Quantcast
Channel: 【匠のデジタル工房・玄人専科】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

【熱い季節2015】第8回御前崎市長杯(前編)

$
0
0

c0032138_1750528.jpg

静岡県で年間2回行われているドラゴンボートのレースの1つが、
6月後半の日曜日の「御前崎市長杯」だ。
ちなみに、もう1つは、10月の3連休の中日に、清水区で
「ツナカップ大会」が行われている。 

御前崎市長杯は地元チームが中心ではあるが、それでも東京、横浜の
チームは結構参加している、また、名古屋のチームもよく来ているが、
関西以西のチームの参加は殆ど無かった模様だ。風光明媚な土地、
美味しい海の幸など、観光がてらの参加も良いのではなかろうか?



ちなみに、もう1つの「ツナカップ」は大人気の大会で、かつ、
地元よりも県外の参加チームの方が多いという特異な大会だ。
関東、関西のチームもよく参加している、会場の関係で参加チーム
枠数が少ないので、たいていの場合、参加申し込み後に、抽選になる。
なので、10月のツナカップ大会に出場したいチームがあれば「静岡
ドラゴンボート協会」のHPなどをこまめにチェックし、募集要項と締切日に
注意する必要があると思う。

さて、御前崎大会の前日には、主に遠方からの参加選手(前泊組)を
中心とした「懇親会」が開かれるのが恒例だ。
c0032138_17513719.jpg

いや、むしろ、大会よりも「懇親会」を楽しみに来る選手も居るという。
電車が走っていない御前崎市で飲酒となると、帰路を心配する向きも
あるかもしれないが、その心配は無用だ。つまり、関東などからの
前泊選手が分散して宿泊する民宿群がある場所のほど近くに、
懇親会場は設定されている。
今回の場所は「大寿し」。 新鮮な海の幸を使った料理が自慢で、
地元の名店の模様だが、私の宿泊している民宿からは、ほんの
数十mという近さだ。

「それならいくら飲んでも大丈夫、帰って寝るだけ」と思うかもしれないが、
問題は、カメラの充電だ、なにせ、大会の撮影は丸一日なので、満充電の
カメラでないと途中でバッテリー切れとなる。メインとなるカメラには予備の
バッテリーを持ってきているが、全てのカメラに予備があるわけではない。
なので、大会前日ちょっと寄り道したときも(見附宿の記事を参照)、
コンパクトのデジカメのみを持っていき、それを、宴会の時までバッテリー
を持たせて、宴会後、民宿に帰ってから充電するという算段なのだ。
まあ充電したまま寝ても良いのだが、万が一、火を噴いたりしたら目も
あてられないので、起きている間に充電を完了させたい。 

さて、大会の方は、梅雨の時期であるが、天気はなんとか晴れそうだ。
思うに、御前崎大会は、私は4回程度観戦に来ているが、梅雨時というのに
雨に降られたことが無い。強力な「晴れ男・晴れ女」が居るのだろうか?
だから、数日前の長期予報で「曇りときどき雨」という話があったときも
あまり心配はしていなかった。しかし、懇親会のとき、地元の海上保安庁の
選手から、「明日は風が強くなるかもしれないなあ・・」という話を聞いて
むしろそちらを心配していた。

なにせ、今日、御前崎にバスがついたとき、海から非常に強い風が
吹いていたのを思い出す。
バス停から民宿までは徒歩1km強あるので、ずっと強風の中を歩いて
きたのだ、(体感)気温も低く、昼間は半袖で過ごせたのが、この分だと
長袖が欲しくなる、と思ったくらいであった。

明日も風が強いと、観戦・撮影をする際に、長袖は必要だろうなあ・・
それより、大会はどうだろうか?いちおう風速が10mを超えると中断
または中止という内規がある。
昨年の本大会も、風速が数m程度であったのだが、逆風で、タイムダウン
よりも、むしろ、スタート地点で艇が揃わない事が問題だった。
揃わないどころか、場合により風で岸壁に艇が真横に押し付けられて、
脱出不能になってしまった(=真横には漕げないから)ビギナーチームも
いくつかあった。(その時は、モーターボートでドラゴン艇を曳航して
スタート位置につけた)

