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【熱い季節2015】第2回大阪南港ATCドラゴンボート大会(後編)

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2015年8月9日(日)に行われた、第2回大阪南港ATCドラゴン
ボート大会の模様より、後編。

昨年より始まったこの大会は、大阪・南港のATC(アジア
太平洋トレードセンター)という商業施設で行われでいる。
商業施設での大会ゆえの特徴としては、本大会においては、
レースそのものと同様に、親子体験乗船会や集客イベントと
しての目的も重んじているという事だ。

これは、これまで競技志向の強かったドラゴンボート界にとっては
新たな風潮である、すなわち、ドラゴンを選手達だけの物ではなく
人を呼べるイベントに変革していく、という意味であり、むしろ、
今後、ドラゴンボートというスポーツがよりメジャーなスポーツに
発展していく上では、必須の方向性であると思っている。
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さて、こちらは、「エキスパートの部」に出場の「すいすい丸」
京都のチームである。

一昨年くらいまでは「中堅チーム」というイメージであったが、
昨年あたりから急速に実力をつけてきている。
今年の戦績を見ても、地元の宇治大会で準決勝進出(3位相当)、
7月の日本選手権でも準決勝進出、その翌週の京丹後ドラゴンカヌー
大会では(女子の部で)優勝している。
日本選手権からユニフォームを一新、黒一色の精悍なイメージとなった
匠「地元の宇治大会から新ユニフォームにしたらよかったのに」
す「あは、間に合わなかったんですよ。で、スポンサーがつきました」

見ると、ユニフォームの後ろに「喜撰茶屋」との記載がある、
匠「あ、塔の島の(注:宇治大会の会場の目の前)お茶屋さんですね」

そう、ドラゴン界においては、企業名を冠するチームは古くから
いくつか存在していたが、スポンサーがつくチームは、さほど
多くは無い。
スポンサーがつくというのは、つまり「注目に値するチーム」という
事だ。まあ「すいすい丸」は京都で唯一のドラゴン専業チームだし、
実力も急成長中、となれば、確かに注目度は高いであろう。

匠「もっと強くなったら、”bp”さんみたいに、スポンサー名が
  ユニフォームに書ききれない位になりますよ」
す「あは、そうなりますかねぇ・・」

まあ、スポンサーがつけば、当然、格好悪いところは見せないよう
にと、練習量も増えるし、結果的に強くなる。好循環ということだ。
この話も、冒頭に書いたように「観客の目線を意識する」という事に
つながる、ドラゴンのメジャー化の第一歩の良い例だと思っている。
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さて、レースの方であるが、「チャレンジの部」の2回戦が進行中だ、
ドラゴンへ入門、ということでエントリーの敷居を下げたこの
カテゴリー、まあ、順位よりも参加することに意義があるという事で
参加費も安く、順位による賞品以外に特別賞などを用意している。

「実力別カテゴリー制度」の1つの例であり、今後、各大会で、
こうしたレギュレーションは増えてくると思われる。

写真は「ATCカメさん」チームである、予選1回戦では兄弟チーム
の「ATCうさぎさん」はレース1位となったのだが、「カメさん」は
ちょっと伸び悩みである。実は、本日初めてドラゴンを漕ぐ方ばかりで
少々危ないかな?ということで、ドラゴン専業チームから新人選手を
2名ほど借りて補充していたのだが、まあ、その程度では急激に速く
なるわけでもなく、結果的には「カメさん」ペースということだ(汗)
でも、やはり、初めてのドラゴンはなかなか楽しかったみたいで、
こうした経験から、少しでもドラゴンに興味を持つ人が増えて
くれれば良いのだろうと思う。
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こちらは「チームJP」、チームJPは郵便局のチームで、兄弟チーム
として2チームがエントリーしている、区別がつきにくいが、恐らくは
「チームJP泉北」の方たちだと思う。
本大会チャレンジの部の優勝候補の「ドリーマーズ」、そして
「JP堺」「JP泉北」は、いずれも、大阪・高石市の「堺泉北大会」
の常連チームである。

