
正式名称は、たぶん「清水港マグロ祭り静岡県ドラゴンボート
第6回ツナカップ」、けど「県」とか「大会」とかが、どこに入るか
良くわからないし、文章の順番もよくわからない(汗)
まあそれは良い、以降本シリーズ記事では「ツナカップ」で
統一する事にしよう。
私が、今年のドラゴン・ペーロン大会で最も楽しみにしていた大会が
やってきた。なにせ「ツナカップ」は、国内の大会で最も選手満足度が
高いと呼ばれている優良な大会であり、私が毎年年末にブログ記事
で特集している「ベスト大会編」でも、過去2度、1位を獲得している。
大会前日の朝から静岡入りする。昼間の模様は「遠州駿州紀行」
記事で紹介した通りだ。
今回、大阪のチームの選手で、仕事の出張とからめて前々日に
静岡入りした人が居た、彼は「1人で観光かあ・・どこへ行こうかな?」
と言っていたので、私は「ブログで、静岡のマニアックな見所を色々と
書いていますよ、よかったら見ていただいて参考にしてください」と
言ってはあったが、果たして、マニアックすぎるスポットばかりの
紹介記事なので参考になったかどうか・・?(汗)
さて、「ツナカップ」の楽しみは、大会前日夜の「監督会議&懇親会」
すなわち「前夜祭」から始まる。
何故この「前夜祭」が重要なのか?と言えば、少し理由がある。
それは、ツナカップ大会は、全国のドラゴン・ペーロン大会で唯一、
「地元チーム数より県外参加チーム数の方が多い」大会だからである。
つまり、静岡県の大会でありながら、東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪、
兵庫などの県外チームが多数集結する訳だ。
大会運営上、あまり多くのチームを集める訳では無い、概ね20チーム
前後に限定されている、したがって、大会申し込み期間はおよそ1週間
と極めて短く、しかもすぐ定数に達し、場合により抽選になるなど、
エントリーするだけでも大変な、超人気の大会だ。
多数の県外チームが参加するため、近年の本大会は「おもてなし大会」
としての様相を強めている。様々な「選手達が喜ぶ事」を色々と工夫
している大会であり、参加選手達の満足度は特Aクラスと非常に高い。
旧来は県外と言っても、主に関東系のチームが中心に来ていたが、
近年、当ブログの記事などで、この大会の内容が関西のチームにも
知られ始め、関西からも多数のチームが参戦するようになってきている。
この為、「前夜祭」においては、関東・関西と中部(静岡・愛知)の
選手達の交流会の様相となっていて、非常に良い雰囲気だ。

さて、「前夜祭」の会場は、「エスパルスドリームプラザ」である、
ご存知、ここ清水のプロサッカーチーム「清水エスパルス」の関連施設
である。
この場所は、JR清水駅から南に約1.5km、静岡鉄道新清水駅からは、
南に約1kmという、歩くには微妙な距離であるが、いずれの駅からも
15分おきに無料の送迎バスが出ているので、アクセスは不便では無い。
「エスパルスドリームプラザ」、通称「ドリプラ」は、商業施設、
遊興施設、マリーナ、等からなる複合施設であり、大阪のATC等と
雰囲気が似ているベイフロントの施設だ、ここでドラゴン大会が可能だ
ということから、大阪ATCでもドラゴン大会を実施したのであったが、
ATCにはマリーナが無く、ドラゴン大会実施の為の桟橋設置等の
海上設備の費用がかかりすぎるという問題があって、現在は継続が
難しい状況だ。
また、「ツナカップ」も旧来は、JR清水駅前の「江尻港」で行われて
いたのだが、富士山の世界遺産登録後、観光客が増えた事から、
観光船の航路変更等があり、ドラゴン大会のコースを取る事が難しく
なってしまった。昨年2015年では、この為、従来の200m戦を
止めて150m戦に短縮して大会が行われたのだが、これはこれで、
超短距離戦として面白い事がわかった。
今年2016年は、大会会場を、この「ドリプラ前」のマリーナに移し
明日は、昨年同様の150m戦でレースを行う予定となっている。
さて、今年も「ドリプラ」内での「はとばキッチン」において、
ツナカップの前夜祭が行われる。本記事ではその模様を紹介して
行こう。

