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ミラーレス・マニアックス(1)

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姉妹編の「マイクロフォーサーズ・マニアックス」では、
パナソニックのGシリーズ、および、オリンパスのPENシリーズと
マイクロフォーサーズ機で利用できるマニアックなレンズ群に
ついて紹介をした。

今回は、マイクロフォーサーズ以外のミラーレス機および、
それらで用いるレンズ群について記載してみる事にしよう。

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まずは、ボディが SONY NEX-7
レンズが、フォクトレンダー カラースコーパー 50mm/f2.5
(Lマウント)という組み合わせだ。



カラースコーパー(COLOR SKOPAR) 50mm/f2.5は、
コシナ社が、フォクトレンダーのブランドを取得して、ベッサ
シリーズ等の販売を開始した1999年から3年後、
2002年の製品だ。(注:現在は生産中止)

Lマウントのレンズなので、最短撮影距離は、距離計連動時に
0.9m 実質は0.75mと、一眼用レンズに比べ、やや長め。
このレンズにはフォーカシングレバーが付いており、鏡筒は
真鋳製で、ずっしりとした重量感があり、高級感はピカイチだ。 

50mmレンズにしては f2.5と小口径であり、かつ、最短撮影
距離が長いので、大きなボケ量は期待できない。

ちなみに、一眼レフ用の50mm(標準)レンズは、大口径と言えば
f1.2~f1.4位の物を指し、f1.7ともなると、既に小口径である。
また、最短撮影距離は、45cmが標準的な値で、60cmともなると
「遠い」という印象がある。

描写は、「クール」というイメージであり、ボケも綺麗だ、
NEX-7 のクリアなEVF越しでさえも、明らかに他のレンズとは
異なる色味と、被写体のシャープさ、適量のボケによる立体感を
感じることができる。

ピントは勿論MFなので、動かない中距離の被写体に適している。
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このレンズの性能からすれば、APS-Cサイズの撮像素子の
画角からすると (35mmフィルム換算)75mm相当となるので、
人物撮影にも適した間合いだと思う。
c0032138_204324.jpg

但し、動き回る人物の場合は、ビントの合わせにくさがあるので
ミラーレス機で使う場合は、最低でもEVF搭載機が必要であろう。

まあ、もともとレンジファインダー機用のレンズであるから、
そうしたカメラの構造上の制約から(距離計、最短撮影距離等)
あまり厳密なピント合わせが必要な(=被写界深度の浅い)仕様
とはなっていないと思われる。

フィルム時代のレンジファインダー機での大口径レンズは
本当にピントがなかなか合わない。今から15年程前の話だが、
KONICA HEXAR RF Limited & M 50mm/f1.2 という高価な
限定セットを、定価の約半額で新品購入し、使っていた事があったが、
全くピントが合わずに閉口し、知人に譲ってしまった。

Lマウントのレンズは、一部はその質感や所有感等が優れていて
趣味的な要素は高いのだが、実用上は、やはり最短撮影距離等
の問題が気になる。まあ、最近は、ヘリコイド付きのマウント
アダプターなどで、その不満を解消することは可能であるが、
そこまでして、LマウントやMマウントのレンズを使わずとも
実用的にはもっと簡便に、一眼レフ用のレンズを使えば良い
という事になる。
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こちらは、同じボディ SONY NEX-7 に、PENTAX 製の
一眼用MF マクロレンズ A50mm/f2.8 を装着した状態。

いわゆる格好良さ、という点においては、冒頭の、カラスコ
(カラースコパー 50mm/f2.5)に及ぶべきも無いのだが、
1/2倍の50mmMFマクロは、APS-Cサイズの撮像素子には
画角や撮影倍率的、MFの操作感等の点で相性が良く、
快適な撮影が楽しめる。
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MF時代のマクロレンズは初期の物は、描写力がイマイチだったり
する事もあるが、このレンズはMFとしては後期のものであり、
描写力に不満は無い。同じくPENTAX であれば、この後のAF時代
の初期の FA50mm/f2.8 Macro が、等倍で、描写も優れ、かつ
現代では中古も安価なのであるが、いかんせんデザインが悪く
PENTAX AF一眼に装着して使う場合以外で、マウントアダプター
使用時は、こちらの MF版 A50mm/f2.8 を選ぶ事が殆どだ。

