2018年9月2日(日)、大阪府泉佐野市、関西国際空港
(KIX)にて行われた「第15回KIX国際交流ドラゴンボート大会」
の模様より。
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この会場、すなわち「関西国際空港」は、本大会の2日後の
2018年9月4日に「最強台風21号」の直撃により、
記録的な暴風(58m/s)や、空港施設を含むA滑走路の冠水、
空港連絡橋へのタンカーの衝突と破壊、8000人もの旅客の
孤立、といった酷い災害に見舞われたのは、報道等で
ご存知の通りである。
だがまあ、この大会当日の時点では、関空は穏やかなもの
であり、大会参加者の誰もが、この「エンジョイ度」の
高い大会を楽しんでいた。
むしろ大会あるいは関空関係者は、予想外の大きな被害に
落ち込んでいるのかもしれないし、昼夜を問わずの必死の
復旧作業は、とても大変だっただろうと思われるが、
また来年、楽しかったこの大会が出来るようにと、様々な
面での完全な復興を願う次第である。
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さて、今回の後編記事では、「オープンの部」の模様に
ついて紹介しよう。
本カテゴリーは、競技志向の高いカテゴリーである。
冒頭写真は、相生から参戦の「ヤンググリーン」チームだ。
彼らの本大会での活躍はじっくり後述しよう。
なお、例によって限られた記事文字数の中では、全ての
参戦チームの様子を紹介するのは無理である。
今回も、目についた(活躍した)チームの紹介が主と
なってしまうが、まあそれでも一応、他記事も含めて、
あまり同一のチームばかりを詳しく紹介しないようにも
配慮はしている。
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まず最初に、本大会のオープンの部での、直近3年間の
決勝進出チームと、その順位、タイムを挙げておこう。
<2015年>
1位:00分59秒:bp
2位:01分06秒:Cathay Pacfic DB Team A
3位:01分10秒:関空飛龍
4位:01分13秒:FKE22(注:竹中工務店)
6位:01分17秒:Rスポーツマンクラブ
<2016年>
1位:00分59秒:bp
2位:01分04秒:SPS118(注:関空海上保安庁)
3位:01分06秒:Cathay Pacfic DB Team A
4位:01分07秒:関空飛龍
6位:01分14秒:Rスポーツマンクラブ
<2017年>
1位:46秒:bp
2位:49秒:NIHON GENMA Hong Kong
3位:51秒:Standard Charterd Bank DB Team A
4位:51秒:Cathay Pacfic DB Team A
6位:51秒:ヤンググリーン
ちなみに、何故2017年から大幅にタイムが伸びているか?
と言えば、まず、この会場は風の影響を受け易い弱点があり、
その安全性を増す為に、それ迄の大会でのレースの向きを、
2017年に逆転したからである。(注:他にも運営上の
利便性の理由がある模様だ)
それに伴い、旧来250m戦であったコース長を、200mに
短縮した。
ただ、実際には200mではなく、180m前後しか
コース距離が無かった模様であり、その為、他の大会での
200m戦と比べても、かなり速いタイムが出ている訳だ。
なお、このあたりの、本大会でのカテゴリー毎の
少なくとも最終順位(できれば、準決勝あたりも含めた
順位、さらに可能であれば、タイムやタイム差なども)は、
全て事前に調べて覚えてから大会の撮影に臨む必要がある。
ドラゴンは勿論、各種スポーツ大会の撮影において、過去の
各参加選手(チーム)戦績の復習作業は必須であろう。
この点、アマチュア層は勿論、報道系等の職業写真家層でも
殆ど実践していないのだが、そこは絶対に事前に勉強して
来るべきだ、それにより撮影効率がまるで違って来る。
選手達も同様だ。過去の自チームはもとより、他チームの
戦績は、調べてから参戦するのが本来であれば望ましい。
それにより、様々なレース戦略を組み立てる事が可能に
なるからである。
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さて、上記の決勝順位データからは様々な情報が見て取れる。
まず、「bo」が三連覇中である。
海外チームが例年強い。「関空飛龍」や「R」といった
ベテランチームが頑張っている。稀に「関空関連の
ビギナーチーム」が決勝に進出する場合もある。
昨年は「ヤンググリーン」が善戦した、等がわかると思う。
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まず「pb」連覇の件だが、連覇以前、2013年と2014年の
本大会は、台風により途中および事前中止となっている。
また、2012年の本大会時点では、まだ「bp」は結成されて
いない。すなわち「bp」は、本大会に参戦開始後は、必ず
優勝を成し遂げている事となる。
しかも他チームとのタイム差は大きく、2位のチームに
3~7秒もの差をつけている。これは、レース観戦上では、
ドラゴン艇の長さを基準とする「艇身(ていしん)」という
単位で距離差を示す事があるが、それで言えば、1~2艇身
の差となる。この距離差があると観戦上においては、殆ど
「独走状態」に見える事になる。
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「bp」のこの独走を止められるのは、国内では相生の超強豪
「磯風漕友会」しか居ない。しかし「磯風」は、本大会では
かつては常連チームであったのだが、2013年(途中中止)
以降、本大会には参戦していない。
まあ、彼らのチームとしての大会参戦ポリシーがある訳で
現状、「磯風」はドラゴン大会では「日本選手権」にしか
参戦していないのだ。
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すると、「bp」の独走を止められるのは海外チームしか
無い状況である(上写真は、今年本大会参戦の香港チーム
「Castle Peak Power Station DB Team」、以下CPPS)
ただ、海外チームは、毎年定常的に参戦するチームは、
「キャセイ・パシフィック」位であって、他チームは、
ほとんど日替わり(年替わり)状態の参戦である。
(しかも、今年は何故か「キャセイ」は不参加である)
まあつまり、大会参戦費用は殆ど全て自己負担になるから、
あまり簡単に毎年日本に来れるような状態でも無いと思う。
「キャセイ」が常連なのは、航空会社ゆえに恐らくは
航空機のチケットの手配が容易なのではなかろうか?
それでもやはり、海外チームは潤沢にメンバーが居るという
訳では無い、複数チームで出場するダブルエントリーの場合
などでは、後半戦となると、重複出場で、メンバー繰りが
上手く行かなかったり、あるいは連戦で疲労が大きく蓄積
してパワーダウンしてしまうケースが多いのだ。
(注:本大会では海外チームの重複出場は大目に見ている)
まあ、という事で、本大会に「bp」が参戦する以上、
「bp」の連覇は、なかなか止められそうにない。
ただ、「bp」にも大会参戦ポリシーがある模様で、
連覇を続けた大会の一部では、参戦を中止して他地区の
大会に転戦するケースも近年では見られる。
まあでも、それは彼らの選択だ、本大会にずっと参戦を
続けるかどうかは、私にはわかりようにも無いし、
恐らくは「bp」としても決めている訳でも無いだろう。
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で、その「bp」であるが、本大会では、知らない顔の
若手選手がずいぶん多く加わっている模様だ。
そもそも「bp」と「bp next」の2チームが参戦している。
確か現在の「bp」は「主要メンバーが30人前後」と
聞いているので、2チーム40人をどこから集めて来たのか?