従来、地方大会の地元チームは、その土地の大会にしか出場しないと
言うのが普通であったが、古くから相生の「南風(なんぷう)」は各地
の大会に遠征していたし、滋賀県高島市のペーロン出身の「松陽台」
(しょうようだい)も、ドラゴンのスモール選手権にも出場している。

「南風」や「松陽台」はもとより、「奴RUN海」(相生)、
「しげる」と「加藤家」(鳥取)、「闘龍者」(愛知)、
「漕げルンです」(静岡)、「ニライカナイ」(東京)、
「ドリーマーズ」(大阪)あたりは、地元大会出身とは言え、
「ドラゴン専業チーム」並みの実力を持ち、それゆえに他地区の
大会にも積極的に遠征しているのだが、今後、さらに、地元ビギナー
チームが他地区大会に参加するケースも増えてくるであろう。

具体例として「メタルスタイリスト福田」(京都)「タカラドラゴン」
(滋賀)、「わいるどふぁーむ」(大阪)「Gドラゴン」(東京)、
あたりが、今後アクティブに他地区大会に出場してくると予想される。

こうした「地元チームの他地区参戦」は、ドラゴン界にとってみれば
非常に好ましい状況だ、実のところ、「ドラゴン専業チーム」の数は
限られ、夏場などは、ほぼ毎週のようにドラゴン大会に出場する状態
になっている、当然疲弊するし、有力なスポンサーでもつかない限り
は費用負担も大変なものであろう。
各大会への参加チームを増やしたり、底上げする為には、こうした
「地元チーム」がどんどん伸びてきてくれるしか方法が無いと思う。

これを実現するには、「地元チーム交流委員会」のような組織を
作るのが良いと思う、関西圏各地の地方大会の代表者(これは、
ドラゴン協会とは限らず、市役所、商工会、地元有志など、様々だ)
が年に1~2回集まって、各大会の情報交換をしたり、大会日程が
かぶらないように調整したりする、で、他地区大会の情報を各々の
地元チームに提供する。
たったそれだけだ、会費も運営資金も不要だ、難しいことでは
あるまい。

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さて、ATC大会「チャレンジの部」の決勝進出チームは結果的に
以下のとおり(予選タイム順)
「ドリーマーズ」「Rスポーツマンクラブ年寄り」「チームJP堺」
「チームふじしろGB」
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写真は、決勝進出が決まって喜ぶ「チームふじしろGB」の選手達、
まあ、今回が初ドラゴンで、昨日の練習会で1度漕いだだけのチーム
なのだが、素質はあると思っていたが、見事、決勝進出となった。
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こちらは、左が「マーメイド」(こいさんず)のベテラン女子選手、
もうドラゴン歴が18年ということだ、旧天神大会から変わった
日本選手権にずっと出場しつづけていたのだが、ATC大会
には今回初参戦、
マ「天神(日本選手権)は、チームのレベルが高いから大変、
  このATC大会は楽しんでできるし、環境も良いですね」
とのことだ。
写真右は、「ドリーマーズ」である、マーメイドの選手の頭に
乗ったドラゴンの飾りものを見て
ド「同じ匂いがするなあ・・」
ということで、マーメイドの選手と話をしていた。

”同じ匂い”とは、ここでは”目立ちたがり”という意味であろう、
ただ、それは、再三述べている「観客目線の、見せるドラゴン」が
ドラゴンの発展の為に必須である、という視点からは大変好ましい
事であると思う。宇治大会の「仮装」のように、もっと派手にしても
良いし、プロレスの例に倣えば、”覆面ドラゴン”は、すでに
「ドリーマーズ」や「クマもっこり」が実践しているから、あとは
”悪役ドラゴン”とか、”スター選手”とか、”無冠の帝王”とか
”地元の星”とか、そういうチームや選手が出てくれば非常に面白い。

