一般的なカメラユーザー層には普及していない「特殊用語」や
「本ブログ独自の写真用語」を解説するシリーズ記事。
今回第9回は、機材編のサブカテゴリー「機材購入」(Part 1)
から始める。
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このカテゴリーでは、ユーザー層が撮影機材(カメラ本体や
交換レンズ)を購入する際に知っておくべき用語を説明する。
<機材購入>Part 1
★エントリーレンズ
一般用語だが、定義が曖昧。
一眼レフ(銀塩、デジタル)や、ミラーレス機を購入した
初級ユーザー層は、昔も今も「交換レンズ」を殆ど買わない。
その理由は恐らく大きく2つあり、
「どのレンズを買ったら良いか、わからないから」
「交換レンズが高価すぎて簡単には買えないから」
である。
メーカーおよび流通市場では交換レンズが売れないと勿論困る、
ただでさえ、近年ではスマホ等の簡便な撮影機材の台頭や
世情の変化によりカメラ・レンズ市場が縮退している状況だ。
そこで2010年前後から、各カメラメーカーは、安価で性能が
良い「入門用レンズ」の開発・発売を始めている。
一眼等のビギナーユーザー層に、レンズ交換の楽しさや魅力や
知識を伝え、より高性能で高価な交換レンズを購入して貰う為が
第一であり、さらには、同一マウントのレンズを複数揃えた事で
他マウントのカメラへの転換を避けるという目的もあるだろう。
(例:ニコンFマウントのレンズを既に3本持っているから、
今更他社ミラーレス機へ乗り換える事はしたくない、等
これは、いわゆる「囲い込み戦略」である)
このような目的で開発されたと思われる安価な高性能レンズ群を、
本ブログでは「エントリーレンズ」と呼んでいる。
(注:業界の一部で「撒き餌レンズ」という表現がある模様だが、
レンズを「エサ」扱いでは、売る側にも買う側にも失礼な話だ。
レンズの企画開発や、売買や、その使用に無関心な傍観者的な
用語であり、本ブログではその呼び方は非推奨とする)
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「エントリーレンズ」の定義としては、
1:単焦点レンズである事が殆ど
2:大口径レンズ(F1.8級等)である事が多い
3:最短撮影距離の短縮等、高性能である事が多い
4:APS-C型機専用レンズである事が多い
5:定価または実勢販売価格が安価である
(概ね新品定価2~3万円台、実売1万円台~2万円台)
がある。
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各一眼レフメーカーにおける代表的なエントリーレンズの例を
以下にあげる(なお、数が多いので、各社1本のみとする)
NIKON:AF-S DX NIKKOR 35mm/F1.8G
CANON:EF50mm/F1.8 STM
PENTAX:smc PENTAX-DA 35mm/F2.4AL
SONY:DT 35mm/F1.8 SAM (SAL35F18)
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また、ミラーレス機用交換レンズにも同等な商品が存在するが
こちらも数が多いので詳細は割愛する。
だいたい上記定義に当てはめてみればわかるであろう。
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エントリーレンズの歴史であるが、ここはメーカー側が明確に
「これはエントリーレンズです」とは、なかなか公言しない為、
判断がしにくい場合があるが、あえて古い時代のものを
2つだけあげておこう。
*1990年「CANON EF50mm/F1.8Ⅱ」発売
CANONは1985年に銀塩AF一眼レフ「T80」でAF一眼レフ市場に
参入したが、同年、MINOLTA「α-7000」が華々しくデビュー。
その圧倒的AF性能により「αショック」と呼ばれた社会現象
ともなり、各社は一斉にAF化でαに追従した。
CANONは「T80」を歴史の闇に葬り、続くT90(1986年)では、
MFに一旦後退(注:ただしT90は名機である、現在未所有)
その後、旧来のFDマウントのままではαへの追従が困難と見て、
1987年に新規のEFマウントを採用した銀塩AF一眼レフ
EOS650を発売した。
この時代はズームレンズの発展期であり、旧来の50mm単焦点
標準をキットレンズとした戦略は取らず、CANON EF50mm/F1.8
(初期型)が一応販売されていたが、それまでのFDマウントの
ユーザー層から見れば、新規のEOSを購入してもFDレンズが
使えない事には不満が大きかった。また、ズームレンズの
描写力がユーザーの信頼を勝ち得て無かった時代でもある。
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そこでCANONは、EF50mm/F1.8をリニューアルしⅡ型として
大幅なコストダウンを実現、1万円前後で購入できる高性能
標準レンズとして、初級ユーザー層から「神格化」される
程になり、2015年にEF50mm/F1.8STMにリニューアルされる
まで、実に25年間もの超ロングセラー製品となった。
このEF50mm/F1.8ⅡがキヤノンEFマウント用レンズの普及を
陰ながら支えていた事は間違いの無い事実だ。
(注1:ミラーレス・マニアックス記事等でEF50mm/F1.8Ⅰ型
を紹介済。
注2:近年、中国製のYONGNUO(ヨンヌオ)YN50mm/f1.8
というEF50/1.8Ⅱのデッドコピー品が、新品で
5000円台と激安で発売された→後日紹介予定。
ただし、このYN50/1.8はエントリーレンズとは
呼び難い、次に続くべき自社カメラが無いからだ)
*1995年「ニコンおもしろレンズ工房」発売
20mm魚眼風、90mmソフト/125mmマクロ兼用、
400mm超望遠の3本セットからなる、交換レンズお試し版。
どのレンズも、まず初級中級ユーザー層では持っていない
スペックのレンズ群である。
ただし、あくまで「お試し版」なので、残念ながら大きな
性能制限がかけられてしまっている。いずれのレンズも
最短撮影距離が極めて長く、また絞りも固定値である。
高付加価値型商品のメーカーであるニコンでは、このような
製品コンセプトは社内外的に受け入れられなかったのであろう、
開発は社外、流通は特殊、限定数販売、定価も良くわからない、
カタログには載せない、極めつけはニコンのロゴを入れる
事も許されなかった製品である(=「ニコン」と書いてある
シールをユーザーが自分でレンズに貼り付けて使う)
まあつまり、正規の製品としては認められていなかった。
今時であれば、こうした「ハラスメント」は、メーカー自身
への悪印象となりかねないが、まあ当時は時代も違う。
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最短撮影距離の長さと固定絞りの点を除いては、どれも描写力
は悪く無いレンズである、様々な外圧で自由に製品が作れ
なかった当時のエンジニアの気概が感じられるレンズ群だ。
マニア層にはウケが良く、2000年には再生産された。
エントリーレンズ戦略は、この時代にはまだ理解され難かった
のかも知れないが、わかる人にはわかると言う事か・・
(ミラーレス・マニアックス記事等で各レンズを紹介済)
その後2010年前後からは、各社ともこうした「エントリーレンズ」
を発売する事は普通になった。
なお、「エントリーレンズ」の弱点は、チープな(安っぽい)
作りである事が殆どだが、レンズによっては、あまりそれも
感じられない。また、僅かな不便が存在する場合もある
(例:CANON STM型レンズは他マウントで通常型アダプターで