---
ボディの NEX-7 であるが、発売当初の 2012年から個人的に
非常に注目していた機種であるが、高価であったので、当面は
NEX-3やNEX-5を購入して使っていた。しかし、それらは性能的
には満足できず、早く7の中古が安くならないかと待っていた。

2013年に同じEマウントでの最高機種、α7 が発売され、
そちらは フルサイズ機であったので、マニアはこぞって
飛びつき、2014年以降、NEX-7 の中古価格が急落したので
ここぞとばかりに購入した次第だ。

Eマウントのハイエンド機としては短命に終わったNEX-7で
あるが、私が注目していたのは、トライ ダイヤル ナビと
呼ばれていた 3つのダイヤルを様々な機能にアサインする
ことができる操作系だ。
これは一見かなり複雑なように感じるのだが、私が望んでいた
機能であり、優れた操作系であった。

トライダイヤルについては、その後の発売のカメラでダイヤル
数こそ、本機を凌駕するというカメラはあるが、3ダイヤルの
機能アサインをボタン1つで連続的に変化できるものは無いと
思う。一般のユーザーは殆どカメラの機能を使いきれないので
こういう複雑な機能の必要性は少ないかとは思うが、できるだけ
多くの機能を駆使して撮影したいような場合は最適な操作系だ。

また、高精細のEVFや、内蔵フラッシュを搭載しているのも、
NEX-7の魅力であり、この小型なボディで、そこまでの様々な
ニーズに応えられるカメラはなかなか存在しない。

できればもう1台欲しいところなので、あまり書くとNEX-7の
中古が市場から無くなるので、褒すぎないようにしておこう(笑)
まあ、わかる人にはわかるカメラだ、という事である。

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さて、先ほどPENTAX の話が出ていたので、続いては
PENTAX K-01について。
c0032138_2074446.jpg

PENTAX K-01 については、
以前の記事で詳しく紹介している。
まあ、一口に言えば「非常にアクの強いカメラ」であり、
初めての一眼レフとしては到底おすすめできない。

少なくとも同じ PENTAX で複数の一眼レフを持ち、
3台目以降のサブ機においてのみ、まあ、購入しても良いかな、
という感じのカメラだ。

しかし、恐ろしく、お洒落なカメラではある、
ファッション感覚で持つカメラとしては、Aクラスだと思う。

まあ、最近は、例えば、(安価になった)NIKON F3などを
肩からファッションとしてかけている若者を見ることも多い、
ちなみに、彼らは、ほとんど撮影をしない、中にはフィルム
すら入れていない場合もある(汗)それを見分けるのは簡単だ、
Ai50mm/f1.4 を装着していて、ストラップがNIKON の純正の
人は、単なるファッションであり、装着しているのがそれ以外の
レンズだったり、ストラップがNIKON以外の場合は、まあ、
ちゃんと写真を撮っている場合が多い。

何故それが分かるかと言えば、上記が「定番」のファッション
だからだ。それに、だいたい、1/2000秒までしかシャッター速度が
無いF3で、昼間、f1.4の大口径レンズを十分に使いこなせる訳が
無いではないか・・ 

ちなみに、私も、いまだにF3/Tを保有しているが、当然、今や
フィルムなど入れて使う筈もなく、また、F3は大昔に一度だけ
記事に書いたこともあるのだが(
名機対決NF-1 vs F3編)
正直言うと、あまり好きなカメラじゃあないので(汗)
今や完全に防湿庫の肥やしとなってしまっている。

