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【熱い季節2016】第6回ツナカップ(中編)

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参加選手達の満足度が極めて高いと言われているドラゴンボート
大会、「清水港マグロ祭り静岡県ドラゴンボート第6回ツナカップ」
(以降、ツナカップ)の模様より、中編。

朝のうちの雨も昼前にはすっかり止んで、写真のように富士山には
不思議な形の雲がかかっている。この前日の2016年10月8日にも
「レンズ雲」のような雲が出て、ニュースで映像が流れていた。

まあ、この10月の3連休は静岡に限らず全国的に気圧配置が
不安定で色々な連休のイベントが雨に見舞われたと聞いている。

富士山が見えるのは、この時期としては珍しい。
私は毎年ドラゴンボート大会の撮影で6月と10月に静岡を訪れる
のだが、いつもあまり富士山は見えず、雨あがりとか強風の時とか、
ちょっと特殊な天候の時以外は、殆ど見えた事が無い。

「冬の間は良く見える」とも地元の人達から聞いている、富士山観光
の際には、その辺も参考にするのが良いであろう。
なお、本大会会場の「エスパルスドリームプラザ」(ドリプラ)からは、
観客位置においては角度的に富士山は見え難い、上写真は審判艇に
乗って撮ったものであり、又、海上のドラゴン艇からも見えたであろう。
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さて、大会だが、150m 2回戦合計タイム制バトルロワイヤル戦、
という変則ルールで行われている。
つまりノンカテゴリーの2艘建てレースが順次行われ、最終的には
各カテゴリーの上位4チームが順位トーナメントに行けるという訳だ。

上写真「中電龍舟」は、開会式で選手宣誓をした第一レースの
チームであるので、これが2週目(2回戦)。奇数チームの参加
なので、1回戦と2回戦は必然的に対戦相手もレーンも変わる。

地元「中電龍舟」は。本大会の最高成績が準優勝、今年は是非とも
優勝を勝ち取りたいところだ。
ただ、昨年、大阪の「関空飛龍+河童」に負けた時の悔しがりと
落ち込みは酷いものがあった、なにせ、その時のタイム差は僅かに
1/100秒であったのだ、これほどの接戦は他の大会でも珍しい。

1/100秒というと、どれくらいの距離差となるかと言えば、
この静岡のドラゴン艇(スモール艇、8人漕ぎ)においては、
150mコースを約50秒で進む、つまり秒速3mという計算だ。
1/00秒では、3cmの差という事になる。
これは同着と言ってもおかしく無い差であり、計測のちょっとした差
でも結果は変わるかも知れない。
が、相撲と一緒で、同体でも審判は必ず勝敗は決めないと
ならないのだ。

「中電龍舟」が他の大会等でも優勝の経験が多数あるのならば
余裕も出てきて「遠征のチームに花を持たせましたよ、アハハ」
等と軽くいなせるのだろうが、今のところ「中電龍舟」の戦績は
横浜大会のマイナーカテゴリーで、静岡の「漕げルンです」との
混成で優勝が1回、同大会で今年は「中電」で単独優勝、
他は、御前崎大会や滋賀のスモール選手権で入賞の実績はあるが
メジャー大会あるいはメジャーカテゴリーでの優勝経験はまだ無い。
また、今年の日本選手権では、スモールの部で決勝進出なるも、
惜しくも4位で入賞を逃がしている。

中堅チームとして育ってきた現段階では、どこかで1度ちゃんと
勝ちたい、という気持ちは強い事であろう。
彼等としては、本ツナカップ大会がその絶好のチャンスなのだ。

「中電龍舟」の2回戦タイムは49秒と1回戦とほぼ同等、
「チャレンジ」のカテゴリーなので、このタイムは良い方であり
このままいけば決勝進出だ。
ライバルだが、昨年の「関空飛龍」は今年は不参加だが、愛知と東京
の異地区混成「東海ドラゴン アズーロ」が居る、ここはなかなか強く、
今の所予選タイムは45秒台と、「中電龍舟」に4秒もの差をつけている。
まあ決勝で「出たとこ勝負」になる事であろう。
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名古屋の名門「東海龍舟」は今回はダブルエントリーである、
上写真は、混合の部の「東海ドラゴン ツナカップ選抜」
女子メンバーが多く、普段見かけない方も居る様子で、遠征用メンバー
ということなのであろう、話によると「今まで抽選で外れていたので
今回は2艇申し込んだら、2艇とも当たって慌てた」とか・・

