2017年8月20日に行われた「第27回びわこペーロン」の模様より、
本後編では、準決勝から決勝の見所を紹介して行こう。
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写真は企業チーム「シンコーメタリコン」
一昨年あたりから急速に力をつけ、昨年は20人漕ぎの部で念願の
決勝進出。ただし強豪専業チームに阻まれ入賞は出来なかったのは、
やむを得ない結果だ。
今年も決勝進出を期待してか、今日は専門のビテオ撮影班と
本格的なドローン撮影を依頼して会社ぐるみで大盛り上がりだ。
ちょっと「スポーツドキュメンタリー番組」のようなパフォーマンス
が随所で入っているのは、ビデオ撮影の為であろう。
ただ、これ以上の戦績を狙うのであれば、そもそも練習量が足りない
また、カーボンパドルの装備も必須であろうし、専業チームによる
入念な指導も必要だ、加えて本大会以外への大会参戦経験も必須だ。
本大会には20人漕ぎ一般の部に「シンコーメタリコン トップギヤ」
「セカンドギヤ」をダブルエントリーの大勢力だ。
予選では「トップギヤ」と「セカンドギヤ」が同じレースと
なるという兄弟対決、ここで1位2位ならばビデオ的には格好良い。
だがここには、強豪「小寺製作所」が居る。
当然「小寺」が1位で準決勝進出、2位までが準決勝に進めるが
ここでは兄貴分の「トップギア」が2位となった。
1位小寺から、2位(トップギヤ)、3位(セカンドギヤ)は
それぞれ8秒、27秒の差がついてしまっていた。
(このあたり、専業チームとの実力差を皆が十分に認識する必要が
あるだろう、順位はともかく、そもそも勝負になっていないのだ)
「セカンドギヤ」は敗者復活戦で無事1位抜けし、準決勝に進出。
予選での「池の里」を応援する「シンコーメタリコン」の姿があった、
これもまあビデオ的、とも言えるのだが、実際に「池の里」は
OPALで彼らを指導しているので、”師匠のチーム”を応援するのは
彼らにとっては素直な気持ちであっただろう。
けど、これは実は「勝負の世界」としては甘い話だ。
何故ならば、レースフローをちゃんと読み込めば分かるのだが、
「池の里」が順当に準決勝に進出した場合、そこで主力チーム
「トップギア」と「池の里」が対戦する事になる。
準決勝では1位のチームしか決勝に進めないし、さしもの
「トップギア」でも「池の里」には歯が立たない。
だからその「池の里」の出るレースは、今年の「シンコーメタリコン」
が決勝に進めるかどうかの瀬戸際の戦いなのだ。
ビデオ班まで手配した以上、せめて決勝には出て欲しい所だ。
予選から帰ってきた「池の里」のメンバーに軽口を言う。
匠「シンコーさんが、すごく応援していましたよ。
可哀想に、池の里が勝ったら次に当たるので、彼らには
もう勝ち目が無い。せっかく応援してもらったのに、まったく
血も涙も無い師匠ですねぇ・・(笑)」
池「・・と言われても(苦笑)、まあ勝負は勝負ですからね」
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こちらがその「池の里」と「トップギヤ」が当たった準決勝。
序盤から手前「池の里」がリード、奥の4レーン「トップギヤ」
とは3秒差の結果であったが、「池の里」としては、準決勝の
タイムは無関係であり、ともかく1位になれば決勝進出なので、
ここで全力で漕ぎきる必要は全くない。ここは3連覇に向けて
決勝に体力を温存するのがセオリーだ。他チームの様子を見ながら
ぎりぎりの接戦でも、僅かでもドラゴンの頭が出ていれば良いし
接戦になった方が、観客的にも、シンコーのビデオ撮影的にも
BBCのTV放送的にも全てに良いであろう。
このあたり専業チームは、まったく抜け目が無い、
なにせ百戦錬磨だし、ドラゴンを知り尽くしているのだ。
可哀想な事に、シンコーメタリコンの「夏祭り」はここまでで
終わってしまった、来年は、きっちりと事前練習を積んでから
是非また挑戦していただきたい。
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もう1つの注目企業チーム「日立建機ティエラ」
オレンジ色のユニフォームは同社が作る建築機械(パワーショベル等)
にちなんでいる。滋賀の甲賀市にある結構大きな会社だ。
本大会はトリプルエントリーとなっている大勢力だ。
20人漕ぎの1方が一昨年決勝進出して4位となった。
「次は3位になる」という約束で、会社にカーボンパドルを買って
もらった。その際に「彼らには見込みがあります」と同社本部長に
提言したのは私だし、彼らには、その投資予算に見合う結果を出して
もらいたい。
しかし昨年は決勝進出ならず、これではまずい、と今年はOPALでの
事前練習を繰り返し「琵琶ドラ」の指導も受けていると聞いている。
が、気合が空回りしたのか?上写真の予選での「日立建機ティエラ」
は、レース途中で漕ぎを止めてしまうアクシデントが発生、
このレースは最下位で敗者復活戦に賭ける事となった。
「これはアレだな・・」と思い、レース直後に彼らに原因を
聞きに行く。
匠「何かトラブルでしたか?」
日「漕ぐと曲がってしまって・・」
匠「ああ、なるほど、左右の漕手のアンバランスですね」
これは良くある話だ、
昨年の大会で準専業の「メタルスタリスト福田」もまったく同じ
事をやっている。
事前練習の際に全員メンバーが揃って、左右のバランスをよく
調整しておかないと、本番でこういう事態が起こるのだ。
特に、メンバーの一部だけ良く練習して漕力がついてきた
初級チームでメンバー間のアンバランスが起こり易い。
日「ちょっと調整して、敗者復活を頑張ります」
その言葉どおり「日立建機ティエラ」は敗者復活では真っ直ぐ進み、
専業チームの「松陽台 守のシルバニアファミリー」すらもかわして
見事1位抜け(もっとも、この敗者復活戦は2位抜けなので
「松陽台」も準決勝進出だ)
そして、兄弟チーム「kenkijin」(建機人?)も、予選では
強豪専業3チームと同レースで最下位となったが、敗者復活では
