だったので・・」
「(Team)河童」だが、ご存知、女子チームである、
本大会会場(高石市・大阪府漕艇センター)を練習拠点と
しているチームであり、つまり、ここはホームグラウンドだ。
だから、地元で勝ちたい、という気持ちは強いであろう。
過去、本大会が20人漕ぎであった頃(2年前まで)は、
「男女混合の部」の参加資格は、ルール的に公式には
「男子8名以上、女子8名以上、計16名以上」という事で
あったので、女子ばかりのチームでは(性別制限の無い)
オープンの部にしか参加が出来なかった。
これはちょっと可哀想であり、さすがの女子強豪の「河童」
でも、男子ばかりのカテゴリーでは勝ち目が薄い。
(注:それでも10数年前には、和歌山大会で3位に入賞
した事があるので、たいしたものである)
余談だが、2014年に1度だけ開催された、「猪名川大会」
では、マッチレース形式であり、たまたま、市内の部で
奇数で半端となったチームと「河童」が当たる事となった。
それまでのレースは初心者の市内チームばかりで、ペースが
とても遅かった状況でだ。
「河童」と当たった市内チームの陸上応援団の人達は、
応「へ~、女の子のチームだってさ、カワイイね!」と
たかをくくっていたのだが・・
いざ漕ぎ出してみると、「河童」は容赦しない全力漕ぎ、
(注:タイム戦なので、全力は当然であっただろう)で
およそ6艇身(20秒)以上も大差がつく、ブッちぎり状態
となり、初めて強豪専業チームの漕ぎを目の当たりにした
応援団の人達も絶句、まさしく”開いた口が塞がらない”
という状態となっていた。(下写真がそのレースの模様)
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閑話休題、男女漕手比率の件だ・・
昨年、本大会がスモール化(10人漕ぎ)となってからは
その厳密なルールが緩和され、明文化されなくなっている。
つまり、恐らくだが「女子が4人以上」であれば、混合の部
に出られる、という内規であろう、よって「河童」もこれで
混合の部に出場できるようになった。
この措置はフェアであるので好ましい。他大会でも
このルールを導入するのが良いと思うし、そもそも本大会の
「ビギナーの部」「エキスパートの部」の完全実力別
カテゴリー分けも、近年のドラゴン界の世情にマッチして
いて好ましい。
どうやら高石商工会の担当者も、良くドラゴンの事を勉強
しており、課題の認識力、問題解決能力も高い模様だ。
お役所的な、事無かれ対応になりやすい、他の地方イベント
等とは一線を画す臨機応変な対応は素晴らしいと思う。
・・まあ、とは言え、一部の先進的な大会では、数年前から
もうこの形式が普通だ。そろそろ、そうなっていない方が
珍しい大会となって来ているとも言えるのだが・・
一部の地方大会等では、地元の運営側で、この課題
(ビギナーチームと、専業チームと呼ばれるエキスパート
チームが存在し、その実力に大差がありすぎる)を
まだ認識していない状態である。
もし、これらを同一カテゴリーで混在させてしまうと、
100%専業チームが勝利し、地元ビギナーチームなどが
「どうせ勝てないから」と、大会への参加意欲が減退し
数年で、大会そのものが規模縮小して運営が困難となる。
私も、可能な限りその課題は地方大会運営側等に伝えては
いるが、なかなか問題点の改善が進まない状況もある。
(注:地方大会の運営は、ドラゴン協会等は担当しておらず、
地元の自治体や観光協会、商工会、企業等により行われる
場合がある、そうしたケースでは担当者交代制が多く、
2~3年で運営担当者が変わってしまう事も良くある。
新任担当者は、大会運営上の課題は当然知らず、無意識的に
前年迄の大会のやりかたを、なぞってしまっている事が
課題なのであろう)
さて、事前説明が長くなった、実際の「混合の部」の様子
およびポイントを解説していく。
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上写真は第9レース、混合の部予選第一レースの模様。
ここでは優勝候補の「関西龍舟 白鷹」と、対抗勢力
筆頭の「すいすい丸 トレイン」が当たる。
本日の両チームの調子を見る上で重要なレースとなるが、
上写真のように3レーンの「すいすい丸」がリードし
最終的には「関ドラ」は、約3秒差の2位である。
「すいすい丸」のタイムは1分を切っていて、弱風状態
では、ほぼ混合の部におけるベストタイムに近い。
普通にこれを見たら「あれ? 関ドラは調子が悪いのか?」
と思う事であろう。 でも、そうでは無い、この展開には
高度なレース戦略が隠されている。
「関ドラ」はダブルエントリーである。姉妹チームの
「関西龍舟 白鹿」は、第11レースに出場する。
ところがレースフローを良く読み込むと、本第9レース、
および第11レースで1位となれば、いずれも直接的に
第29レースの準決勝に進む事が出来る。
そして準決勝から決勝に進出できるのは、準決勝上位の
2チームだけだ。
もし、予選の第9レースと、第11レースで「関ドラ」の
姉妹チームがいずれも1位となると、両者は準決勝で
ぶつかってしまう、そこで1位2位を取れるならば良いが、
そこに敗者復活から上がって来た強豪の「すいすい丸」や
「吹龍」が居ると、とても厄介だ。
なので、安全策を取るならば、この第9レースでは、
関ドラは2位となる方が望ましいのだ。そうであれば、
本大会はメンバー交代等には寛容なレギュレーションで
あるので、例えば、新人メンバーを乗せてレース経験を
積ませても良いし、あるいはペース(レート)を調整して
2位に入るようにコントロールすれば良い。
そうすれば、最大のライバルとなる「すいすい丸」に
自身のチームの手の内を明かさずにも済む訳だ。
(例:仮にライバルチームにビデオを撮られて、漕ぎの
レート等を分析されたとしても、それは全力では無いので
無意味となる)
とても高度な戦略ではあるが、今時の強豪専業チームは、
これくらいの分析や戦略は行ってきている。こうした事を
称して、「試合巧者」と呼んでいるのだが、まあつまり
こうした高度な戦略をしっかりと実行できるから、強豪に
なって、優れた戦績を残す事が出来る訳だ。
なにも考えず、ただただ全レースを全力で漕いでいるだけ
では強豪チームにはなれない、という事なのだろう。
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他の注目レースの解説をしておく、
第9レースと、第11レースの「河童」(ダブルエントリー)
は、いずれも「関ドラ」と当たっているが、両「河童」は
善戦していて、「関ドラ」との差は1艇身程度だ。
まあ、上写真は第9レースで、前述のように関ドラは
ペース調整を行っていた状態ではあるが、第11レースの
関ドラ(白鹿)と河童(令子)の差は2秒程度だ。
普通、「混合の部」と「女子の部」では、200m戦で
5秒程度の差がついてしまうので、これは「河童」の
調子が良い、と判断するのが妥当だ。
匠「あれ~? 河童さん、漕ぎを変えましたか?」
河「えっ? わかります?」
匠「わかりますよ~ 昨年までは”直立漕ぎ”だったけど
今年はだいぶ前傾しているし、それでいてストローク
のタイミングも違う(やや遅い)みたいだし」
河「あはは、詳しくは秘密です」
匠「じゃあ、あとで撮った写真で分析しようかな?」
河「そんな事が出来てしまうのですか? 怖いなあ・・」
匠「私が分析しても、チームでは無いので意味が無い(笑)
まあ、分析は、どのチームも必ずやっていますよ。
ともかく速くなったのは良い事です、今日は河童さん
にとってホーム大会だし、混合の部にも出れているので、
頑張って下さいね」
その後、敗者復活戦に進んだ「河童」の2チームだが、
「令子」の方は準決勝進出なるものの、「和子」は
残念ながら予選敗退だ。
その後、両チームのメンバーが話しているのを聞いた。
令「和子!、こっち(令子)は準決勝進出だよ。
予選を見ていた匠さんも、違うレースなのに
”令子の方が2秒ほど速い”って言っていたよ!」
・・・あはは、ちなみに、そんな事は言っていない(笑)
ストップウォッチも持たず、正確にタイムは測れない。
で、その「令子」も準決勝で敗退だ、でもまあ、本大会は
先に繋がるものを見せてくれたので、よかったのでは
なかろうか? 翌月の「日本選手権」(女子の部あり)が
楽しみだ。(注:7月14日開催予定)
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さて、予選を終えた段階で、準決勝(各3艘建て、2位迄は
決勝進出)の組み合わせは以下のようになった。
混合の部、準決勝第1レース(第29レース)
第2レーン:関西龍舟 白鹿
第3レーン:すいすい丸 トレイン
第4レーン:Team BANANA Ray
混合の部、準決勝第2レース(第30レース)
第2レーン:関西龍舟 白鷹
第3レーン:すいすい丸 工場
第4レーン:河童 令子
絵に描いたような「予定調和」の組み合わせとなった、
ワンツーフィニッシュ継続中の「関西龍舟」と、
「関ドラを倒す為に今日は来た」と言って、ベストメンバー
でダブルエントリーを仕掛けてくる刺客「すいすい丸」
(上写真では円陣を組んでいる)
そして、さらにダブルエントリー「新元号かぶり」(笑)
の2チームの、いずれも「令」の方のチームが残った。
結局、このように「姉妹チーム」同士が当たらないように
レース順位を調整できる高度なレース戦略を持つチームが
「試合巧者」と言えるだろう。 関ドラはその筆頭格だが
他の「試合巧者」チームとしては、「琵琶湖ドラゴンボート
クラブ」(本大会欠場、各地の大会で優勝多数)および
「Rスポーツマンクラブ」(男子最高齢チームながら、
いまだ各大会で上位に入賞できるベテラン)等が居る。
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で、強豪「吹田龍舟倶楽部」が、予選敗退となって
しまっているが、今回、「吹龍」は、混合とオープンの
変則ダブルエントリーで、予選タイムから見ると、
オープンの部の方を主力チームとしているように見られた。
