
行われた、第27回びわこペーロンの模様より、前編。
本大会は、私は10年程前から観戦を行っているが、記録写真を
撮り始めたのは、まだ7~8年という状況だ。
本大会は琵琶湖で行われると言っても、主催はびわこ放送(BBC)
であり、他のドラゴンボート系大会のように、滋賀県ドラゴンボート
協会の主催では無いからである(注:主管、すなわち運営は
滋賀県ドラゴンボート協会が係わっている)
同様な理由で、近年から観戦を始めた大会として「高島ペーロン」や
「堅田 船競争」がある、他にも滋賀県には「東近江ドラゴンカヌー」
があるが、こちらは毎年「日本選手権」と日程が被るため、残念ながら
ちゃんと記録撮影を行った事は無い(一度、10数年前に、2週に
またがって大会が開催された際に地元の部を見に行った事がある)
大会の日程が被るといえば、本大会も毎年鳥取県の「東郷湖ドラゴン
カヌー大会」と日程がかぶってしまっている、そちらも一度観戦に
行きたいのだが残念ながら両方同時には無理だ。
そして今年に関しては、琵琶湖1000m選手権・グランドシニア大会と
静岡の御前崎大会も日程が重なってしまった(9月17日)、こちらも
残念ながら両方は同時にいけないので、先約の1000m選手権を優先で、
やむなく御前崎はキャンセルだ。(注:結局、どちらの大会も台風で
中止になってしまい、残念である)
まあ、7月から9月はドラゴン、ペーロンのトップシーズンなので
日程が被るのはやむを得ない、それぞれ主催者も異なるし、
会場確保等の都合もあるからだ。
しかし、他地区での大会開催時期を知らないで日程を決定している
ケースもある模様なので、連絡網を整備すれば良いだろうとは
昔から思っている、メーリングリスト程度で十分だと思うので、
関係者は是非検討していただきたく思う。

選手宣誓は、地元滋賀県の企業チーム「シンコーメタリコン」で
あるが、なんとその会社の社長さんだ。

スターズ」の選手達3名も招かれていた、このチームについては、
前記事「ドラゴンキッズ」の所に詳しいが、滋賀県では希少な
プロスポーツチームであり、よくドラゴン系の大会にもゲストと
して招かれている。
さて、本大会は「ペーロン」と名前がついてはいるが、
中身は「ドラゴンボート」のルールとほぼ同じである。
直線の400m戦は他のドラゴン大会には無い距離ではあるが、まあ
レース距離に関しては、ドラゴン大会でも様々なレギュレーション
が存在する。
使用艇は特殊な「ペーロン艇」と呼ばれるもので、現在ドラゴン界
で主流の軽量なチャンピオン艇に比べて重量級ではあるが、これは
もともとこの大会の開始年が1991年と古く、その際に、滋賀県の
姉妹県である、中国の湖南省(ペーロン発祥の地)から譲渡された
ものであるからだ、以来ずっとこの艇を使用しているという事だ。
出場チーム数は67と、かなり多い大規模大会だ。
本大会の記事でよく述べている「地元チーム率」は、今年は70%
程度である(昨年は80%)、ちなみにこの数字は専業チームでは
無い、という意味であり、琵琶ドラ、池の里、小寺、龍人、GPO
SPIRITS CLUB等は、地元出身であっても専業チーム扱いだ。
ここで言う「専業チーム」とは、一般的な地元ビギナーチームとは
異なり、多大な練習量と、本大会に限らず、各地の大会に膨大な
参戦経験を持っている本格的ドラゴンボートチームの事である。
現状、専業チームと対戦する地元チームには100%勝ち目が無く、
事実、本大会でも、数年に1度程度、地元チームが3位に入賞できる
かどうか?という感じであり、ほとんど全て、専業チームが各
カテゴリー(20人漕ぎ、10人漕ぎ混合、10人漕ぎ一般、女子)の
入賞(1位から3位)を独占している。
本大会でのこの傾向は、2009年くらいから始まり、その頃から
各地の専業チームが、ちらほらと本大会に参戦、優勝をさらって
いったのだが、その際、当時の本大会の優勝賞品は極めて豪華で
あったので、その話が広がり、2010年代前半には、各地から
専業チーム軍団が、こぞって本大会に参戦するようになった。
しかし本大会は伝統的な大会であるからか、カテゴリー分けは
旧来のままをずっと踏襲していて、現在においては前述のように
全体の2割~3割を占める専業チーム軍団が、すべて入賞を独占
している状況だ。
で、全国どの大会においても、この件(専業チームと地元チームの
実力差)をどう解決するかに頭を痛めていて、近年普及しつある
方法論としては、「実力別カテゴリー制度」がある。
つまり「専業チーム」を、「チャンピオン」などの上位カテゴリー
に封じ込めてしまい、地元チームと対戦させないようにする方式だ。
まあこの方法でも、その線引きをどうするか?という課題が残るが
今の所、その方式をいち早く実施した静岡の大会等では上手くいって
いる模様だ。
本「びわこペーロン」では、他の方法論も考えられるが、それは
また後述する事にしよう。