地元チームをかわして1位抜け、こちらも準決勝進出だ。
「日立建機ティエラ」の準決勝は、2つ上の写真での
「池の里」と「シンコーメタリコン トップギア」と当たり
両チームにはかなわず、無念の準決勝敗退。
が、「kenkijin」の方は準決勝での組み合わせに恵まれ、
見事決勝進出だ。
決勝での上位入賞は専業チームばかりで無理だとは思うが、これで
ともかく決勝に進出して、カーボンやライジャケ新調の投資は
報われたこととなるだろう。
花形カテゴリー「20人漕ぎの部」の決勝の模様は本記事の最後で
紹介する。
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次いで「10人漕ぎ混合」の決勝の模様だ。
決勝進出チームをレーン順にあげる。
1)すいすい丸トレイン(京都)
2)海火とOyageたち(静岡・東京)
3)チーム未来(大阪)
4)関西龍舟 白鷹(兵庫)
5)関西龍舟 白鹿(兵庫)
全て専業チーム。かつ県外チームとなってしまった、これがまあ
地元チームと専業チームの実力差という事であり、この状況が
強すぎると色々と地元チームの心情的に問題があると懸念している。
専業チームに次ぐ地元チームとしては、準専業の「豪腕龍」、
パナソニック軍団中最強クラスの「パナソニックキッチンB」
(カーボンパドルを装備し、昨年は10人漕ぎ一般の部で決勝4位と
なっている)があるが、いずれも専業チームには及ばす予選敗退と
なってしまった。
決勝戦であるが、ここはいつものドラゴン大会と同じ予想だ。
「関ドラ」としては前人未到の年2回のワンツーフィニッシュを
狙い、完全復調を実感したい所だ。
「すいすい丸トレイン」は、昨年本カテゴリーで準優勝だが、
その際、新人を乗せたサブチーム「すいすい丸 工場」が
10人漕ぎ一般で優勝している。とちらかと言えば女性上位の
チーム(久美浜大会では女子チームが連覇中)なので、本家の
方が順位が下だと格好悪い、ここはなんとしても優勝をしたい。
「海火とOyageたち」は、遠征であり、本大会への参戦は
「夏のバカンス気分」だ。いずれも超強豪ではあるが、チームの
コンセプトとしては、近年では「ドラゴン界の発展」とか
「楽しめる大会運営を模索する」といったように、自身のチームの
戦績よりも、全体を見る視点に進化してきている。
まあ、それでも超強豪の意地はあるから、優勝は狙わないまでも
「関ドラ」のワンツー阻止は狙ってくることであろう。
「未来」は、久々の決勝進出だが、元々本大会を見い出して、
2000年代末ごろから専業チームとしては、いち早く本大会に
参戦して優勝したチームだ。
昨年もコラボチーム「表面張力」として、この激戦区で見事
決勝に進出している(結果4位)その際、準決勝で強豪の「小寺」
と「東海龍舟」をかわしての1位抜けが凄かった。
このあたりで、ベテランの意地を再度見せたい事であろう。
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上写真は決勝戦の模様。手前が「海火とOyageたち」、奥が
「未来」である。「未来」はここから少し遅れ、代わりに
「すいすい丸」の順位が上がってくる。
しかし「関ドラ」の2チームとは差が開き、2艇身程度にまで
なっていく。Image may be NSFW.
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これで「関ドラ」の今年2度目のワンツーフィニッシュが確定だ。
余談だが、今回の大会は強風の影響でスケジュールが大幅に遅れ、
この決勝は、すでに午後5時半ごろの様子だ。
その「雰囲気」を記録する為と、シャッター速度を少しでも上げる
為に、このあたりでは若干暗めの露出補正や編集を行っている。
(前記事、高島ペーロンでも悪天候を記録する為に同様の処置を
行っている)
さらに余談だが、今回使用機材はメインの一眼はSONY α77Ⅱと
TAMRON SP200-500mm(Model A08)である、
これは高速連写が効く他、デジタルテレコン機能を用いて
換算1500mmまでの画角を得る事が出来るシステムだ。
本大会会場は、午前中は強い逆光で写真はほとんど撮れず、
準決勝以降のレースを主に撮る事としている。
加えて陸からの距離が極めて遠く、一般的なカメラマンの持つ
300mm級の望遠機材ではとうてい届かない。
今日使用のシステムではデジタルテレコン機能があり、これは
原理的にはトリミングと等価だが、撮影後の輝度補正やトリミング
編集の手間が減る為、2000枚を超える大量の撮影を行った際には
編集コスト(時間)を減らせるので実用的には有利だ。
そして今年、各チームの応援撮影カメラマンの様子が、これまでと
ちょっと変化があった。それは今年、TAMRONおよびSIGMAの
150m~600mmという超望遠ズームを使用する人を3人も見たのだ。
これらの超望遠ズームは数年前から一般アマチュアカメラマンにも
普及している人気のレンズだ。が、重くて簡単には使いこなせない為、
すぐに売ってしまうのか、中古の玉数は極めて多い。
いずれのレンズにも業務用型(TAMRONのG2型、SIGMAのSPORTS型)
が存在するが、それらはさらに重たくSIGMAのは3kgにもなる。
手持ちでの長時間の撮影は不可能と見て、それらの購入は今の所、
私は保留している。
これらのレンズは本大会の撮影環境においては極めて有効だ。
課題の重量も、熱中症リスクも、特定のチームの応援撮影であれば、
短時間だけで済むので、問題無いであろう。
しかし、それらのレンズを持って来た人たちは、初級中級のレベル
であったので、超望遠撮影について色々指導しておいた。せっかくの
適切な機材だ、チームメイトに喜ばれる写真を撮って頂きたい。
まあでも機材だけ良くても難しい、ドラゴン撮影には様々な記事で
説明しているような重要な撮影ノウハウが沢山ある。
ちなみに、この大会において地元ビギナーチームが「カーボンの
パドルが欲しい」という話を良く聞くのだが、そこもカメラの
