2017年10月29日(日)に滋賀県大津市の「びわこ競艇場」
にて行われた、第5回スモールドラゴンボート日本選手権大会
(以下、スモール選手権)の模様より、前編。
![c0032138_16591179.jpg]()
ちなみに「琵琶湖」の「琵」の文字が、当用(常用)漢字に
含まれていないとの事で、近年では滋賀県内の公的な施設の
名称とか公式文書等では、漢字を避けて「びわこ」または
「びわ湖」と書かれるようになってきている。
ドラゴンやペーロンの大会の名称でも同様であり、
漢字で「琵琶湖ドラゴン」等とは書かれていない。
ただまあ、それは公式な範囲での話なので、本ブログでは、
適宜「琵琶湖」と言う書き方も用いる。
---
さて、前週の週末(10/22~23)にかけて超大型台風21号が
日本を縦断した。この台風の強風域は直径2200kmにも及び
日本列島全域を覆ってしまいそうな巨大さだ。これは歴代
台風の強風域の大きさでは4位タイであったと聞く。
この台風21号は、各地に大きな被害をもたらしたのであるが、
各地で予定されていた様々なイベントも中止となった。
大きなイベントで言えば、京都の「時代祭」も中止となった。
この伝統ある祭りが中止になったのは、29年ぶりだそうだ。
(昭和天皇がご病気であった1988年以来)
さて、台風一過で「スモール選手権」は無事開催される筈だと
思っていたのだが、台風21号の消滅後数日で、また新規の
台風22号発生のニュースが流れた。
しかも進路予測では、この「スモール選手権」の開催日の
10月29日に日本を直撃する(汗)
本「スモール選手権」は、2004年に「びわこスプリント大会」
の第0回(プレ大会)として、本びわこ競艇場で始まった。
以降、2012年迄は「びわこスプリント」として20人漕ぎの
大会が継続されていた。
その頃から、10人漕ぎルールのドラゴンが普及してきたが、
ミニドラゴン、スモールドラゴン等、呼び名は様々であった。
そうした風潮を受け、本大会は2013年より
「スモールラゴンボート日本選手権大会」にリニューアルされた。
ここにおいて10人漕ぎは「スモール」と呼ぶ事がやっと定着した、
以降、本大会は今年で5回目の開催となるが、毎年全国各地から
強豪チームが集まり、極めて競技志向の高い大会となっている。
さて、台風は近づいているが、一応本大会は「開催する」と
決定された。
ただし、風が強くなる等、天候の急変があったら即中止だ。
1日の雨はもうやむを得ない、雨天用の撮影機材(注:これは
長期間使ってきていて、古く壊れても良いカメラやレンズ群だ)
を準備して会場に向かう。
![c0032138_16591124.jpg]()
おや、今年は海外チームも参戦している模様だ。
なんだかフランス語で話をしているように聞こえるが、
(後で調べてみると、彼らの住むカナダのケベック州では、
フランス語が公用語だと言うことがわかった)
まあ、英語が通じそうだ、英語で話かけてみよう。
匠「こんにちは、どちらからのチームですか?」
H「我々はカナダのチームだよ、HORIZONと言うんだ」
匠「日本協会のMr. SHOBUの紹介ですか?」
H「いや、KANSAI-DORAGON(関西龍舟)からだよ」
(後で聞くと、”関ドラ”がカナダの国際大会に出場した
際に知り合ったとの事)
匠「なるほど、じゃあ、速いのかな?」
H「どうだろう? やってみないとわからないな」
匠「200m戦で今日のコンディションだと、日本の速い
チームでは53秒位かな?」
H「ワォ!」
(注:これは「そんなに速いのか?」という驚きであろう。
私は勝手に、彼らは「オープンの部」に出場するものだと
思い込んでいた。後で気づいたが、彼らは「混合の部」だった。
まあ”関ドラ”の友達ならば「混合」に出るのが普通だから
完全なこちらの勘違いだ・汗
「混合」ならばタイムは1分前後となる事であろう。
まあ、その時は気がつかなかったのだが、タイムに関する
話は、ちょっとヤバイと感じて話題を変える事にした)
匠「日本には初めて?」
H「そうだよ、日本は毎週Tyhoon(台風)が来るんだね」
匠「あはは・・ たまたまです、観光には大変ですね」
H「すでにオーサカやコーベも見て回ってきた、2週間の
Holidaysを取っているんだ」
匠「メンバー皆で同じタイミングで仕事を休むのは大変ですね、
台風は今日通過して、明日からは晴れると思います、
どうぞ日本を楽しんで帰ってください、お気をつけて」
H「ありがとう、今日のレースは頑張るよ、見ててくれ」
![c0032138_16591220.jpg]()
さて、上は開会式の模様だ。
今日は56チームも出場している、これはなかなか参加数が多い
中大規模大会だ。台風の来襲でキャンセルになるチームが
多数出るかとも思ったが、そうでも無い模様だ。
しかも遠方から来てくださったり、初出場のチームもいくつか
ある。
さすがに「日本選手権」である、各チームは、何が何でも
勝つつもりで万難を排して集まってきているのであろう。
![c0032138_16591224.jpg]()
東京からMC(司会、競技実況)として来ていただいている
「DJ西尾さん」、本大会ではお馴染みだが、すでに6年目に
なるとの事である。
もう各参加チームの事も熟知しているし、元選手であるから
ドラゴンにも詳しい、熱の入った実況は安心して聞いていられる。
西「また雨ですねえ・・ 撮影は大変ですね」
匠「いやいや、この大会では毎度の事ですよ」
という話をしていたのだが、まあ、西尾さんが担当したこの
6年間では、雨になったケースは全体の比率より、やや少なかった
かも知れないが、それでも最低3回はあっただろうか?
「全体の比率」と言うのは、本会場で行われるドラゴン大会は、
2004年の「プレ大会」から数えて、今年で14回目となる。
で、私はその全ての大会を観戦撮影しているが、
少なくとも半数以上、恐らくは8回以上は雨になっていると思う、
その雨天の確率は実に全体の3分の2程度(6割以上)だ。
大会の10年目くらい迄は、「誰が雨男か?」という話が
色々と選手達の間でも囁かれていた。
私も興味を持って「雨が降った大会だけに参戦したチーム」
等を色々調べてみたが(笑)結局、これというチームや
人物を特定できない。他に毎回参加しているのは、例えば
運営スタッフの方達が居るが(私も容疑者か?汗)それでも、
他の大会では、ここまで雨の確率が高い訳では無い。
むしろ晴れる大会の数の方がずっと多いのだ、
なので運営スタッフという訳でも無い。
本大会が主に9月の雨季(台風シーズン)に行われる事も
原因の1つかと考えたが、実は、6月に1度、10月に2度
(今回含む)本大会の日程が変更された年もあった、しかし、
それらの日程変更に、ついてくるように雨になってしまうのだ。
結局「雨男存在説」は立証できなかった(笑)と言うか、もう
それを調べても意味が無い、まさか「お前は来るな」とは
言える訳もないし、結局「本大会は雨になるものだ」と
覚悟しておくしか無い・・
![c0032138_16591093.jpg]()
開会式には例年通り「湖鼓RO」(こころ)の和太鼓チームの
パフォーマンスが行われた。
「湖鼓RO」の太鼓の演奏は、いつもながら見事なもので、
カナダの「HORIZON」チームも、食い入るように見ている。
ところで「湖鼓RO」だが、実はドラゴンボートも漕いでいる
今日は一部のメンバーが「GPO」として、2つのコラボチームに
分かれて乗っている様子である。
「湖鼓RO」チーム単独でも、滋賀県の「堅田船競争」の大会に
2度参戦している、2016年がオープンの部で2位、2017年が
3位という好成績だ。
両大会を私も観戦している。2016年の優勝は「小寺製作所」
2017年の優勝は「松陽台 守のシルバニアファミリー」
(2位は小寺)と、いずれも琵琶湖での「ターン有り戦」の
超強豪チームであり、レベルが低い大会という訳ではなく、
「湖鼓RO」の上位入賞は、なかなか立派な戦績だ。
![c0032138_16591074.jpg]()
さて、これから先は、ドラゴン界ではあまり馴染みの無い
チームや初出場のチーム、あるいは遠方から来ているチームを
中心に紹介をしていく。もし風雨が強くなって大会が途中で
中止になったら、彼らの話を聞いたり、写真を撮ったりは
できなくなってしまう。
まず上写真は「普及の部」に参戦の「堅田湖族」チーム。
これは前述の「堅田(湖族)船競争」に参戦している地元
堅田(かたた)地区の選抜有志によるチームだ。
「堅田船競争」の観戦記事は2度本ブログに掲載しているが、
ドラゴンボート系(ペーロンを除く)では、開催数が恐らく
日本一の、伝統ある大会だ。(ただしターン有り戦であり、
艇の形状もドラゴン艇とは異なる独自艇だ)
地元「自治会の部」では「小番城」(こばんぎ/こばき)や
「柳田」等のチームが優勝常連であり、「堅田湖族」は、
これら地元自治会からのメンバーを集めていると聞く。
本「スモール選手権」へは初回からの参戦で今回が既に5回目、
「普及の部」では準決勝進出位の実力値だ。今回は是非とも
決勝進出を狙いたい所であるが、残念ながら予選敗退となった。
なお、本「スモール選手権」のカテゴリーは、
「選手権オープン」「選手権混合」「選手権女子」
「普及の部(普及オープン)」の4カテゴリーとなっている。
本記事では、まず「普及オープン」(以下、普及の部)への
参戦チームを中心に紹介をして行く事とする。
そして、地元滋賀県の専業チームや大会常連チーム等の紹介は
申し訳無いけど控え目にしていく、また他の大会記事等で、
いくらでも紹介の機会はある(あった)からだ
![c0032138_16592686.jpg]()
こちらは「onちゃんとひこにゃん」、ドラゴン初参戦だ。
カヌー経験があると聞く、名前どおり滋賀県彦根市からの
メンバーの他、遠く北海道からも来てくださっている。
北大(北海道大学)のカヌー部繋がりという事だろうか?
北海道でカヌー?とちょっと不思議に思ったのだが、
パンフレットのチーム紹介文を見ると「スラローム競技」
が主体という事で、それであれば川で出来るので納得だ。
本大会では残念ながら予選落ち、懲りずにまた参戦して
いただきたいと思う。
![c0032138_17084826.jpg]()
「さざなみスポーツクラブ」
滋賀県野洲(やす)市のスポーツクラブからの参戦。
色々なスポーツ競技をやっているという事で、その流れで
ドラゴンへも初挑戦。戦績は残念ながら予選敗退だ。
しかしまあ、一般的なスポーツクラブで(ドラゴン)ボートに
まで挑戦できる、というのも、さすがにマリンスポーツ大国
である滋賀県ならではの環境だ。
他の都道府県ではスポーツクラブチームは、なかなかボート
とかにまでは手が出ない。もっとも、ドラゴン専業チームの
中にもスポーツクラブを出自としたチームはいくつかあるが、
やはりそのスポーツ施設の中で練習が出来ないという点が
ネックとなる訳だ。
![c0032138_16592655.jpg]()
こちらは「天壇 Five Stars」
匠「こちらは、どういったチームで?」
天「京都祇園が本店の”焼肉の名門 天壇”です」
ん・・? ”5つ星の焼肉店”の店長さん達?
いったいどういう訳でドラゴン大会に出ているのだろう?
・・と、横から顔を出したのが、地元強豪「池の里Lakers!」
のメンバー数名。
池「我々が指導しています」
匠「おや、”池の里”さんが混じっているのですか?」
池「でも我々は漕いでません、太鼓と舵だけです」
匠「ほほう、完全な”天壇”さんオリジナルですか」
しかし”池の里”さん、ずいぶんと高級な焼肉店で普段食事を
なさっているのですねえ・・ まあ今年は何度か優勝を
しているので、その祝賀会でかな? その時に「我々は
ドラゴンボートのチームです」という話になったのかな?
(後日に聞く所によると、仕事上での繋がりらしい)
出自はともかく、新規参入チームは大歓迎だ、
私は今年、池の里が「びわこペーロン」で3連覇した際
匠「もう強いのはわかったので(笑)今後は是非、地元チーム
の育成等にも力を入れてやってください」
と池の里に言ったのだが、早速そうした成果が現れてきている。
池の里、Good Job!
「天壇 Five Stars」は、池の里の指導もあってか、
見事準決勝進出だ。初出場でそれはなかなかの快挙である。
しかし準決勝ともなると、いくら「普及の部」とは言え、
他のチームは全て「ドラゴン専業チーム」ばかりだ。