装着時にAF/MFがともに効かない等)
高性能で安価である利点を生かせれば、「これらは初級者用の
レンズである」という印象に拘らず、過酷な撮影環境における
「消耗用レンズ」として中上級ユーザー層にもオススメである。
なお、2010年代後半では、各社の「高付加価値化戦略」が進み、
一眼レフ用でのエントリーレンズの新発売は非常に少ない状態だ。
★パンケーキレンズ
一般用語に近いマニア用語。
薄型の交換レンズを指してこう呼ぶ。
概ね焦点距離が一眼レフカメラのフランジバック長に近い値
(40mm~50mm程度、45mm前後が中心)である事。
このあたりに、テッサー型(3群4枚)構成等のレンズを集中配置
する事で、非常に薄型のレンズが出来上がる。
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銀塩MF時代のCONTAX Tessar T* 45mm/F2.8(1982年)が最も
著名であるが、それ以前にGNニッコール45mm/F2.8(1974年)
もあり、それ以降も各社から色々な「パンケーキ(型)レンズ」
が発売されている。
1990年代のAF時代では、各社ともAF版でのパンケーキレンズは
当時の技術では開発困難であったからか、ほとんど見なくなった。
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あえて言えば、準パンケーキ型AFレンズとしては
smc PENTAX-FA 43mm/F1.9 Limited(1997年)が存在するが、
この登場を待ちきれないマニアも多く、1990年代中頃からは、
「第一次中古カメラブーム」とあいまって、一大「パンケーキ
ブーム」が巻き起こった。
性能的には不満足と言える「GNニッコール」(現在未所有)が
投機対象となって10万円前後まで中古相場が高騰した時には、
あきれて物も言えなかった。
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ニコンがパンケーキブームに乗って「Ai NIKKOR 45mm/F2.8P」を
2001年に新規発売した際は、私もすぐ購入したのだが、普段は
あまり行かない販売店の店員から
「転売するのでしょう? 今だったら好きなシリアルナンバーの
レンズを選べますよ」と言われた際には、かなりムカついた。
マニア道を極めるのであれば、レンズは全て実用品だ、これを
使わないで死蔵したり、投機の対象とするのはマニア道からは
外れる。
それに2001年だったら、既にパンケーキブームは終息していた、
ニコンのブームへの対応も遅いが(開発期間があるのでやむを
得ない) その店員の「世情への疎さ」と客への態度、そして
撮影機材への愛着の薄さ(それこそ、レンズを単なるモノや
エサ扱いであろう)等は、「販売のプロ」としては失格だと
思ったのだ。
まあ、行きつけの店であれば、私がマニアである事は当然知って
いるので、こういうつまらない事は言って来なかったと思うが・・
この銀塩中古カメラブームの時代、結局、私も多数(ほぼ全て?)
の「パンケーキレンズ」を当時は所有していたのだが、使って
みると、やはり通常の変形ガウス型等の標準レンズと比較すると、
描写力や最短撮影距離、操作性等の面で不満も多く、その後殆どを
譲渡処分してしまっていた。(残ったレンズ群は、ミラーレス・
マニアックス記事等で紹介済)
なお、キヤノンは、このパンケーキブームに乗った製品群は、
銀塩時代を通じて発売されておらず、ごく近年の2010年代となって、
EFマウント、EF-Sマウント、EF-Mマウントで各1本のパンケーキ型
レンズを発売している。内、EF 40mm/F2.8STMのみ「歴史的価値」
の面から所有している(後日紹介予定)
それから、近年では技術の進歩からか、パンケーキよりさらに
薄いレンズも発売されている。
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こちらは、smc PENTAX-DA 40mm/F2.8 XS(限定色版)
孤高のKマウントミラーレス機「K-01」(2012年)とのセットで
発売された超薄型レンズである(厚さ9mm、重量52g)
PENTAXでは、「パンケーキより薄い”ビスケットレンズ”」と
これを呼んでいる模様だ。
なお、銀塩MF現代のパンケーキは、多くがテッサー型(3群4枚)
であったが、現代のパンケーキはテッサー型では無く、4群5枚や
4群6枚構成になっているものもあり、最短撮影距離の短縮や
焦点移動の問題の回避、ボケ質の向上等の点で進化が見られる。
まあレンズ設計技術の進歩(コンピューター光学設計や、ガラス
材質、コーティング性能等の改良等)により、その分一般的な
標準レンズ等は、さらに描写性能が向上しているので、依然
パンケーキの性能優位性は殆ど無い状況であるが、マニアック
でデザイン的な面白さは十分にあると思うので、マニア層では
いずれかのパンケーキレンズは必携であろう。
★ボディキャップレンズ
一般用語に近いマニア用語。
ミラーレス機は、その名の通りミラーが無く、フランジバック長が
短く、フルサイズ機で無ければセンサーサイズも小型化されていて
イメージサークルも小さく、小型軽量の交換レンズを作り易い
環境にある。
ミラーレス機では、明確にパンケーキ型(前述)と呼ばていれる
レンズは、さほど多くは無いのだが、パンケーキ級の薄型レンズは
いくらでもあり、一々あげるのが大変な位だ。
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さて、ミラーレス機用交換レンズには、パンケーキ型よりもさらに
薄い「ボデイキャップレンズ」と通称で呼ばれているレンズ群が
いくつか存在する。
具体例としてはOLYMPUS BCL-1580,BCL-0980,FUJIFILM XM-FL
PENTAX 07等がある(いずれもミラーレス・マニアックス記事等で
紹介済)
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上写真はBCL-0980、これは魚眼タイプのボディキャップレンズだ。
前述のレンズ全ては、MF型または固定焦点型でAFは搭載されて
いない。
BCLシリーズは、結構まともな写りをする為、それこそ「普段は
ボディキャップとしてカメラに装着しておき、いざとなれば、
そのまま写真も撮れる」という用途に適している。
(OLYMPUS OM-D E-M1 2013年が発売された際、ボディ単体販売
では、ボディキャップレンズBCL-1580が付属していた)
前述の「パンケーキ型レンズ」を志向するマニア層は今でも多い
とは思うのだが、銀塩時代の一眼レフ用パンケーキをミラーレス
機にアダプターを用いて装着しようとした際、ミラーレス機の
フランジバック長は約18mm前後と、一眼レフより30mm弱も
短く、アダプター長もそれだけ必要となり、せっかくの
パンケーキがミラーレス機では薄型に見えず、格好悪い。
このデザイン上の問題を避けるにはミラーレス機用のパンケーキ
レンズか、又は、こうしたボディキャップレンズを使うしか無い
訳だ。これらであれば、ミラーレス機に装着した場合、銀塩の
パンケーキの雰囲気を彷彿して格好良い。
まあ、ボディキャップレンズもマニア向け商品と言えると思うが
価格がかなり安価(数千円程度)なので、初級層へもオススメだ。
★開放F値固定ズーム
一般用語。
焦点距離の変動(ズーミング)により、開放F値または、
自身が設定したF値が変動しない方式のズームレンズである。
別の言い方では「通し」という場合もあり、例えば「F2.8通し」
のように使われる。
SIGMAでは2000年代頃に、こうしたズームレンズに「EX」の名称