さて、準決勝を終え、「関ドラ」と「すいすい丸」が
2チームづつ決勝進出、この状態は、私が知る限りでは
「ドラゴン史上初」である。レーン割りは以下の通り。
混合の部、決勝レース(第34レース)
第1レーン:関西龍舟 白鹿
第2レーン:すいすい丸 トレイン
第3レーン:すいすい丸 工場
第4レーン:関西龍舟 白鷹
観戦している他チーム選手達も、この状況には大注目、
決勝前には「関すい関すい」や「すい関すい関」といった
呪文のような言葉が流れる、「関関同立」や「前前前世」
を連想してしまうが(笑)、これは勿論順位予想であり、
どういう順番で4チームがゴールするか?という意味だ。
それでも面白い事に「関関すいすい」「すいすい関関」
といった、一方的にどちらかが勝つレース予想をしている
選手等は1人も居ない。まあ、私もそう思う、これらの各
チームは今日の大会では実力伯仲であり、かつどちらの
ダブルエントリーも、チーム間の実力値は「イーブン」に
設定されている、そう簡単には勝たせて貰えない状況だ。
さて、めずらしく私もレース展開が全く事前予想できない
決勝戦となった。やむなく撮影地点をコース中央の
100m地点とし、何が起こっても備えられる(撮れる)
ようにしておこう。この中間地点では、最終のゴール
地点を撮影できないがやむを得ない。また最終順位も不明と
なるが、それについては、どうせ超接戦となるだろうから
大会本部からの写真(ビデオ)判定の結果を待とう。
さあ、実力伯仲の決勝戦がスタート!
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中間地点で、2レーンの「すいすい丸トレイン」が
約半艇身のリード、まだこの時点で「関ドラ」系の
逆転はありうるが、「関ドラ」の3年連続ワンツーの
記録更新の夢は、残念ながらこの時点で費えしまって
いる、「すいすい丸トレイン」が優勝争いに絡む事は
もう確定的であるからだ。
すると興味の対象は、試合前からの順位予想の呪文で
あって、それは「すい関関すい」「すい関すい関」
「すいすい関関」のいずれかになるだろう。
まあ、関ドラとしては「すいすい関関」の順位になる
屈辱は許されない、なんとしても「すいすい丸」の
ワンツーを阻止しないとならないのだ。
この時点で、面白い事に、両姉妹チームの立場が逆転、
「関ドラ」のワンツーを阻止しに来た「すいすい丸」が
逆にそれを「阻止」されるべき対象となってしまっている。
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終盤、1レーンの「関西龍舟 白鹿」と、2レーンの
「すいすい丸トレイン」の接戦模様となった。
写真は、右に角度がついた撮影なので、1レーンの方が
遅く見える錯覚があるが、実際に真横から見れば、両者の
差はさほど大きく無い筈だ、半艇身以内(1秒程度)の
微妙な差となるだろうが、やはり「すいすい丸」有利か・・
1艇身ほど離れた3位争いも、とても微妙、なお、この時点
でも観戦選手達の順位予想の話はまだ続いていて
「すい関すい関」と「すい関関すい」の2択に集約された。
微妙なゴールとなったが、以下、本部発表の最終順位。
1位:0分59秒78:すいすい丸トレイン
2位:1分00秒74:関西龍舟 白鹿
3位:1分04秒06:すいすい丸工場
4位:1分04秒09:関西龍舟 白鷹
結果的に「すい関すい関」であるが、1位2位の差は
1秒弱と僅差。3位4位の差は、僅かに100分の3秒だ。
勝敗の結果はともかく、凄い決勝戦であった・・
これは、歴史にも記憶にも残るレースとなるだろう。
大会を撮影していた、フォトコン狙いのアマチュア・
カメラマンの人達(ドラゴン自体については知らない)
にも、このレースは印象的であった模様で、一部からは
ア「競馬のように順位投票して、賞金を出せばよいのに」
という意見も出ていた。
匠「その通りですね。まあ、ギャンブルとしての認可が
必要だと思いますが、サッカーの前例もありますし
このドラゴン競技をプロスポーツ化する上では、
そういう検討も必要になるでしょう」 と答えた。
まあ、勝ち艇投票券(舟券)の話はともかく、これだけ
面白い(魅せる)レースをやってくれるのであれば、
一般から入場料を徴収して観戦するにも値すると思う。
各チームの皆様、大変良いレースを魅せてくれました、
そして、お疲れ様でした・・
では「混合の部」の結果は、このあたりまでにして、
以下は「オープンの部」の模様だ。
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<オープンの部の見所・結果>
注目は、超強豪である「bp」が本大会不参加な事だ。
事前のエントリーシートでは「Cool Beauty」の
チーム名が見られたため、一部では「これはbpか?」
と囁かれていた。
「bp」とは、本来は「beauty party」の略であり、
「bp」の創設者の1人である、通称「ビューティさん」
の「仲間(パーティ)である」という意味だ。
だから、「beauty」の名前が付けば、「bpだ」とも
思ってしまうのだが、実は「bp」はそのように捻った
ネーミングの場合にも「p」の文字は活かしていて、
例えば「beautiful people」のようなチーム名と
してきているのが通例であった。
で、もう1つ「beauty」の名前を使うチームがあり、
それは「吹田龍舟倶楽部」である。数年前の大会で
良く「SCB」つまり「吹田Cool Beauty」のチーム名を
使っていて、これはちゃんとチームのTシャツも
作られている(下写真)
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・・さて、という訳で「bp」は本大会欠場である。
2013年シーズンからの参戦で、今年7年目、その間、
地方大会を含め、およそあらゆる大会に出場しつづけ
私も「皆勤賞チーム」と呼んでいたのだが、欠場は
極めて珍しい措置だ。
恐らくであるが、これは翌月の「日本選手権」に
備えての「特訓」または「秘密練習」を行っている
のであろう。bpは「日本一を目指すチーム」として
発足したが、現在、優勝回数は勿論日本一となって
いるものの、ライバルの「磯風漕友会」を倒している
状況では無い。「bp」が「磯風」に勝ったのは、もう
数年前の、ここ高石大会と、同年の日本選手権の2回
のみであり、その後はまた日本選手権では「磯風」の
連覇が続いている。「磯風」は、近年のドラゴン大会は
日本選手権(7月、大阪)しか参戦しないポリシーで
あるので、「bp」が「磯風」を倒し、名実ともに日本一
になるならば、1年に1度、そのチャンスしか無いのだ。
今年、「宇治大会」での様子を見ると、「bp」は、
ひと皮剥けた感じであり、とても好調だ。
「磯風を倒すならば、今年しか無い!」という判断に
なっているのだろうか? その為の秘密練習であろう。
さて、bp欠場による本大会オープンの部への影響だが、
bpに次ぐ強豪チーム達のいずれにも優勝のチャンスが
巡ってきている、という事となる。
近年の本大会の戦績からの具体的なチーム名は
以下のような感じだ。
「しげる」(鳥取)、「池の里Lakers!」(滋賀)
「吹田龍舟倶楽部クールビューティー」(大阪)、
他にも「熊野水軍」(和歌山)や「東海龍舟」(愛知)
も優勝候補と言えるが、今年はそれらのチームは欠場だ。
「bp」が抜けた事で、順位繰り上がりになると思えた
状況であったが、今年、とんでもない「刺客」が新規に
参戦している。
それは相生からの「陸(くが)ペーロンチーム」である。
「陸ペーロン」は、天神大会(現:日本選手権)において
混合の部で、1992年から2005年まで、実に10回も優勝した
まさしく「伝説(レジェンド)のチーム」である。
ただ、15年間も続けていたのでメンバーも高齢化したのか
2000年代後半からは、その活動はぷっつりと途絶えて
しまっていた。(天神/日本選手権にも出場していない)
「伝説のチーム」のその後が気になった私は、2014年に
「相生ペーロン競漕」を観戦しに行った。そこには
「陸ペーロン」は確かに参戦していたが、メンバーを
見ると中学生が多数含まれている、つまり完全に新しい
チームとしてリニューアルされていた訳だ。
その頃には「相生ペーロン」でも、「オープンの部」
という最下層のカテゴリーで「陸ペーロン」は参戦して
いたのだが、順当に戦績を重ね、それから4年の間に
Ⅱ部、Ⅰ部と昇格を重ね、今では「磯風」等と並ぶ
最上位カテゴリーで戦うチームにまで成長している。
これは、なかなか、あなどれない状況である。
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実際の「陸(くが)ペーロン」の様子。もう皆、青年で
ある。まあ、私が見たのは5年前なので、そうなっても
当然であろう。「陸」の監督さん曰く、
陸「まだ、この下にも中学生・小学生が50人程控えて
いますよ(笑)」
とのことであった。陸(くが)は、相生の地区名であり、
まあつまり「町内会」的なチームであるのだが、それに
しても子供達が沢山居る、という、現代の世情からは、
ちょっと信じられない程、恵まれた地域なのであろう。
その状況を滋賀県の町内会チーム「池の里」に話すと、
池「よし、オレ達も頑張って、もう1人生むか(笑)」
との事であった。ニュータウンである「池の里」では
逆に子供が不足していて、キッズ大会への参戦が年々
難しい状況の他、より深刻には「町内会純血」である
「池の里」は、若手メンバーへの交替が出来ず、年々
高齢化して、しんどい状況だからだ。
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それでも、現状、好成績を残し続けているのは
「池の里Lakers!」の経験値から来るものとは言えるが、
そろそろ創設10数年、もう20年が近い現状においては、
さすがにどんな強豪でもベテランでも、同じメンバーで
続けていく事は難しい。
ちなみに、待機中の桟橋で上写真のような漕ぎの練習を
していたので、私は以下のように言った。
匠「池の里さん、その練習方法、とても有益ですよ。