観客の目線からは、今の段階では”ドラゴンのチームは全て同じ”
に見えてしまうのだ、それは、各大会で、まったくドラゴンを
知らない観客などに私が色々とヒヤリングした経験からの話であり、
観客が興味を持ってドラゴンを観戦できるようにするには、
”ひと目でわかる”特徴を持つ選手やチームの存在が必須だ。

そうなってくれば、自然にスポンサーもつく。スポンサーをつける
には「お願いします」と頭を下げに行っても無理だ、宣伝としての
費用対効果がクライアントに認められなければ、出資はありえない。
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さて、こちらは、「エキスパートの部」の予選2回戦の模様、
めずらしく、ベテラン「打艇龍舟倶楽部」(写真左)が蛇行、
隣の「Rスポーツマンクラブ若手」に、あわや接触しそうになった。

近年の大会では「蛇行」はほとんど見ない、専業チームのレベルが
とても上がってきているし、「打艇」も地方大会で2連覇の実績を
持つベテランチームだ。
すると、ちょっとコースのコンディションが厳しくなってきている
可能性がある、確かに、この会場特有(旧、北港と同様)の、
午後から海風が強くなり、波が立ってくる、という悪条件が
そろそろ出てきた模様だ。 
しかし、レースはあとはチャレンジとエキスパートの各決勝を
残すのみ、なんとか、コースコンディションがこれ以上悪く
ならなければ良いのだが・・

ちなみに、やはりエキスパートの部での午後の2回戦は、各チーム
タイムを落とし、ベストタイム制の本大会は、全て1回戦のタイムで
決勝進出が決まってしまった。以下、タイム順で決勝進出チーム、
「bp」「クマもっこり」「吹田龍舟倶楽部」「すいすい丸」

「bp」の予選レコードは、51秒、「すいすい丸」の決勝進出
ギリギリのタイムは1分1秒であった、「bp」は予想よりはるかに
速かったが、決勝進出タイム1分ジャストは、ほぼ予想通りの展開。

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さて、14時半からの、2回目の親子体験乗船会もかなり盛況で
あった、22人艇を同時に3艇出したのだが、これ以上は同乗する
スタッフの人数が足りない、なにせ、太鼓、舵が各3名、加えて
1艇あたり最低4名くらいは漕手としてスタッフが乗らないと
さすがにビギナーの親子だけでは艇が進まないであろう。
結局3艇で、20名近くのスタッフが必要になってくる、でもまあ
この人数は減らすのは難しいし、まあ、体験乗船会が盛況で
あれば良いという事で、嬉しい悲鳴というところ。

そして依然暑い、結局、今年の大阪は、このATC大会以降も
さらに酷暑の猛暑日(=最高気温35℃以上)が続き、結局、1ヶ月
近くものあいだ真夏日(=最高気温30℃以上)が続いていた。

ATC大会の行われた8月上旬は、各地で暑さがピークとなった
時期であり、全国での、熱中症患者の数が、毎日ニュースとなる
くらいであった。
ATC大会の観客も、この暑さで長く観戦できない、昨年の本大会
はあいにくの雨であったが、その時と同様に、観客に恵まれない。
ATCの館内には沢山の買い物客や観光客が溢れている状況で
あったので、いかにして暑さを避けながらドラゴンレースを快適に
観戦できるようにするか、が、今後の重要な課題になる事であろう。
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まあ、いちおう、暑さ対策ではないのだが、選手向けには上写真の
ようなシャワー設備が完備している。勿論、体験乗船のお客さんに
使ってもらっても、まったく差し支えは無いのだが、まあ体験乗船
のお客さんは着替えを持ってきてはいないだろうから、実質上は
シャワーを使えない。大会の新聞広告等に、シャワーありと
記載しておくのも良いかも知れない。

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さあ、残すレースは2つのみ、チャレンジの部とエキスパートの部の
各決勝だ、レースコンディションは正直悪い。海風と波が強くなって
きている。おまけに、昨年の例からすると、ATC港のスタート地点
は埠頭の隅にあたり、三角波により、かなり荒れる。