社長さんの会社だ。この会社については昨年や一昨年の記事でも
紹介していると思うので、今回は割愛しよう。
昨年の戦績だが、20人漕ぎの部で、非専業チームとしては唯一の
決勝進出である(結果5位)
まあそれもそのはず、一昨年くらいからOPALに練習に来ていた
とのことで、そこで「池の里」等が指導して、「なかなか筋が良い」
と認めていたくらいだ。
しかし、今年はちょっと様子が違う、まずは昨年の倍ほどの
人数の選手や応援選手が来ていて、チームもダブルエントリー、
そして、なんとチーム専任のビデオ撮影班が来ていて、
加えてドローンまで飛ばして空中撮影をしているのだ。
(これらは専門の業者に依頼しているという事であろう)

社内での記念として記録を残して置きたいと思ったのかも知れない。
しかしながら、選手や応援団は、ちょっとビデオ撮影を意識しすぎて
いるのか、随所に、それらしいパフォーマンスが入ったり、あるいは
他チームとの交流も殆ど無く、完全に彼らだけで閉じた世界に入り
込んでしまった事は少々残念だ。
元々実力のあるチームなので、お祭り的な方向に行かず、地道に
練習を繰り返してもらいたいようにも思える。
また、大きな予算を使うならば、他の実力派企業チームがどんどんと
カーボンパドルを装備して来ている近年の状況を鑑みて、そちらの
方向に予算を廻すのも良かったのではなかろうか・・?
まあでも、それもこれも結果が出れば何ら問題無い。
「シンコーメタリコン」の動きは注目していこう、専業チームに
混じって、20人漕ぎで2年連続決勝進出ともなれば、それはそれで
十分な戦績と言えよう。

一昨年は決勝進出(結果4位)、その際にカーボンパドルの導入を
会社側にねだって、昨年から(3位になるという約束で)カーボンを
使うようになった。その一連の様子は一昨年と昨年の記事でも紹介
しているが、昨年の戦績は決勝進出ならず。
今年は「このままではまずい」とOPALで3回だか4回だかの事前練習
を繰り返し、さらに本年度予算では、専用のライフジャケットまで
揃えて、まさしく気合十分だ。
そして今回は、20人漕ぎにダブルエントリー、「日立建機ティエラ」
と「Kenkijin」(建機人か?)であるが、さらに女子の部にも
「日立建機ティエラ 女子」と、トリプルエントリーだ。

前述の「ライフジャケット」そして、追加でさらにカーボンが
欲しいとのこと、さらに余った予算は、練習代に充てるとの事だ。

レギュレーションの10人を超えてさらに人数が多いのは、
20人漕ぎの部にも漕手として出場しているからであろう。
目標は各カテゴリーでの3位入賞であるうが、まあ決勝進出は
可能かも知れないが、入賞は残念ながら困難だ。
何故ならば各カテゴリーには、少なくとも3つ以上の「専業チーム」
が居るからだ。
地元チームはあまり認識していないかも知れないが、専業チームの
練習量は半端無い。日立建機が3回から4回の練習をするならば
上位の専業チームの練習量は、その10倍、年間で30回から40回
なのだ。
さらに大会への参戦回数も年間で6試合から10試合にも及ぶ。
大会での実戦は、練習量で3回から5回分に相当する事であろう・・
現在各カテゴリーに居る専業チームは、そうしたメニューを最低でも
10年続けているのだ、その結果として今の専業チームの強さがある。
だから冒頭にも書いたように、専業チームは地元ビギナーチームとは
経験も練習量もまるで次元が違う、つまり100%勝ち目が無いのだ。

「東レ・プレシジョン」は20人漕ぎにBチーム、10人漕ぎにAチーム
の変則ダブルエントリーだ。
3年前、他の企業チームに先駆けて、いち早くカーボンパドルを
導入したのが「東レ・プレシジョン」である。
その結果が早速出たのが、2年前の2015年の大会で、この時に
20人漕ぎで初めて決勝進出している。

