2016年10月23日(日)に滋賀県大津市びわこ競艇場にて行われた
「第4回スモールドラゴンボート日本選手権大会」の模様より、中編。
(以下、「スモール選手権」と略す)
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高い確率で雨に見舞われる本大会であるが、幸いにして今回の
大会は、曇時々晴れという天候だ。
まあ、例年9月に行われる本大会が、今年は会場の都合からか、
10月の実施になったのも、時期的に幸いしたのかも知れない。
ちなみに、本大会の前身の「琵琶湖スプリント大会」でも、1度だけ、
例年の9月から6月に変更された事があったが、その時も雨だった(汗)
ただ、本会場は(滅多に無いが)晴天になると、午前中は強い逆光
となり、レース写真の撮影は困難となる。
でも今日は、曇り勝ちで日照は少ないので、その点では大丈夫そうだ。
最高気温は20℃くらい、朝や夕方に風が吹くと、やや肌寒いが
日中は全く問題なく、快適なドラゴンボート環境だ。
そういえば、今年7月の暑い中「高島ペーロン」の大会中に、
地元の「松陽台」チームの選手とこんな話をしていた。
松「今年の”競艇場の大会”は、いつでしたっけ?」
匠「10月の・・ 確か23日でしたかね」
松「10月ですか、寒そうですね・・」
匠「天気次第でしょうね、よく雨になる大会ですので、
雨降りだと寒いですよ」
松「うわ~、晴れてくれると良いですね」
およそ8~9年前だが、9月の本大会で気温が低く、しかも雨と風で、
相当に寒かった記憶がある、それに比べれば今日は全然OKだ。
----
さて、今回の記事では「選手権混合の部」の模様について紹介しよう。
混合の部には21チームと、多くのチームがエントリーする大会となった、
やはり10人漕ぎ、すなわち「スモール制」というのが、参加の敷居を
下げているのは間違いない。近年では、関西圏のドラゴン大会では、
その殆どで、スモール制となっているか、あるいはスモールの部が
併設されている、20人漕ぎしか無いドラゴン大会は、もうKIXと
1000m大会くらいしか無いと思う。
レギュラー艇(20人漕ぎ)を編成可能なドラゴン専業チームは、
本スモール選手権では、2チームに分割し、ダブルエントリーと
している場合も良くある。
冒頭のレース写真は、2レーン、3レーンが「東京龍舟」である、
チーム名は、それぞれ「TOKYO DORAGON」
「東京ドラゴン パプリカ」となっている。
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「東ドラ」は、本大会では、混合の部はダブルエントリー、
加えて、オープンの部で「東京龍舟ワイルド」、さらに女子の部に
「東京龍舟プラチナ」と、合計4チームの参戦だ。
え~と、シングル、ダブル、トリプルの次は、何と言ったかな?
確か、ボート(カヌー)の世界だと4人漕ぎの場合は「クォドルプル」
とか「クアドラプル」とか言っていたし、パソコンのCPUでも4個の場合
は「クアッドコア」だから、だいたい「クアッド」という語源の感じだろう。
でも、スケートとかでは、従来の3回転半「トリプルアクセル」が、
最近では、4回転ジャンプも見れるようになってきたので、それらの事は、
本来「クアドラプルサルコウ」とか「クアドラブルアクセル」とか言うの
だろうか? これはアナウンサーや解説者泣かせの用語だなあ(汗)
(実際には「出ました、4回転ジャンプ!」で終わりかな?)
なので「東京龍舟」は、今回は”クアドラブル・エントリー”だ!
匠「え~と”東ドラ”さんは今回は4チームですか?大勢力ですね」
東「まあ、女子チームは”混合”の選手と被ってますけどね」
匠「確か、”日本選手権”でも3チーム、延べ60人以上でしたね!」
まあ、近年、東京のチームは変遷が激しい、と良く記事で書いているが
「東ドラ」には、どんどん有力選手が集まってきているようにも思える、
現に、今年の「日本選手権」も混合の部で優勝であり、本大会でも
勝って、「両選手権」を制覇したいところであろう。
ちなみに、混合の部の1チームが「TOKYO DORAGON」と英語名
なのだが、このチームには、元「ゴリニチ」(在日ロシア人のチーム)の
メンバーが2人所属しているから英語名なのだろうか?
今日も元「ゴリニチ」の女性メンバーを見かけた、だが、以前(3~4年
くらい前)に静岡の大会で話をした時、日本語をあまり上手く
あやつれる状態ではなかったので、英語で話したような記憶がある。
私はロシア語の単語は挨拶程度しかわからないので、ちょっとどのように
話しかけるか迷ってしまい
匠「あ、ゴリニチ!」 と声をかけたのだが、
まるで「コマネチ!」のような口調とアクセントだったかも(笑)
ゴ「ハイ、ソウデスヨ」
(ここ数年で、日本語がだいぶ堪能になった模様である)
匠「もう、”ゴリニチ”のチームでは出場されないのですか?」
ゴ「ノコっているのは、この2人だけデスよ」
(恐らく、仕事の関係で来日していたのであろう、皆、帰国したのかな?)
匠「そうですか、じゃあまあ、「東京龍舟」でがんばってください」
ちなみに、「ゴリニチ」とは、確か「3頭の龍(架空の生物)」の
意味であると、昔彼等から聞いた事がある。
もちろん「ドラゴンボート」のドラゴンにかけているのだろうが、
多頭と聞くと「ヤマタノオロチ」か「キングギドラ」を連想
してしまう。「ヤマタノオロチ」は、日本書紀や古事記に登場する
怪物であるが、こういう古代の伝説は世界的に共通の要素を含む
ものが多い、たぶん海を渡って伝承してきたのであろう。
![c0032138_18425275.jpg]()
さて、大勢力と言えば、上写真の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
も同様だ。
本大会には、混合の部に「琵琶湖龍舟」「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
の2チーム、さらに、オープンの部に「琵琶ドラプレミア」と、
トリプルエントリーとなっている。
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まあ、かつてであれば、強豪チームの場合、スモール制で2分割等
した場合でも両者とも強く、「ワンツー・フィニッシュ」して
しまう事もあったのだが、近年では、やはりメンバー数を集めるのに
どのチームも苦労している状況だ。
20人の漕手を集めるのが難しいという状態では、常時何人かの新人
メンバーを補充していき、レース経験を積ませて育成していく、
という状況が良く見られる、そうした場合、チーム分割すると
勝つ為には、有力メンバーを固めた「主力チーム」を作らざるを得ず、
その結果、どうしても分割チーム間に実力差が出てきてしまう。
近年のこうした状況で、ワンツーフィニッシュしたり、あるいは、
異なるカテゴリーで同時入賞したり、というケースは、少なくなって
きていて、それが実現する場合は、チーム力、メンバー数とも、かなり
恵まれた状況であるとも言えるだろう。
思えば昨年の本大会では、静岡の強豪「海猿火組」が、チーム再編中
で育成メンバーを多く抱えながらも、3カテゴリーで優勝、優勝、準優勝
という信じられない好成績を上げた。
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今年の「海猿火組」は、、サブチームを「FULL AHEAD」としたダブル
エントリーだが、そちらは前記事で書いたように「普及の部」で3位に
入賞している。
主力チーム「海猿火組」は、ダブル入賞を狙っていきたい所であろう。
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お馴染み「Team BANANA」、こちらも混合の部にダブルエントリーだ。
「BANANA」がダブルエントリーする際、識別サブネームがユニークで
ある事が多い、昨年の本大会では、「フレッシュ」と「スマイル」
一昨年の本大会では「シャイニング」と「グロリアス」
さて、今年は?というと「YES」と「トゥルトゥ」である。
これまでのサブネームは、なんとなく理解できたが、今年のはいったい
どういう意味なのだろうか・・?
お菓子とか食べ物の名前のような気がする、それとも、音楽の曲名とか
バンド名か、はたまた映画のキャラクターとかか?
(以前、そんなようなサブネームを使っていた事もあった)
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意味がわからないので聞いてみよう。
匠「え~、今回の、”トゥルトゥ”って、お菓子ですか?」
B「ちがいますよ~(笑)
あるメンバーの口癖なんですよ、酔っ払うと、すぐに、
「YES!」とか「トゥルトゥ」とか言うのです」
匠「ああ、そりゃあ、考えてもわからんわ(笑)」
まあしかし、アナウンサー泣かせのチーム名だ。
言い難いといえば、大阪のコラボチーム「みっくちゅじゅーちゅ」と
同じくらい難易度が高いであろう。
もっとも、TVのニュースキャスターの試験とか(だったか?)では
「貨客船マンギョンボン号」とか「高速増殖炉もんじゅ」とかの原稿を
素早く読む課題があったと聞く、いずれも私は読むことができない(汗)
まあでも、今日の大会のMCは、例年と同じく、名解説者の
「DJ西尾さん」である、彼であれば問題なく
「Team BANANA トゥルトゥ」も発音できるであろう(?汗)
「BANANA」だが、チームを2分割する際に、前述の「実力差」は
つけずに平均化する事が殆どだ。
まあ、勝ち負けに拘るというよりは、楽しんで大会に参加するという
感じなのであろう。
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こちらは「チーム未来」のR氏だが、彼はいつも大会の時に珍しい
Tシャツを着て来る、そのほとんどが手作りなのだが、今日は違う。
匠「それ、凄いですね、”青の未来”ですか!」
R「いいでしょう~! 記念バージョンです」
そう、「未来」のチームカラーは、ご存知「赤」である。
「青」のTシャツなど、今まで見たことが無かった。
Tシャツに書かれた文字は、「20 Years of Dragon Boating 2009」
となっているので、2009年に20周年記念で作った限定品なのであろう。
しかし、さすがRさん、色々珍しいものを持っていますなあ・・
まあ彼には詳しくは聞いてはいないが、恐らくは、例えば私がちょっと
変わったカメラやレンズを見ると、どうしても欲しくなるのと同じで、
コレクター魂がうづくのかもしれない(笑)
「未来」には、今回は、東京の「CICライジングスター」の女子選手も
混じっている模様だ、まあ、大阪と東京の異地区コラボであるが、
もはや近年では驚くには及ばない、およそ、どの地区同士のコラボも
色々と前例があって「当たり前」とも言える。
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こちらは「常翔喜龍」(じょうしょうきりゅう)
正式名は「大阪産業大学 常翔喜龍」である。
珍しい、大学のドラゴンボート専業チームだ、準クラブ活動であると
聞いている。「準」というのは、正規のクラブ活動では無いという
意味であるが、同好会という訳でもない、そのあたりは多分、予算とか
活動の方法とかが、正式のクラブの場合とは異なるという意味なの
だろうが、その内容まで詳しくは聞いていない。
大学生なので、メンバーは毎年、卒業と入学で入れ替わってしまう、
OBは基本的にはチームに参加できない模様だ。まあ、大学の名前を
冠しているので、そうなのであろう。例えば、かつては「兵庫教育大学」
の(クラブ)チームも、OBが参戦する場合には、チーム名を独自に
つけていた事がある(それが「個人名」なので笑えたが・・)
ともかく「常翔喜龍」は、いつも元気なチームであるという印象だ。
だが、本日の成績は振るわず、予選敗退となってしまった。
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おっと、こちらは・・?
え~と、見たような人達も居るし、見るからに速そうなのだが・・
匠「どちらのチームでしたっけ?」
暴「暴漕連合と言います」
なんだか、バイクに乗ってそうな名前だ(汗)
話を聞くと、主に関東の「舞浜河探検隊」「横浜サーフベイザース」
「トリッドストーム」「ジャングルマニア」「スーパードルフィン」等
によるコラボチームとのことだ。
