正式名称「第35回 堅田湖族まつり 湖族船競争」が
今年も201i8年8月5日(日)に、滋賀県大津市、堅田地区の
「神辺なぎさ公園」にて行われた。
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毎年観戦記事を書いているので、本大会の詳細な説明は最小限
としよう。本大会は、およそ30年以上の歴史を誇る、関西圏
でのドラゴンボート系では最古参の部類の大会である。
開催場所は、堅田の観光名所「浮御堂」の近くで、最寄り駅の
JR湖西線堅田駅からは、およそ徒歩20分強程度である。
レギュレーションは、500mターン戦(250mの往復)であり、
艇は本大会専用の幅広の物(通称:バスタブ艇)を使用する。
安定性は抜群であり、転覆等の危険性はまず無いのだが、
その分、速度は遅く、だいたい秒速2m前後しか出ない。
(=時速約7km、ドラゴンボートの約半分の速度)
クルーは、12人漕ぎに加えて、鼓手(ドラマー)、舵取り、
監督(船長)が同乗して計15名。漕手の不足は認められている。
カテゴリーだが例年では、自治会の部(地元堅田近辺の町単位)、
中学生の部(参加校不問)、一般の部(参加資格不問)である。
各レースは最大4艘建てであり、レースフローは、例年では、
予選→準決勝→決勝となっている。
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「例年では」と何度か書いているが、今年の大会では若干の
ルール変更があった。
それは、今年のこの季節、全国的に長引く猛暑となってしまい、
危険なまでの暑さとなっている事からだ。
大会当日の大津市の最高気温は37℃越え、隣接する京都府では
何と39.5℃まで上がっている。
この猛暑を鑑み、今年は、まず「中学生の部」を中止している。
どうやら滋賀県全体で、この時期の子供達のスポーツイベントを
推奨していないらしいが、まあ、この暑さならやむを得ない。
自治会の部および一般の部では、通常のレースフローでは無く、
各々1本だけ漕いで、そのタイムで順位を決める超短縮フローと
なった。合計レース数は、6レースのみであり、まあこれで、
午前中に表彰式を含めて大会を終了する事が出来るであろう。
本大会会場は、木陰などの暑さを遮る場所が無く、全ての
ボート系大会の中でもベスト5に確実に入る「暑い大会」である。
が、今年は「ミスト」の設備を取り入れて、会場中央部で霧を
発生させ、少しだけだが、そのあたりでは涼しさも感じた。
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レースの順番は、「一般の部」→「自治会の部」であるが、
本記事では便宜上それを逆転して、まず自治会の部の各レース
の模様を紹介する。
自治会の参加チーム数は14であり、計4回のレースを行う。
上写真は昨年優勝の「小番城」(こばき/こばんぎ)である。
抽選により、彼らは第2レースに出場する。
まあでも、例年であれは同一レースで強豪チーム同士が当たった
場合、1位抜け等でないと次に進めないと言う厳しいルールでは
あるが、今年の場合は単純にタイムが良ければ勝てるので、
レースコンディションが一定であれば、強豪チームが順当に
勝つ可能性が高い。
私は本大会の観戦は3年目、既に地元自治会チームの中の
何処が強いかも承知しているし、顔見知りも増えてきている、
レースの見所なども全てわかっている。
勿論、観戦に来る前に、昨年および一昨年の大会の結果や
途中タイム等を、すべて復習して丸々暗記して来ている。
(他では、アマチュアカメラマン層はもとより報道系の職業
写真家層であっても、そういう調査を全くしないで撮影に
来る人達ばかりであり、これは褒められた話ではない。
予備知識無しでは、どのチームをどう撮ったら良いのか?
あるいは、様々なチームにどのように話しかけるべきか?
そういう事が、全くわからないでは無いか・・)
さて、自治会の部の第一レースであるが、ここでの注目は
「衣川」(きぬがわ)と、「永楽」(えいらく)であろう。
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どちらも地元強豪チームである。
「衣川」は、昨年大会では予選で全体の2位となる好タイムを
出しながらも、組み合わせの不運で(注:より速いチームが
居ると順位戦で負ける)、悔しい予選敗退となっていた。
今年に関しては、そのパターンは無い。ともかく良いタイムを
出せば、十分に入賞(全体の3位迄)のチャンスはある。
対する「永楽」は、昨年準優勝のチームである。
その特徴は「芸術的なターンの上手さ」であり、昨年の本大会
の観戦記事では2枚の「永楽のターン」の写真を掲載している。
今年も「永楽」は上手なターンで、「衣川」を突き放して
ゴールタイムは4分23秒。
今日のレースコンディションは、微風で水流も弱いという
標準的な感じである。すると自治会の部のタイムは、過去の
例から算出すると4分10秒台が優勝ラインであり、「永楽」の
タイムはさほど悪くない、今後のレースでは、このタイムが
基準参考値となるであろう。
続く第二レースは、前述の、優勝候補の「小番城」が出る。
2011~2015年に5連覇、2016年は「柳田」(やなぎだ)の
優勝だったが、2017年にまた「小番城」が覇権を取り
戻している。
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「小番城」は、まずまずのターンを見せる。
だいたいの判断であるが、あまり旗から離れて膨らまない方が
タイムロスが少ない。それからターンの内側の漕手のパドルが
止まっていないか?である。内側が完全に止まってしまうと
失速してしまって、ターンからの立ち上がりが遅くなるのだ。
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ターン後の帰路の「小番城」のペースも悪く無い。
ここでの判断だが、向かい風で旗がなびいていれば、ある程度
速度が出ている。旗が下がっている場合には、あまりスピードに
乗っていない状態だ(注:これは、その時の風向と風速によっても
異なる、ここでの速度判断は、今日のコンディションでの話だ)
このレースには、昨年3位の「今堅田」(いまかたた)も出場
していたが、「小番城」は大差をつけて独走状態だ。
「小番城」のフィニッシュタイムは4分10秒であった。
これでほぼ「小番城」の入賞が決まりだ。このタイムは、今日の
コンディションと過去の自治会の部のタイムからして、他チームが
破るのは難しそうで、これを上回る可能性があるのは「柳田」の
1チームのみだが、過去私が見ている範囲では、「柳田」は
4分10秒を切るタイムを出した事は無く、恐らくは「小番城」の
優勝の可能性が高い。
「今堅田」は4分44秒で、「永楽」と「衣川」のタイムを上回れず
暫定4位となっていて、これで残念ながら入賞は無い。
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続く第3レースは、序盤に出遅れた「神辺」(こうべ)が、
後半に巻き返して1位となったが、タイムは4分55秒と振るわず。
例年のレースフローだったら、1位抜けで上位戦進出であるが、
今年のタイム戦では、これでもう、どうしようも無い。
さて、自治会の部のラスト第4レースは、また見ものである。
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上写真は「柳田」チームである。
2016年に「柳田」は、それまで5連覇中の「小番城」を
かわして優勝している強豪チームだ。
しかし昨年2017年、予選で「柳田」は4分21秒の好タイムを
出しながらも、「堅田第一」が、4分20秒で僅かに上回り、
「柳田」を順位戦で破っての決勝進出となった。
決勝で「堅田第一」はスタミナ切れとなって4位に甘んじた
のであるが、瞬発的なスパート力が高いチームであり、
加えて昨年の印象的な戦績から、「柳田キラー」との
異名も与えられている。
「柳田」も強豪であるから、なかなかそれに勝てるチーム
は居ないわけだ。
さて、因縁の対決だが、今年のレースはどうか・・
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後半、残り100m地点まで「堅田第一」(奥側)がリード!
