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【遠州駿州紀行】清水区古墳巡り

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6月と10月の年2回、静岡県で行われるドラゴンボート大会の
観戦の前後には、静岡県内の、知られざる名所を巡るのを楽しみ
としている、今回は、2015年10月11日に行われる「ツナカップ」
に合わせ静岡市清水区内のマニアックスポットを観光してみよう。

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今回訪れた場所は「ツナカップ」のお膝元、静岡市清水区だ。

「清水」と聞くと、一般的に連想するキーワードは3つ、
「清水エスパルス」、「ちびまる子ちゃん」、「清水の次郎長」
あたりだろうか。

また、特産品では、まずマグロの水揚げ量が日本一であること、
お茶、みかん、メロン等の農産物。グルメではマグロ系は勿論、
桜海老のかき揚、シラス、黒はんぺん、もつカレーなどがある、
清水ではないが近隣の、富士宮やきそばや、浜松餃子も有名だ。

それから観光では、世界遺産となった富士山を見れる三保の松原、
や日本平、さらにはエスパルスドリームプラザ、といった感じか。

しかし、富士山がちゃんと見れるのは空気の澄んだ主に冬の季節
であり、春から秋にかけては、なかなか見るのは難しいと聞く。

瞬間風速15m/sという超強風で中止になった、今年6月の御前崎
大会の時は、ここ清水より遠い御前崎からも富士山が見えていた、
今日は?というと・・
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清水駅から富士山を臨む、画面中央やや右に、わずかに見えて
いるので、カメラのHDR(ハイダイナミックレンジ)機能を
用いて明瞭度を強調してみたが、それでもはっきりとは見えない、
やはり富士山はなかなか見れないし、過去何度も静岡近郊から
見ているので、そこは気にすることなく、今日は、もっとマイナー
な場所を訪れてみることにしよう。
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清水駅前は、なかなかの繁華街であり、地方都市と言えども
さすがに政令指定都市である。
清水区のみでも人口は約24万人と、たとえば、関西で言えば、
八尾市、加古川市、寝屋川市と同等であり、関東で言えば、
埼玉の草加市、春日部市、神奈川の茅ヶ崎市等と,、
ほぼ同等の人口である。

清水に来るのは、JR東海道新幹線の静岡駅で在来線に乗り換え
そこから3駅、10分強で運賃240円という感じだ。新幹線は
安価な「ぷらっとごだま」の早割りが効くので、電車で関東や
関西から来られる方は、それを利用するのが良いであろう。

さて、静鉄ジャストラインのバスに乗り、私がこれまで行った
ことの無い、清水区の北側の郊外に向かってみるとしよう。

バスの時刻表は、とりあえず主要なポイントは調べてある、
そして、必要ならば随時、携帯やスマホからアクセスできる
「なんじ?君」というサイトがあり、そこで全停留所の
時刻表を調べることができる。ただし、今年6月の御前崎の
時には、サイトのサーバーがたまたまダウンしていたのか、
私を含め、何人か試したがアクセスできず、時刻表がわから
なかった(結局、地元の「海猿火組」の選手の方に、バスを
追っかけるように、車を出してもらった、これはこれで
なかなか面白かったが・・)まあ、といったケースもあるので、
できるだけバス停の実際の時刻表で確認するのが良いであろう。

ちなみに、私はバスや電車をよく利用するので、京都などの
観光都市は勿論、各地の便数の少ないマイナースポット等に
おいても、モバイル時刻表サイトは非常に重宝している。
例えば、1時間に1本しかバスや電車の来ないようなマイナー
路線の場合、歩いて観光や写真を撮ったりしながら、バス等の
到着時刻に合わせて、バス停や駅までの徒歩ペースを調整できる
訳だ。

しかし、いまや、スマホや携帯の保有率はほぼ100%であるのに
観光地などでバスや電車の時刻表がわからない、と右往左往して
いる観光客を非常に多く見かける。持っているスマホで見れば
一発で分かるのに・・ 結局、よくわからずに、高価なタクシー
などに乗ってしまったりする、ならば何の為のモバイル機器か?
と思ってしまう、ゲームとSNSと通販だけに使うならば、
せっかくの文明の利器が、あまりに勿体無い事であろう。
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さて、バスで十数分、比較的安価な180円という運賃で到着した
のは、JR清水駅より北方約2km強の庵原(いはら)地区にある
神明神社だ。まあ、一見、古式ゆかしい普通の神社だが、実は
この神社は、神明山古墳(群)の上に建っている。
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こちらが神社の裏山の古墳だ。