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匠「凄い! ドリームチームじゃあないですか」
なにせ、それらのチームは、かつて日本選手権(天神)大会で、
優勝した事がある所ばかりなのだ、ただ、良く聞くと、各々の
チーム活動は現在ほとんどしていないとのことだ。
東京近郊のチームの変遷が激しい事を、ここでも実感する次第だ。
けどまあ、そういう状況だから、こうしたドリーム・コラボチームが
実現したのであろう。
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予選1回戦での「暴漕連合」は、なかなか凄かった。
タイムは55秒83,これは混合の部の中ではダントツのトップであり、
試しにオープンの部と比べても、「bp」等のトップクラスのチーム
とほぼ同等のタイムである。
匠「さすが! こりゃあ、混合の部の決勝は、一波乱ありそうだな」
ちなみに、10月2日に東京で行われた「東大島大会」でも
「暴漕連合」は優勝していると後で聞いた。
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こちらは大阪の「吹田龍舟倶楽部」
「吹龍」は、今年は「びわこペーロン」での優勝(2連覇)や、
高石大会での準優勝と、まずまずの戦績だ。
本大会では、敗者復活戦で、準決勝に上がれるか、またはB決勝に
行くかの瀬戸際、「吹龍」の選手との話の中で・・
吹「B決勝って、何か賞品が出るのでしたっけ?」
匠「確か、昨年はB優勝だけはありましたよ。
けど、賞品は第1回大会の時のTシャツでしたけどね」
吹「う~ん、微妙だなあ、それなら準決勝の方に行きたいかな・・」
でもまあ、本大会の第1回記念Tシャツって、その後のものよりも
生地の質が良いんだよね・・
「吹龍」は、宣言どおり準決勝進出なるも、タイム順でわずかに及ばず、
決勝進出はならなかった。
ちなみに、そこで同着3位のタイムで決勝に上がったのは、
「すいすい丸 工場」だ。
実は「吹龍」と「すいすい丸」は、今年の「高石大会」でも、
「びわこペーロン」でも決勝で優勝を争う激戦を繰り広げたのであった。
(高石では「すいすい丸」が勝ち、びわこでは「吹龍」が勝っている)
また、関空(KIX)大会でも、両チームは決勝で激突している。
良きライバル関係という事だろうか? そして本大会では「吹龍」は
決勝進出を「すいすい丸」に阻まれた形となり悔しかったに違いない。
ちなみに「すいすい丸」だが、本大会はトリプルエントリーだ、
いつもの「工場」「トレイン」のサブネームの他「さくら」が加わっている。
匠「これ(サブネーム)って、どういう意味なのですか?」
す「ああ、全部”ケツメイシ”の曲名なんですよ」
匠「そうだったのですか! ”工場”とか言うから、”京都工場保健会”
(すいすい丸の一部の選手が勤務している機関)の事だとばかり
思ってましたよ」
す「あはは、よくご存知で(汗) でもそれは関係無いです・笑」
![c0032138_1849988.jpg]()
こちらは、ご存知、兵庫の超強豪「関西龍舟シンバ」だ。
「関ドラ」は、「超」強豪チームなのだが、今年の前半では関西圏の
大会では惜しい結果が多い状態であった。
「日本選手権」では3位、続く「高島ペーロン」は有志で別チーム名で
参戦、この操船が極めて難しい大会に、初出場ながら決勝進出なるも、
アクシデントで4位となってしまった。
さらに「KIX」では、コンマ差で準優勝と悔しい思いをしていた。
しかし、2週間前の静岡「ツナカップ」では、「芦屋人」という別名で
初参戦、見事に優勝している。
この勢いで、本大会でも続けて優勝したいところであろう。
私の予想では、前述の「暴漕連合」との優勝争いになると見ている。
![c0032138_184935100.jpg]()
さて、混合の部の各チームの様子を書いていこうかと思っているの
だが、やはり21チームもあると、とても書ききれない。
今回紹介したチームの他では、混合の部では、
「香里丘高校5期生」「team 風」「Rowing Team 浪わ」「熊野水軍」
「RスポーツマンクラブMIX」「東海ドラゴン」「小寺製作所」が
エントリーしている。いずれも常連のドラゴン専業チームだ。
今回紹介しきれなかったチームは、また別の機会に、という事で、
あしからず。
----
さて、レース・スケジュールは、やや巻き(進行が早い)の状況なので、
昼食休憩を取ることとなった、休憩時にはいくつかイベントがあった
ので、ここで、それを紹介しておこう。
まずは、ダンスのパフォーマンスだ。
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なかなかキレのあるダンスを見せてくれる、
それもそのはず、彼女達(学校のダンス部とのこと)は、
世界大会で2位なった実績を持つという。
3曲ほど踊ってくれたが、その都度、曲の雰囲気や、衣装もがらり
と変えてきて、バリエーションや表現力の高さを魅せてくれる。
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ほんと、なかなか凄い。選手達からも拍手の嵐が飛んでいた。
なお、一応、撮影許可は学校側から出ているのだが、彼女達は
まだ未成年なので、あまり詳しい紹介等は省略する。
さて、次はチーム表彰があるという。
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こちらは、女子ベテランチーム「Spirits Club」である。
何で表彰されたか?というと、彼女達は20数年の長きにわたり、
「びわこペーロン」大会に参加しつづけ、ドラゴンボートの普及発展
に尽力した、との事である。
そうだったのか、彼女達を記事中では「ベテラン」「ベテラン」と、
何度も紹介していたのであるが、私がドラゴンを撮影しはじめた
10数年前からすでに大会に参戦していたので、「いったいいつから
活動しているのだろう?」とは思っていた。
本大会だが、「女子の部」もあって、そこには3チームがエントリー
している、チーム数が少ないので2回戦制となっている。
そこには、本大会常連の「チーム河童」の姿が見えないのだが、
実は今日は、鹿児島では「根占(ねじめ)」大会が行われている、
今年の「日本選手権」に「根占大会」の担当者の方が観戦に来られて
いて「スモール選手権と同じ日ですね」という話をしていたので
良く覚えている。
「河童」は、今日は恐らくは、そちらの大会に参戦しているのであろう、
まあ、昨年の本大会で「河童」は優勝している、という理由もあったの
かも知れない。
ちなみに、今年の「根占大会」は、荒天の為、残念ながら途中中止と
なってしまったと聞く。
で、本大会の女子の部の結果は、次回後編記事で紹介しよう。
----
さて、「混合の部」の準決勝だが、以下のような結果となった。
混合準決勝第1組
1位:海猿火組
2位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
3位:すいすい丸 工場
4位:すいすい丸 トレイン
5位:熊野水軍
このレースは「海猿火組」(昨年の本カテゴリー優勝)が僅差で
「琵琶ドラ」を抑えた(以下写真)
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混合準決勝第2組
1位:関西龍舟 シンバ
2位:暴漕連合
3位:吹田龍舟倶楽部
4位:TOKYO DORAGON
5位:Rowing Team 浪わ
こちらは「関ドラ」が、ドリームチームの「暴漕連合」をコンマ差で
抑えている。
まあでも、準決勝なので、まだ「全開」という訳ではないであろう。
決勝戦では各チームとも本気で漕いでくるに違いない。
この結果、各レースで2位までのチームは決勝に自動的に進出。
3位はタイム順、ここは前述のように僅差で「すいすい丸 工場」が
決勝進出となった。
なお、「すいすい丸」は、従来「トレイン」が主力であったのだが、
「びわこペーロン」では、強力な新人6名を載せた「工場」が一般の部
で優勝、「トレイン」が混合カテゴリーで2位(優勝は「吹龍」)となり、
両チームの実力差が小さくなっている、今回もまた、「工場」が
「トレイン」を抑えて、本カテゴリー決勝進出となった次第だ。
---
さて、残るは決勝戦だ。
レーン順で、選手権混合の部の決勝進出チームを紹介しよう。
1)関西龍舟 シンバ
2)海猿火組
3)暴漕連合
4)琵琶湖ドラゴンボートクラブ
5)すいすい丸 工場
ちなみに、今日のコンディションではレーン間の条件の差異は殆ど無い、
詳しく聞くと、風の影響や潮流の影響が、1から5レーンにかけて
ほんの僅かに異なる模様だが、タイムに大きな影響は出ないであろう。
ならば純粋に実力勝負、泣いても笑っても、この1本限りだ。
![c0032138_1852247.jpg]()
さあ、選手権混合の部の決勝戦がスタートした!
私の撮影地点は、200m戦の中間よりやや前、80m地点という感じだ。
撮影アングルによるレーンの順位錯覚は起こりにくいポジション
ではあるが、手前のレーンの艇ほど、このアングルでは実際より、
ほんの僅かに遅れているように見える。
それを加味すると、3レーン「暴漕」が速い模様だ、さすがにドリーム
チームだ、コラボチームで初参加にして優勝をもぎ取ってしまうの
であろうか・・?
手前から「関ドラ」と「海火」が加速する。
これは、観戦アングルの関係で、そう見える要素もあり、加えて
実際にも追い上げている状況もある。
匠「こりゃあ、もつれるぞ」
1~3レーンが、団子状態だ、差はほとんどない。
対して4、5レーンは半艇身程遅れている。
残りあと50m、入賞の3チームは「関ドラ」「海火」「暴漕」で
ほぼ確定の状態だが、あとは順位だ。
残り10m、差は殆どない、そして、この状態となると、
撮影(観戦)地点からは、もう正確な順位を目視する事はできない。
ゴール! ・・したのだが、果たしてどこが勝ったのか?
「オーロラビジョン」(レースの模様を表示する超大型ディスプレイ)
には、13台のビデオカメラが連動している模様で、それをビデオ・
スイッチャーで切り替えて画面が出る、特に、上からの映像が
わかりやすいのだが、それを見ても今回の順位はわからない。
これは、写真(ビデオ)判定になるな・・
しばらくすると正式着順が確定した。本部からアナウンスが入る。
1位、関西龍舟シンバ 57秒79
2位、暴漕連合 58秒12
3位、海猿火組 58秒53
やはり、かなりの僅差であった。
観戦側として、レースを堪能できたのだが、選手(チーム)側としては
なかなかシビアな戦いであっただろう、ほんのコンマ何秒の差で
順位が大きく変わってしまうのだ。
その順位の事実は、数年たった際にも、結果として残ってしまう。
けど、ドラゴンのレースは単に順位だけで語れるものでは無いと思う、
そして、その場に居て、様々な状況を見て、感じて、その事が見えて
くるものだとも思う。その点では「海猿火組」の3位は昨年より順位を
落としたが、恥じるものではなく、むしろ、20人漕ぎ「日本選手権」の
4位に続いての、この成績は好評価だ。
そして、結果として「関西龍舟シンバ」が優勝したのは、ある意味順当で
あるようにも思える。なにせ、こういうシビアな決勝とかいう状況に
関しては、「関西龍舟」は最も経験値が高い。ここ十年近く彼等は、
いつもそうした中で戦ってきた、そこには彼等と同等かあるいはタイム
だけ見れば、彼等より速いチームもいくつも居たのだ。
でも、そうした中で「関西龍舟」は、確実にいくつもの「優勝」を拾って
きているのだ、「修羅場に強い」とも言えるかも知れない。
![c0032138_1853144.jpg]()
こちらは、「暴漕連合」のウィニングランの模様。
まあ、チームとしては初入賞だろうが、元々、彼等は何十回という
入賞や優勝を経験してきている超ベテランクルーばかりだ、
まるで「入賞は当然!」というような感覚であったのかも知れない。
しかし、彼等の出場は、本「混合の部」を大いに盛り上げてくれた、
できればまた同様のコラボチームで様々な大会に出場していだきたく
思う、きっとそれは他チームにとっても、大きな刺激になるであろう・・
さて「選手権混合の部」は、大いに盛り上がったのだが。
残るは「女子の部」と、「選手権オープンの部」だ、
特に選手権オープンは全国から強豪の集まる超激戦区だ
大混戦が予想される中、「bp」軍団の連覇はあるのだろうか?
注目の結果は「後編」に続く・・
「第4回スモールドラゴンボート日本選手権大会」の模様より、中編。
(以下、「スモール選手権」と略す)