水色の旗も良くなびいている。
これは、今年も「柳田キラー」が炸裂するのか?
いや、「堅田第一」は後半のスタミナ切れの課題を抱えている、
これは昨年の決勝も、一昨年の大会でもそうであった。
今年も、残りわずかの距離で、「堅田第一」が失速(汗)
これを「柳田」が捉えて、逆転しそうな勢いだ・・
両者もつれるように、ほぼ同時にゴールイン!
ここは順位よりもタイムが重要だ、現在の暫定タイムの
順番は、
1位が「小番城」の4分10秒
2位は「永楽」 の4分23秒である。
さて、「柳田」と「堅田第一」のゴールタイムはいかに?
最終結果のタイムと順位だが、
3位「柳田」 4分25秒 (ここまでが入賞)
4位「堅田第一」4分26秒
となった。
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上写真は、悠然と帰ってくる「柳田」チーム。
ちなみに、以下の順位は、
5位「衣川」4分29秒となっている。
結果からみれば、「小番城」が独走で、2位~5位あたり迄は
団子状態であるが、まあ、なかなか興味深いレースであった。
自治会の部は、地元のチームばかりであり、あまり他のボート
系の大会と接点は無いようにも思われるが、実際にはさにあらず
ドラゴンボートの「スモール選手権」大会では、ここ堅田自治会
の選抜チームが、毎年「堅田湖族」の名前で「普及の部」に参戦
していて、調子が良い年では準決勝あたりまで上がってくるのだ。
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上写真は表彰式での「小番城」の様子である。
まあ優勝回数は非常に多いと思われるが、近年では2連覇だ、
おめでとうございます。
ちなみに、第二レースの前に、「浮御堂」の近くで、日傘を
差しながらベンチに座って一人で観戦していた、おばあちゃん
が居た。
気温が非常に高い為、少々熱中症等が心配な要素もあったので、
軽く話し掛けてみると・・
老「小番城(こばき)は、どうだったかね?」
と聞いてくる。
どうやら、小番城(こばんぎ/こばき)地区の住人の方かな?
と言うのも、小番城の正式な読みは「こばんぎ」なのであるが、
地元、特に小番城地区の人達は、皆「こばき」と読むのだ。
(注:”小番城”は旧地名であり、室町時代の城郭が由来だ。
その城郭の範囲が”小番城”なのだが、現在、その地名、および
城跡は残っておらず、本堅田2丁目に”小番城自治会館”がある)
匠「”小番城”(こばき)は、次の試合に出ますよ」
老「去年は、どこかに負けた、と悔しがっていたなあ」
匠「ああ、それは昨年ではなくて、一昨年の話ですね、
”柳田”に負けたのですよ。」
老「おや、おととし(一昨年)だったかのう?
そういえば、去年は(大会を)見ていなかったかな?」
匠「去年は、”小番城”は優勝していますよ。
今年も多分、勝てるのではないでしょうか?」
老「そうかい、じゃあ、ちょっと様子を見にいくか」
と、老婆はベンチを離れて大会本部の方に歩き出した・・
本大会は、地元での年に一度の自治会対抗の競技として、
様々な意味で、生活の中に浸透しているのであろう・・
それと、本大会での「自治会」は現代の町名の区割りでは
なく、昔からの地区名で分類されている点も、歴史的な
意味からは興味深い。
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さて、ここからは「一般の部」の模様を紹介しよう。
上写真は、今年初参戦の「堅田ボンバーズ」
ボ「地元のサッカーチームです」との事だ。
「一般の部」は参加資格不問である、大津市内に限らず
各地のドラゴン専業チーム等も参戦可能だ。
(今年も、およそ半数くらいが市外チームである)
今年の出場チーム数は8チーム、内、ドラゴン専業チームが
3つあり、
「小寺製作所」(2016年優勝、2017年2位)
「(松陽台)守のシルバニアファミリー」(2017年優勝)
「湖鼓Ro(こころ)」(2016年2位、2017年3位)
となっている。
なお、専業チームの本大会への参戦は2016年からである。
「湖鼓Ro(こころ)」は、和太鼓の演奏が生業であり、スモール
選手権でもオープニング演奏を行ったり、滋賀県を中止に各地で
演奏活動を行っている。(滋賀の何処かで公演のポスターを
見かけた事もある)本大会やスモール選手権では、ドラゴン
専業の「GPO」のメンバーを加えてチームを編成している。
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「小寺」や「(松陽台)守のシルバニアファミリー」については
もう説明の必要は無いであろう。(上写真は、「守のシルバニア
ファミリー」、以下、「シルバニア」と略す)
両者は、滋賀県内のターン戦(3つある)に積極的に参戦し、
滋賀県で1~2を争うターンの名手チームである。
「小寺」は3つのターン戦全てで優勝。「松陽台」は、2つに
参戦していて、どちらも優勝している。
昨年の本大会は、初参戦の「シルバニア」が「小寺」を抑えて
見事に初優勝だ。
また、2週間前の「高島ペーロン」でも両者は予選から大激戦
を繰り広げている。
まあ、良きライバル関係と言っても過言では無い。
(因縁の対決、という感じでは無いであろう・・)
なお、専業チームでは、カーボンバドルを所有している事が
多いが、現時点では、本大会ではマイパドルの使用は禁止だ。
(まあ検定が困難なのであろう。全員レンタルパドルを使用だ)
それと、思ったほど、本大会におけるドラゴン専業チームの
参戦数が増えていない。
同じ琵琶湖でのターン戦の「高島ペーロン」は近年の人気
大会で、市外専業チームが毎年増えていき、既に8チームが
参戦している状況だ。
本大会で増えない理由だが、本日8月5日は、大会特異日(?)
