2018年8月19日(日)に、滋賀県大津市にて行われた
「第28回びわこペーロン」大会の模様より。
今回中編記事では「10人漕ぎ一般」の部について
紹介して行こう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
本大会の参加チーム数は62と、中大規模の大会である。
うち、約9割が地元滋賀県のチームであり、県外からの
参加チームは、今年に関しては、やや少ない。
なお例年であると、およそ8割が滋賀県内チームという
比率となっている。
まあ、これはビギナーチームが多い状態でもあるので、
参加者にはドラゴン系大会のノウハウが少ないとも言える。
また、本会場独自の状況もある。本記事では、まず最初に、
(かなり細かく長くはなるが)色々と本大会に係わる
ノウハウ的な注意点等を述べておこう。
参加チーム数が多い、すなわちレース数も多くなる為、
本大会の開始時刻は午前8時、終了時刻は、およそ午後
6時くらいと、大会の時間は約10時間と長くなる。
これは他の大会に比べても長い方であるので、参加者
(選手、スタッフ、観戦者など)は、長時間の観戦に備え
様々な注意が必要だ。具体的には、熱中症対策、飲食の確保、
疲労対策、機器類(スマホやカメラ等)の電源、雨の備え、
テント等の設備、来場や帰路の時間や手段、などである。
特にこの会場は日差しを遮る場所が少なく、暑いのが特徴
であるので、暑さおよび熱中症対策は必須である。
今年の全国的な異常なまでの猛暑は、本日は、やや和らいで
はいたが、それでも30℃越えの気温であるので、引き続き
水分・塩分の連続的な補給や日陰での休息は必要だ。
観戦において、アマチュアカメラマンも良く居るのだが
三脚を立てて一箇所から動かないと熱中症リスクが高い。
これらは見かけると都度、注意喚起を行うようにしている。
なお、毎回のようにドラゴン系記事で書いているが、
ドラゴンは長距離被写体ではあるが、望遠レンズを使った
としても三脚は使用しない事が鉄則だ。逆に言えば、
持ち上げられないような重いレンズは使わない事であるし、
望遠の手持ち撮影が出来ない初級者では、このジャンルの
撮影は無理である。そもそも本会場は超逆光状態なので
陸地から撮る事自体が非常に困難である。
本音を言えばチームの応援選手による自チーム撮影以外の
ケースでの一般アマチュア・カメラマンの大会撮影は一切
推奨しない。まず上手く撮れないだろうし、暑さが危険だし、
公式記録以外の場合では、選手等の被写体の許可が無いと
肖像権の扱いにも違反する(今回も、選手から無許可の、
盗撮のような状態を見かけている)からである。
それから、6年程前には、大会中にゲリラ豪雨に見舞われて
途中中断(短縮)になった事もあった。大雨の際にも雨を
避けるスペースは少ないし、僅かな建物等があっても、
会場には千数百人も参加者が居るので雨宿りは難しい。
カメラ、ビデオ、スマホ等の電子機器も雨が降ると厳しい
ので、それらの防水対策も必須だ。なお、雨が降らない
までも長時間の観戦となる為、カメラやビデオの電池切れ
の対策も必須である(予備電池や、あまり長時間撮らない)
逆に、あまりに暑くなると、これらの電子機器は「熱暴走」
する恐れもある(実際に、何度もそんな状態となっている)
「熱暴走」したら、電池を抜いて冷やすしか対応方法は無い。
雨等での浸水で電子機器が「水暴走」した場合には、これも
乾かすしか対処の方法が無い。なお、あまりに浸水量が多い
と短絡故障、あるいはサビなどでアウト(復帰不能)となる。
ここはカメラ等の電子機器を雨天で扱う経験と知識が必要と
なる為、一般ユーザーは防水機能付きの電子機器を使うのが
無難ではあるが、それでもゲリラ豪雨ともなると限界はある。
(電子機器の説明書に書かれている、防水・防滴・防塵の
保護等級の数値と、その効能をチェックしておく必要がある)
それから、風も要注意だ。そのゲリラ豪雨の際には、テント
を吹き飛ばす程の強風で、ますます避難場所が無くなった。
(前編で少し書いたが、今年の「鳥人間コンテスト」では、
強風で人力飛行機の翼が折れて墜落が続出、中止となった)
2017年の本大会でも、強風によりボートに浸水し、沈没する
艇が出た為、以降のレースでは漕手の数を減らして艇を
軽量化して大会を続行した経緯がある。
琵琶湖に直接的に面したこの会場では、風を遮るものが無い、
勿論、10m/sを越える強風(=「吹流し」が真横に流れる、