あった、だって1年に1度しか出ない大会に、チームの人数分の
30本や40本のカーボンを揃えるのだ、その予算は軽く数十万円に
なってしまう事であろう、それが企業のクラブ活動予算から簡単に
出てしまうのが驚きだった。
カーボンを導入した企業チームの多くから事前に私に質問があった
企「速いチームは、皆、カーボンのパドルを使っていますが
あれは効果があるのですか?」
という話である。
何故企業チームが私に聞いてくるのか? と言うと、企業チームは
大会中、普通は他のチームと一切話をしないのだ。
だから情報が何も入って来ない。
ただわかるのは「強いチーム(専業チーム)は、皆、カーボンパドル
を使用している」という事だけなのだ。
私は各チームを廻って写真を撮りながら話をするので、彼らにとって
情報源は私しかなかったのであろう。
勿論私は、カーボン使用を推奨したのだが・・
ただ、最近はちょっと様子が変わってきている。
「シンコーメタリコン」や「日立建機ティエラ」「トヨタ紡織」
「メタルスタイリスト福田」「志士の会」「京都さざえ会」といった
企業系または団体系チームが、琵琶湖のOPALや宇治(=すいすい丸)
といった練習施設や練習場所に行き、そこで専業チームから指導を
受けているとの事だ。
だからやっと、企業系チームが色々な情報を得て、ドラゴン界の
現状がわかってきたと言う事であろう、まあ確かにカーボンを
導入すれば、3秒やそこらはタイムが上がるかも知れない、
しかしそれでは、そこまでの効果しか得られない。
実際にはカーボンの導入などどうでも良く、そもそも膨大な練習量
と経験を積まないとならない、という事なのだ。

企業で買うにしても、それを買った以上は、遊びでは済まされない
という感覚が芽生える事だ。
だからカーボンを買ったチームの多くは、何らかの手段で練習を
始めるようになる、勿論その練習量は専業チームに比べて軽く
ヒトケタは少ないレベルだが、それでも練習量がゼロから1に
進むには、大きなステップアップが必要なのだ、そのきっかけが
カーボンパドルによって起こるという点が、とても重要だ。
本大会での参加67チーム中、非専業チームが約45チーム、
その中でカーボンを導入しているチームがダブルエントリーも
入れておよそ約2割、そして事前練習をしたチームも、およそ
約2割であろう、これは他大会に比べ、地元ビギナーチームとしては
優秀な比率であるとは思うが、それでも8割の地元チームは、まだ、
その「ゼロ」のレベル(練習をしない、道具にお金もかけない)
から脱却できていない状況だ。
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これらの問題をどう解決したら良いのだろうか?
まあここは単純に「企業対抗カテゴリー」を作ってしまうのが
正解であろう。
そうした場合、企業対抗カテゴリーには専業チームを一切含めない、
例外的に専業での企業チームは「小寺製作所」があるが、小寺とて
メンバー全員が同じ企業では無い。よって「全員が同一企業」
という縛りをつければ、専業チームは自動的に含まれなくなる。
企業の他、病院、建築士、各種団体など、「枠」を緩める事で、
本ペーロン大会参戦チームの内、実に45チーム、およそ3分の2が
このカテゴリーに属する事ができる。
・・というか、こういう状況であれば、専業チームを別建てにした
方が実の所、てっとり早いであろう。
ただ、あえて「企業対抗」と呼ぶカテゴリーを作る事で、企業同士
の対抗心が生まれる。
「あちらの会社には去年負けたから、今年は絶対に勝つ」といった
感じである。
企業チームにはドラゴン界の情報が入って来ないと前述した。
企業チームは、他のチーム(勿論他企業チームを含む)とは、大会中
全くコミュニケーションを取らない、せっかく45もの企業が集まって
いるのにも係わらずだ、これは非常に勿体無い話だ。
仮に私がそれらの企業チームの社員であれば、せっかくの機会だ、
他社との事業提携(コラボ)が可能かどうか?とかの話をしたり
取引に関する話、つまり「営業」をするだるう。
大都市圏で行われる企業交流会などは高い参加費を払って、そういう
機会をわざわざ作る訳だが、このペーロン大会だったら、事業提携の
話などが、やりたい放題ではないか!
まあ、それはちょっと極端な話なのかも知れないが、そもそもは
企業チームの参加メンバーが新入社員や若手が中心であったりして、
どちらかと言えば、本大会をレクレーションの一環としての感覚で
しか捉えていない事も問題なのかもしれない。
身内だけで盛り上がっているのは、ある意味閉鎖的であり、他企業の
チーム等とは怖くて話もできないという事なのであろうし、昨今の
若者のコミュニケーション能力不足の問題も表面化しているのかも
知れない。が、繰り返すが、実に勿体無い話である。
現代においては、一生1つの会社に骨をうずめる、という企業人は
殆ど居ない事であろう。キャリアアップ、スキルアップや、新たな
ビジネスチャンス、ライフスタイルの変遷などの理由で、転職も
当たり前の時代だ。
その際、いままでの企業の肩書きが無くなり、身ひとつになった際、
本当に頼れるのは自身で築いた人脈とか、人脈を作り上げる能力と
なる。企業の在籍中にそういう能力をちゃんと身につけてないと
悪い意味での「会社人間」となってしまい、その環境の中でしか
生きられなくなってしまうのだ。
余談が長くなった・・・
企業対抗カテゴリーを作るメリットは、モチベーションアップの
他にもある、これらの中からドラゴンにハマる企業がいくつか
出てきた場合、それらからの協賛(スポンサード)も期待できる。
参加ドラゴンボートチームの選手達にそこまでの意識は無いかも
知れないが、高い参加料を払って大会に出る事は、結局のところ
大会の開催や運営には費用がかかるという事なのだ。
それを軽減することは参加選手達にとってもメリットがあるし
さらに言えば、これをプロ化したいと私は常々思っている。
プロ化とは、選手達にとってみれば、参加料を払うどころか、
逆に、出走(漕)料が貰える、という事になるのだ。
どうしたらそれが実現できるか?、その為の方策を色々と考えて
いかなければならない、繰り返すが、これは選手達自身の為の
課題でもある。優勝とか、個々の成績はもう良いではないか・・?
プロ化までいっきにいかないまでも、ドラゴンボートという競技を
もっと盛り上げていく為にはどうするべきか? そういう視点で
ドラゴンを捉えることで、きっと見えてくる世界が変わると思う。