とも言える稀な日で、全国で同時に4つものドラゴン系大会が
行われている。
専業チームは、それらに分散してしまったのかも知れない・・
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さて、上写真は一般の部の「水統」チーム。
本大会の常連チームであるが、まだ入賞経験は無いと思う。
元々は企業系のつながりだが、そこから発展してメンバーの
輪を広げ、全国各地から本大会の為に集まってくるそうだ
まあ普段から練習をしている専業チームでは無いのであるが、
今年は、4分31秒と、なかなか健闘、しかし、このタイムでは
4位であり、わずかに入賞(3位まで)を逃している。
こちらの一般の部も、猛暑による短縮ルールで、1回戦だけの
タイム勝負となっている。
8チームなので2レースが行われる訳だが、まずは第一レースの
模様を見ていこう。
こちらには、「シルバニア」が出場している。
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予想通り「シルバニア」が見事なロケットスタート。
先月7月に行われた「高島ペーロン」で、「シルバニア」は、
やたらと本格的なレース展開を行って、強豪ドラゴンチーム達に
混じった非常にシビアな決勝戦で、見事に3位に入賞している。
昨年迄とは、全く別のチームのような印象であり、恐らくは
シーズンオフにもハードな練習を繰り返していたのであろう。
元々は、彼らの地元「高島市」でのペーロン大会での地元最強
チームであったのだが、ここ3~4年、同大会にドラゴンの
専業チームが多数参戦するようになり、全く勝てなくなって
しまった事から、ドラゴン専業チームの戦術を参考にして
本格的な漕ぎを身につけたのだと思われる。
まあ、本腰を入れてやる気になってくれた、という事であり
全然悪い話では無く、歓迎すべき状況だ。
なお、このレースは実質的には本日最初の朝9時半頃のレースだ、
撮影環境は、極端な超逆光状態であり、まともに写真が撮れる
状況では無いが、こればかりは回避の手段は無い。
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影を試してみようかとも
思ったが、それは動体撮影では使えず、おまけに、これは概ね
フルサイズ換算750~1000mmの超々望遠の手持ち撮影である、
手ブレを起こさないように意識しても、大きなフレーミングブレ
が常時発生する、これでは連写合成によるHDR撮影は無理だ。
まあ、どんな方法を使っても、逆光を回避した写真を撮るのは
不可能である。なお、酷暑なので一般アマチュアカメラマンの
来場は皆無であったが、それで正解だ、仮に来てもらっても、
この条件では絶対に撮る事はできないし、危険な暑さでもある。
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さて、「シルバニア」のターンである。
前述の通り、滋賀県内では「小寺」とともに、最もターンが
上手なチームである。さすがに危なげ無しに見事に回る。
ちなみに、艇は個々に着色されていて(4色ある)、ターンする
際には、そのレーンのターンフラッグの色は、艇と同じ色だ。
自治会旗の色と、艇(およびターンフラッグ)の色は無関係
であり、艇お色hレース毎にレーン順で変わる。
それから、昨年度、こちらのチーム名は、
「松陽台 守のシルバニアファミリー」という正式フルネーム
で参戦していたのだが、実況から「名前が長すぎて実況放送が
やりにくい」という話題が出ていた。
そこで、今年は「守のシルバニアファミリー」と、ちょっと
短くしたのだが、この名前であれば、実況放送も問題なく
解説ができる。それに、昨年は優勝しているので、そろそろ
チーム名も皆に馴染んできたのであろう。
(昨年記事でも説明したが「シルバニアファミリー」とは
”ドールハウス”の人気商品の名前だ)
それから、本大会の「自治会の部」は、それぞれ「自治会旗」
を艇につけてレースを行う。一般の部では、旗は無いのだが、
「シルバニア」は昨年本大会を見て「格好良い」と思ったので
あろうか? 今年は、お手製と思われる「シルバニア旗」を
作ってきていて、それをつけて颯爽とレースに臨んでいる。
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手前のチーム「水統」が「(シルバニアは)もうターンを廻り
きったのかよ?!」とばかりに驚きの表情である。
この写真の様子からは、「シルバニア」と、2番手の「水統」の
差は数秒間程度に見えるのだが、「シルバニア」はターンの
全体の繋がりも良い、他チームでは、そこがスムースではなく
失速して、タイムロスしてしまう場合も多々ある。
最終的に「シルバニア」は、2位以下に、およそ30秒も差を
つけての独走状態であった。
これは実際には本日の第一番目のレースであるが、このレース
での「シルバニア」のタイムが、今日のレースコンディション
を知る上で非常に参考になる。
例年のタイムであるが、専業チームでは、3分50秒~4分10秒
という感じだ。風向、風速、潮流(水流)の差で、20秒程度は
ばらついてしまう。
結局、「シルバニア」のゴールタイムは、4分02秒であった。
これが基準となるが、このレベルのタイムを出せるチームは、
他には「小寺製作所」しかいない(小寺の過去最速は3分48秒)
第二レースの「小寺」の様子が大注目となった。
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上写真は、乗艇する「小寺製作所」のメンバー。
「小寺」だが、一昨年優勝なるも、昨年は「シルバニア」に
破れている。
昨年の2位は、様子を見ていると酷暑(昨年も暑かった)
により、メンバーがだいぶ集中力を欠いていた節も見られた
(決勝戦の集合時間に、なかなか集まって来なかった)
今年は、まだ朝の早い時間帯で、1本だけの勝負である、
そうした集中力の面は心配無いであろう。
今年の「小寺」の戦績であるが、7月の「高島ペーロン」で
決勝戦で「シルバニア」と当たっている。「小寺」はターン時に
クルー落水のアクシデントがあって、同決勝戦で5位となって
しまったが、「シルバニア」は決勝3位入賞となっていた。
両者は今、良いライバル関係にあるのだろう。
今年「シルバニア」が本格的なレース戦術を身につけた事に
関して「小寺製作所」に感想を聞いてみた。
匠「小寺さん、今年、松陽台(シルバニア)さんの漕ぎが
変わった事には気がついていましたか?」
小「知ってるよ、ずいぶんと本格的な漕ぎ方になったなあ」
(まあ、愚問であった(汗)、前大会の「高島ペーロン」の
予選で、両者は、歴史に残る死闘を繰り広げたのだった)
