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レンズ・マニアックス(15)

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過去の本ブログのレンズ紹介記事では未紹介の
マニアックなレンズを紹介するシリーズ記事。

今回も、引き続き未紹介レンズを4本取りあげるが、
一部は「特殊レンズ・スーパーマニアックス」記事で
先行して紹介したものも含まれる。

----
まず、今回最初のレンズ
c0032138_18151677.jpg
レンズは、SIGMA 16mm/f1.4 DC DN | Contemporary
(中古購入価格 38,000円)
カメラは、SONY NEX-7 (APS-C機)

2017年末に発売された、ミラーレス機(APS-C,μ4/3)対応
大口径広角レンズ。(以下、C16/1.4と略す)
(注:特殊レンズ第5回記事で紹介済み。本記事を先行
させて掲載予定だったが、記事順序が逆転してしまった)

(超)広角域(SONY Eマウントで24mm換算の画角)としては
初の大口径(開放F1.4)のレンズである。

なお、μ4/3版では32mm相当の画角となるが、これは用途が
あまり考えられなかった為、購入する際はEマウントを選択した。

本レンズC16/1.4の主要な用途として舞台やライブ等、暗所での
ステージ撮影が想定される。
(注:下写真のみSONY α6000との組み合わせで使用)
c0032138_18151674.jpg
広角レンズでステージ全体を撮る場合、旧来はSONY E16/2.8を
使用していて、この画角がステージ撮影では使い易かったので
さらに明るいF1.4版を、同じ16mmの焦点距離で追加購入した。

以下はテスト撮影として、NEX-7を母艦とした一般的な趣味撮影
を行ってみる。
c0032138_18151600.jpg
さて、SIGMAでは2013年頃より、Art/Contemporary/Sports
の用途(目的)別カテゴリーのラインナップによる商品展開
を行っている。このうちContemporary Lineが最も定義が
曖昧だ。まあ本レンズの場合は、ミラーレス機用(DN型番)
であり、非フルサイズ(DC型番)の範疇において高描写力を
主眼として設計されたレンズであるから、ここで開放F値の
F1.4だけを見て「Art Line」に分類されるものでは無い模様だ。

高描写力を謳ったレンズではあるが、13群16枚と複雑な
レンズ構成の設計であり、小型軽量とは言いきれず、
重量は405g、フィルター径はφ67mmもあり、今回使用の
小型機NEX-7との組み合わせでは、ややアンバランスな
面もある。


広角レンズで重要となる最短撮影距離のスペックは25cmと
焦点距離の10倍法則からは、かなり不満だ。
おまけにピントリングは、近年のミラーレス機用AFレンズの
例に漏れず無限回転式であるから、最短時で止まる手指の
感触がわからず、高度なMF撮影技法が使えない。

で、NEX-7の貧弱なコントラストAFでは近接時には大口径化も
あいまってピント精度が不足するのだが、その際にのみ
シームレスMFで補佐する、という初級MF撮影技法しか使えない。
このあたりは大いに不満事項であるが、本レンズだけの問題
では無い。

まあ、高度なMF技法を継承するユーザー層も減り、初級者は
もとより、上級者や専門家層までが、ほぼ全てAFで撮っている
現代であるから、こうしたマニアックで技巧的なMF技法には
現代レンズは、いずれも対応していないという事だ。
でも、やはり残念な傾向である。


なお、これらの話は、単なるMF操作性の問題では無い。
広角で開放F1.4を活用する場合、広角マクロ的な用法が考え
られるのだが、最短が長い点、そして近接時のAF精度不足を解消
する為の代替手段としてのMF操作性が悪いので、特徴を活かした
用法ができない、という仕様上の課題の事を述べている訳だ。

c0032138_18151661.jpg
よって、本レンズは、最短撮影距離が長い点ともあいまって
前述のステージ撮影等の暗所の中距離以上での撮影に特化する
のが、大口径を活用する意味では正解なのだろう。