そこを「bp」に聞いてみると。
b「天神(日本選手権)大会が終わったら、すぐさま
新メンバーの募集と育成フェーズに入っています」
匠「それは、例の高校卒業生からの募集ですか?」
(注:bpの主力メンバーの1人が、高校の体育教師である)
b「いえ、今回は各メンバーが、それぞれ1人づつ
新人を連れて来る、といった方式でして・・」
匠「う~ん、それはつまり、まったくの・・」
b「・・はい、彼らは殆ど漕いだ事はありません、
一応、ブレーキとステイブルだけは教えましたが」
匠「どうりで・・ 予選の模様を見ていると、
bp nextでは、後ろの方に乗っているパドラーの
ピッチが上手く合っていませんでした」
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b「両方のチームとも、前半分は、主力の選手達で、
後ろの半分(6~8人程度)は、全て新人です。
漕ぎが合っていないのは、bp next の方だけですか?
bpはどうでした?」
匠「bpの方は、新人さんが頑張って合わせている模様
ですよ。もっとも、あれ以上レートを上げると
バラバラと崩れる可能性が大きいですが・・」
b「ふうむ、なるほど、そんな感じですか・・」
この会話で分かったことは、今日の大会は「bp」は完全に
「育成段階」になっているという事だ。
匠「そうであれば、今日は、ワンツーフィニッシュは
狙わない方が良いかも知れませんね。
新人さん達が、いきなり初めて漕いで、それで
優勝と準優勝だったら、”こんなものか”とドラゴン
を舐めてかかるかもしれない。
”そんなに簡単に勝てるものでは無い”と実感して
もらうとともに、ちょっと悔しい思いをした位の方が
練習のモチベーションにも繋がるかも知れないですよ」
b「そうかも知れません、まあ、今日は実戦経験を積むのが
主眼です、勝敗はあまり意識していません」
ふうむ・・ まあ、どのチームにおいても、たとえそれが
どんな強豪チームであっても、新人育成は重要課題だ。
しかし、そういう状況であれば、ここは逆に他チームには
是が非でも「bpのワンツーフィニッシュ」を阻止して
もらう事が、むしろ好ましいシナリオなのではなかろうか?
では、どこが「打倒bp」を期待できるのであろうか?
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本大会をホーム大会とし、かつ運営にも関与している
「関空飛龍」(上写真)はどうか? 例年、本大会では、
決勝進出くらいまでの好成績をおさめる事が多い。
ただ、今年「関空飛龍」の様子を見ていると、オープンの
部でありながら、女性メンバーを含んでいる。
また、本年度の戦績は、高石(堺泉北)大会と日本選手権
(天神)大会のいずれも、決勝戦に進出できていない。
そして、本大会においては、このオープンの部だけを
取ってみても、空港(管理部門)関連チームが、実に
4~5チーム(関空飛龍、Bon Voyage、Team FJW,
心おどるITAMI、NFK(?))もあり、「関空飛龍」として
勝敗に拘るより、本大会を盛り上げる為のメンバー配置と
なっている可能性もある(他チームにも分散?)
この様子だと、ちょっと「bp」を倒せそうも無いかな・・
他のベテラン専業チームはどうか?
「Rスポーツマンクラブ」「横浜海神NS」
「team パイレーツといっとこ」
そして、準専業の「チームJP堺」が居るのだが・・
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上写真の「パイレーツといっとこ」は、美人女子選手を
乗せての、楽しんでの出場、という感じだ。
また「R」は、関連チームの「JP堺」に漕手を派遣して
こちらも今年は参戦優先という雰囲気だ。
あと、「横浜海神NS」は、実に5年ぶりの本大会参戦だ。
他の(空港関連)企業チームはどうか?
「チーム クマガイ」「竹中丸」「竹中丸ヤング」が居る。
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上写真は「竹中丸(ヤング)」である。
竹中工務店は、本大会の常連(皆勤賞?)企業チームで
あり、毎年新人研修を兼ねての参戦だ。
だから年次によって実力差が大きい。
過去10数年間では、確か準決勝進出が2回、決勝進出が
1度ある。その年次によっては、ドラゴン競技に向いた
チーム力になるという事であろう。
戦績よりも(汗)美人選手が多いのも特徴のチームで、
10数年前の「伝説の美女ドラマー」が、ドラゴン界では
著名(?)であるが、まあ、前述の通り新人研修の一環
であるから、翌年からは通常は同じ人は参戦しない。
しかし、今年はちょっと様相が違う模様だ。
竹「竹中丸、の方は、会社の中堅の人達で年齢層が
高いです。ヤングの方は、新人ではなくて、2年目
が主体ですね、つまり、ほとんど昨年参戦のチーム
メンバーと同じ、という事です」
ふうむ、そうなると、まあ慣れた選手達とは言えるが、
爆発的に好順位を出す年次では無い、という事かな・・
後は、自治体関係のチームか。
「OFK"村上水軍"」、「八尾魂 えだまめ色」が
そうだが、予選の模様を見ていると、いずれも大苦戦だ。
残るは、遠距離参戦専業チームはどうか?
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上写真は「ゆうゆう焦げるんです」チーム。
チーム名だけを見ていたら、どこのチームかさっぱり
不明だったのだが、実際にチームに会うと、なんの
事は無い、静岡・御前崎を拠点とする「漕げるんです」
(FUJIFILMの企業チーム)と「中電龍舟」(電力会社
チーム)の、コラボチームであった。勿論知った顔だ。
匠「遠路はるばるお疲れ様。なんだ、”漕げるんです”
チームが来ていると知っていたら、FUJIFILMの
カメラを持ってくるべきでしたね。まあ、静岡の
大会に行く際はそうしているのですが・・
今日は他メーカーのカメラばかりです、すんません」
焦「まあ、我々も自社のカメラを使ってませんし(汗)
でも、そういうところまで配慮しているのですか?」
匠「はい、静岡の大会ではFUJIのカメラが主力です。
で、”漕げるんです”さんの工場はカメラ製造では
ないですよね、それでも社員販売はあるのですか?」
焦「ウチは工業用フィルム素材を作っています。
社員販売はありますよ、でもあまり安くはならない」
匠「ふうむ、やはり中古で買った方が安いくらいかな?
今、FUJIのカメラは5~6台使ってますが、もう1世代
新しいのが欲しい状態です、X-Pro2かX-T2か・・」
焦「X-T1を使っていらっしゃるなら、X-T2はあまり性能が
変わっていないので、X-Pro2の方が良いのでは?」
匠「X-T2は、X-T1にあったダイヤルのロック機構が外れて
いるのですよ、これは操作性上の大きな改善です・・
まあ、FUJIFILMのカメラには言いたい事が沢山ある
けど、いずれまた・・」
カメラマニアの選手と、ヲタクな会話をしているところに
「中電龍舟」の選手も顔を出した。
匠「ちょっと御無沙汰です、中電さんの実力であれば
今日は決勝進出が狙えそうですね。久しぶりの入賞を
期待していますよ」
中「どこが強いですか?」
匠「bpの2チーム、海外チーム、関空飛龍、ヤンググリーン
あたりになります」
中「我々は決勝に進めそうですか?」
匠「準決勝の組み合わせ次第です。bpの2チームは準決勝
が分散される事は既に確定です、中電さんが進む組に、
強いチームが集中しない事を願うだけです」
中「よくわかりました、がんばります」
さて、もう1つ遠距離参戦の専業チームがある。
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伝統行事「相生ペーロン競漕」を出自とし、3~4年前
より積極的にドラゴン系大会への参戦を開始した相生の
「ヤンググリーン」チームである。
昨年から本大会に参戦し、昨年の戦績は決勝進出で5位と
なっている。
ヤ「どうですか? 我々の漕ぎは変わりましたか?」
どうやら、本ブログの記事を熱心に読んでくださって
いるらしい。そういえば、そういう解説も書いたと思う。
匠「まあ、ペーロンから転戦して来た頃と比べると、だいぶ
ドラゴンらしくなってきているのではないでしょうか」
ヤ「我々の特集記事を書いてくださいよ」
匠「活躍次第で、自然にそうなりますよ」
ヤ「いままで、ずっと5位だったので・・」
匠「そうですね、日本選手権で正規の決勝出場2回が
いずれも5位、スモール選手権でB優勝、昨年の
KIX大会でも5位ですからね・・ そろそろドラゴン
でも3位入賞したいところですね」
ヤ「今年はどうでしょう?」
匠「昨年よりも、むしろ今年が最大のチャンスです。
bpチームが2つ参戦していますが、いずれも新人が
半数です、絶対に勝ち目が無い状態では無いです」
ヤ「他のチームは?」
匠「まず注意するべきは海外チームです。すでに予選で
戦ってますよね? 僅差で負けていると思いますが、
あのレースは、ヤンググリーンさんは、右に数m程
蛇行していましたよ、もし真っ直ぐ進んでいたら
1秒くらい速くなって、勝ててたと思います。
それから、彼ら(香港CPPS)はダブルエントリーだけど、
どうみても40人の選手は居ない。後半戦は選手繰りが
上手くいかずに若干遅くなる可能性が高いです」
ヤ「ふうむ、国内チームは?」
匠「関空飛龍さん、ただ、こちらも予選で当たって
僅かに勝ってましたね、しかし本大会が地元で選手層が
厚いので後半戦も油断がならないです。
それから「ゆうゆう焦げるんです」、静岡の強豪です
こちらも要注意です。いずれにしても、準決勝の
組み合わせ次第ですね。
幸いにして、今からの敗者復活戦で、ヤンググリーン
さんは、順位が選べる立場にあります。1位だったら
26レースでbp nextと当たります、2位だったら
27レースでbp戦です、どっちが良いですか?」
ヤ「う~ん、bp next の方がまだマシかな?
