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【熱い季節2018】ドラゴン総集編~ベスト大会編

さて、年末恒例の【熱い季節】ドラボンボートの総集編だ。
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この記事では、本年度(2018年シーズン)に私が観戦した
関西圏のドラゴンボート・ペーロン大会のうち、印象に
残った優良な4大会を順次紹介していく。

なお、今年、関西においては、6月より9月にかけて、
異常とも言える数とレベルの様々な災害に見舞われたのは
ご存知の通りである。
この為、ドラゴン界においても、いくつかの大会の中止や
短縮、そしてチーム所有艇の被害、大会会場や練習会場の
被害、など、痛ましい状況となったのだが、もうこれらは
自然の猛威の為に、やむを得ない節もある。

さて、本記事では「ベスト大会」をチョイスして行こう。
それぞれの大会の特徴をわかりやすくする為、
競技志向、大会環境、エンジョイ度、観戦の楽しさ、の
4項目を、★5つを満点として評価するが・・

それらの順位をつけるという風にはあえてしていない、
それぞれの大会は各々に個性的であり、コンセプトも異なる。
さらには、本記事ランクイン常連の大会もまた、今年は災害
の為に中止になってしまっている。
まあ、そうした観点においては、各大会に順番をつける
という訳にはいかないだろうからだ。

----
さて、今年は前述の異常気象、異常災害といった理由により、
ドラゴン・ペーロン系大会および関連イベントの観戦数は
さほど多くは無い。私が最も多くのそれらを観戦した年次
では年間18回という記録があるが、今年は11回に留まる。
そしてこれは、ローカルな小規模大会や体験乗船イベント
等も含む数である。また、本年度は関西圏(大阪、滋賀、
京都)以外の地域への遠征観戦も行っていない。

で、本記事では関西圏のメジャーな大会にのみに絞って、
その紹介を行う事としよう。

では、評価がよかった「優良大会」を順次紹介していく
事にしよう。なお、ランキングはつけないため、大会の
紹介順番は、総合評価の点数順にはなっていない。
また、大会内容や環境等の変化により、同じ大会でも
評価得点は毎年同じとは限らない。

----
では、まずは最初の大会。

KIX大会(大阪府・関西空港)
競技志向  :★★★☆
大会環境  :★★★★★
エンジョイ度:★★★★
観戦の楽しさ:★★★☆
総合評価  :4.0

JDBA(日本ドラゴンボート協会)主管、和歌山ドラゴン
ボート協会協力の大会。
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今年で15年目を迎えた長寿大会である。
途中、台風での2年連続中止(2013年、2014年)が有る。
また、超強風で沈没艇が多数出た年(2009年、2017年)
もある。

そう、本大会のウィークポイントは、その「風」である。
この「空港島」は、陸から離れて海上にポツンと存在
している。まあ、騒音面や安全面を配慮して、こうした
立地になっているのであろう。

で、ご存知のように、今年2018年9月、「最強台風21号」
の直撃により、関西空港は甚大な被害に見舞われた。
関西最大級の58m/sの記録的な暴風、そして関空の
防潮堤を楽々と乗り越えてくる強烈な高潮で、滑走路が
冠水。さらには強風で操縦不能となった大型タンカーが
空港連絡橋に衝突して、これを破壊。空港内に8000人
もの人達が取り残された。

しかし、そこからの復旧は恐ろしく早く、ほんの1日程で
連絡橋を一部通行可能とし、すぐに一部の航空機の運行
を再開、約2週間後には、大部分の機能を回復し、鉄道
(南海、JR)も復旧し、関空は、ほぼ平常とおりの様相
まで短期間で復活した。

この復旧の早さは特筆すべきであり、タンカーが衝突
した際、実際に、この台風の猛威を経験していない
(注:私も関西在住なので、これを体験しているし
若干の被害も出ている)他地方のTV局のコメンテーター
等は、「関空の安全対策は大丈夫だったのか?」などと
被災地・被災者の心理を逆撫でするような報道をやって
いたのだが、この復旧の早さを見て、そうした傍観者的
なコメントも完全に沈黙した。