高い確率で雨に見舞われる本大会であるが、幸いにして今回の
大会は、曇時々晴れという天候だ。
まあ、例年9月に行われる本大会が、今年は会場の都合からか、
10月の実施になったのも、時期的に幸いしたのかも知れない。
ちなみに、本大会の前身の「琵琶湖スプリント大会」でも、1度だけ、
例年の9月から6月に変更された事があったが、その時も雨だった(汗)
ただ、本会場は(滅多に無いが)晴天になると、午前中は強い逆光
となり、レース写真の撮影は困難となる。
でも今日は、曇り勝ちで日照は少ないので、その点では大丈夫そうだ。
最高気温は20℃くらい、朝や夕方に風が吹くと、やや肌寒いが
日中は全く問題なく、快適なドラゴンボート環境だ。
そういえば、今年7月の暑い中「高島ペーロン」の大会中に、
地元の「松陽台」チームの選手とこんな話をしていた。
松「今年の”競艇場の大会”は、いつでしたっけ?」
匠「10月の・・ 確か23日でしたかね」
松「10月ですか、寒そうですね・・」
匠「天気次第でしょうね、よく雨になる大会ですので、
雨降りだと寒いですよ」
松「うわ~、晴れてくれると良いですね」
およそ8~9年前だが、9月の本大会で気温が低く、しかも雨と風で、
相当に寒かった記憶がある、それに比べれば今日は全然OKだ。
----
さて、今回の記事では「選手権混合の部」の模様について紹介しよう。
混合の部には21チームと、多くのチームがエントリーする大会となった、
やはり10人漕ぎ、すなわち「スモール制」というのが、参加の敷居を
下げているのは間違いない。近年では、関西圏のドラゴン大会では、
その殆どで、スモール制となっているか、あるいはスモールの部が
併設されている、20人漕ぎしか無いドラゴン大会は、もうKIXと
1000m大会くらいしか無いと思う。
レギュラー艇(20人漕ぎ)を編成可能なドラゴン専業チームは、
本スモール選手権では、2チームに分割し、ダブルエントリーと
している場合も良くある。
冒頭のレース写真は、2レーン、3レーンが「東京龍舟」である、
チーム名は、それぞれ「TOKYO DORAGON」
「東京ドラゴン パプリカ」となっている。