艇に乗りながらだと、他の漕手の漕ぎが見えないけど
そのやりかただと、漕いでいない他の人から適切な
アドバイスができます。
だから、「磯風」も「bp」も、自前で「水槽」を
建設し、そこで選手同士がアドバイスをし合うのです。
池の里地区にも水槽を作ったらいかがですか?(笑)」
池「あはは・・ (ニュータウンに)巨大水槽を作る場所は
無いですよ(汗)」
匠「冗談はともかく、「陸ペーロン」が強いのは確かですが、
「池の里」としては、「今日勝たないで、いつ勝つの?」
という感じです。最大のチャンス到来です、頑張って
優勝を目指してください!」
と伝えておいた。
![c0032138_07053692.jpg]()
もう1つの対抗勢力、「しげる」(上写真手前)はどうか?
鳥取からの遠距離参戦であるが、本大会の常連だ、
そして、ここ数年間の戦績は、判で押したように「3位」
である。ここもbpが居ない事で順位を上げる可能性がある。
結局、「池の里」への説明と全く同じ事が「しげる」
に対しても言える、同じ内容なので割愛するが、まあ要は
「しげる」にとっても、本大会は絶好の機会到来だ。
![c0032138_07053794.jpg]()
今回新任の「しげる」の美人ドラマーに話を聞いてみよう。
匠「今朝鳥取から来たの? 強風で大会が中止にならないで
よかったですね」
し「はい、今朝早くに出ました」
匠「いつもの「アネゴ」(女子ドラマー)は?」
し「アネゴは何か、東京に仕事で行く、とかでして・・
急にワタシが任命されて、昨晩は緊張で眠れません
でしたよ」
匠「大丈夫ですよ、選手達が頑張って漕いでくれます」
・・・まあ、とは言っても、ベテランの「しげる」だ、
本大会の状況分析は、私以上に良くわかっている事だろう。
決勝戦に上がれるのは確実であろうが、予選からそこ迄の
間にどのように体力的なペース配分を行うか?、という
点に尽きるであろう、決勝戦の1レースに集中し、そこで
いかに全力を出し切るか?がポイントとなると思う。
![c0032138_07053632.jpg]()
予選から準決勝までの様子を見ると、やはり「陸ペーロン」
(上写真)は速く、いずれも58秒のタイムで1位抜けだ。
レース前、「陸ペーロン」の選手達から
陸「何秒くらい出せば勝てそうですか?」
という質問があった。
匠「う~ん、コース長は200mジャスト、という感じ
なので、オープン最速チームならば50秒台前半、
しかし、やや向かい風なので、55秒という感じかな?」
陸「55秒? それはヤバいな、オレ達は58秒くらいしか
出せそうもないよ」
匠「その55秒は「bp」が居た場合です、でもbpは今回
欠場なので、1分を切る勝負になると予想されます」
陸「ああ、「bp」ですか(注:恐らく相生でも有名であろう)
であれば、オレ達にもチャンスはあるかな?」
匠「十分にあります、頑張ってここで優勝し、ついでに
天神(日本選手権)にも出場し、ドラゴン界完全復帰
を目指してくださいね。
磯風さん、ドルフィンさんを始め、南風さん、IHI相生さん、
ヤンググリーンさん、相生市役所さん、奴RUN海さん、
セピアさん、フロッグスさん、等、相生地区からドラゴン
に参戦するチームも多いですよ。
相生ペーロンと同一ルールの「高島ペーロン」大会等も
あるし、陸(くが)さんが、こうした近畿圏の大会に
参戦してくれたら、とても喜ばしいです」
陸「そうですね、では、今日は頑張るかぁ!」
![c0032138_07054898.jpg]()
さて、詳細が長くなりすぎて、とても全参戦チームの
紹介が出来ない(汗) 他の注目・参戦チームは名前
のみ上げておこう。まあ、いずれも常連専業チームにつき、
また他の大会で活躍して、詳しく取り上げる事もあるだろう
から、ご了承あれ。
上写真は「クールビューテイー」つまり「吹龍」の
美人ドラマーであるが、オープンの部では実力値を発揮し、
無事決勝進出となっている。
![c0032138_07054851.jpg]()
上写真の「Rスポーツマンクラブ」は、上手くすれば
決勝進出の可能性があったが、準決勝で強豪チーム達と
当り、残念ながらそこで敗退だ。
最高齢の試合巧者チームであり、戦国時代の「真田昌幸」
的な「軍師」(参謀)の存在により、年齢のハンデを
感じさせない見事な試合戦略を見せるチームであるが、
それでも運不運は存在する。
他、「Rowing Team浪わ」(2017年本大会決勝進出)
「近畿車輛電龍」「チーム未来」「一寸防士」「常翔喜龍」
「打艇龍舟倶楽部」は、各々本大会常連チームであるが、
いずれも予選・準決勝敗退となっている。
さて、決勝戦は以下の組み合わせとなった。
オープンの部、決勝レース(第35レース)
第1レーン:池の里 Lakers!
第2レーン:陸ペーロンチーム
第3レーン:しげる
第4レーン:クールビューテイー
ここで気になるのは、「実力伯仲」という点だ。
「陸ペーロン」は、各レース58秒台と安定して好調
ではあるが、準決勝戦、他チームに2艇身以上もの
大差をつけながら、そのまま独走状態でゴールしていた。
ここは決勝に備え、体力を温存しておくべきでは
なかっただろうか? それがセオリーであろう。
だから、「陸ペーロン」の体力が消耗している状態に
おいては、ベテランで百戦錬磨の「池の里」「しげる」
と同等の実力値になるのでは? という予想だ。
しかしここには未知のファクターがあり、恐らくは平均
年齢20歳代前半と若い「陸ペーロン」が、どこまで
体力があるのか? というポイントである。
これについては、「陸」は、およそ14年ぶりのドラゴン
大会参戦であるし、メンバーも総入れ替えであるから、
良くわからない。
つまり「若さ」が、どの程度試合展開に影響するか?だ。
展開が読めないため、この決勝戦も前レースの混合決勝
と同じように、撮影ポイントをコース中間地点に設定した。
さて、運命の決勝戦がスタート!
![c0032138_07054862.jpg]()
前半、陸(2レーン)、しげる(3レーン)
吹龍(4レーン)が三つ巴状態。
「あれ? 池の里(1レーン)はどうした?」
と思うも知れないが、ご心配なかれ、これは撮影地点から
左に角度がついた撮影である、したがって最も手前の
1レーンは写真の構図上には入って来ない。
この後、近くの1レーンの艇は、視界に入って来て、
「角速度」の関係で急速に追い上げてくるように錯覚する。
ちなみに、超高度な撮影技法としては、この「アングルによる
錯覚」を利用し、レースを接戦に見せたり、独走に見せたり
する事も十分に可能だ。まあそれは、かなり「意図的」な
要素もあるので、フェイク(偽り)としての、そういう撮影を
行う事は稀ではあるが、ポジティブ(前向き)な撮影理由と
しては、「構図上でのドラゴン艇の面積を最大にする」
という、本競技撮影上の基本技法が存在する。
真横から1艇や2艇を撮った写真では、構図上の上下が
スカスカに見えて、迫力に欠けるからである。
まあ簡単に言えば「隙間が出来ないように撮れば良い」だ。
こうした技法では「(超)望遠レンズか否か?」という機材
上の差異はあまり問題では無い、ほとんど経験と情報と技量
からなるものなので、撮影機材の性能ばかりに頼る初級中級
カメラマンでは、良く認識しておく必要があるだろう。
・・さて、物理的な制約で構図内に入らなかった1レーン
の「池の里」も、予想どおり、ここから優勝争いに絡んで
きている。
![c0032138_07054863.jpg]()
これがレース後半の模様。
ここも接戦に見える撮影アングルを選択してはいるが、
実際には約半艇身程、2レーンの「陸ペーロン」が先行
している。これで「陸」の十数年ぶりのドラゴン優勝は
ほぼ確定、「池の里」は、また定位置(?)の準優勝に
なりそうだが、もうその件は追求しまい。
それに、気を抜くと、この構図上では見えない第3,4
レーンの「しげる」「クールビューティー(吹龍)」も
すぐ後ろに迫ってきている。
しかし、それにしても「陸(くが)」の漕ぎ方は、
典型的な「相生漕ぎ」である。舷側の高い相生ペーロン
艇に対応した漕法で、パドルを真下に突っ込むように
して、そこから長めのストロークだ。これだとピッチ
(手数)が出にくいのだが、水面から上がったパドルを
戻すスピードが恐ろしく速い、これでレートを速めている
という感じである。
舷側が低く、短距離のドラゴン戦に向くとは言い難いが
そこは若さからか、見事にこの漕ぎ方で速度を上げて
きている。
このままゴール! 結果は以下の通りだ。
オープンの部の最終順位
1位:0分58秒22:陸(くが)ペーロンチーム(兵庫)
2位:0分59秒35:池の里 Lakers!(滋賀)
3位:1分00秒97:しげる(鳥取)
4位:1分02秒71:クールビューティー(大阪)
大阪の大会ではあったが、他県勢が優勢という結果で、
タイム差は順位順で、ほぼ半艇身づつ、という感じであった。
混合の部、オープンの部とも、なかなかの好決勝戦で
あり、十分に大会観戦を堪能できた。
これにて本大会は終了、記事が長くなってきたので
表彰式や閉会式の模様は省略する。
最後に、1つだけ課題を上げておく。
本大会は参加チーム数が多く、かつ強風でスタートが
揃わず、大会の進行が押して(遅れて)しまった。
結果、大会終了時刻が見込みよりも遅く、帰路、会場から
駅までのシャトルバスの最終便が、もう終了しまっていて、
20名以上もの役員や選手達が帰宅難民となっていた(汗)
私もその1人であり、なんとか、他者の車へ分乗する等で
今回は事なきを得たが、この会場は交通の便が悪いので、
そういう点にも運営側は留意が必要であろう。
まあ、高石商工会議所には本件は伝えてあり、かつ、
融通が色々と効く優秀な担当者なので、次回からは
シャトルバス等については改善されると思われる。
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では、本記事は、このあたりまでで。
次回ドラゴン関連記事に続く。
にて行われたドラゴンボート大会(通称:高石大会)の観戦記事。
今回、後編では「エキスパートの部」における「男女混合の部」
および「オープンの部」の模様を紹介して行く事にしよう。