まずは静岡ドラゴンボート協会理事長のYさんの挨拶から。
本ツナカップが清水で開催されるようになった事の中心人物である。
協会役員である他、地元チーム「鈴与龍舟」のメンバーでもある。
本大会は今年で6回目となるが(注:台風による中止1回を含む)
初期の1~2回は、「なんとか清水でドラゴン大会を実施する」という
感じで地元運営側は必死であった様相だし、第1回大会の入賞チーム
も「海猿火組」「鈴与龍舟」「静岡県協会」と地元チームばかりであった。
しかし、大会3~4回目ともなると、余裕が出てくる、その際、本大会
の特徴として、前述のように「県外チームの参戦が多い」という点が
表面化してくる。この頃から、地元チームは、でしゃばらずに
「おもてなし」を行うというコンセプトに変化してきた。
その事は、運営側がそう考えていただけではなく参加側でもはっきり
とわかり、ずっと観戦撮影を行っていた私にも、勿論参加チームの
選手達にも、しっかりと伝わって来るようになった。
当ブログのツナカップ観戦記事でも「おもてなし」というキーワードが
頻繁に出てくるようになったのも、その頃からであった。
今年、理事長Y氏は、大会パンフレットの文章や、この挨拶に
おいても「おもてなし」の5文字を明確に表現するようになっていた。
これが本大会「ツナカップ」のコンセプトであり、最大の特徴と
なった訳だ。

前夜祭の参加人数は結構多い、60~70名くらいであろうか・・
東京、大阪等、各地の選手達も集まってきている。

本大会の噂を聞いた、JDBA(日本協会)の役員Sさんも、急遽
本大会に視察参加する事となった。
Sさんは、翌日の大会を見て「参加チームもしっかりしたチーム
ばかりだし、運営もスムーズで見事だ、解説も良い」など、
べた褒めという感じで好印象であった模様だ。

前夜祭の参加者は、主に県外遠征チームの選手達だ。
何故ならば、彼等は前泊しているからであり、地元や近距離の
選手達は大会当日の移動となるからであろう。
写真は大阪のチームの選手達。なんだか、いつもの大阪近郊の
大会のような雰囲気(ノリ)であり、私としては、静岡の大会に
彼等が居る方が、むしろ不思議なイメージだ。
まあでも、大阪のチームは近畿圏でのドラゴン・ペーロン大会が
多数ある事から、意外という感じで県外遠征は多くない。
加えて近畿圏の大会では、彼等は大会運営の重責を担う事が殆どだ、
だから、今回は旅行気分もあり、かつ「おもてなし」を受ける立場だ。
なので、まずその段階で、かなり皆さんは気分良く盛り上がれる事で
あろう。
まあ、飲みすぎて明日の大会に影響しなければ良いが・・(汗)
で、大阪の選手からこんな話を聞いた、
大「静岡では、皆さん結構飲まれますか?」
匠「はい、下手すると、この後2次会3次会に連れて行かれますよ、
で、大会当日に二日酔いで漕げなかった選手もいる位です」
大「ひょえ~ 気をつけなくちゃ」
匠「大会前に、”恐怖のエアロビ”という長時間の準備運動があるの
ですよ、二日酔いに加えて、エアロビでヘロヘロになります」
初期の頃は、「もしかすると、県外強豪チームを弱体化させる為の
静岡チームの陰謀か?(笑)」という説もあったのだが、本大会が
「おもてなし」大会となってきてからは、その疑いも晴れた(笑)