このままだと決勝戦のスタートは、艇が揃わず苦戦する事であろう。
こうした状況なので、艇を無理に揃えようとせず、順位戦であるから
まあ、条件がだいたい合えばOK、という風にしてもらわないと、
”レースを見ているお客さんが、興味を失ってしまう”という大問題
が発生する。そう、競技をやっているのは勿論選手達なのだが、
選手達が一番偉いという訳ではない。レースを見に来てくれる
お客さんが一番なのだ、その感覚の転換が選手やスタッフも
できないと、ドラゴンはいつまでたってもマイナースポーツのままだ。

ビギナーチームが2つ出ているチャレンジの部では、スタートが
揃わない傾向がますます顕著か?と心配していたが、意外に
すんなり揃ってスタートとなった。

スタートがあまりに心配だったので、私も撮影場所を、コース全体が
見渡せるATCのウミエール広場(海が見える、ちょっと高い広場)
に変更し、そこから見ていた。

さあ、チャレンジの部の決勝がスタートした、100m地点くらい
から、上位2チーム、すなわち「ドリーマーズ」と「Rスポーツマン
クラブ年寄り」が、他の2チーム「JP堺」「チームふじしろGB」
を大きくリード、一騎打ちの様相となった。

ゴール直前・・・
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匠「おっと、やはり”ドリーマーズ”がちょっと速いか、
  でも思ったより僅差だったな、1秒以下の差というところか・・」

チャレンジの部の結果だが、
1位:ドリーマーズ 1分04秒
2位:Rスポーツマンクラブ 年寄り 1分05秒
3位:チームJP堺 1分14秒
4位:チームふじしろGB 1分15秒
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「ちーむふじしろGB」は、初ドラゴンながら決勝進出と大健闘、
まあ、結果は4位となったが、素質は十分というところか。
翌年のATC大会も、いや、翌年と言わず、各地のドラゴン大会
にも是非出場してもらいたいと思う。
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こちらが、「チームふじしろGB]のメンバーだ、そして、
この大健闘が認められ、敢闘賞扱いの「特別賞」として表彰され、
「さんふらわあ」フェリーの別府行きチケットをGETした。

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「ドリーマーズ」は、このタイムであれば、「エキスパートの部」
でもいけそうに思うが、まあ、今後「実力別カテゴリー制」での
ビギナーの部の優勝チームの翌年の処遇をどうするか、
というのは、まだ色々と検討の余地があるところ。

ちなみに、静岡の「御前崎市長杯」では、ビギナーの部の
優勝チームは翌年は半強制的に(汗)上のカテゴリーに編入。

また、滋賀の「びわこ高島ペーロン大会」では、ビギナーの部の
優勝、準優勝のチームは、翌年度、上位カテゴリーへの”参加費の
差額が補助される”という仕組みだ。(これはなかなか”粋”だ)

あるいは、兵庫の「相生ペーロン競漕」では、ビギナーの部では
ないが、上級カテゴリーに、1部と2部があり、1部の最下位と
2部の最上位のチームが翌年は入れ替わる制度となっている。

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さあ、残るレースは、「エキスパートの部」の決勝のみだ。
時刻は15時35分、予定より15分ほど速いのだが、このあたりは
時間が押すことを仮定して、ちょっとゆったりのレース予定表を組んで
あった。ATC港が15時以降荒れることを予想して、スタッフ達も
「最大30分くらいなら巻いても良い(早くても良い)」という
話をしていた事を聞いている。
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案の定、スタートが揃わない。風と波に押し戻され、艇が斜めに
なってしまうのだ、2度ほど全艇が入りなおす。

時間は刻々と過ぎ、スタート調整で既に10分を経過している、
観客はこの暑さで、さほど多くは無いが、それでも勿論、暑い中
この決勝戦を観戦してくださっている観客の方々も居る。
彼ら観客の、興味、集中力、暑さへの耐性などを考慮するともう
タイムリミットきりぎりだ、早くスタートしなくてはならない。

選手(チーム)達は、お金を払って大会に参加しているので、
まあ、お客さんの一種であると言えるだろう。すると、こうした
お客さん(観客や選手)への配慮は、報酬を貰っているスタッフが
最も意識しなければならない事であろう。見る(参加する)興味を
失ってしまうような大会であれば、誰もドラゴンボートに注目しなく
なってしまう。

Attention Go!