をつけていたのだが、SIGMAのEX仕様はズームレンズのみならず、
元々F値が固定である「単焦点レンズ」にも付けられていた。
なので、本来の意味よりも、どちらかと言えば、高性能レンズの
称号のように捉えられていたかも知れない。
さて、一般的なズームレンズでは、望遠側にスーミングする程に
開放F値が暗くなる。例えば広角端開放F3.5~望遠端開放F6.3の
ズームでは(開放での撮影時)広角端に対して望遠端は、およそ
2段も暗い。
これはシャッター速度が1/4の遅さに低下してしまう事を意味し、
加えて焦点距離が望遠側に伸びると手ブレ限界シャッター速度も
どんどんと上がる為、初級者層では手ブレを頻発してしまう。
具体例は、広角端28mm相当、開放F3.5、ISO100の条件で、
1/500秒のシャッター速度が得られていたとする、これが高倍率
ズームであったとして、望遠端300mm相当にズーミングすると、
開放F6.3に低下、同じISO感度では、シャッター速度は、およそ
1/125秒に低下してしまう。
初級者の手ブレ限界速度を「焦点距離分の1秒」と仮定すれば、
本来は1/300秒以上のシャッター速度が必要なのに、すでに
2段近く足りない。
なお、AUTO ISO機能を期待しても無駄だ、多くのカメラでは
AUTO ISOは、1/125秒程度では次の高感度に切り替わらない。
(注:装着レンズの焦点距離に応じて、ISO低速限界速度が自動で
変わる機種も一部には存在する)
手動でISO切り替えシャッター速度が変更できる機種も一部の
メーカーには存在するが、初級層には意味がわからない機能だ。
ならば手ブレ補正機能に頼るか?近年の優秀なレンズ内・ボディ内
手ブレ補正機能は、4~5段程度のブレ補正効果を持つものも多い。
でも、それはちゃんとカメラが構えられる人での話だ、
初級層等でカメラの構えが不適切であれば、いかに優秀な手ブレ
補正機能でも、カタログスペック通りの補正効果は得られない。
(カメラが適切に構えられない初級者は極めて多く、それが大半だ)
それにボデイ内手ブレ補正を持たないカメラも依然多く、
組み合わせるレンズによっては、手ブレ補正が無いという現状だ。
まあ、対策として手動でISO感度を変えるなりして対応すれば、
何の事は無いのであるが、初級層ではカメラにISO変更機能が有る
事は知っていても「何故変更しなければならないのか?」又は
「いつ(どんな場合に)ISO感度を変更する必要があるのか?」が
理解できていない。初級のカメラ入門書にある説明のような
「蛇口を開いてバケツに水を貯める」といった露出概念の説明では
ISO感度については理解できないからだ。(注:いつまでも、
この古い解説を続けている事には賛同できない)
まあなので、一部のシニア層等では、「ISO感度を上げると
ノイズが出て画質が低下する」と言い張り、シャッター速度が
上げられないから、依然、三脚を使用しようとする。
(そういう単純な「三段論法」では無い事は言うまでも無い)
あるいは、望遠端の開放F値を下回らない絞り値に予めセットして
おけばズーミングによるF値の変動は避けられ、同時にシャッター
速度の低下も避けられる。しかしこれもまた最低限「絞り優先」の
モードで撮っていなくてはならず、また、暗所では前述と同様に
ISO感度を上げなくては手ブレ限界速度を下回る問題が出てくる。
また、広角端絞り開放で撮っていて、いったん望遠側にズーミング
して暗くなった(開放)絞り値は再度広角側にズーミングを戻して
も復帰せず、絞り込まれたままである(ごく一部のカメラで、
絞り値が開放等に復帰するものもあるが、かなり稀である)
結局、これらの問題を解決するには、最低限の露出概念を理解して
おかなくてはならない。これらを理解していない初級中級層では
手ブレを誘発する事は避けにくい、あるいは シニア層等では
「ブレるから三脚を使おうか」と言う、物事の本筋とは関係無い
解決法に逃げてしまう(その結果、各所で撮影マナーが問題と
なっている。もう今時は、寺社等はほとんど三脚・一脚は禁止だ)
加えて、三脚を使って撮る習慣を続けると、手持ち時の正しい
構えが身に付かない、これは初級者のみならず中上級者や果ては
職業写真家層ですら、ちゃんとカメラを構えられない人が居る。
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さて、余談が長くなったが、開放F値固定ズームの実用上の
メリットはかなり大きい。
まずは所定の絞り値をキープできるので、ズーミングによる
シャッター速度の低下が殆ど発生しない(注:構図上の輝度分布
が変化するので、多分割測光モード等ではシャッター速度が若干
変動する場合はある)
問題の手ブレであるが、ズーミングでの焦点距離の伸びに対して、
感覚的に連動してリニアに手ブレ限界も上がっていくので、対応が
やりやすい。ここは中級者であれば理解や対策は容易であろう。
それから、上級者向けの話だが、被写界深度の変化がスーミング
とリニアに連動する。(被写界深度が焦点距離に反比例する)
これが開放F値可変ズームだと、焦点距離の望遠側への増加で
被写界深度は浅くなる方向に変化するが、それに反して
(開放)F値が暗くなるので、被写界深度が深くなる方向に変わる。
つまり両者が相反する為、作画上での被写界深度の見込みが不明だ。
一眼レフであればさらに顕著で、一眼レフのほぼ全ては開放測光で
ある為、撮影前に被写界深度の確認がやりにくい。まあ一応は
プレビュー(絞り込み)機能で可能なのだが、面倒であったり、
光学ファインダーが暗くなるので、あまり有益な機能では無い。
そうであれば、ミラーレス機の絞り込み(実絞り)測光で高精細の
EVF搭載機ならば大体の被写界深度がわかるので遥かに使いやすい。
でも一眼レフで撮らなければならない場合も勿論ある、そういう
時に、開放F値固定ズームだと撮影前に被写界深度の類推が若干
容易な訳だ。
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ちなみに、私の場合は基本的に大半の撮影が単焦点レンズを使う
のであるが、勿論ズームが必要となる撮影シーンもある。
そんな際、開放F値固定ズームを使うと、一般ズームに比較して
ありがたさ(メリット、恩恵)を深く感じる次第だ。
★大三元思想
初級マニア用語。
まず前述の「エントリーレンズ」の項目で書いたのだが、
初級層が交換レンズを買わない理由として。
「(種類が多すぎて)どれを買ったら良いかわからない」
「交換レンズが高価すぎて、買い難い」
がある。
さて、ここで「どれを買ったら良いかわからない」という点だが、
これは裏を返せば「どんな被写体を撮りたいのか良くわからない」
と言う事と、ほぼイコールである。
初級層はもとより中級層に至るまで「何が撮りたいかわからない」
人は極めて多い。だから彼らは「綺麗な桜」「珍しいお祭り」
「滅多に見ない野鳥」「美しいモデルさんの撮影会」等、同じような
被写体を求めて大挙して群がってしまう訳だ。
で「交換レンズを持たないと、一眼レフを使っている意味が無い」
と思う中級者又は初級マニア層は多い事であろう、これは事実だ。
交換レンズを買わないならば、一眼レフやミラーレス機を使う
意味も殆ど無く、コンパクト機やスマホで十分だからだ。
だけど依然上記の問題が残る、つまり「どのレンズを買ったら
良いのかわからない」という課題だ。
これもまた「何を撮りたいのか良くわからない」という原因と
根本は一緒なのだが、それについてはわからないものはわからない
のだからやむを得ない、周囲の他人から「これを撮りなさい」等と
指示される必要も無いからだ。
さて、お金の問題が無いのであれば「どうせ買うならば、一番高い
ものを買ってしまえ、あれこれ悩んでもしかたないし、安いのを
