Quantcast
Channel: 【匠のデジタル工房・玄人専科】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

ミラーレス・マニアックス(36)

$
0
0

安価な中古ミラーレス機とマニアックなレンズでコスパの
良い「アダプター遊び」を楽しむシリーズ、第36回目。

今回はまず、このシステムから、

c0032138_9143527.jpg

カメラは、Panasonic LUMIX DMC-G5

中古で1万円台後半の「高コストパフォーマンス機」である。
高ISO、ピントの山の見易さ、MF拡大やデジタルズームの操作系
に優れ、MFオールド望遠レンズのアダプター母艦として適切だ。
(ただしピーキング機能は無い。G6であればその機能があるが、
EVFが仕様変更になってしまい、G5の方が若干ピントは見易い)

レンズは、MINOLTA MD TELE ROKKOR 200mm/f4 だ。



1970年代後半のMFレンズであり、絞り優先、シャッター優先に
対応している、同時代のMINOLTA XD等の両優先機で使うのが
適切であると思うが、私は銀塩時代は、主にX-700で本レンズを
使用していた。

ちなみに、「いまのキミはピカピカに光って」というBGMで、
宮崎美子がジーパンを脱ぐCMで大ヒットしたMINOLTA X-7
は、このレンズの数年後の1980年の発売である。

さて、MD 200/4 であるが、マイクロフォーサーズ機である
DMC-G5 に装着すると、400mm相当の画角となり、かなりの
望遠である。
c0032138_9152334.jpg

このレンズは4群6枚。いわゆるゾナー系に近いレンズ構成
だと思われるが、感覚的に、この手の望遠レンズは、遠距離
被写体においては、f5.6~f8程度まで絞り気味で使うのが、
解像感やコントラストが上がって、気持ちよく撮れる。

ただ、それもケースバイケースであり、中~近距離撮影に
おいてはボケを活かし、絞りを開けて使うのも良い、
ただし、その場合には、背景ボケ質の破綻が出る場合もある
ので、それを絞り値調整や背景の選択で回避する必要がある。

まあ、銀塩時代であれば、例えば前述の XDやX-700の
最高シャッター速度は、僅かに1/1000秒までであったので、
ISO100のフィルムを使用しても、光線状況によっては
シャッター速度が足りず、レンズを絞って使うしか無かった。

現代のミラーレス機においては、ISO感度の調整は勿論可能
ではあるが、最低ISOはあまり低くならず、例えば本機G5
では、ISO160が最低感度であり、1/4000秒シャッターで
あっても絞って使わざるを得ない場合もある。
まあ、ND(減光)フィルターを装着するという方法はあるが、
あまり真面目に撮るようなレンズでもないので、そのあたり
は絞るなり、暗い被写体を探すなり、適当でも良いと思う。

そして、G5を使う1つのメリットとして、ボディ上面の
ファンクションレバーに、デジタルズーム(最大2倍まで
連続)をアサインできる事がある、これで、本レンズは
単焦点ながら、400~800mm/f4 相当の、実用的な
超望遠ズームとして使用できる訳だ。
c0032138_916168.jpg

こちらは、さらにデジタル・テレコンを加えて、
デジタル・ズームと組み合わせ、2千数百mm相当で手持ち
撮影している(手ブレ補正機能は無いので、勿論要注意だ)

ちなみに、パナソニックのミラーレス機の用語では、
(デジタル)テレコンと(デジタル)ズームの意味が反対に
なっている、本来は不連続なのがテレコンで、連続的なのが
ズームであるが、メーカー用語ではそれが逆なのだ。
これは非常にわかりにくいので、本シリーズ記事では、
メーカーの決めた用語は無視して、一般的な写真用語として
通じる方を使って説明している。

で、デジタルテレコンやデジタルズームを使うと画質の
劣化が激しい、というのはいつも書いてある通りであるが、
まあ、マスターレンズ(=これは主レンズという意味、
実物のテレコンを使う場合は、2つのレンズがあるので
主と副で区別するという慣習がある。が、デジタルでは勿論
テレコンは実在せず、あくまでバーチャルなのではあるが、
その慣習により、この書き方をしている)の性能にも画質劣化
の度合いは依存する。本レンズは描写力が悪いレンズでは
無いので、ある程度デジタル系で拡大しても大丈夫な模様だ。
c0032138_9164315.jpg