または湖面に白波が立つ)では、大会は中止となる規定と
なっている。この点において、レース戦略的には、風が出て
くると途中中止の可能性を意識する。予選や準決勝のタイムで
順位が確定する場合もある為、「予選だから」と手を抜かずに、
良いタイムを残しておく必要が出てくる、という意味だ。
それから、琵琶湖の水位と水質もレースに影響がある。
今年7月上旬には西日本豪雨により、琵琶湖の水位は基準値
より約1mも上昇した。以降、全開放流により7月下旬には
基準値に復帰したが、それ以降、猛暑で殆ど雨も降らず
本大会当日には基準水位を約20cmも下回る状態になった。
琵琶湖の水位が下がると、岸辺では湖水の対流も減り、
水温も高く、「藻」が多く発生する。
この藻が、ボートに絡みつき、タイムロスの要因になる。
本日の大会では、レース走行レーンにおいては藻はさほど
影響が無かった模様だが、レースに向かう往路で岸に近い
場合に、若干藻が絡みつく状況があったと思う。
これが酷くなるとタイム低下の他、舵が動かなくなって、
無理に動かすと破損してしまう(実際に過去1件あった)
また、岸のあたりは水位が低く、岸側に流されたりもする、
その際に、やはり舵が湖底に接触し、破損してしまう場合も
ある(今回も2件あった)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18111880.jpg]()
それと、本大会会場へのアクセス方法だが、公共交通機関
では、やや難しく、各チームは車を利用する事が普通だ。
特に、本大会は地元チーム比率が多い為、ほとんどが車と
なっている。駐車場は公共のものなので、車上荒らし等の
犯罪には十分注意する必要があるだろう。
公共交通機関では、最寄駅は京阪石山坂本線の「錦」駅
であり、ここから徒歩約15~20分となる。
が、この路線は乗り換えが煩雑である為、遠距離参戦で
JRを利用する場合、JR東海道線の「膳所」(ぜぜ)駅が
次善の最寄駅だ、そこからは約1.5km、徒歩20~25分となる。
ただし、いずれの徒歩ルートも曲がりくねって複雑である、
初めて来場する場合は、スマホや4G携帯のGPS等で、地図を
参照しながら来るしか無いと思う。
遠距離参加で新幹線を利用時の帰途は、徒歩等でJR膳所駅に
向かい、そこから普通電車3駅でJR京都駅に着く。
まあ簡単ではあるが、普通電車の数は少なく、意外に時間が
かかると思う(京都駅まで最低1時間は見ておく必要がある)
本大会は終了時刻が遅くなるので、遠方からの新幹線参戦の
場合は帰路の時間帯には要注意だ。
前置きが非常に長くなったが、これらは貴重な「ノウハウ」
であり「一次情報」でもある、他にこんな事が書かれている
記事や情報は何処にも無い。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18111881.jpg]()
では、ここからは本大会の「10人漕ぎ一般」の部について
の紹介だ。
本カテゴリーへの参加チーム数は26と多く、本大会の
4カテゴリー中では最大だ。
ただし、専業チームの数は少なく、新進専業チームの
「守のシルバニアファミリー」(以下、シルバニア)が
最大注目であろう(下写真)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18111800.jpg]()
それから、兵庫からベテランの「Team BANANA」が初参戦、
各大会の常連チームであるから、本大会初参戦は意外だ。
「BANANA」には、新人美人ドラマーも乗っている(下写真)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18111817.jpg]()
他には、滋賀県のベテラン専業の「GPO」が居るが
「GPO」単独ではなく、今回単体チームでの参加を見送った
「師走の会」のメンバーを加え、及び、恐らくだが「豪腕龍」
(本大会では、10人漕ぎ混合に参戦)もコラボしている
かも知れない。この全体は、なかなかの大勢力だ(下写真)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18113079.jpg]()
専業チームはここまでの3チームではあるが、地元企業系、
特にパナソニック系のチームが多数ここに参戦している。
その他、「東レ・プレシジョン」や「不二ドラゴンズ」、
「トヨタ紡織」と、地元企業系では常連の中堅チームの