こうなるとビギナーチームには勝ち目は薄い、残念ながら
準決勝敗退となってしまった。
![c0032138_17085074.jpg]()
静岡から参戦の「中電龍舟」
静岡の2大会(御前崎、ツナカップ)では入賞常連チームで
あり、近年は関西の「日本選手権」「スモール選手権」にも
ほぼ毎回参戦、本大会では過去入賞経験があり、昨年は4位
だが、ここ最近は新人メンバーが増え、チームの再編時期と
なってきている。
今回は準決勝で強豪チーム達と当たり、惜しくも敗退だ。
彼らの戦績はともかく、ちょっと聞きたい事があった。
匠「中電さんの所有艇は、御前崎マリーナに係留していますよね?
先日の台風21号、あれ、モロに御前崎に上陸しましたが、
艇は大丈夫でしたか?」
中「そうなんですよ、事前にロープでくくりつける等しましたが
だいぶ動いてしまいました、幸い、壊れませんでしたが」
匠「それはよかったです、江ノ島のマリーナではヨットが破壊
されるなど、だいぶ被害甚大でしたからね、心配して
いたのですよ・・」
という事で、「中電龍舟」に関しては特に問題は無さそうだ、
あとはチームを再編して、少しづつ全盛期の実力を取り戻して
いっていただきたいと思う。
![c0032138_16592577.jpg]()
地元、滋賀県大津市の「龍人」(どらんちゅ)
まあお馴染み常連チームなのであるが、ちょっと聞きたい
事があった。
匠「2週間前のツナカップでは、初出場・初優勝おめでとう
ございます。優勝賞品のマグロは食べましたが?」
龍「食べましたよ~ とても美味しかったです!」
匠「いいなあ・・ こちらは参加賞のツナ缶1缶だけでした。
今回もおすそ分けで貰ったので、大事に取っておいた
去年のツナ缶を、やっと食べました(笑)」
龍「あはは・・ ツナカップ、いいですね、また行きたい」
匠「ちなみに、チャレンジの部で1度勝ったら、次は強制的に
上位カテゴリー行きですよ(笑)「東海龍舟」さんも
そうだったし・・いつまでもチャレンジでは出来ません」
龍「え~、それは困るなあ」
匠「今日の大会だってそうですよ、”龍人”さんの実力値で
”普及の部”は無いでしょう? 仮に勝っても自慢には
なりません、メジャー大会で堂々と優勝しましょう!」
龍「あはは・・(汗) 頑張ります」
「龍人」は実力値どおりに順当に決勝戦に進出だ。
![c0032138_16592652.jpg]()
さて、「普及の部」は順調にレースが進行している、
予選のうちも雨は降ってはいるが、風はあまり無い、
雨は少しづつ強くなってきている模様だ。
天気予報を見ると、台風は太平洋上を進んでいる、
このままだと滋賀県への最接近は午後の時間帯になりそうだ、
ただ、ここ琵琶湖競艇場は、区切られた半閉水面なので
レースを妨げるとすれば、強風になった場合のみであろう。
もし天候が悪化すると、中止となり、そこまでのタイム
(予選ならば予選最速、準決勝も同様)で順位が決まる。
予選から気が抜けないのは確かだが、あまりに雨が酷いと
選手達の体力や気力への影響も大きい。
悪条件になればなるほど、勝利への執念が強いチームが
有利になるのであろう・・
![c0032138_16593467.jpg]()
昼前後の敗者復活戦のあたりでは、だいぶ風が強くなって
きている、会場の「旗」や「吹流し」を見ると、水平より
やや下、この場合の風速は約7m/sだ。
ちなみに「吹流し」は、風向の他、風速もだいたいわかる。
真横に迄なると10m/sとなり、ドラゴン大会においても
だいたいその10m/sを目安にして中断または中止の判断を
下す事になる。10m/sを越えると白波が立ち、艇への浸水が
発生して沈没のリスクが出るのだ。
ちなみに、ここまでの風向は、レースに対しては、北風の
フォロー(追い風)となっている。台風の進路に対して風が
流れ込む方向だ、タイムはむしろ若干良くなるだろう。
午後2時頃、ちょうど台風が南方の海上を通過したのか、
この時は風が止んで無風状態となった。
その後、夕方には今度は南からのアゲインスト(逆風)だ
恐らくこの風向の変化も台風の動きと密接に関係している。
![c0032138_16593479.jpg]()
「メタルスタイリスト福田」チーム。
ちょうど雨が強い時間帯であったので、ズブ濡れだ。
「メタルスタイリスト福田」は過去の様々な記事で紹介
している結成5年目のチーム、京都の企業クラブチームで、
ホーム大会は宇治大会であるが、他地区の大会にも積極的に
参戦している。最高位は4位(複数回)で、まだぎりぎり
入賞経験が無い。なんとしてもどこかの大会で入賞をしたい
ところだ。
「メタル」は大所帯なので、本大会には「レッド」と「ブルー」
の2チームによる「普及の部」へのダブルエントリー、
「ブルー」がベテランの主力、「レッド」は新人を乗せた育成
チームだが、何故か今回は「レッド」が準決勝進出となり
「下克上」が起こった。
まあでも、そういう例は「すいすい丸」が「びわこペーロン」
で、育成チームが優勝、というケースも過去にあった。
そしてこれは悪い話ではなく、新人選手は好成績を収めた事で
モチベーションがアップしてドラゴンを継続するだろうし、
ベテラン選手達も「新人に負けてたまるか」とやる気アップだ。
「メタルスタイリスト福田レッド」は残念ながら準決勝敗退だ、
もう1歩なんだけどなあ・・ やはりこのあたりの「踊り場」を
脱出するには、他の強豪チーム等からの本格的な指導が必要な
時期にさしかかっているかも知れない。
(一応「すいすい丸」の指導は受けている、という情報は
入って来てはいるが、まだその回数が少ないのかな?)
![c0032138_16593424.jpg]()
「普及の部」の準決勝第2レースの模様。
手前1レーンの強豪「龍人」に先行する2レーンは、
「チームTAKAOオールスター」だ、これで決勝進出だ。
「龍人」は、「今日はベストメンバーとは言えない」とは
言っていたが、つい2週間前の「ツナカップ」での優勝チームだ、
それを差す(前に出る)「チームTAKAOオールスター」とは
聞き慣れないチーム名だが、いったい何者なのだろう?
![c0032138_16593345.jpg]()
匠「”TAKAOオールスター”さん、お疲れ様です、
決勝進出ですね、ところでこちらは何処からのチーム?」
T「あはは・・ 実は「IHI相生」のサブチームです」
匠「なんだ・・ そうでしたか、だったら速いのは当然ですね」
T「TAKAOはキャプテンの名前です」
匠「そうですか、先月(9月)の"1000m選手権大会”は
台風で中止で残念でした、せっかく3連覇中だったのに。
でも来年もまた勝ってください」
T[はい、頑張ります」
さてここで、決勝戦の進出チームが出揃った。
「普及の部」決勝戦進出チーム(レーン順)
1:闘龍者(とうりゅうもん)
2:チームTAKAOオールスター
3:FULL AHEAD
4:龍人
5:松陽台 守のシルバニアファミリー
これはなかなか凄いチームが出揃った。
まず、1レーン「闘龍者」は、愛知県のベテランチームで
あるが、最近凄く調子が良い、地元愛知の「中川運河大会」
では昨年2016年は「龍人」とのコラボチームで優勝している。
「闘龍者」単独でも昨年2016年の福井「九頭竜大会」で優勝。
昨年の本スモール選手権は準優勝。と、昨年はベストチーム編に
ノミネートされている。今年は「龍人」や「東海龍舟」の
サポートメンバーとして各大会での入賞等にも貢献している。
かなり調子が良いので、本大会でも優勝候補であろう。
「チームTAKAOオールスター」は前述のように「IHI相生」
のサブチームだ、元々長距離向け(「相生ペーロン競漕」は
決勝900mであるが、上位カテゴリー「Ⅰ部」に定着、
琵琶湖「1000m選手権」は3連覇中)のチームなのだが、
本大会のような短距離戦でも成績を残したい所だ。
3レーン「FULL AHEAD」も聞き慣れない名前かも知れないが、
こちらは静岡の強豪「海猿火組」のサブチームである。
本大会ではメインチーム「海猿火組」は選手権の部への
出場だが、サブチームは「普及の部」に参戦している。
2015年は「海猿火組NEO」として初参戦、準優勝だ。
2016年に「FULLAHED」に名前を変え、ここでも3位入賞。
この分だと今年も上位入賞、あるいは優勝が狙える。
4レーン「龍人」は前述の通りのベテラン強豪チームだ。
2週間前のツナカップ優勝の勢いで、連続優勝を狙いたい。
5レーン「松陽台 守のシルバニファミリー」は、
滋賀県高島市「高島ペーロン」の地元最強チームとして
同大会での優勝・入賞多数。数年前からドラゴン界にも
進出している。ドラゴンのメジャー大会では入賞経験が
まだ無いが、今年からベテランを「松陽台 レジェンド」
若手を「松陽台 守のシルバニアファミリー」と分割して、
8月に行われた「堅田湖族船競争」では、ダブルエントリー
の初参戦で「守のシルバニアファミリー」が初優勝だ。
同大会昨年の覇者「小寺製作所」を押さえての優勝は
見事な戦績だ、この勢いで、メジャーの「スモール選手権」
も制覇し、ドラゴン界にも「松陽台」旋風を巻き起こしたい
所であろう。
---
さて、いよいよ「普及の部」の決勝戦。
時刻は午後3時半過ぎ、台風は通り過ぎた模様だが、
依然雨は降っている、風はアゲインストの3~4m/s
やや暗い、それにもうカメラがダメだ、朝からの1日の
ズブ濡れの撮影で、レンズ内部か完全に曇ってしまっている
コントラストが非常に低い状態だが、ある程度レタッチ(編集)
で補正して行こう。
さあ、スタート
![c0032138_16593391.jpg]()
第1レーン「闘龍者」が速い!
2~5レーンは団子状態だ、恐らくはこれは「闘龍者」の
逃げ切りだろうが、他はどういう順位になるかわからない。
「普及の部」とは言え、前述のように、それぞれのチームは
立派な戦績を持つ強豪チームばかりである。
こうした「熱戦」が見れることは、本「スモール選手権」の
観戦の醍醐味だ。
台風の中、よくこの決勝戦まで天候が持ったものだ。
カメラ(レンズ)は曇って、もう写真を撮るのは厳しい
状態ではあるが、肉眼でこのレースを最後まで見届けよう。
後半、「闘龍者」(愛知)のリードは変わらない。
半艇身(2~3秒)ほど他艇より先行している。
第二集団の中では「FULL AHEAD」と「TAKAO」が速そうだ、
静岡対相生(兵庫)の戦い、どちらも強豪のサブチーム。
強豪チームだからと言って、「名前」だけ勝てる訳では無い、
新人選手も多数乗っているかも知れないのだ。
最後は意地と意地のぶつかりあいだ。
地元滋賀県の「龍人」と「松陽台」も、メジャー初制覇に
向けて最後のスパートだ、ただもうちょっと厳しいか・・
しかし、ヨソモノ(笑)ばかりに、上位入賞を独占される
訳にも行かない、地元の意地で、なんとしても3位には
食い込みたい!
西「凄い接戦です、さあ、どこが来たか? ゴ~ル!!」
実況解説の「DJ西尾さん」の熱いアナウンスが会場に響く。
さあ、結果は・・?
1位:1分14秒 闘龍者
2位:1分16秒 チームTAKAOオールスター
3位:1分17秒 FULL AHEAD
4位:1分18秒 龍人
5位:1分19秒 松陽台 守のシルバニアファミリー
奇しくも、レーン順通りの順位となった。
タイムが遅く感じるかも知れないが、普及の部は「旧艇」
と呼ばれる非常に重たい艇を使用している。
この艇は軽量な「チャンピオン社製スモール艇」に比べ
4割増しの遅いスピードしか出ない。コンディションの悪さ
(逆風、雨)も考慮すると、1分10秒台であれば良い方だ。
ただ、スピードが遅い艇であるから、タイム差ほと見た目の
差はついていない。
200mを75秒で漕ぐのであれば、秒速は2.6m/sだ、
これで1秒差は、ほんの1/3艇身ほどの差でしかない。
だから、見た目では各チームは「団子状態」でゴールライン
に雪崩れ込んだように見える訳だ。
ふう、なかなか凄い戦いであった。
「闘龍者」、本大会初優勝おめでとうございます。
昨年の「九頭竜」に続き大会2勝目と好調だ。
この勢いを来年度の大会でもまた維持していただきたい。
「松陽台」は、せっかくの決勝進出だったが、また惜しくも
入賞を逃した(昨年本大会でも決勝で5位)
でも今年は優勝が一回ある、また来年頑張っていただきたい。
さて、今回の記事は、このあたりまでで、次回中編に続く・・
にて行われた、第5回スモールドラゴンボート日本選手権大会
(以下、スモール選手権)の模様より、前編。