で、まあ、撮らないファッションカメラよりは、撮れるカメラの
方が勿論楽しいであろう、そういう意味ではF3よりも K-01 だ。

この、クセだらけのカメラを有効活用するため、これまでは、
コストパフォーマンスの非常に悪い FA31mm/f1.8 Limited
を装着して使う事が多かった。
すなわち「毒をもって毒を制する」(汗)という考え方である。
欠点のある物同士を組み合わせ、何とか使える物にしようと・・

まあ、今回は、もう少しちゃんと活用しようとして、FA31よりも
だいぶ使い出のある FA43mn/f1.9 Limited を付けている。

AF性能は例によって極めて悪い、ピントが合う方が奇跡的で
動く被写体はお手上げである。

さて・・動くなよ~
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奈良公園の人間に慣れている鹿なので、なんとか止まって
いてくれた(笑)

レンズもボディも描写力はあるのに、肝心のピントが・・
と悔やむところではあるが、まあ「あまり撮らないカメラ」
というのを1台くらい持って歩いていても良いかな(笑)

さて、PENTAX つながりで、次は RICOH のシステムだ。

今や、PENTAXを傘下としたRICOHであるが、私はRICOH
と書くときに、間違って、よくRICHOと書きそうになってしまう。

CHOは、化学で言うところのアルデヒド基(ホルミル基)だ。
たとえば、アルコールの場合は、-OHと書くのに、アルデヒド
の場合は HとOの順番を変えて、-CHOと書く決まりだ。
よって、一般的なアルデヒドは R-CHOと表記される。

この事が受験勉強以来(笑)ずっと頭に入っているので、
本来RICOHと書くべきときに、
「あれ?これはアルデヒド? ならば、RICHOだったかな?」
と思ってしまうのだ(汗)たまに間違って書いていたとしても
気にしないで欲しい(笑)
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ボディは RICOH GXR、レンズが S10 24-72mm/f2.5-4.4 だ

このカメラを「ミラーレス」機と呼んで良いかどうかは微妙
なのであるが、まあ、とは言え、他のカメラには無い構造だし、
ミラーも無いし、便宜上ミラーレス機として置こうか。

今更説明するまでも無い特殊な構造、つまり、ボディそのもの
には殆ど何も部品が付いておらず、レンズ側に、撮像素子が
ついているというシステムだ。
このため、レンズとは言わず「ユニット」と呼んでいる。

レンズ(ユニット)の名称は、アルファベット1文字+
数字2文字であり、アルファベットは撮像素子のサイズを
表す、具体的には、小さい方から、
P(1/2.3インチ撮像素子)
S(1/1.7インチ撮像素子)
A(APS-Cサイズ撮像素子)
となっていて、
続く2ケタの数値は、画素数であり、10が1000万画素、
12が1200万画素、16が1600万画素となっている。

GXRシステムの最初の発売日は、2009年と、すでに6年を
経過している古いシステムだ。
しかし、私は、本年2015年の購入。
何故今更GXRなのか? と言えば、冒頭のNEX-7と同様に
発売当時欲しかったシステムが安くなったからだ。

私の場合、もうここ10年くらい新品のカメラは殆ど購入して
いない、ただ、新製品の情報は必ずチェックしている、
で、「これは!」と思った機種を見つけたら量販店などで
カタログだけ貰ってくる。

けど、すぐは購入しない、数年して中古相場がこなれたら
購入するのだ、何を買うのだったっけ?と迷ったら、
数年前に貰ったカタログをチェックして、その中古を探す、
そうやって、常に数年前の機種を中古で安価に購入している
訳である。

まあ、最新の機種がどうしても欲しいというユーザーは
居ることであろう、それは否定はしない。
しかし、ある予算内で、最新の機種を1台だけ買うのと、
ちょっと前に欲しかった機種を3台買うのと、どっちが
良いか?という選択だ。

今時は、最新の機種(カメラ)であっても、以前の機種と
あまり基本性能が変化しない場合が多い、だから、基本性能
のみで十分な用途の場合は(例:昼間の撮影とか)
1~2世代古いカメラでも何ら問題が無いわけだ。