参戦も多いカテゴリーだ。
決勝枠は5艇であり、専業チームは3つだけなので、地元の
どのチームが決勝進出するかが注目点となってくる。
予選の模様だが、6レースあり、以下のチームが1位抜けで
直接の準決勝進出となった。
「パナソニック キッチンA」「トヨタ紡織」「GPO」(専)
「不二ドラゴンズB」「東レ・プレシジョンB」
「守のシルバニファミリー」(専)
このあたり、極めて順当な結果である。大会の歴史も長く
なってくると、地元の企業系ビギナーチームとは言え、
少しづつではあるが、実力差が出て来ている。
これらの予選1位の企業チームは、どれも毎年強いのだ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18113032.jpg]()
以前は、これらの地元系企業チームは「20人漕ぎ」の部に
出ていたが、そこでは、専業チームには正直歯が立たず、
目立つ事も少なかった。
近年では、これらのチームは20人以上のメンバーが居る
場合でも、A,Bチームなどに10人づつ分割して、10人漕ぎ
のカテゴリーにダブルエントリーをしている。
この戦略は、専業チームに直接当たらないようにする上で
極めて有効であり、この結果、このカテゴリーにおいては
こうした地元企業系強豪チームの活躍が目立つようになった。
なお、自然に強くなったのでは無く、彼らはそれなりに
努力や投資もしている。例えば、本大会に10年程前から
専業チームが参戦し、その速さに地元チームが衝撃を受けた
際、専業チームの「カーボンパドル」が注目された。
地「速いチームは皆カーボンを使っている、よし、
オレ達も使おう」
という感じだ。
地元チームで勝敗に拘るチームでは、数年前からカーボン
パドルを導入している、その最初となったチームは
「東レ・プレシジョン」であり、以下、「パナソニック
キッチン」も導入、さらに、20人漕ぎの「日立建機」等が
順次導入、これらのチームが地元系では、1歩先を進んで
いる様相だ。
なお、「パナソニック」は現在、ほぼ全てのチームが
カーボンパドルを導入している。パナソニックは巨大
勢力であり、200人を優に超える選手が参戦している。
が、新入社員等の福利厚生としての要素も強い本大会では、
中には、カーボンパドルの有り難味や価値を理解していない
新人選手も居て、ぞんざいな扱いとなっているケースもある。
そんな状況を見かけると、
匠「そのバドル、いくらくらいすると思います?」
と話しかけ、それが1本2~3万円、パナソニック全体で恐らく
500万円以上にもなる事を伝えると、彼らはびっくりして、
パ「ひえ~、そんなに高いのですか!?
これからは、これを拝むようにしなければ(笑)」
と、なる訳だ。
企業チームでも、まだ予算が確保できずに、カーボンパドル
を装備できない所も多い。だからこそ、本大会では「カーボン
装備」は各地元チームの憧れとなっている。
ただまあ、選手達には以下のように伝える事もある。
匠「専業チームの選手達は皆、自腹で買っていますよ。
自分でお金を出さず、会社から買ってもらっても
ありがた味も無いし、結果、練習もしない。
だったら、あまり意味は無いですよね・・」
こういう話を、選手達に対してのみならず、企業チームでの
お金を出す(承認する)立場の、お偉いさん方と話をする
ケースもある。今回も、ある企業チームの社長さん、及び
別の企業チームの「本部長」さんと話をしていて、そういう
会話の流れになった際にも、
社「全くその通りですね、ただ予算をつけて買ってあげる
だけでは、チームは強くなりませんよね」
と、大きく同意されていた。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18113055.jpg]()
さて、予選で、専業チームの「BANANA」はどうしたのか?
と言うと、同じ専業の「シルバニア」に予選では負けている。
が、百戦錬磨の「BANANA」だ、敗者復活からは確実に上がって
くるだろう。
事実そうなっていて、決勝戦での実況放送では、
実「初出場の Team BANANAが頑張っています、これは
快挙でしょう!」
といった解説もあったのだが・・
まあ、ドラゴン界に詳しい関係者からすれば、これは当然の
状況であり、むしろ注目するのは、新進で今年から本格的な
ドラゴン戦法を身につけた「シルバニア」と、ベテランの
「BANANA」がどのような戦いをするのか? どちらが速いのか?
