安価な中古ミラーレス機とマニアックなレンズでコスパの
良い「アダプター遊び」を楽しむシリーズ、第36回目。
今回はまず、このシステムから、

カメラは、Panasonic LUMIX DMC-G5
中古で1万円台後半の「高コストパフォーマンス機」である。
高ISO、ピントの山の見易さ、MF拡大やデジタルズームの操作系
に優れ、MFオールド望遠レンズのアダプター母艦として適切だ。
(ただしピーキング機能は無い。G6であればその機能があるが、
EVFが仕様変更になってしまい、G5の方が若干ピントは見易い)
レンズは、MINOLTA MD TELE ROKKOR 200mm/f4 だ。
1970年代後半のMFレンズであり、絞り優先、シャッター優先に
対応している、同時代のMINOLTA XD等の両優先機で使うのが
適切であると思うが、私は銀塩時代は、主にX-700で本レンズを
使用していた。
ちなみに、「いまのキミはピカピカに光って」というBGMで、
宮崎美子がジーパンを脱ぐCMで大ヒットしたMINOLTA X-7
は、このレンズの数年後の1980年の発売である。
さて、MD 200/4 であるが、マイクロフォーサーズ機である
DMC-G5 に装着すると、400mm相当の画角となり、かなりの
望遠である。

このレンズは4群6枚。いわゆるゾナー系に近いレンズ構成
だと思われるが、感覚的に、この手の望遠レンズは、遠距離
被写体においては、f5.6~f8程度まで絞り気味で使うのが、
解像感やコントラストが上がって、気持ちよく撮れる。
ただ、それもケースバイケースであり、中~近距離撮影に
おいてはボケを活かし、絞りを開けて使うのも良い、
ただし、その場合には、背景ボケ質の破綻が出る場合もある
ので、それを絞り値調整や背景の選択で回避する必要がある。
まあ、銀塩時代であれば、例えば前述の XDやX-700の
最高シャッター速度は、僅かに1/1000秒までであったので、
ISO100のフィルムを使用しても、光線状況によっては
シャッター速度が足りず、レンズを絞って使うしか無かった。
現代のミラーレス機においては、ISO感度の調整は勿論可能
ではあるが、最低ISOはあまり低くならず、例えば本機G5
では、ISO160が最低感度であり、1/4000秒シャッターで
あっても絞って使わざるを得ない場合もある。
まあ、ND(減光)フィルターを装着するという方法はあるが、
あまり真面目に撮るようなレンズでもないので、そのあたり
は絞るなり、暗い被写体を探すなり、適当でも良いと思う。
そして、G5を使う1つのメリットとして、ボディ上面の
ファンクションレバーに、デジタルズーム(最大2倍まで
連続)をアサインできる事がある、これで、本レンズは
単焦点ながら、400~800mm/f4 相当の、実用的な
超望遠ズームとして使用できる訳だ。

こちらは、さらにデジタル・テレコンを加えて、
デジタル・ズームと組み合わせ、2千数百mm相当で手持ち
撮影している(手ブレ補正機能は無いので、勿論要注意だ)
ちなみに、パナソニックのミラーレス機の用語では、
(デジタル)テレコンと(デジタル)ズームの意味が反対に
なっている、本来は不連続なのがテレコンで、連続的なのが
ズームであるが、メーカー用語ではそれが逆なのだ。
これは非常にわかりにくいので、本シリーズ記事では、
メーカーの決めた用語は無視して、一般的な写真用語として
通じる方を使って説明している。
で、デジタルテレコンやデジタルズームを使うと画質の
劣化が激しい、というのはいつも書いてある通りであるが、
まあ、マスターレンズ(=これは主レンズという意味、
実物のテレコンを使う場合は、2つのレンズがあるので
主と副で区別するという慣習がある。が、デジタルでは勿論
テレコンは実在せず、あくまでバーチャルなのではあるが、
その慣習により、この書き方をしている)の性能にも画質劣化
の度合いは依存する。本レンズは描写力が悪いレンズでは
無いので、ある程度デジタル系で拡大しても大丈夫な模様だ。