さあ、やっとレースがスタートした、時刻は15時48分、
予定が15時50分だから、まあ、オンタイムだ。

ちなみに、巻き(早目の進行)でOKという話もあったが、あまり
早くなってしまうのも好ましくない。何故ならば、大会の時間割り
は複数会の新聞広告や、7千部以上のチラシ、パンフレットにより、
非常に多くの一般客に告知されているのだ。
たとえば、15時50分から決勝レース開始ということは公知で、
その時間にレースを見に来て、すでに決勝が終わっていたら、
お客さんは、どう思うであろうか・・?

こうした「気配り」が、今のドラゴン界に欠けている重要な要素
だと思う。大会の運営そのものに関しては、数多くの大会の実施
実績や経験によりまったく問題ない、しかし、ドラゴンは現状では
マイナースポーツであるが故に、観客目線や、CS、すなわち
顧客満足度を意識した運営を行っていない。このあたりの顧客満足を
大幅に上げていかないと、観客も集まらず、興味ももてず、スポンサー
もつかない、そうなればドラゴン大会は縮小の一途だ。

お金の話をすれば、例えば、チームから徴収する参加費というのは
単純にチーム数を掛け算すれば誰でも計算できると思うが、まあ
100万円~200万円程度だ。対して、ドラゴン大会の実施費用は
その数倍かかってしまう、これで、どうやって大会を運営できると
言うのだろうか?要は、赤字になったとしても、そこに意義があれば
良いのだ、意義とかいうとなんだか格好が良いのだが、現実はもっと
シビアで、観客数とか、広告宣伝効果とか、そういう実質的な結果が
求められる世界なのだ。
スポンサーになってくれと頭を下げに行っても、どんな企業ですら
そこに投資する意味を見出さなければ、話を聞いてくれるはずもない。

ドラゴンに関わる人達は、スタッフはもとより、選手達も、もっと
そのあたりを真剣に考える必要があると思う。さもないと、単に
自分達の自己満足のままで終わってしまう。それではアマチュア
のミュージシャンと同じだ、演奏や歌が上手ければ、良い音楽を
作れば、いつか皆がそれを認めてくれると信じている、しかし、
それがビジネスや意義につながっていかないと、続けることすら難しく
なって来るのではなかろうか?まあ「自腹での趣味だから問題ない」
と思っている人が多いかもしれない、しかし、音楽はともかく、
ドラゴンの世界では、大会の場が無くなってしまえば、活動そのもの
も出来ないわけだ。現に、練習場所に苦労しているチームも多い事
だろうし、そういう意味では、「自分たちが好きな事を続ける為に
行う努力」は、必須であり、義務であるとも思う。

「誰かがやってくれるだろう」「誰かがやれば良い」という訳では
なかろう、自分が好きな事をやるために、自分が動くのは当然だ。
それはプロだろうがアマだろうが、仕事だろうが趣味だろうが
関係ない真理だ、やる気がなければ、どんな事でも続かない。

ATC大会を続けることで、ここが将来的に、大阪市で唯一の
マリンスポーツ拠点にまで発展していけば、ここでドラゴンの練習も
し放題だ、大会だってもっと簡単に、年に何度も出来るようになる。
その夢を実現するのは、選手やスタッフ、皆の意識改革が必要なのだ。