「選抜」は予選タイムはやや伸び悩み、3位決定戦に出れるか
どうかは微妙な所。
また前述の「東海ドラゴン アズーロ」は、愛知の「東海龍舟」と、
東京(および香港)の「TITAM X」等との珍しい異地区混成チームだ。

しかし、異地区混成が珍しかったのは数年前までの話であり、
ここ2~3年のドラゴン界では当たり前の風潮になってきている。
「東海龍舟」自身も、本年8月の関空(KIX)大会においては、
滋賀県の「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」との異地区混成チームの
「あめちゃん」で、混合の部で見事に優勝している。

異地区混成は、漕ぎのスタイルやレート等が合い難い事もあって、
実力値を落とすリスクもあるのだが、関空大会での「あめちゃん」の
ケースでは「息がぴったり合って、上手くいっている」と記事に書いた。
今回もなかなか息が合っていて、チャレンジの部での勝利は目前だ。
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こちらは東京から参加のベテラン「Bon Oyage」
彼等もダブルエントリーであり、チャンピオンの部では「ドラぽんず」
となっている。
B「本当は、”ボン”オヤージなので、ドラ”ぼん”ず、という風に
  以前エントリーしたのですよ、けど、どっかで間違って”ぽんず”
  になってしまって(笑)でもそっちの方が呼びやすいかな」

本来のチーム「Bon Oyage」は、混合の部にエントリー。
3年前までの「Bon Oyage」は、ほぼ全員が男性メンバーであったが
昨年のツナカップで、初めて混合の部に参戦、

その時は、まだ男女で漕ぐのに慣れていなかったのか、前4人が男性、
1つ飛んで後ろ4人が女性と、まるで「男女七歳にして席を同じうせず」
のような感じであったが(笑)今年はそういう事も無い。
今年は東京地区の元強豪チームの女子メンバーも加わり、なかなか
気合が入っている。ちなみに、ドラマーは例の静岡名物である
「地獄のエアロビ準備体操」のインストラクター先生であり、
気を抜いて漕ぐと「渇」を入れられそうだ(汗)

昨年の本大会での「Bon Oyage」の戦績は準優勝、
今年は1つ上を狙いたいところであるが、混合の部のカテゴリーには
兵庫の超強豪「芦屋人」(あしやんちゅう=関西龍舟)が居る。
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上写真は、レース観戦中の「芦屋人」の選手達。

予選第1回戦では「Bon Oyage」は49秒台、「芦屋人」は44秒台
であったので5秒の大差だ。2回戦でこれをひっくり返すのは困難な
所であるが、まあ「Bon Oyage」としては、なんとか決勝に進出して
「出たとこ勝負」に持ち込むしかないであろう。

ちなみに「芦屋人」(関西龍舟)は、今年の関空大会決勝で、前述の
「あめちゃん」(東海+琵琶ドラ)にコンマ3秒の僅差で破れている。
「関西龍舟」は言わずと知れた超強豪チームであるが、今年は惜しい
負けが多く、今回勝ちたい気持ちは「芦屋人」とて同様であろう。
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「混合の部」での覇権を争うのは、こちらの「IHI瑞龍丸」も同様、
なにせ彼等は、本大会2連覇中である。
予選タイムを見るかぎり、49秒台と、「Bon Oyage」とほぼ同等、
そう、昨年の本大会の決勝戦でも「IHI瑞龍丸」vs「Bon Oyage」
の図式であったのだ。
今年は「芦屋人」がやや有利な状況だが、なんとか決勝に進みたい
のは「IHI瑞龍丸」とて「Bon Oyage」と同じだ。
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「IHI瑞龍丸」のメンバーが大会本部に張り出されたタイム一覧表を
真剣に見ている。
今年の大会は「バトルロワイヤル制」であるから、感覚的には
どのチームが速いのかわかりにくいが、勿論タイムは出ているので
丹念に見ていけば、どのチームがどれくらいの順位かはわかる。