ただし、近接性能は、最短撮影距離が2.5mと、やや不満だ。
オールドの望遠レンズは、このように最短が長い場合が多く、
そして、2.5mとかそれ以上となると、感覚的に想像するよりも
はるかに長い撮影距離に感じてしまう。
以前より、例えば、第20回記事のRF250/5.6でも、「最短が
2.5mなのが、3m以上にも思える」と書いたのだが、それ以降
最短2.5m以上級のレンズをいくつか使った時も、同様に
それが3m以上あるように感じてしまう、これは私の距離感覚の
問題である可能性が高いが、それにしても寄れないという事は
大いに不満である。

本レンズは、200mm/f4という、MF時代のごく一般的な
望遠レンズのスペックであるのだが、このMD200/4は
それらの中でも、悪く無い方である、という認識だ。
MDレンズの時代は、一眼レフが一般ユーザーに普及し始めた
時期であり(前述の宮崎美子CMのX-7の例などもしかり)
一般向けにカメラもレンズも各社とも小型化が進んでいた。
ミノルタも、それ以前のMC型に対してMD型は小型化されたので
あるが、同時に、若干性能を落としてしまったものも多い。
ただ、MDの望遠系のレンズは、さほど性能を落とす事がなかった
ように思え、その1例が本MD200mm/f4だと思う。
(ちなみに、MC200/4とMD200/4はレンズ構成が異なる)
本レンズの購入価格は、1990年代に中古で15000円であった、
ちょっと高すぎたとは思うが、第一次中古カメラブームで
あったので全体的に相場は高めであった。
現代であれば、仕様的に特徴が無く、玉数も多い本レンズは
数千円の価格で購入可能であろう。相場的には6000~7000円
が妥当であるが、性能的に考えると1万円くらいはしても
おかしくない。
高倍率ズームレンズや、デジタルズームなども実用的な現代で
あるから、あまり200mm単焦点レンズの必要性は多くないとは
思うが、もし、安価でそこそこ写る200mmが必要な場合は、
本レンズという選択肢もあると思う。
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さて、次のシステム。

カメラは、お馴染み、SONY NEX-7
レンズは、キヤノン (New) FD 28mm/f2 である。
1979年発売のMFレンズである。旧F-1の時代のレンズで
あるが、私は、主に中古のNew F-1に着けて使用していた。
28mm/f2といえば、第24回記事でのMINOLTA MC28/2、
第35回記事でのPENTAX SMC 28/2を紹介しているが、
いずれもレンズ構成が複雑で、鏡筒が望遠レンズ並みに長い
「長焦点型」であった、これらのレンズは、そこそこ高価であったのに、
ボケ質や逆光耐性に課題があり、正直、好きでは無いレンズだ。
今回は「長焦点型」では無い28mm/f2だ。しかも、キヤノン
MF時代の「FD広角f2 三兄弟」すなわち、24/2,28/2,35/2
はどれも定評がある。すでに第4回記事でFD35/2を、第22回で
FD24/2を紹介しているが、いずれも優秀なレンズであったので、
今回の28/2も期待が大きい。

日陰はまずOK,でもこの撮影日の天気は、晴天と曇天とが
入れ替わりにやってくる。
で、太陽光がさしてくると・・
「あちゃ~ フレアが出るよ!(汗)」
太陽が出ている状態で逆光になると、画面内の光のあたる
部分が広範囲に白っぽくなる。典型的なフレアであるが、
これは,そういうレンズ性能(欠点)の他、カビの可能性もある。
しばらく使っていなかったレンズなので、防湿庫の中に
入っていたとは言え、カビているかも知れない。
レンズを外してチェックするが、カビはどうやら大丈夫な模様。
ならば、こういう性能か? 以前使っていたときは、
「FD広角f2 三兄弟」は、どれも優秀だったいう印象だが、
これは何故に?
まあ良い、フレアを回避するため、今回も「日陰者」生活だ(笑)