「東ドラ」は、本大会では、混合の部はダブルエントリー、
加えて、オープンの部で「東京龍舟ワイルド」、さらに女子の部に
「東京龍舟プラチナ」と、合計4チームの参戦だ。
え~と、シングル、ダブル、トリプルの次は、何と言ったかな?
確か、ボート(カヌー)の世界だと4人漕ぎの場合は「クォドルプル」
とか「クアドラプル」とか言っていたし、パソコンのCPUでも4個の場合
は「クアッドコア」だから、だいたい「クアッド」という語源の感じだろう。
でも、スケートとかでは、従来の3回転半「トリプルアクセル」が、
最近では、4回転ジャンプも見れるようになってきたので、それらの事は、
本来「クアドラプルサルコウ」とか「クアドラブルアクセル」とか言うの
だろうか? これはアナウンサーや解説者泣かせの用語だなあ(汗)
(実際には「出ました、4回転ジャンプ!」で終わりかな?)
なので「東京龍舟」は、今回は”クアドラブル・エントリー”だ!
匠「え~と”東ドラ”さんは今回は4チームですか?大勢力ですね」
東「まあ、女子チームは”混合”の選手と被ってますけどね」
匠「確か、”日本選手権”でも3チーム、延べ60人以上でしたね!」
まあ、近年、東京のチームは変遷が激しい、と良く記事で書いているが
「東ドラ」には、どんどん有力選手が集まってきているようにも思える、
現に、今年の「日本選手権」も混合の部で優勝であり、本大会でも
勝って、「両選手権」を制覇したいところであろう。
ちなみに、混合の部の1チームが「TOKYO DORAGON」と英語名
なのだが、このチームには、元「ゴリニチ」(在日ロシア人のチーム)の
メンバーが2人所属しているから英語名なのだろうか?
今日も元「ゴリニチ」の女性メンバーを見かけた、だが、以前(3~4年
くらい前)に静岡の大会で話をした時、日本語をあまり上手く
あやつれる状態ではなかったので、英語で話したような記憶がある。
私はロシア語の単語は挨拶程度しかわからないので、ちょっとどのように
話しかけるか迷ってしまい
匠「あ、ゴリニチ!」 と声をかけたのだが、
まるで「コマネチ!」のような口調とアクセントだったかも(笑)
ゴ「ハイ、ソウデスヨ」
(ここ数年で、日本語がだいぶ堪能になった模様である)
匠「もう、”ゴリニチ”のチームでは出場されないのですか?」
ゴ「ノコっているのは、この2人だけデスよ」
(恐らく、仕事の関係で来日していたのであろう、皆、帰国したのかな?)
匠「そうですか、じゃあまあ、「東京龍舟」でがんばってください」
ちなみに、「ゴリニチ」とは、確か「3頭の龍(架空の生物)」の
意味であると、昔彼等から聞いた事がある。
もちろん「ドラゴンボート」のドラゴンにかけているのだろうが、
多頭と聞くと「ヤマタノオロチ」か「キングギドラ」を連想
してしまう。「ヤマタノオロチ」は、日本書紀や古事記に登場する
怪物であるが、こういう古代の伝説は世界的に共通の要素を含む
ものが多い、たぶん海を渡って伝承してきたのであろう。