ちなみに、古墳+神社というスタイルは、大阪や奈良の巨大な
前方後円墳みたいなものを連想すると不思議に感じるかも知れない
が、地方で比較的よく見かけるパターンである、昔からある古墳の
上に神域である神社を建てるという発想なので不思議ではない。
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神社の前にある町内会の小さな掲示板には、明日10月11日に、
清水港で行われる「マグロまつり」のポスターが貼られていた。
ふむふむ、ちゃんと「ドラゴンボートレース」の宣伝も入って
おりますね。写真も入っていれば良いのだけど、まあ、メインの
イベントではないので、掲載スペースが無いだろうな・・

神明神社より15分ほど歩き、鹿島神社周辺の鹿島古墳群に到着、
そう、今日は主に静岡市清水区の「古墳」を中心とした観光を
メインの目的としているのだ。
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ここは古墳群であると同時に大きな公園となっていて、アップ
ダウンが大きい。10月の過ごしやすい気候とは言え、長袖では
汗ばむくらいである、背中のリュックに上着を入れ、半袖となる。

カメラはドラゴン撮影用のものは、すべて清水駅のコインロッカー
に預けてきている、清水区の散策に持ってきたのは、ミラーレス・
マニアックスの記事で紹介した、超小型軽量のミラーレス機Q7
の1台だけだ。

ちなみに、静岡周辺では、JRの駅にコインロッカーが無い場合も
あり要注意だ、今回は、あらかじめJR清水駅にそれがあることを
調べてあったので、荷物を2つにして分離可能としてあった。

それから、何故古墳巡り?という話であるが、私は学生時代までは
関東で過ごしたが、仕事の関係で関西に引越して最初に驚いたのは、
巨大古墳が大阪や奈良にゴロゴロしていることであった、その雄大
な光景に魅せられ、その後関西圏の巨大古墳は殆ど見てきている。

そしてその探索範囲も少しづつ広げて、様々な土地に行った時も、
できるだけ、その土地の大きな古墳を見るようにしているのだ。

まあ、もっとも、最初のうちは、「前方後円墳でなくちゃ」とか、
「周濠(古墳の周りの堀)が無いとなあ」と贅沢を言っていたのが
最近では、小さい古墳でも何か特徴、たとえば石室が見えるとか、
変則的な形をしているとか、墳丘に上れるとか、そういう特徴が
あれば良いようになってきて、だんだんマニアックになってきている。
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さて、墳丘に到着した。「秋葉山2号墳」という立て札がある。
清水の町が一望できる、なかなかのスポットだ。
しかし、この古墳群は前述のように、アップダウンが大きく
全ての古墳を見ていたら、「一日中、山道」状態だ(汗)

ちなみに「一日中、山道」とは、その昔、あるアナウンサーが
TV放送で「旧中仙道(きゅうなかせんどう)」と読むべき所を
「いちにちじゅう、やまみち」と読んでしまったという有名な
逸話で、TV界での伝説になっている模様で、今でもたまに
タモリ等が、その話を散歩番組等の中などで言っているので、
私の中でも、いつも使うフレーズとなってしまっている。

次いで、鹿島神社前から、再びバスに乗り、3kmほど北方に
ある清水庵原球場を目指す。

何度もバスに乗るのであれば「一日券」を利用するのが良さそう
なのだが、静岡鉄道の場合、1200円で乗り放題だ、ただ、それは
電車とバスを何度も利用して元が取れるレベルであり、今日は
バスに乗るのは、最大3回、合計運賃も600円強程度であり、
一日券は購入していない。

ちなみに、京都観光の場合、バスは一回230円(市内のほぼ
全域が均一料金)、しかし、市バス一日券が、500円と極めて
安価なので、観光客の非常に多くが市バス一日券を購入する。

そして、近年、アジア圏や欧米圏からの観光客が京都に
非常に多く訪れるようになった、従来、私も一日券を活用して
京都をよく巡っていたのだが、最近は、どのバス路線も観光客で
非常に混雑し、バスを使うのが苦痛になってきた。