GXRの2009年発売時の価格は結構高価であったが、
評判も良かった、しかし各種交換レンズまで揃えるとなると、
20万円とか、とんでもない価格となって、とても手が
出るものではなかった。それが6年を経過して、
GXR本体+S10 24-72mmのセットで僅かに2万円以下。
定評のあるA12シリーズ交換レンズも各25000円前後であり、
発売時の3分の1くらいの価格で購入することができる。
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S10の描写は、初期のGR Digital と良く似ている、
特にマクロ時の描写は GRDとあまり見分けがつかない。

GRD では、マクロの仕様は強力であり描写も良かったが、
いちいちマクロモードに切り替える手間があった。
GXRのS10の場合は、オートマクロである。
(もう1つマクロ時のGRDの特徴であるターゲット機能も、
GXRは少し進化している)

ただ、S10(やP10)の遠距離撮影はピントが合いにくい
という短所があり、そのため、撮影する被写体は自然に
近距離・近接撮影が中心となってくる。
c0032138_201303.jpg

ちなみに、GXRの機能は、ボディ側で決まるのではなく
レンズ(+センサー)側で決まる、そのためにレンズを
交換すると、設定できる機能も変化する。

よって、GXRでは、ボディ側に基本設定を記憶させるか、
レンズ(ユニット)側に設定を記憶させるか、の選択がある。

レンズを1本だけ使っているのであれば、それはどちらでも
良いのだが、レンズを複数持つようになったら、レンズ側に
設定を記憶させておいた方が便利だ、しかし、レンズを
新たに購入するたびに、多数の項目の初期設定を行わないと
ならないので少々不便であるが、それはまあ1度だけやれば
良い事なので、多少面倒でもレンズ毎に設定して記憶させて
おくのが良い。

ちなみに、GXRの機能はかなり多い、設定項目も同様に多い、
しかし、いかんせん設計が古く、多数の機能を持ちながらも
「使える」重要な機能は、さして多くは無い。

だからまあ、ユニットの設定とかは、あまり神経質にならず
テキトーにやっておけば良いと言えば良いのだが・・(汗)
c0032138_20133751.jpg

で、S10は、まあ、2010年前後の高級コンパクトデジカメと
同様の 1/1.7型撮像素子の仕様なのだが、その後、スマホ
の普及により、コンパクトデジカメの市場が激減、そのため、
コンパクトデジカメは、各社とも、超高級なプレミアムな
仕様を持つコンパクトばかりになって行った。

何が高級か、と言えば、その多くが大型のセンサー(撮像素子)
を搭載した事である。

2/3型というタイプは、まあ、1/1.7型と大差は無いが、それより
大きな、1型、フォーサーズサイズ、APS-Cサイズと拡大の一途で、
中にはフルサイズのセンサーを搭載したコンパクトデジカメまで
登場した。

前述のGRD も、それまでの 1/1.7インチ級サイズでは、市場の
こうした流れには対抗できず、GR Digital 4 を最終型として
その後は、APS-Cサイズセンサーを持つ「GR」に、2013年に
全面モデルチェンジした。

だが、GR 2になった現在においても、GRは以前高価であり、
かつ、センサーの大型化に伴い、GRDの長所であった
マクロ性能が犠牲になるなど、良し悪しの点もあった。

GRを買ってしまったら、もうそれで固定である。やはりGRDの
方が良い点もあると思ったら、それも併用して使うか、交互に
使うか、そういう選択しか無い。

しかし、GRX を所有している場合、GR搭載のレンズと、ほぼ同等
の性能を持つ A12 28mm/f2.5 のユニットが、GR中古のほぼ
半額の価格で中古購入できる。これならば、ユニットを交換する
だけで必要に応じて、GR 相当のスペックのカメラにもなる訳だ。
c0032138_20165328.jpg

GXRのシャッター速度は、交換ユニット(レンズ)によるが、
だいたい1/2000秒前後と、あまり速くは無いので、
f2.5 クラスのレンズを使用する場合、通常の昼間の使用では、
ND2 (光量を半分に減らす)フィルターを装着して使っている。