余談が長くなったが(汗)、決勝レースの途中であった・・
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中盤100m地点、思ったほとチーム間の差はついてない、
手前1レーンから「吹田龍舟倶楽部」「クマもっこり」「bp」
「すいすい丸」の順だ。
昨年の本大会では、雨の中「bp」三兄弟(bp、DDT,都島)
と「吹龍」の決勝となって、「bp」三兄弟が入賞を独占した。

今年は「bp」は1チームだけ、まあ、海外大会遠征を翌週に控えて
いる状況なので、よく1チームだけでも参加していただいた、と言う
べきであろう。でも、まあ、他のチームには入賞のチャンスだ。

幸い「bp」は、予選で見せたような圧倒的な速度(51秒)ではない、
コース条件もだいぶ悪化している。「bp」のタイムは恐らく55~
56秒程度であろう、他チームは、ここで踏ん張らないでどうする、
さあ、行っけ~! 良いレースを観客に見せてやるんだ。

結果は予選タイムどおりの順位展開で、それぞれに2~3秒程度
コース条件の悪化分をアドオンした状況になった。

1位;bp 54秒
2位:クマもっこり 58秒
3位:吹田龍舟倶楽部 1分0秒
4位:すいすい丸 1分4秒

予想通りと言えば予想通りなのだが、まあ、波乱が起こりにくい
というのも、悪く言えば、ドラゴンボートレースの欠点だ。

例えばカーレースや、陸上競技、球技等であれば「抜きつ抜かれつ」
という試合(レース)展開が当たり前だ。

「そりゃあ、ドラゴンは水上競技だし、おまけにこんな短距離の
 レースならば、そんな展開は無理だよ」と皆は言うかも知れない、
まあ、その通りだけど、でも、観客目線というのは、そういう理屈で
割り切れるものでは無い、初めから結果がわかっているのならば
「ハラハラ・ドキドキ」という重要な観戦要素も無くなってしまう。

私が思うに、国際競技である「ドラゴンボート」は真面目すぎるの
かも知れない、短距離200m直線といったルールでは、
実力通りの展開にしかなりえない。
たとえば、ターン有りの「ペーロン」であれば、もっと波乱が多い、
それが必ずしも「ドラゴンより適切だ」と言うわけではないが、
まあ、もう少し「ゆるさ」があった方が観客には楽しいのでは
なかろうか、と、近年ではそう思う事が多い。

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ということで、第二回ATC大会は無事終了。
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チャレンジの部の優勝に喜ぶ「ドリーマーズ」
彼らは、目立ちたがり屋さんなのかも知れないが、普段の、派手な
コスプレーヤーだらけのATCを知る私の感覚では、もっともっと
目だって欲しいくらいだ・・そういう意味でも、ドラゴン界は真面目
すぎるように思ってしまう。
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表彰式も無事終了。

来年の展開としては、ATCが「アジア太平洋トレードセンター」で
ある事や、周辺にフェリーなどの海外航路が多くある事をもとに
「国際大会」として実施できれば面白いと思う、国際交流や観光誘致
という大儀名文があれば、行政の支援も期待できるかもしれないし・・

なお、本大会の観戦では、一般観客に混じって、私の友人・知人の、
企業の社長さんや、大学の教授、タレントのたつを君、大阪市観光局
の課長さんなど多数の方が興味を持って来ていただいている。
中には体験乗船会でドラゴンに乗っていただいた方も何人か居る。

これら来場していただいた方々に、感謝の意を述べるとともに、
同様に選手の皆さんも、多くの家族、友人、知人などが観戦・応援や
体験乗船に来ていただいている事にも感謝したいと思う。

ドラゴン大会は選手達だけのものではなく、また、協会スタッフだけに
より運営されているわけもない。
多くの人達に支えられて、初めて大会が成り立ち、そして、大会や
ドラゴン界全体を盛り上げていくためには、そうした観客やサポーター
あるいはスポンサーの存在が必須になるのだ。
その事を、非常に強く、痛感したのが、このATC大会であった・・

次回大会記事(びわこペーロン)に続く・・

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