買って、後から、やっぱあちらの高い方が良かった等と後悔する
事も無いであろう」という考え方から、高級(高価格な)機材を
欲しがる傾向が初級中級層には強く存在する。
(というか、”自分では選べない”という点もあるだろう
あるいは、”高性能な機材を使わないと上手く撮れない”という
不安も、ビギナー層には常につきまとっている)
これは、お金持ちか否か(可処分所得が高いか否か)という点とは
あまり関係が無い。「今時はデジタルカメラが高い」と私は良く
嘆いてはいるが、数十年前の昔に比べて、可処分所得とカメラの
価格の比は、ずっと小さい。
つまり、さほど高い買い物では無く、サラリーマンがボーナスを
つぎ込んだり、学生がバイト代を貯めたり、シニア層が退職金の
一部で、高価なカメラやレンズを買ってしまう事は、今時では
無理な話では無いのだ。
そうした「お金が使える」初級中級層において「憧れのセット」
というものがある。
それは、広角F2.8通しズーム、標準F2.8通しズーム、
望遠F2.8通しズーム、の3本を揃える事だ。
これを「大三元」と呼ぶのが近年の初級マニア層の慣わしだ。
「大三元(だいさんげん)」とは、ご存知「麻雀の役」の一種であり
白、発(發)中(ハクハツチュン)の3種類を3枚づつ(=刻子)
揃えると、役満貫(ヤクマン)となり、非常に高得点となる。
また、派生して「小三元」というレンズセットの呼び名もあり、
こちらは麻雀の役とはちょっとイメージが異なり、広角・標準・
望遠の3本のズームを、開放F2.8通しではなく、やや安価な
開放F4通しで揃える事だ。
まあ、言い得て妙だが、呼び名はともかく、初級中級層において
開放F値固定ズームの長所(前述)が本当にわかっているので
あろうか?という疑問が非常に大きい。
「プロも使っているから良いものだ」と誤解して買う人ばかりでは
あるまいか?
明るいという利点とボケ量が稼げ、F値「通し」である事、そして
一部のカメラとの組み合わせにおいて(副測距点での)AFセンサー
の合焦精度が、開放F4以下の暗いズームレンズよりも上がる事の
メリットも、確かにあるのだが・・(注:その効果を狙う
ならば、単焦点を使えば、F2.8以上は当たり前のスペックだ)
・・まあ、この点については、メーカー側でカメラの測距点
精度をF2.8レンズ向けにチューニングしている事も理由だ、
そうしておけば、営業トークで「ほら、こちらのF2.8の
レンズの方がF4レンズよりピントが良く合うでしょう?
だから、こちらのF2.8レンズは高性能で高価なのですよ」
という理屈を、初級中級層に納得させる事が出来る訳だ。
まあつまり、メーカー側が一番売りたい商品が、大三元で
あって、それはすなわち利益が得られる商品だからだ。
そして、売りたい商品は、あの手この手で宣伝を行う、
職業写真家層に使ってもらう、と言うのも効果的である。
そういうモノを買ってしまうのは消費者側の負けであろう。
例えば、ハンバーガー店に行って、コスパの良い単品商品だけ
を買ったら、「ポテトもいかがですか?」と必ず聞かれる、
ポテトが店側が一番売りたい商品(儲かる商品)だからだ。
まあ、そういう「購買行動における損得」の面を抜きにしたと
しても大三元のレンズの短所は明白だ。「大きく重く高価」
の三重苦である、という点から、ハンドリング性能が劣り、
かつコスパが悪い、という大きな課題がある。
私は現在、数百本ある所有レンズ中、F2.8通しズームを1本も
所有していない。まあ過去には持っていたが、私の機材購入・
使用のコンセプトに合わないため、全て処分してしまった。
まあ、という事で、現在私は初級中級層における「大三元思想
(信奉)」には反対派だ。まあ、職業写真家がそれらを使うのは、
様々な撮影シーンにおいて汎用性が高いレンズなので当然だとは
思うが、どんな被写体をどのように撮りたいのかも良くわかって
いない初級層等の「趣味の範囲での撮影」では「大三元」は、
あまりにコスパやハンドリングが悪い。
まあ、どんな機材を買うか?というのも、あくまで趣味の範囲で
あれば個人個人の志向も勿論ある。実用目的よりも「所有満足度」
の高さに惹かれる場合もあるだろう、そのあたりは否定しようが
無い。けど、私が、その購入予算を持っていたら、数万円級の
コスパの優れたレンズを数十本買う事であろう・・
(事実、そうしている)
ただまあ、ビギナー層が高価なレンズを買う事で「もう後には
引けない」と、練習や撮影のモチベーションが上がる事もある、
その点においては、高価なレンズを買う事は悪くは無い。
余談だが、撮影者の腕前や経験値レベルにそぐわない(高価な)
機材を使っている状況は、マニア道からすれば「格好悪い」
事である。
「なんだ、見掛け倒しか」という事になってしまう訳だ。
まあ、カメラやレンズの構えを見れば、大体そのカメラマンの
実力値はわかってしまう。重たいレンズであるからしっかりと
カメラとの重心を支える等の合理的な構えが出来ていなければ
ならない。なお、明所で三脚を使うなどは論外だ。
開放F値が明るいレンズであるのに、手ブレが怖くて、又は
重さに負けて三脚を使っていたら、何の為の大口径なのだか
わからない。
開放F値の明るいレンズは、手持ちで最大のパフォーマンスを
発揮する訳だ。
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なお、F2.8級レンズの場合、最高1/4000秒シャッター機では
明所での撮影時に、最低ISO感度の仕様によっては、絞りを
開放まで開けられないリスクがある。
この為、最低限1/8000秒機の使用は必須、さもなければ明所
ではND2減光フィルターを併用する必要性があるだろう。
(F1.4級レンズならば、さらにND8等の減光フィルターが必要だ)
フィルター径の大きいレンズでは、こうした場合に付属品の
コストが ずいぶんと大きくなってしまう。
こういう点はあまり購入時点では意識していないと思うが、
保護フィルターとNDフィルターで計1万円越えともなったら、
決して無視できないコストとなる。
なお、近年、NIKON 100周年トリプルレンズセット、という
大三元レンズの受注(限定)生産品が、100万円以上という
高価格で発売されていた。当然、初級層の大三元の人気に
対応した企画だ。NIKONは1990年代の中古カメラブームの
時にも、富裕層向けの高価な企画商品をいくつか作って
発売しているが、それらは実用向けではなく、投機対象と
なってしまった(市場で売買して利益を稼ぐ為の商品)
勿論、その大三元セットも瞬時に投機対象品となって売り切れ、
その後の中古市場でも、定価あるいはプレミアム相場で取引
されている。
当然、実用品ではなく、使用したらいけない(価値が落ちる)
セットであろう。まあ、実用派のユーザーとしては受け入れ
難い製品コンセプトであるし、むしろ反感を持ってしまうが、
欲しい人は欲しがるという事か・・
まあ、現在所有もしていない機材について、あれこれと
語る事は本意では無いので、このあたりまでにしておく。
---
次回記事に続く・・
「本ブログ独自の写真用語」を解説するシリーズ記事。
今回第9回は、機材編のサブカテゴリー「機材購入」(Part 1)
から始める。
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交換レンズ)を購入する際に知っておくべき用語を説明する。
<機材購入>Part 1
★エントリーレンズ
一般用語だが、定義が曖昧。
一眼レフ(銀塩、デジタル)や、ミラーレス機を購入した
初級ユーザー層は、昔も今も「交換レンズ」を殆ど買わない。
その理由は恐らく大きく2つあり、
「どのレンズを買ったら良いか、わからないから」
「交換レンズが高価すぎて簡単には買えないから」
である。