含まれていないとの事で、近年では滋賀県内の公的な施設の
名称とか公式文書等では、漢字を避けて「びわこ」または
「びわ湖」と書かれるようになってきている。
ドラゴンやペーロンの大会の名称でも同様であり、
漢字で「琵琶湖ドラゴン」等とは書かれていない。
ただまあ、それは公式な範囲での話なので、本ブログでは、
適宜「琵琶湖」と言う書き方も用いる。
---
さて、前週の週末(10/22~23)にかけて超大型台風21号が
日本を縦断した。この台風の強風域は直径2200kmにも及び
日本列島全域を覆ってしまいそうな巨大さだ。これは歴代
台風の強風域の大きさでは4位タイであったと聞く。
この台風21号は、各地に大きな被害をもたらしたのであるが、
各地で予定されていた様々なイベントも中止となった。
大きなイベントで言えば、京都の「時代祭」も中止となった。
この伝統ある祭りが中止になったのは、29年ぶりだそうだ。
(昭和天皇がご病気であった1988年以来)
さて、台風一過で「スモール選手権」は無事開催される筈だと
思っていたのだが、台風21号の消滅後数日で、また新規の
台風22号発生のニュースが流れた。
しかも進路予測では、この「スモール選手権」の開催日の
10月29日に日本を直撃する(汗)
本「スモール選手権」は、2004年に「びわこスプリント大会」
の第0回(プレ大会)として、本びわこ競艇場で始まった。
以降、2012年迄は「びわこスプリント」として20人漕ぎの
大会が継続されていた。
その頃から、10人漕ぎルールのドラゴンが普及してきたが、
ミニドラゴン、スモールドラゴン等、呼び名は様々であった。
そうした風潮を受け、本大会は2013年より
「スモールラゴンボート日本選手権大会」にリニューアルされた。
ここにおいて10人漕ぎは「スモール」と呼ぶ事がやっと定着した、
以降、本大会は今年で5回目の開催となるが、毎年全国各地から
強豪チームが集まり、極めて競技志向の高い大会となっている。
さて、台風は近づいているが、一応本大会は「開催する」と
決定された。
ただし、風が強くなる等、天候の急変があったら即中止だ。
1日の雨はもうやむを得ない、雨天用の撮影機材(注:これは
長期間使ってきていて、古く壊れても良いカメラやレンズ群だ)
を準備して会場に向かう。