しまったので、このあたりで華やかな女子カテゴリーについて。
上写真は「師走の会 上村組&GPO」
どちらもベテラン中堅ドラゴン専業チームではあるが、これまで
接点は無かったように思える。
いったい、いつ知り合ってコラボ結成に至ったのであろう?とも
思えるのだが、両者10年以上本大会に参戦しているし、現在では
両チームの選手も本大会等の運営スタッフにも加わっているので
コラボのチャンスは十分にあったのであろう。
どちらも経験値は十分のチームだ、一昨年は「師走の会」単独で
(女子の部)3位に入賞している、今回もまた、入賞をぎりぎりを
狙える位置にあると思う。

「SCB」という名前を見て連想したのは、今年の高石(堺泉北)大会
での「SRC」だ、それは S=吹田 R=龍舟 C=倶楽部 の略語
だったのだが、今回のCとBは何?
チームに行ってみると、新しいユニフォームを着た選手が・・
そこには 可愛いイラストとCBという名前が入っている。
匠「え~と、CBって何ですか?」
吹「Cool Beauty なんですよ」
匠「なるほど」
まるでDAIGO氏の省略語のようだが、こちらはわからないでも無い。
編成だが、「吹田龍舟倶楽部」の女子選手を中心に、「風」からも
メンバーを加えている、勿論全員専業チームでのドラゴン経験者だ、
これはなかなか強力なメンバー編成だ。
昨年女子の部優勝で連覇中の「びわにゃん」(琵琶湖ドラゴンボート
クラブの女子チーム)と良い勝負になるかも知れない。

「近畿建築士会協議会女性部会」である。
近畿2府6県で活躍する「女性建築士」のチームだ。
毎年女子の部に参戦していて、昨年は「ゴーゴー女性建築士」
という名前だったし、一昨年は「ゴーゴー」と「近畿女性建築士」
でのダブルエントリーであった。
しかし、確か入賞はまだ無く、当面の目標はそこであろう。
なお、男性建築士も参戦が始まった模様で、今年は10人漕ぎ混合
の部に、男子選手を加えての「ゴーゴー女性建築士 with B」との
ダブルエントリーだ。
今年は気合も入っている模様なので、頑張っていただきたい。
今年の女子の部は、昨年2位の「河童」が今年は欠場であるので
優勝・入賞争いの激戦区になりそうだ、目が離せないカテゴリーと
なる、女子の部の戦績はまた追って紹介していこう。

