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【熱い季節2018】第6回スモールドラゴンボート日本選手権大会(中編)

2018年10月21日(日)に滋賀県大津市の「びわこ競艇場」
にて行われた、通称「スモール選手権」の模様より。
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今回中編では「(選手権)混合の部」の模様を紹介しよう。

さて、「混合の部」の見所であるが、「実力伯仲の大混戦」
である事だ。毎年7月に大阪で行われている「日本選手権」
でも混合の部は大混戦であり、トップから5位まで僅かに
1艇身(約3秒)差の中に納まる接戦が例年繰り広げられて
いるのだが、本「スモール選手権」大会は、きっと、その
「日本選手権」よりも、さらに大接戦となり、2秒差程度
の僅差で決勝順位戦が決まると予想している。

その1つの根拠としては、本大会は10人漕ぎであり、
大阪の日本選手権は20人漕ぎだからだ。

「それが何か?」と言われれば、20人漕ぎのメンバーを
揃えられる強豪チームは、10人漕ぎに分割して2チーム
でのダブルエントリー(以上もある)が可能なのだ。
この為、実力が近接したチームが多数出て来る事となる。

この「ダブルエントリー戦略」は、チームにとって有利な
要素も不利な部分もある、ここをどう考え、どう展開して
いくかが、こうした激戦区を乗り切る為に、地味だが重要な
戦略となる。本記事では、混合の部の模様を紹介しながら
も、ダブルエントリー戦略の話も平行して進めて行こう。
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で、ダブルエントリーの場合の場合の戦略は2通り考えられ、
1つは、どちらかのチームを優秀なパドラーをそろえた
「主力チーム」とし、「サブチーム」とを実力差で完全に
分けてしまうケースである。
もう1つは、両チームの漕力を平均化して、どちらかが
(組み合わせの不運等で)破れても、もう1つのチームが
バックアップする事を考えるケースだ。
(注:本大会ではダブルエントリー間でのメンバー交替は、
認められていないと思う)

まあ、両手法はずいぶんと戦略的に差異があるのだが、
実の所、各チームが、どちらを選んでも、あまり結果
(すなわち決勝戦が混戦になる事)には差異が出ない
ように思える。
ダブルエントリーチームが戦略(戦術)を色々と工夫
しても、結果的には、どこかの強いチームが必ず勝ち
上がってくる訳だ。
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そして、ダブルエントリーが両方とも破れてしまう事も
あれば、両方とも勝ちあがる事もある。
あるいは、準決勝等で両者が当たり、身内で潰し合い
になる不運もあるだろう。(上写真は、予選で「東ドラ」
の2チームが当たってしまっている例)

でも、それらは全てチーム側から見た場合の話であり、
レース全体から見れば、ダブルエントリーであろうが
無かろうが、必ず強い5チームが決勝戦に進む訳だ。

その場合の現在のドラゴン界における混合の部の状況では
ダントツに速いチームは無く、ほぼ実力伯仲だ。

よって、レースの順位予想は全く不可能。どのチームも
なんとか決勝戦まで生き残り、後はその決勝戦で、運を
天に任せながらも「死ぬ気で漕いで優勝する」しか無い。

ただまあ、とは言うものの、ダブルエントリーチームは、
メンバー数も潤沢で、元々の地力に優れる強豪チームで
ある事も多い、チーム間の漕手配置を上手く工夫すれば、
どちらかのチームは勝ちあがって行く事であろう。
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以下に、本大会での「選手権混合の部」に限っての
ダブルエントリーのチーム名を上げておこう。
(同カテゴリーの他、異カテゴリーへの複数エントリーも
含む。これは混合とオープンの部でのケースに限り、普及の
部や女子の部へのダブルや重複エントリーは省略する)

B-CROSS:(海外チーム)混合+オープン
Team BANANA:混合+オープン(上写真)
すいすい丸:混合x2
関西龍舟:混合x2
東京龍舟:混合x2+オープン
琵琶ドラ:混合x3