匠「スタート、巡航、スパートでレートを変えてますね。
特にスタートはピッチも速くて、なかなか見事です」
小「ロケットスタートは、かつては、ウチ(小寺)の得意技
だったのだけどなあ、メンバーも高齢化してきたという事か?」
匠「まあ、やむをえませんね。そろそろ、キッズ大会に出ていた
子供達が大人に混じって漕げる年齢なのでは?」
小「まあそうだな・・
だけど、今年に関しては暑いので、滋賀県の方も、あまり
子供のスポーツを推奨していないんだよ」
匠「そうみたいですね、だから本大会でも中学生の部が無くなった。
キッズ大会(8月18日)の頃には、涼しくなっていると
良いですね」
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さて、第二レースの注目チームはもう1つある、
上写真の「湖鼓Ro(こころ)」だ。
こちらは、ボートではなく「音楽」が生業のチームなのであるが、
いつのまにか毎年入賞している(2016年2位、2017年3位)
という、あなどれない実力値を持つチームだ。
本大会では、笛や鐘を艇に持ち込み、レース後などで、
艇に備えてある太鼓と合わせて見事な演奏を披露する事があり、
実況解説からも「演奏の上手なチームですね!」と
紹介されている(実は、それが本業なのです・笑)
さあ、レースが始まった。
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序盤、「小寺」がトップ、そして「湖鼓Ro」が続く。
いずれも悪く無いスタートだが、問題はタイムである。
「シルバニア」の暫定1位タイムが約4分であるから、「小寺」と
しては4分を切るペースを作っていかなければならない。
「シルバニア」の昨年優勝タイムが3分52秒であり、今年は10秒
落としている。これはミスではなくて、レースコンディションの
差が主であり、むしろシルバニアは今年は本格的な漕ぎに変貌
している訳だから、2~3秒は昨年よりも速かったであろう。
つまり、総合的には12~13秒程度、どのチームも、昨年の
ベストタイムより遅くなるだろう、という予想だ。
昨年の「小寺」の予選最速タイムは3分48秒、これに
13秒を加えると4分01秒。
おお、これは「シルバニア」を1秒上回る!
匠「問題はターンだな、ここで勝負が決まる」
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匠「おっとっと・・ 微妙なターンだなあ」
まあ、悪いターンでは無い、でも、少々膨らみすぎだ。
ターンの名手の「小寺」にしてみれば、これは「ミスターン」
の類であろう、それは、上の方の写真での「シルバニア」の
ターンと比べてみれば一目瞭然だ。
このライン取りのミスによる「小寺」のタイムロスは、どれ位
であろうか? 1~2秒程度? だとしたら、まるっきり
「シルバニア」のタイムと同じか、あるいは僅かに遅い位となる。
そういえば昨年の決勝戦でも、「小寺」は、僅かにターンを
膨らませてしまい、「シルバニア」にターンで2~3秒差を
詰められて逆転負けを喰らってしまっていたのだ。
「ターンの名手」とは言え、ばらつきがあるのが課題かな?
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レース後半は特に大きな波乱は無い。手前レーンの「湖鼓Ro」が
奥の「小寺」と接戦をしているように見えるが、これは意図的に
撮影地点とアングルを工夫して、接戦のように見せている写真だ。
(本大会は、超逆光である課題と超遠距離である点を除き、
撮影アングル決定の自由度は比較的高いので、レースタイムを
正確に予想できるのであれば、構図上の意図を作り出せる)
実際には約2艇身(約20m、10秒前後)の差がある状況である。
でもまあ、これで「湖鼓Ro」の全体の中での3位はほぼ確定で、
問題の1位2位は、「小寺」の、このレースのタイム次第だ。
「小寺」、ゴールイン!
さて、「シルバニア」の4分02秒を上回ったのか否か?
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レースを終えて戻ってきた「小寺製作所」(桃色のユニフォーム)
を、「守のシルバニアファミリー」(濃紺のユニフォーム)
のメンバーが出迎えて健闘を讃える。
両者はライバル関係だが、仲が悪い訳では無いのだ。
一見、「小寺」が勝者に見えるのだが、実は「小寺製作所」の
ゴールタイムは4分03秒であった、これは「シルバニア」の
4分02秒に僅かに1秒だけ届かず、残念ながら2位である。
でもまあ、大接戦だ。直接的にレースで両者が勝負していたら
結果はまた違うものとなったかも知れないが、まあでも
お互い「見えない相手」に対して全力を尽くした結果であろう。
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こちらは「一般の部」の表彰式の模様、
「湖鼓Ro」のメンバーが、得意の楽器で「見よ勇者は帰る」
(ヘンデル作曲、表彰式の定番の名曲)を演奏して、表彰の
雰囲気を盛り上げてくれる。
優勝「シルバニア」、2位「小寺」、3位「湖鼓Ro」である。
これは昨年の成績と全く同じ順位となった。
「シルバニア」は、昨年の本大会が「高島ペーロン」以外での
初優勝で、喜びが大きかった。また今年の「高島ペーロン」では
超強豪チームに混じっての第3位だったので、胴上げがあった
位である、しかし、今回はずいぶんと大人しかった。
まあ、「優勝慣れしてきた」という事であろう。
「シルバニア」の成長は著しい。今年の最大注目の専業チーム
であるとも言える、この分では、「びわこペーロン」や
「スモール選手権」での初入賞も期待できるかも知れない。
(注:びわこペーロンでは好成績であった、後日紹介予定)
さて、これにて本大会は無事終了(注:実際には、一般の部
は自治会の部より先に行われていた)
終了時刻は午前11時半、猛暑による短縮レースとなったので
短時間だけの大会となったが、まあ、観戦においても十分に
満足できる内容であった。
さて、非常に暑いので、私も早々に撤収しよう。
参戦の選手達は、大半が地元であり、徒歩または自転車等だ。
遠方から参戦の場合は、チーム毎に車などで来ている。
電車での観戦は、私くらいかも知れない、
JR湖西線堅田駅までは、ここから徒歩20分強位だ、帰路の
途中には、コンビニ、複数の飲食店、大型スーパーもあり、
食事等が必要な場合にも困らない。
暑い事を除いては、あまり不便な大会では無いと言える。
会場(選手村)のスペースが若干狭いのだが、まだ5~6
チームくらいは、増やしても問題は無さそうだ。
ドラゴン中堅チーム等は、腕試しでの参戦はいかがであろうか?