機材と同じ話で、せっかくお金を投資してカーボンを買っても
練習や経験でスキルアップしないと意味が無い。
が、前編で書いたように、良い機材を買った事で、それが練習の
モチベーションになる事は多々あるので、その点では「きっかけ」
としては適切であろう。
余談が長くなった、大会の紹介に戻る。
以下は表彰式での「関西龍舟」の模様だ。
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「関西龍舟」は完全復調という印象であり、当面10人漕ぎ混合の
分野では敵無しであろう、あとは20人漕ぎ混合で日本選手権での
王座奪回が期待する戦果となる。
さて、次いで「10人漕ぎ一般」の模様。
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写真は「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
予選は2位で準決勝進出、準決勝は1位抜けで決勝進出。
こうした順位だけ見ているとわかりにくいが、「琵琶ドラ」は
実にレース戦略が上手い。
恐らくは予選や準決勝では新人選手等も入れて経験を積ませたり
あるいは他チームの実力値やレース展開をちゃんと把握しながら
無駄の無い最小限のエネルギー効率で決勝まで勝ち上がってくる。
このあたりの「レース戦略の見事さ」は、老練とも言える高いレベル
であり、他チームも見習うと良いであろう。
それから、ここは「琵琶ドラ」が参戦した事で、地元滋賀県の
チームが優勝できる可能性が高いカテゴリーだ。
地元としては、他府県のチームに優勝を独占されない為にも
ここは是が否でも優勝を確保したいところだ。
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「相生市役所」チーム。「AI」と「OI」のダブルエントリーで
昨年までは決勝2位と3位が定位置だ。
今年はなんとか優勝を狙いたいところなのだが、運悪く準決勝で
兄弟チーム対決となり、加えて地元強豪の「東レ・プレシジョンA」
(一昨年決勝進出)と「パナソニック キッチンA」(昨年決勝進出)
に阻まれて「OI」の方は無念の準決勝敗退だ。
ここは残った「AI」が「OI」の分まで頑張らなくてはならない。
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「すいすい丸 工場」、昨年は新人6名を載せたサブチームながら
見事決勝進出し、相生市役所2つを抑えて優勝している。
メインチーム「すいすい丸 トレイン」をもってして
「今年の新人は見込みがある」と言わせたのだが、その新人選手も
1年以上もやっていれば、もう主力選手だ。
”昨年はまぐれ”とは言わせず、ここは連覇と行きたいところだ。
今年このカテゴリーに居る、強豪の「琵琶ドラ」にどう立ち向かう
かが見ものだ。
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「吹田龍舟倶楽部」、こちらは昨年まで「10人漕ぎ混合」の
超激戦区において2連覇という驚異の戦績をあげている。
これは本当に凄いことなのだが、今年は女子チーム「SCB」を
編成した為か?男子選手が中心となり「10人漕ぎ一般」への
カテゴリー移動だ、このカテゴリーでも優勝して3連覇の偉業を
達成したいところ。
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「10人漕ぎ一般」の決勝戦の模様、時刻は午後6時を過ぎて
相当に暗い、若干のマイナス補正で雰囲気を残しておこう。
こうした場合、ISO感度を800~1000程度にまで高めれば、
超望遠画角においてもブレ限界に至らないシャッター速度
(1/500~1/1000秒)を得る事はできる。
写真は序盤戦の模様、手前より「琵琶ドラ」と「吹龍」が
ダッシュしていて、奥のレーンは「東レ」だ。
「すいすい丸」と「相生」が出遅れているように見えるが、
これは撮影角度による錯覚を利用した撮影(3チームが接戦に
見えるような角度とタイミングを狙う)であって、実際の順位は
琵琶ドラ、吹龍、すいすい丸の専業チームの接戦となっている。
そしてこのレースは400mの長丁場だ、重量対パワーの配分が悪い
10人漕ぎの部、しかも強風で漕手の数を8名に減らした措置が
依然有効であるので、漕ぎ時間2分を超える後半では、各チームの
カラータイマーが点滅してスタミナ切れになるリスクが高い。
しかし、そうなるとやはり「試合巧者」の「琵琶ドラ」が有利だ。
「琵琶ドラ」は前半の接戦でも焦らない見事なペース配分により
このカテゴリーの勝者となる。
順位は、次いで「すいすい丸」「吹龍」となった。
「すいすい丸 工場」の本カテゴリー連覇はならず、
また「吹田龍舟倶楽部」の異カテゴリー3連覇の夢も費えた。
相生の「チームAI」は、ひさしぶりに入賞を逃し4位。
「東レ・プレシジョンA」は、5位ながらも10人漕ぎ初の決勝進出、
そして兄弟チームの「東レ・プレシジョンB」も、2年ぶり2度目の
20人漕ぎの部決勝進出で、十分に健闘したと思う。
---
さて、残るは花形カテゴリー「20人漕ぎ一般の部」である。
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「日立建機」は前述のように「kenkijin」が決勝に残っている、
ただし上写真は「kenkijin」ではなくて兄弟チームかも知れない。
(こちらは、旧「日立建機ティエラMIX」?メンバーの区別までは
なかなかつかないので難しい。美人選手の笑顔が素敵なこちらの
写真を掲載しておこう・笑)
「kenkijin」の入賞は、強豪専業が集まっているこのレース
においては実際には難しいのだが、1つ救いがある。
それは、前編でちょっと提案した「企業の部」という話だが、
その事自体は事前に運営側に伝えてあって、そういうカテゴリー
の実施は今回はできないものの、「企業の部優勝」の表彰が
サプライズである模様なのだ!