で、この台風は2018年9月4日(たまたま、関空の開港
記念日)の襲来であり、今年のKIX大会の開催日は、
9月2日と台風襲来前であった。誰も2日後の大惨事は
予測できない状況ではあったが、一部の海外チームの
選手は「タイフーンが心配だ」と言っていた。

日本人、特に関西人は、近年では台風による大きな
被害を体験していないので、気が緩んでいた節もあった
かも知れないが、この台風以降、関西圏でも一般家庭に
いたるまで、暴風や大雨対策、食料品等の備蓄などの
防災対策を事前に準備する行動・意識が急速に進んだ。
この点だけを見れば、不幸中の幸いであり、とても良い
文化が根付いたと思う。

特に関西圏では、今年は6月の大阪北部地震、7月の
西日本豪雨、7~8月の記録的猛暑(これも災害扱いだ)
逆送台風、ダブル台風、最強台風等の連続的な襲来、
などにより、防災意識がとても高まっている。
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KIX大会の話ではなく、防災対策の話ばかりになって
いるが、ここはむしろ重要だ、もう少しだけ続けよう。

9月30日に開催予定であった人気大会「静岡ツナカップ」
は、台風襲来により中止となったが、大会予定日の
3日前の木曜日に、早々に中止を決定した。

実際に台風はその日に襲来したのだが、その進路予測
の詳細は、まだ発表されていない段階だ、いったい
どうやって台風の進路を知ったのだろう?

実はツナカップの運営側には、現役の「海上保安庁」
の職員が多数居る、彼らから台風進路予測のノウハウを
今回教えてもらった、それは「米海軍サイト」および
「ヨーロッパ中期予報」という2つの気象予測サイトを
参考にする事である。これらは、日本国内で発表される
よりも、はるかに早く、台風の進路を伝えてくれる。

上記サイト(他にもイスラエルとかの予報サイトも
精度が高いらしい)は、半分は「軍事目的」である、
さすがに軍事であれば早め早目の対応が必須だ。

で、恐らくだが、国内の気象予報では、台風の進路を
公表し、それが間違っていたりすると、クレームを
つけてくる視聴者などが多いのであろう、だから
進路が確実に確定するギリギリのタイミングでしか
発表が出来ないのではなかろうか?

だとすると、大変馬鹿馬鹿しい話である、できるだけ
早く防災対策を行うのが望ましいし、イベント等は
中止の決定は早ければ早い程、関係者も参加者も助かる。
農作物や交通関連、避難等も、念のために慎重を期する
事が当然ながら望ましい。

勿論、天気予報にも間違いはある、で、間違った時だけ、
あれこれとクレームをつけて来るのは、いかがなものか?
むしろ、早目の予報を出して、当たった時に感謝したり
褒めたりする方が、正当な論理ではなかろうか。

情報を自ら求めて自身の身を守るのは現代では自己責任と
して常識である、昔の古い時代のように「情報と水は
タダで手に入る」と思っていたら、大間違いであろう。
(だから、こういう事にクレームをつけるのは、
たいていが古い時代のシニア層が大半である)

なお余談だが、観光地の紅葉の名所などで、来場した
シニア層が「ポスターを見て綺麗だと思って来たのに
今年の紅葉の色が良く無い、いったいどうしてくれる
のだ?」と観光地の職員や担当者などにクレームを
言ってくる事が良くある模様だ。

観「そんなの知った事か! 紅葉に聞いてくれ」と
喧嘩になってもおかしく無いとは思うが、観光地の
担当員等は、まあ、そんな言い方はしない。

もし、クレームをつけて来たのがビギナーのアマチュア
カメラマンで、腕前に見合わない高価な新鋭カメラを
持っている場合(注:大半がこのケースであるらしい)
観光関連の職員などは、こういう言い方をするらしい。

観「今年は色が悪くてすみませんねえ。
  できれば、その良いカメラで、上手く綺麗に
  撮ってみてください」
・・こう言うと、シニア層等はすごすごと引き下がる
模様である、まあつまりこれは、写真的な観点では
「被写体頼りでは完全なビギナー、中上級者ならば、
 どんな状況でも、なんとでも撮れる」という事を
意味する。条件が悪くとも、なんとでも撮れなければ、
自分が完全なビギナーである事を認める事になるので、
これで引き下がらざるを得ない訳だ。