日陰の撮影であれば特に問題は無い、カビでもなさそうだし、
やはりレンズ性能なのか・・?
そういえば、各社の三兄弟レンズには優秀なものが多い。
例えば、「OM中望遠f2 三兄弟」(OM85/2,OM90/2,OM100/2)
「SIGMA 大口径広角三兄弟」(AF20/1.8,AF24/1.8,AF28/1.8)
「PENTAX FA-Limited三兄弟」(FA31/1.8,FA43/1.9,FA77/1.8)
などである。
でも、思うに、その中に1つだけ「ハミ子」(仲間はずれ)
がある場合も多い、例えば、OMは85/2、SIGMAはAF20/1.8
PENTAX はFA31/1.8なのだが、これらはちょっと他の2本
に比べて描写力的に見劣りしてしまう。(とは言え、優秀
である事は間違い無いが、他の兄貴分がさらに凄いのだ)
「FD広角f2 三兄弟」も28/2だけイマイチなのか・・??

う~ん、なんとも微妙な判定だ、フレアが出る場合もあれば
さほどでも無い場合もある、「日陰者」や順光に徹して
撮るのであれば逆光耐性は問題は無い、けど、そんなに
色々と撮影条件に制限のあるレンズだったかなあ?
何かレンズの調子がおかしいのかも知れない、機会があれば
またちょっと使ってみてから判断するとしよう。
ちなみに最短撮影距離は30cmと28mm広角としては一般的。
レンズ構成は9群10枚とやや複雑だ、これは前記「長焦点型」
と同様の複雑な構成である。(これは描写力的には不利だ)
本レンズの購入価格は、1990年代に18000円であった、
これは若干安かったと思う、なにせ、MD28/2は24000円、
SMC 28/2は、29000円もしていたのだ。
それら高くてイマイチなレンズに比べては安価ではあったが
フレア問題は、ちょっと追加検証が必要な模様だ、いずれ
機会があれば、再度別な撮影条件で試してみる事にしよう。、
さらに、確か、もう1本28/2があったので、それとも比較して
みる事にしようか。
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さて、次のシステム。

カメラは、SONY NEX-3 、MF性能に課題をかかえる為、
主にEマウントでの「トイレンズ母艦」としている。
レンズは、OLYMPUS BODY CAP LENS FISH EYE
BCL-0980 9mm/f8 である。
「ちょっとまてよ、マイクロフォーサーズ用レンズでは
無いのか?」
と思った人は、正解! その通りである。
すでに、第22回記事で、OLYMPUS E-PL2に本レンズを
装着して紹介しているが、本来はマイクロフォーサーズ
専用の魚眼レンズだ。(以下μ4/3)
μ4/3用レンズを、Eマウント機に装着するマウントアダプター
は存在する、上写真で着けているのがそれである。
しかし、μ4/3用AFレンズは、通常絞り環が存在しない、また、
下手すると同規格のボディでないと、AFはおろかMFも動かない
かも知れない。
すると、MFで、かつ絞りがあるμ4/3レンズしか、Eマウントに
装着できない。具体的にはフォクトレンダー・ノクトン系、
サムヤン(韓国製)、コーワ(日本製)、そして、この
オリンパス・ボディキャップ、ミラーレンズ、およびLOMOや
HOLGA等のトイレンズあたりしか無いと思う。
(注:ボディキャップレンズやトイレンズには絞り環は無い、
そもそも固定絞りなのだ。だが、一応、条件は満たしている)
じゃあ、このアダプターは何に使うか?といえば、
本来は「マイクロフォーサーズ用のマウントアダプターを
Eマウント機で使用するためのアダプター」なのだ。
これを使えば、μ4/3とEで同じアダプターを重複購入する
必要は無い、μ4/3版のアダプターだけ買っておけば、この
アダプターを併用して、Eマウントでもそれが使える訳だ。
で、銀塩用オールドレンズを使う場合は、イメージサークル
は十分大きいので、μ4/3であろうが、EマウントAPS-Cで
あろうが、Eマウントフルサイズであろうが使用できる。
しかし、前述のマイクロフォーサーズ専用(MF)レンズは、
いずれもイメージサークルがμ4/3サイズであると想像でき
APS-C機に装着すると、元々が小さいセンサー(撮像素子)
専用のレンズであるから、APS-Cの画面周辺まで光が行き
届かず、ケラれる(画面周囲が暗くなる)という現象が起こる
可能性が非常に高く、一般的な感覚では「使い物にならない」
(使ってはならない)組み合わせである。
ただ、今回はあえてその「使ってはならない」組み合わせを
試している訳だ。