なんだかフランス語で話をしているように聞こえるが、
(後で調べてみると、彼らの住むカナダのケベック州では、
フランス語が公用語だと言うことがわかった)
まあ、英語が通じそうだ、英語で話かけてみよう。
匠「こんにちは、どちらからのチームですか?」
H「我々はカナダのチームだよ、HORIZONと言うんだ」
匠「日本協会のMr. SHOBUの紹介ですか?」
H「いや、KANSAI-DORAGON(関西龍舟)からだよ」
(後で聞くと、”関ドラ”がカナダの国際大会に出場した
際に知り合ったとの事)
匠「なるほど、じゃあ、速いのかな?」
H「どうだろう? やってみないとわからないな」
匠「200m戦で今日のコンディションだと、日本の速い
チームでは53秒位かな?」
H「ワォ!」
(注:これは「そんなに速いのか?」という驚きであろう。
私は勝手に、彼らは「オープンの部」に出場するものだと
思い込んでいた。後で気づいたが、彼らは「混合の部」だった。
まあ”関ドラ”の友達ならば「混合」に出るのが普通だから
完全なこちらの勘違いだ・汗
「混合」ならばタイムは1分前後となる事であろう。
まあ、その時は気がつかなかったのだが、タイムに関する
話は、ちょっとヤバイと感じて話題を変える事にした)
匠「日本には初めて?」
H「そうだよ、日本は毎週Tyhoon(台風)が来るんだね」
匠「あはは・・ たまたまです、観光には大変ですね」
H「すでにオーサカやコーベも見て回ってきた、2週間の
Holidaysを取っているんだ」
匠「メンバー皆で同じタイミングで仕事を休むのは大変ですね、
台風は今日通過して、明日からは晴れると思います、
どうぞ日本を楽しんで帰ってください、お気をつけて」
H「ありがとう、今日のレースは頑張るよ、見ててくれ」