結局、概ね「記録撮影用途」にしか使えない(趣味的でかつ
テクニカルな大口径広角の表現は出来ない)業務用レンズと
いう事になる。

ちなみに、絞り開放F1.4で、撮影距離が4mの場合の本レンズ
の被写界深度は(許容錯乱円径0.03mmにおいて)距離2.5m
から約9mもあり、絞りF2で撮影距離5mでは、被写界深度は
2.7mから∞迄だ。これであれば、ステージ等の奥行きを絡めた
範囲での全体撮影には十分である。

用途を限定した上では、前述の欠点は重欠点にはならず、
他に、特に大きな問題点は見当たらない。

だが、暗所はともかく、日中のフィールド撮影等においては
開放F1.4の仕様は過剰であり、まずND4またはND8の減光
フィルターの装着が、シャッター速度オーバーを防ぐ為には
必須となる。


あるいは若干絞って被写界深度を稼いだパンフォーカス的な
撮影であればNDフィルターは不要であるが、せっかくの大口径
F1.4を活用できる状態にならない為、そうであれば、旧来使用
していたSONY E16/2.8の方がはるかに小型軽量(φ49mm,67g)
であって、ハンドリング性能が良かった。

結局のところF1.4の大口径を生かすのは暗所での中距離広角
撮影しかできず、そういう意味では極めて用途が限定される
レンズである。

その事からか、ユーザー側での必要性もあまり高くなかった
のかも知れない、定価は57,000円+税とさほど高価では無いが、
それでもミラーレス機のユーザーから見れば、カメラ本体と
同等か、それ以上に高価なレンズである。
私は発売後すぐ欲しかったが中古が全く出ず、ようやく半年程
たった2018年春頃での購入となった、これも下手をすれば
展示品交換での新古品かもしれず、要は、このレンズが実際に
ミラーレス機ユーザーに売れているかどうかは全く不明だ。
(売れていないのでは?とも思われる)
c0032138_18151643.jpg
まあ、一般的なミラーレス機初級ユーザーの場合、APS-C機でも
μ4/3機でも標準ズームはフルサイズ換算28mm程度からの
画角のものを所有しているので、それより若干広角でかつ、
標準ズームとは比較にならない大口径であるから、そういう
ニーズを想定しての製品コンセプトかも知れないのだが・・


実際の使用上では、製品企画コンセプトと仕様がちぐはぐであり、
どうみても特殊な用途にしか使えないレンズであろうから
一般的なミラーレス機初級中級ユーザーに推奨は出来ない。

ただ、業務用の暗所専用広角レンズとすれば、一眼レフ用では
あまり超広角+大口径の組み合わせのレンズは多くはなく、
あったとしても、メーカー純正又は、同じSIGMAから銀塩末期
の広角F1.8シリーズや、現行Art LineのF1.4/F1.8シリーズ
しか存在せず、旧型はもう性能的に古く、現行Art Lineは
極めて高価だ。
(注:カメラメーカー純正では、さらに高価な場合が多い)
そういう意味においては、手ごろな価格帯で買える業務用
大口径(超)広角レンズとして、本レンズの存在意義は
十分にある。

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さて、次のレンズ
c0032138_18152811.jpg
レンズは、GIZMON Wtulens 17mm/f16
(新品購入価格 6,000円 マウントアダプター付き)
カメラは、SONY NEX-3 (APS-C機)

2018年初頭頃に発売の単焦点パンフォーカス型トイレンズ。
マウントは各種ミラーレス用で発売されているが、レンズ自身
はL39(銀塩ライカ)マウントであり、購入マウントに応じて
L39-NEX等のマウントアダプターが付属する。
このマウントアダプターではライカ(旧)Lマウント用レンズ
が使用できる為、レンズ自身の価格は、実質3000~4000円
相当と考えても良いであろう。

本レンズの最大の特徴は、FUJIFILM社のレンズ付きフィルム
「写ルンです」の搭載レンズを再利用(移植)した事である。
c0032138_18152893.jpg
なお、「レンズ付きフィルム」が、この手のカメラの正しい
呼び名であり、一般に言われる「使い捨てカメラ」は非推奨。
その理由は、この手のカメラは殆どの部品がリサイクルされて
再利用する為、1度の使用で廃棄される訳では無いからだ。
特に業界関係者等は「使い捨て」の呼び方を非常に嫌うので、
注意する必要がある。