今回使用する BCL-0980 は、「対角線魚眼レンズ」である。
一般的に、銀塩(フルサイズ)用の対角線魚眼レンズを
APS-C機や、μ4/3機に装着すると、画角が狭くなるとともに
魚眼の歪み(ディトーション)効果が殆ど失われてしまう。
まあ、それはそういう原理なのでやむを得ない、なので
最近は(フルサイズではない)ミラーレス機で、魚眼レンズ
を用いる場合は、あえて、その減少した歪曲を前提に作画する
手法を色々と模索していた(やや歪む広角レンズとしての利用)
だが、BCL-0980 は、μ4/3機においても、対角線魚眼
効果を出せるように設計されたレンズである。
では、それをもし、μ4/3に比較して画角が1.4倍相当に
なるAPS-C機に装着するとどうなるのか?
もしイメージサークル(レンズ後玉からフィルムや撮像素子
(センサー)に対して投影される光束の径)が十分に大きいので
あれば、フルサイズ用魚眼がAPS-C機でディストーションが
減ったのとは逆の現象が起こり、より魚眼効果が強調されるの
ではなかろうか?
という理屈である。
つまり、これをすると「スーパー魚眼レンズになるかも」
という期待があったわけだ。
しかし、案の定、画面周囲にわずかにケラレが出る、
(ただ、思ったよりはケラれない)
ケラれはちょっとうっとうしいので、以降、ほんの僅かだけ
周囲をトリミングして掲載しよう。

魚眼効果が助長されているのか? と問われれば
ちょっと微妙だ、よく曲がっている(笑)ようにも思えるし、
こんなものだ、という感じでもあり、良くわからない(汗)
「スーパー魚眼レンズ」にはならなかったようにも思える。
だが、発色が凄い、いわゆる「オリンパスブルー」か?
ただ、私は、その「オリンパス・ブルー」の俗説にはあまり
賛同できない。オリンパスのレンズはMF時代から現在まで
何百機種も存在するし、デジタルカメラだって、コンパクトや
一眼・ミラーレスも含めれば何百機種も存在しているだろう、
それらの全て、あるいは特定の組み合わせで「オリンパス・ブルー」
の特徴的な発色が出る訳でも無いだろうし、だいたい、カメラの
設定だって、彩度やホワイトバランス、さらにはISO感度や
露出補正をいじくってしまえば、青の色味は大きく変化する。
勿論、その時の被写体(青空など)の状況もある。
つまり、オリンパスのカメラを買えば誰でも特徴的な青を
出せる訳では無いと思っている。

余談だが、私は、CANON IXY L、および IXY L2という10年
以上も前のクラッシックなコンパクト・デジカメを、現在に
いたるまで計3台も使っているのだが、それは何故かと言うと、
IXY Lを、日中でISO感度50、露出補正-0.3という設定で使うと、
オリンパスブルーよりさらに強烈な「IXY ブルー」とも言うべき、
強く濃い青の発色をするのだ。それが非常に特徴的な描写なので、
同じカメラを3台も使いつづけている訳だ。
特にIXY Lを晴天時に使うと青空の深い青色がとても印象的である、
これは、初期のデジカメなので、色再現性に問題があったの
だろう(新しいIXYでは改良され正しい色味になっている)
でも、その弱点を特徴にしてしまうのは確信犯かも(笑)