さて、大勢力と言えば、上写真の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
も同様だ。
本大会には、混合の部に「琵琶湖龍舟」「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
の2チーム、さらに、オープンの部に「琵琶ドラプレミア」と、
トリプルエントリーとなっている。

まあ、かつてであれば、強豪チームの場合、スモール制で2分割等
した場合でも両者とも強く、「ワンツー・フィニッシュ」して
しまう事もあったのだが、近年では、やはりメンバー数を集めるのに
どのチームも苦労している状況だ。
20人の漕手を集めるのが難しいという状態では、常時何人かの新人
メンバーを補充していき、レース経験を積ませて育成していく、
という状況が良く見られる、そうした場合、チーム分割すると
勝つ為には、有力メンバーを固めた「主力チーム」を作らざるを得ず、
その結果、どうしても分割チーム間に実力差が出てきてしまう。
近年のこうした状況で、ワンツーフィニッシュしたり、あるいは、
異なるカテゴリーで同時入賞したり、というケースは、少なくなって
きていて、それが実現する場合は、チーム力、メンバー数とも、かなり
恵まれた状況であるとも言えるだろう。
思えば昨年の本大会では、静岡の強豪「海猿火組」が、チーム再編中
で育成メンバーを多く抱えながらも、3カテゴリーで優勝、優勝、準優勝
という信じられない好成績を上げた。