最高気温は30℃をやや下回るくらい、風はやや強く、
7m/s前後、レースに対して向かい風である。
大会のレギュレーションや大会会場については、前編記事や
昨年以前の本大会の記事で色々と書いてあるので、今回は
ばっさりと割愛しよう。では早速「(男女)混合の部」の
模様について・・
<男女混合の部の見所・結果>(以下、「混合の部」)
本大会の混合の部は、昨年第8回大会、一昨年第7回大会
ともに「関西龍舟」のダブルエントリー、1&2(ワンツー)
フィニッシュ(優勝、準優勝を独占する)の状態が続いている。

「第二次黄金期」に当たり、非常に強い。
(参考:関ドラの第一次黄金期は、およそ2010年前後)
ちなみに、その2年間では「ぴわこペーロン大会」でも、
続けてワンツーフィニッシュを実現していて、実に2年間で
4回の大記録は、勿論、前人未踏だ。
なお、余談だが、本大会の開催回数は、現状西暦の下1ケタと
同じであり、例えば第2回大会であれば2012年、と覚え易い。
(ただし、災害などで大会中止の年が出たら、この同期は
狂ってしまうし、2020年以降も数字がわかりにくくなる)
さて、混合の部の見所であるが、「関西龍舟」(以下、関ドラ)
の牙城を、どこのチームが崩すか?、という点である。
ちなみに、昨年(2018年)の3位は「吹田龍舟倶楽部」
(以下、吹龍。下写真)であり。
2017年の3位も「吹田龍舟倶楽部」(チーム名SRC)である。