本大会は、一見すると「観光・グルメがてらでの楽しい遠征試合」
であり、かつ「おもてなし大会」でもあるから、選手達にとっては
極めて快適だ。だが、だからといって完全な遊び気分ではなく、
よく見ると、競技指向としての側面がかなり強く表れてくる、
参加チームも選手権クラスの強豪ばかりだ、観光の楽しさの中にも、
ちゃんと競技としての要素も含まれている。

特に一見の価値があるのは、オープンの部の今年の日本選手権1位
の「bp」(昨年のツナカップでも優勝)と、混合の部の日本選手権
過去3連覇の「INO-G」(ツナカップ2連覇、昨年2位)の、
「異カテゴリー直接対決」である。
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写真は「INO-G」の新メンバー。
オリジナルの「INO-G」ではなく、近年、東京の元強豪チームから
移ってきたのだ、前編でも書いたが東京地区のドラゴンチームは
変遷が流動的であり、様々な事情によりチーム間の移動も少なく無い。

で「bp」と「INO-G」は、各カテゴリーで日本を代表するレベルだが、
選手権クラスの大会においては、カテゴリーが異なるから直接対決は
過去なかった。

それが、このツナカップの「チャンピオンの部」でのみ、この夢の
対決が実現する訳だ
昨年それが実現した際「これを見るだけでも静岡に来る価値がある」
と記事に書いた。
おまけに昨年の本大会3位は「東京ドラゴンワイルド」(東京龍舟)で
あり、彼等もまた、今年の日本選手権混合の部で優勝の日本一チーム
である訳だ。

今年は「東京龍舟」は不参加であるが、このように「日本一」チームが
ゴロゴロと居るような地方大会は、他ではありえない。

「INO-G」は昨年の決勝で「bp」と対決する際に、
I「ウチは本来混合のチームだしなあ、メンバー的にちょっと不利かも」
と、こぼしていた。
その為か、今年は女子メンバーを少し減らし”漕げる人”をメインに
揃えてきている、これは本気で「bp」を倒しに来ているのであろう。

今年のチャンピオンの部は、昨年同様に、上記2チームでの決勝戦と
なると思うが、今からそれが楽しみである。

---
さて、レーススケジュールであるが、今回はビギナーチームが殆ど
エントリーしておらず、レース進行は極めてスムースだ。20~30分ほど
スケジュールを巻いて(先行して)いた為、昼食休憩を取る事となった。

ちょっと昼休みの模様も紹介していこう。
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選手村には海外製パドル「TYPHOON」の輸入代理店のテントがある。
今年の「日本選手権」でも出店していた。

その際「bp」の選手の「TYPHOON」製バドルが決勝前に故障して
しまったが、「TYPHOON」店舗で新品に交換してもらって見事優勝した、
という話を書いた。

輸入代理店の女性の方の話によると
T「不良品だったので保証で新品交換させていただきました」
との事である。

まあ「bp」選手の、”ピッチ毎分120回”という超絶の激しい漕ぎに
「TYPHOON」の特色である自在伸縮部のネジ強度が耐えれなかった
のかもしれないが、交換したパドルは快調に使えている模様だ。
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「TYPHOON」の女性は、その後MCの「スナオ」さんの実況席に
呼ばれて、取り扱っているパドルやドラゴン用品の説明をしていた。

---
さて、昼休みのうちに、私も食事をしておこう。
スタッフ弁当(選手達も予約できる)は、例年同様「海鮮丼」だ。
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「美味しいが、量が少ない」というのは、毎年の私の感想だ(笑)

実は、量が少ないのは理由がある。
昨年までの大会会場(JR清水駅前江尻港)には「鮮魚市場」があり、
そこで様々なグルメを楽しむ事ができた。
また、今年の大会会場「ドリプラ」にも多数の飲食店があって、
食べ物には困らない状況だ。