今日は56チームも出場している、これはなかなか参加数が多い
中大規模大会だ。台風の来襲でキャンセルになるチームが
多数出るかとも思ったが、そうでも無い模様だ。
しかも遠方から来てくださったり、初出場のチームもいくつか
ある。
さすがに「日本選手権」である、各チームは、何が何でも
勝つつもりで万難を排して集まってきているのであろう。

「DJ西尾さん」、本大会ではお馴染みだが、すでに6年目に
なるとの事である。
もう各参加チームの事も熟知しているし、元選手であるから
ドラゴンにも詳しい、熱の入った実況は安心して聞いていられる。
西「また雨ですねえ・・ 撮影は大変ですね」
匠「いやいや、この大会では毎度の事ですよ」
という話をしていたのだが、まあ、西尾さんが担当したこの
6年間では、雨になったケースは全体の比率より、やや少なかった
かも知れないが、それでも最低3回はあっただろうか?
「全体の比率」と言うのは、本会場で行われるドラゴン大会は、
2004年の「プレ大会」から数えて、今年で14回目となる。
で、私はその全ての大会を観戦撮影しているが、
少なくとも半数以上、恐らくは8回以上は雨になっていると思う、
その雨天の確率は実に全体の3分の2程度(6割以上)だ。
大会の10年目くらい迄は、「誰が雨男か?」という話が
色々と選手達の間でも囁かれていた。
私も興味を持って「雨が降った大会だけに参戦したチーム」
等を色々調べてみたが(笑)結局、これというチームや
人物を特定できない。他に毎回参加しているのは、例えば
運営スタッフの方達が居るが(私も容疑者か?汗)それでも、
他の大会では、ここまで雨の確率が高い訳では無い。
むしろ晴れる大会の数の方がずっと多いのだ、
なので運営スタッフという訳でも無い。
本大会が主に9月の雨季(台風シーズン)に行われる事も
原因の1つかと考えたが、実は、6月に1度、10月に2度
(今回含む)本大会の日程が変更された年もあった、しかし、
それらの日程変更に、ついてくるように雨になってしまうのだ。
結局「雨男存在説」は立証できなかった(笑)と言うか、もう
それを調べても意味が無い、まさか「お前は来るな」とは
言える訳もないし、結局「本大会は雨になるものだ」と
覚悟しておくしか無い・・