・・という事で、本大会では、こうしたダブルエントリー
やトリプルエントリーのチームは注目であり、加えて
彼らのチーム戦略的な面も、大会の見所となるであろう。
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さて、本大会には海外チームが3チーム参戦している
全て香港からの参戦で、内訳は「B-CROSS」が混合と
オープンにダブルエントリーであり、「極(きわみ)」
がオープンの部へシングルエントリーだ。
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上写真は「B-CROSS Dragon Boat Team」の混合の部の
メンバーである。
例によって香港からの海外チームは「観光がてら」の
参戦という要素が大きい。すでに大阪や京都等を観光
してきて、水曜日あたりに帰国するそうだ。
あまりガツガツと勝ちに来ているチームでもなく、
まあ国内強豪チームと同等レベルの実力値という雰囲気
である。

そして、メンバー数が潤沢では無い(多人数での海外遠征
が難しい)海外チームのダブルエントリーでの「重複出場」
には肝要なルールではあるが(注:国内チームはNG)
KIX大会での実例を見てわかるように、重複出場していると
後半戦(準決勝や決勝戦)での体力消耗による戦力ダウン
の要素が大きい。結果、こちらのB-CROSSも、そのパターン
にハマってしまい、混合もオープンも準決勝敗退と
なってしまっている。

ただまあ、本大会においは「日本選手権」であるから、
実は、準決勝が好順位であっても海外チームは決勝戦には
進めないのだ。決勝戦は国内チームのみで行われる規定と
なっていて、その代わり最終レースが海外チームを含めた
「国際チャレンジカップ」戦となっている。

また、海外チームは例年、特別表彰がある事も通例であり
まあ、せっかく遠くから来てもらっているのだから、
仮に予選敗退してしまって手ぶらで帰らせてしまうような
事を避けよう、という配慮もある。

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混合の部、その他の目についたチームを順次紹介して
いこう。
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上写真は、大阪産業大学「常翔喜龍」である。
大学の準クラブチームであるが、今年はちょっと
アクテビティが低い模様で、確か本シーズンでの大会
参戦は2回のみであったか? 
本大会では「B決勝」に進出したが戦績は残せなかった。
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また、「常翔喜龍」にはOB選手達が応援に来ている。
(上写真)

O「我々「常翔喜龍」のOBは、2020年に新チームを
  結成予定なんですよ」
匠「え?、2020年と言ったら、さ来年ですよね?
  何故、来年のシーズンから活動しないのですか?」
O「う~ん、メンバーを集めたりの準備期間が必要だし
  オリンピックの年からで丁度良いかと思って・・」
匠「なるほど、では、新チーム、期待していますよ」
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上写真は「暴漕連合」、既に本大会には参加3年目となり
過去2回の戦績は、2位、4位と強豪チームである。
(本記事の冒頭写真も「暴漕連合」だ)

それもその筈、かつて関東地方等で活動していた超強豪
チーム(トリッドストームやサーフベイザーズ等)の
OBパドラーが集まって結成されたドリームチームである。
メンバーは不定であるが、今回は愛知の東海龍舟や
熊本の津奈木海龍等、本大会不参加のチームのメンバーも
加えている。勿論決勝進出の可能性が高く、大注目だ。
これでさらに決勝戦は大混戦が必至である。
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さて、ここで、本大会の選手権混合の部が、どれだけ
の激戦区であるかを示す為、過去3年間の決勝順位と
タイムを上げておこう、参考の為、天候も入れておく。

<2015年:第3回大会>(雨)
1位:00:56:66:海猿火組
2位:00:57:27:くまもっこり(和歌山混成チーム)
3位:00:57:82:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
4位:00:58:75:すいすい丸

<2016年:第4回大会>(曇り)
1位:00:57:79:関西龍舟シンバ
2位:00:58:12:暴漕連合(東京等混成チーム)
3位:00:58:53:海猿火組
4位:01:00:25:すいすい丸工場
5位:01:00:52:琵琶湖ドラゴンボートクラブ