予選を見ていると、漕ぎが揃っていないみたいでした」
匠「さすが、よく見ていますね。新人さん達が後ろの方に
固まって乗っています、つまり今回は育成チームです」
ヤ「だとしたら、敗復は1位狙いですね、頑張ります!」
匠「そうなりますね、頑張って決勝進出、そして
初の入賞目指してください」
その後、敗者復活戦において、「ヤンググリーン」は
ベテランの「Rスポーツマンクラブ」や「横浜海神NS」を
かわして1位抜け、想定シナリオ通りの「準決勝勝負」に
上手く駒をすすめた。
さて、こんな感じで、主要な各チームの様子は、私も
だいたいは把握できている。
結局「打倒bp」において、最も期待できそうなのは
「ヤンググリーン」である、仮に海外チームが勝っても
「bp」に対しても、あるいは全体シナリオ的にも、あまり
インパクトは無いであろう。
事実、2015年の日本選手権では、「bp」も「磯風」も
「フィリピン陸軍チーム」に負けているのだが、その事は
「海外チームはやはり強いね、でもこれは例外だね」で終わって
しまい、「磯風」が連覇を続けたことになっているのだ。
やはり国内チームが「bp」(や磯風)を倒さないと、ドラゴン
界ではニュースにはならない。
だが、今の段階でヤンググリーンに、それ(打倒bp)を
言うのは、まだ早すぎる、少なくとも決勝進出後だ。
いったん考えをまとめる為に、昼食タイムとしよう。
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今日は移動売店(屋台)が出ているため、スタッフ支給の
お弁当は、珍しく洋食やファーストフードとなっている。
まあ、私はこういう食事の方が好みだし、普段でもこういう
ものばかり食べているので、むしろ嬉しいのだが。
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会場では、「ワールドマスターズゲーム2021 関西」の
担当者の方と、マスコットキャラの「スフラ」ちゃんが
練り歩いている。
このイベントについては、再三本ブログでも紹介して
いるので繰り返しになるが、要点および、今回担当者の
方から聞いた新情報を、ここでまとめておこう。
1)ドラゴンボートのレースがあり、滋賀県の琵琶湖
競艇場で行われる。
2)まだ詳細は未定だが、恐らくは年齢(年代)別戦だ。
ドラゴンの場合、例えば30歳以上の部、40歳以上・・
という風に順次年代別のカテゴリーとし、チーム戦
なので、最も若いメンバーの年齢が、その年代別への
エントリー基準となると思われる。
3)会期は2021年5月下旬いっぱいの17日間であるが
ドラゴンが何チーム、何レース、何日間の開催と
なるかは、まだ要綱も決まらず募集もしていないので
不明である。
(注:滋賀県協会からの追加情報では、艇の手配の関係で、
10人漕ぎ日程、20人漕ぎ日程を分ける可能性がある
とのこと、ただし20人艇は軽量艇を所有していない
ので、それの手配が頭が痛いとの事だ。→JDBA艇を
陸送する方法論はあるが、結構費用がかかってしまう)
まあ、そんな感じである。従来最大の課題だと思っていた
参加漕手の年齢の問題が解決しつつある模様でよかった。
上記のルールであれば妥当であろう、各チームは選手層を
調整して、好きな年代の所にエントリーすればよい。
ただ、ドラゴン系のレギュレーションとの違和感は
まだ残っている、1つは「混合、オープン、女子」と
いった性別のカテゴリー分けをどうするのか?
もう1つは、30歳以下のメンバーが主体のチームは
絶対に出場できないのか否か?である。
まあ、後者については、この大会は「マスターズ」であり
高年齢者層、つまりシニア向けを対象としているので、
若手は最悪は出場できなくても、やむを得ないであろう。
大会の主旨が異なるからだ。そうであれば「アンダー30」
とかの、別の主旨の大会を作るしか無いという訳だ。
幸い、まだ3年ある、今後、より詳細でかつ合理的な
レギュレーションや参加資格等を決めていただきたく思う。
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昼食時の模様。
選手、参加者や関係者の皆が、本大会を楽しんでいる雰囲気だ、
まあそこは良いのだが、本大会(会場)には、ちょっとした
魔物が潜んでいる。
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それは風である、2009年の本大会では、準決勝から決勝に
かけ強風が吹き荒れ、あと1レースだけなので、なんとか
強行したが、「あわや全艇沈没?」という危険な状態と
なった。昨年も予選の間の強風でビギナーチーム2艇が
浸水沈没、つまり、風は本会場において決して無視できない
ファクターである。
2日後の台風では、関空は58m/sの、恐らく関西圏では
トップクラスの記録的暴風に見舞われた。
関空は海上の島であり、風を遮るものが無い。
十数年前だが、私は沖縄への旅行中に、風速50m/sの台風
の直撃を受けた、泊まっているホテルから1歩も出れない
ことは勿論、ホテルの窓ガラスが割れる恐れがある為、
窓のあるホテル内設備(店舗や浴場など)も全て閉鎖
されてしまっていた。沖縄は暴風の経験値が高い故の
措置なのだが、まあ、それにしても関空において
58m/sの暴風で、よく建物に被害が出なかったものだと
むしろそう思う、その規模だったら、窓ガラスが割れる
どころか、建物の屋根や最悪建物ごと吹き飛ばされても
不思議では無い。
今後、将来的な発生が予見されている「スーパー台風」
では、90m/s以上の暴風となるらしい。地上から巻き上げ
られた物体の全てが「空を飛ぶ凶器」となる世界だ(汗)
近年の様々な異常気象や連続的な災厄を見ていると、
それは「想像上の話」だとは言い切れない、災害対策の
重要性を改めて個人レベルに至るまで認識するべきであろう。
で、大会当日の話だが、午後から風が強くなってきている。
が、これを見込んで、幸いにして昨年よりレースの方向を
逆転している、つまり、夕刻になったら追い風となり
ボートへの浸水は少なく安全な訳だ。
ただし、競技上では、後半戦になるほど、どんどんと
タイムが速くなる、数秒程度は縮まるので、予選や敗復の
タイムはまったく参考にならない。
これによる順位戦への影響は、正直私も予想がつかない。
風などのコンディション変化への対応力の高いチームが
有利なのは確かだ。これは混合の部の「関西龍舟」の実例
(前編で記載)を見ても明らかであろう。
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さて、各チームの話題が多くなって、記事文字数が足りなく
なってしまった(汗) オープンの部、敗者復活戦~準決勝
の模様は大幅に割愛する。
美人ドラマーさんの写真で、勘弁していただきたい(笑)
まあ、細かいタイム等はWEB上でのレース結果を参照して貰えば
良い訳で、本ブログでは、他では絶対に得られない「生の情報」
や「一次情報」の記載を主眼とする。まあ観戦記事においては、
その方が「臨場感」が格段に違うからだ。
さて決勝戦のチーム名とレーン順が以下である。
前述の風の変化で、あまり参考にならないが、一応本日の
最速タイムも挙げておく。
(余談だが、「数字を見ると安心する、信用する」は、
日本人(人間)の、ある意味悪いクセだ。数字は必ずしも常に
信用すべきものでは無い。ありとあらゆる分野でそうだが、
カメラの性能評価とかでも同様で、画素数や連写速度が高い
カメラが良いカメラだと、ごく単純に皆が騙されてしまう訳だ、
ここは重要な問題点だが、まあ本記事とは無関係だ。
ここでは、「予選の最速タイムは決勝順位を決めるものでは
無い」という事を言いたい訳だ)
1)49秒:Castle Peak Powet Station DB Team(CPPS)
2)50秒:ヤンググリーン
3)50秒:bp next
4)48秒:bp
5)53秒:ゆうゆう焦げるんです
地元強豪「関空飛龍」は、準決勝で3位となり、タイム順
で「ヤンググリーン」に決勝の枠を譲る形となってしまった。
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決勝前、私は「ヤンググリーン」チームと話をしていた。
ヤ「どうですか? 我々は、予選55秒、敗復52秒、
準決勝50秒と、どんどんタイムが良くなっています」
匠「まあ、予選は向かい風で、昼からだんだん追い風が
強くなってきているので当然です(笑)
他のチームも、勿論タイムを縮めていますよ」
まあつまり、そういうレース環境の変化によって、タイムを
縮める度合いが大きいか小さいかで、チーム毎の戦績の差が
つくという訳だ。
ヤ「あ・・ そうですね(汗) では、この決勝戦は?」
匠「正直、bpはちょっと倒せないでしょうね。
狙うのは、bp nextですかね、さきほどの準決勝で
戦った際には、殆どタイム差が無かったでしたね?