なので「kenkijin」が4位となれば「企業の部優勝」の可能性があり
同様に決勝進出の「東レ・プレシジョンB」も候補だ。
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決勝戦に向かう「龍人(どらんちゅ)」の模様。
龍「びわペー決勝進出率100%!」と言っている彼らであるが
確かにまあ、そういうデータとなっている。
2012年には豪雨途中中止で、当時あった「20人漕ぎ混合の部」で
優勝しているが、この優勝は彼らにしてはノーカウントであり、
現在の20人漕ぎ一般において、ライバルの「池の里」「小寺」を
倒して、正式に優勝をしたいところであろう。
毎年タイム差は数秒あるのだが、2016年の「高島ペーロン」では
「小寺」と「池の里」を破って、「龍人」が優勝している。
だから優勝が無理だという話では無い。
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本大会の前日の「ドラゴンキッズ」では、「龍人」が率いる
「大津SS 白龍丸」は、「小寺」率いる「平野スポ少」に
小学生の部で圧勝している、ただ、これは勿論小学生が主体の
レースなので、本大会の参考には全くならないのだが、これらの
チームのライバル関係を理解するのには適切な逸話であろう。
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さあ、20人漕ぎの部の決勝レースが始まった。
時刻は午後6時を少し廻ったところ、強風による遅延はあったが
これで全レースが無事行われた。
時間がもしもう少し遅くなると、ドラゴンに「ナイター」は無い
ので決勝戦は中止になったかも知れなかった。
もしそうなったら、準決勝最速のタイムは1分48秒の小寺製作所
であったのだが、決勝が行われる以上、もう関係無い。
(「高島ペーロン」の記事でも「堅田湖族船競争」の記事でも
まったく同じ状況を書いたようにも覚えている。
「小寺」は準決勝までは最速なのだが・・)
上写真では「小寺製作所」がリードしているように見えるが、
これは実際そうであろう。
少し裏の話を書いておくと、今回「小寺」は女子チーム編成の為に、
メンバー数が不足している。
そこで、新鋭チーム「からしれんこん」から助っ人を呼んだ
コラボチームとなっているのだ。
そういえば先日の「高島ペーロン」の時に「からしれんこん」に、
「この後の大会予定は?」と聞くと「う~ん、漕手派遣かな?」
と答えていたのだが、こういう事であったのだろう。
決勝レース前に「小寺団長」に
匠「16人漕ぎになったのだから、小寺だけで漕げるでしょう?」
と聞いたところ、
小「お客さんだから、からしれんこんのメンバーは外せないよ」
という答えであった、なるほど、それはその通りだ。
が、これは3連覇を狙う「池の里」においてはちょっと問題だ。
池「からしれんこんが1/5の比率ならば、まあ普段の小寺さんの
状況と同じと考えて、レース展開が予想つきます。
しかし、からしれんこんが1/4の比率ともなると、普段とは
違う展開になりそうで、凄いプレッシャーです」
なるほど、ここも良くわかる。
それぞれのチームには、レース以外においても、それぞれの事情や、
戦う理由があるのだ。
その人間ドラマが、一番面白く、ドラゴン観戦の醍醐味だ。
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「池の里」優勝! 2011年の涙の初優勝は伝説的であるが、
2015~2017年の3連覇となると、ちょっと勝ちすぎなように
思えてしまう。
これは早急に「企業の部」と「チャンピオン」をカテゴリー分離
するべきだろう、さもないと「日立建機」「シンコー」「東レ」
「パナソニック」他の頑張っている企業チームが報われない。
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Clik here to view.![c0032138_07083165.jpg]()
「池の里」もその点はわかっていて、後進の指導に力を入れて
めぼしい企業チームから「第二、第三の池の里を育てたい」と
言っているし、事実、事前練習では4つもの地元チームを指導し
後進の育成に余念が無い。
ただ「池の里」には、彼らなりに勝ち続けたい理由がある。
それは、よく他の記事でも書いているが、池の里が町内会純血の
チーム故に、新メンバーが補充できず年々高齢化する弱点だ。
こrれを回避するには、かつて「ドラゴンキッズ」で連覇を続けた
池の里の実子のスーパーキッズ達が、もうほんの数年で大人チームに
参加できる年齢に近づいてきている。
だから、もう数年間、実子メンバーに世代交代するまでは、
「池の里」のお父さん、お母さん達は、この「びわこペーロン」で
チャンピオンで有り続けなくてはならない。
いくら実子とは言え、弱いチームには子供達は入りたく無いだろう
ましてや反抗期、中には「磯風かbpに入りたい」と言っている
子供も居るのだ(汗)
選手である前に「お父さん」であるから、格好良い「勇者」のままで
勇退していかなければならないのだ、まあ、気持ちは良くわかる。
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表彰式の模様、「池の里」の写真ばかりになってもまずいので
「小寺製作所+からしれんこん」の写真を掲載しよう。
時刻はすでに7時前、コンパクト機の高感度を使ってもノイズが
もうぎりぎりなので、もう5分程でフラッシュが必要な状況になる。
が、フラッシュを焚くと、その場の雰囲気が失われるのと、他で
行っているビデオ撮影にも影響が出る。
そうした周囲の状況に、ちゃんと配慮できる事が必須なのだが、
残念ながら、プロ、アマ問わず、そして動画、静止画問わず、
それができるカメラマンは極めて少ない。
被写体を撮影する事が最優先である事はわかるが、困難な撮影に
なるほど、撮りそびれが許されない状況においては周囲を見る
余裕が無くなってしまうのだ。
それと、例の「企業の部」の優勝であるが、「kenkijin」は
決勝4位の戦績で表彰される可能性があるという事で、撤収せず
待っていたのだが。実際の優勝は「シンコーメタリコン」と