<2017年:第5回大会>(台風)
1位:00:59:15:東京龍舟
2位:00:59:36:関西龍舟シンバ
3位:01:00:86:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
4位:01:01:35:暴漕連合(東京等混成チーム)
6位:01:01:90:関西龍舟バーバリアンズ

年次によって、少しだけタイムのバラツキがあるが、
これはもう、天候、風、気温など様々なコンディション
の差があるので当然であろう、でもまあ、だいたいだが
「1分を切らないと優勝できない」という事になる。

それから、超強豪の「関西龍舟」が全く入賞できて
いない年があるが、これは恐らくだが、本大会と同日
開催となる、鹿児島の「根占」(ねじめ)大会に出場
して本大会を欠場していたからだ。根占大会は地方大会
と言えどもドラゴンチームにも人気の大会であり、
シーズン最終戦の修学旅行(?)を兼ねてか、たとえば
「Team 河童」も、そちらに参戦した事がある。

ただ、いつも同じ日程だと、参戦チームも分散して
しまい、大局的に見れば好ましく無い。そこで今年は
根占大会は前週(10月14日)にシフトされている。
なので「Rスポーツマンクラブ」等は、どちらの大会
にも参戦した、との話を聞いている。
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さて、過去の戦績の話に戻るが、冒頭に述べたように、
実力伯仲であり、決勝順位のタイム差は極めて少ない。
どの年も、だいたい2秒程度の差の中で全チームが、
まとめてドカンとゴールするのだ。

優勝チームも毎年違う、勿論2~3年もすればメンバー
に若干の変動もあるだろう、同じチームだからと言え
毎年同じ人が漕いでいるとも限らない。

まあ、それでも、だいたい「強豪チーム」という物は
決まってくる、つまり名前を聞けば、だいたいの強さが
わかるという事になる。メンバーが変わっていくのに
強さが変わらない、というのは不思議に思われるかも
知れないが、他のスポーツジャンルで言えば、例えば
「高校野球」を連想してもらえれば良いだろう。
高校野球では、メンバーは毎年入れ替わりがあるのに、
学校名で、だいたい強さは想像できる訳だ。
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さて、レースの模様であるが、準決勝においては、既に
だいたいの強豪チームが出揃っている。準決勝ではもう
他の大会の決勝戦レベルでの厳しい戦いだ。

ここで準決勝(2レース)の勝ち上がりチームをレーン
順に紹介しよう。

<選手権混合の準決勝第1レース>
1:すいすい丸工場
2:東京龍舟(注:ダブルエントリーの1つ)
3:琵琶湖龍舟(注:トリプルエントリーの1つ)
4:すいすい丸トレイン
5:B-CROSS(注:海外チーム、ダブルエントリーの1つ)

<選手権混合の準決勝第2レース>
1:関西龍舟シンバ
2:吹田龍舟倶楽部
3:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(注:トリプルエントリーの1つ)
4:関西龍舟バーバリアンズ
5:暴漕連合

非常にレベルが高い準決勝となったが、
単独(シングルエントリー)で頑張っているのは、
もはや「吹龍」と「暴漕」だけという状態だ。
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(上写真は、準決勝での「吹田龍舟倶楽部」)

ただ、このあたりから(または既に予選の段階で)
ダブル・トリプルエントリーチームの身内での潰し合いが
残念ながら始まってしまう。まあ、この厳しい状況を
乗り切るのは、ダブルエントリーのどちらもが同等に
強い(速い)状態でしか勝ちあがれない。
チーム間に実力差を設けている場合には、サブチームは
どうしても厳しくなってしまう。