が、最大のポイントなのだ。
ちなみに「シルバニア」の今年の戦績であるが、
高島ペーロン=3位入賞(強豪専業に混じっての好成績)
堅田船競争=優勝(強豪専業を抑えての2連覇)
である、これはもう「絶好調」という雰囲気にも近い。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18112973.jpg]()
「シルバニア」の今年の戦術転換で最も目を引くのは
「ロケットスタート」の習得である。スタートレートは
およそ90回/分にも達すると思われ、一流強豪専業チーム
並みである。
これで序盤から他チームを圧倒的にリード、以降は
「巡航レート」に落として、悠々の逃げ切り戦術である。
ベテラン強豪の「小寺製作所」ですら、「高島ペーロン」
の予選で、この「シルバニア」と当たって、その新戦法に
翻弄されてペースを乱してしまった。負けん気でなんとか
シルバニアに僅差で勝ったが、体力消耗は激しく、かつ
以降では厳しいレースフローとなってしまい、「試合には
勝ったが、勝負に負けた」という様相だった。
ただ、今年の「シルバニア」の全レースを観戦している
私の目からは、「シルバニア」の課題も見えてきている。
それは「巡航レートからラストスパートに移行出来ていない」
という点だ。
「シルバニア」のメンバーに、そのあたりを直接聞いて
みた、すると、
シ「ああ、スタートは徹底的に練習しましたが、後半戦の
ペース配分は、まだ練習していないのですよ」
との事であった。
まあつまり、まだ練習の途中段階という事であろう。
その課題は彼らには伝えたので、きっとまた練習を
積んでくると思う。このメンバーは、かつて「松陽台」
として「高島ペーロン」での地元強豪であったのだが、
その大会も専業チームの多数の参戦により、地元チームが
勝てなくなってしまった為、「松陽台」は、昨年に大幅な
チーム改編を行った。チームを2分割し、その若手チームを
「守のシルバニアファミリー」とした、こちらはドラゴン
戦術を大幅に取り入れた近代化を図っている訳だ。
若手メンバーゆえに、伸びシロも大きい、ますます今後の
「シルバニア」については注目である。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18113063.jpg]()
なお、スタート・レート(ピッチ)についての余談だが、
「シルバニアは90回/分」と書いたが、これは目視での
推測値である。
実際にどこまでのレートで漕いでいるかを知る手段として
ちょっと現在実験中の方法がある。
それは、高速連写一眼レフを用いて連続的にフォームを
撮影して、写真のコマ数からレートを数える方法論だ。
今回、少し試してみた。毎秒8コマ撮れるカメラで
「シルバニア」を撮って、何コマ目で1ストロークが完了
するかを数える。
すると、だいたい5~6コマで、ストロークの1周だ。
計算すると、
毎秒8コマ÷5枚x60秒=レート96(回/分)
毎秒8コマ÷6枚x60秒=レート80(回/分)
となった。つまり、レートは80~96(回/分)の間だ。
だが、これではちょっと計算精度が粗い、1コマ違う
だけでレートが16(回/分)程度も変わってしまう。
もっと解析精度を上げようとすると、毎秒10~12コマの
さらなる高速連写機を使う必要があるだろう、いちおう
そのレベルまでの機材は所有している。
でも、毎秒12コマでも、レートの数字の精度は10刻み
程度だ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18114810.jpg]()
さらなる高速連写ではミラーレス機+電子シャッターで
毎秒数十コマというカメラも、世の中に存在するが、
動体撮影で被写体が歪むのでは?という危惧があるのと
(注:ローリングシャッター動体歪みが発生した写真は
記録写真として適切では無い)
それらは高価な最新機材である為、まだ購入できていない。
いずれ近い将来に、それら新鋭超高速連写機が入手でき
この目的に使えるならば、有効な解析手段であろう。
勿論ビデオでも出来ると思うが、コマ数の解析が煩雑だ。
(ビデオでは、そこからすぐに写真に起こせない点もある)
なお、この実験をやっている時に、専業チームの選手が
近くにいて
匠「さて、シルバニアのスタートレートを測ってみよう。
カメラを高速連写モードに設定して・・」
とか、やっていたら、その選手から聞かれた、
選「そんな分析が出来るのですか? それは便利そうだな」