また、数年前の大阪・関空大会では、強風による白波(高い波)で、
数チームの艇が、浸水により沈没という状態になった。
同様に、数年前の、滋賀県琵琶湖のドラゴンキッズ大会でも、10mの
風で浸水し、「不沈艦」と呼ばれている琵琶湖の重量級の旧ペーロン艇が、
初めて沈み、(小学生の大会ゆえ)危険とのことで、大会が途中で中止に
なった事もあった。

さて、宴会も非常に盛り上がっているのだが、最後までつきあっていると
いつまでたっても終わらない(過去、前日飲みすぎて、大会当日二日酔い
で漕げなかった選手も出た)ので、適当に切り上げて、早目に宿に帰って
電池を充電して寝るとしよう。

---
一夜明けて、大会当日、天気は晴れ、風は強い。
宿で朝食を食べているところに、大会運営の役員から電話が・・
さて、(宿から2km程度ある)会場までの送迎の話か?と思っていると

役「匠さん、おはよ ゴゴ・・ 会場は風が凄く ゴォー ・・ 
  残念なが ゴーッツ・・ は中止になりま ゴォーッ」
電話ごしの、切れ切れに凄い風の音。
携帯電話の音声システムはCELPと言って、会話以外の音は拾いにくい
(変換されにくい)方式なのであるが、それでも風の音が聞こえる、
声がかき消される程ならば、よほど酷いのであろう。

匠「えっ?中止ですか? もしもし(ゴーッツ) もしもし・・(ゴゴ)
  とりあえず会場に行きますね!」 (風が強くで会話にならない)

え~? 中止かよ~ せっかく遠くから来たのに、まあ、でも、選手達も
それは同様か、まあ、ともかく、選手達は集まるみたいだ、せっかく会場を
設営しているし、また(準備している)賞品などの受け渡しもあるだろう、
それに昨夜の地元の海上保安庁の選手の話によると、昼頃から風向きが
変わることも良くあるとのことで、もしかすると風が弱まったら短縮で大会は
やるかも知れない。

朝食を食べて、少ししたら、その海保の選手が宿に迎えに来てくれた。
海「中止だそうです」
匠「はい、電話がありました。残念ですね、まったく無理でしょうか?」
海「ダメでしょうね・・・ただ、せっかくなので体験乗船会は、やるかも、
  それと、賞品があるので、ジャンケン大会で分けるとか」
匠「ジャンケンですか~?」
c0032138_17574417.jpg

大会会場に到着すると、強風で資材やテントも飛ばされそうで
酷いありさまだ。来る途中に見た、御前崎市のシンボル「風力発電」も、
全開で廻っている様子。どうだろう、体感的には、瞬間風速15m位か?
まあ、確かに、これでは危険だ。もし強行したとしても、艇が沈没したり、
そもそもスタートに艇が揃わず、レースにはならないであろう。

ただ、富士山は良く見える(冒頭写真)、夏のこの時期に富士山がはっきり
見えるのは、前述の地元の海保の方の話によると「極めて珍しい」という
ことだ。風向きは北寄りだ、海保の方が昨夜予想していた西風では無い、
前線あるいは低気圧の動きが複雑ということか? 海保の方も「これは
もはや冬の天気だなあ」と言っていた。

しかし、大会は予定通り、午前8時から開会式を行う模様だ。
c0032138_17584668.jpg

せっかく来ていただいた、御前崎市の「ゆるキャラ」2体(なみまる、
ふうちゃん)、そして、御前崎市キャンペーンレディの美女2名。
風でレディの長髪が舞うどころか、着ぐるみは、下手をすると倒れそうに
なり、かなり大変そうだ。
c0032138_182028100.jpg

御前崎市長の挨拶、なにせ、この大会は「御前崎市長杯」と銘打って
いるので、市長様じきじきの来場ということなのだが、まあ、さすがに
「なんと言ったら良いか・・」という感じであろう。
でも、自然には勝てないし、ここ御前崎はその強風という特性を生かして、
沢山の大型風車が風力発電を行っているし、さらに、沖合いの海上に、
大規模風力発電基地を作るという計画もあるらしい。
つまり、御前崎市は、風の恩恵を受けている訳だ、地元の人達は、
もしかすると、大会中止もあまり気になっていないのかも知れない。