まあすなわち「結局のところ強いチームが勝ち上がる」
と前述したのは、こういう事なのだ。
ダブルエントリーであるから有利だとか不利だとかは
あまり関係が無い。

さて、ここで昼休みに行われた、ダンスパフォーマンスの
模様を紹介しておこう。
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恐らく2年前にも本大会で出演していただいた、ダンスの
有名校と思われるが、詳細はちょっと聞きそびれた(汗)
(学生であるのでメンバーも毎年変わってしまうので、
以前の写真を見ても、よくわからない)
なお、一昨年はこのパフォーマンスは屋外で行われたが、
昨年は台風襲来によりダンスは無し、そして今年は屋内で
行われている。
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この手の、室内での動きもの被写体の撮影は、とても難しい
のであるが、まあ基本的にはカメラ側の高感度性能と
連写性能に依存する部分が多い。ただ、10年程前であれば
そうした高性能は、かなりの高級カメラを使わないと
得られなかったのだが、2010年代からであれば、安価な
中級機くらいでも同等の性能を持っている。

今回の使用カメラは、2012年発売のPENTAX K-30であり
中古で2万円強で購入したものだ、このクラスの中級機で
2000年代の高額な高級機と同等以上の性能を持つ。
ただまあ、そこで言う「性能」は、このような特殊な
被写体条件で性能差が出てくる、という程度であり、
例えばドラゴンボートで言えば、日中にレースや選手スナップ
を撮っている上では、いつの時代の、どのカメラでも性能の
差は殆ど無い。

現代における高額なカメラは、このように「普段は必要と
しない性能」を付加価値(悪い言葉で言えば値上げの理由)
としている訳だから、使う人が自分には不用なまでの性能が
入っているカメラは、高価で買って、かつ使わない機能と
なると、極めてコスト・パフォーマンスが下がってしまう
ので、カメラの機種選定は要注意である。
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さて、準決勝を終えて、決勝に勝ち上がったチームは
以下の通りである。(レーン順)

<選手権混合の決勝戦進出チーム>
1:東京龍舟
2:関西龍舟シンバ
3:すいすい丸トレイン
4:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
5:暴漕連合

ここで「暴漕連合」以外は、全てダブル(以上)エントリー
のチームであるが、やはり両チームが勝ちあがる事は
大変難しい、よほど両チームとも実力値が無いとならない
からなのだが、まあ、やはりダブルエントリー戦略は
なかなか難しいところがある。が、こうしたチーム戦略は、
観戦上では、地味ではあるが通好みの注目のポイントだ。

そして、決勝戦の順位予想はまったく出来ない。
理由の1つは、本大会あるいは日本選手権でもそうだが
現在のドラゴン界での混合の部は完全に実力伯仲状態で
あるからだ。本大会でも毎年優勝チームが異なる様相だ。

もう1つの予想困難な理由は、ダブルエントリーにおいて
各チームが、どのような漕手分配戦略を取っているのかは
詳しくは不明だからだ。

例えば、あるチームではパドラーに実力差をつけていた
とする、そこで「主力チーム」が勝ちあがった際には、
決勝戦でも、ほぼそのチーム実力通りの戦いが出来る。
だが、「バランス重視型」で、両チームの実力値を平均化
していた場合には、勝ちあがったチームがベストメンバー
になっているとも限らないであろう。そこで差が出る。

まあ、きっちりと実力別あるいは平均化する、というのも
実際には難しく、漕手の左右の担当の配分(これは
右漕ぎ、左漕ぎ、のみならず、合計体重による左右の
バランスも関係してくる)、それから適切な漕手位置
(艇の前の方が得意か、後ろが得意か)等の要素によっても、
ダブルエントリー間でのメンバー配分は変わってくる場合が
ある。

それと、予選のタイムを参考に順位を予想するのも難しい、
予選の間はほぼ無風、決勝戦の前後では、2m/s~5m/s
の範囲で、ランダムな風速によるフォロー(追い風)と
なっているのだ。この環境の変化は、「全チーム同等」と
思えるかも知れないが、他記事で良く書くように、
微妙なコンディション変化を感じ取って、それに細かく
対応していくチームもあれば、無頓着なチームもある。