つまり「足りない分は静岡の様々なグルメを堪能してください」
という大会側の「おもてなし精神」による配慮なのであろう。

試しに「ドリプラ」の施設内に行ってみると、各チームの選手達が
ユニフォームのまま、様々なお店にズラリと並んで食事をしていた。
今日は2連休の中日、しかし午前中は雨降りで客足が鈍ったのか、
午前11時台の飲食店街は幸いにして、さほど混雑していなかった。
なのでチーム選手達が10人近くも席を確保して食事できたのであろう。

ちなみに昨年までの江尻港の鮮魚市場では、ちょうど毎年「マグロ祭り」
が開催中の為、とても混雑していて、食事を取ることも少々難しかった。
私は以前は、鮮魚市場の一番はずれにあるすいている店を偶然見つけ、
例年、そこで足りない分の食事を確保していたのだが、まだドリプラで
は、そうした「穴場店」を見つけていない。

まあ、今日はあまり暑くなく、会場内での移動距離もさほど大きくない
ので、あまりおなかがすいていない。例えば「日本選手権」では
体力をかなり消耗する為、名物の「天神カレー」を毎年3杯以上いただく
のであるが、今の涼しい時期では、そこまで暴食をせずとも大丈夫だ。

ちなみに、今日は雨模様が予想されていたので、撮影機材も大幅に
簡略化している、実際には、コンパクト機が2台だけという軽装備で、
1台はFUJI X-S1、換算600mm強までの望遠が効く。
もう1台はFUJI XQ1、これは換算100mmまでの広角コンパクトだが、
いざとなれば超解像ズームで400mm望遠も可能だ。

FUJIの機材ばかりにしているのは、静岡には「漕げルンです」という
FUJI系列のチームがある、同じ御前崎地区の「中電龍舟」とは仲が
良い模様で、混成チームを編成する場合もある。

「漕げルンです」のメンバーが今日もし居た場合、
匠「FUJIFILMのカメラを使っていますよ」
と言おうと思っていたのだ。
まあ「おもてなし大会」なので、色々と地元の人達は各地の選手達に
配慮をしているので、こちらも、少しだけだが配慮しようかな、と
思った次第である。

まあでも、X-S1は一眼より軽量だが、ピントが合いにくく即写性に
欠けるので使用には注意が必要だ。一眼に比べてコンパクト機では
性能限界があるので、そのあたりはやむを得ない。
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朝、開会式で選手宣誓をした「中電龍舟」の選手。

匠「靴磨きですか? へい、お客さん、出来ましたよ、まいどあり」
中「あはは~」

照れた様子なのは、多分彼の新婚の奥さんなのであろう。
仲が良いところを目撃された、という感じだろうか?

そういえば、朝、彼とこんなやりとりがあった。
匠「そうそう、今日は中電さんの新婚キャプテンはどうしましたか?」
中「ボクも新婚さんですよ(笑)
  彼は今日は友達の結婚式で沖縄に行ってますよ」

”中部電力”は、結婚ラッシュという事なのであろうか?

「ドラゴン婚活」という言葉がある、ドラゴンチーム内または
異チームでの結婚が非常に多いという意味だ。
事実、「チーム未来」「海猿火組」「東海龍舟」等では、チーム内
結婚が多いと聞いている。

で、ドラゴン選手達は、夏場は、毎週のように練習や試合がある為、
週末になかなか家族と過ごしたり、家族になる前のデートという訳には
いかないのだ。このため、その事を理解してくれる「同業者」(笑)
である選手間での結婚が多いという事も言えるだろう。
まあ、漫画家同士で結婚するとか、ミュージシャンや俳優同士とか、
そういう類の話と同じであろう。

「婚活」を目指す選手達は、意外にドラゴンの世界は恵まれている
環境なのかも知れない、なにせ、近年では普通に生活していたら、
出会いの場などは殆ど無いわけだ。
無理に合コンやナンパ、お見合い等をしたとしても、ドラゴン
(アスリート)の世界観が共用できないのであれば、その後の発展は
なかなか難しい。