また、ドラゴンボートは風に弱いが、ウィンドサーファー達は、すでに朝の
6時ごろから海岸に集まり、強風を利したサーフィンを楽しんでいた、という
目撃情報も聞いている。
c0032138_17594971.jpg

まずは、昨年の優勝杯の返却である。
デフェンディング・チャンピオンは、「遠州舸(はやぶね)会」
地元の航空自衛隊のチームで、昨年の本大会の優勝の実績をひっさげ、
昨年9月の琵琶湖の「スモールドラゴン日本選手権」にも出場している。

静岡の強豪チームというと、全国レベルで活躍する「海猿火組」が著名で
あるが、「遠州舸会」も「海火」のライバルとして、なかなかの実力者だ。
他、過去静岡から県外遠征をしたチームとして「中電龍舟」「鈴予龍舟」
「漕げルンです」等がある、今日の大会は、それらの強豪チームも集まり、
興味深いレースが展開されるはずだったが、ジャンケンとなると、はたして
何処が優勝するのか?

ちなみに、御前崎大会は、実力別カテゴリー大会の草分けである。現在は
3カテゴリー制となっていて、チャレンジ(=いわゆる地元ビギナーチーム)
男女混合(=中級クラス、ドラゴン専業チームなど)、そして
チャンピオンカップ(=大会入賞経験を持つ上級クラス)である。 

今回の大会は、20人艇16人漕ぎの変則ルールで、参加チーム数は、
41チームと、まずまずの数の中規模大会だ。
他の地区同様に、ここ静岡でも、近年はライフスタイル多様化等の理由で、
20人の漕ぎ手を集めるのが難しく、その結果16人漕ぎとしたら、
参加チーム数が増加したとのことだ。

まあ、つまり「選手が集まらない」というのが唯一の参加が困難な理由で
あり、別に「出たくない」という訳ではないのだ。ならば、まあ、漕ぎ手を
減らしたレギュレーションにするのが最も簡単な解決策であり、これは
ここ御前崎以外にも各地の大会全てに言えることであろう。 

しかしまあ、今日に限って言えば、ジャンケン大会なので選手数は
関係ないのであるが・・
c0032138_1815997.jpg

さて、ジャンケン大会が始まった。

で、このルールは、本来の各レース毎の出走予定と、まったく同じチームで
チーム代表が集まってやっている、つまり、大会をやっているのと同じ感覚で
予選を勝ち上がって、決勝進出になるのだ。

今は「男女混合」の予選の真っ最中。
意外に・・ というか、かなりの盛り上がりを見せている。
c0032138_1821431.jpg

各レースを模擬的に順番にこなすので、ジャンケン大会といえど、きっと
1時間を軽く超える長丁場になるであろう。選手達は腰を降ろして、
各レース(?)の模様を真剣かつおもしろおかしく観戦している。
c0032138_182391.jpg

チームの代表となる選手は、チームの明暗を背負っている、かなりの重責だ。
なにせ、ドラゴンボートはチーム戦であり、基本的に、チームワークが無いと
パドルが揃わず、勝ち上がることはできない、それが、ジャンケン大会だと
代表選手1人の実力(? 運?)に全てがかかっているのだ。

ちなみに、賞品はかなり豪華だ、地元名産のカツオやメロンなど、なかなか
のものだ。しかも、実力によるレースでは、最初から入賞はあきらめている
ビギナーチームなども多々あるが、このジャンケンでは完全に公平な条件だ、
どのチームも豪華賞品をゲットできるチャンスがある、これで盛り上がらない
わけが無い。
c0032138_1832528.jpg

代表選手だけでは心配なのか、応援団が5~6人も付いてきたチームもある、
私も知っている御前崎の常連チームであるが、まあ彼らならやりかねない(笑)
なにせ、チームも意外に、といったら変だが、「ノリ」が良い。
まあ、恐らくは、代表選手も、チームの中でも「ノリ」の良い人を選抜して
いるのであろう、チーム名、存在をアピールできるチャンスでもあるからだ。
c0032138_1835886.jpg

他チーム戦を見ている際も、会場は、かなりの盛り上がりを見せている。
まあ、むしろドラゴン大会を丸一日かけて行うより、次々に自分たちの
チームが舞台の主役となるジャンケン大会の方が、展開がスピーディで
気持ちが乗りやすいのかも知れない。
c0032138_1842456.jpg