なった。これは「企業の中でタイム最速のチーム」という事で
そうなったのであるが、予選は20人漕ぎで、その後が16人漕ぎ
となったのならば、タイムで決めるのは、ちょっとまずかった。
まあそれもこれも「企業の部」をちゃんとカテゴリー化すれば
解決していく問題だとは思うが・・
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Clik here to view.![c0032138_07083047.jpg]()
最後は、恒例の「琵琶湖周航の歌」を皆で歌うイベントで
本大会は幕を閉じる。ここではやむなく2枚だけフラッシュを
使わせてもらった。
それと、今年は「琵琶湖周航の歌100周年」の年なのだが、
それに係わる何かスペシャルな事は無かった。
まあ、まだ琵琶湖での大会は他にも残っているので、そういう事を
企画していくのも、参加選手満足度を高めていくという視点では
良いかも知れない。
時代はすでに変わってきていて、各々の大会には、そこに選手達が
参加したいと思わせるような何らかの「付加価値」が必要なのだ。
大会の運営コンセプトも、時代や環境の変化に合わせて、少しづつ
でも変わっていかなければならないと思う。
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Clik here to view.![c0032138_07083079.jpg]()
時刻は午後7時を過ぎたところ。
強風で大会中止も危ぶまれたが、ともかく最後まで無事実施できて
本当に良かった。
これで今年の「びわこペーロン」は無事終了、皆さんお疲れ様でした。
本後編では、準決勝から決勝の見所を紹介して行こう。
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一昨年あたりから急速に力をつけ、昨年は20人漕ぎの部で念願の
決勝進出。ただし強豪専業チームに阻まれ入賞は出来なかったのは、
やむを得ない結果だ。
今年も決勝進出を期待してか、今日は専門のビテオ撮影班と
本格的なドローン撮影を依頼して会社ぐるみで大盛り上がりだ。
ちょっと「スポーツドキュメンタリー番組」のようなパフォーマンス
が随所で入っているのは、ビデオ撮影の為であろう。
ただ、これ以上の戦績を狙うのであれば、そもそも練習量が足りない
また、カーボンパドルの装備も必須であろうし、専業チームによる
入念な指導も必要だ、加えて本大会以外への大会参戦経験も必須だ。
本大会には20人漕ぎ一般の部に「シンコーメタリコン トップギヤ」
「セカンドギヤ」をダブルエントリーの大勢力だ。
予選では「トップギヤ」と「セカンドギヤ」が同じレースと
なるという兄弟対決、ここで1位2位ならばビデオ的には格好良い。
だがここには、強豪「小寺製作所」が居る。
当然「小寺」が1位で準決勝進出、2位までが準決勝に進めるが
ここでは兄貴分の「トップギア」が2位となった。
1位小寺から、2位(トップギヤ)、3位(セカンドギヤ)は
それぞれ8秒、27秒の差がついてしまっていた。
(このあたり、専業チームとの実力差を皆が十分に認識する必要が
あるだろう、順位はともかく、そもそも勝負になっていないのだ)
「セカンドギヤ」は敗者復活戦で無事1位抜けし、準決勝に進出。
予選での「池の里」を応援する「シンコーメタリコン」の姿があった、
これもまあビデオ的、とも言えるのだが、実際に「池の里」は
OPALで彼らを指導しているので、”師匠のチーム”を応援するのは
彼らにとっては素直な気持ちであっただろう。
けど、これは実は「勝負の世界」としては甘い話だ。
何故ならば、レースフローをちゃんと読み込めば分かるのだが、
「池の里」が順当に準決勝に進出した場合、そこで主力チーム
「トップギア」と「池の里」が対戦する事になる。
準決勝では1位のチームしか決勝に進めないし、さしもの
「トップギア」でも「池の里」には歯が立たない。
だからその「池の里」の出るレースは、今年の「シンコーメタリコン」
が決勝に進めるかどうかの瀬戸際の戦いなのだ。
ビデオ班まで手配した以上、せめて決勝には出て欲しい所だ。
予選から帰ってきた「池の里」のメンバーに軽口を言う。
匠「シンコーさんが、すごく応援していましたよ。
可哀想に、池の里が勝ったら次に当たるので、彼らには
もう勝ち目が無い。せっかく応援してもらったのに、まったく
血も涙も無い師匠ですねぇ・・(笑)」
池「・・と言われても(苦笑)、まあ勝負は勝負ですからね」
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序盤から手前「池の里」がリード、奥の4レーン「トップギヤ」
とは3秒差の結果であったが、「池の里」としては、準決勝の
タイムは無関係であり、ともかく1位になれば決勝進出なので、
ここで全力で漕ぎきる必要は全くない。ここは3連覇に向けて
決勝に体力を温存するのがセオリーだ。他チームの様子を見ながら
ぎりぎりの接戦でも、僅かでもドラゴンの頭が出ていれば良いし
接戦になった方が、観客的にも、シンコーのビデオ撮影的にも
BBCのTV放送的にも全てに良いであろう。
このあたり専業チームは、まったく抜け目が無い、
なにせ百戦錬磨だし、ドラゴンを知り尽くしているのだ。
可哀想な事に、シンコーメタリコンの「夏祭り」はここまでで
終わってしまった、来年は、きっちりと事前練習を積んでから
是非また挑戦していただきたい。
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オレンジ色のユニフォームは同社が作る建築機械(パワーショベル等)
にちなんでいる。滋賀の甲賀市にある結構大きな会社だ。
本大会はトリプルエントリーとなっている大勢力だ。
20人漕ぎの1方が一昨年決勝進出して4位となった。
「次は3位になる」という約束で、会社にカーボンパドルを買って
もらった。その際に「彼らには見込みがあります」と同社本部長に
提言したのは私だし、彼らには、その投資予算に見合う結果を出して
もらいたい。
しかし昨年は決勝進出ならず、これではまずい、と今年はOPALでの
事前練習を繰り返し「琵琶ドラ」の指導も受けていると聞いている。