しばらくの間は、京都観光は避けるか、あるいは超マイナーな
路線を使って、超マイナーなスポットを巡らざるを得ない。
まあ、でも、私は京都の有名観光スポットは一通り行きつくして
いるので、近年は、混雑するのが当然なそれらの場所に、わざわざ
疲れに行く事は、まあ絶対と言っていいほど無いのであるが・・
(また近日中に、京都の超マイナースポットを紹介する事にしよう)
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さて、清水庵原(いはら)球場に到着、山の中である(汗)
標高は126m、最寄のバス停からも、しばらく登り坂が続く、
何故こんな不便な場所にあるのか、さだかでは無いのだが、
防災の意識の非常に高い静岡県であるから、地震や津波等の
災害時の避難場所を想定して作られたのかも知れない。

この球場の片隅に、石室のみ露出していて墳丘の無い
「塔作8号墳」があるという事である。
少年野球の練習を横目に見ながら少し歩くと、モニュメントが
見えてくる。
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まあ、これだけである。苦労して来た割には、ものの1~2分で
見学を終えてしまうのだが、まあ、とは言え、例えば京都や奈良等
の世界遺産にもなっている有名観光寺社などに行ったとしても、
実際にそれらに興味が持てるかどうかは少々疑問だ、おまけに、
それらはお金を払ってだから、ますます微妙な価値感覚となる。

古墳見学でお金を取るところは殆ど無いので、無料で歴史的遺産を
見ることが出来るという点では、私としては興味深い対象だ。

さて、ここから次に目指すのは、1.5kmほど離れた場所にある
三池平古墳である、バス路線は、無きにしもあらずだが、便数も
少ないし、コストもかかるので、徒歩で向かってみよう。
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みかん農園が目立つ、このあたりは「みかんの丘」と呼ばれて
いるらしい、南側に面した斜面で、日照も良く、温暖な気候も
あいまって、みかんの栽培が一般的なのであろう。

しかし、今日の天気は曇り、まあ、長距離を歩いているので
かんかん照りでは無いのはむしろ幸いだ、ただ、心配は雨で
天気予報だと、今夜から雨という事だ。明日のドラゴンボート
大会に影響が出なければ良いのだが・・ まあ、多少の雨では
ドラゴンは実施されるのだが、過去、静岡においては2014年
10月のツナカップ大会は台風で中止、2015年6月の御前崎
大会は超強風で中止と、2大会連続で中止になってしまったので、
今回もまた中止になったら少々洒落にならない。 

とぼとぼと25分ほど歩くと、清水トレーニングセンターの横に
三池平古墳が見えてきた。1日中山道(笑)で、また坂道を登る
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ほう、これは立派な前方後円墳ですなあ・・

こちらに見えているのは後円部、見えない側に前方部がある模様。
ちなみに、前方後円墳の後円部には、石室など埋葬設備があり、
一段低い前方部では祭礼などを行ったというのが通説だ。
ただし、どちらが前か後か、というのは後世の学者さんが
便宜上決めたものであるので、あまり深い意味は無い。
古墳の向いている方向もバラバラであり、ルールは無い。

しかし、たまに、距離の遠く離れた各地の前方後円墳で形状が
そっくりなものがある模様だ。これは、おそらく同じ設計図を
元にして作られたものだろう。その場合、形状が同じでもサイズ
(縮尺)が異なる場合もある。今から1600年以上も前の土木技師
集団は、かなりの建造技術を持っていたことが知られている。

なお、サイズの件だが、古墳時代の中期以降は、古代の実力者は、
その地位(実力)に応じ、古墳を作れる最大の大きさが決まって
いた模様だ。これは一時期、前方後円墳の大きさが際限なく
巨大化されていき(例:仁徳陵古墳等)権力の象徴のように捉え
られていたからであろう。でも、当然、そのような超巨大古墳を
作るには労働力も時間も費用も必要だ、古代国家の予算の多くを
それで食いつぶしてしまったかも知れない。さすがに、それを
大王や天皇毎に繰り返していたら国家経済が疲弊してしまうので、
それを防ぐための大きさ制限であったのであろう。

律令国家が出来つつあった古墳時代後期には、もう大きさを
競うようなことはなくなった。その代わり、形状、たとえば
八角形とかピラミッド状とか、そんな特別な形で地位を表すように
なっていき、そして、さらにしばらくして古墳時代は終焉を迎える。

まあ、ある意味、大きな古墳を無理に作って権力を誇示しなくても、
国家や政治の仕組みが整ってきた、という事になったのであろう。
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ほう、ここからも清水の町が一望できる、なかなかの景勝地で
あるが、観光客はもとより、清水に住む人達とかでも、
こういった場所に来るのであろうか? もしかするとあまり
無いのかも知れない、だとすると少々勿体無い話だ。