匠「いや、まだ実験中なんですよ、上手く解析できるか
どうかは不明です」
という、やりとりがあった。
だいたいレートを5(回/分)刻み程度の精度で解析できれば
有効な手段だと思われる。しかし超望遠レンズで被写体を
手持ちで追い続けるのは結構高度な撮影技術が要求されるし
加えて、撮影枚数も、とんても無く増える。
この大会では、あまりこうした連続撮影は行っては
いないとは言え、それでも、最も多く撮ったカメラ1台で
3200枚もの撮影となっている。全撮影枚数は4000枚オーバー
であり、後の選別や編集の作業が極めて大変だ。
それに加えて、各チームのレート解析などは、正直やって
いられない(汗)私は別に選手でも無いからだ。
まあ、強豪専業チーム等で、興味があれば、この方法を
試してみるのも良いかも知れない。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18114913.jpg]()
さて、他の注目チームであるか、今年はこのカテゴリー
常連強豪の「相生市役所」が何故か不参加である。
例年「AI」「OI」チームとして、入賞を重ねていたので
ちょっと残念であるが、また来年あたりから参戦を
復活していただきたく思う。また相生市役所チームには
「高島ペーロン大会」への参戦も提案してあり、それは
その大会のレギュレーションが殆ど「相生ペーロン競漕」
と同じだからだ。機会あれば、そちらへも是非。
(同様に、相生の「ヤンググリーン」さんも、是非)
ただまあ、「相生市役所」が不参加な事で、入賞争いは
激化するであろう、専業チームも3つだけなので、
上手くすれば地元チームの入賞も期待できる。
前述の、地元企業系チームが、その対象であるが、
他には、例えば「志士の会」(上写真、本記事前編で紹介)
も居るし、「GSH48」というチーム(一応出自は聞いたの
だが長くて覚え切れなかった・汗)も、大勢力で4チームが
参戦している。それらの頑張りも期待したい所だ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18114906.jpg]()
さて、ここから少し余談であるが、昼休みには、
各チームで「BBQ」(バーベキュー)が行われている。
以前は、自由に出来たのだが、近年では安全面からも
「事前申し込み制」となっていて、所定のBBQエリア
でしか出来ない。
そのエリアの近隣のチームでは、美味しそうな臭いに
悩まされるかも知れないが(笑)、まあ必要であれば、
BBQを申し込むのも良いであろう。
なお、本大会に限らず、どのドラゴン系の大会でも飲酒は
厳禁である、勿論競技面から危険であるし、かつて20年程
前に、どこかの大会での選手の帰路での、飲酒運転事故が
あったそうだ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18114830.jpg]()
さて、ここからは「10人漕ぎ一般」の部の準決勝の話だ。
準決勝は4~5艘建てで行い、4レースがある、
各々の1位チーム(x4戦)および各々の2位チームの中で
最速の1チームの、計5チームが決勝に進出できる。
準決勝第1組は、パナソニックが3チームと、GSH48、東レ
の地元企業系チーム同士の対決。
ここは、本大会の企業チーム中で初めてカーボンパドルを
導入した「東レ・プレシジョンB」が一日の長により1位抜け。
準決勝第2組は、パナソニック、DBS、トヨタ紡織の企業系
チームと、政治家系「志士の会」、そして「守のシルバニア
ファミリー」の戦い。
ここは当然ながら専業の「シルバニア」の圧勝である。
準決勝第3組は4艘建てだ。BM,Revolusion,GSH48、
不二ドラゴンズAの3つの企業チーム対、専業の「GPO」
ここは順当にGPOの勝ちと予想していたが、不二ドラゴンズA
が非常に頑張った、両者ほぼ同着であったが、コンマ差で
不二ドラゴンズAの勝利だった。
だが、1分54秒台とレベルの高い戦いであったので、
GPOは2位の中での最速チームとなり、決勝進出できる。
なお、「不二ドラゴンズ」は、本大会20人漕ぎの部で3連覇
中の超強豪「池の里Lakers!」と若干関連のあるチームで、
「池の里」による指導も行われているそうだ。
まあ、であれば好成績も不思議では無い。
準決勝第4組も4艘建てだ。パナソニック、Wonder Hikone、
そしてここでも不二ドラゴンズBが残っている。