が、気合が空回りしたのか?上写真の予選での「日立建機ティエラ」
は、レース途中で漕ぎを止めてしまうアクシデントが発生、
このレースは最下位で敗者復活戦に賭ける事となった。
「これはアレだな・・」と思い、レース直後に彼らに原因を
聞きに行く。
匠「何かトラブルでしたか?」
日「漕ぐと曲がってしまって・・」
匠「ああ、なるほど、左右の漕手のアンバランスですね」
これは良くある話だ、
昨年の大会で準専業の「メタルスタリスト福田」もまったく同じ
事をやっている。
事前練習の際に全員メンバーが揃って、左右のバランスをよく
調整しておかないと、本番でこういう事態が起こるのだ。
特に、メンバーの一部だけ良く練習して漕力がついてきた
初級チームでメンバー間のアンバランスが起こり易い。
日「ちょっと調整して、敗者復活を頑張ります」
その言葉どおり「日立建機ティエラ」は敗者復活では真っ直ぐ進み、
専業チームの「松陽台 守のシルバニアファミリー」すらもかわして
見事1位抜け(もっとも、この敗者復活戦は2位抜けなので
「松陽台」も準決勝進出だ)
そして、兄弟チーム「kenkijin」(建機人?)も、予選では
強豪専業3チームと同レースで最下位となったが、敗者復活では
地元チームをかわして1位抜け、こちらも準決勝進出だ。
「日立建機ティエラ」の準決勝は、2つ上の写真での
「池の里」と「シンコーメタリコン トップギア」と当たり
両チームにはかなわず、無念の準決勝敗退。
が、「kenkijin」の方は準決勝での組み合わせに恵まれ、
見事決勝進出だ。
決勝での上位入賞は専業チームばかりで無理だとは思うが、これで
ともかく決勝に進出して、カーボンやライジャケ新調の投資は
報われたこととなるだろう。
花形カテゴリー「20人漕ぎの部」の決勝の模様は本記事の最後で
紹介する。
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決勝進出チームをレーン順にあげる。
1)すいすい丸トレイン(京都)
2)海火とOyageたち(静岡・東京)
3)チーム未来(大阪)
4)関西龍舟 白鷹(兵庫)
5)関西龍舟 白鹿(兵庫)
全て専業チーム。かつ県外チームとなってしまった、これがまあ
地元チームと専業チームの実力差という事であり、この状況が
強すぎると色々と地元チームの心情的に問題があると懸念している。
専業チームに次ぐ地元チームとしては、準専業の「豪腕龍」、
パナソニック軍団中最強クラスの「パナソニックキッチンB」
(カーボンパドルを装備し、昨年は10人漕ぎ一般の部で決勝4位と
なっている)があるが、いずれも専業チームには及ばす予選敗退と
なってしまった。
決勝戦であるが、ここはいつものドラゴン大会と同じ予想だ。
「関ドラ」としては前人未到の年2回のワンツーフィニッシュを
狙い、完全復調を実感したい所だ。
「すいすい丸トレイン」は、昨年本カテゴリーで準優勝だが、
その際、新人を乗せたサブチーム「すいすい丸 工場」が
10人漕ぎ一般で優勝している。とちらかと言えば女性上位の
チーム(久美浜大会では女子チームが連覇中)なので、本家の
方が順位が下だと格好悪い、ここはなんとしても優勝をしたい。
「海火とOyageたち」は、遠征であり、本大会への参戦は
「夏のバカンス気分」だ。いずれも超強豪ではあるが、チームの
コンセプトとしては、近年では「ドラゴン界の発展」とか
「楽しめる大会運営を模索する」といったように、自身のチームの
戦績よりも、全体を見る視点に進化してきている。
まあ、それでも超強豪の意地はあるから、優勝は狙わないまでも
「関ドラ」のワンツー阻止は狙ってくることであろう。
「未来」は、久々の決勝進出だが、元々本大会を見い出して、
2000年代末ごろから専業チームとしては、いち早く本大会に
参戦して優勝したチームだ。
昨年もコラボチーム「表面張力」として、この激戦区で見事
決勝に進出している(結果4位)その際、準決勝で強豪の「小寺」
と「東海龍舟」をかわしての1位抜けが凄かった。
このあたりで、ベテランの意地を再度見せたい事であろう。
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「未来」である。「未来」はここから少し遅れ、代わりに
「すいすい丸」の順位が上がってくる。
しかし「関ドラ」の2チームとは差が開き、2艇身程度にまで
なっていく。
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余談だが、今回の大会は強風の影響でスケジュールが大幅に遅れ、
この決勝は、すでに午後5時半ごろの様子だ。
その「雰囲気」を記録する為と、シャッター速度を少しでも上げる
為に、このあたりでは若干暗めの露出補正や編集を行っている。
(前記事、高島ペーロンでも悪天候を記録する為に同様の処置を
行っている)
さらに余談だが、今回使用機材はメインの一眼はSONY α77Ⅱと
TAMRON SP200-500mm(Model A08)である、
これは高速連写が効く他、デジタルテレコン機能を用いて
換算1500mmまでの画角を得る事が出来るシステムだ。
本大会会場は、午前中は強い逆光で写真はほとんど撮れず、
準決勝以降のレースを主に撮る事としている。
加えて陸からの距離が極めて遠く、一般的なカメラマンの持つ
300mm級の望遠機材ではとうてい届かない。
今日使用のシステムではデジタルテレコン機能があり、これは
原理的にはトリミングと等価だが、撮影後の輝度補正やトリミング
編集の手間が減る為、2000枚を超える大量の撮影を行った際には
編集コスト(時間)を減らせるので実用的には有利だ。
そして今年、各チームの応援撮影カメラマンの様子が、これまでと
ちょっと変化があった。それは今年、TAMRONおよびSIGMAの
150m~600mmという超望遠ズームを使用する人を3人も見たのだ。
これらの超望遠ズームは数年前から一般アマチュアカメラマンにも
普及している人気のレンズだ。が、重くて簡単には使いこなせない為、
すぐに売ってしまうのか、中古の玉数は極めて多い。
いずれのレンズにも業務用型(TAMRONのG2型、SIGMAのSPORTS型)
が存在するが、それらはさらに重たくSIGMAのは3kgにもなる。