ちなみに、近年では流行語にもなっている「SNS映え」
があるが、これも現状では、ほぼ100%「被写体頼み」
の状況だ。つまり利用者の大半が写真のビギナーだから、
そういう事になってしまう。だが、いずれビギナーも
写真は上達していく、その際に、いつまでも
「被写体の勝ち」「被写体頼み」の写真を撮っていたら、
それは「極めて格好悪い事だ」と気づく事であろう・・

まあ、これらの話は、「防災対策」の件と、それに
密接に関連する「自己責任」の話である。これらに
対する「感覚値」が低いと、従来はまあ、他人から
変な目で見られる程度で済んでいたかも知れないが、
近年、あるいは将来では、「自分の身は自分で守る」
「自分で出来ることは自分で責任を取り、他人に責任
を押し付けるような事はしない」という点に十分に
注意し、感覚値を高めていかないとならない。

下手をすれば、その意識が低くて、災害に巻き込まれて
しまったりするからである、こうした意識や感覚値や
モラルの向上は、生きていく上で、とても大事な事だ。

そんな事も理解できていないで、他に責任を押し付ける
だけの人達の話を聞くと、大きな違和感と時代錯誤を
強く感じてしまう。
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長々と防災の話をしてきたが、本題に戻そう。
KIX大会は、観戦していても参加していても、極めて
楽しい大会である。
「大会環境」そして「エンジョイ度」の評価点が高く、
参加者の誰もが楽しめる。今年から会場の整備が進み、
従来よりも遥かに快適に観戦できる事も特筆すべきだ。

それと、外国人選手も非常に多く、また美人女子選手
の比率も極めて高い、まさしく「国際交流」の名前に
ふさわしい大会だ。

よって、本大会で選手側・参加者側が、最も留意する
べきポイントは「コミュニケーション能力」である。
幸いにして「競技志向」が、あまり高くない大会だ、
であれば、他チームと色々と世間話をしても問題無い。

まず、そう機会は無いだろう、”多数の外国人選手等と
コミュニケーションを取って、異文化に触れ、見識を
高めていく”為の絶好の場になっている事は、選手は
もとより関係者全てが認識する事が望ましい。

こんな「場」は、なかなか他には存在しない。
まあ、世の中には、政治家やセレブ層といった、特権階級
だけが参加できるような、パーティや交流会はいくらでも
あるだろうが、でもそれらは一般庶民には無縁な話だ。
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だけど本KIX大会であれば、ドラゴンを通じて、それが
簡単に出来てしまう。
これは気づき難い事かもしれないが、とても貴重な機会
なのだ。毎年、選手達が殆ど他チーム(外国人選手含む)
とコミュニケーションを取らない事は、傍目で見ていて
とてももどかしい、「こんな機会、もう一生無いぞ!」
と、参加者達に強く提言したいと常々思っている。

また、災害からの様々な意味での「完全復興」の視点でも
来年の本大会がさらに盛り上がる事を期待している。

----
では、次の優良大会。

高島ペーロン大会(滋賀県・高島市近江今津琵琶湖畔)
競技志向  :★★★☆
大会環境  :★★★★
エンジョイ度:★★★☆
観戦の楽しさ:★★★★★
総合評価  :4.0

高島ペーロン実行委員会(滋賀県高島市役所等)主管の大会。
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例年、本「ベスト大会」編にランクインする大会だ。
ほんの数年前までは、地元のお祭り的なローカル大会
であったが、みるみると本格派の大会に成長している。

その最大の要因は、「ドラゴン専業チーム」の参戦
である。最初は滋賀県の「小寺製作所」と「池の里
Lakers!」が参戦を開始、初年度は、高島ペーロン艇
の難しい操船に翻弄されて、真っ直ぐ進む事すら
出来なかったが、翌年からすぐに頭角を発揮。

2014年には「小寺」が優勝、2015年は「池の里」が優勝。
この後からは「龍人(どらんちゅ)」が参戦を開始、
2016年には「龍人」が優勝し、年変わりで王者が異なる
という状態、ここから、この3チームを指して
「琵琶湖の三国志」という俗称が出来上がった。