そして、彼らは新人育成チームなので、あれ以上レートを
上げると、きっと(漕ぎが)さらにバラけてしまう。
ヤンググリーンさんが、どこまでパドルを揃えたままで
巡航レートを上げられるか?そこは私にはわかりませんが
今日のコースは200mも無いので、もう死ぬ気で漕ぐ
しか無いでしょう、それで3位、またはbp nextを倒して
2位を狙います」
ヤ「おお、(夢にまで見た)準優勝・・・」
匠「まだわかりませんからね(笑) 気を抜かないで下さい、
香港チーム(CPPS)は軽視しても大丈夫です、予選から
ずっとタイムでは負けていると思いますが、さすがに
もう彼らはメンバー繰りが回っていません、人が足りない
のです、決勝はむしろタイムを落とすと予想できます」
---
ヤンググリーンを含め、各チームには言いたい事は伝えた、
もうあとは、それぞれが頑張ってもらうしかない。
さて、いよいよ運命の決勝戦のスタートだ!
前半、やはり「bp」が頭ひとつ抜け出す、ここは当然だろう。
問題は2位争いだ、「ヤンググリーン」には、上記のように
言ったものの、レースは生き物である、正直言えば、どういう
結果になるかは全く予想が出来ない、大混戦は必至だ。
5レーン「ゆうゆう焦げるんです」は、少し出遅れた。
まあここも、地力のタイム差があるので、いたしかたない。
本大会は5位でも賞品は出る、今回は決勝進出できただけで
良し、と思うのが妥当であろう。
レース後半、順位を写真で確認しよう。
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Clik here to view.![c0032138_16590623.jpg]()
これは右から左に角度がついた撮影だ、
ここで平面的に見える順位は実際とは異なり。例えば真上から
この写真を仮想的に左にぐるっと廻して順位を見ないと実際の
順位はわからない。まあ、その感覚では、
3レーン「bp」がトップで、2位争いが4レーンの「bp next」と
2レーンの「ヤンググリーン」である。
「ヤンググリーン」善戦と言える、でもここで3位だと
シナリオ的に、あまり面白く無い、できれば、bp軍団の
ワンツーを阻止して貰いたいのだ、これは「bp」憎し、という
話ではなく、「bp」自身の為でもある事は、前述の「bp」幹部
との話にもあった通りである。
終盤、「ヤンググリーン」がややペースダウン、
いや、正確に言えば、「bp next」がラストスパートを
かけてきているのだ。どうやら新人の漕ぎがバラけるのを
無視して、艇の前方のベテラン主力が無理やりのペースアップ
を試みている模様だ、さすがにそこは百戦錬磨、ここが
勝負処であることは非常に良くわかっている。
すると、ヤンググリーンが注意しなければならないのは、
1レーンの香港CPPSがまだ死んでいない事だ、ここに最後に
差される(抜かれる)と、せっかくの3位入賞もフイになる。
混戦のまま順次ゴールイン、最終順位は大会本部の集計を
待とう。
オープンの部決勝、最終結果は以下となった、
1位:47秒:bp
2位:48秒:bp next
3位:49秒:ヤンググリーン
4位:50秒:香港CPPS
5位:56秒:ゆうゆう焦げるんです
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上写真は、チャンピオンフラッグ(龍舟旗)を、誇らしげに
かかげる「ヤンググリーン」のウィニングランの模様、
そう、これは3位までのチームの特権だ、ヤンググリーンが
旗を持つのは初めてである、とても嬉しい事であろう。
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表彰式の模様、上写真は2位となった「bp next」だ、
レース後の「bp」の幹部選手との話によると、
b「勝ってしまいました・・ そのつもりでは無かった
のですけどね」との事だ。
匠「まあいいですよ、よく新人たちのモチベーションを
維持して続けるように、うまく育ててくださいね」
まあつまり「bp」は世界を目指すチームだ、が、現状では
世界戦では海外チームに歯が立たない事も事実ではある。
さらに若手選手を鍛えてbpのチーム力を高めてもらう事が
日本のドラゴン界にとっても重要なテーマとなるだろう。
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同じく表彰式での、3位「ヤンググリーン」
「初入賞」は嬉しいだろうが、実際は、ここからが正念場だ。
このモチベーションがあるうちに、練習を重ねて、名実ともに
「強豪チーム」となれるかどうかは、この後にかかっている。
とりあえずの目標は、10月の「スモール選手権」となるだろう。
その大会での活躍をまた期待したいところだ。
さて、これにて本大会は無事終了。
なかなか良い大会であった、欲を言えば、もう少し海外チーム
が増えてくれば、より国際交流大会の雰囲気が強くなる事だ。
でも、それよりも関空自体の台風被害からの完全回復や復興も
まずは願うところだ、そういう点でも、楽しいイベントなどで
集客数を増やしたり、インバウンドのさらなる増加も期待したい
ところである。なにせ、インバウンド客の経済効果は1兆円を
優に越えるレベルであり、これは決して無視できない数字だ。
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上写真は運営スタッフ(一部)の皆様、本日もお疲れ様でした!