次回ドラゴン関連記事に続く・・
今年も201i8年8月5日(日)に、滋賀県大津市、堅田地区の
「神辺なぎさ公園」にて行われた。
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としよう。本大会は、およそ30年以上の歴史を誇る、関西圏
でのドラゴンボート系では最古参の部類の大会である。
開催場所は、堅田の観光名所「浮御堂」の近くで、最寄り駅の
JR湖西線堅田駅からは、およそ徒歩20分強程度である。
レギュレーションは、500mターン戦(250mの往復)であり、
艇は本大会専用の幅広の物(通称:バスタブ艇)を使用する。
安定性は抜群であり、転覆等の危険性はまず無いのだが、
その分、速度は遅く、だいたい秒速2m前後しか出ない。
(=時速約7km、ドラゴンボートの約半分の速度)
クルーは、12人漕ぎに加えて、鼓手(ドラマー)、舵取り、
監督(船長)が同乗して計15名。漕手の不足は認められている。
カテゴリーだが例年では、自治会の部(地元堅田近辺の町単位)、
中学生の部(参加校不問)、一般の部(参加資格不問)である。
各レースは最大4艘建てであり、レースフローは、例年では、
予選→準決勝→決勝となっている。
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ルール変更があった。
それは、今年のこの季節、全国的に長引く猛暑となってしまい、
危険なまでの暑さとなっている事からだ。
大会当日の大津市の最高気温は37℃越え、隣接する京都府では
何と39.5℃まで上がっている。
この猛暑を鑑み、今年は、まず「中学生の部」を中止している。
どうやら滋賀県全体で、この時期の子供達のスポーツイベントを
推奨していないらしいが、まあ、この暑さならやむを得ない。
自治会の部および一般の部では、通常のレースフローでは無く、
各々1本だけ漕いで、そのタイムで順位を決める超短縮フローと
なった。合計レース数は、6レースのみであり、まあこれで、
午前中に表彰式を含めて大会を終了する事が出来るであろう。
本大会会場は、木陰などの暑さを遮る場所が無く、全ての
ボート系大会の中でもベスト5に確実に入る「暑い大会」である。
が、今年は「ミスト」の設備を取り入れて、会場中央部で霧を
発生させ、少しだけだが、そのあたりでは涼しさも感じた。
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本記事では便宜上それを逆転して、まず自治会の部の各レース
の模様を紹介する。
自治会の参加チーム数は14であり、計4回のレースを行う。
上写真は昨年優勝の「小番城」(こばき/こばんぎ)である。
抽選により、彼らは第2レースに出場する。
まあでも、例年であれは同一レースで強豪チーム同士が当たった
場合、1位抜け等でないと次に進めないと言う厳しいルールでは
あるが、今年の場合は単純にタイムが良ければ勝てるので、
レースコンディションが一定であれば、強豪チームが順当に
勝つ可能性が高い。
私は本大会の観戦は3年目、既に地元自治会チームの中の
何処が強いかも承知しているし、顔見知りも増えてきている、
レースの見所なども全てわかっている。
勿論、観戦に来る前に、昨年および一昨年の大会の結果や
途中タイム等を、すべて復習して丸々暗記して来ている。
(他では、アマチュアカメラマン層はもとより報道系の職業
写真家層であっても、そういう調査を全くしないで撮影に
来る人達ばかりであり、これは褒められた話ではない。
予備知識無しでは、どのチームをどう撮ったら良いのか?
あるいは、様々なチームにどのように話しかけるべきか?
そういう事が、全くわからないでは無いか・・)
さて、自治会の部の第一レースであるが、ここでの注目は
「衣川」(きぬがわ)と、「永楽」(えいらく)であろう。
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「衣川」は、昨年大会では予選で全体の2位となる好タイムを
出しながらも、組み合わせの不運で(注:より速いチームが
居ると順位戦で負ける)、悔しい予選敗退となっていた。
今年に関しては、そのパターンは無い。ともかく良いタイムを
出せば、十分に入賞(全体の3位迄)のチャンスはある。
対する「永楽」は、昨年準優勝のチームである。
その特徴は「芸術的なターンの上手さ」であり、昨年の本大会
の観戦記事では2枚の「永楽のターン」の写真を掲載している。
今年も「永楽」は上手なターンで、「衣川」を突き放して
ゴールタイムは4分23秒。
今日のレースコンディションは、微風で水流も弱いという
標準的な感じである。すると自治会の部のタイムは、過去の
例から算出すると4分10秒台が優勝ラインであり、「永楽」の
タイムはさほど悪くない、今後のレースでは、このタイムが
基準参考値となるであろう。
続く第二レースは、前述の、優勝候補の「小番城」が出る。
2011~2015年に5連覇、2016年は「柳田」(やなぎだ)の
優勝だったが、2017年にまた「小番城」が覇権を取り
戻している。
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だいたいの判断であるが、あまり旗から離れて膨らまない方が
タイムロスが少ない。それからターンの内側の漕手のパドルが
止まっていないか?である。内側が完全に止まってしまうと
失速してしまって、ターンからの立ち上がりが遅くなるのだ。
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ここでの判断だが、向かい風で旗がなびいていれば、ある程度
速度が出ている。旗が下がっている場合には、あまりスピードに
乗っていない状態だ(注:これは、その時の風向と風速によっても
異なる、ここでの速度判断は、今日のコンディションでの話だ)
このレースには、昨年3位の「今堅田」(いまかたた)も出場
していたが、「小番城」は大差をつけて独走状態だ。
「小番城」のフィニッシュタイムは4分10秒であった。
これでほぼ「小番城」の入賞が決まりだ。このタイムは、今日の
コンディションと過去の自治会の部のタイムからして、他チームが
破るのは難しそうで、これを上回る可能性があるのは「柳田」の
1チームのみだが、過去私が見ている範囲では、「柳田」は
4分10秒を切るタイムを出した事は無く、恐らくは「小番城」の
優勝の可能性が高い。
「今堅田」は4分44秒で、「永楽」と「衣川」のタイムを上回れず
暫定4位となっていて、これで残念ながら入賞は無い。
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後半に巻き返して1位となったが、タイムは4分55秒と振るわず。
例年のレースフローだったら、1位抜けで上位戦進出であるが、
今年のタイム戦では、これでもう、どうしようも無い。
さて、自治会の部のラスト第4レースは、また見ものである。
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2016年に「柳田」は、それまで5連覇中の「小番城」を
かわして優勝している強豪チームだ。
しかし昨年2017年、予選で「柳田」は4分21秒の好タイムを
出しながらも、「堅田第一」が、4分20秒で僅かに上回り、
「柳田」を順位戦で破っての決勝進出となった。
決勝で「堅田第一」はスタミナ切れとなって4位に甘んじた
のであるが、瞬発的なスパート力が高いチームであり、
加えて昨年の印象的な戦績から、「柳田キラー」との
異名も与えられている。
「柳田」も強豪であるから、なかなかそれに勝てるチーム
は居ないわけだ。
さて、因縁の対決だが、今年のレースはどうか・・
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水色の旗も良くなびいている。
これは、今年も「柳田キラー」が炸裂するのか?