さらには、今回「暴漕連合」の場合は、メンバー中4名の
女子が「選手権女子の部」との重複出場となっている。
この為、最も多く漕いだ女子メンバーは、合計6回もの
レースに出場している、さらに、その内3回は後半戦の
準決勝と決勝に集中していて、その時間間隔は1時間程だ
こうした、女子選手には恐らく過酷であろうレース条件に
おいて、どこまでチームの戦力が維持できるのか?
そこは良くわからない(予想できない)部分が大きい。

なお、他の決勝出場チームでは、女子の部との重複出場を
しているケースは無く、少ないチームでは、予選(1位抜け)
準決勝、決勝と、3本しか漕がないので、これは体力温存と
いう側面からは十分であろう。

このあたりのチーム各々のダブルエントリー戦略の差と
体力・条件面の差が、この混合の部の決勝にどんな影響を
与えるのかは全くわからない。
まあ、そこは観戦側のみならず、チーム側でも同様であろう、
後は「決勝1発勝負」、運を天に任せて頑張って漕ぐしか無い。
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さあ、「運命の決勝戦!」

前半、3レーンの「すいすい丸」がスタートダッシュに
成功していたように見えたが、観戦ポイントはコースの
中央やや右よりだ、最後まで接戦になるのは明白なので
できるだけレース後半のところに撮影位置を持ってくる
必要がある。
ただ問題は、夕刻になると、ここ琵琶湖競艇場の巨大な
観戦スタンドの影がかかってしまい、手前のレーンの
写真が暗くなって明暗差が大きい事だ。ここはむしろ
晴天よりも、曇天や小雨といった「フラット光」の方が
ずっと撮り易い。

まあ撮影上の問題は良い。レースの模様だが・・
観戦上の視点が左に向いている事から、手前1~2レーン
は角度の関係で実順位よりも遅れて見える。
手前レーンのチームが観戦ポイントに近づいてくるに
連れて、急速に追い上げてくるように錯覚するのだ。

そして、1レーンは昨年優勝の「東京龍舟」
2レーンは一昨年優勝の「関西龍舟(シンバ)」である。

この2チームが、実力値的にも視覚的な錯覚の上でも、
ここからグングンと速度を上げてくる訳だ。

レース後半戦は前述の影の関係でもう説明用の写真は
撮りにくい、そしてこの地点からはゴールの正確な
順位はわからない為、もう目視でも観戦もせずに
巨大モニター「オーロラビジョン」に映し出される
ゴール地点からの映像に、観客も皆注目するのだ。

「ウヮー!」という観客の歓声は、もうドラゴン艇の
太鼓の音を掻き消すくらいである、「東ドラ、行け!」
「琵琶ドラ、頑張れ!」等、すでに敗退した兄弟チーム
の選手達からも応援の大声が飛ぶ。

こういう応援も含めての「琵琶ドラ」や「関ドラ」
などの通称なのだ、ここでいちいち
「琵琶湖ドラゴンボートクラブ~ 頑張れ~」などと
言っていたら、長すぎて応援が出来ない(汗)

終盤戦、「暴漕連合」の遅れが目立つようになってきた
やはり連チャン(連続レース出場)の負担が大きいのだろう。
この問題がある為か? かつては「東京龍舟」も女子の部と
重複出場していたのが、今ではもうそれはしていないのだ。

さて、私の着目は「すいすい丸」の動向だ。
確か、本大会の前身大会からを含め「すいすい丸」だけは
ここでの優勝が無かったと記憶している。
だから、「すいすい丸」が本大会で初優勝(注:他大会
では勿論、優勝経験はある)すれば、それはドラゴン界
においてはニュースになりうる事態なのだ。

前半好調であった「すいすい丸」が、その貯金を最後
まで残せるか、あるいは超強豪の「東ドラ」「関ドラ」
に差されて(抜かれて)しまうのか・・
ただ、そんなにはっきりと順位差は出ない、およそ
1秒差以内の僅差の世界の話なのだ。