これら企業系チームに対抗するのは専業の「Team BANANA」
ここは順当に「BANANA」が勝ち上がっている。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18114806.jpg]()
結局、決勝進出チームは以下のようになった(レーン順)
1:GPO
2:Team BANANA
3:守のシルバニアファミリー
4:東レ・プレシジョンB
5:不二ドラゴンズA
予選からのタイムを見ても、ここは「シルバニア」の優勝
は堅いところだ。
が、気をつけなくてはならないのは、前大会の「堅田船競争」
でも「シルバニア」は優勝(2連覇)しているのだが、
2017年の堅田船競争で初優勝した際には、メンバー全員が
非常に喜んでいたのが、今年の優勝の際には、「当然」と
ばかりに醒めた様子であった事だ。
今日、また「びわこペーロン」で初優勝したら、ある意味
有頂天(天狗)になってしまうかも知れない。
準決勝あたりで、シルバニアを応援していた女性メンバー
には、以下のようにお伝えしておいた。
匠「今日もシルバニアさんは優勝できると思います。
でも、強豪チームが少ないカテゴリーだし・・
漕ぎ方は、スタートは非常に良いけど、レース後半に
課題も残っている模様もあります。
今日、無事優勝できたとしても、次のスモール選手権を
目指して頑張ってくださいね、メンバーにもお伝え下さい」
順位予想だが、「BANANA」の2位も堅いとは思うが、それ以下
が不明だ。「GPO」は専業チームであるが、今日は準専業の
「師走の会」等との臨時編成コラボチームとなっているので、
実力値が予想しずらい。そして「東レ」と「不二」の
両地元企業チームは近年伸びてきている。
結果、3位争いは激化しそうなのだが、他カテゴリー全体を
見ても、地元の非専業チームが入賞できそうなカテゴリーは
この「10人漕ぎ一般」の部しかない。
本大会で近年続いている「地元チーム全滅」(=入賞は
全て専業チーム)という、シナリオ的に好ましく無い状態
を打破するには、このカテゴリーで地元企業系チームが
頑張って、入賞して貰いたいようにも思う。
さて、決勝戦がスタート。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18121154.jpg]()
予想通り「シルバニア」が先行。「BANANA」は少し出遅れた
が、地力があるし、ベテラン故に、シルバニアのロケット
スタートを見てもペースを乱される事も無い。BANANAは
じわじわと順位を上げ2位に浮上、これで上位2チームは確定だ。
だが、3位争いが微妙だ、他の3チームは大接戦で、ゴール
の瞬間まで順位はわからない。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18121168.jpg]()
写真奥のレーンは、本大会初優勝を喜ぶ「シルバニア」
(1分49秒、これは10人漕ぎ混合での超強豪の「関ドラ」と
同等のタイムであった。「関ドラ」のメンバーは驚いて、
関「彼らは何者ですか?」と私に聞いて来たので出自を説明、
関「なるほど、良くわかりました。さすが事情通ですね」
との事だったが、まあ、専業チームも地元系チームの研究と
対策は必要になってくるであろう。(もっとも「関ドラ」は
そのあたり、非常に廻りを良く見ているチームでもあるが)
以下、「BANANA」が準優勝(1分53秒)
3位には「不二ドラゴンズA」が入った(1分55秒)
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18121186.jpg]()
上写真は「不二ドラゴンズA」の表彰式の模様。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18121244.jpg]()
上写真は「シルバニア」の優勝カップ。
感想であるが、このカテゴリーは今年は専業チームが
少なく、地元系チームが十分に楽しめたと思う。
であれば、例えばこのカテゴリーは「10人漕ぎ企業の部」
または「10人漕ぎチャレンジの部」のように、地元チーム
限定にしてしまう方法論もあると思う。
ここで優勝したチームは、もうこのカテゴリーでは出場
できず、翌年からは他カテゴリーで漕いで貰えばよい。
勿論「10人漕ぎ」は他も残しておいて、専業チーム等は、
そちらにエントリーする。
そんな感じにしたら、地元チームも、専業チームも
どちらも楽しめるのではなかろうか?