さて、本レンズの前機種として、2017年に発売された
「Utulens」(うつれんず)がある、その機種は「写ルンです」
の単玉プラスチックス非球面レンズを1枚使用していて、
32mm/F16の仕様だ。(後日紹介予定)

なお、「写ルンです」と一口に言っても、1986年の初出から
30年間以上の現行製品であり、様々なバリエーションがある。
「Utulens」の元となったレンズは、32mm/F10の仕様のもの
であると思われる。凹凸型(メニスカス)と呼ばれる設計で
1枚の単レンズながら、銀塩時代からその描写力には定評が
あった優れた設計だ。このレンズの製造元は一般には非公開
だと思うが、個人的には良く知る企業である。

で、「Utulens」の方が、オリジナルより開放F値が暗いのは、
簡易絞りを入れて収差の低減を狙っているからであろう。

・・と言うのも、本家「写ルンです」は、フィルム面を湾曲
させている構造であり、これが像面湾曲収差の補正を狙った
構造であったからだ。つまりレンズとフィルムの両者の
コラボで高描写力を得る設計であった訳だ。

この内部構造は一般ユーザーは普通は見る事が出来ないのだが、
現像所で働いていた知人の話によると、「写ルンですは、
確かにフィルム面が曲がっていた」との事である。
(追記:その後、私もDPE店で、この構造を見せて貰った)
この構造は、「写ルンです」の他、スパイカメラとして有名な
「ミノックス」等でも採用された事があるそうだ。

そして「写ルンです」のレンズを「Utulens」に移植する際に、
デジカメ用では撮像センサーを曲げて使う訳にもいかず、
少し絞る事で像面湾曲や非点収差等の低減を狙っていると
思われる。
c0032138_18152827.jpg
さて、その後継機種の、本「Wtulens」であるが、製品名の
UがWに変わっている。これは「写ルンです」のレンズを
2枚使用している(ダブル)という意味だろう。
同じレンズを2枚逆向きに対称配置する事で、レンズの仕様は
がらりと変化した。本「Wtulens」は、17mm/F16の
スペックで、かなりの広角画角となっている。


本「Wtulens」は、一応フルサイズ対応と謳っている。
ただし、「写ルンです」のレンズを2枚使っただけでは、
きちんとした光学設計とは言えず、口径食による周辺減光
(周辺光量落ち)が大きく発生する。

この為、一応SONY Eマウント版で購入しているが、今回の
撮影ではフルサイズ機を避けてAPS-C機のNEX-3を使用している。
これでもまだ周辺減光が気になる場合には、μ4/3機で使う事も
L39-μ4/3のアダプターを所有しているのであれば容易だ。

なお、フルサイズミラーレス機α7を始め、一部のメーカーの
ミラーレス機等では、レンズ収差補正の一環として「周辺光量
補正」の機能が入っているのだが、ほとんどの場合、その機能は
電子接点のある純正(仕様)レンズでしか使えず、こうした
アダプター使用時においては、それは使えない。
周辺減光量の増減を画像処理で行うのは、技術的には何ら
難しく無いのにもかかわらずだ。(まあ「レンズ毎の補正データ
が必要だ」とメーカー側は言うだろうが、趣味撮影においては
それは適当な増減が出来るだけで、仕様的には十分な筈だ)

カメラ市場が縮退している近年においては、各社のカメラとも
「排他的仕様」が強すぎる(すなわち、自社のレンズを使った
場合のみ、全ての機能が有効に使えるが、他社製品を使ったら
使えない機能が沢山出てくるという意地悪な仕様)のであるが、
仮に、どんなレンズ(オールドやトイレンズ、超広角も含む)
でも周辺減光を任意に増減する事ができれば、マニア層や
アート系のカメラマンにとっては、非常に役に立つ機能だ。
それが可能であれば、マニア間で評判になってカメラの売り上げ
が増えるかも知れない。
技術的には簡単な事だ、製品企画の考え方だけの問題であろう。
c0032138_18152825.jpg
さて、余談が長くなった。
本「Wtulens」だが、その他の収差低減も狙ってか、こちらも、
2枚のレンズの間に固定の絞り構造が入っている事が見てとれる。
よって、「Utulens」同様に本レンズも開放F値がF16まで低下
するが、まあ現代のミラーレス機は高感度であるから、AUTO-ISO
設定であっても日中であれば(やや暗い場合の動体撮影を除いて)
十分なシャッター速度が得られる。