今年の「海猿火組」は、、サブチームを「FULL AHEAD」としたダブル
エントリーだが、そちらは前記事で書いたように「普及の部」で3位に
入賞している。
主力チーム「海猿火組」は、ダブル入賞を狙っていきたい所であろう。

お馴染み「Team BANANA」、こちらも混合の部にダブルエントリーだ。
「BANANA」がダブルエントリーする際、識別サブネームがユニークで
ある事が多い、昨年の本大会では、「フレッシュ」と「スマイル」
一昨年の本大会では「シャイニング」と「グロリアス」
さて、今年は?というと「YES」と「トゥルトゥ」である。
これまでのサブネームは、なんとなく理解できたが、今年のはいったい
どういう意味なのだろうか・・?
お菓子とか食べ物の名前のような気がする、それとも、音楽の曲名とか
バンド名か、はたまた映画のキャラクターとかか?
(以前、そんなようなサブネームを使っていた事もあった)

意味がわからないので聞いてみよう。
匠「え~、今回の、”トゥルトゥ”って、お菓子ですか?」
B「ちがいますよ~(笑)
あるメンバーの口癖なんですよ、酔っ払うと、すぐに、
「YES!」とか「トゥルトゥ」とか言うのです」
匠「ああ、そりゃあ、考えてもわからんわ(笑)」
まあしかし、アナウンサー泣かせのチーム名だ。
言い難いといえば、大阪のコラボチーム「みっくちゅじゅーちゅ」と
同じくらい難易度が高いであろう。
もっとも、TVのニュースキャスターの試験とか(だったか?)では
「貨客船マンギョンボン号」とか「高速増殖炉もんじゅ」とかの原稿を
素早く読む課題があったと聞く、いずれも私は読むことができない(汗)
まあでも、今日の大会のMCは、例年と同じく、名解説者の
「DJ西尾さん」である、彼であれば問題なく
「Team BANANA トゥルトゥ」も発音できるであろう(?汗)
「BANANA」だが、チームを2分割する際に、前述の「実力差」は
つけずに平均化する事が殆どだ。
まあ、勝ち負けに拘るというよりは、楽しんで大会に参加するという
感じなのであろう。

こちらは「チーム未来」のR氏だが、彼はいつも大会の時に珍しい
Tシャツを着て来る、そのほとんどが手作りなのだが、今日は違う。
匠「それ、凄いですね、”青の未来”ですか!」
R「いいでしょう~! 記念バージョンです」
そう、「未来」のチームカラーは、ご存知「赤」である。
「青」のTシャツなど、今まで見たことが無かった。
Tシャツに書かれた文字は、「20 Years of Dragon Boating 2009」
となっているので、2009年に20周年記念で作った限定品なのであろう。
しかし、さすがRさん、色々珍しいものを持っていますなあ・・
まあ彼には詳しくは聞いてはいないが、恐らくは、例えば私がちょっと
変わったカメラやレンズを見ると、どうしても欲しくなるのと同じで、
コレクター魂がうづくのかもしれない(笑)
「未来」には、今回は、東京の「CICライジングスター」の女子選手も
混じっている模様だ、まあ、大阪と東京の異地区コラボであるが、
もはや近年では驚くには及ばない、およそ、どの地区同士のコラボも
色々と前例があって「当たり前」とも言える。

こちらは「常翔喜龍」(じょうしょうきりゅう)
正式名は「大阪産業大学 常翔喜龍」である。
珍しい、大学のドラゴンボート専業チームだ、準クラブ活動であると
聞いている。「準」というのは、正規のクラブ活動では無いという
意味であるが、同好会という訳でもない、そのあたりは多分、予算とか
活動の方法とかが、正式のクラブの場合とは異なるという意味なの
だろうが、その内容まで詳しくは聞いていない。
大学生なので、メンバーは毎年、卒業と入学で入れ替わってしまう、
OBは基本的にはチームに参加できない模様だ。まあ、大学の名前を
冠しているので、そうなのであろう。例えば、かつては「兵庫教育大学」
の(クラブ)チームも、OBが参戦する場合には、チーム名を独自に
つけていた事がある(それが「個人名」なので笑えたが・・)
ともかく「常翔喜龍」は、いつも元気なチームであるという印象だ。
だが、本日の成績は振るわず、予選敗退となってしまった。

おっと、こちらは・・?
え~と、見たような人達も居るし、見るからに速そうなのだが・・
匠「どちらのチームでしたっけ?」
暴「暴漕連合と言います」
なんだか、バイクに乗ってそうな名前だ(汗)
話を聞くと、主に関東の「舞浜河探検隊」「横浜サーフベイザース」
「トリッドストーム」「ジャングルマニア」「スーパードルフィン」等
によるコラボチームとのことだ。