だが、無事家族となったとしても、応援に来てくれるケースはあまり
多くない模様だ、若いうちは、お互い現役選手だったりするし、
子供が出来たりすれば女子選手は家庭を守る事が優先となるだろう。

あるいは逆に、ドラゴン系以外の奥様からは
「また今日もドラゴン? 私は外に遊びに行くので、どうぞお好きに」
などと選手の旦那さんが言われることもあるとも聞く(汗)

なかなか「現実は厳しい」、というところであろうか・・
近年のライフスタイルの多様化、あるいは価値観の変化等により
昔のイメージにおいての「結婚して幸せになる」という事は、
現代では、そう簡単な図式ではなくなってしまった。
まあ、そういう事もあり、未婚率が急上昇しているのかも知れないが。
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チーム内結婚が多いと言われている「東海龍舟」の女子選手。
ご自身の子供さんであろうか?彼女は選手としても活動していて
「東海ドラゴン ツナカップ選抜」の艇で漕いでいたように思う。
子供さんを抱けば、やはり女性は幸せに見えるのは間違いない。

----
さて、昼食休憩も終わり、レース再開だ。
まあとは言え、本記事ではあまり正確な時系列には拘っていない、
気の向くまま、各チームや選手達、大会の様子等を書いている次第だ。
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「東海ドラゴン アズーロ」の女子選手。
1回戦とはメンバー交代している模様だ。

実は、今回の大会では、8人漕ぎ(10人艇)というレギュレーションで
ありながら、各チームは、それより若干多い人数で遠征して来る場合が
良く見られる。「芦屋人」「bp」「東海ドラゴン」「打艇龍舟」等が
それであり、「遠征可能なメンバーを集めてきだ」という感じであろう。

普通、他地区の試合では、遠征メンバーはぎりぎりの人数になる事が
殆どだ。下手をすると1~2名足りなく、10人漕ぎのレースを8人や
9人漕いでいるケースも良く見かける。

しかし、本大会は、この点においても他大会とは異なり例外的だ。
どちらかというと観光(旅行)的な要素もチームにはあるのだろう、
たとえば「静岡行く人、この指とまれ」的に、「ワーイ!」と、
メンバーが集まってきているのかも知れない。

その事がレース展開における影響も若干出る。
予選第1回戦では、まだ他チームの様子もわからない為、各強豪チーム
はベストメンバーでレースに臨む、それは当然の措置であろう。

だが、もし1回戦でトップタイム等になった場合は、第2回戦では
新人メンバー、育成メンバー等を乗せ、試合経験を積ませるという
手法をとってくる可能性も高い。そして、各カテゴリー予選1位の
強豪チームは、いずれも今回は潤沢なメンバー数が居る。

なので、2回戦でそれらの強豪チームのタイムが落ちるのは当然だ。

実は、今回のバトルロワイヤル方式では、1回戦と2回戦で自動的に
レーンが変わる、それはむしろ公平であるし何も問題ないのだが、
その際「第2レーンでタイムが落ちている」という話がスタッフの間で
囁かれたのだ、確かに強豪チームのタイムを見ると、たまたま2レーン
になった時に、2~4秒くらいタイムが落ちた、それは「レーンの
コンデイションの差異ではなかろうか?」と、言われていたのだ。

その事に興味を持った私は、少し調査をした。
その結果、2レーンでタイムが落ちたのは、メンバー交代の発生した
チームだけであり、メンバーが変わらないチームでは、1、2レーン
間でのタイム差は無かったのだ。それどころか2レーンで速くなった
チームもあって「潮流の変化のせいか?」と言われていたことも
事実ではなく、単に予選1回戦で当確線上のチームが2回戦で本気に
なって漕いだだけであった。

匠「なんだ、コースではなくて、メンバーの差だったのか」
とわかって、これならば、決勝戦等で、どちらのレーンを引いた
としても完全に公平な条件である事が判明した。
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さて、チャレンジの部で予選トップで好調の「東海ドラゴン アズーロ」
である。ドラマーは、異地区コラボ「TAITAM X」の美人鼓手。