「琵琶湖の三国志」の実力値に衝撃を受けたのが、
地元最強の「松陽台」であった。歴史の長い本大会での
優勝多数。まあ、実質上での本大会の「主(ぬし)」で
あったのだが、三国志が加わってからは、全く勝てなく
なってしまったのだ(汗)

だが「松陽台」も無策では無い、王者の意地もある。
まずは、メンバー(チーム)構成を大幅にチェンジ、
ベテラン層を「松陽台レジェンド」、若手層の選手を
「守(もり)のシルバニアファミリー」として分割、
若手側はドラゴン専業チームの漕ぎ方や戦術を大幅に
参考にする。その成果が現れたのは今年2018年からで
あって、強豪専業チームをも上回る、ピッチ90回/分
の「ロケットスタート」を習得した。これを武器に
高島ペーロンで3位に復活、堅田船競争優勝、
びわこペーロン優勝、スモール選手権準優勝と、
飛ぶ鳥を落とす勢いだ。もう「シルバニア」は
本ブログでは「強豪専業チーム」という扱いになって
いるが、地元ローカルのチームが「専業チーム」と
なったという典型例である。(お手本にすべきだ)

さらに、「からしれんこん」(兵庫を中心としたOBおよび
現役選手チーム)が、この「高島ペーロン」をホーム大会と

するかのように積極的に参戦を開始、参加三年目の今年
2018年には、ついに念願の初優勝だ。滋賀県外からの
参戦チームの優勝は、本大会では、近年においては
ずっと無かったので、これは「ニュース」である。

また、ドラゴン準専業の「メタルスタイリスト福田」
と「ドリーマーズ」も参戦を開始。まだ戦績を上げて
はいないが、これらのチームの動向も注目だ。

さらには、ドラゴン専業「琵琶湖ドラゴンボートクラブ」
と「吹田龍舟倶楽部」まで、ついに今年から参戦を開始した。
いずれも初年度なので、操船の難しさを実感したと
思うが、通常、2年目くらいからは相当に慣れて来る。
(前日練習会があるので、それに参加するのが望ましい)

が、もう、これでは「普通のドラゴン大会」である。
毎年強豪専業チームが増えているので、もう数年したら
日本選手権クラスの大会になるかも知れない。
(静岡の「ツナカップ」は人気大会で、必然的に強豪
チームが集まり、「裏の日本選手権」という様相だ)
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急にレベルがグンと高くなった事で、旧来の本大会で
採用していた「実力別カテゴリー分け」(チャンピオン、
フレンド)を復活させる必要性が高くなってきている。
さもないと、地元に多数居る本大会専門の中堅チームは
もう手も足も出なくなってしまい、興味を失ってしまう
かも知れないし、下手をすると「ヨソモノに荒らされた」
という悪印象にも繋がってしまう危険性もある。

こんな状況なので、今年は本大会の評価の「競技志向」
の項目を、従前の3点から3.5点にアップ。
ただ、これでもまだ控えめな評価点加点であり、
今年の本大会の準決勝と決勝で「三国志」が魅せた
「歴史的な名レース」が今後も続くようであれば、
この評価点はどんどんと点数が上がっていく。

全体平均点が上がれば、毎年、このベスト大会に
ノミネート&ランクインされる「ツナカップ」(静岡)
(注:今年は台風により中止)と良い勝負になるだろう。
つまり、全国を通して見ても上位の「優良大会」に
なるという事である。

「競技志向」が上がれば「観戦の楽しさ」も上がるが、
既にこれについては、本大会は毎年5点満点である。
というのも、本大会で使用する高島ペーロン艇は
操船がとても難しい艇であり、蛇行、衝突、沈没、落水
などのアクシデント率は、統計上、通常のドラゴン艇
の場合の、およそ200倍!もの高確率になる。
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この難しい操船を克服して勝利する事も、腕自慢の
ドラゴン専業チームとしては興味深い事であろうし、
そうした専業チームですら、アクシデントに見舞われる
事も、ごく普通に有るこの大会であるから、順位予想は
まったく付かない。これはチームから見れば「そこそこ
速ければ、十分に優勝のチャンスがある」という事と
なり、多くの専業、準専業チームが優勝候補となる。
勿論、観戦側からしても、この戦いはとても面白い。
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そして、優勝では賞金(現金5万円)が出る。
「参加費を上げて賞金を増やす案」も、以前、私から
本大会の実行委員会に提案した事もあった、これは
一種の「プロ化」方策であり、真剣勝負と偶然性が
上手く同居した、とても興味深い大会に成りうるからだ。