1位「すいすい丸 トレイン」2位が「吹田龍舟倶楽部S」
3位「すいすい丸 工場」となっていた。
したがって、今年の見所としては、ここ数年間の本大会で
好調の3チーム「関ドラ」「吹龍」「すいすい丸」(下写真)
の三つ巴状態の激戦を期待したいところだ。

エントリー(2チームを同一カテゴリーに出場させる)
であるが、「吹龍」は「混合」+「オープン」の変則的
ダブルエントリーとなっている。

「Team BANANA Ray」「Team BANANA Wa」および
「河童 令子」「河童 和子」である。
上写真手前は「河童 令子」、写真奥はベテランであり
関西圏各大会の運営にも尽力している「Team 風」である。

勿論「令和」にちなんでいる。
匠「BANANAさん、このチーム名"令和"ですよね?
河童さんと、モロにかぶっているのですが・・」
B「あはは・・(汗) 本大会へのエントリー時期が、
丁度、新元号が発表された頃だったので・・」
「(Team)河童」だが、ご存知、女子チームである、
本大会会場(高石市・大阪府漕艇センター)を練習拠点と
しているチームであり、つまり、ここはホームグラウンドだ。
だから、地元で勝ちたい、という気持ちは強いであろう。
過去、本大会が20人漕ぎであった頃(2年前まで)は、
「男女混合の部」の参加資格は、ルール的に公式には
「男子8名以上、女子8名以上、計16名以上」という事で
あったので、女子ばかりのチームでは(性別制限の無い)
オープンの部にしか参加が出来なかった。
これはちょっと可哀想であり、さすがの女子強豪の「河童」
でも、男子ばかりのカテゴリーでは勝ち目が薄い。
(注:それでも10数年前には、和歌山大会で3位に入賞
した事があるので、たいしたものである)
余談だが、2014年に1度だけ開催された、「猪名川大会」
では、マッチレース形式であり、たまたま、市内の部で
奇数で半端となったチームと「河童」が当たる事となった。
それまでのレースは初心者の市内チームばかりで、ペースが
とても遅かった状況でだ。
「河童」と当たった市内チームの陸上応援団の人達は、
応「へ~、女の子のチームだってさ、カワイイね!」と
たかをくくっていたのだが・・
いざ漕ぎ出してみると、「河童」は容赦しない全力漕ぎ、
(注:タイム戦なので、全力は当然であっただろう)で
およそ6艇身(20秒)以上も大差がつく、ブッちぎり状態
となり、初めて強豪専業チームの漕ぎを目の当たりにした
応援団の人達も絶句、まさしく”開いた口が塞がらない”
という状態となっていた。(下写真がそのレースの模様)

昨年、本大会がスモール化(10人漕ぎ)となってからは
その厳密なルールが緩和され、明文化されなくなっている。
つまり、恐らくだが「女子が4人以上」であれば、混合の部
に出られる、という内規であろう、よって「河童」もこれで
混合の部に出場できるようになった。
この措置はフェアであるので好ましい。他大会でも
このルールを導入するのが良いと思うし、そもそも本大会の
「ビギナーの部」「エキスパートの部」の完全実力別
カテゴリー分けも、近年のドラゴン界の世情にマッチして
いて好ましい。
どうやら高石商工会の担当者も、良くドラゴンの事を勉強
しており、課題の認識力、問題解決能力も高い模様だ。
お役所的な、事無かれ対応になりやすい、他の地方イベント
等とは一線を画す臨機応変な対応は素晴らしいと思う。
・・まあ、とは言え、一部の先進的な大会では、数年前から
もうこの形式が普通だ。そろそろ、そうなっていない方が
珍しい大会となって来ているとも言えるのだが・・
一部の地方大会等では、地元の運営側で、この課題
(ビギナーチームと、専業チームと呼ばれるエキスパート
チームが存在し、その実力に大差がありすぎる)を
まだ認識していない状態である。
もし、これらを同一カテゴリーで混在させてしまうと、
100%専業チームが勝利し、地元ビギナーチームなどが
「どうせ勝てないから」と、大会への参加意欲が減退し
数年で、大会そのものが規模縮小して運営が困難となる。
私も、可能な限りその課題は地方大会運営側等に伝えては
いるが、なかなか問題点の改善が進まない状況もある。
(注:地方大会の運営は、ドラゴン協会等は担当しておらず、
地元の自治体や観光協会、商工会、企業等により行われる
場合がある、そうしたケースでは担当者交代制が多く、
2~3年で運営担当者が変わってしまう事も良くある。
新任担当者は、大会運営上の課題は当然知らず、無意識的に
前年迄の大会のやりかたを、なぞってしまっている事が
課題なのであろう)
さて、事前説明が長くなった、実際の「混合の部」の様子
およびポイントを解説していく。

ここでは優勝候補の「関西龍舟 白鷹」と、対抗勢力
筆頭の「すいすい丸 トレイン」が当たる。
本日の両チームの調子を見る上で重要なレースとなるが、
上写真のように3レーンの「すいすい丸」がリードし
最終的には「関ドラ」は、約3秒差の2位である。
「すいすい丸」のタイムは1分を切っていて、弱風状態
では、ほぼ混合の部におけるベストタイムに近い。
普通にこれを見たら「あれ? 関ドラは調子が悪いのか?」
と思う事であろう。 でも、そうでは無い、この展開には
高度なレース戦略が隠されている。
「関ドラ」はダブルエントリーである。姉妹チームの
「関西龍舟 白鹿」は、第11レースに出場する。
ところがレースフローを良く読み込むと、本第9レース、
および第11レースで1位となれば、いずれも直接的に
第29レースの準決勝に進む事が出来る。
そして準決勝から決勝に進出できるのは、準決勝上位の
2チームだけだ。
もし、予選の第9レースと、第11レースで「関ドラ」の
姉妹チームがいずれも1位となると、両者は準決勝で
ぶつかってしまう、そこで1位2位を取れるならば良いが、
そこに敗者復活から上がって来た強豪の「すいすい丸」や
「吹龍」が居ると、とても厄介だ。
なので、安全策を取るならば、この第9レースでは、
関ドラは2位となる方が望ましいのだ。そうであれば、
本大会はメンバー交代等には寛容なレギュレーションで
あるので、例えば、新人メンバーを乗せてレース経験を
積ませても良いし、あるいはペース(レート)を調整して
2位に入るようにコントロールすれば良い。
そうすれば、最大のライバルとなる「すいすい丸」に
自身のチームの手の内を明かさずにも済む訳だ。
(例:仮にライバルチームにビデオを撮られて、漕ぎの
レート等を分析されたとしても、それは全力では無いので
無意味となる)
とても高度な戦略ではあるが、今時の強豪専業チームは、
これくらいの分析や戦略は行ってきている。こうした事を
称して、「試合巧者」と呼んでいるのだが、まあつまり
こうした高度な戦略をしっかりと実行できるから、強豪に
なって、優れた戦績を残す事が出来る訳だ。
なにも考えず、ただただ全レースを全力で漕いでいるだけ
では強豪チームにはなれない、という事なのだろう。