ジャンケンに勝ったチームの選手は大喜び、まさしく飛び上がらんばかりだ、
しかしまだ予選だ、この後、決勝戦が控えている。
c0032138_1843751.jpg

また、パフォーマーが出てきた。Tシャツを脱いで、存在をアピール。

こちらは、チャンピオンカップの決勝戦だ、いちおうチーム名を紹介しておこう、
左から「海猿火組」「漕げルンです」「遠州舸会」「中電龍舟」「火の用心」

MC(解説)の「スナオ」さんが、某有名フィットネスのCMのフレーズを
口ずさむと、「中電龍舟」の選手は、CM通りにそのまま回転する、
やはりなかなかノリが良い、さらに言えば、アドリブで見事にそのあたりの
面白いツッコミを作り出す「スナオ」さんも、さすがに名解説者と呼ばれる
だけある。

ちなみに、スナオさんは、今年の大阪南港ATC大会(8月9日)の解説者
として呼ばれている。面白いトークの他、ドラゴンボート全般にも当然
詳しい方だ、私は、ずっと静岡の大会で、スナオさんの名解説を聞いて
いるので、そのあたりは良く知っている。
ただ、スナオさんが過去、関西などの大会で解説したことは無い。
今年のATC大会では、名調子、名解説が、恐らく関西圏の選手達に
センセーショナルな衝撃をもたらすと予想している。
ATC大会の参加選手・観客は、是非楽しみにしていて欲しい。
c0032138_1871664.jpg

「中電龍舟」、僅か1回の勝負で撃沈!!
フィットネスCMのパフォーマンスは良かったが結果は残酷なものだ、
この後、ディフェンディング・チャンピオン「遠州舸会」も破れ、敗者復活へ。

これでチャンピオンカップの入賞3チームが確定、さらに順位決定戦は
激戦の結果、「海猿火組」が優勝という事になった。
敗者復活に廻った「遠州舸会」は、そこで激戦を勝ち上がり、無事「特別賞」
をゲットすることになった。

まあ、実力から言えば順当か(笑)しかし、このように記事を書いていると、
まるで、ドラゴンボートのレースそのままを見ているようだが、これは勿論
ジャンケン大会だ。しかし、ドラゴンボートレース並みに盛り上がる、いや、
一部のチームの盛り上がりは、むしろドラゴンボート以上か?
c0032138_188960.jpg

そして、チャレンジの部では「御前崎マリンスポーツクラブ」のおじさんが
見事に優勝を勝ち取った。
c0032138_1882120.jpg

MCのスナオさんのインタビューに対し、御前崎マリンスポーツクラブ代表は
マ「初めてこの大会で勝ちました! 今まで何度出ても勝てず・・
  今日は本当に嬉しいです!!」と、感動的なコメントを残す。

さて、ということで、大会はそのまま「閉会式」へ・・・ (汗)

いちおうシナリオ通り、静岡ドラゴンボート協会 会長のYさんが、
”レース講評”を行うことになっているのだが、演台に立ったYさん

Y「講評・・・ と言われても」 とちょっと困った様子(笑)

そして、閉会の挨拶で、再び、御前崎市長。

市「どうなる事かと思いましたが、ジャンケン大会、盛り上がりましたねぇ・・
  来年の大会では、ドラゴンレースに加えて、ジャンケンもやりましょうか?」
と、ジョークとも本気ともつかぬコメントを。

こうして、いちおう大会は終了。

まあ、屋外で行われる大会とかイベントに天候アクシデントはつきものだ、
特殊な理由で、どうしてもイベントが実施できなくなった際など、
そのあたりを最小限の損害で回避したり、顧客満足度(すなわちこの場合は
参加した選手達なのだが・・)を維持するなどの工夫は必要であろう。

事務的に「イベントは中止になりました、すみません、お帰り下さい」では、
皆が納得がいかない。
そりゃあ、選手はもとより、役員や関係者、観客の誰もが大会の実施を望んで
いただろう。ただ、どうしても、それが出来ない場合だって多々ある。
そういう意味では今回は見事な措置であったと思う。

しかし、やはり遠方から参加などで、漕ぎ足りない選手達は沢山いる、
そこで、引き続き、あくまで自己責任で、体験乗船会を行うこととなった。
そのあたりの模様は、後編にて・・

Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>