ただし、近接性能は、最短撮影距離が2.5mと、やや不満だ。
オールドの望遠レンズは、このように最短が長い場合が多く、
そして、2.5mとかそれ以上となると、感覚的に想像するよりも
はるかに長い撮影距離に感じてしまう。

以前より、例えば、第20回記事のRF250/5.6でも、「最短が
2.5mなのが、3m以上にも思える」と書いたのだが、それ以降
最短2.5m以上級のレンズをいくつか使った時も、同様に
それが3m以上あるように感じてしまう、これは私の距離感覚の
問題である可能性が高いが、それにしても寄れないという事は
大いに不満である。
c0032138_91748.jpg

本レンズは、200mm/f4という、MF時代のごく一般的な
望遠レンズのスペックであるのだが、このMD200/4は
それらの中でも、悪く無い方である、という認識だ。

MDレンズの時代は、一眼レフが一般ユーザーに普及し始めた
時期であり(前述の宮崎美子CMのX-7の例などもしかり)
一般向けにカメラもレンズも各社とも小型化が進んでいた。

ミノルタも、それ以前のMC型に対してMD型は小型化されたので
あるが、同時に、若干性能を落としてしまったものも多い。
ただ、MDの望遠系のレンズは、さほど性能を落とす事がなかった
ように思え、その1例が本MD200mm/f4だと思う。
(ちなみに、MC200/4とMD200/4はレンズ構成が異なる)

本レンズの購入価格は、1990年代に中古で15000円であった、
ちょっと高すぎたとは思うが、第一次中古カメラブームで
あったので全体的に相場は高めであった。
現代であれば、仕様的に特徴が無く、玉数も多い本レンズは
数千円の価格で購入可能であろう。相場的には6000~7000円
が妥当であるが、性能的に考えると1万円くらいはしても
おかしくない。

高倍率ズームレンズや、デジタルズームなども実用的な現代で
あるから、あまり200mm単焦点レンズの必要性は多くないとは
思うが、もし、安価でそこそこ写る200mmが必要な場合は、
本レンズという選択肢もあると思う。

----
さて、次のシステム。
c0032138_9173846.jpg

カメラは、お馴染み、SONY NEX-7
レンズは、キヤノン (New) FD 28mm/f2 である。

1979年発売のMFレンズである。旧F-1の時代のレンズで
あるが、私は、主に中古のNew F-1に着けて使用していた。

28mm/f2といえば、第24回記事でのMINOLTA MC28/2、
第35回記事でのPENTAX SMC 28/2を紹介しているが、
いずれもレンズ構成が複雑で、鏡筒が望遠レンズ並みに長い
「長焦点型」であった、これらのレンズは、そこそこ高価であったのに、
ボケ質や逆光耐性に課題があり、正直、好きでは無いレンズだ。

今回は「長焦点型」では無い28mm/f2だ。しかも、キヤノン
MF時代の「FD広角f2 三兄弟」すなわち、24/2,28/2,35/2
はどれも定評がある。すでに第4回記事でFD35/2を、第22回で
FD24/2を紹介しているが、いずれも優秀なレンズであったので、
今回の28/2も期待が大きい。
c0032138_9182157.jpg

日陰はまずOK,でもこの撮影日の天気は、晴天と曇天とが
入れ替わりにやってくる。

で、太陽光がさしてくると・・
「あちゃ~ フレアが出るよ!(汗)」

太陽が出ている状態で逆光になると、画面内の光のあたる
部分が広範囲に白っぽくなる。典型的なフレアであるが、
これは,そういうレンズ性能(欠点)の他、カビの可能性もある。

しばらく使っていなかったレンズなので、防湿庫の中に
入っていたとは言え、カビているかも知れない。
レンズを外してチェックするが、カビはどうやら大丈夫な模様。
ならば、こういう性能か? 以前使っていたときは、
「FD広角f2 三兄弟」は、どれも優秀だったいう印象だが、
これは何故に?