匠「凄い! ドリームチームじゃあないですか」
なにせ、それらのチームは、かつて日本選手権(天神)大会で、
優勝した事がある所ばかりなのだ、ただ、良く聞くと、各々の
チーム活動は現在ほとんどしていないとのことだ。
東京近郊のチームの変遷が激しい事を、ここでも実感する次第だ。
けどまあ、そういう状況だから、こうしたドリーム・コラボチームが
実現したのであろう。

予選1回戦での「暴漕連合」は、なかなか凄かった。
タイムは55秒83,これは混合の部の中ではダントツのトップであり、
試しにオープンの部と比べても、「bp」等のトップクラスのチーム
とほぼ同等のタイムである。
匠「さすが! こりゃあ、混合の部の決勝は、一波乱ありそうだな」
ちなみに、10月2日に東京で行われた「東大島大会」でも
「暴漕連合」は優勝していると後で聞いた。

こちらは大阪の「吹田龍舟倶楽部」
「吹龍」は、今年は「びわこペーロン」での優勝(2連覇)や、
高石大会での準優勝と、まずまずの戦績だ。
本大会では、敗者復活戦で、準決勝に上がれるか、またはB決勝に
行くかの瀬戸際、「吹龍」の選手との話の中で・・
吹「B決勝って、何か賞品が出るのでしたっけ?」
匠「確か、昨年はB優勝だけはありましたよ。
けど、賞品は第1回大会の時のTシャツでしたけどね」
吹「う~ん、微妙だなあ、それなら準決勝の方に行きたいかな・・」
でもまあ、本大会の第1回記念Tシャツって、その後のものよりも
生地の質が良いんだよね・・
「吹龍」は、宣言どおり準決勝進出なるも、タイム順でわずかに及ばず、
決勝進出はならなかった。
ちなみに、そこで同着3位のタイムで決勝に上がったのは、
「すいすい丸 工場」だ。
実は「吹龍」と「すいすい丸」は、今年の「高石大会」でも、
「びわこペーロン」でも決勝で優勝を争う激戦を繰り広げたのであった。
(高石では「すいすい丸」が勝ち、びわこでは「吹龍」が勝っている)
また、関空(KIX)大会でも、両チームは決勝で激突している。
良きライバル関係という事だろうか? そして本大会では「吹龍」は
決勝進出を「すいすい丸」に阻まれた形となり悔しかったに違いない。
ちなみに「すいすい丸」だが、本大会はトリプルエントリーだ、
いつもの「工場」「トレイン」のサブネームの他「さくら」が加わっている。
匠「これ(サブネーム)って、どういう意味なのですか?」
す「ああ、全部”ケツメイシ”の曲名なんですよ」
匠「そうだったのですか! ”工場”とか言うから、”京都工場保健会”
(すいすい丸の一部の選手が勤務している機関)の事だとばかり
思ってましたよ」
す「あはは、よくご存知で(汗) でもそれは関係無いです・笑」

こちらは、ご存知、兵庫の超強豪「関西龍舟シンバ」だ。
「関ドラ」は、「超」強豪チームなのだが、今年の前半では関西圏の
大会では惜しい結果が多い状態であった。
「日本選手権」では3位、続く「高島ペーロン」は有志で別チーム名で
参戦、この操船が極めて難しい大会に、初出場ながら決勝進出なるも、
アクシデントで4位となってしまった。
さらに「KIX」では、コンマ差で準優勝と悔しい思いをしていた。
しかし、2週間前の静岡「ツナカップ」では、「芦屋人」という別名で
初参戦、見事に優勝している。
この勢いで、本大会でも続けて優勝したいところであろう。
私の予想では、前述の「暴漕連合」との優勝争いになると見ている。

さて、混合の部の各チームの様子を書いていこうかと思っているの
だが、やはり21チームもあると、とても書ききれない。
今回紹介したチームの他では、混合の部では、
「香里丘高校5期生」「team 風」「Rowing Team 浪わ」「熊野水軍」
「RスポーツマンクラブMIX」「東海ドラゴン」「小寺製作所」が
エントリーしている。いずれも常連のドラゴン専業チームだ。
今回紹介しきれなかったチームは、また別の機会に、という事で、
あしからず。
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さて、レース・スケジュールは、やや巻き(進行が早い)の状況なので、
昼食休憩を取ることとなった、休憩時にはいくつかイベントがあった
ので、ここで、それを紹介しておこう。
まずは、ダンスのパフォーマンスだ。

なかなかキレのあるダンスを見せてくれる、
それもそのはず、彼女達(学校のダンス部とのこと)は、
世界大会で2位なった実績を持つという。
3曲ほど踊ってくれたが、その都度、曲の雰囲気や、衣装もがらり
と変えてきて、バリエーションや表現力の高さを魅せてくれる。

ほんと、なかなか凄い。選手達からも拍手の嵐が飛んでいた。
なお、一応、撮影許可は学校側から出ているのだが、彼女達は
まだ未成年なので、あまり詳しい紹介等は省略する。
さて、次はチーム表彰があるという。

こちらは、女子ベテランチーム「Spirits Club」である。
何で表彰されたか?というと、彼女達は20数年の長きにわたり、
「びわこペーロン」大会に参加しつづけ、ドラゴンボートの普及発展
に尽力した、との事である。
そうだったのか、彼女達を記事中では「ベテラン」「ベテラン」と、
何度も紹介していたのであるが、私がドラゴンを撮影しはじめた
10数年前からすでに大会に参戦していたので、「いったいいつから
活動しているのだろう?」とは思っていた。
本大会だが、「女子の部」もあって、そこには3チームがエントリー
している、チーム数が少ないので2回戦制となっている。
そこには、本大会常連の「チーム河童」の姿が見えないのだが、
実は今日は、鹿児島では「根占(ねじめ)」大会が行われている、
今年の「日本選手権」に「根占大会」の担当者の方が観戦に来られて
いて「スモール選手権と同じ日ですね」という話をしていたので
良く覚えている。
「河童」は、今日は恐らくは、そちらの大会に参戦しているのであろう、
まあ、昨年の本大会で「河童」は優勝している、という理由もあったの
かも知れない。
ちなみに、今年の「根占大会」は、荒天の為、残念ながら途中中止と
なってしまったと聞く。
で、本大会の女子の部の結果は、次回後編記事で紹介しよう。
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さて、「混合の部」の準決勝だが、以下のような結果となった。
混合準決勝第1組
1位:海猿火組
2位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
3位:すいすい丸 工場
4位:すいすい丸 トレイン
5位:熊野水軍
このレースは「海猿火組」(昨年の本カテゴリー優勝)が僅差で
「琵琶ドラ」を抑えた(以下写真)