第9レースと、第11レースの「河童」(ダブルエントリー)
は、いずれも「関ドラ」と当たっているが、両「河童」は
善戦していて、「関ドラ」との差は1艇身程度だ。
まあ、上写真は第9レースで、前述のように関ドラは
ペース調整を行っていた状態ではあるが、第11レースの
関ドラ(白鹿)と河童(令子)の差は2秒程度だ。
普通、「混合の部」と「女子の部」では、200m戦で
5秒程度の差がついてしまうので、これは「河童」の
調子が良い、と判断するのが妥当だ。
匠「あれ~? 河童さん、漕ぎを変えましたか?」
河「えっ? わかります?」
匠「わかりますよ~ 昨年までは”直立漕ぎ”だったけど
今年はだいぶ前傾しているし、それでいてストローク
のタイミングも違う(やや遅い)みたいだし」
河「あはは、詳しくは秘密です」
匠「じゃあ、あとで撮った写真で分析しようかな?」
河「そんな事が出来てしまうのですか? 怖いなあ・・」
匠「私が分析しても、チームでは無いので意味が無い(笑)
まあ、分析は、どのチームも必ずやっていますよ。
ともかく速くなったのは良い事です、今日は河童さん
にとってホーム大会だし、混合の部にも出れているので、
頑張って下さいね」
その後、敗者復活戦に進んだ「河童」の2チームだが、
「令子」の方は準決勝進出なるものの、「和子」は
残念ながら予選敗退だ。
その後、両チームのメンバーが話しているのを聞いた。
令「和子!、こっち(令子)は準決勝進出だよ。
予選を見ていた匠さんも、違うレースなのに
”令子の方が2秒ほど速い”って言っていたよ!」
・・・あはは、ちなみに、そんな事は言っていない(笑)
ストップウォッチも持たず、正確にタイムは測れない。
で、その「令子」も準決勝で敗退だ、でもまあ、本大会は
先に繋がるものを見せてくれたので、よかったのでは
なかろうか? 翌月の「日本選手権」(女子の部あり)が
楽しみだ。(注:7月14日開催予定)

決勝進出)の組み合わせは以下のようになった。
混合の部、準決勝第1レース(第29レース)
第2レーン:関西龍舟 白鹿
第3レーン:すいすい丸 トレイン
第4レーン:Team BANANA Ray
混合の部、準決勝第2レース(第30レース)
第2レーン:関西龍舟 白鷹
第3レーン:すいすい丸 工場
第4レーン:河童 令子
絵に描いたような「予定調和」の組み合わせとなった、
ワンツーフィニッシュ継続中の「関西龍舟」と、
「関ドラを倒す為に今日は来た」と言って、ベストメンバー
でダブルエントリーを仕掛けてくる刺客「すいすい丸」
(上写真では円陣を組んでいる)
そして、さらにダブルエントリー「新元号かぶり」(笑)
の2チームの、いずれも「令」の方のチームが残った。
結局、このように「姉妹チーム」同士が当たらないように
レース順位を調整できる高度なレース戦略を持つチームが
「試合巧者」と言えるだろう。 関ドラはその筆頭格だが
他の「試合巧者」チームとしては、「琵琶湖ドラゴンボート
クラブ」(本大会欠場、各地の大会で優勝多数)および
「Rスポーツマンクラブ」(男子最高齢チームながら、
いまだ各大会で上位に入賞できるベテラン)等が居る。

しまっているが、今回、「吹龍」は、混合とオープンの
変則ダブルエントリーで、予選タイムから見ると、
オープンの部の方を主力チームとしているように見られた。
さて、準決勝を終え、「関ドラ」と「すいすい丸」が
2チームづつ決勝進出、この状態は、私が知る限りでは
「ドラゴン史上初」である。レーン割りは以下の通り。
混合の部、決勝レース(第34レース)
第1レーン:関西龍舟 白鹿
第2レーン:すいすい丸 トレイン
第3レーン:すいすい丸 工場
第4レーン:関西龍舟 白鷹
観戦している他チーム選手達も、この状況には大注目、
決勝前には「関すい関すい」や「すい関すい関」といった
呪文のような言葉が流れる、「関関同立」や「前前前世」
を連想してしまうが(笑)、これは勿論順位予想であり、
どういう順番で4チームがゴールするか?という意味だ。
それでも面白い事に「関関すいすい」「すいすい関関」
といった、一方的にどちらかが勝つレース予想をしている
選手等は1人も居ない。まあ、私もそう思う、これらの各
チームは今日の大会では実力伯仲であり、かつどちらの
ダブルエントリーも、チーム間の実力値は「イーブン」に
設定されている、そう簡単には勝たせて貰えない状況だ。
さて、めずらしく私もレース展開が全く事前予想できない
決勝戦となった。やむなく撮影地点をコース中央の
100m地点とし、何が起こっても備えられる(撮れる)
ようにしておこう。この中間地点では、最終のゴール
地点を撮影できないがやむを得ない。また最終順位も不明と
なるが、それについては、どうせ超接戦となるだろうから
大会本部からの写真(ビデオ)判定の結果を待とう。
さあ、実力伯仲の決勝戦がスタート!

約半艇身のリード、まだこの時点で「関ドラ」系の
逆転はありうるが、「関ドラ」の3年連続ワンツーの
記録更新の夢は、残念ながらこの時点で費えしまって
いる、「すいすい丸トレイン」が優勝争いに絡む事は
もう確定的であるからだ。
すると興味の対象は、試合前からの順位予想の呪文で
あって、それは「すい関関すい」「すい関すい関」
「すいすい関関」のいずれかになるだろう。
まあ、関ドラとしては「すいすい関関」の順位になる
屈辱は許されない、なんとしても「すいすい丸」の
ワンツーを阻止しないとならないのだ。
この時点で、面白い事に、両姉妹チームの立場が逆転、
「関ドラ」のワンツーを阻止しに来た「すいすい丸」が
逆にそれを「阻止」されるべき対象となってしまっている。

「すいすい丸トレイン」の接戦模様となった。
写真は、右に角度がついた撮影なので、1レーンの方が
遅く見える錯覚があるが、実際に真横から見れば、両者の
差はさほど大きく無い筈だ、半艇身以内(1秒程度)の
微妙な差となるだろうが、やはり「すいすい丸」有利か・・
1艇身ほど離れた3位争いも、とても微妙、なお、この時点
でも観戦選手達の順位予想の話はまだ続いていて
「すい関すい関」と「すい関関すい」の2択に集約された。
微妙なゴールとなったが、以下、本部発表の最終順位。
1位:0分59秒78:すいすい丸トレイン
2位:1分00秒74:関西龍舟 白鹿
3位:1分04秒06:すいすい丸工場
4位:1分04秒09:関西龍舟 白鷹
結果的に「すい関すい関」であるが、1位2位の差は
1秒弱と僅差。3位4位の差は、僅かに100分の3秒だ。
勝敗の結果はともかく、凄い決勝戦であった・・
これは、歴史にも記憶にも残るレースとなるだろう。
大会を撮影していた、フォトコン狙いのアマチュア・
カメラマンの人達(ドラゴン自体については知らない)
にも、このレースは印象的であった模様で、一部からは
ア「競馬のように順位投票して、賞金を出せばよいのに」
という意見も出ていた。
匠「その通りですね。まあ、ギャンブルとしての認可が
必要だと思いますが、サッカーの前例もありますし
このドラゴン競技をプロスポーツ化する上では、
そういう検討も必要になるでしょう」 と答えた。
まあ、勝ち艇投票券(舟券)の話はともかく、これだけ
面白い(魅せる)レースをやってくれるのであれば、
一般から入場料を徴収して観戦するにも値すると思う。
各チームの皆様、大変良いレースを魅せてくれました、
そして、お疲れ様でした・・
では「混合の部」の結果は、このあたりまでにして、
以下は「オープンの部」の模様だ。