いや、「堅田第一」は後半のスタミナ切れの課題を抱えている、
これは昨年の決勝も、一昨年の大会でもそうであった。
今年も、残りわずかの距離で、「堅田第一」が失速(汗)
これを「柳田」が捉えて、逆転しそうな勢いだ・・
両者もつれるように、ほぼ同時にゴールイン!
ここは順位よりもタイムが重要だ、現在の暫定タイムの
順番は、
1位が「小番城」の4分10秒
2位は「永楽」 の4分23秒である。
さて、「柳田」と「堅田第一」のゴールタイムはいかに?
最終結果のタイムと順位だが、
3位「柳田」 4分25秒 (ここまでが入賞)
4位「堅田第一」4分26秒
となった。
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ちなみに、以下の順位は、
5位「衣川」4分29秒となっている。
結果からみれば、「小番城」が独走で、2位~5位あたり迄は
団子状態であるが、まあ、なかなか興味深いレースであった。
自治会の部は、地元のチームばかりであり、あまり他のボート
系の大会と接点は無いようにも思われるが、実際にはさにあらず
ドラゴンボートの「スモール選手権」大会では、ここ堅田自治会
の選抜チームが、毎年「堅田湖族」の名前で「普及の部」に参戦
していて、調子が良い年では準決勝あたりまで上がってくるのだ。
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まあ優勝回数は非常に多いと思われるが、近年では2連覇だ、
おめでとうございます。
ちなみに、第二レースの前に、「浮御堂」の近くで、日傘を
差しながらベンチに座って一人で観戦していた、おばあちゃん
が居た。
気温が非常に高い為、少々熱中症等が心配な要素もあったので、
軽く話し掛けてみると・・
老「小番城(こばき)は、どうだったかね?」
と聞いてくる。
どうやら、小番城(こばんぎ/こばき)地区の住人の方かな?
と言うのも、小番城の正式な読みは「こばんぎ」なのであるが、
地元、特に小番城地区の人達は、皆「こばき」と読むのだ。
(注:”小番城”は旧地名であり、室町時代の城郭が由来だ。
その城郭の範囲が”小番城”なのだが、現在、その地名、および
城跡は残っておらず、本堅田2丁目に”小番城自治会館”がある)
匠「”小番城”(こばき)は、次の試合に出ますよ」
老「去年は、どこかに負けた、と悔しがっていたなあ」
匠「ああ、それは昨年ではなくて、一昨年の話ですね、
”柳田”に負けたのですよ。」
老「おや、おととし(一昨年)だったかのう?
そういえば、去年は(大会を)見ていなかったかな?」
匠「去年は、”小番城”は優勝していますよ。
今年も多分、勝てるのではないでしょうか?」
老「そうかい、じゃあ、ちょっと様子を見にいくか」
と、老婆はベンチを離れて大会本部の方に歩き出した・・
本大会は、地元での年に一度の自治会対抗の競技として、
様々な意味で、生活の中に浸透しているのであろう・・
それと、本大会での「自治会」は現代の町名の区割りでは
なく、昔からの地区名で分類されている点も、歴史的な
意味からは興味深い。
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上写真は、今年初参戦の「堅田ボンバーズ」
ボ「地元のサッカーチームです」との事だ。
「一般の部」は参加資格不問である、大津市内に限らず
各地のドラゴン専業チーム等も参戦可能だ。
(今年も、およそ半数くらいが市外チームである)
今年の出場チーム数は8チーム、内、ドラゴン専業チームが
3つあり、
「小寺製作所」(2016年優勝、2017年2位)
「(松陽台)守のシルバニアファミリー」(2017年優勝)
「湖鼓Ro(こころ)」(2016年2位、2017年3位)
となっている。
なお、専業チームの本大会への参戦は2016年からである。
「湖鼓Ro(こころ)」は、和太鼓の演奏が生業であり、スモール
選手権でもオープニング演奏を行ったり、滋賀県を中止に各地で
演奏活動を行っている。(滋賀の何処かで公演のポスターを
見かけた事もある)本大会やスモール選手権では、ドラゴン
専業の「GPO」のメンバーを加えてチームを編成している。
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もう説明の必要は無いであろう。(上写真は、「守のシルバニア
ファミリー」、以下、「シルバニア」と略す)
両者は、滋賀県内のターン戦(3つある)に積極的に参戦し、
滋賀県で1~2を争うターンの名手チームである。
「小寺」は3つのターン戦全てで優勝。「松陽台」は、2つに
参戦していて、どちらも優勝している。
昨年の本大会は、初参戦の「シルバニア」が「小寺」を抑えて
見事に初優勝だ。
また、2週間前の「高島ペーロン」でも両者は予選から大激戦
を繰り広げている。
まあ、良きライバル関係と言っても過言では無い。
(因縁の対決、という感じでは無いであろう・・)
なお、専業チームでは、カーボンバドルを所有している事が
多いが、現時点では、本大会ではマイパドルの使用は禁止だ。
(まあ検定が困難なのであろう。全員レンタルパドルを使用だ)
それと、思ったほど、本大会におけるドラゴン専業チームの
参戦数が増えていない。
同じ琵琶湖でのターン戦の「高島ペーロン」は近年の人気
大会で、市外専業チームが毎年増えていき、既に8チームが
参戦している状況だ。
本大会で増えない理由だが、本日8月5日は、大会特異日(?)