パフォーマンスが行われた。
「湖鼓RO」の太鼓の演奏は、いつもながら見事なもので、
カナダの「HORIZON」チームも、食い入るように見ている。
ところで「湖鼓RO」だが、実はドラゴンボートも漕いでいる
今日は一部のメンバーが「GPO」として、2つのコラボチームに
分かれて乗っている様子である。
「湖鼓RO」チーム単独でも、滋賀県の「堅田船競争」の大会に
2度参戦している、2016年がオープンの部で2位、2017年が
3位という好成績だ。
両大会を私も観戦している。2016年の優勝は「小寺製作所」
2017年の優勝は「松陽台 守のシルバニアファミリー」
(2位は小寺)と、いずれも琵琶湖での「ターン有り戦」の
超強豪チームであり、レベルが低い大会という訳ではなく、
「湖鼓RO」の上位入賞は、なかなか立派な戦績だ。

チームや初出場のチーム、あるいは遠方から来ているチームを
中心に紹介をしていく。もし風雨が強くなって大会が途中で
中止になったら、彼らの話を聞いたり、写真を撮ったりは
できなくなってしまう。
まず上写真は「普及の部」に参戦の「堅田湖族」チーム。
これは前述の「堅田(湖族)船競争」に参戦している地元
堅田(かたた)地区の選抜有志によるチームだ。
「堅田船競争」の観戦記事は2度本ブログに掲載しているが、
ドラゴンボート系(ペーロンを除く)では、開催数が恐らく
日本一の、伝統ある大会だ。(ただしターン有り戦であり、
艇の形状もドラゴン艇とは異なる独自艇だ)
地元「自治会の部」では「小番城」(こばんぎ/こばき)や
「柳田」等のチームが優勝常連であり、「堅田湖族」は、
これら地元自治会からのメンバーを集めていると聞く。
本「スモール選手権」へは初回からの参戦で今回が既に5回目、
「普及の部」では準決勝進出位の実力値だ。今回は是非とも
決勝進出を狙いたい所であるが、残念ながら予選敗退となった。
なお、本「スモール選手権」のカテゴリーは、
「選手権オープン」「選手権混合」「選手権女子」
「普及の部(普及オープン)」の4カテゴリーとなっている。
本記事では、まず「普及オープン」(以下、普及の部)への
参戦チームを中心に紹介をして行く事とする。
そして、地元滋賀県の専業チームや大会常連チーム等の紹介は
申し訳無いけど控え目にしていく、また他の大会記事等で、
いくらでも紹介の機会はある(あった)からだ

カヌー経験があると聞く、名前どおり滋賀県彦根市からの
メンバーの他、遠く北海道からも来てくださっている。
北大(北海道大学)のカヌー部繋がりという事だろうか?
北海道でカヌー?とちょっと不思議に思ったのだが、
パンフレットのチーム紹介文を見ると「スラローム競技」
が主体という事で、それであれば川で出来るので納得だ。
本大会では残念ながら予選落ち、懲りずにまた参戦して
いただきたいと思う。

滋賀県野洲(やす)市のスポーツクラブからの参戦。
色々なスポーツ競技をやっているという事で、その流れで
ドラゴンへも初挑戦。戦績は残念ながら予選敗退だ。
しかしまあ、一般的なスポーツクラブで(ドラゴン)ボートに
まで挑戦できる、というのも、さすがにマリンスポーツ大国
である滋賀県ならではの環境だ。
他の都道府県ではスポーツクラブチームは、なかなかボート
とかにまでは手が出ない。もっとも、ドラゴン専業チームの
中にもスポーツクラブを出自としたチームはいくつかあるが、
やはりそのスポーツ施設の中で練習が出来ないという点が
ネックとなる訳だ。

匠「こちらは、どういったチームで?」
天「京都祇園が本店の”焼肉の名門 天壇”です」
ん・・? ”5つ星の焼肉店”の店長さん達?
いったいどういう訳でドラゴン大会に出ているのだろう?
・・と、横から顔を出したのが、地元強豪「池の里Lakers!」
のメンバー数名。
池「我々が指導しています」
匠「おや、”池の里”さんが混じっているのですか?」
池「でも我々は漕いでません、太鼓と舵だけです」
匠「ほほう、完全な”天壇”さんオリジナルですか」
しかし”池の里”さん、ずいぶんと高級な焼肉店で普段食事を
なさっているのですねえ・・ まあ今年は何度か優勝を
しているので、その祝賀会でかな? その時に「我々は
ドラゴンボートのチームです」という話になったのかな?
(後日に聞く所によると、仕事上での繋がりらしい)
出自はともかく、新規参入チームは大歓迎だ、
私は今年、池の里が「びわこペーロン」で3連覇した際
匠「もう強いのはわかったので(笑)今後は是非、地元チーム
の育成等にも力を入れてやってください」
と池の里に言ったのだが、早速そうした成果が現れてきている。
池の里、Good Job!
「天壇 Five Stars」は、池の里の指導もあってか、
見事準決勝進出だ。初出場でそれはなかなかの快挙である。
しかし準決勝ともなると、いくら「普及の部」とは言え、
他のチームは全て「ドラゴン専業チーム」ばかりだ。
こうなるとビギナーチームには勝ち目は薄い、残念ながら
準決勝敗退となってしまった。