ゴールからの映像を示す「オーロラビジョン」に注目
する、やはり最後の最後では、手前1~2レーンの
「東ドラ」「関ドラ」が速い、しかしほぼ同等だ、
「すいすい丸」もさほど遅れてはいない、・・だがもう
優勝は難しいか? さあ、ゴールした。

西「ゴ~~ル!」と、解説の「DJ西尾」さんの絶叫の
アナウンスが会場に響きわたる。

しかし順位は不明だ、巨大オーロラビジョンは、確かに
ゴールの瞬間を表示していたが、それは肉眼と同じ
一瞬の話だ、後で「RePlay」は出るだろうが、たぶん
スロー再生は行わない、ここはやはり大会本部からの
正式順位決定を待つのが良さそうだ。

なお、地方の小規模大会などでは、決勝の公式結果が
待ちきれず、ゴール審判席に走っていって、そこで
ストップウォッチからのタイムを書き写すところを
チラリと「カンニング」して、その「早弁」のような
感じの(笑)フライング行為により、優勝チームの所に
いち早く走っていって、写真を撮る、というような
事も一応は可能だ。

だが、この(スモール)日本選手権は、もっと厳密だし
競艇場という恵まれた環境により、決勝審判席は建物の
5階にあり、そこで沢山の映像機材に囲まれて、正確な
タイムと順位を決めている訳なのだ。
一々5階まで階段を駆け上がって(汗)、最終順位を
「フライング・ゲット」する訳にはいかない。

・・数分後、最終順位のアナウンスがあった。

<2018年:第6回大会 混合の部結果>(晴天、微風)
1位:00:55:48:東京龍舟
2位:00:55:73:関西龍舟シンバ
3位:00:56:88:すいすい丸トレイン
4位:00:58:42:琵琶湖ドラゴンボートクラブ
6位:00:59:69:暴漕連合(東京等混成チーム)

奇しくも昨年の順位と似たりよったりの結果となった、
「東京龍舟」は本大会2連覇、これは立派な戦績だ。
「関西龍舟」は、昨年に続き超僅差の2位、これは
ちょっと悔しいかも知れない。

「すいすい丸」は、見事3位入賞、トップとのタイム
差は1秒程度なので、さらに上位を目指せる可能性は
十分にある。

「琵琶ドラ」は4位、この大会は勿論最初期の2004年の
プレ大会からずっと出場していて、「ホーム大会」とも
言えるであろう、ホーム大会では好成績を残したいし
実際にも好成績を残しているが、ここのところは優勝に
は恵まれていない、なんとかこのあたりで巻き返しを
図りたいところであろう。今回のようなトリプルエントリー
の場合のメンバー配置にポイントはあるかも知れないが、
かなりの「試合巧者」の「琵琶ドラ」である、そのあたりは
言わずもがなであり、また来年には綿密な戦略・戦術を
立ててくることであろう。

「暴漕連合」は、前述のように、連戦で疲れた要素が
あるかも知れない、ただまあ、それでも1分を切って
いるのは立派なタイムであり、若干の追い風とは言え
例年では入賞圏内タイムであった。

なお、昨年の混合決勝でも、1から5レーンの順番と
決勝順位が同じになり、今年も、手前1レーンからまったく
同じである。
ただまあ、「手前1レーンの方が有利、奥に行くほど不利」、
という話には直結する事は無いだろう、琵琶湖競艇場は
「閉水面」であるから、レーン毎のコンディション差は
皆無に等しい、そして、わずかなコース条件の差よりも、
チーム毎の実力差やコンディションの差の方の方が大きい。
よって、2年続けて、レーン順が順位と同じになったのは
単なる偶然だと思う。
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上写真は表彰式での「東京龍舟」の模様。

下写真は、3位に入った「すいすい丸トレイン」の
表彰状と、入賞記念メダル(注:「小寺製作所」製)
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では、スモール選手権、混合の部の模様はこのあたり
までで、次回記事は「オープンの部」の模様を紹介する。


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