まあ慣れたものであり、運営手腕は一流であるのだが、ずっと
同じメンバーである点はちょっと気になるところだ、ぼちぼち
それぞれの持ち場で後継者や新人を育てなければならない。
特に派遣舵の部門は深刻だ、各チームには舵手の成り手が
殆ど居ないので、特に本大会のような多数のビギナーチーム
が出る場合、派遣舵スタッフがとんでもなく忙しい。
なんらかの舵手育成の制度を作っていかないとならないだろう。
また、「ウォーターマン」も本大会では負担が大きいし、
そもそもカメラマンも後継者が居ない状態だ。
広報や、選手層への情報提供の課題もある、いつまでも
本ブログのような個人ブログで対応している訳にもいかない。
(ちなみに、10年程前に、試験的に選手向けの専門雑誌を
協会で作った事があったが、雑誌は発行部数の面で、刊行は
困難であろう、チームで1冊を廻し読みして終わりだからだ・汗)
・・色々課題はあるが、まあ、追々考えていく必要がある。
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帰路、「香港CPPS」のメンバーと南海電車で一緒になった。
だいぶお疲れのご様子、ここから大阪のホテルに帰って
約1週間の滞在予定らしい。彼らは台風の襲来を気にして
いたが、それが現実となってしまったのは残念な話だ。
まあ、無事に帰国できた事を祈るしか無い状況である。
では本記事はこのあたりまでで、次回ドラゴン記事に続く。
(KIX)にて行われた「第15回KIX国際交流ドラゴンボート大会」
の模様より。
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2018年9月4日に「最強台風21号」の直撃により、
記録的な暴風(58m/s)や、空港施設を含むA滑走路の冠水、
空港連絡橋へのタンカーの衝突と破壊、8000人もの旅客の
孤立、といった酷い災害に見舞われたのは、報道等で
ご存知の通りである。
だがまあ、この大会当日の時点では、関空は穏やかなもの
であり、大会参加者の誰もが、この「エンジョイ度」の
高い大会を楽しんでいた。
むしろ大会あるいは関空関係者は、予想外の大きな被害に
落ち込んでいるのかもしれないし、昼夜を問わずの必死の
復旧作業は、とても大変だっただろうと思われるが、
また来年、楽しかったこの大会が出来るようにと、様々な
面での完全な復興を願う次第である。
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ついて紹介しよう。
本カテゴリーは、競技志向の高いカテゴリーである。
冒頭写真は、相生から参戦の「ヤンググリーン」チームだ。
彼らの本大会での活躍はじっくり後述しよう。
なお、例によって限られた記事文字数の中では、全ての
参戦チームの様子を紹介するのは無理である。
今回も、目についた(活躍した)チームの紹介が主と
なってしまうが、まあそれでも一応、他記事も含めて、
あまり同一のチームばかりを詳しく紹介しないようにも
配慮はしている。
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まず最初に、本大会のオープンの部での、直近3年間の
決勝進出チームと、その順位、タイムを挙げておこう。
<2015年>
1位:00分59秒:bp
2位:01分06秒:Cathay Pacfic DB Team A
3位:01分10秒:関空飛龍
4位:01分13秒:FKE22(注:竹中工務店)
6位:01分17秒:Rスポーツマンクラブ
<2016年>
1位:00分59秒:bp
2位:01分04秒:SPS118(注:関空海上保安庁)
3位:01分06秒:Cathay Pacfic DB Team A
4位:01分07秒:関空飛龍
6位:01分14秒:Rスポーツマンクラブ
<2017年>
1位:46秒:bp
2位:49秒:NIHON GENMA Hong Kong
3位:51秒:Standard Charterd Bank DB Team A
4位:51秒:Cathay Pacfic DB Team A
6位:51秒:ヤンググリーン
ちなみに、何故2017年から大幅にタイムが伸びているか?
と言えば、まず、この会場は風の影響を受け易い弱点があり、
その安全性を増す為に、それ迄の大会でのレースの向きを、
2017年に逆転したからである。(注:他にも運営上の
利便性の理由がある模様だ)
それに伴い、旧来250m戦であったコース長を、200mに
短縮した。
ただ、実際には200mではなく、180m前後しか
コース距離が無かった模様であり、その為、他の大会での
200m戦と比べても、かなり速いタイムが出ている訳だ。
なお、このあたりの、本大会でのカテゴリー毎の
少なくとも最終順位(できれば、準決勝あたりも含めた
順位、さらに可能であれば、タイムやタイム差なども)は、
全て事前に調べて覚えてから大会の撮影に臨む必要がある。
ドラゴンは勿論、各種スポーツ大会の撮影において、過去の
各参加選手(チーム)戦績の復習作業は必須であろう。
この点、アマチュア層は勿論、報道系等の職業写真家層でも
殆ど実践していないのだが、そこは絶対に事前に勉強して
来るべきだ、それにより撮影効率がまるで違って来る。
選手達も同様だ。過去の自チームはもとより、他チームの
戦績は、調べてから参戦するのが本来であれば望ましい。
それにより、様々なレース戦略を組み立てる事が可能に
なるからである。
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まず、「bo」が三連覇中である。
海外チームが例年強い。「関空飛龍」や「R」といった
ベテランチームが頑張っている。稀に「関空関連の
ビギナーチーム」が決勝に進出する場合もある。
昨年は「ヤンググリーン」が善戦した、等がわかると思う。
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本大会は、台風により途中および事前中止となっている。
また、2012年の本大会時点では、まだ「bp」は結成されて
いない。すなわち「bp」は、本大会に参戦開始後は、必ず
優勝を成し遂げている事となる。
しかも他チームとのタイム差は大きく、2位のチームに
3~7秒もの差をつけている。これは、レース観戦上では、
ドラゴン艇の長さを基準とする「艇身(ていしん)」という
単位で距離差を示す事があるが、それで言えば、1~2艇身
の差となる。この距離差があると観戦上においては、殆ど
「独走状態」に見える事になる。
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「磯風漕友会」しか居ない。しかし「磯風」は、本大会では
かつては常連チームであったのだが、2013年(途中中止)
以降、本大会には参戦していない。
まあ、彼らのチームとしての大会参戦ポリシーがある訳で
現状、「磯風」はドラゴン大会では「日本選手権」にしか
参戦していないのだ。
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無い状況である(上写真は、今年本大会参戦の香港チーム
「Castle Peak Power Station DB Team」、以下CPPS)
ただ、海外チームは、毎年定常的に参戦するチームは、
「キャセイ・パシフィック」位であって、他チームは、
ほとんど日替わり(年替わり)状態の参戦である。
(しかも、今年は何故か「キャセイ」は不参加である)
まあつまり、大会参戦費用は殆ど全て自己負担になるから、
あまり簡単に毎年日本に来れるような状態でも無いと思う。
「キャセイ」が常連なのは、航空会社ゆえに恐らくは
航空機のチケットの手配が容易なのではなかろうか?
それでもやはり、海外チームは潤沢にメンバーが居るという
訳では無い、複数チームで出場するダブルエントリーの場合
などでは、後半戦となると、重複出場で、メンバー繰りが
上手く行かなかったり、あるいは連戦で疲労が大きく蓄積
してパワーダウンしてしまうケースが多いのだ。
(注:本大会では海外チームの重複出場は大目に見ている)
まあ、という事で、本大会に「bp」が参戦する以上、
「bp」の連覇は、なかなか止められそうにない。
ただ、「bp」にも大会参戦ポリシーがある模様で、
連覇を続けた大会の一部では、参戦を中止して他地区の
大会に転戦するケースも近年では見られる。
まあでも、それは彼らの選択だ、本大会にずっと参戦を
続けるかどうかは、私にはわかりようにも無いし、
恐らくは「bp」としても決めている訳でも無いだろう。
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若手選手がずいぶん多く加わっている模様だ。
そもそも「bp」と「bp next」の2チームが参戦している。
確か現在の「bp」は「主要メンバーが30人前後」と
聞いているので、2チーム40人をどこから集めて来たのか?