まあ良い、フレアを回避するため、今回も「日陰者」生活だ(笑)
c0032138_9191312.jpg

日陰の撮影であれば特に問題は無い、カビでもなさそうだし、
やはりレンズ性能なのか・・?

そういえば、各社の三兄弟レンズには優秀なものが多い。
例えば、「OM中望遠f2 三兄弟」(OM85/2,OM90/2,OM100/2)
「SIGMA 大口径広角三兄弟」(AF20/1.8,AF24/1.8,AF28/1.8)
「PENTAX FA-Limited三兄弟」(FA31/1.8,FA43/1.9,FA77/1.8)
などである。

でも、思うに、その中に1つだけ「ハミ子」(仲間はずれ)
がある場合も多い、例えば、OMは85/2、SIGMAはAF20/1.8
PENTAX はFA31/1.8なのだが、これらはちょっと他の2本
に比べて描写力的に見劣りしてしまう。(とは言え、優秀
である事は間違い無いが、他の兄貴分がさらに凄いのだ)

「FD広角f2 三兄弟」も28/2だけイマイチなのか・・??
c0032138_9194353.jpg

う~ん、なんとも微妙な判定だ、フレアが出る場合もあれば
さほどでも無い場合もある、「日陰者」や順光に徹して
撮るのであれば逆光耐性は問題は無い、けど、そんなに
色々と撮影条件に制限のあるレンズだったかなあ?
何かレンズの調子がおかしいのかも知れない、機会があれば
またちょっと使ってみてから判断するとしよう。

ちなみに最短撮影距離は30cmと28mm広角としては一般的。
レンズ構成は9群10枚とやや複雑だ、これは前記「長焦点型」
と同様の複雑な構成である。(これは描写力的には不利だ)

本レンズの購入価格は、1990年代に18000円であった、
これは若干安かったと思う、なにせ、MD28/2は24000円、
SMC 28/2は、29000円もしていたのだ。

それら高くてイマイチなレンズに比べては安価ではあったが
フレア問題は、ちょっと追加検証が必要な模様だ、いずれ
機会があれば、再度別な撮影条件で試してみる事にしよう。、
さらに、確か、もう1本28/2があったので、それとも比較して
みる事にしようか。

----
さて、次のシステム。
c0032138_9201969.jpg

カメラは、SONY NEX-3 、MF性能に課題をかかえる為、
主にEマウントでの「トイレンズ母艦」としている。

レンズは、OLYMPUS BODY CAP LENS FISH EYE
BCL-0980 9mm/f8 である。

「ちょっとまてよ、マイクロフォーサーズ用レンズでは
 無いのか?」
と思った人は、正解! その通りである。

すでに、第22回記事で、OLYMPUS E-PL2に本レンズを
装着して紹介しているが、本来はマイクロフォーサーズ
専用の魚眼レンズだ。(以下μ4/3)

μ4/3用レンズを、Eマウント機に装着するマウントアダプター
は存在する、上写真で着けているのがそれである。

しかし、μ4/3用AFレンズは、通常絞り環が存在しない、また、
下手すると同規格のボディでないと、AFはおろかMFも動かない
かも知れない。

すると、MFで、かつ絞りがあるμ4/3レンズしか、Eマウントに
装着できない。具体的にはフォクトレンダー・ノクトン系、
サムヤン(韓国製)、コーワ(日本製)、そして、この
オリンパス・ボディキャップ、ミラーレンズ、およびLOMOや
HOLGA等のトイレンズあたりしか無いと思う。
(注:ボディキャップレンズやトイレンズには絞り環は無い、
そもそも固定絞りなのだ。だが、一応、条件は満たしている)

じゃあ、このアダプターは何に使うか?といえば、
本来は「マイクロフォーサーズ用のマウントアダプターを
Eマウント機で使用するためのアダプター」なのだ。
これを使えば、μ4/3とEで同じアダプターを重複購入する
必要は無い、μ4/3版のアダプターだけ買っておけば、この
アダプターを併用して、Eマウントでもそれが使える訳だ。

で、銀塩用オールドレンズを使う場合は、イメージサークル
は十分大きいので、μ4/3であろうが、EマウントAPS-Cで
あろうが、Eマウントフルサイズであろうが使用できる。