それに本Wtulensは基本的に「トイレンズ」のカテゴリーの
商品であるから、多少ブレたりした方が「アンコントローラブル」
な突然変異的写真が撮れるから面白い訳だ。
できれは、エフェクトを組み合わせるとさらに楽しいが、今回の
記事では、エフェクト機能が殆ど無いNEX-3を使用している。
まずは基本的な描写力を見てから、次はまたエフェクト等に
優れたカメラを母艦とすれば良い、なにせマウント汎用性は
高いレンズなので、およそどんなミラーレス機でも利用可能で
あるからだ。

ちなみに、もし一眼レフ用のL39アダプターを使った場合は、
フランジバックの差異から「接写リング」を使っているのと
同様になり、近接撮影しか出来なくなると思う。
その際、レンズ側にピント調節機能があれば、マクロレンズ的
な利用法も可能なのだが、本「Wtulens」は、固定ピントの
仕様であり、ヘリコイド(ピントリング)を持たない。
・・であれば、L39→ミラーレス用のヘリコイドアダプターを
用いれば、本レンズをマクロ的に利用可能である。

なお、簡易的には、本レンズはL39の「ねじ込み式」であるから、
ねじ込みを少し緩めても、僅かだが近接撮影が効くようになる。
本「Wtulens」を通常使用した場合のパンフォーカス範囲は
50cm~∞であるが、ねじ込みを緩めると、およそ25cm位まで
寄る事が出来る。ただし、この使い方では、ピントの山が
良く分からない事、そして廻しすぎると勿論レンズが脱落するし、
使用後には再度ちゃんとねじ込んでおかないと、移動中に知らずに
脱落してしまったりする事もあるので、十分注意する必要がある。

総括だが、「写ルンです」レンズの移植とは言え、構造的な差異
の理由で(優れた描写力を持つ)「写ルンです」とは全く同じ
描写傾向が得られる訳では無く、むしろ劣ってしまうのであるが、
まあ、トイレンズと考えれば十分すぎるほど良く写り、面白い。

やはり、エフェクト機能と組み合わせ、銀塩「写ルンです」では
無理であったデジタル的撮影をするのが楽しいであろう。
なお、FUJIFILM社以外のレンズ付きフィルムでも同様な
移植が可能と思われ、既にKODAK版の製品があるが、今後さらに
バリエーションが増えてきたら、もっと楽しいと思う。

最後に本レンズの入手方法であるが、GIZMO(ギズモ)社
からの通販、および一部の量販店で購入可能である。

----
さて、次のレンズ
c0032138_18153903.jpg
レンズは、SIGMA 75-210mm/f3.5-4.5 Zoom-κ Ⅲ
(中古購入価格 1,000円)
カメラは、OLYMPUS OM-D E-M5Ⅱ Limited (μ4/3機)

出自が良くわからないレンズだ。
恐らくは1980年前後のMF望遠ズーム。
型番はKでは無く、ギリシャ文字のκ(カッパ)であると思う。

不人気のMF望遠ズーム、加えて現代では使い難いOMマウント版
であったので、なおさら不人気である。よって、程度はまあ
そこそこ良いものの、ジャンク扱いで価格は1,000円であった。
c0032138_18153906.jpg
E-M5Ⅱに装着時には150~420mmの画角となり、デジタル
テレコンを併用すれば840mmまでの超望遠画角が得られ、
かつ、開放F値も望遠端でF4.5と、あまり暗くならない為
野鳥や自然観察等のフィールド撮影に向く画角ではある。