注目は、超強豪である「bp」が本大会不参加な事だ。
事前のエントリーシートでは「Cool Beauty」の
チーム名が見られたため、一部では「これはbpか?」
と囁かれていた。
「bp」とは、本来は「beauty party」の略であり、
「bp」の創設者の1人である、通称「ビューティさん」
の「仲間(パーティ)である」という意味だ。
だから、「beauty」の名前が付けば、「bpだ」とも
思ってしまうのだが、実は「bp」はそのように捻った
ネーミングの場合にも「p」の文字は活かしていて、
例えば「beautiful people」のようなチーム名と
してきているのが通例であった。
で、もう1つ「beauty」の名前を使うチームがあり、
それは「吹田龍舟倶楽部」である。数年前の大会で
良く「SCB」つまり「吹田Cool Beauty」のチーム名を
使っていて、これはちゃんとチームのTシャツも
作られている(下写真)

2013年シーズンからの参戦で、今年7年目、その間、
地方大会を含め、およそあらゆる大会に出場しつづけ
私も「皆勤賞チーム」と呼んでいたのだが、欠場は
極めて珍しい措置だ。
恐らくであるが、これは翌月の「日本選手権」に
備えての「特訓」または「秘密練習」を行っている
のであろう。bpは「日本一を目指すチーム」として
発足したが、現在、優勝回数は勿論日本一となって
いるものの、ライバルの「磯風漕友会」を倒している
状況では無い。「bp」が「磯風」に勝ったのは、もう
数年前の、ここ高石大会と、同年の日本選手権の2回
のみであり、その後はまた日本選手権では「磯風」の
連覇が続いている。「磯風」は、近年のドラゴン大会は
日本選手権(7月、大阪)しか参戦しないポリシーで
あるので、「bp」が「磯風」を倒し、名実ともに日本一
になるならば、1年に1度、そのチャンスしか無いのだ。
今年、「宇治大会」での様子を見ると、「bp」は、
ひと皮剥けた感じであり、とても好調だ。
「磯風を倒すならば、今年しか無い!」という判断に
なっているのだろうか? その為の秘密練習であろう。
さて、bp欠場による本大会オープンの部への影響だが、
bpに次ぐ強豪チーム達のいずれにも優勝のチャンスが
巡ってきている、という事となる。
近年の本大会の戦績からの具体的なチーム名は
以下のような感じだ。
「しげる」(鳥取)、「池の里Lakers!」(滋賀)
「吹田龍舟倶楽部クールビューティー」(大阪)、
他にも「熊野水軍」(和歌山)や「東海龍舟」(愛知)
も優勝候補と言えるが、今年はそれらのチームは欠場だ。
「bp」が抜けた事で、順位繰り上がりになると思えた
状況であったが、今年、とんでもない「刺客」が新規に
参戦している。
それは相生からの「陸(くが)ペーロンチーム」である。
「陸ペーロン」は、天神大会(現:日本選手権)において
混合の部で、1992年から2005年まで、実に10回も優勝した
まさしく「伝説(レジェンド)のチーム」である。
ただ、15年間も続けていたのでメンバーも高齢化したのか
2000年代後半からは、その活動はぷっつりと途絶えて
しまっていた。(天神/日本選手権にも出場していない)
「伝説のチーム」のその後が気になった私は、2014年に
「相生ペーロン競漕」を観戦しに行った。そこには
「陸ペーロン」は確かに参戦していたが、メンバーを
見ると中学生が多数含まれている、つまり完全に新しい
チームとしてリニューアルされていた訳だ。
その頃には「相生ペーロン」でも、「オープンの部」
という最下層のカテゴリーで「陸ペーロン」は参戦して
いたのだが、順当に戦績を重ね、それから4年の間に
Ⅱ部、Ⅰ部と昇格を重ね、今では「磯風」等と並ぶ
最上位カテゴリーで戦うチームにまで成長している。
これは、なかなか、あなどれない状況である。

ある。まあ、私が見たのは5年前なので、そうなっても
当然であろう。「陸」の監督さん曰く、
陸「まだ、この下にも中学生・小学生が50人程控えて
いますよ(笑)」
とのことであった。陸(くが)は、相生の地区名であり、
まあつまり「町内会」的なチームであるのだが、それに
しても子供達が沢山居る、という、現代の世情からは、
ちょっと信じられない程、恵まれた地域なのであろう。
その状況を滋賀県の町内会チーム「池の里」に話すと、
池「よし、オレ達も頑張って、もう1人生むか(笑)」
との事であった。ニュータウンである「池の里」では
逆に子供が不足していて、キッズ大会への参戦が年々
難しい状況の他、より深刻には「町内会純血」である
「池の里」は、若手メンバーへの交替が出来ず、年々
高齢化して、しんどい状況だからだ。

「池の里Lakers!」の経験値から来るものとは言えるが、
そろそろ創設10数年、もう20年が近い現状においては、
さすがにどんな強豪でもベテランでも、同じメンバーで
続けていく事は難しい。
ちなみに、待機中の桟橋で上写真のような漕ぎの練習を
していたので、私は以下のように言った。
匠「池の里さん、その練習方法、とても有益ですよ。
艇に乗りながらだと、他の漕手の漕ぎが見えないけど
そのやりかただと、漕いでいない他の人から適切な
アドバイスができます。
だから、「磯風」も「bp」も、自前で「水槽」を
建設し、そこで選手同士がアドバイスをし合うのです。
池の里地区にも水槽を作ったらいかがですか?(笑)」
池「あはは・・ (ニュータウンに)巨大水槽を作る場所は
無いですよ(汗)」
匠「冗談はともかく、「陸ペーロン」が強いのは確かですが、
「池の里」としては、「今日勝たないで、いつ勝つの?」
という感じです。最大のチャンス到来です、頑張って
優勝を目指してください!」
と伝えておいた。

鳥取からの遠距離参戦であるが、本大会の常連だ、
そして、ここ数年間の戦績は、判で押したように「3位」
である。ここもbpが居ない事で順位を上げる可能性がある。
結局、「池の里」への説明と全く同じ事が「しげる」
に対しても言える、同じ内容なので割愛するが、まあ要は
「しげる」にとっても、本大会は絶好の機会到来だ。

匠「今朝鳥取から来たの? 強風で大会が中止にならないで
よかったですね」
し「はい、今朝早くに出ました」
匠「いつもの「アネゴ」(女子ドラマー)は?」
し「アネゴは何か、東京に仕事で行く、とかでして・・
急にワタシが任命されて、昨晩は緊張で眠れません
でしたよ」
匠「大丈夫ですよ、選手達が頑張って漕いでくれます」
・・・まあ、とは言っても、ベテランの「しげる」だ、
本大会の状況分析は、私以上に良くわかっている事だろう。
決勝戦に上がれるのは確実であろうが、予選からそこ迄の
間にどのように体力的なペース配分を行うか?、という
点に尽きるであろう、決勝戦の1レースに集中し、そこで
いかに全力を出し切るか?がポイントとなると思う。