とも言える稀な日で、全国で同時に4つものドラゴン系大会が
行われている。
専業チームは、それらに分散してしまったのかも知れない・・
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本大会の常連チームであるが、まだ入賞経験は無いと思う。
元々は企業系のつながりだが、そこから発展してメンバーの
輪を広げ、全国各地から本大会の為に集まってくるそうだ
まあ普段から練習をしている専業チームでは無いのであるが、
今年は、4分31秒と、なかなか健闘、しかし、このタイムでは
4位であり、わずかに入賞(3位まで)を逃している。
こちらの一般の部も、猛暑による短縮ルールで、1回戦だけの
タイム勝負となっている。
8チームなので2レースが行われる訳だが、まずは第一レースの
模様を見ていこう。
こちらには、「シルバニア」が出場している。
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先月7月に行われた「高島ペーロン」で、「シルバニア」は、
やたらと本格的なレース展開を行って、強豪ドラゴンチーム達に
混じった非常にシビアな決勝戦で、見事に3位に入賞している。
昨年迄とは、全く別のチームのような印象であり、恐らくは
シーズンオフにもハードな練習を繰り返していたのであろう。
元々は、彼らの地元「高島市」でのペーロン大会での地元最強
チームであったのだが、ここ3~4年、同大会にドラゴンの
専業チームが多数参戦するようになり、全く勝てなくなって
しまった事から、ドラゴン専業チームの戦術を参考にして
本格的な漕ぎを身につけたのだと思われる。
まあ、本腰を入れてやる気になってくれた、という事であり
全然悪い話では無く、歓迎すべき状況だ。
なお、このレースは実質的には本日最初の朝9時半頃のレースだ、
撮影環境は、極端な超逆光状態であり、まともに写真が撮れる
状況では無いが、こればかりは回避の手段は無い。
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影を試してみようかとも
思ったが、それは動体撮影では使えず、おまけに、これは概ね
フルサイズ換算750~1000mmの超々望遠の手持ち撮影である、
手ブレを起こさないように意識しても、大きなフレーミングブレ
が常時発生する、これでは連写合成によるHDR撮影は無理だ。
まあ、どんな方法を使っても、逆光を回避した写真を撮るのは
不可能である。なお、酷暑なので一般アマチュアカメラマンの
来場は皆無であったが、それで正解だ、仮に来てもらっても、
この条件では絶対に撮る事はできないし、危険な暑さでもある。
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前述の通り、滋賀県内では「小寺」とともに、最もターンが
上手なチームである。さすがに危なげ無しに見事に回る。
ちなみに、艇は個々に着色されていて(4色ある)、ターンする
際には、そのレーンのターンフラッグの色は、艇と同じ色だ。
自治会旗の色と、艇(およびターンフラッグ)の色は無関係
であり、艇お色hレース毎にレーン順で変わる。
それから、昨年度、こちらのチーム名は、
「松陽台 守のシルバニアファミリー」という正式フルネーム
で参戦していたのだが、実況から「名前が長すぎて実況放送が
やりにくい」という話題が出ていた。
そこで、今年は「守のシルバニアファミリー」と、ちょっと
短くしたのだが、この名前であれば、実況放送も問題なく
解説ができる。それに、昨年は優勝しているので、そろそろ
チーム名も皆に馴染んできたのであろう。
(昨年記事でも説明したが「シルバニアファミリー」とは
”ドールハウス”の人気商品の名前だ)
それから、本大会の「自治会の部」は、それぞれ「自治会旗」
を艇につけてレースを行う。一般の部では、旗は無いのだが、
「シルバニア」は昨年本大会を見て「格好良い」と思ったので
あろうか? 今年は、お手製と思われる「シルバニア旗」を
作ってきていて、それをつけて颯爽とレースに臨んでいる。
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きったのかよ?!」とばかりに驚きの表情である。
この写真の様子からは、「シルバニア」と、2番手の「水統」の
差は数秒間程度に見えるのだが、「シルバニア」はターンの
全体の繋がりも良い、他チームでは、そこがスムースではなく
失速して、タイムロスしてしまう場合も多々ある。
最終的に「シルバニア」は、2位以下に、およそ30秒も差を
つけての独走状態であった。
これは実際には本日の第一番目のレースであるが、このレース
での「シルバニア」のタイムが、今日のレースコンディション
を知る上で非常に参考になる。
例年のタイムであるが、専業チームでは、3分50秒~4分10秒
という感じだ。風向、風速、潮流(水流)の差で、20秒程度は
ばらついてしまう。
結局、「シルバニア」のゴールタイムは、4分02秒であった。
これが基準となるが、このレベルのタイムを出せるチームは、
他には「小寺製作所」しかいない(小寺の過去最速は3分48秒)
第二レースの「小寺」の様子が大注目となった。
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「小寺」だが、一昨年優勝なるも、昨年は「シルバニア」に
破れている。
昨年の2位は、様子を見ていると酷暑(昨年も暑かった)
により、メンバーがだいぶ集中力を欠いていた節も見られた
(決勝戦の集合時間に、なかなか集まって来なかった)
今年は、まだ朝の早い時間帯で、1本だけの勝負である、
そうした集中力の面は心配無いであろう。
今年の「小寺」の戦績であるが、7月の「高島ペーロン」で
決勝戦で「シルバニア」と当たっている。「小寺」はターン時に
クルー落水のアクシデントがあって、同決勝戦で5位となって
しまったが、「シルバニア」は決勝3位入賞となっていた。
両者は今、良いライバル関係にあるのだろう。
今年「シルバニア」が本格的なレース戦術を身につけた事に
関して「小寺製作所」に感想を聞いてみた。
匠「小寺さん、今年、松陽台(シルバニア)さんの漕ぎが
変わった事には気がついていましたか?」
小「知ってるよ、ずいぶんと本格的な漕ぎ方になったなあ」
(まあ、愚問であった(汗)、前大会の「高島ペーロン」の
予選で、両者は、歴史に残る死闘を繰り広げたのだった)