E-M5Ⅱには優秀な手ブレ補正機能が内蔵されているものの、
焦点距離入力方式であり、このような光学ズームレンズは
焦点距離が頻繁に変更される為、手ブレ補正は事実上使用
できない。あえて使うのであれば、望遠端の焦点距離の
210mmにセットして使う事は出来ない訳では無い。

しかし、その状態では、他の焦点距離にズーミングした
場合に、手ブレ補正によるセンサーの動きがちぐはぐになり
これはEVFで見ていてもわかるので、とても気持ちが悪い。

これを防ぐには、ズーミングをしないで望遠端のみで使うか、
あるいはズーミングを望遠端にした場合のみ手ブレ補正をON
して、その他の焦点距離では手ブレ補正をOFFする必要がある。
しかし、どちらの対策も面倒であり、実用的な面でもこうした
MF光学ズームレンズでは内蔵手ブレ補正機能は使用できない。

だがまあ、日中であれば手ブレ補正機能は不要だ。
ちなみに、初級者層での手ブレ限界シャッター速度を考えれば、
テレコン無し時の換算焦点距離は420mmなので、これは1/500秒
テレコン2倍では1/1000秒を上回るシャッター速度をキープ
すれば良い事になり、本レンズはあまり開放F値が暗くない為、
適宜ISO感度を調整すれば、この速度は維持できるであろう。
(注:OM-D E-M5 MarkⅡは、AUTO ISOの低速限界設定が
出来ないので、あくまで手動でISOを調整する必要がある。
この意味は初級中級者には難解だろうが、少しだけ後述する)

で、中上級者層であれば、上記手ブレ限界速度は、もう1段程度
遅くしても問題は無いだろう。
(注:OLYMPUS機では、デジタルテレコンを使った場合でも
センサー上での画角は変化しないと思われ、厳密に言えば、
上記手ブレ限界速度を2倍にする必要は無い。ただし、超望遠
画角では相当に手ブレしやすい事は確かであり、シャッター
速度は余裕を持って高めておく対処法が望ましい)
c0032138_18153970.jpg
で、残念ながら本レンズは、絞り開放近くでは解像力の低下
が甚だしい、これはもうレンズの性能なのでやむを得ないが
少しでも解像感を高めようとしたら、絞りをF8程度以上に
絞って使うという対策が必要であろう。


絞り優先モードで撮るのは鉄則ではあるが、この場合、当然
ながらシャッター速度は低下する。前述の手ブレ限界速度を
維持する為にはISO感度を高めるのであるが、この時、
オリンパスのミラーレス機では、このあたりの操作系設定の
自由度が少ない。

具体的には、ISO感度はダイヤル等の操作子から直接変更は
出来ず、ISO変更専用ボタンも無い為、通常はスーパーコンパネ
より変更する。
あるいは、1/2切換レバーにISO変更をアサインする事は可能
だが、これもまた、切換えながら使用する必要がある。
(何故ならば、前ダイヤルでの露出補正とISO感度を切り替える
からだ、これはMFレンズの使用時には、煩雑な操作となる)

これらの操作には数回の指の動作が必要な為、面倒なので
ISO切り替え(低速)速度を設定できると便利なのだが、他社機
では良くあるこの機能は、オリンパス機には搭載されていない。

よって、毎回のように手動ISO変更の操作が必要となる。
面倒なので、多少ISO感度を高目にキープして撮るのだが、
不意に青空の中を飛ぶ野鳥を見かけた場合等、カメラを
明るい場所に向けると、今度はシャッター速度オーバーに
なってしまう。


あれこれとカメラ設定操作が必要になる為、忙しい。
だが幸い、EVF搭載ミラーレス機では、こうした操作はEVF内
に表示されるので、スーパーコンパネや1/2切換を呼び出す
操作さえブラインド(見ずに)で行えば、あとはカメラの
構えを一旦解く必要はなく、EVFを覗いたままでISO等の
変更操作が可能だ。

望遠系のレンズを使う際、設定変更のために一々カメラの
構えを解いていたら、お話にもならない。再度超望遠域で
構図を狙いなおすのは非常に大変なのだ。本レンズはまだ
軽量で良いが、例えば一眼レフ用の500mm級以上レンズで
あったら、重過ぎて、こうした構えなおし操作は論外だ。
(注:全ての望遠レンズで、手持ち撮影を前提としている)