メーカーおよび流通市場では交換レンズが売れないと勿論困る、
ただでさえ、近年ではスマホ等の簡便な撮影機材の台頭や
世情の変化によりカメラ・レンズ市場が縮退している状況だ。
そこで2010年前後から、各カメラメーカーは、安価で性能が
良い「入門用レンズ」の開発・発売を始めている。
一眼等のビギナーユーザー層に、レンズ交換の楽しさや魅力や
知識を伝え、より高性能で高価な交換レンズを購入して貰う為が
第一であり、さらには、同一マウントのレンズを複数揃えた事で
他マウントのカメラへの転換を避けるという目的もあるだろう。
(例:ニコンFマウントのレンズを既に3本持っているから、
今更他社ミラーレス機へ乗り換える事はしたくない、等
これは、いわゆる「囲い込み戦略」である)
このような目的で開発されたと思われる安価な高性能レンズ群を、
本ブログでは「エントリーレンズ」と呼んでいる。
(注:業界の一部で「撒き餌レンズ」という表現がある模様だが、
レンズを「エサ」扱いでは、売る側にも買う側にも失礼な話だ。
レンズの企画開発や、売買や、その使用に無関心な傍観者的な
用語であり、本ブログではその呼び方は非推奨とする)
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1:単焦点レンズである事が殆ど
2:大口径レンズ(F1.8級等)である事が多い
3:最短撮影距離の短縮等、高性能である事が多い
4:APS-C型機専用レンズである事が多い
5:定価または実勢販売価格が安価である
(概ね新品定価2~3万円台、実売1万円台~2万円台)
がある。
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以下にあげる(なお、数が多いので、各社1本のみとする)
NIKON:AF-S DX NIKKOR 35mm/F1.8G
CANON:EF50mm/F1.8 STM
PENTAX:smc PENTAX-DA 35mm/F2.4AL
SONY:DT 35mm/F1.8 SAM (SAL35F18)
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こちらも数が多いので詳細は割愛する。
だいたい上記定義に当てはめてみればわかるであろう。
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「これはエントリーレンズです」とは、なかなか公言しない為、
判断がしにくい場合があるが、あえて古い時代のものを
2つだけあげておこう。
*1990年「CANON EF50mm/F1.8Ⅱ」発売
CANONは1985年に銀塩AF一眼レフ「T80」でAF一眼レフ市場に
参入したが、同年、MINOLTA「α-7000」が華々しくデビュー。
その圧倒的AF性能により「αショック」と呼ばれた社会現象
ともなり、各社は一斉にAF化でαに追従した。
CANONは「T80」を歴史の闇に葬り、続くT90(1986年)では、
MFに一旦後退(注:ただしT90は名機である、現在未所有)
その後、旧来のFDマウントのままではαへの追従が困難と見て、
1987年に新規のEFマウントを採用した銀塩AF一眼レフ
EOS650を発売した。
この時代はズームレンズの発展期であり、旧来の50mm単焦点
標準をキットレンズとした戦略は取らず、CANON EF50mm/F1.8
(初期型)が一応販売されていたが、それまでのFDマウントの
ユーザー層から見れば、新規のEOSを購入してもFDレンズが
使えない事には不満が大きかった。また、ズームレンズの
描写力がユーザーの信頼を勝ち得て無かった時代でもある。
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大幅なコストダウンを実現、1万円前後で購入できる高性能
標準レンズとして、初級ユーザー層から「神格化」される
程になり、2015年にEF50mm/F1.8STMにリニューアルされる
まで、実に25年間もの超ロングセラー製品となった。
このEF50mm/F1.8ⅡがキヤノンEFマウント用レンズの普及を
陰ながら支えていた事は間違いの無い事実だ。
(注1:ミラーレス・マニアックス記事等でEF50mm/F1.8Ⅰ型
を紹介済。
注2:近年、中国製のYONGNUO(ヨンヌオ)YN50mm/f1.8
というEF50/1.8Ⅱのデッドコピー品が、新品で
5000円台と激安で発売された→後日紹介予定。
ただし、このYN50/1.8はエントリーレンズとは
呼び難い、次に続くべき自社カメラが無いからだ)
*1995年「ニコンおもしろレンズ工房」発売
20mm魚眼風、90mmソフト/125mmマクロ兼用、
400mm超望遠の3本セットからなる、交換レンズお試し版。
どのレンズも、まず初級中級ユーザー層では持っていない
スペックのレンズ群である。
ただし、あくまで「お試し版」なので、残念ながら大きな
性能制限がかけられてしまっている。いずれのレンズも
最短撮影距離が極めて長く、また絞りも固定値である。
高付加価値型商品のメーカーであるニコンでは、このような
製品コンセプトは社内外的に受け入れられなかったのであろう、
開発は社外、流通は特殊、限定数販売、定価も良くわからない、
カタログには載せない、極めつけはニコンのロゴを入れる
事も許されなかった製品である(=「ニコン」と書いてある
シールをユーザーが自分でレンズに貼り付けて使う)
まあつまり、正規の製品としては認められていなかった。
今時であれば、こうした「ハラスメント」は、メーカー自身
への悪印象となりかねないが、まあ当時は時代も違う。
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は悪く無いレンズである、様々な外圧で自由に製品が作れ
なかった当時のエンジニアの気概が感じられるレンズ群だ。
マニア層にはウケが良く、2000年には再生産された。
エントリーレンズ戦略は、この時代にはまだ理解され難かった
のかも知れないが、わかる人にはわかると言う事か・・
(ミラーレス・マニアックス記事等で各レンズを紹介済)
その後2010年前後からは、各社ともこうした「エントリーレンズ」
を発売する事は普通になった。
なお、「エントリーレンズ」の弱点は、チープな(安っぽい)
作りである事が殆どだが、レンズによっては、あまりそれも
感じられない。また、僅かな不便が存在する場合もある
(例:CANON STM型レンズは他マウントで通常型アダプターで
装着時にAF/MFがともに効かない等)
高性能で安価である利点を生かせれば、「これらは初級者用の
レンズである」という印象に拘らず、過酷な撮影環境における
「消耗用レンズ」として中上級ユーザー層にもオススメである。
なお、2010年代後半では、各社の「高付加価値化戦略」が進み、
一眼レフ用でのエントリーレンズの新発売は非常に少ない状態だ。
★パンケーキレンズ
一般用語に近いマニア用語。
薄型の交換レンズを指してこう呼ぶ。
概ね焦点距離が一眼レフカメラのフランジバック長に近い値
(40mm~50mm程度、45mm前後が中心)である事。
このあたりに、テッサー型(3群4枚)構成等のレンズを集中配置
する事で、非常に薄型のレンズが出来上がる。
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著名であるが、それ以前にGNニッコール45mm/F2.8(1974年)
もあり、それ以降も各社から色々な「パンケーキ(型)レンズ」
が発売されている。
1990年代のAF時代では、各社ともAF版でのパンケーキレンズは
当時の技術では開発困難であったからか、ほとんど見なくなった。