匠「スタート、巡航、スパートでレートを変えてますね。
特にスタートはピッチも速くて、なかなか見事です」
小「ロケットスタートは、かつては、ウチ(小寺)の得意技
だったのだけどなあ、メンバーも高齢化してきたという事か?」
匠「まあ、やむをえませんね。そろそろ、キッズ大会に出ていた
子供達が大人に混じって漕げる年齢なのでは?」
小「まあそうだな・・
だけど、今年に関しては暑いので、滋賀県の方も、あまり
子供のスポーツを推奨していないんだよ」
匠「そうみたいですね、だから本大会でも中学生の部が無くなった。
キッズ大会(8月18日)の頃には、涼しくなっていると
良いですね」
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上写真の「湖鼓Ro(こころ)」だ。
こちらは、ボートではなく「音楽」が生業のチームなのであるが、
いつのまにか毎年入賞している(2016年2位、2017年3位)
という、あなどれない実力値を持つチームだ。
本大会では、笛や鐘を艇に持ち込み、レース後などで、
艇に備えてある太鼓と合わせて見事な演奏を披露する事があり、
実況解説からも「演奏の上手なチームですね!」と
紹介されている(実は、それが本業なのです・笑)
さあ、レースが始まった。
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いずれも悪く無いスタートだが、問題はタイムである。
「シルバニア」の暫定1位タイムが約4分であるから、「小寺」と
しては4分を切るペースを作っていかなければならない。
「シルバニア」の昨年優勝タイムが3分52秒であり、今年は10秒
落としている。これはミスではなくて、レースコンディションの
差が主であり、むしろシルバニアは今年は本格的な漕ぎに変貌
している訳だから、2~3秒は昨年よりも速かったであろう。
つまり、総合的には12~13秒程度、どのチームも、昨年の
ベストタイムより遅くなるだろう、という予想だ。
昨年の「小寺」の予選最速タイムは3分48秒、これに
13秒を加えると4分01秒。
おお、これは「シルバニア」を1秒上回る!
匠「問題はターンだな、ここで勝負が決まる」
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まあ、悪いターンでは無い、でも、少々膨らみすぎだ。
ターンの名手の「小寺」にしてみれば、これは「ミスターン」
の類であろう、それは、上の方の写真での「シルバニア」の
ターンと比べてみれば一目瞭然だ。
このライン取りのミスによる「小寺」のタイムロスは、どれ位
であろうか? 1~2秒程度? だとしたら、まるっきり
「シルバニア」のタイムと同じか、あるいは僅かに遅い位となる。
そういえば昨年の決勝戦でも、「小寺」は、僅かにターンを
膨らませてしまい、「シルバニア」にターンで2~3秒差を
詰められて逆転負けを喰らってしまっていたのだ。
「ターンの名手」とは言え、ばらつきがあるのが課題かな?
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奥の「小寺」と接戦をしているように見えるが、これは意図的に
撮影地点とアングルを工夫して、接戦のように見せている写真だ。
(本大会は、超逆光である課題と超遠距離である点を除き、
撮影アングル決定の自由度は比較的高いので、レースタイムを
正確に予想できるのであれば、構図上の意図を作り出せる)
実際には約2艇身(約20m、10秒前後)の差がある状況である。
でもまあ、これで「湖鼓Ro」の全体の中での3位はほぼ確定で、
問題の1位2位は、「小寺」の、このレースのタイム次第だ。
「小寺」、ゴールイン!
さて、「シルバニア」の4分02秒を上回ったのか否か?
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を、「守のシルバニアファミリー」(濃紺のユニフォーム)
のメンバーが出迎えて健闘を讃える。
両者はライバル関係だが、仲が悪い訳では無いのだ。
一見、「小寺」が勝者に見えるのだが、実は「小寺製作所」の
ゴールタイムは4分03秒であった、これは「シルバニア」の
4分02秒に僅かに1秒だけ届かず、残念ながら2位である。
でもまあ、大接戦だ。直接的にレースで両者が勝負していたら
結果はまた違うものとなったかも知れないが、まあでも
お互い「見えない相手」に対して全力を尽くした結果であろう。
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「湖鼓Ro」のメンバーが、得意の楽器で「見よ勇者は帰る」
(ヘンデル作曲、表彰式の定番の名曲)を演奏して、表彰の
雰囲気を盛り上げてくれる。
優勝「シルバニア」、2位「小寺」、3位「湖鼓Ro」である。
これは昨年の成績と全く同じ順位となった。
「シルバニア」は、昨年の本大会が「高島ペーロン」以外での
初優勝で、喜びが大きかった。また今年の「高島ペーロン」では
超強豪チームに混じっての第3位だったので、胴上げがあった
位である、しかし、今回はずいぶんと大人しかった。
まあ、「優勝慣れしてきた」という事であろう。
「シルバニア」の成長は著しい。今年の最大注目の専業チーム
であるとも言える、この分では、「びわこペーロン」や
「スモール選手権」での初入賞も期待できるかも知れない。
(注:びわこペーロンでは好成績であった、後日紹介予定)
さて、これにて本大会は無事終了(注:実際には、一般の部
は自治会の部より先に行われていた)
終了時刻は午前11時半、猛暑による短縮レースとなったので
短時間だけの大会となったが、まあ、観戦においても十分に
満足できる内容であった。
さて、非常に暑いので、私も早々に撤収しよう。
参戦の選手達は、大半が地元であり、徒歩または自転車等だ。
遠方から参戦の場合は、チーム毎に車などで来ている。
電車での観戦は、私くらいかも知れない、
JR湖西線堅田駅までは、ここから徒歩20分強位だ、帰路の
途中には、コンビニ、複数の飲食店、大型スーパーもあり、
食事等が必要な場合にも困らない。
暑い事を除いては、あまり不便な大会では無いと言える。
会場(選手村)のスペースが若干狭いのだが、まだ5~6
チームくらいは、増やしても問題は無さそうだ。
ドラゴン中堅チーム等は、腕試しでの参戦はいかがであろうか?
次回ドラゴン関連記事に続く・・