さて、本日の清水古墳巡りはこれで終了。あとはJR清水駅に
向かうだけだが、バスの時刻表サイトを見ると、どうも時間が
合わない、1時間半ほど待つか?、あるいは歩くか・・

まあ、どうせ清水の町を散策するつもりで来ているので、
歩くのはやぶさかでは無い、問題があるとすれば距離だ、
概算だが、本日歩く距離を全て合計すると15km以上にも
なるだろう、およそ3万歩かあ・・ まあ、経験上、3万歩台
迄ならば、なんとか体力的に大丈夫だ、4万歩=20kmに達すると、
ちょっと翌日がしんどくなったりする。翌日は1日中ドラゴン
大会、しかも雨中の撮影になりそうなので、体力を消耗するかも
しれない、そんな事を色々考えたが、結局、歩くことを決断。
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三池平古墳から3kmほど歩いてきた、駅までの中間地点の
秋葉寺、ここまで歩いてきた途中でも、バス停の近くを
通る事があったのだが、そこで時刻表を見ると、1時間とか、
短くても、30分ほど待たなくてはバスは来なかったので、
えいや、と全部歩いてきてしまったのだ。

まだここから清水駅までは2km近くあり、そこでコインロッカー
から荷物を回収し、さらに今夜宿泊するためのホテルまで
1km弱歩く予定だ、加えて、今夜懇親会のある「ドリームプラザ」
までも片道1kmを歩く予定をしている。 

午後5時前、無事ホテルに到着。今日は、ドラゴンの選手達で
ほぼ貸切状態だ、ホテルのいたるところで知った顔を見かけて
挨拶をする。
少し疲れた。結局、清水庵原球場から、7km強を全て歩いて来た
ことになる、懇親会まで、2時間ほど時間があるので、TV
でも見てゆっくり休憩するとしよう。
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お、クライマックスリシーズだね、まあ、関西人なので、
巨人よりは、どちからと言えば阪神だが、現在同点で、これは
延長戦に突入しそうな気配だ・・う~ん、まあどちらが勝っても
あまり関係ないのだが、もし阪神が日本シリーズに出るような
事になれば、関西のデパートやスーパーなどで記念セールスを
するので、阪神を応援するとしようか。けど、勝負弱いので
まあ、その可能性は極めて少ないとは思うが・・(汗)
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さてホテルを出て、午後6時半「エスパルス・ドリームプラザ」
に到着、ここは横着をして、静鉄新清水駅前から無料送迎バス
を使った。でも距離的には1km強程度なので、バスの時間が
合わなければ、歩いてしまった方が早い。

そして帰路は、同送迎バスは、JR清水駅行きのみとなるので、
これも、新清水駅近くのホテルまで帰る場合は、絶対に歩いた
方が早い。雨になりそうなのが気になるが、傘を持ってきている
ので、まあ問題は無い。

懇親会は19時開始、時間が少し余ったので、「ドリプラ」の中を
少し見学。このドリプラはヨットハーバーや観覧車などもある
ベイフロントの複合商業施設だ、大阪の「ATC」に環境が似て
いるので、ATCにも、ヨットハーバーや、ドラゴン大会が
出来る設備を常設できれば・・と思い、色々提案はしているが
まあ、費用もかかるので、そう簡単には実現できないであろう。
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お、「A玉」かよ、珍しいなあ・・

ラムネ記念館というところで、ラムネの中に入れるのは「A玉」
であるという解説があった。

子供の遊戯用に昔から使われている「ビー玉」とは、「B玉」
の事で、工業的に作られたガラス玉のうち、品質の悪い、
いわゆる「B級品」である、という説は良く知られている。

だが、私は「じゃあ、A玉はどこにあるんだ、見たこと無いぞ!」
と、以前から、ちょっとその説を疑問視していた。

なるほどね・・ A玉は、ラムネの中に入っているんだ!
でも、それこそ、ラムネに使うのでも、大きさと形が揃って
さえいれば、色や気泡などはどうでも良く、B玉で十分のような
気もするので、やっぱちょっと怪しい(汗)
まあでも、ここに置いてあった「A玉」は綺麗ではあった。

さて、【遠州駿州紀行】清水古墳巡り編は、このあたり迄として、
次いで、懇親会やツナカップ大会の模様の記事に続く。

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