ちなみに「アズーロ」とは、イタリア語で「青」という意味であるが
「東海龍舟」が、たまにその名前を使う理由は詳しくは聞いていない。
意味どおりに「青」なのか、それとも、映画や音楽などで、そういう
名前の人や役柄や曲があるのか?まあ今度聞いてみよう。

例えば「関西龍舟」が良くチームのサブネームに使う「シンバ」や
「ムファサ」「プンバァ」は、ディズニー映画「ライオンキング」の
登場キャラクター(ライオン等)の名前から取っているとの事だ。
同「バーバリアンズ」も、ライオンキングの悪役「バーバリライオン」の
可能性があるが、直接劇中でその名前が出てこないので出自不明だ。
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こちらは、混合の部の2連覇中の「IHI瑞龍丸」
今回は、決勝進出の当確線上の状態だ、おそらくコンマ秒の差で
それは決するであろう。
当然の事ながら漕ぎには気合が入るが、残念ながら2回戦では、
1回戦より2秒ほどタイムを落としてしまった。

これで「IHI瑞龍丸」の本大会3連覇の夢は潰え、3位決定戦に
出場する事になる。

同朋の「IHI相生」が長距離戦を得意とし、琵琶湖「1000m大会」で
今年で3連覇を達成した事から、「ツナカップ3連覇」は「IHI瑞龍丸」
にとって悲願であったのだが、まあ勝負の結果は結果だ。
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「IHI瑞龍丸」のペースダウンで、混合の部の決勝進出となった
のは、上写真の「Bon Oyage」だ。

こちらも昨年2位、それぞれのチームには勝ちたい理由がある。
このあたりが各チームの人間ドラマという事であろう。

(混合の部の決勝戦は、「芦屋人」vs「Bon Oyage」である、
 同3位決定戦は「IHI瑞龍丸」vs「CIS RISING STAR」だ)

で、上写真の背後に見えていたのは、「どやめきツナイト」
大阪の多チーム混成だ。
c0032138_2044066.jpg

「どやめきツナイト」は、チャレンジの部で3位決定戦に無事進出、
対戦相手は、東京の「チーム☆ニライカナイ」だ。

遠征に強い大阪混成と、本大会3位入賞の実績を持つ「ニライカナイ」
チャレンジの部もなかなか見逃せない対戦となった。
(チャレンジの部の決勝進出は「東海ドラゴン アズーロ」と
「中電龍舟」に決定した)
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「鈴与龍舟」、今回はホスト役であるので戦績は度外視だ。
ダブルエントリーだが、結局両カテゴリーで最下位だ。

けど、大会運営、そして「おもてなし」という重責を「鈴与龍舟」は
良く果たしている。
チームの価値あるいは評価は、勝つ事だけはない、そのあたりは
彼等彼女達は、今回の大会では非常に良くやっていると思う。
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余談だが、乗船場のあたりに、老紳士がコンパクトカメラを構えて
入ってきた、選手達が出入りするので、危ないと思い、
匠「一般の方ですか?」と聞くと、
老「ああ、そのヨットのオーナーなんだよ」
との答え。自身の所有するヨットが心配であったのであろう。

老「今日の大会では、警備の人も出ていると聞いているけどな、
  何人くらい見張っているのかね?」
匠「え~と、1、2、3・・・ ああ、8人居ます」
幸いにして、「鈴与」のスタッフ達が沢山乗船場に居てくれた。

老「それだけ居たら安心だな、ヨットに勝手に乗り込まないように
  見ておいてくれたら助かるな、じゃあ、よろしく」
匠「地元の人達のご協力でボート大会が出来ます、ありがとうございます」
と言って、気分良く引き上げていただいた。
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こちらは「海猿火組」の大会運営スタッフ、審判艇でのスタートの
役割の他、会場設営とか、ありとあらゆる事に関わっている。
こうした静岡の地元スタッフチームのスムースな大会運営により、
本大会が順調に進んでいるのは間違いない。

さて、そろそろ記事文字数が限界だ。
以降、後編では、主に激戦の順位決定戦の模様を伝えるとしよう。

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