手持ちでの長時間の撮影は不可能と見て、それらの購入は今の所、
私は保留している。
これらのレンズは本大会の撮影環境においては極めて有効だ。
課題の重量も、熱中症リスクも、特定のチームの応援撮影であれば、
短時間だけで済むので、問題無いであろう。
しかし、それらのレンズを持って来た人たちは、初級中級のレベル
であったので、超望遠撮影について色々指導しておいた。せっかくの
適切な機材だ、チームメイトに喜ばれる写真を撮って頂きたい。
まあでも機材だけ良くても難しい、ドラゴン撮影には様々な記事で
説明しているような重要な撮影ノウハウが沢山ある。
ちなみに、この大会において地元ビギナーチームが「カーボンの
パドルが欲しい」という話を良く聞くのだが、そこもカメラの
機材と同じ話で、せっかくお金を投資してカーボンを買っても
練習や経験でスキルアップしないと意味が無い。
が、前編で書いたように、良い機材を買った事で、それが練習の
モチベーションになる事は多々あるので、その点では「きっかけ」
としては適切であろう。
余談が長くなった、大会の紹介に戻る。
以下は表彰式での「関西龍舟」の模様だ。
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分野では敵無しであろう、あとは20人漕ぎ混合で日本選手権での
王座奪回が期待する戦果となる。
さて、次いで「10人漕ぎ一般」の模様。
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予選は2位で準決勝進出、準決勝は1位抜けで決勝進出。
こうした順位だけ見ているとわかりにくいが、「琵琶ドラ」は
実にレース戦略が上手い。
恐らくは予選や準決勝では新人選手等も入れて経験を積ませたり
あるいは他チームの実力値やレース展開をちゃんと把握しながら
無駄の無い最小限のエネルギー効率で決勝まで勝ち上がってくる。
このあたりの「レース戦略の見事さ」は、老練とも言える高いレベル
であり、他チームも見習うと良いであろう。
それから、ここは「琵琶ドラ」が参戦した事で、地元滋賀県の
チームが優勝できる可能性が高いカテゴリーだ。
地元としては、他府県のチームに優勝を独占されない為にも
ここは是が否でも優勝を確保したいところだ。
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昨年までは決勝2位と3位が定位置だ。
今年はなんとか優勝を狙いたいところなのだが、運悪く準決勝で
兄弟チーム対決となり、加えて地元強豪の「東レ・プレシジョンA」
(一昨年決勝進出)と「パナソニック キッチンA」(昨年決勝進出)
に阻まれて「OI」の方は無念の準決勝敗退だ。
ここは残った「AI」が「OI」の分まで頑張らなくてはならない。
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見事決勝進出し、相生市役所2つを抑えて優勝している。
メインチーム「すいすい丸 トレイン」をもってして
「今年の新人は見込みがある」と言わせたのだが、その新人選手も
1年以上もやっていれば、もう主力選手だ。
”昨年はまぐれ”とは言わせず、ここは連覇と行きたいところだ。
今年このカテゴリーに居る、強豪の「琵琶ドラ」にどう立ち向かう
かが見ものだ。
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超激戦区において2連覇という驚異の戦績をあげている。
これは本当に凄いことなのだが、今年は女子チーム「SCB」を
編成した為か?男子選手が中心となり「10人漕ぎ一般」への
カテゴリー移動だ、このカテゴリーでも優勝して3連覇の偉業を
達成したいところ。
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相当に暗い、若干のマイナス補正で雰囲気を残しておこう。
こうした場合、ISO感度を800~1000程度にまで高めれば、
超望遠画角においてもブレ限界に至らないシャッター速度
(1/500~1/1000秒)を得る事はできる。
写真は序盤戦の模様、手前より「琵琶ドラ」と「吹龍」が
ダッシュしていて、奥のレーンは「東レ」だ。
「すいすい丸」と「相生」が出遅れているように見えるが、
これは撮影角度による錯覚を利用した撮影(3チームが接戦に
見えるような角度とタイミングを狙う)であって、実際の順位は
琵琶ドラ、吹龍、すいすい丸の専業チームの接戦となっている。
そしてこのレースは400mの長丁場だ、重量対パワーの配分が悪い
10人漕ぎの部、しかも強風で漕手の数を8名に減らした措置が
依然有効であるので、漕ぎ時間2分を超える後半では、各チームの
カラータイマーが点滅してスタミナ切れになるリスクが高い。
しかし、そうなるとやはり「試合巧者」の「琵琶ドラ」が有利だ。
「琵琶ドラ」は前半の接戦でも焦らない見事なペース配分により
このカテゴリーの勝者となる。
順位は、次いで「すいすい丸」「吹龍」となった。
「すいすい丸 工場」の本カテゴリー連覇はならず、
また「吹田龍舟倶楽部」の異カテゴリー3連覇の夢も費えた。
相生の「チームAI」は、ひさしぶりに入賞を逃し4位。
「東レ・プレシジョンA」は、5位ながらも10人漕ぎ初の決勝進出、
そして兄弟チームの「東レ・プレシジョンB」も、2年ぶり2度目の
20人漕ぎの部決勝進出で、十分に健闘したと思う。
---
さて、残るは花形カテゴリー「20人漕ぎ一般の部」である。
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ただし上写真は「kenkijin」ではなくて兄弟チームかも知れない。
(こちらは、旧「日立建機ティエラMIX」?メンバーの区別までは
なかなかつかないので難しい。美人選手の笑顔が素敵なこちらの
写真を掲載しておこう・笑)
「kenkijin」の入賞は、強豪専業が集まっているこのレース
においては実際には難しいのだが、1つ救いがある。
それは、前編でちょっと提案した「企業の部」という話だが、
その事自体は事前に運営側に伝えてあって、そういうカテゴリー
の実施は今回はできないものの、「企業の部優勝」の表彰が
サプライズである模様なのだ!