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smc PENTAX-FA 43mm/F1.9 Limited(1997年)が存在するが、
この登場を待ちきれないマニアも多く、1990年代中頃からは、
「第一次中古カメラブーム」とあいまって、一大「パンケーキ
ブーム」が巻き起こった。
性能的には不満足と言える「GNニッコール」(現在未所有)が
投機対象となって10万円前後まで中古相場が高騰した時には、
あきれて物も言えなかった。
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2001年に新規発売した際は、私もすぐ購入したのだが、普段は
あまり行かない販売店の店員から
「転売するのでしょう? 今だったら好きなシリアルナンバーの
レンズを選べますよ」と言われた際には、かなりムカついた。
マニア道を極めるのであれば、レンズは全て実用品だ、これを
使わないで死蔵したり、投機の対象とするのはマニア道からは
外れる。
それに2001年だったら、既にパンケーキブームは終息していた、
ニコンのブームへの対応も遅いが(開発期間があるのでやむを
得ない) その店員の「世情への疎さ」と客への態度、そして
撮影機材への愛着の薄さ(それこそ、レンズを単なるモノや
エサ扱いであろう)等は、「販売のプロ」としては失格だと
思ったのだ。
まあ、行きつけの店であれば、私がマニアである事は当然知って
いるので、こういうつまらない事は言って来なかったと思うが・・
この銀塩中古カメラブームの時代、結局、私も多数(ほぼ全て?)
の「パンケーキレンズ」を当時は所有していたのだが、使って
みると、やはり通常の変形ガウス型等の標準レンズと比較すると、
描写力や最短撮影距離、操作性等の面で不満も多く、その後殆どを
譲渡処分してしまっていた。(残ったレンズ群は、ミラーレス・
マニアックス記事等で紹介済)
なお、キヤノンは、このパンケーキブームに乗った製品群は、
銀塩時代を通じて発売されておらず、ごく近年の2010年代となって、
EFマウント、EF-Sマウント、EF-Mマウントで各1本のパンケーキ型
レンズを発売している。内、EF 40mm/F2.8STMのみ「歴史的価値」
の面から所有している(後日紹介予定)
それから、近年では技術の進歩からか、パンケーキよりさらに
薄いレンズも発売されている。
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孤高のKマウントミラーレス機「K-01」(2012年)とのセットで
発売された超薄型レンズである(厚さ9mm、重量52g)
PENTAXでは、「パンケーキより薄い”ビスケットレンズ”」と
これを呼んでいる模様だ。
なお、銀塩MF現代のパンケーキは、多くがテッサー型(3群4枚)
であったが、現代のパンケーキはテッサー型では無く、4群5枚や
4群6枚構成になっているものもあり、最短撮影距離の短縮や
焦点移動の問題の回避、ボケ質の向上等の点で進化が見られる。
まあレンズ設計技術の進歩(コンピューター光学設計や、ガラス
材質、コーティング性能等の改良等)により、その分一般的な
標準レンズ等は、さらに描写性能が向上しているので、依然
パンケーキの性能優位性は殆ど無い状況であるが、マニアック
でデザイン的な面白さは十分にあると思うので、マニア層では
いずれかのパンケーキレンズは必携であろう。
★ボディキャップレンズ
一般用語に近いマニア用語。
ミラーレス機は、その名の通りミラーが無く、フランジバック長が
短く、フルサイズ機で無ければセンサーサイズも小型化されていて
イメージサークルも小さく、小型軽量の交換レンズを作り易い
環境にある。
ミラーレス機では、明確にパンケーキ型(前述)と呼ばていれる
レンズは、さほど多くは無いのだが、パンケーキ級の薄型レンズは
いくらでもあり、一々あげるのが大変な位だ。
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薄い「ボデイキャップレンズ」と通称で呼ばれているレンズ群が
いくつか存在する。
具体例としてはOLYMPUS BCL-1580,BCL-0980,FUJIFILM XM-FL
PENTAX 07等がある(いずれもミラーレス・マニアックス記事等で
紹介済)
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前述のレンズ全ては、MF型または固定焦点型でAFは搭載されて
いない。
BCLシリーズは、結構まともな写りをする為、それこそ「普段は
ボディキャップとしてカメラに装着しておき、いざとなれば、
そのまま写真も撮れる」という用途に適している。
(OLYMPUS OM-D E-M1 2013年が発売された際、ボディ単体販売
では、ボディキャップレンズBCL-1580が付属していた)
前述の「パンケーキ型レンズ」を志向するマニア層は今でも多い
とは思うのだが、銀塩時代の一眼レフ用パンケーキをミラーレス
機にアダプターを用いて装着しようとした際、ミラーレス機の
フランジバック長は約18mm前後と、一眼レフより30mm弱も
短く、アダプター長もそれだけ必要となり、せっかくの
パンケーキがミラーレス機では薄型に見えず、格好悪い。
このデザイン上の問題を避けるにはミラーレス機用のパンケーキ
レンズか、又は、こうしたボディキャップレンズを使うしか無い
訳だ。これらであれば、ミラーレス機に装着した場合、銀塩の
パンケーキの雰囲気を彷彿して格好良い。
まあ、ボディキャップレンズもマニア向け商品と言えると思うが
価格がかなり安価(数千円程度)なので、初級層へもオススメだ。
★開放F値固定ズーム
一般用語。
焦点距離の変動(ズーミング)により、開放F値または、
自身が設定したF値が変動しない方式のズームレンズである。
別の言い方では「通し」という場合もあり、例えば「F2.8通し」
のように使われる。
SIGMAでは2000年代頃に、こうしたズームレンズに「EX」の名称
をつけていたのだが、SIGMAのEX仕様はズームレンズのみならず、
元々F値が固定である「単焦点レンズ」にも付けられていた。
なので、本来の意味よりも、どちらかと言えば、高性能レンズの
称号のように捉えられていたかも知れない。
さて、一般的なズームレンズでは、望遠側にスーミングする程に
開放F値が暗くなる。例えば広角端開放F3.5~望遠端開放F6.3の
ズームでは(開放での撮影時)広角端に対して望遠端は、およそ
2段も暗い。
これはシャッター速度が1/4の遅さに低下してしまう事を意味し、
加えて焦点距離が望遠側に伸びると手ブレ限界シャッター速度も
どんどんと上がる為、初級者層では手ブレを頻発してしまう。
具体例は、広角端28mm相当、開放F3.5、ISO100の条件で、
1/500秒のシャッター速度が得られていたとする、これが高倍率
ズームであったとして、望遠端300mm相当にズーミングすると、
開放F6.3に低下、同じISO感度では、シャッター速度は、およそ
1/125秒に低下してしまう。
初級者の手ブレ限界速度を「焦点距離分の1秒」と仮定すれば、
本来は1/300秒以上のシャッター速度が必要なのに、すでに
2段近く足りない。
なお、AUTO ISO機能を期待しても無駄だ、多くのカメラでは
AUTO ISOは、1/125秒程度では次の高感度に切り替わらない。
(注:装着レンズの焦点距離に応じて、ISO低速限界速度が自動で
変わる機種も一部には存在する)
手動でISO切り替えシャッター速度が変更できる機種も一部の
メーカーには存在するが、初級層には意味がわからない機能だ。
ならば手ブレ補正機能に頼るか?近年の優秀なレンズ内・ボディ内