しかし、前述のマイクロフォーサーズ専用(MF)レンズは、
いずれもイメージサークルがμ4/3サイズであると想像でき
APS-C機に装着すると、元々が小さいセンサー(撮像素子)
専用のレンズであるから、APS-Cの画面周辺まで光が行き
届かず、ケラれる(画面周囲が暗くなる)という現象が起こる
可能性が非常に高く、一般的な感覚では「使い物にならない」
(使ってはならない)組み合わせである。

ただ、今回はあえてその「使ってはならない」組み合わせを
試している訳だ。
c0032138_921273.jpg

今回使用する BCL-0980 は、「対角線魚眼レンズ」である。

一般的に、銀塩(フルサイズ)用の対角線魚眼レンズを
APS-C機や、μ4/3機に装着すると、画角が狭くなるとともに
魚眼の歪み(ディトーション)効果が殆ど失われてしまう。

まあ、それはそういう原理なのでやむを得ない、なので
最近は(フルサイズではない)ミラーレス機で、魚眼レンズ
を用いる場合は、あえて、その減少した歪曲を前提に作画する
手法を色々と模索していた(やや歪む広角レンズとしての利用)

だが、BCL-0980 は、μ4/3機においても、対角線魚眼
効果を出せるように設計されたレンズである。
では、それをもし、μ4/3に比較して画角が1.4倍相当に
なるAPS-C機に装着するとどうなるのか? 

もしイメージサークル(レンズ後玉からフィルムや撮像素子
(センサー)に対して投影される光束の径)が十分に大きいので
あれば、フルサイズ用魚眼がAPS-C機でディストーションが
減ったのとは逆の現象が起こり、より魚眼効果が強調されるの
ではなかろうか? 

という理屈である。
つまり、これをすると「スーパー魚眼レンズになるかも」
という期待があったわけだ。

しかし、案の定、画面周囲にわずかにケラレが出る、
(ただ、思ったよりはケラれない)

ケラれはちょっとうっとうしいので、以降、ほんの僅かだけ
周囲をトリミングして掲載しよう。
c0032138_9221551.jpg

魚眼効果が助長されているのか? と問われれば
ちょっと微妙だ、よく曲がっている(笑)ようにも思えるし、
こんなものだ、という感じでもあり、良くわからない(汗)

「スーパー魚眼レンズ」にはならなかったようにも思える。

だが、発色が凄い、いわゆる「オリンパスブルー」か?

ただ、私は、その「オリンパス・ブルー」の俗説にはあまり
賛同できない。オリンパスのレンズはMF時代から現在まで
何百機種も存在するし、デジタルカメラだって、コンパクトや
一眼・ミラーレスも含めれば何百機種も存在しているだろう、
それらの全て、あるいは特定の組み合わせで「オリンパス・ブルー」
の特徴的な発色が出る訳でも無いだろうし、だいたい、カメラの
設定だって、彩度やホワイトバランス、さらにはISO感度や
露出補正をいじくってしまえば、青の色味は大きく変化する。
勿論、その時の被写体(青空など)の状況もある。
つまり、オリンパスのカメラを買えば誰でも特徴的な青を
出せる訳では無いと思っている。
c0032138_9225657.jpg

余談だが、私は、CANON IXY L、および IXY L2という10年
以上も前のクラッシックなコンパクト・デジカメを、現在に
いたるまで計3台も使っているのだが、それは何故かと言うと、
IXY Lを、日中でISO感度50、露出補正-0.3という設定で使うと、
オリンパスブルーよりさらに強烈な「IXY ブルー」とも言うべき、
強く濃い青の発色をするのだ。それが非常に特徴的な描写なので、
同じカメラを3台も使いつづけている訳だ。

特にIXY Lを晴天時に使うと青空の深い青色がとても印象的である、
これは、初期のデジカメなので、色再現性に問題があったの
だろう(新しいIXYでは改良され正しい色味になっている)
でも、その弱点を特徴にしてしまうのは確信犯かも(笑)
c0032138_9234699.jpg

こちらが、IXY L2で撮った写真である。

さらに余談だが、3台目のIXY L2は、最近BOOK OFFという古本の
チェーン店で購入した(近年、BOOK OFFは、家電製品の中古を
扱っている場合もある)価格は何と 500円!(税別)