GXR のA12 28mm/f2.5レンズユニットの撮像素子は、
APS-Cと、GRと同等だが、GRの28mm(相当)レンズとの違いは、
最短撮影距離がGRが10cmに対し、こちらは20cmと長い事だ。

広角レンズにおける最短撮影距離の10cmの違いは、スペックの
差以上に大きく、GRXのA12 28mmでは、近接撮影をする気には
あまりならない。
c0032138_20183499.jpg

ちなみに、本ユニットのアスペクト比は、16:9,3:2,4:3,1:1
より選択することが可能である。
c0032138_20185696.jpg

描写力は、銀塩時代からの、GRシリーズの「顔」である画角
28m相当mレンズである事に恥じない高性能・高解像ではあるが、
まあ、そのことよりも、例えば S10ユニットの広角側に比べて、
収差が少ない事が魅力である。

しかし、近接時のAF性能はあまり良くなく、最短撮影距離の
20cm前後で、かなり迷う事がある。
なので、まあ、このレンズの場合は、少しだけ絞って、
中~遠距離のパンフォーカス撮影で使うのが良いであろう。

このユニットの画像処理エンジンは GRのものよりも古く、
そのせいか、AWB(オートホワイトバランス)が迷う事もある、
まあしかし、そういう弱点は些細なものだ、カメラの限界性能
を良く理解していれば、さしたる問題では無い。

どうしても撮らなければならないシーンがある、といった
ケースでは、この手の「趣味のカメラ」は使えない、
ただそれだけだ。
だいたいこういう類のカメラを買う人は、このカメラしか
持っていない、というケースはまず無いであろう、だから、
失敗が許されないケースではメインとなるカメラを使えば良い
という事だ。

----
さて、A12 28mm/f2.5は、どうしても遠距離撮影が中心、
そして、S10 24-72mm は(自動)マクロモードでの撮影が
多くなる。ならば、と思い、交換レンズ(ユニット)として定評の
あったマクロ A12 50mm/2.5 も追加購入してみるとしよう。
c0032138_20194565.jpg

バンバン買いまくっているように思われるかも知れないが、
確かに、数年前までであったら、目の玉が飛び出る総額に
なったものが、今は、当時の3分の1の価格なのだ、
下手な交換レンズを1本買うつもりであれば、描写力に
優れている A12 28mmや、A12 50mmを購入できる。

で、基本的に開放近くで撮影する事の多いマクロレンズで
あるから、こちらも、ND2 フィルターを常時装着して
絞り開放によるシャッター速度オーバーに備えている。

ちなみに、レンズ開放F値と、シャッター速度の関連の目安は、
姉妹記事の「マイクロフォーサーズ・、マニアックス」に
書いた通りである。

f2.5 のレンズを ISO100の感度で日中使用する場合は、
シャッター速度が 1/3200秒ほど必要になるケースが多い為、
最高シャッター速度が 1/2000秒のこのユニットを使う場合は
シャッター速度を半分に落とす ND2フィルターの常用が適切に
なるということだ。

A12 28mmも、A12 50mmも、フィルター径は 40.5mmの為、
市販の小口径フィルターやフードが利用できる。
c0032138_20201344.jpg

このレンズも正直ピントが合いにくい。しかし、GXRの場合、
MF操作は絶望的だ。背面モニターの解像度は、所詮MF
操作には足りず、ピーキングもある事はあるがテキトーだし、
拡大操作系は簡便ではない、また、別売EVFも、さほど
高精細ではなく、使う意味が少ない。
MFモードへはピントリングによりシームレスに移行できるが、
無限回転式のピンクリングなので、初期値と角度が一致せず、
回転角も大きいため、やはり面倒であり、結局、絶望的だ。