そこを「bp」に聞いてみると。
b「天神(日本選手権)大会が終わったら、すぐさま
新メンバーの募集と育成フェーズに入っています」
匠「それは、例の高校卒業生からの募集ですか?」
(注:bpの主力メンバーの1人が、高校の体育教師である)
b「いえ、今回は各メンバーが、それぞれ1人づつ
新人を連れて来る、といった方式でして・・」
匠「う~ん、それはつまり、まったくの・・」
b「・・はい、彼らは殆ど漕いだ事はありません、
一応、ブレーキとステイブルだけは教えましたが」
匠「どうりで・・ 予選の模様を見ていると、
bp nextでは、後ろの方に乗っているパドラーの
ピッチが上手く合っていませんでした」
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後ろの半分(6~8人程度)は、全て新人です。
漕ぎが合っていないのは、bp next の方だけですか?
bpはどうでした?」
匠「bpの方は、新人さんが頑張って合わせている模様
ですよ。もっとも、あれ以上レートを上げると
バラバラと崩れる可能性が大きいですが・・」
b「ふうむ、なるほど、そんな感じですか・・」
この会話で分かったことは、今日の大会は「bp」は完全に
「育成段階」になっているという事だ。
匠「そうであれば、今日は、ワンツーフィニッシュは
狙わない方が良いかも知れませんね。
新人さん達が、いきなり初めて漕いで、それで
優勝と準優勝だったら、”こんなものか”とドラゴン
を舐めてかかるかもしれない。
”そんなに簡単に勝てるものでは無い”と実感して
もらうとともに、ちょっと悔しい思いをした位の方が
練習のモチベーションにも繋がるかも知れないですよ」
b「そうかも知れません、まあ、今日は実戦経験を積むのが
主眼です、勝敗はあまり意識していません」
ふうむ・・ まあ、どのチームにおいても、たとえそれが
どんな強豪チームであっても、新人育成は重要課題だ。
しかし、そういう状況であれば、ここは逆に他チームには
是が非でも「bpのワンツーフィニッシュ」を阻止して
もらう事が、むしろ好ましいシナリオなのではなかろうか?
では、どこが「打倒bp」を期待できるのであろうか?
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「関空飛龍」(上写真)はどうか? 例年、本大会では、
決勝進出くらいまでの好成績をおさめる事が多い。
ただ、今年「関空飛龍」の様子を見ていると、オープンの
部でありながら、女性メンバーを含んでいる。
また、本年度の戦績は、高石(堺泉北)大会と日本選手権
(天神)大会のいずれも、決勝戦に進出できていない。
そして、本大会においては、このオープンの部だけを
取ってみても、空港(管理部門)関連チームが、実に
4~5チーム(関空飛龍、Bon Voyage、Team FJW,
心おどるITAMI、NFK(?))もあり、「関空飛龍」として
勝敗に拘るより、本大会を盛り上げる為のメンバー配置と
なっている可能性もある(他チームにも分散?)
この様子だと、ちょっと「bp」を倒せそうも無いかな・・
他のベテラン専業チームはどうか?
「Rスポーツマンクラブ」「横浜海神NS」
「team パイレーツといっとこ」
そして、準専業の「チームJP堺」が居るのだが・・
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乗せての、楽しんでの出場、という感じだ。
また「R」は、関連チームの「JP堺」に漕手を派遣して
こちらも今年は参戦優先という雰囲気だ。
あと、「横浜海神NS」は、実に5年ぶりの本大会参戦だ。
他の(空港関連)企業チームはどうか?
「チーム クマガイ」「竹中丸」「竹中丸ヤング」が居る。
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竹中工務店は、本大会の常連(皆勤賞?)企業チームで
あり、毎年新人研修を兼ねての参戦だ。
だから年次によって実力差が大きい。
過去10数年間では、確か準決勝進出が2回、決勝進出が
1度ある。その年次によっては、ドラゴン競技に向いた
チーム力になるという事であろう。
戦績よりも(汗)美人選手が多いのも特徴のチームで、
10数年前の「伝説の美女ドラマー」が、ドラゴン界では
著名(?)であるが、まあ、前述の通り新人研修の一環
であるから、翌年からは通常は同じ人は参戦しない。
しかし、今年はちょっと様相が違う模様だ。
竹「竹中丸、の方は、会社の中堅の人達で年齢層が
高いです。ヤングの方は、新人ではなくて、2年目
が主体ですね、つまり、ほとんど昨年参戦のチーム
メンバーと同じ、という事です」
ふうむ、そうなると、まあ慣れた選手達とは言えるが、
爆発的に好順位を出す年次では無い、という事かな・・
後は、自治体関係のチームか。
「OFK"村上水軍"」、「八尾魂 えだまめ色」が
そうだが、予選の模様を見ていると、いずれも大苦戦だ。
残るは、遠距離参戦専業チームはどうか?
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チーム名だけを見ていたら、どこのチームかさっぱり
不明だったのだが、実際にチームに会うと、なんの
事は無い、静岡・御前崎を拠点とする「漕げるんです」
(FUJIFILMの企業チーム)と「中電龍舟」(電力会社
チーム)の、コラボチームであった。勿論知った顔だ。
匠「遠路はるばるお疲れ様。なんだ、”漕げるんです”
チームが来ていると知っていたら、FUJIFILMの
カメラを持ってくるべきでしたね。まあ、静岡の
大会に行く際はそうしているのですが・・
今日は他メーカーのカメラばかりです、すんません」
焦「まあ、我々も自社のカメラを使ってませんし(汗)
でも、そういうところまで配慮しているのですか?」
匠「はい、静岡の大会ではFUJIのカメラが主力です。
で、”漕げるんです”さんの工場はカメラ製造では
ないですよね、それでも社員販売はあるのですか?」
焦「ウチは工業用フィルム素材を作っています。
社員販売はありますよ、でもあまり安くはならない」
匠「ふうむ、やはり中古で買った方が安いくらいかな?
今、FUJIのカメラは5~6台使ってますが、もう1世代
新しいのが欲しい状態です、X-Pro2かX-T2か・・」
焦「X-T1を使っていらっしゃるなら、X-T2はあまり性能が
変わっていないので、X-Pro2の方が良いのでは?」
匠「X-T2は、X-T1にあったダイヤルのロック機構が外れて
いるのですよ、これは操作性上の大きな改善です・・
まあ、FUJIFILMのカメラには言いたい事が沢山ある
けど、いずれまた・・」
カメラマニアの選手と、ヲタクな会話をしているところに
「中電龍舟」の選手も顔を出した。
匠「ちょっと御無沙汰です、中電さんの実力であれば
今日は決勝進出が狙えそうですね。久しぶりの入賞を
期待していますよ」
中「どこが強いですか?」
匠「bpの2チーム、海外チーム、関空飛龍、ヤンググリーン
あたりになります」
中「我々は決勝に進めそうですか?」
匠「準決勝の組み合わせ次第です。bpの2チームは準決勝
が分散される事は既に確定です、中電さんが進む組に、
強いチームが集中しない事を願うだけです」
中「よくわかりました、がんばります」
さて、もう1つ遠距離参戦の専業チームがある。
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より積極的にドラゴン系大会への参戦を開始した相生の
「ヤンググリーン」チームである。
昨年から本大会に参戦し、昨年の戦績は決勝進出で5位と
なっている。
ヤ「どうですか? 我々の漕ぎは変わりましたか?」
どうやら、本ブログの記事を熱心に読んでくださって
いるらしい。そういえば、そういう解説も書いたと思う。
匠「まあ、ペーロンから転戦して来た頃と比べると、だいぶ
ドラゴンらしくなってきているのではないでしょうか」
ヤ「我々の特集記事を書いてくださいよ」
匠「活躍次第で、自然にそうなりますよ」
ヤ「いままで、ずっと5位だったので・・」
匠「そうですね、日本選手権で正規の決勝出場2回が
いずれも5位、スモール選手権でB優勝、昨年の
KIX大会でも5位ですからね・・ そろそろドラゴン
でも3位入賞したいところですね」
ヤ「今年はどうでしょう?」
匠「昨年よりも、むしろ今年が最大のチャンスです。
bpチームが2つ参戦していますが、いずれも新人が
半数です、絶対に勝ち目が無い状態では無いです」
ヤ「他のチームは?」
匠「まず注意するべきは海外チームです。すでに予選で
戦ってますよね? 僅差で負けていると思いますが、
あのレースは、ヤンググリーンさんは、右に数m程
蛇行していましたよ、もし真っ直ぐ進んでいたら
1秒くらい速くなって、勝ててたと思います。
それから、彼ら(香港CPPS)はダブルエントリーだけど、
どうみても40人の選手は居ない。後半戦は選手繰りが
上手くいかずに若干遅くなる可能性が高いです」
ヤ「ふうむ、国内チームは?」
匠「関空飛龍さん、ただ、こちらも予選で当たって
僅かに勝ってましたね、しかし本大会が地元で選手層が
厚いので後半戦も油断がならないです。
それから「ゆうゆう焦げるんです」、静岡の強豪です
こちらも要注意です。いずれにしても、準決勝の
組み合わせ次第ですね。
幸いにして、今からの敗者復活戦で、ヤンググリーン
さんは、順位が選べる立場にあります。1位だったら
26レースでbp nextと当たります、2位だったら
27レースでbp戦です、どっちが良いですか?」
ヤ「う~ん、bp next の方がまだマシかな?