なので「kenkijin」が4位となれば「企業の部優勝」の可能性があり
同様に決勝進出の「東レ・プレシジョンB」も候補だ。
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龍「びわペー決勝進出率100%!」と言っている彼らであるが
確かにまあ、そういうデータとなっている。
2012年には豪雨途中中止で、当時あった「20人漕ぎ混合の部」で
優勝しているが、この優勝は彼らにしてはノーカウントであり、
現在の20人漕ぎ一般において、ライバルの「池の里」「小寺」を
倒して、正式に優勝をしたいところであろう。
毎年タイム差は数秒あるのだが、2016年の「高島ペーロン」では
「小寺」と「池の里」を破って、「龍人」が優勝している。
だから優勝が無理だという話では無い。
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「大津SS 白龍丸」は、「小寺」率いる「平野スポ少」に
小学生の部で圧勝している、ただ、これは勿論小学生が主体の
レースなので、本大会の参考には全くならないのだが、これらの
チームのライバル関係を理解するのには適切な逸話であろう。
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時刻は午後6時を少し廻ったところ、強風による遅延はあったが
これで全レースが無事行われた。
時間がもしもう少し遅くなると、ドラゴンに「ナイター」は無い
ので決勝戦は中止になったかも知れなかった。
もしそうなったら、準決勝最速のタイムは1分48秒の小寺製作所
であったのだが、決勝が行われる以上、もう関係無い。
(「高島ペーロン」の記事でも「堅田湖族船競争」の記事でも
まったく同じ状況を書いたようにも覚えている。
「小寺」は準決勝までは最速なのだが・・)
上写真では「小寺製作所」がリードしているように見えるが、
これは実際そうであろう。
少し裏の話を書いておくと、今回「小寺」は女子チーム編成の為に、
メンバー数が不足している。
そこで、新鋭チーム「からしれんこん」から助っ人を呼んだ
コラボチームとなっているのだ。
そういえば先日の「高島ペーロン」の時に「からしれんこん」に、
「この後の大会予定は?」と聞くと「う~ん、漕手派遣かな?」
と答えていたのだが、こういう事であったのだろう。
決勝レース前に「小寺団長」に
匠「16人漕ぎになったのだから、小寺だけで漕げるでしょう?」
と聞いたところ、
小「お客さんだから、からしれんこんのメンバーは外せないよ」
という答えであった、なるほど、それはその通りだ。
が、これは3連覇を狙う「池の里」においてはちょっと問題だ。
池「からしれんこんが1/5の比率ならば、まあ普段の小寺さんの
状況と同じと考えて、レース展開が予想つきます。
しかし、からしれんこんが1/4の比率ともなると、普段とは
違う展開になりそうで、凄いプレッシャーです」
なるほど、ここも良くわかる。
それぞれのチームには、レース以外においても、それぞれの事情や、
戦う理由があるのだ。
その人間ドラマが、一番面白く、ドラゴン観戦の醍醐味だ。
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2015~2017年の3連覇となると、ちょっと勝ちすぎなように
思えてしまう。
これは早急に「企業の部」と「チャンピオン」をカテゴリー分離
するべきだろう、さもないと「日立建機」「シンコー」「東レ」
「パナソニック」他の頑張っている企業チームが報われない。
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めぼしい企業チームから「第二、第三の池の里を育てたい」と
言っているし、事実、事前練習では4つもの地元チームを指導し
後進の育成に余念が無い。
ただ「池の里」には、彼らなりに勝ち続けたい理由がある。
それは、よく他の記事でも書いているが、池の里が町内会純血の
チーム故に、新メンバーが補充できず年々高齢化する弱点だ。
こrれを回避するには、かつて「ドラゴンキッズ」で連覇を続けた
池の里の実子のスーパーキッズ達が、もうほんの数年で大人チームに
参加できる年齢に近づいてきている。
だから、もう数年間、実子メンバーに世代交代するまでは、
「池の里」のお父さん、お母さん達は、この「びわこペーロン」で
チャンピオンで有り続けなくてはならない。
いくら実子とは言え、弱いチームには子供達は入りたく無いだろう
ましてや反抗期、中には「磯風かbpに入りたい」と言っている
子供も居るのだ(汗)
選手である前に「お父さん」であるから、格好良い「勇者」のままで
勇退していかなければならないのだ、まあ、気持ちは良くわかる。
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「小寺製作所+からしれんこん」の写真を掲載しよう。
時刻はすでに7時前、コンパクト機の高感度を使ってもノイズが
もうぎりぎりなので、もう5分程でフラッシュが必要な状況になる。
が、フラッシュを焚くと、その場の雰囲気が失われるのと、他で
行っているビデオ撮影にも影響が出る。
そうした周囲の状況に、ちゃんと配慮できる事が必須なのだが、
残念ながら、プロ、アマ問わず、そして動画、静止画問わず、
それができるカメラマンは極めて少ない。
被写体を撮影する事が最優先である事はわかるが、困難な撮影に
なるほど、撮りそびれが許されない状況においては周囲を見る
余裕が無くなってしまうのだ。
それと、例の「企業の部」の優勝であるが、「kenkijin」は
決勝4位の戦績で表彰される可能性があるという事で、撤収せず
待っていたのだが。実際の優勝は「シンコーメタリコン」と
なった。これは「企業の中でタイム最速のチーム」という事で
そうなったのであるが、予選は20人漕ぎで、その後が16人漕ぎ
となったのならば、タイムで決めるのは、ちょっとまずかった。
まあそれもこれも「企業の部」をちゃんとカテゴリー化すれば
解決していく問題だとは思うが・・
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本大会は幕を閉じる。ここではやむなく2枚だけフラッシュを
使わせてもらった。
それと、今年は「琵琶湖周航の歌100周年」の年なのだが、
それに係わる何かスペシャルな事は無かった。
まあ、まだ琵琶湖での大会は他にも残っているので、そういう事を
企画していくのも、参加選手満足度を高めていくという視点では
良いかも知れない。
時代はすでに変わってきていて、各々の大会には、そこに選手達が
参加したいと思わせるような何らかの「付加価値」が必要なのだ。
大会の運営コンセプトも、時代や環境の変化に合わせて、少しづつ
でも変わっていかなければならないと思う。
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強風で大会中止も危ぶまれたが、ともかく最後まで無事実施できて
本当に良かった。
これで今年の「びわこペーロン」は無事終了、皆さんお疲れ様でした。