まあ、ともかく、ドラゴン関係者であれば、一度は
見ておくべき、あるいは参戦すべき優良大会である。

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では、3つ目の優良大会。

スモール選手権(滋賀県・琵琶湖競艇場)
競技志向  :★★★★★
大会環境  :★★★★
エンジョイ度:★★☆
観戦の楽しさ:★★★★☆
総合評価  :4.0

JDBA(日本ドラゴンボート協会)、SDBA(滋賀県ドラゴン
ボート協会)主管。大阪府ドラゴンボート協会協力の大会。
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つい先日に観戦記事を書いたところであり、説明が重複
する点もあるかも知れないが了承あれ。

本大会は「日本選手権」であり、「競技志向」が全開の
大会である。

この競技志向の強さは、参戦する選手達のみならず
観戦側においても、非常に興味深くレースを見る事が
出来るで、必然的に「観戦の楽しさ」の得点も向上する
事となる。

全国、あるいは海外からも超強豪チームが集まる
このハイレベルな大会は、「ドラゴン観戦入門」にも
最適であるのだが、その割には、一般観客の少なさや
報道系記者等の来場の少なさが気になる大会でもある。 

真夏の猛暑の他地区の大会などでは、健康面からも
あまり一般客の観戦は薦める事は出来ないのだが、
本大会においては、季節も良く、「競艇場」だけあって
観戦環境も良いので、とても好条件なのだが・・
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まあ、雨になる確率が高い大会なので、あまり安易に
知人友人を誘うという訳にも行かない事もあるのだが、
今回は、知人のWEB NEWSの記者に声をかけて来場して
もらっている。

まあ記者と言っても、現代のWEB上のビジネスは本当に
多種多様で様々であるから、一般に想像するように
新聞のような記事を書いて、読者が、それを読むという
類のものではない。
まあつまり「IT業界」の記者という事であり、この
業界においては、「何でも有り」という状況であり、
「新しいビジネスモデルの知恵の絞り合い」といった
様相がある訳だ。

ITと言うと、現代では例えば「ポータルサイト」や
「アフイリエイト」「YouTube」等の新規ビジネスモデルは、
もう世間一般的にも、その収益の仕組みが知られている
とは思うが・・ では例えば「検索エンジン」がいったい
どういう仕組みで収益を上げているかを、ちゃんと説明
できる人は居るだろうか? まあ、これは簡単ではない。

まあつまり、現代のIT時代においては、昭和の時代の
ように、モノを作って売って原価がいくらで、それで儲けが
ナンボ、といった単純なビジネスでは無いという事になる。

で、そのIT記者の話だが、まあ大会の事を記事にして
もらうというよりも、こうしたドラゴンの大会などが、
新たなビジネスモデルを引きだせるのか否か?という
点の考察の意味での来場を薦めた訳だ。
まず記者本人に興味を持ってもらわないとならないから
事前に本大会については「レクチャー」をしているし、
各チームの状況、順位予想等、様々な面の情報を伝えて
いる、そこまですると、さすがに、本大会を初観戦でも
相当に面白く、楽しめた模様だ。

で、この点は「レース観戦にどっぷりハマれるか?」
あるいは「感情移入できるか?」という意味において
ドラゴン(あるいは他のスポーツでもそうだが)を
興味を持って見れるかどうかの、観戦側での重要な
ポイントとなる。

簡単に言えば「知らない競技は、見ていても面白く無い」
というただそれだけだ。どんな競技でも、知れば知る程
観戦は面白くなる訳だ。
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本ブログの読者は、ドラゴンの選手層が多いと思うが、
選手達は、参戦側の立場でレースを見ているので、
あまり気づき難いかも知れないのだが、実は、ドラゴンは
観戦するのも、とても面白い競技である。
まあ、そのあたりが、私が、毎年皆勤賞とも言える位に
(行ける範囲で)様々なドラゴン・ペーロン系大会を
観戦撮影している理由にもなっている。