予選を見ていると、漕ぎが揃っていないみたいでした」
匠「さすが、よく見ていますね。新人さん達が後ろの方に
固まって乗っています、つまり今回は育成チームです」
ヤ「だとしたら、敗復は1位狙いですね、頑張ります!」
匠「そうなりますね、頑張って決勝進出、そして
初の入賞目指してください」
その後、敗者復活戦において、「ヤンググリーン」は
ベテランの「Rスポーツマンクラブ」や「横浜海神NS」を
かわして1位抜け、想定シナリオ通りの「準決勝勝負」に
上手く駒をすすめた。
さて、こんな感じで、主要な各チームの様子は、私も
だいたいは把握できている。
結局「打倒bp」において、最も期待できそうなのは
「ヤンググリーン」である、仮に海外チームが勝っても
「bp」に対しても、あるいは全体シナリオ的にも、あまり
インパクトは無いであろう。
事実、2015年の日本選手権では、「bp」も「磯風」も
「フィリピン陸軍チーム」に負けているのだが、その事は
「海外チームはやはり強いね、でもこれは例外だね」で終わって
しまい、「磯風」が連覇を続けたことになっているのだ。
やはり国内チームが「bp」(や磯風)を倒さないと、ドラゴン
界ではニュースにはならない。
だが、今の段階でヤンググリーンに、それ(打倒bp)を
言うのは、まだ早すぎる、少なくとも決勝進出後だ。
いったん考えをまとめる為に、昼食タイムとしよう。
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お弁当は、珍しく洋食やファーストフードとなっている。
まあ、私はこういう食事の方が好みだし、普段でもこういう
ものばかり食べているので、むしろ嬉しいのだが。
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担当者の方と、マスコットキャラの「スフラ」ちゃんが
練り歩いている。
このイベントについては、再三本ブログでも紹介して
いるので繰り返しになるが、要点および、今回担当者の
方から聞いた新情報を、ここでまとめておこう。
1)ドラゴンボートのレースがあり、滋賀県の琵琶湖
競艇場で行われる。
2)まだ詳細は未定だが、恐らくは年齢(年代)別戦だ。
ドラゴンの場合、例えば30歳以上の部、40歳以上・・
という風に順次年代別のカテゴリーとし、チーム戦
なので、最も若いメンバーの年齢が、その年代別への
エントリー基準となると思われる。
3)会期は2021年5月下旬いっぱいの17日間であるが
ドラゴンが何チーム、何レース、何日間の開催と
なるかは、まだ要綱も決まらず募集もしていないので
不明である。
(注:滋賀県協会からの追加情報では、艇の手配の関係で、
10人漕ぎ日程、20人漕ぎ日程を分ける可能性がある
とのこと、ただし20人艇は軽量艇を所有していない
ので、それの手配が頭が痛いとの事だ。→JDBA艇を
陸送する方法論はあるが、結構費用がかかってしまう)
まあ、そんな感じである。従来最大の課題だと思っていた
参加漕手の年齢の問題が解決しつつある模様でよかった。
上記のルールであれば妥当であろう、各チームは選手層を
調整して、好きな年代の所にエントリーすればよい。
ただ、ドラゴン系のレギュレーションとの違和感は
まだ残っている、1つは「混合、オープン、女子」と
いった性別のカテゴリー分けをどうするのか?
もう1つは、30歳以下のメンバーが主体のチームは
絶対に出場できないのか否か?である。
まあ、後者については、この大会は「マスターズ」であり
高年齢者層、つまりシニア向けを対象としているので、
若手は最悪は出場できなくても、やむを得ないであろう。
大会の主旨が異なるからだ。そうであれば「アンダー30」
とかの、別の主旨の大会を作るしか無いという訳だ。
幸い、まだ3年ある、今後、より詳細でかつ合理的な
レギュレーションや参加資格等を決めていただきたく思う。
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選手、参加者や関係者の皆が、本大会を楽しんでいる雰囲気だ、
まあそこは良いのだが、本大会(会場)には、ちょっとした
魔物が潜んでいる。
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かけ強風が吹き荒れ、あと1レースだけなので、なんとか
強行したが、「あわや全艇沈没?」という危険な状態と
なった。昨年も予選の間の強風でビギナーチーム2艇が
浸水沈没、つまり、風は本会場において決して無視できない
ファクターである。
2日後の台風では、関空は58m/sの、恐らく関西圏では
トップクラスの記録的暴風に見舞われた。
関空は海上の島であり、風を遮るものが無い。
十数年前だが、私は沖縄への旅行中に、風速50m/sの台風
の直撃を受けた、泊まっているホテルから1歩も出れない
ことは勿論、ホテルの窓ガラスが割れる恐れがある為、
窓のあるホテル内設備(店舗や浴場など)も全て閉鎖
されてしまっていた。沖縄は暴風の経験値が高い故の
措置なのだが、まあ、それにしても関空において
58m/sの暴風で、よく建物に被害が出なかったものだと
むしろそう思う、その規模だったら、窓ガラスが割れる
どころか、建物の屋根や最悪建物ごと吹き飛ばされても
不思議では無い。
今後、将来的な発生が予見されている「スーパー台風」
では、90m/s以上の暴風となるらしい。地上から巻き上げ
られた物体の全てが「空を飛ぶ凶器」となる世界だ(汗)
近年の様々な異常気象や連続的な災厄を見ていると、
それは「想像上の話」だとは言い切れない、災害対策の
重要性を改めて個人レベルに至るまで認識するべきであろう。
で、大会当日の話だが、午後から風が強くなってきている。
が、これを見込んで、幸いにして昨年よりレースの方向を
逆転している、つまり、夕刻になったら追い風となり
ボートへの浸水は少なく安全な訳だ。
ただし、競技上では、後半戦になるほど、どんどんと
タイムが速くなる、数秒程度は縮まるので、予選や敗復の
タイムはまったく参考にならない。
これによる順位戦への影響は、正直私も予想がつかない。
風などのコンディション変化への対応力の高いチームが
有利なのは確かだ。これは混合の部の「関西龍舟」の実例
(前編で記載)を見ても明らかであろう。
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なってしまった(汗) オープンの部、敗者復活戦~準決勝
の模様は大幅に割愛する。
美人ドラマーさんの写真で、勘弁していただきたい(笑)
まあ、細かいタイム等はWEB上でのレース結果を参照して貰えば
良い訳で、本ブログでは、他では絶対に得られない「生の情報」
や「一次情報」の記載を主眼とする。まあ観戦記事においては、
その方が「臨場感」が格段に違うからだ。
さて決勝戦のチーム名とレーン順が以下である。
前述の風の変化で、あまり参考にならないが、一応本日の
最速タイムも挙げておく。
(余談だが、「数字を見ると安心する、信用する」は、
日本人(人間)の、ある意味悪いクセだ。数字は必ずしも常に
信用すべきものでは無い。ありとあらゆる分野でそうだが、
カメラの性能評価とかでも同様で、画素数や連写速度が高い
カメラが良いカメラだと、ごく単純に皆が騙されてしまう訳だ、
ここは重要な問題点だが、まあ本記事とは無関係だ。
ここでは、「予選の最速タイムは決勝順位を決めるものでは
無い」という事を言いたい訳だ)
1)49秒:Castle Peak Powet Station DB Team(CPPS)
2)50秒:ヤンググリーン
3)50秒:bp next
4)48秒:bp
5)53秒:ゆうゆう焦げるんです
地元強豪「関空飛龍」は、準決勝で3位となり、タイム順
で「ヤンググリーン」に決勝の枠を譲る形となってしまった。
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ヤ「どうですか? 我々は、予選55秒、敗復52秒、
準決勝50秒と、どんどんタイムが良くなっています」
匠「まあ、予選は向かい風で、昼からだんだん追い風が
強くなってきているので当然です(笑)
他のチームも、勿論タイムを縮めていますよ」
まあつまり、そういうレース環境の変化によって、タイムを
縮める度合いが大きいか小さいかで、チーム毎の戦績の差が
つくという訳だ。
ヤ「あ・・ そうですね(汗) では、この決勝戦は?」
匠「正直、bpはちょっと倒せないでしょうね。
狙うのは、bp nextですかね、さきほどの準決勝で
戦った際には、殆どタイム差が無かったでしたね?