ちなみに、EVF使用でMFの場合、最低144万ドット+容易な
拡大操作系が必須となる。

これより高解像度のEVF搭載機種もも近年は多いのであるが、
現状、新型の236万ドットや、144万TFT、276万ドットのいずれも、
旧タイプのノーマルの144万ドットEVFよりも、ピントの山が
見づらい傾向にある。

また、ピーキング機能は、被写界深度がある程度深いノーマルな
レンズでないと精度が足らず、ミラーレス機における、大口径
F1.2 やF0.95の超大口径レンズとか、マクロ撮影時の厳密な
ピント合わせにおいては、ピーキング表示が来ているからと
いって、ピントが合っている保証はまるで無い。

ましてやGXRの、初期のピーキング機能だ、ピーキング以前に
ピントがなかなか合わないので、機能があっても役に立たない。
ピントが合わないというのは、前述の PENTAX K-01 と同様に
まさしく致命的な欠点なのだが、そもそも、この手のカメラは
撮りそびれが許されない被写体の場合などで使えるカメラでは
無いので、そのあたりは高性能を期待する方が悪いのであろう。

で、まあ、とは言え、万能なカメラなど存在しない、
だから、MFでのピント合わせが苦手な(操作系を持つ)
カメラ、たとえば、本ブログのミラーレス関連の記事の中で
出てきたカメラでは、PEN Lite E-PL2 や、NEX-3 などは、
ピント合わせがさほど重要ではないトイレンズの母艦にする
等の措置をすれば良いだけの話だ。
そして、ピント合わせが優秀なミラーレス機、例えば G5 や
NEX-7に、ピントの難しいレンズを装着して使えば良い。
c0032138_20212286.jpg

しかし、GXR の場合、優秀な A12 50mm/f2.5マクロの描写
性能は確かに非常に魅力だが、GXR本体としか組み合わせが
成り立たず、GXRのやや古い貧弱な基本性能においては、
A12 50mmの性能がフルに発揮しづらいのが辛いところだ。

銀塩GRの時代、GR1やGR21の、その優秀なレンズを、GRシリーズ
だけでしか使えないのは勿体無いという理由から、ライカL
マウントの単品レンズが発売された事があった。

私は、GR1s も GR21も所有しているし、単体レンズとなると
最短撮影距離がコンパクト搭載時の30cmから、ライカやベッサ
等のレンジファインダー機の距離計連動限界の 70~90cmまで、
かなり伸びてしまう事が、当時はどうしても納得がいかず、
それら単体発売レンズを買う事はしなかったのだが・・

まあ、今としてみれば、GR1sも GR221も、もう恐らく二度と
フィルムを通す事は無いであろうから、単体レンズにして
おけば、ミラーレス機+ヘイコイド式マウントアダプターで
活用できたとも思い、買わなかった事をちょっと後悔している。

なので、GXRの場合も、ボディ本体やユニットの性能限界が
低いのが課題となっており、恐らくはあと5年も使えるカメラ
では無いであろう、しかし、だからと言って、優秀な A12
シリーズの 28mmと,50mmマクロが使われなくなってしまうのは
あまりに惜しい、たとえば、RICOH (PENTAX)が太っ腹であれば
それらの単体レンズを、どんなマウントでも良いから発売して
くれれば嬉しいのだが・・ 
(例えば、SIGMAは、優秀な描写力のDPシリーズのレンズを
DNシリーズとして、ミラーレス機用にラインアップしている)

まあ、だけど、趣味の世界が通用していた 1990年代とは
違って、現代のカメラは企業の利潤を生む為の消耗型の製品
であるから、そんな無茶な企画は絶対無理だよね、
やるとすれば、開発経費の減価償却を想定すると、1本あたり
の価格がべらぼうな高さになってしまう(汗)

今回紹介したシステムはいずれも長く使えるようなものでは
ないであろう、それゆえに安いというのもうなづける。
しかし、誰も買わないマニアックな機材、それも上等では無い
だろうか・・
先日の、演劇「SODA]の記事では無いが、今時こそ
「斜め上を行く目線」が重要なのではなかろうかと思う。


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