だが、こんなに面白い競技であるのに、何故、選手達は
お金を払って大会に参戦しているのだろうか?という
疑問が常に沸きあがる。・・と言うのも、ドラゴン観戦は
上手くやればエンターティンメントに成り得るとも思って
いるからだ。つまり、「魅せる」レース(大会)が実現
するのであれば、他のプロスポーツと同様に、観客から
お金を貰って観戦して貰い、選手達に報奨を出す事が、
将来的には可能になるのではなかろうか?と言う考えだ。

すなわち「ドラゴンボート競技のプロ化」の案である。
勿論、そう簡単な事では無い。すぐに実現するような
ものでは決して無いだろう、だが、可能性が無い訳では
決して無いし、幸いにして、野球、サッカーやその他の
競技での前例のビジネスモデルがいくらでもあるので、
それらを参考にしながら、プロ化の方策を色々と考えて
いけば良いのではなかろうか?

まあ、そういう意味もあっての、前述のIT記者への
観戦のお誘いもあった訳だ。他競技での前例のみならず
何か現代的な、新しいプロ化の方策もあるかも知れない
からだ。
そういう流れが上手く軌道に乗れば、選手達は、お金を
払って大会に参加するどころか、逆に、出場料あるいは
賞金を得る事が出来るようになる訳だ。
そうなるともう「遊び」や「趣味」の範疇では無くなって
しまうが、まあ、それでも、野球やサッカー等のメジャー
スポーツに、プロとアマの住み分けがあるように、
趣味でやりたい人は、それなりの手段も残っている。

これは現段階では、まだ「夢の話」の類ではあるが、
いつか、そういう事になれば良いとは思っている。

本大会会場「琵琶湖競艇場」で、2021年に行われる
「マスターズ関西」での「ドラゴンボート競技の部」が
あるが、まあ、そのイベントも一種のビジネス視点での
開催な訳だ。そういう事もまた、ドラゴン関係者全般が
プロ化を考える為の、1つのきっかけになってくれば
幸いだとも思っている。
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そして、ここまで述べて来た事を考えたくなる位に、
本「スモール選手権」は、観戦の価値がとても高い
大会だと思っている。何故、一般の人達やメティアが、
これを見逃すのだろうか? あるいは、選手層において
も家族や友人知人を誘わないのであろうか?
はたまた主催側も、もっと大々的に大会実施を広く
一般に告知しないのであろうか・・?
むしろ、そこが疑問でありとても勿体無い話だとも思う。
ともかく、関係者以外でも必見の大会が、本「スモール
選手権」大会である。

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では、ラストの優良大会。

びわこペーロン大会(滋賀県・大津市サンシャインビーチ)
競技志向  :★★★☆
大会環境  :★★★☆
エンジョイ度:★★★
観戦の楽しさ:★★★★
総合評価  :3.5

びわこペーロン実行委員会(びわこ放送、滋賀県ドラゴン
ボート協会等)主管の大会。
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旧来、本大会は、この「ベスト大会」編にあまり
ノミネートされる事はなかったと思うが、今年の
記事では紹介して置こう。

まあ、実際にそこそこ楽しめた大会であった事が
最大の理由だ。
その面白さは、競技における「パワーバランス」が
変わってきた事だ、詳しくは後述しよう。

本大会は、約10年前迄は、地元のお祭り的大会で
あった。参加チームでは地元企業チームの比率が高く、
それらの企業での「福利厚生」的な意味合いもあった
からだ。

例えば、近年では一般的な企業でも「運動会」や
「社員旅行」を実施するといっても、面倒だとか言って
嫌がる社員はとても多い。まあライフスタイルが多様化
している現代において、休日にも、上司とか気が合わない
同僚(汗)に顔を合わせたく無い気持ちは良く分かる。
(実際の市場アンケートでも、それらを希望する社員は
全体の数%しかいないそうだ)
でもまあ、そうなると「福利厚生」が実施不能となる
これには予算がついているから、何もしないとまずい。

・・そういう意味での、ドラゴン大会への参戦である、
この傾向は、前述の「KIX大会」での、参加チーム
(空港関連企業、自治体など)においても見られる。
で、この方法論はなかなか有効で、企業チームの選手も、
特に面倒がらずに、喜んで大会に参戦している。