まあ、ファインダー(EVF)内でカメラの設定操作が出来る
事は、ミラーレス機の大きな長所である。一眼レフの場合は
SONYのαフタケタ機(EVF仕様)を除き、このような操作系
を持つ事は原理的に難しい(注:EOS 7D MarkⅡ等では、光学
ファインダー内に一部の設定情報が出るが、そこでそのまま
設定操作の変更が出来る訳では無い)

よって、このようなMF望遠系ズームを使う場合には、
ミラーレス機である事がまず必須であり、できれば望遠を
より強調するμ4/3機が望ましい。だが、そこから先は機種毎
に操作系設計の良し悪しがあり、そのあたりの操作系が完璧な
機種は残念ながら存在しない。だからまあ、本機E-M5Ⅱか、
それでは操作系が気に入らないと言うならば、パナ機であれば
DMC-G6あたりが、E-M5Ⅱよりも若干だが操作系の体系が練れて
いるので、そちらを使うのが良いだろう。
(注:DMC-G7以降の機種は、MFレンズ使用時の操作系が
悪化している)
c0032138_18153979.jpg
さて、本レンズSIGMA 75-210/3.5-4.5 であるが、さすがに
古すぎて、現代の感覚からは実用的な性能(描写力)を
満たしていないように感じる。描写力を少しでも高める為に
あれこれ工夫する事は必須にはなるが、まあそれをやっても
基本性能的な限界があり、無理な部分は無理だ。

という訳で、こういう練習(勉強)をする為の教材としては
こういうレンズも、ジャンク価格であれば許せるであろう。
なにせ、1,000円で数時間の高度な撮影技能のレッスンを
受けていると考えてしまえば、十分すぎるほど安価だ。

実際にこうした低性能レンズを使いこなそうとする事は
練習としては極めて有効だ。ただし、何も工夫せず、何となく
撮っているだけならば、なんの練習にもならないので念の為。

なお、ちなみにこの時代のMF(望遠)ズームの全てが低性能
である訳ではなく、中には非常に高い描写力を持つものも
存在する、そういう「当たり」を引く為にも、またこうした
ジャンクレンズ買いは、私は当分続けるであろう・・

----
次は今回ラストのレンズ
c0032138_18155213.jpg
レンズは、SONY FE 100mm/f2.8 STF GM OSS (SEL100F28GM)
(中古購入価格 129,000円)
カメラは、SONY α7(フルサイズ機)

2017年発売の、史上4本目のアポダイゼーションレンズ。
AFアポダイゼーションとしては、2014年のFUJIFILM XF56/1.2R
APDに次いで2本目となる。
c0032138_18155270.jpg
既に特集記事「アポダイゼーション・グランドスラム」
(特殊レンズ超マニアックス第0回記事)で、本レンズの
詳細を紹介している。記事の内容が重複しないように、
本記事では若干視点を変えてみよう。

まず非常に高価なレンズである、発売時定価は税込で20万円
越えとなる。だが、アポダイゼーション(STF)は4機種しか
無い希少なレンズであり、それを必要とする、または欲しいと
思うのであれば、価格の高さは容認するしか無い。

本レンズの企画コンセプト上での主要な用途は人物撮影で
あろうが、副次的には近接性能を活かした自然撮影が考えられる。
マクロモードに切り替えた場合、最短撮影距離は57cmと優秀で、
これは1/4倍マクロに相当する。
FEマウント品であるが、当然Eマウントでも使え、αやNEXに
備わる様々なデジタル拡大機能を併用すれば、簡単に等倍以上
の撮影倍率を得る事が出来る。

今回は人物撮影を行わず、マクロ域を使った撮影を中心と
しよう。
c0032138_18162526.jpg
さて、描写力は確かに高い。特集記事「アポダイゼーション
グランドスラム」では、4本のSTF/APDを撮り比べたのだが、
その記事で書いた事として「アポダイゼーションが入っていれば
どんなレンズでも高描写力になる訳ではなく、レンズとしての
基本設計も大きく影響する」という点があった。