こちらが、IXY L2で撮った写真である。
さらに余談だが、3台目のIXY L2は、最近BOOK OFFという古本の
チェーン店で購入した(近年、BOOK OFFは、家電製品の中古を
扱っている場合もある)価格は何と 500円!(税別)
安価な理由は充電器が欠品してい為だ。
店員さんから「充電器がありませんので、充電できませんよ」
と念を押され「いいんです(充電器は)持っていますから」
と喜び勇んで購入、非常に安価であったので満足だった。
(ちなみに、同一バッテリーが使える機種の中古購入で、
充電器欠品の物を狙うと、価格がとても安くなるので嬉しい)
で、今回、NEX-3の画像設定は「VIVID」であり、露出補正は
被写体状況に応じて適宜行っている。f8と暗いレンズなので
ISO感度はAUTOとしているが、日中なので、ほとんどの場合
ISO100~200程度の低感度に自動設定されている事であろう。
この状態では、NEX-3の初期のキットレンズである、E16/2.8を
用いても、同様に比較的濃い青の色味が得られる場合がある、
色についての余談が長くなったが、今回の着目点は、
「対角線魚眼より見かけ画角が広くなるスーパー魚眼は
成り立つか否か?」という評価であったのだが、
まあ、「微妙」という結論にしておこう・・
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さて、次は今回のラスト。

カメラは、お馴染みDMC-G1
レンズは、ヤシカML 50mm/f2である。
本レンズは、京セラ(コンタックス)の傘下に置かれた
時代(1970年代後半以降)のヤシカのレンズである。
よってマウントも、Y/C(ヤシカ・コンタックス)
(RTSマウントとも言われる)である。
コンタックス・ブランドのプラナー等のレンズとも互換の
マウントであり、コンタックスの銀塩MF一眼に装着しても
絞り優先等で使用できる。勿論、ヤシカの同時期のMF一眼の
FR/FXシリーズなどでも使用できる。現代、アダプターで利用する
上では、Y/C用を買ってくれば、それで問題なく使える。
ML系標準レンズには、多くの種類が存在し、50/1.4,50/1.7
50/1.9,50/2 さらに、55/1.2や55mmマクロもある。
加えて、M42時代のDS/DX/DSBレンズも加えるとかなりの数と
なるが、まあ、M42版とY/C版はレンズ構成が同じものも多い。
富岡光学製とも言われているが、マミヤ、トキナー、コシナが
製造していた時期もあると言われている。

外観はややチープであり、上位機種のプラナー50/1.4,50/1.7
等と比べると少々安っぽく感じる、勿論中古相場もコンタックス
ブランドよりもかなり安価に流通していた。
しかし、そのチープさとは裏腹に、比較的良く写る。
本シリーズ記事では、MF時代の50mm標準は、どれも良く写り
しかも、小口径(f1.7~f2)級は、さらによく写る、と何度か
書いているが、本レンズも同様であり、特に「ヤシカだから
非常に良い」という訳でも無い。
50mm標準レンズとしては、同時代(1980年前後)であっても、
f1.2級のレンズも存在し、f2と言ったら最も暗い類の標準
レンズである。ただまあ、ヤシカの銀塩MF一眼レフの最高
シャッター速度は、1/1000秒~1/2000秒であったので、
ISO100程度のフィルムを使うのであれば、明るいレンズは
簡単にシャッター速度オーバーになってしまう可能性もあった。
これ以降の時代のCONTAX製MF一眼を使うならば、1/4000秒
以上のシャッターを搭載している機種も多かったので、それで
あればf2級の明るさのレンズは問題なく使えるが、高価な
CONTAX一眼と、ヤシカの小口径標準の組み合わせは価格的に
アンバランスだ(カメラの価格がレンズを大きく上回っては
ならないという、本ブログのコンセプトはこの時代でもあった)
なので銀塩時代には、CONTAXカメラにはプラナー50/1.4等を
装着し、気軽にヤシカを持ち出す時は、安価なFX-3 Super2000
(コシナ製OEMカメラで、レンジ機BESSAの元になった機体。
1990年代発売で、安価だが1/2000秒シャッターが使え重宝した)
にヤシカMLレンズを装着する事も多かった。