静岡の2大会(御前崎、ツナカップ)では入賞常連チームで
あり、近年は関西の「日本選手権」「スモール選手権」にも
ほぼ毎回参戦、本大会では過去入賞経験があり、昨年は4位
だが、ここ最近は新人メンバーが増え、チームの再編時期と
なってきている。
今回は準決勝で強豪チーム達と当たり、惜しくも敗退だ。
彼らの戦績はともかく、ちょっと聞きたい事があった。
匠「中電さんの所有艇は、御前崎マリーナに係留していますよね?
先日の台風21号、あれ、モロに御前崎に上陸しましたが、
艇は大丈夫でしたか?」
中「そうなんですよ、事前にロープでくくりつける等しましたが
だいぶ動いてしまいました、幸い、壊れませんでしたが」
匠「それはよかったです、江ノ島のマリーナではヨットが破壊
されるなど、だいぶ被害甚大でしたからね、心配して
いたのですよ・・」
という事で、「中電龍舟」に関しては特に問題は無さそうだ、
あとはチームを再編して、少しづつ全盛期の実力を取り戻して
いっていただきたいと思う。

まあお馴染み常連チームなのであるが、ちょっと聞きたい
事があった。
匠「2週間前のツナカップでは、初出場・初優勝おめでとう
ございます。優勝賞品のマグロは食べましたが?」
龍「食べましたよ~ とても美味しかったです!」
匠「いいなあ・・ こちらは参加賞のツナ缶1缶だけでした。
今回もおすそ分けで貰ったので、大事に取っておいた
去年のツナ缶を、やっと食べました(笑)」
龍「あはは・・ ツナカップ、いいですね、また行きたい」
匠「ちなみに、チャレンジの部で1度勝ったら、次は強制的に
上位カテゴリー行きですよ(笑)「東海龍舟」さんも
そうだったし・・いつまでもチャレンジでは出来ません」
龍「え~、それは困るなあ」
匠「今日の大会だってそうですよ、”龍人”さんの実力値で
”普及の部”は無いでしょう? 仮に勝っても自慢には
なりません、メジャー大会で堂々と優勝しましょう!」
龍「あはは・・(汗) 頑張ります」
「龍人」は実力値どおりに順当に決勝戦に進出だ。

予選のうちも雨は降ってはいるが、風はあまり無い、
雨は少しづつ強くなってきている模様だ。
天気予報を見ると、台風は太平洋上を進んでいる、
このままだと滋賀県への最接近は午後の時間帯になりそうだ、
ただ、ここ琵琶湖競艇場は、区切られた半閉水面なので
レースを妨げるとすれば、強風になった場合のみであろう。
もし天候が悪化すると、中止となり、そこまでのタイム
(予選ならば予選最速、準決勝も同様)で順位が決まる。
予選から気が抜けないのは確かだが、あまりに雨が酷いと
選手達の体力や気力への影響も大きい。
悪条件になればなるほど、勝利への執念が強いチームが
有利になるのであろう・・

きている、会場の「旗」や「吹流し」を見ると、水平より
やや下、この場合の風速は約7m/sだ。
ちなみに「吹流し」は、風向の他、風速もだいたいわかる。
真横に迄なると10m/sとなり、ドラゴン大会においても
だいたいその10m/sを目安にして中断または中止の判断を
下す事になる。10m/sを越えると白波が立ち、艇への浸水が
発生して沈没のリスクが出るのだ。
ちなみに、ここまでの風向は、レースに対しては、北風の
フォロー(追い風)となっている。台風の進路に対して風が
流れ込む方向だ、タイムはむしろ若干良くなるだろう。
午後2時頃、ちょうど台風が南方の海上を通過したのか、
この時は風が止んで無風状態となった。
その後、夕方には今度は南からのアゲインスト(逆風)だ
恐らくこの風向の変化も台風の動きと密接に関係している。

ちょうど雨が強い時間帯であったので、ズブ濡れだ。
「メタルスタイリスト福田」は過去の様々な記事で紹介
している結成5年目のチーム、京都の企業クラブチームで、
ホーム大会は宇治大会であるが、他地区の大会にも積極的に
参戦している。最高位は4位(複数回)で、まだぎりぎり
入賞経験が無い。なんとしてもどこかの大会で入賞をしたい
ところだ。
「メタル」は大所帯なので、本大会には「レッド」と「ブルー」
の2チームによる「普及の部」へのダブルエントリー、
「ブルー」がベテランの主力、「レッド」は新人を乗せた育成
チームだが、何故か今回は「レッド」が準決勝進出となり
「下克上」が起こった。
まあでも、そういう例は「すいすい丸」が「びわこペーロン」
で、育成チームが優勝、というケースも過去にあった。
そしてこれは悪い話ではなく、新人選手は好成績を収めた事で
モチベーションがアップしてドラゴンを継続するだろうし、
ベテラン選手達も「新人に負けてたまるか」とやる気アップだ。
「メタルスタイリスト福田レッド」は残念ながら準決勝敗退だ、
もう1歩なんだけどなあ・・ やはりこのあたりの「踊り場」を
脱出するには、他の強豪チーム等からの本格的な指導が必要な
時期にさしかかっているかも知れない。
(一応「すいすい丸」の指導は受けている、という情報は
入って来てはいるが、まだその回数が少ないのかな?)

手前1レーンの強豪「龍人」に先行する2レーンは、
「チームTAKAOオールスター」だ、これで決勝進出だ。
「龍人」は、「今日はベストメンバーとは言えない」とは
言っていたが、つい2週間前の「ツナカップ」での優勝チームだ、
それを差す(前に出る)「チームTAKAOオールスター」とは
聞き慣れないチーム名だが、いったい何者なのだろう?