お馴染み「関西龍舟」だ。
6月の高石大会に続き、今回も10人漕ぎx2のダブルエントリー

「関西龍舟 白鹿」である。
旧来使用していた「ライオンキング」のキャラクター名
(シンバ、バーバリアンズ、ムファサ、プンヴァ)をやめて、
和風の名前にした理由はわからないが、まあ、それらは20人漕ぎ
用のチーム名だったのかも知れない。
で、白鷹、白鹿として出場した高石大会は見事ワンツーフィニッシュ
(=1位、2位を独占)、関西龍舟としては、私が覚えている限り
ワンツーは2010年の天神大会以来だ。
これはある意味「ゲンの良い」名前だ。
超強豪「関西龍舟」も2010年代前半にはチーム再編の時期を向かえ
大変だった模様ではあるが、それでも毎年必ずどこかの大会で優勝を
続けていたのは見事な戦績だ。地方大会もあるのですべての記録を
調べるのは大変なのだが、恐らく「連続年優勝記録」というものを
更新しつづけているのは「関西龍舟」と、女子の「Super Dolphin」
くらいしか無いかも知れない。
「関西龍舟」は、近年ではこの「びわこペーロン」には参戦して
いなかった。恐らくだが、今年は高石で久々のワンツーを実現した
事で、チームとしての完全復調を意識、そのあたりの手ごたえを
確かめに本大会に参戦したのではなかろうか?
つまり、この「びわこペーロン」で、前人未踏の「年間2回の
ワンツーフィニッシュ」を狙ってきているという事である。

こちらの「吹田龍舟倶楽部」になるはずだった。
なにせ強豪専業チームが集まる「10人漕ぎ混合の部」で、本大会
2連覇の快挙を成し遂げている(これはなかなかの戦績だ)
いかし、「あれ・・・??」
「吹田龍舟倶楽部」は今年は、連覇中の「10人漕ぎ混合の部」
ではなく、女子漕手の数に制限の無い「10人漕ぎ一般の部」への
エントリーとなっていた。
これは恐らくだが、新女子チーム「SCB」を結成した為に、
女子選手の重複出場の負担を減らしたのであろう。
ただ、この選択は悪くは無い、「10人漕ぎ一般」には専業の
「琵琶ドラ」「すいすい丸」「相生市役所」が居るが、これらは
「吹龍」とは実力伯仲だ、カテゴリー無関係で3連覇が狙える
位置にはある。
実際、昨年までの「10人漕ぎ混合の部」には、「日本選手権か?」
と思われるほとに全国から強豪専業チームが集まっていて
とんでも無い状況だったのだ、その中で2連覇を遂げた「吹龍」は
本当に見事なものだったのだが、厳しい戦いであったとは言える。
すると、「10人漕ぎ混合」は、やはり「関ドラ」が有利か・・?
でもまだそのカテゴリーには、日本選手権級の「海火&OYAGE」や
伸び盛りの「すいすい丸」、ベテランの「未来」も居る。
依然、「10人漕ぎ混合」も熾烈な入賞争いとなるだろう。

最後にもう1つだけ注目のチームを。
上は「松陽台 守のシルバニアファミリー」である。
2015年から本「びわこペーロン」(20人漕ぎ)に出場していて、
昨年2016年は準決勝で「琵琶ドラ」「龍人(どらんちゅ)」の
強豪2チームに阻まれて決勝進出を逃したものの、元々地力のある
チームだ。
彼らの活躍は、今年の「高島ペーロン」(決勝4位)の記事と
「堅田 湖族船競争」(優勝)に詳しいので今回は割愛するが、
「松陽台 守のシルバニアファミリー」としては、本大会での
決勝進出、そしてあわよくば入賞を狙って来ているのだ。
元々高島のペーロン艇は、他地区のドラゴンボート艇とはずいぶん
様子が違うので、他大会に参戦を始めた2015年くらいにはかなり
戸惑っていた模様だが、ドラゴン参戦3年目ともなれば、もう十分に
ドラゴン艇にも慣れてきている事であろう。
今年は、高島ペーロンのベテランチームを「松陽台 伝説」と
分離再編成をしているし、若手の「シルバニア」には勢いがある。
そして、右も左もわからなかった一昨年とは異なり、20人漕ぎで
対戦が予想される「池の里」「小寺」「龍人」の3チームは、
毎年「高島ペーロン」で戦っている相手だ、顔見知りでもあるし
勿論、実力値もすでに十分にわかっている。
そして「小寺には勝てない」と2014年からずっと苦手意識を
持っていた「松陽台」ではあるが、今年8月の「堅田 湖族船競争」
で、ついに「小寺」を破っての念願の同大会の初優勝だ。
「優勝した事よりも、小寺さんに勝てた事が嬉しい」と言っていた
くらいなので、もう小寺製作所や他のドラゴン専業チームに対する
苦手意識も無くなった事であろう。

このあたりで常連専業チームをおびやかす存在になって貰いたいと
思っている。
さて、まだまだ本大会の見所は多いのであるが、本当にきりが無い、
「前編」はこのあたりまでとし、「中編」に続くとしよう。