(上写真)は速く、いずれも58秒のタイムで1位抜けだ。
レース前、「陸ペーロン」の選手達から
陸「何秒くらい出せば勝てそうですか?」
という質問があった。
匠「う~ん、コース長は200mジャスト、という感じ
なので、オープン最速チームならば50秒台前半、
しかし、やや向かい風なので、55秒という感じかな?」
陸「55秒? それはヤバいな、オレ達は58秒くらいしか
出せそうもないよ」
匠「その55秒は「bp」が居た場合です、でもbpは今回
欠場なので、1分を切る勝負になると予想されます」
陸「ああ、「bp」ですか(注:恐らく相生でも有名であろう)
であれば、オレ達にもチャンスはあるかな?」
匠「十分にあります、頑張ってここで優勝し、ついでに
天神(日本選手権)にも出場し、ドラゴン界完全復帰
を目指してくださいね。
磯風さん、ドルフィンさんを始め、南風さん、IHI相生さん、
ヤンググリーンさん、相生市役所さん、奴RUN海さん、
セピアさん、フロッグスさん、等、相生地区からドラゴン
に参戦するチームも多いですよ。
相生ペーロンと同一ルールの「高島ペーロン」大会等も
あるし、陸(くが)さんが、こうした近畿圏の大会に
参戦してくれたら、とても喜ばしいです」
陸「そうですね、では、今日は頑張るかぁ!」

紹介が出来ない(汗) 他の注目・参戦チームは名前
のみ上げておこう。まあ、いずれも常連専業チームにつき、
また他の大会で活躍して、詳しく取り上げる事もあるだろう
から、ご了承あれ。
上写真は「クールビューテイー」つまり「吹龍」の
美人ドラマーであるが、オープンの部では実力値を発揮し、
無事決勝進出となっている。

決勝進出の可能性があったが、準決勝で強豪チーム達と
当り、残念ながらそこで敗退だ。
最高齢の試合巧者チームであり、戦国時代の「真田昌幸」
的な「軍師」(参謀)の存在により、年齢のハンデを
感じさせない見事な試合戦略を見せるチームであるが、
それでも運不運は存在する。
他、「Rowing Team浪わ」(2017年本大会決勝進出)
「近畿車輛電龍」「チーム未来」「一寸防士」「常翔喜龍」
「打艇龍舟倶楽部」は、各々本大会常連チームであるが、
いずれも予選・準決勝敗退となっている。
さて、決勝戦は以下の組み合わせとなった。
オープンの部、決勝レース(第35レース)
第1レーン:池の里 Lakers!
第2レーン:陸ペーロンチーム
第3レーン:しげる
第4レーン:クールビューテイー
ここで気になるのは、「実力伯仲」という点だ。
「陸ペーロン」は、各レース58秒台と安定して好調
ではあるが、準決勝戦、他チームに2艇身以上もの
大差をつけながら、そのまま独走状態でゴールしていた。
ここは決勝に備え、体力を温存しておくべきでは
なかっただろうか? それがセオリーであろう。
だから、「陸ペーロン」の体力が消耗している状態に
おいては、ベテランで百戦錬磨の「池の里」「しげる」
と同等の実力値になるのでは? という予想だ。
しかしここには未知のファクターがあり、恐らくは平均
年齢20歳代前半と若い「陸ペーロン」が、どこまで
体力があるのか? というポイントである。
これについては、「陸」は、およそ14年ぶりのドラゴン
大会参戦であるし、メンバーも総入れ替えであるから、
良くわからない。
つまり「若さ」が、どの程度試合展開に影響するか?だ。
展開が読めないため、この決勝戦も前レースの混合決勝
と同じように、撮影ポイントをコース中間地点に設定した。
さて、運命の決勝戦がスタート!

吹龍(4レーン)が三つ巴状態。
「あれ? 池の里(1レーン)はどうした?」
と思うも知れないが、ご心配なかれ、これは撮影地点から
左に角度がついた撮影である、したがって最も手前の
1レーンは写真の構図上には入って来ない。
この後、近くの1レーンの艇は、視界に入って来て、
「角速度」の関係で急速に追い上げてくるように錯覚する。
ちなみに、超高度な撮影技法としては、この「アングルによる
錯覚」を利用し、レースを接戦に見せたり、独走に見せたり
する事も十分に可能だ。まあそれは、かなり「意図的」な
要素もあるので、フェイク(偽り)としての、そういう撮影を
行う事は稀ではあるが、ポジティブ(前向き)な撮影理由と
しては、「構図上でのドラゴン艇の面積を最大にする」
という、本競技撮影上の基本技法が存在する。
真横から1艇や2艇を撮った写真では、構図上の上下が
スカスカに見えて、迫力に欠けるからである。
まあ簡単に言えば「隙間が出来ないように撮れば良い」だ。
こうした技法では「(超)望遠レンズか否か?」という機材
上の差異はあまり問題では無い、ほとんど経験と情報と技量
からなるものなので、撮影機材の性能ばかりに頼る初級中級
カメラマンでは、良く認識しておく必要があるだろう。
・・さて、物理的な制約で構図内に入らなかった1レーン
の「池の里」も、予想どおり、ここから優勝争いに絡んで
きている。

ここも接戦に見える撮影アングルを選択してはいるが、
実際には約半艇身程、2レーンの「陸ペーロン」が先行
している。これで「陸」の十数年ぶりのドラゴン優勝は
ほぼ確定、「池の里」は、また定位置(?)の準優勝に
なりそうだが、もうその件は追求しまい。
それに、気を抜くと、この構図上では見えない第3,4
レーンの「しげる」「クールビューティー(吹龍)」も
すぐ後ろに迫ってきている。
しかし、それにしても「陸(くが)」の漕ぎ方は、
典型的な「相生漕ぎ」である。舷側の高い相生ペーロン
艇に対応した漕法で、パドルを真下に突っ込むように
して、そこから長めのストロークだ。これだとピッチ
(手数)が出にくいのだが、水面から上がったパドルを
戻すスピードが恐ろしく速い、これでレートを速めている
という感じである。
舷側が低く、短距離のドラゴン戦に向くとは言い難いが
そこは若さからか、見事にこの漕ぎ方で速度を上げて
きている。
このままゴール! 結果は以下の通りだ。
オープンの部の最終順位
1位:0分58秒22:陸(くが)ペーロンチーム(兵庫)
2位:0分59秒35:池の里 Lakers!(滋賀)
3位:1分00秒97:しげる(鳥取)
4位:1分02秒71:クールビューティー(大阪)
大阪の大会ではあったが、他県勢が優勢という結果で、
タイム差は順位順で、ほぼ半艇身づつ、という感じであった。
混合の部、オープンの部とも、なかなかの好決勝戦で
あり、十分に大会観戦を堪能できた。
これにて本大会は終了、記事が長くなってきたので
表彰式や閉会式の模様は省略する。
最後に、1つだけ課題を上げておく。
本大会は参加チーム数が多く、かつ強風でスタートが
揃わず、大会の進行が押して(遅れて)しまった。
結果、大会終了時刻が見込みよりも遅く、帰路、会場から
駅までのシャトルバスの最終便が、もう終了しまっていて、
20名以上もの役員や選手達が帰宅難民となっていた(汗)
私もその1人であり、なんとか、他者の車へ分乗する等で
今回は事なきを得たが、この会場は交通の便が悪いので、
そういう点にも運営側は留意が必要であろう。
まあ、高石商工会議所には本件は伝えてあり、かつ、
融通が色々と効く優秀な担当者なので、次回からは
シャトルバス等については改善されると思われる。
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では、本記事は、このあたりまでで。
次回ドラゴン関連記事に続く。