手ブレ補正機能は、4~5段程度のブレ補正効果を持つものも多い。
でも、それはちゃんとカメラが構えられる人での話だ、
初級層等でカメラの構えが不適切であれば、いかに優秀な手ブレ
補正機能でも、カタログスペック通りの補正効果は得られない。
(カメラが適切に構えられない初級者は極めて多く、それが大半だ)
それにボデイ内手ブレ補正を持たないカメラも依然多く、
組み合わせるレンズによっては、手ブレ補正が無いという現状だ。
まあ、対策として手動でISO感度を変えるなりして対応すれば、
何の事は無いのであるが、初級層ではカメラにISO変更機能が有る
事は知っていても「何故変更しなければならないのか?」又は
「いつ(どんな場合に)ISO感度を変更する必要があるのか?」が
理解できていない。初級のカメラ入門書にある説明のような
「蛇口を開いてバケツに水を貯める」といった露出概念の説明では
ISO感度については理解できないからだ。(注:いつまでも、
この古い解説を続けている事には賛同できない)
まあなので、一部のシニア層等では、「ISO感度を上げると
ノイズが出て画質が低下する」と言い張り、シャッター速度が
上げられないから、依然、三脚を使用しようとする。
(そういう単純な「三段論法」では無い事は言うまでも無い)
あるいは、望遠端の開放F値を下回らない絞り値に予めセットして
おけばズーミングによるF値の変動は避けられ、同時にシャッター
速度の低下も避けられる。しかしこれもまた最低限「絞り優先」の
モードで撮っていなくてはならず、また、暗所では前述と同様に
ISO感度を上げなくては手ブレ限界速度を下回る問題が出てくる。
また、広角端絞り開放で撮っていて、いったん望遠側にズーミング
して暗くなった(開放)絞り値は再度広角側にズーミングを戻して
も復帰せず、絞り込まれたままである(ごく一部のカメラで、
絞り値が開放等に復帰するものもあるが、かなり稀である)
結局、これらの問題を解決するには、最低限の露出概念を理解して
おかなくてはならない。これらを理解していない初級中級層では
手ブレを誘発する事は避けにくい、あるいは シニア層等では
「ブレるから三脚を使おうか」と言う、物事の本筋とは関係無い
解決法に逃げてしまう(その結果、各所で撮影マナーが問題と
なっている。もう今時は、寺社等はほとんど三脚・一脚は禁止だ)
加えて、三脚を使って撮る習慣を続けると、手持ち時の正しい
構えが身に付かない、これは初級者のみならず中上級者や果ては
職業写真家層ですら、ちゃんとカメラを構えられない人が居る。
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メリットはかなり大きい。
まずは所定の絞り値をキープできるので、ズーミングによる
シャッター速度の低下が殆ど発生しない(注:構図上の輝度分布
が変化するので、多分割測光モード等ではシャッター速度が若干
変動する場合はある)
問題の手ブレであるが、ズーミングでの焦点距離の伸びに対して、
感覚的に連動してリニアに手ブレ限界も上がっていくので、対応が
やりやすい。ここは中級者であれば理解や対策は容易であろう。
それから、上級者向けの話だが、被写界深度の変化がスーミング
とリニアに連動する。(被写界深度が焦点距離に反比例する)
これが開放F値可変ズームだと、焦点距離の望遠側への増加で
被写界深度は浅くなる方向に変化するが、それに反して
(開放)F値が暗くなるので、被写界深度が深くなる方向に変わる。
つまり両者が相反する為、作画上での被写界深度の見込みが不明だ。
一眼レフであればさらに顕著で、一眼レフのほぼ全ては開放測光で
ある為、撮影前に被写界深度の確認がやりにくい。まあ一応は
プレビュー(絞り込み)機能で可能なのだが、面倒であったり、
光学ファインダーが暗くなるので、あまり有益な機能では無い。
そうであれば、ミラーレス機の絞り込み(実絞り)測光で高精細の
EVF搭載機ならば大体の被写界深度がわかるので遥かに使いやすい。
でも一眼レフで撮らなければならない場合も勿論ある、そういう
時に、開放F値固定ズームだと撮影前に被写界深度の類推が若干
容易な訳だ。
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のであるが、勿論ズームが必要となる撮影シーンもある。
そんな際、開放F値固定ズームを使うと、一般ズームに比較して
ありがたさ(メリット、恩恵)を深く感じる次第だ。
★大三元思想
初級マニア用語。
まず前述の「エントリーレンズ」の項目で書いたのだが、
初級層が交換レンズを買わない理由として。
「(種類が多すぎて)どれを買ったら良いかわからない」
「交換レンズが高価すぎて、買い難い」
がある。
さて、ここで「どれを買ったら良いかわからない」という点だが、
これは裏を返せば「どんな被写体を撮りたいのか良くわからない」
と言う事と、ほぼイコールである。
初級層はもとより中級層に至るまで「何が撮りたいかわからない」
人は極めて多い。だから彼らは「綺麗な桜」「珍しいお祭り」
「滅多に見ない野鳥」「美しいモデルさんの撮影会」等、同じような
被写体を求めて大挙して群がってしまう訳だ。
で「交換レンズを持たないと、一眼レフを使っている意味が無い」
と思う中級者又は初級マニア層は多い事であろう、これは事実だ。
交換レンズを買わないならば、一眼レフやミラーレス機を使う
意味も殆ど無く、コンパクト機やスマホで十分だからだ。
だけど依然上記の問題が残る、つまり「どのレンズを買ったら
良いのかわからない」という課題だ。
これもまた「何を撮りたいのか良くわからない」という原因と
根本は一緒なのだが、それについてはわからないものはわからない
のだからやむを得ない、周囲の他人から「これを撮りなさい」等と
指示される必要も無いからだ。
さて、お金の問題が無いのであれば「どうせ買うならば、一番高い
ものを買ってしまえ、あれこれ悩んでもしかたないし、安いのを
買って、後から、やっぱあちらの高い方が良かった等と後悔する
事も無いであろう」という考え方から、高級(高価格な)機材を
欲しがる傾向が初級中級層には強く存在する。
(というか、”自分では選べない”という点もあるだろう
あるいは、”高性能な機材を使わないと上手く撮れない”という
不安も、ビギナー層には常につきまとっている)
これは、お金持ちか否か(可処分所得が高いか否か)という点とは
あまり関係が無い。「今時はデジタルカメラが高い」と私は良く
嘆いてはいるが、数十年前の昔に比べて、可処分所得とカメラの
価格の比は、ずっと小さい。
つまり、さほど高い買い物では無く、サラリーマンがボーナスを
つぎ込んだり、学生がバイト代を貯めたり、シニア層が退職金の
一部で、高価なカメラやレンズを買ってしまう事は、今時では
無理な話では無いのだ。
そうした「お金が使える」初級中級層において「憧れのセット」
というものがある。
それは、広角F2.8通しズーム、標準F2.8通しズーム、
望遠F2.8通しズーム、の3本を揃える事だ。
これを「大三元」と呼ぶのが近年の初級マニア層の慣わしだ。
「大三元(だいさんげん)」とは、ご存知「麻雀の役」の一種であり
白、発(發)中(ハクハツチュン)の3種類を3枚づつ(=刻子)
揃えると、役満貫(ヤクマン)となり、非常に高得点となる。
また、派生して「小三元」というレンズセットの呼び名もあり、
こちらは麻雀の役とはちょっとイメージが異なり、広角・標準・
望遠の3本のズームを、開放F2.8通しではなく、やや安価な
開放F4通しで揃える事だ。
まあ、言い得て妙だが、呼び名はともかく、初級中級層において
開放F値固定ズームの長所(前述)が本当にわかっているので
あろうか?という疑問が非常に大きい。
「プロも使っているから良いものだ」と誤解して買う人ばかりでは
あるまいか?