混合準決勝第2組
1位:関西龍舟 シンバ
2位:暴漕連合
3位:吹田龍舟倶楽部
4位:TOKYO DORAGON
5位:Rowing Team 浪わ
こちらは「関ドラ」が、ドリームチームの「暴漕連合」をコンマ差で
抑えている。
まあでも、準決勝なので、まだ「全開」という訳ではないであろう。
決勝戦では各チームとも本気で漕いでくるに違いない。
この結果、各レースで2位までのチームは決勝に自動的に進出。
3位はタイム順、ここは前述のように僅差で「すいすい丸 工場」が
決勝進出となった。
なお、「すいすい丸」は、従来「トレイン」が主力であったのだが、
「びわこペーロン」では、強力な新人6名を載せた「工場」が一般の部
で優勝、「トレイン」が混合カテゴリーで2位(優勝は「吹龍」)となり、
両チームの実力差が小さくなっている、今回もまた、「工場」が
「トレイン」を抑えて、本カテゴリー決勝進出となった次第だ。
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さて、残るは決勝戦だ。
レーン順で、選手権混合の部の決勝進出チームを紹介しよう。
1)関西龍舟 シンバ
2)海猿火組
3)暴漕連合
4)琵琶湖ドラゴンボートクラブ
5)すいすい丸 工場
ちなみに、今日のコンディションではレーン間の条件の差異は殆ど無い、
詳しく聞くと、風の影響や潮流の影響が、1から5レーンにかけて
ほんの僅かに異なる模様だが、タイムに大きな影響は出ないであろう。
ならば純粋に実力勝負、泣いても笑っても、この1本限りだ。

さあ、選手権混合の部の決勝戦がスタートした!
私の撮影地点は、200m戦の中間よりやや前、80m地点という感じだ。
撮影アングルによるレーンの順位錯覚は起こりにくいポジション
ではあるが、手前のレーンの艇ほど、このアングルでは実際より、
ほんの僅かに遅れているように見える。
それを加味すると、3レーン「暴漕」が速い模様だ、さすがにドリーム
チームだ、コラボチームで初参加にして優勝をもぎ取ってしまうの
であろうか・・?
手前から「関ドラ」と「海火」が加速する。
これは、観戦アングルの関係で、そう見える要素もあり、加えて
実際にも追い上げている状況もある。
匠「こりゃあ、もつれるぞ」
1~3レーンが、団子状態だ、差はほとんどない。
対して4、5レーンは半艇身程遅れている。
残りあと50m、入賞の3チームは「関ドラ」「海火」「暴漕」で
ほぼ確定の状態だが、あとは順位だ。
残り10m、差は殆どない、そして、この状態となると、
撮影(観戦)地点からは、もう正確な順位を目視する事はできない。
ゴール! ・・したのだが、果たしてどこが勝ったのか?
「オーロラビジョン」(レースの模様を表示する超大型ディスプレイ)
には、13台のビデオカメラが連動している模様で、それをビデオ・
スイッチャーで切り替えて画面が出る、特に、上からの映像が
わかりやすいのだが、それを見ても今回の順位はわからない。
これは、写真(ビデオ)判定になるな・・
しばらくすると正式着順が確定した。本部からアナウンスが入る。
1位、関西龍舟シンバ 57秒79
2位、暴漕連合 58秒12
3位、海猿火組 58秒53
やはり、かなりの僅差であった。
観戦側として、レースを堪能できたのだが、選手(チーム)側としては
なかなかシビアな戦いであっただろう、ほんのコンマ何秒の差で
順位が大きく変わってしまうのだ。
その順位の事実は、数年たった際にも、結果として残ってしまう。
けど、ドラゴンのレースは単に順位だけで語れるものでは無いと思う、
そして、その場に居て、様々な状況を見て、感じて、その事が見えて
くるものだとも思う。その点では「海猿火組」の3位は昨年より順位を
落としたが、恥じるものではなく、むしろ、20人漕ぎ「日本選手権」の
4位に続いての、この成績は好評価だ。
そして、結果として「関西龍舟シンバ」が優勝したのは、ある意味順当で
あるようにも思える。なにせ、こういうシビアな決勝とかいう状況に
関しては、「関西龍舟」は最も経験値が高い。ここ十年近く彼等は、
いつもそうした中で戦ってきた、そこには彼等と同等かあるいはタイム
だけ見れば、彼等より速いチームもいくつも居たのだ。
でも、そうした中で「関西龍舟」は、確実にいくつもの「優勝」を拾って
きているのだ、「修羅場に強い」とも言えるかも知れない。

こちらは、「暴漕連合」のウィニングランの模様。
まあ、チームとしては初入賞だろうが、元々、彼等は何十回という
入賞や優勝を経験してきている超ベテランクルーばかりだ、
まるで「入賞は当然!」というような感覚であったのかも知れない。
しかし、彼等の出場は、本「混合の部」を大いに盛り上げてくれた、
できればまた同様のコラボチームで様々な大会に出場していだきたく
思う、きっとそれは他チームにとっても、大きな刺激になるであろう・・
さて「選手権混合の部」は、大いに盛り上がったのだが。
残るは「女子の部」と、「選手権オープンの部」だ、
特に選手権オープンは全国から強豪の集まる超激戦区だ
大混戦が予想される中、「bp」軍団の連覇はあるのだろうか?
注目の結果は「後編」に続く・・