「はとばキッチン」の飲食は、一般的なバイキング形式であるが、
食べ物の種類は多く、加えて、特に充実しているのが、アルコール
類とデザートだ。
アルコール類に関しては、一般的なものに加え、リキュール類等も
用意されている為、自身でカクテルのようなものも作れてしまう。
私は、バーボンの「I.W.ハーパー」のハイボールを作って何杯か
いただいた。
ウィスキー党の大阪の選手Kさんとすれ違ったので、
匠「お酒、色々ありますよ、飲んでますか?」
K「はい、勿論!」
という感じだ。
懇親会の参加費は実費だが、大阪等の居酒屋の相場よりも
だいぶ安価であり、飲食がこの内容であれば文句が無い。

さて、一応これは「監督会議」の場でもあるので、明日の大会での
レーン抽選会を行う。
従来は単にレーン番号をくじ引きして、エクセルの表に即時入力、
プロジェクターでそれを表示するという「デジタル」であったのだが、
静岡県協会のIさんいわく、
I「今年はアナログにしましたよ」
とのこと。
何の事か?と思いきや、「マグロの一本釣り」をチーム代表選手が
行うのだ。
紙のマグロには磁石がついていて、釣り竿でそれを吊り上げる、
マグロの裏にはレーン番号が書いてあるという仕組みだ。
単純な事なのだが、これが意外に盛り上がる。
さすがに「おもてなし大会」である、随所に参加選手達を喜ばせる
仕掛けがあるのだ。
選「えいっ!」
っと、マグロを吊り上げて、レーン番号が決まる、
選「あ~”bp”と当たったよ!(汗)」
明日の大会は「チャレンジ」「混合(MIX)」「チャンピオン」の
3カテゴリー制なのだが、今年はちょっと趣向を変えて、
「バトル・ロワイヤル戦」となっている。
本来のバトル・ロワイヤルとは、古代ローマで、多くの戦士たちが
戦って最後に残った人が勝者となるという試合形式の事なのだが、
明日の大会では、各カテゴリーに関係なく、2艘建てマッチレースを
行って、2回戦のタイムを合計し、各カテゴリー別に上位チームが
3位決定戦と決勝戦を行うという仕組みだ。
カテゴリーを無視した試合形式は、ドラゴン界では初であろう、
静岡協会は、こうした初めての方式に意欲的にチャレンジしていて、
例えば、カテゴリーは「実力別方式」であるのだが、地方ペーロン大会
を除き、ドラゴンの大会で「実力別カテゴリー分け」を最初に採用した
のも、この静岡の「御前崎大会」あるいは「ツナカップ大会」であった
と記憶している。
その他にも、8人漕ぎあるいは16人漕ぎなどの少人数化で参加の
敷居を下げたり、150mの超短距離戦なども静岡が初めてだと思う。
また、実現はしなかったが、ドラゴン界初の「ターン戦」も検討した
事もあった(舵がとても難しいそうだ)
これらの様々な新しい試みも、地方大会ならではと言えるだろう、
選手権クラスの公式大会では、ルール上、なかなか実現できない
事も、地方大会であれば任意だ。
普段のルールとは異なる斬新な大会を体験できる事も、
選手満足度を高める要因になりうる。

東京からの選手達、「CICライジングスター」が中心という感じかな?
皆さん、前夜祭を楽しんで頂いている様子だ。
そういえば、先ほど、大阪の女子選手とこんな話をしていた
大「ここに来て知らない人ばかりなので、匠さんが居て安心しました」
匠「なんで? 東京とかからも、皆常連のチームばかりでしょう?」
大「でも、あまり話をした事が無いし・・」
匠「せっかくの懇親会、色々と交流してやってください」
そう、ドラゴンは団体競技であるが意外とチーム間交流は多くは無い、
通常、他のチームはライバルであるし、各大会で見かける機会が
多くとも、あまり話しをする事は無いのだと言う。
まあそうであれば、やはりこういう懇親会の場は重要だ、特に大阪の
チームは近畿圏での大会数が多い為、大会のその日に会場入りし、
運営や選手として忙殺され、他チームと話をする余裕は無いので
あろう。