安価な理由は充電器が欠品してい為だ。
店員さんから「充電器がありませんので、充電できませんよ」
と念を押され「いいんです(充電器は)持っていますから」
と喜び勇んで購入、非常に安価であったので満足だった。
(ちなみに、同一バッテリーが使える機種の中古購入で、
充電器欠品の物を狙うと、価格がとても安くなるので嬉しい)

で、今回、NEX-3の画像設定は「VIVID」であり、露出補正は
被写体状況に応じて適宜行っている。f8と暗いレンズなので
ISO感度はAUTOとしているが、日中なので、ほとんどの場合
ISO100~200程度の低感度に自動設定されている事であろう。
この状態では、NEX-3の初期のキットレンズである、E16/2.8を
用いても、同様に比較的濃い青の色味が得られる場合がある、

色についての余談が長くなったが、今回の着目点は、
「対角線魚眼より見かけ画角が広くなるスーパー魚眼は
成り立つか否か?」という評価であったのだが、
まあ、「微妙」という結論にしておこう・・

----
さて、次は今回のラスト。
c0032138_9241156.jpg

カメラは、お馴染みDMC-G1
レンズは、ヤシカML 50mm/f2である。

本レンズは、京セラ(コンタックス)の傘下に置かれた
時代(1970年代後半以降)のヤシカのレンズである。
よってマウントも、Y/C(ヤシカ・コンタックス)
(RTSマウントとも言われる)である。
コンタックス・ブランドのプラナー等のレンズとも互換の
マウントであり、コンタックスの銀塩MF一眼に装着しても
絞り優先等で使用できる。勿論、ヤシカの同時期のMF一眼の
FR/FXシリーズなどでも使用できる。現代、アダプターで利用する
上では、Y/C用を買ってくれば、それで問題なく使える。

ML系標準レンズには、多くの種類が存在し、50/1.4,50/1.7
50/1.9,50/2 さらに、55/1.2や55mmマクロもある。
加えて、M42時代のDS/DX/DSBレンズも加えるとかなりの数と
なるが、まあ、M42版とY/C版はレンズ構成が同じものも多い。

富岡光学製とも言われているが、マミヤ、トキナー、コシナが
製造していた時期もあると言われている。
c0032138_9245757.jpg

外観はややチープであり、上位機種のプラナー50/1.4,50/1.7
等と比べると少々安っぽく感じる、勿論中古相場もコンタックス
ブランドよりもかなり安価に流通していた。
しかし、そのチープさとは裏腹に、比較的良く写る。

本シリーズ記事では、MF時代の50mm標準は、どれも良く写り
しかも、小口径(f1.7~f2)級は、さらによく写る、と何度か
書いているが、本レンズも同様であり、特に「ヤシカだから
非常に良い」という訳でも無い。

50mm標準レンズとしては、同時代(1980年前後)であっても、
f1.2級のレンズも存在し、f2と言ったら最も暗い類の標準
レンズである。ただまあ、ヤシカの銀塩MF一眼レフの最高
シャッター速度は、1/1000秒~1/2000秒であったので、
ISO100程度のフィルムを使うのであれば、明るいレンズは
簡単にシャッター速度オーバーになってしまう可能性もあった。

これ以降の時代のCONTAX製MF一眼を使うならば、1/4000秒
以上のシャッターを搭載している機種も多かったので、それで
あればf2級の明るさのレンズは問題なく使えるが、高価な
CONTAX一眼と、ヤシカの小口径標準の組み合わせは価格的に
アンバランスだ(カメラの価格がレンズを大きく上回っては
ならないという、本ブログのコンセプトはこの時代でもあった)

なので銀塩時代には、CONTAXカメラにはプラナー50/1.4等を
装着し、気軽にヤシカを持ち出す時は、安価なFX-3 Super2000
(コシナ製OEMカメラで、レンジ機BESSAの元になった機体。
1990年代発売で、安価だが1/2000秒シャッターが使え重宝した)
にヤシカMLレンズを装着する事も多かった。
c0032138_9252265.jpg