ところが、本大会での、この微妙なバランスを崩した、
ある意味の悪役(汗)が、ドラゴン専業チーム達である。
10年程前に、ふらりと参戦した専業チームが優勝し
「賞品が良い」という噂が急速にドラゴン界に広まる。
まあ、賞品が良いのは当たり前であり、参戦企業が
福利厚生予算等で、それを協賛したりするからである。
つまり、本来は、企業の職員に還元されるべきモノで
ある訳だ、それを横取りしてはいけない(汗)

7~8年前からは、多数の専業チーム達が怒涛のように
参戦を開始し、5~6年前では、もう全てのカテゴリー
の決勝戦が専業チームばかりとなり、地元系チームの
入賞の可能性か完全にゼロ%となった。

詳しくはわからないだろうが、なんとなく状況を察知
した企業などは、もう福利厚生的な意味合いでの賞品の
協賛を中止した。多分、その頃に、新たな賞品協賛の
スポンサーを探す措置が必死に行われた事であろう。
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「このままでは大会の主旨が崩壊する」と危機感を
感じた私は、大会のカテゴリー分け等の改善案を
いくつか主催側に提案、だが、カメラマンの部外者の
意見が簡単に通る訳も無い。そもそも、主催側でも
どのチームが専業であるかは理解していないし、
単に「強いチームが増えてきたな」と、それくらいの
認識でしか無いであろう。あるいは、強いチームが
居るならば、それが勝って当然だから、基本的には
何も大会のルール等を変更する必然性は無い訳だ。

だけど地元系参加チームからすれば、専業チームは
脅威である、この頃(5~6年前)に地元チームから
良く聞いた話は、
地「最近は、プロのチーム(注:そう誤解している)が
  増えてきたなあ、とても速いので勝ち目が無いや。
  カーボンの櫂(パドル)を使っている様子なので、
  オレ達もそれを買えば、速くなるかなあ?」

あるいは、あまり良く無い話をすれば、勝てない事で
いらだった地元系チームが、(大会を盛り上げようと
無理にダブルエントリーをした)専業チームに対して
地「あの2つのプロチ-ムは、同じ選手が漕いでいる、
  それは卑怯だ、なんとかならないものか?」
とクレームを入れ、結果として、”選手の顔写真を
入れた登録制、重複出場無し”に、ルールが改定されて
しまった(運営上、負担が増えて面倒だし、チーム
参戦数も減ってしまう)この事は「親の心子知らず」
という残念な状況であろう・・

でもまあ、こういう風に地元系チームから生の声の
意見を収集する事も、とても大事である。
私の他には、誰もそれをやっていない状況も残念では
あるが、そこもまた強要する事も出来ない。
  
で、それまで、なんとか運に恵まれていて、たまに
入賞が出来ていたような地元系チームの一部も、勝ち目が
ゼロとなった事で参戦を中止。残っている企業は、前述の
福利厚生予算を消費する目的だけのような様相にもなった。

いよいよまずい状態だが、専業チームの戦いは激化する
ばかりである。まあ専業チームとは言え、運営側から
見れば、お金を払って毎年大会に参戦してくれる大事な
お客さんである、何も文句は言えないし、チーム側でも
どうせ出るならば、少しでも好成績を収めたいのは当然だ。
さもないと出る意味が無いし、ましてや地元チームに遠慮
する事など有り得ない、だから間違った事はしていない。

私は、いくつかの特に強い(優勝を重ねた)専業チーム
に「もう勝つのは遠慮したらどうですか?」とやんわり
と提言をした事もあったのだが、まあ専業チーム側にも
勿論、各々勝たなければならない理由が色々とある。
それもまあ当たり前の事であり、それを否定は出来ない。

運営側にも「優勝を重ねたチームは殿堂入りというのは
どうか?」という提案を実施。まあ、わからない話では
無いだろうとは思うが、そこまでの危機感は皆持っていない。

その頃、ある強豪チームは、「荒らしているのでは?」
と、雰囲気を察知して自主的に参戦を中止、他大会に転戦
をした。しかし、とは言え、1つのチームが居なくなっても
他の専業チームの順位が上がるだけである。