さて、レーン抽選は順調に進んでいる。
前夜祭に不参加のチームは、スタッフが代理でレーン抽選を行うが
まあ、バトルロワイヤル形式なので、どのレーンを引いても問題は
無い。
「強豪チームと当たって大変だ」という話もあったが、良く良く考えて
みれば、タイムはカテゴリー別に集計されるので関係は無い。
むしろ強豪と当たる経験は重要だし、上手くすれば、強豪チームの
漕ぎに触発されて、なんとか喰らいついていけば、1~2秒タイムが
伸びるかもしれないので、強豪と当たった方が得かも知れないのだ。

さて、私の方は、明日の解説(MC)を担当する「スナオさん」
(写真右)との打ち合わせだ。
「スナオさん」は名解説者であるが、地元静岡県の人であり、関西の
チームに関しては、当然あまり情報が入ってこない。
そこで、各チームの特徴、出自、近年の戦績などの情報をスナオさん
に伝えて、明日の解説の参考にしていただくのだ。
スナオさんは当ブログも読んでいただいているので、近畿圏であった
としても各大会の情報はお持ちなのだが、記事はチーム別に整理した
情報では無い。
明日の大会に参加する関西チームは「bp」「芦屋人」「打艇龍舟」
「どやめきツナイト」の4つ、それから関西ではないが、愛知から
「東海ドラゴン アズーロ」「東海ドラゴン ツナカップ選抜」がある。
他の東京・埼玉・横浜系、および地元静岡のチームは、今回が
初参加という訳ではないのでスナオさんも良くご存知だ。
各チームの情報に関しては、スナオさんは、しっかりノートにメモして
これでまあ明日の解説には十分であろう。喋りそのものに関しては
スナオさんは毎回の大会で定評があり、まったく心配していない。

大阪の「打艇龍舟倶楽部」の選手が、だいぶ盛り上がっている模様だ。
匠「スイーツは食べましたか? ここは充実していますよ」
打「はい、食べましたよ!」
実は、ドーナツを自分で焼く事も出来るので、なかなか楽しいのだが
焼きあがるのに時間がかかるのが難点だ、今回はそれは諦めて、
出来合いのスイーツを取りに行ってこようか。

トッピング類も充実しているので、ちょっとアレンジしてみた。
2時間はあっと言うまに過ぎて、そろそろ締めだ。
静岡県協会の人から
静「はい、皆さん、外に集まってください、記念写真を撮ります」
ということで、私は2階に上がり、そこから撮影する。

この状況、毎年の事だが、光が均一で無いので難しいんだよね(汗)
持ってきているカメラも小型のコンパクト機1台なので、この距離で
届くフラッシュも無い。
まあでも、ここ数年でカメラの高感度化が進み、暗い場所でも、なんとか
手持ちで撮れるようになってきている、本大会が始まった5~6年前頃
では、意外にもカメラの高感度化は、まだ未発達であったのだ。

さて、いい感じで「前夜祭」は終了。
気になる点としては、明日は朝から雨模様が予想されている事だ。
そういえば、昨年の大会でも朝のうちは雨であったのだ。
でも、「強い雨男(雨女)」は居ないのか(笑)、本大会で1日中雨と
なった事は無い、まあ、明日雨になっても、きっと途中で止むで
あろう、天気予報もそんな感じだ。
一部の選手達は2次会に出かけた模様だ。
私は「ホテルに帰ってカメラを充電する」とか言って、2次会は
パスさせてもらった。
まあ、実際充電とかの準備はあるし、二日酔いになったら撮影が
大変なので、あしからず・・
という事で、次回、大会当日の記事に続く・・