銀塩MF標準レンズを使う際、大口径版(f1.4前後)と小口径版
(f1.8前後)の使い分けであるが、まず大口径版は勿論大きな
ボケ量を得られるし、最短撮影距離も、おおむね45cmと
まずまず寄れる。小口径版は、ボケ量も少なく、最短も
50~60cmとあまり寄れない、まあ、このあたりはメーカーも
ラインナップの上下で差別化をするために、あえて小口径版は
最短撮影距離を長くしていたのかも知れない。
よって、小口径は近接撮影がしずらいため、さらにボケ量の
(調整範囲が)少なくなる。
そういう特徴があるので、「大口径は開けて使う、小口径は
絞って使う」というのが一般的な使い分けであろう。
後年、同一メーカーの大口径と小口径のレンズ2本で
それぞれ絞りを変えながら解像度チャートを撮影して実験した
事があるのだが、その時にわかったのは、大口径版は、
f1.4開放~f5.6あたりまでは解像度が低く、f1.7~f5.6の
絞り値の範囲では、小口径版の方が解像度の数値が上回る
という事であった、それを超えてf8より絞り込むと、今度は
大口径版の方が僅かに解像度が上回る。
すなわち、大口径版は絞りの値による描写特性の変化が大きく、
「開放で甘く、絞ってシャープ」という事になる。
これはどこかで聞いたセリフであるが、第20回記事で紹介した
「復刻トプコール58mm/f1.4」発売時のコシナ社のキャッチ
コピーと同じだ、つまり、MF銀塩時代(1960~1980年代)の
各社の大口径標準は、多かれ少なかれその傾向があるという事だ。
その後、1990年代~2000年代前半のAF銀塩時代は、
ズーム全盛期となり、単焦点標準レンズの新規開発は、ある意味
放っておかれた時代である(作っても売れない)なので、AFの
単焦点標準レンズはMF時代のものを、そのままAF化しただけの
ものも多かった。
だが、2000年代後半以降、デジタル時代になると、逆にズーム
全盛期な故に、個性的な高性能の単焦点の市場ニーズも増え、
各社とも優秀な単焦点レンズの開発を再び開始した、
最新の各社の単焦点レンズは、「お試しバージョン」とも言える
安価なラインナップと、上級者向けの「超高性能バージョン」
が存在している。後者は特に最新の設計や最新の素材・技術を
用いて、超高画素対応に加え、絞り開放から高性能を発揮するとの
ことであるが、いかんせん価格が高くなってしまい、そう簡単に
は買えないのが辛い所である。

さて、本レンズであるが、最短撮影距離50cm、f2の小口径故に、
ボケを活用した作画表現はしにくい、よって、前述のように、
やや絞り気味での気軽な撮影に向くという事になる。
特徴は、特に無く(汗)そこそこ写るし、逆光耐性もさほど
悪くない、また、ボケ質の破綻もあまり起こらない、
あまりにオーソドックスで、やや拍子抜けしてしまう。
もう少しアクがあった方が、このレンズを持ち出す意味が
出てくるのだが・・他にもヤシカ標準レンズは何本か所有
しているので、わざわざ本レンズを選択する意味があまり無い。

本レンズの購入価格は不明である。
実は1990年代に、ヤシカFRだったか何かのボディを購入した
際に、付属していたか、おまけにつけてくれたのか、そんな
感じであった。まあ、あえて金額をつけるとすれば、2000円
位だと思う。
ちなみに、2010年前後の「中古レンズ大放出時代」に購入した
ヤシカDSB50/1.9は、ジャンクであったが、2000円という
価格だったので、それと同等と見れば良いであろう。
現代において、このレンズを「指名買い」で購入する必然性
は無い。けど、ヤシカの標準レンズは、どれを購入しても
たいていハズレは無いので、歴史的意味からも、ヤシカの
どれか1本は必携のレンズであると思う。本家コンタックスの
プラナー標準レンズよりは、はるかに安価(場合により1/10の
中古価格!)なので、両者を所有して、撮り比べをしてみる
のも楽しいかも知れない、もし両者に、さほど差が無いと
思えば、そこで「価格(相場)とは何ぞや?」というあたりを
考えてみるのも良いであろうと思う。
さて、今回はこのあたりまでで、次回記事に続く・・