いったい、何が正しくて、何が間違っているかは、
良くわからないが、ともかく状況は悪化していた。
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余談だが、昔の子供向けのアニメ等は「正義と悪」の
対比がはっきりしていた。だが、1970年代のガンダム
あたりから、ジオンと連邦軍の戦いは、それぞれが戦う
理由がある為、どちらもが「正義」となってしまった。

この「論理」は、その後のマニアックなアニメでは
常識となり、例えば、2010年代の「サイボーグ009」の
リメイク版では、昔のアニメ版ではチームの皆が正義の
戦士だったのが、もう現代の世情では、様々な陣営に
別れ、所属も倫理もバラバラとなってしまい、
主人公からして「何が正義なのか? もうわからない」
という状況となり、かつての仲間のサイボーグ同士が
戦っている様相(ストーリー)であった。

つまり、現代においては、もう「正義の味方」などの
一方的な視点は有り得ないのだ・・
皆が、正しいと思う事をやっていても、状況が悪化する
ような事は、世の中にいくらでも存在する。

さて、本「びわこペーロン」の、この窮状を、救って
くれつつあるのが、近年急速に伸びてきた地元企業系の
チームである。
前述の「カーボンパドルが欲しい」という件は、この
イベントが福利厚生の一環である以上、企業からも
その購入予算が出し易い。
そこで、「東レ」「パナソニック」「日立建機」と
いった大企業チームが次々にカーボンパドルを導入、
高価なそれを買った事で練習のモチベーションが上がり
「専業チームに追いつけ、追い越せ」と負けん気精神が
盛り上がって来たのだ。

まあ、基本、スポーツであるから、それは当然であろう、
いつまでも負けているばかりでは、面白くも何とも無い、
まあ「やっと本気になってくれたか」という感想である。

カーボン未装備の企業系チームでも「シンコーメタリコン」
「メタルスタイリスト福田」「志士の会」「トヨタ紡織」
「不二ドラゴンズ」「オプテックス」などが急速に実力値を
つけてきている。
これらのチームからも「カーボンパドルが欲しい」と、
毎回話を聞かされている。(専業チームから、レンタル
したらどうだろうか? また、パドル屋さんも、この大会
に来て販売を実施するべきであろう)

加えて、前述の高島の「守のシルバニアファミリー」も
参戦し(今年は優勝)、いい刺激を地元系チームに与えて
いる。

まあ、つまり、やっと地元系チームが伸びてきて、
旧来の「お祭り」(福利厚生)から、本来の「競技」と
しての大会のスタイルに変化しつつあるという事だ。
チーム間のパワーバランスも良くなってきていて、
先進的な地元系チームが、各カテゴリーでの入賞圏内
に近づいて来ている。(が、まだ少しだけ足りない)

そうなってくれば、もう心配は無い。後は、地元系チーム
が、ここを「競技の場」として認識し、お互いに切磋琢磨
しながら実力値を高めていけばよい。
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ただ、1つだけ問題がある、それは現在参戦している
専業チームの扱いだ。いくら地元系チームが伸びて来て
いるとは言え、現状では地元系チームは決勝進出迄が
せいいっぱいであり、入賞はとても難しい状況だ。

まあ、やはりこの対策については、「チャンピオンの部」
の上位カテゴリーを設けて、地元系チームとは、しばらく
の期間、完全に分離してしまうのが望ましいであろう。

地元系チームの実力値がさらに上がり、加えて、これが
「レジャーでは無く、競技である」という認識がついた
頃に、その実力別カテゴリー分けを撤廃して、
「オープンの部」とするのが1つの方法としてあると思う。
あるいは、伸びて来た地元系チームを「チャンピンの部」
に引き上げて戦わせても良い訳だ。

ただ、チームからすれば「下位カテゴリーだったら勝てる
のに、上位カテゴリーでは絶対に勝てない」という不満も
出てくるのであろう。まあそう思うのは当然だろうが、
競技は競技だ、強いチームが勝つのは当たり前である。
であれば、今のままでも良い、という考え方も存るだろう。
やはりここも、何が正しくて、何が良く無いのか、もう、
よくわからない状態だ・・(汗)

もう数年の間、様子を見守っていきたい大会である。

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さて、本記事はこのあたりまでで、次回も総集編として
「ベストチーム編」を書く事にする。


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