銀塩MF標準レンズを使う際、大口径版(f1.4前後)と小口径版
(f1.8前後)の使い分けであるが、まず大口径版は勿論大きな
ボケ量を得られるし、最短撮影距離も、おおむね45cmと
まずまず寄れる。小口径版は、ボケ量も少なく、最短も
50~60cmとあまり寄れない、まあ、このあたりはメーカーも
ラインナップの上下で差別化をするために、あえて小口径版は
最短撮影距離を長くしていたのかも知れない。
よって、小口径は近接撮影がしずらいため、さらにボケ量の
(調整範囲が)少なくなる。

そういう特徴があるので、「大口径は開けて使う、小口径は
絞って使う」というのが一般的な使い分けであろう。

後年、同一メーカーの大口径と小口径のレンズ2本で
それぞれ絞りを変えながら解像度チャートを撮影して実験した
事があるのだが、その時にわかったのは、大口径版は、
f1.4開放~f5.6あたりまでは解像度が低く、f1.7~f5.6の
絞り値の範囲では、小口径版の方が解像度の数値が上回る
という事であった、それを超えてf8より絞り込むと、今度は
大口径版の方が僅かに解像度が上回る。

すなわち、大口径版は絞りの値による描写特性の変化が大きく、
「開放で甘く、絞ってシャープ」という事になる。
これはどこかで聞いたセリフであるが、第20回記事で紹介した
「復刻トプコール58mm/f1.4」発売時のコシナ社のキャッチ
コピーと同じだ、つまり、MF銀塩時代(1960~1980年代)の
各社の大口径標準は、多かれ少なかれその傾向があるという事だ。

その後、1990年代~2000年代前半のAF銀塩時代は、
ズーム全盛期となり、単焦点標準レンズの新規開発は、ある意味
放っておかれた時代である(作っても売れない)なので、AFの
単焦点標準レンズはMF時代のものを、そのままAF化しただけの
ものも多かった。

だが、2000年代後半以降、デジタル時代になると、逆にズーム
全盛期な故に、個性的な高性能の単焦点の市場ニーズも増え、
各社とも優秀な単焦点レンズの開発を再び開始した、

最新の各社の単焦点レンズは、「お試しバージョン」とも言える
安価なラインナップと、上級者向けの「超高性能バージョン」
が存在している。後者は特に最新の設計や最新の素材・技術を
用いて、超高画素対応に加え、絞り開放から高性能を発揮するとの
ことであるが、いかんせん価格が高くなってしまい、そう簡単に
は買えないのが辛い所である。
c0032138_926563.jpg

さて、本レンズであるが、最短撮影距離50cm、f2の小口径故に、
ボケを活用した作画表現はしにくい、よって、前述のように、
やや絞り気味での気軽な撮影に向くという事になる。

特徴は、特に無く(汗)そこそこ写るし、逆光耐性もさほど
悪くない、また、ボケ質の破綻もあまり起こらない、
あまりにオーソドックスで、やや拍子抜けしてしまう。

もう少しアクがあった方が、このレンズを持ち出す意味が
出てくるのだが・・他にもヤシカ標準レンズは何本か所有
しているので、わざわざ本レンズを選択する意味があまり無い。
c0032138_9262164.jpg

本レンズの購入価格は不明である。
実は1990年代に、ヤシカFRだったか何かのボディを購入した
際に、付属していたか、おまけにつけてくれたのか、そんな
感じであった。まあ、あえて金額をつけるとすれば、2000円
位だと思う。
ちなみに、2010年前後の「中古レンズ大放出時代」に購入した
ヤシカDSB50/1.9は、ジャンクであったが、2000円という
価格だったので、それと同等と見れば良いであろう。

現代において、このレンズを「指名買い」で購入する必然性
は無い。けど、ヤシカの標準レンズは、どれを購入しても
たいていハズレは無いので、歴史的意味からも、ヤシカの
どれか1本は必携のレンズであると思う。本家コンタックスの
プラナー標準レンズよりは、はるかに安価(場合により1/10の
中古価格!)なので、両者を所有して、撮り比べをしてみる
のも楽しいかも知れない、もし両者に、さほど差が無いと
思えば、そこで「価格(相場)とは何ぞや?」というあたりを
考えてみるのも良いであろうと思う。

さて、今回はこのあたりまでで、次回記事に続く・・

Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>