決勝進出ですね、ところでこちらは何処からのチーム?」
T「あはは・・ 実は「IHI相生」のサブチームです」
匠「なんだ・・ そうでしたか、だったら速いのは当然ですね」
T「TAKAOはキャプテンの名前です」
匠「そうですか、先月(9月)の"1000m選手権大会”は
台風で中止で残念でした、せっかく3連覇中だったのに。
でも来年もまた勝ってください」
T[はい、頑張ります」
さてここで、決勝戦の進出チームが出揃った。
「普及の部」決勝戦進出チーム(レーン順)
1:闘龍者(とうりゅうもん)
2:チームTAKAOオールスター
3:FULL AHEAD
4:龍人
5:松陽台 守のシルバニアファミリー
これはなかなか凄いチームが出揃った。
まず、1レーン「闘龍者」は、愛知県のベテランチームで
あるが、最近凄く調子が良い、地元愛知の「中川運河大会」
では昨年2016年は「龍人」とのコラボチームで優勝している。
「闘龍者」単独でも昨年2016年の福井「九頭竜大会」で優勝。
昨年の本スモール選手権は準優勝。と、昨年はベストチーム編に
ノミネートされている。今年は「龍人」や「東海龍舟」の
サポートメンバーとして各大会での入賞等にも貢献している。
かなり調子が良いので、本大会でも優勝候補であろう。
「チームTAKAOオールスター」は前述のように「IHI相生」
のサブチームだ、元々長距離向け(「相生ペーロン競漕」は
決勝900mであるが、上位カテゴリー「Ⅰ部」に定着、
琵琶湖「1000m選手権」は3連覇中)のチームなのだが、
本大会のような短距離戦でも成績を残したい所だ。
3レーン「FULL AHEAD」も聞き慣れない名前かも知れないが、
こちらは静岡の強豪「海猿火組」のサブチームである。
本大会ではメインチーム「海猿火組」は選手権の部への
出場だが、サブチームは「普及の部」に参戦している。
2015年は「海猿火組NEO」として初参戦、準優勝だ。
2016年に「FULLAHED」に名前を変え、ここでも3位入賞。
この分だと今年も上位入賞、あるいは優勝が狙える。
4レーン「龍人」は前述の通りのベテラン強豪チームだ。
2週間前のツナカップ優勝の勢いで、連続優勝を狙いたい。
5レーン「松陽台 守のシルバニファミリー」は、
滋賀県高島市「高島ペーロン」の地元最強チームとして
同大会での優勝・入賞多数。数年前からドラゴン界にも
進出している。ドラゴンのメジャー大会では入賞経験が
まだ無いが、今年からベテランを「松陽台 レジェンド」
若手を「松陽台 守のシルバニアファミリー」と分割して、
8月に行われた「堅田湖族船競争」では、ダブルエントリー
の初参戦で「守のシルバニアファミリー」が初優勝だ。
同大会昨年の覇者「小寺製作所」を押さえての優勝は
見事な戦績だ、この勢いで、メジャーの「スモール選手権」
も制覇し、ドラゴン界にも「松陽台」旋風を巻き起こしたい
所であろう。
---
さて、いよいよ「普及の部」の決勝戦。
時刻は午後3時半過ぎ、台風は通り過ぎた模様だが、
依然雨は降っている、風はアゲインストの3~4m/s
やや暗い、それにもうカメラがダメだ、朝からの1日の
ズブ濡れの撮影で、レンズ内部か完全に曇ってしまっている
コントラストが非常に低い状態だが、ある程度レタッチ(編集)
で補正して行こう。
さあ、スタート

2~5レーンは団子状態だ、恐らくはこれは「闘龍者」の
逃げ切りだろうが、他はどういう順位になるかわからない。
「普及の部」とは言え、前述のように、それぞれのチームは
立派な戦績を持つ強豪チームばかりである。
こうした「熱戦」が見れることは、本「スモール選手権」の
観戦の醍醐味だ。
台風の中、よくこの決勝戦まで天候が持ったものだ。
カメラ(レンズ)は曇って、もう写真を撮るのは厳しい
状態ではあるが、肉眼でこのレースを最後まで見届けよう。
後半、「闘龍者」(愛知)のリードは変わらない。
半艇身(2~3秒)ほど他艇より先行している。
第二集団の中では「FULL AHEAD」と「TAKAO」が速そうだ、
静岡対相生(兵庫)の戦い、どちらも強豪のサブチーム。
強豪チームだからと言って、「名前」だけ勝てる訳では無い、
新人選手も多数乗っているかも知れないのだ。
最後は意地と意地のぶつかりあいだ。
地元滋賀県の「龍人」と「松陽台」も、メジャー初制覇に
向けて最後のスパートだ、ただもうちょっと厳しいか・・
しかし、ヨソモノ(笑)ばかりに、上位入賞を独占される
訳にも行かない、地元の意地で、なんとしても3位には
食い込みたい!
西「凄い接戦です、さあ、どこが来たか? ゴ~ル!!」
実況解説の「DJ西尾さん」の熱いアナウンスが会場に響く。
さあ、結果は・・?
1位:1分14秒 闘龍者
2位:1分16秒 チームTAKAOオールスター
3位:1分17秒 FULL AHEAD
4位:1分18秒 龍人
5位:1分19秒 松陽台 守のシルバニアファミリー
奇しくも、レーン順通りの順位となった。
タイムが遅く感じるかも知れないが、普及の部は「旧艇」
と呼ばれる非常に重たい艇を使用している。
この艇は軽量な「チャンピオン社製スモール艇」に比べ
4割増しの遅いスピードしか出ない。コンディションの悪さ
(逆風、雨)も考慮すると、1分10秒台であれば良い方だ。
ただ、スピードが遅い艇であるから、タイム差ほと見た目の
差はついていない。
200mを75秒で漕ぐのであれば、秒速は2.6m/sだ、
これで1秒差は、ほんの1/3艇身ほどの差でしかない。
だから、見た目では各チームは「団子状態」でゴールライン
に雪崩れ込んだように見える訳だ。
ふう、なかなか凄い戦いであった。
「闘龍者」、本大会初優勝おめでとうございます。
昨年の「九頭竜」に続き大会2勝目と好調だ。
この勢いを来年度の大会でもまた維持していただきたい。
「松陽台」は、せっかくの決勝進出だったが、また惜しくも
入賞を逃した(昨年本大会でも決勝で5位)
でも今年は優勝が一回ある、また来年頑張っていただきたい。
さて、今回の記事は、このあたりまでで、次回中編に続く・・