明るいという利点とボケ量が稼げ、F値「通し」である事、そして
一部のカメラとの組み合わせにおいて(副測距点での)AFセンサー
の合焦精度が、開放F4以下の暗いズームレンズよりも上がる事の
メリットも、確かにあるのだが・・(注:その効果を狙う
ならば、単焦点を使えば、F2.8以上は当たり前のスペックだ)
・・まあ、この点については、メーカー側でカメラの測距点
精度をF2.8レンズ向けにチューニングしている事も理由だ、
そうしておけば、営業トークで「ほら、こちらのF2.8の
レンズの方がF4レンズよりピントが良く合うでしょう?
だから、こちらのF2.8レンズは高性能で高価なのですよ」
という理屈を、初級中級層に納得させる事が出来る訳だ。
まあつまり、メーカー側が一番売りたい商品が、大三元で
あって、それはすなわち利益が得られる商品だからだ。
そして、売りたい商品は、あの手この手で宣伝を行う、
職業写真家層に使ってもらう、と言うのも効果的である。
そういうモノを買ってしまうのは消費者側の負けであろう。
例えば、ハンバーガー店に行って、コスパの良い単品商品だけ
を買ったら、「ポテトもいかがですか?」と必ず聞かれる、
ポテトが店側が一番売りたい商品(儲かる商品)だからだ。
まあ、そういう「購買行動における損得」の面を抜きにしたと
しても大三元のレンズの短所は明白だ。「大きく重く高価」
の三重苦である、という点から、ハンドリング性能が劣り、
かつコスパが悪い、という大きな課題がある。
私は現在、数百本ある所有レンズ中、F2.8通しズームを1本も
所有していない。まあ過去には持っていたが、私の機材購入・
使用のコンセプトに合わないため、全て処分してしまった。
まあ、という事で、現在私は初級中級層における「大三元思想
(信奉)」には反対派だ。まあ、職業写真家がそれらを使うのは、
様々な撮影シーンにおいて汎用性が高いレンズなので当然だとは
思うが、どんな被写体をどのように撮りたいのかも良くわかって
いない初級層等の「趣味の範囲での撮影」では「大三元」は、
あまりにコスパやハンドリングが悪い。
まあ、どんな機材を買うか?というのも、あくまで趣味の範囲で
あれば個人個人の志向も勿論ある。実用目的よりも「所有満足度」
の高さに惹かれる場合もあるだろう、そのあたりは否定しようが
無い。けど、私が、その購入予算を持っていたら、数万円級の
コスパの優れたレンズを数十本買う事であろう・・
(事実、そうしている)
ただまあ、ビギナー層が高価なレンズを買う事で「もう後には
引けない」と、練習や撮影のモチベーションが上がる事もある、
その点においては、高価なレンズを買う事は悪くは無い。
余談だが、撮影者の腕前や経験値レベルにそぐわない(高価な)
機材を使っている状況は、マニア道からすれば「格好悪い」
事である。
「なんだ、見掛け倒しか」という事になってしまう訳だ。
まあ、カメラやレンズの構えを見れば、大体そのカメラマンの
実力値はわかってしまう。重たいレンズであるからしっかりと
カメラとの重心を支える等の合理的な構えが出来ていなければ
ならない。なお、明所で三脚を使うなどは論外だ。
開放F値が明るいレンズであるのに、手ブレが怖くて、又は
重さに負けて三脚を使っていたら、何の為の大口径なのだか
わからない。
開放F値の明るいレンズは、手持ちで最大のパフォーマンスを
発揮する訳だ。
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明所での撮影時に、最低ISO感度の仕様によっては、絞りを
開放まで開けられないリスクがある。
この為、最低限1/8000秒機の使用は必須、さもなければ明所
ではND2減光フィルターを併用する必要性があるだろう。
(F1.4級レンズならば、さらにND8等の減光フィルターが必要だ)
フィルター径の大きいレンズでは、こうした場合に付属品の
コストが ずいぶんと大きくなってしまう。
こういう点はあまり購入時点では意識していないと思うが、
保護フィルターとNDフィルターで計1万円越えともなったら、
決して無視できないコストとなる。
なお、近年、NIKON 100周年トリプルレンズセット、という
大三元レンズの受注(限定)生産品が、100万円以上という
高価格で発売されていた。当然、初級層の大三元の人気に
対応した企画だ。NIKONは1990年代の中古カメラブームの
時にも、富裕層向けの高価な企画商品をいくつか作って
発売しているが、それらは実用向けではなく、投機対象と
なってしまった(市場で売買して利益を稼ぐ為の商品)
勿論、その大三元セットも瞬時に投機対象品となって売り切れ、
その後の中古市場でも、定価あるいはプレミアム相場で取引
されている。
当然、実用品ではなく、使用したらいけない(価値が落ちる)
セットであろう。まあ、実用派のユーザーとしては受け入れ
難い製品コンセプトであるし、むしろ反感を持ってしまうが、
欲しい人は欲しがるという事か・・
まあ、現在所有もしていない機材について、あれこれと
語る事は本意では無いので、このあたりまでにしておく。
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次回記事に続く・・