そして、彼らは新人育成チームなので、あれ以上レートを
上げると、きっと(漕ぎが)さらにバラけてしまう。
ヤンググリーンさんが、どこまでパドルを揃えたままで
巡航レートを上げられるか?そこは私にはわかりませんが
今日のコースは200mも無いので、もう死ぬ気で漕ぐ
しか無いでしょう、それで3位、またはbp nextを倒して
2位を狙います」
ヤ「おお、(夢にまで見た)準優勝・・・」
匠「まだわかりませんからね(笑) 気を抜かないで下さい、
香港チーム(CPPS)は軽視しても大丈夫です、予選から
ずっとタイムでは負けていると思いますが、さすがに
もう彼らはメンバー繰りが回っていません、人が足りない
のです、決勝はむしろタイムを落とすと予想できます」
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ヤンググリーンを含め、各チームには言いたい事は伝えた、
もうあとは、それぞれが頑張ってもらうしかない。
さて、いよいよ運命の決勝戦のスタートだ!
前半、やはり「bp」が頭ひとつ抜け出す、ここは当然だろう。
問題は2位争いだ、「ヤンググリーン」には、上記のように
言ったものの、レースは生き物である、正直言えば、どういう
結果になるかは全く予想が出来ない、大混戦は必至だ。
5レーン「ゆうゆう焦げるんです」は、少し出遅れた。
まあここも、地力のタイム差があるので、いたしかたない。
本大会は5位でも賞品は出る、今回は決勝進出できただけで
良し、と思うのが妥当であろう。
レース後半、順位を写真で確認しよう。
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ここで平面的に見える順位は実際とは異なり。例えば真上から
この写真を仮想的に左にぐるっと廻して順位を見ないと実際の
順位はわからない。まあ、その感覚では、
3レーン「bp」がトップで、2位争いが4レーンの「bp next」と
2レーンの「ヤンググリーン」である。
「ヤンググリーン」善戦と言える、でもここで3位だと
シナリオ的に、あまり面白く無い、できれば、bp軍団の
ワンツーを阻止して貰いたいのだ、これは「bp」憎し、という
話ではなく、「bp」自身の為でもある事は、前述の「bp」幹部
との話にもあった通りである。
終盤、「ヤンググリーン」がややペースダウン、
いや、正確に言えば、「bp next」がラストスパートを
かけてきているのだ。どうやら新人の漕ぎがバラけるのを
無視して、艇の前方のベテラン主力が無理やりのペースアップ
を試みている模様だ、さすがにそこは百戦錬磨、ここが
勝負処であることは非常に良くわかっている。
すると、ヤンググリーンが注意しなければならないのは、
1レーンの香港CPPSがまだ死んでいない事だ、ここに最後に
差される(抜かれる)と、せっかくの3位入賞もフイになる。
混戦のまま順次ゴールイン、最終順位は大会本部の集計を
待とう。
オープンの部決勝、最終結果は以下となった、
1位:47秒:bp
2位:48秒:bp next
3位:49秒:ヤンググリーン
4位:50秒:香港CPPS
5位:56秒:ゆうゆう焦げるんです
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かかげる「ヤンググリーン」のウィニングランの模様、
そう、これは3位までのチームの特権だ、ヤンググリーンが
旗を持つのは初めてである、とても嬉しい事であろう。
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レース後の「bp」の幹部選手との話によると、
b「勝ってしまいました・・ そのつもりでは無かった
のですけどね」との事だ。
匠「まあいいですよ、よく新人たちのモチベーションを
維持して続けるように、うまく育ててくださいね」
まあつまり「bp」は世界を目指すチームだ、が、現状では
世界戦では海外チームに歯が立たない事も事実ではある。
さらに若手選手を鍛えてbpのチーム力を高めてもらう事が
日本のドラゴン界にとっても重要なテーマとなるだろう。
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「初入賞」は嬉しいだろうが、実際は、ここからが正念場だ。
このモチベーションがあるうちに、練習を重ねて、名実ともに
「強豪チーム」となれるかどうかは、この後にかかっている。
とりあえずの目標は、10月の「スモール選手権」となるだろう。
その大会での活躍をまた期待したいところだ。
さて、これにて本大会は無事終了。
なかなか良い大会であった、欲を言えば、もう少し海外チーム
が増えてくれば、より国際交流大会の雰囲気が強くなる事だ。
でも、それよりも関空自体の台風被害からの完全回復や復興も
まずは願うところだ、そういう点でも、楽しいイベントなどで
集客数を増やしたり、インバウンドのさらなる増加も期待したい
ところである。なにせ、インバウンド客の経済効果は1兆円を
優に越えるレベルであり、これは決して無視できない数字だ。
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まあ慣れたものであり、運営手腕は一流であるのだが、ずっと
同じメンバーである点はちょっと気になるところだ、ぼちぼち
それぞれの持ち場で後継者や新人を育てなければならない。
特に派遣舵の部門は深刻だ、各チームには舵手の成り手が
殆ど居ないので、特に本大会のような多数のビギナーチーム
が出る場合、派遣舵スタッフがとんでもなく忙しい。
なんらかの舵手育成の制度を作っていかないとならないだろう。
また、「ウォーターマン」も本大会では負担が大きいし、
そもそもカメラマンも後継者が居ない状態だ。
広報や、選手層への情報提供の課題もある、いつまでも
本ブログのような個人ブログで対応している訳にもいかない。
(ちなみに、10年程前に、試験的に選手向けの専門雑誌を
協会で作った事があったが、雑誌は発行部数の面で、刊行は
困難であろう、チームで1冊を廻し読みして終わりだからだ・汗)
・・色々課題はあるが、まあ、追々考えていく必要がある。
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だいぶお疲れのご様子、ここから大阪のホテルに帰って
約1週間の滞在予定らしい。彼らは台風の襲来を気にして
いたが、それが現実となってしまったのは残念な話だ。
まあ、無事に帰国できた事を祈るしか無い状況である。
では本記事はこのあたりまでで、次回ドラゴン記事に続く。