そういう視点では本レンズは、やはり4本中では最良の描写力
を持つ。直系の初代MINOLTA STF135/2.8は、従来STF最強と
思われたが、その発売から20年近くもの歳月が経っている、
設計技術やガラス素材、コーティング、その他色々な技術が
進歩しているのは当然であろう(しかし元祖STFも捨てがたい、
いずれ、新旧STFの対決記事を書いてみよう)

弱点だが、大きく重く高価であるという「三重苦」だ。
これが一眼レフ用レンズであれば、フィルター径φ72mm
重量700gのレンズは、さほど大柄の類では無いのだが、
本レンズは小型機であるSONY α(ミラーレス)用である
どうみてもバランスが悪く、例えば今回使用のα7は
本体416gなので、倍近くもレンズが重い。

重量比はさておき、構えた状態では、レンズ全体の下部と
ボディに少しかかるくらいに掌を当てる事が、重心バランス
的に良さそうだ。この際、左手親指と人指指(または中指)が
ちょうどピントリング位置に来る、しかしこのピントリングは
無限回転式であり、純粋なMF操作には向かない、なので
本レンズでは、AFで合焦した後、シームレスにMFでピント
位置を微調整する程度の目的にしか使えないであろう。

が、そういう適正な使い方がわかっていても、意図せずに
ピントリングに触れてしまう事が多い。これはカメラの構え上、
まあ仕方が無い。
で、勝手にMFになるのを防ぐ為には、例えばレンズ左部にある
フォーカスホールドボタンを押して、ピント位置をロック
してしまう事も考えられる、しかしまあ、これはネガティブな
(本来やる必要の無い)操作なので、あまり効率的では無い。
c0032138_18163018.jpg
他の問題点は、このレンズの絞り値変更はSTF伝統の「絞り環」
により行われる事だ(注:レンズ側にある「CLICK」スイッチを
OFFとすると、この絞り値変更は無段階となる)
この事自体は悪くは無いが、重心バランスを維持した状態では、
レンズ中央部のこの絞り環には指が届き難く、若干の使い難さ
を感じてしまう。


これが気になるならば、絞り環をA位置にして、ボディ側の
電子ダイヤルから絞り値を操作するのが良いであろう。
(注:旧型STFでこの操作を行うと、アポダイゼーション用の
絞りとは別の絞りが動作したが、本レンズではそれは共通だ。
ただし、F8を超える値ではアポダイゼーションの効果は発揮
出来ない、と説明書には書いてある→まあ、その通りだ)

α7での重心バランスが悪い問題点は、オプションの縦位置
グリップを使うと改善されるかも知れない、その場合α/NEX系で
課題となっているバッテリー消費の早さの解消にもなる。
しかしながら銀塩時代のカメラならばともかく、小型軽量が
長所のミラーレス機で重量増を招く縦位置グリップの使用は
あまり望ましくない、と思っているので購入していない。

マクロ切り替えはレンズ根元のリングで行うが、まあ
これはこの仕様でも特に問題は無い。オートマクロ機能を
要望するユーザーも多いとは思うが、カメラ側のピント精度が
低い状態では、マクロ自動切り替えは上手く行かないのだ。
(注:今回使用のα7は、ファストハイブリッドAF方式では
あるが、本レンズの場合、AFは速度・精度的にやや苦しい)
c0032138_18155118.jpg
まあでも、細かい弱点は、ある意味どうでも良い。
AFの問題点は、いずれAF性能が改善された次世代の後継機を
買えば、それで済む。
そんな事よりも、希少なSTFレンズだ、そのボケ質を最大限に
楽しむ事が本レンズの主眼であり、その為に購入している。
価格やコスパとかもどうでも良い、唯一無二のものであれば、
欲しければ買うしか無いのである。

本記事では文字数の関係であまり詳しい説明が出来なかったが、
特殊レンズ・スーパーマニアックス第0回「アポダイゼーション
グランドスラム」を参照いただくか、あるいは後日になるが、
新旧STFの対決記事を掲載予定だ。

----
さて、今回の第15回記事は、このあたり迄で、次回記事に続く。


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