なお、今回「東レ」「不二」「GSH」「パナソニック」等の
チームが行ったように、20人以上のメンバー数が居る場合
でも、20人漕ぎの部へのエントリーを避けて、10人漕ぎに
分割するのが良いと思う。20人漕ぎは、ほぼ、専業チームと
地元系強豪(日立建機やシンコーメタリコン等)の専用の
「競技志向」の強いカテゴリー(チャンピオンシップ)に
してしまえば良い訳だ。
これで、殆ど現在のレギュレーションを変更しないままで
「実力別カテゴリー分け」に移行できる。
(あとは、20人漕ぎ混合を復活させるか否かがポイントだ)
ちなみに、他の地方大会は、現代では殆ど実質的な「実力別
カテゴリー分け」を採用している状態なのだ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![c0032138_18121181.jpg]()
さて、本記事はこのあたりまでで、次回「後編」に続く。
「第28回びわこペーロン」大会の模様より。
今回中編記事では「10人漕ぎ一般」の部について
紹介して行こう。
Clik here to view.

うち、約9割が地元滋賀県のチームであり、県外からの
参加チームは、今年に関しては、やや少ない。
なお例年であると、およそ8割が滋賀県内チームという
比率となっている。
まあ、これはビギナーチームが多い状態でもあるので、
参加者にはドラゴン系大会のノウハウが少ないとも言える。
また、本会場独自の状況もある。本記事では、まず最初に、
(かなり細かく長くはなるが)色々と本大会に係わる
ノウハウ的な注意点等を述べておこう。
参加チーム数が多い、すなわちレース数も多くなる為、
本大会の開始時刻は午前8時、終了時刻は、およそ午後
6時くらいと、大会の時間は約10時間と長くなる。
これは他の大会に比べても長い方であるので、参加者
(選手、スタッフ、観戦者など)は、長時間の観戦に備え
様々な注意が必要だ。具体的には、熱中症対策、飲食の確保、
疲労対策、機器類(スマホやカメラ等)の電源、雨の備え、
テント等の設備、来場や帰路の時間や手段、などである。
特にこの会場は日差しを遮る場所が少なく、暑いのが特徴
であるので、暑さおよび熱中症対策は必須である。
今年の全国的な異常なまでの猛暑は、本日は、やや和らいで
はいたが、それでも30℃越えの気温であるので、引き続き
水分・塩分の連続的な補給や日陰での休息は必要だ。
観戦において、アマチュアカメラマンも良く居るのだが
三脚を立てて一箇所から動かないと熱中症リスクが高い。
これらは見かけると都度、注意喚起を行うようにしている。
なお、毎回のようにドラゴン系記事で書いているが、
ドラゴンは長距離被写体ではあるが、望遠レンズを使った
としても三脚は使用しない事が鉄則だ。逆に言えば、
持ち上げられないような重いレンズは使わない事であるし、
望遠の手持ち撮影が出来ない初級者では、このジャンルの
撮影は無理である。そもそも本会場は超逆光状態なので
陸地から撮る事自体が非常に困難である。
本音を言えばチームの応援選手による自チーム撮影以外の
ケースでの一般アマチュア・カメラマンの大会撮影は一切
推奨しない。まず上手く撮れないだろうし、暑さが危険だし、
公式記録以外の場合では、選手等の被写体の許可が無いと
肖像権の扱いにも違反する(今回も、選手から無許可の、
盗撮のような状態を見かけている)からである。
それから、6年程前には、大会中にゲリラ豪雨に見舞われて
途中中断(短縮)になった事もあった。大雨の際にも雨を
避けるスペースは少ないし、僅かな建物等があっても、
会場には千数百人も参加者が居るので雨宿りは難しい。
カメラ、ビデオ、スマホ等の電子機器も雨が降ると厳しい
ので、それらの防水対策も必須だ。なお、雨が降らない
までも長時間の観戦となる為、カメラやビデオの電池切れ
の対策も必須である(予備電池や、あまり長時間撮らない)
逆に、あまりに暑くなると、これらの電子機器は「熱暴走」
する恐れもある(実際に、何度もそんな状態となっている)
「熱暴走」したら、電池を抜いて冷やすしか対応方法は無い。
雨等での浸水で電子機器が「水暴走」した場合には、これも
乾かすしか対処の方法が無い。なお、あまりに浸水量が多い
と短絡故障、あるいはサビなどでアウト(復帰不能)となる。
ここはカメラ等の電子機器を雨天で扱う経験と知識が必要と
なる為、一般ユーザーは防水機能付きの電子機器を使うのが
無難ではあるが、それでもゲリラ豪雨ともなると限界はある。
(電子機器の説明書に書かれている、防水・防滴・防塵の
保護等級の数値と、その効能をチェックしておく必要がある)
それから、風も要注意だ。そのゲリラ豪雨の際には、テント
を吹き飛ばす程の強風で、ますます避難場所が無くなった。
(前編で少し書いたが、今年の「鳥人間コンテスト」では、
強風で人力飛行機の翼が折れて墜落が続出、中止となった)
2017年の本大会でも、強風によりボートに浸水し、沈没する
艇が出た為、以降のレースでは漕手の数を減らして艇を
軽量化して大会を続行した経緯がある。
琵琶湖に直接的に面したこの会場では、風を遮るものが無い、
勿論、10m/sを越える強風(=「吹流し」が真横に流れる、
または湖面に白波が立つ)では、大会は中止となる規定と
なっている。この点において、レース戦略的には、風が出て
くると途中中止の可能性を意識する。予選や準決勝のタイムで
順位が確定する場合もある為、「予選だから」と手を抜かずに、
良いタイムを残しておく必要が出てくる、という意味だ。
それから、琵琶湖の水位と水質もレースに影響がある。
今年7月上旬には西日本豪雨により、琵琶湖の水位は基準値
より約1mも上昇した。以降、全開放流により7月下旬には
基準値に復帰したが、それ以降、猛暑で殆ど雨も降らず
本大会当日には基準水位を約20cmも下回る状態になった。
琵琶湖の水位が下がると、岸辺では湖水の対流も減り、
水温も高く、「藻」が多く発生する。
この藻が、ボートに絡みつき、タイムロスの要因になる。
本日の大会では、レース走行レーンにおいては藻はさほど
影響が無かった模様だが、レースに向かう往路で岸に近い
場合に、若干藻が絡みつく状況があったと思う。
これが酷くなるとタイム低下の他、舵が動かなくなって、
無理に動かすと破損してしまう(実際に過去1件あった)
また、岸のあたりは水位が低く、岸側に流されたりもする、
その際に、やはり舵が湖底に接触し、破損してしまう場合も
ある(今回も2件あった)
Clik here to view.

では、やや難しく、各チームは車を利用する事が普通だ。
特に、本大会は地元チーム比率が多い為、ほとんどが車と
なっている。駐車場は公共のものなので、車上荒らし等の
犯罪には十分注意する必要があるだろう。
公共交通機関では、最寄駅は京阪石山坂本線の「錦」駅
であり、ここから徒歩約15~20分となる。
が、この路線は乗り換えが煩雑である為、遠距離参戦で
JRを利用する場合、JR東海道線の「膳所」(ぜぜ)駅が
次善の最寄駅だ、そこからは約1.5km、徒歩20~25分となる。
ただし、いずれの徒歩ルートも曲がりくねって複雑である、
初めて来場する場合は、スマホや4G携帯のGPS等で、地図を
参照しながら来るしか無いと思う。
遠距離参加で新幹線を利用時の帰途は、徒歩等でJR膳所駅に
向かい、そこから普通電車3駅でJR京都駅に着く。
まあ簡単ではあるが、普通電車の数は少なく、意外に時間が
かかると思う(京都駅まで最低1時間は見ておく必要がある)
本大会は終了時刻が遅くなるので、遠方からの新幹線参戦の
場合は帰路の時間帯には要注意だ。
前置きが非常に長くなったが、これらは貴重な「ノウハウ」
であり「一次情報」でもある、他にこんな事が書かれている
記事や情報は何処にも無い。
Clik here to view.

の紹介だ。
本カテゴリーへの参加チーム数は26と多く、本大会の
4カテゴリー中では最大だ。
ただし、専業チームの数は少なく、新進専業チームの
「守のシルバニアファミリー」(以下、シルバニア)が
最大注目であろう(下写真)
Clik here to view.

各大会の常連チームであるから、本大会初参戦は意外だ。
「BANANA」には、新人美人ドラマーも乗っている(下写真)
Clik here to view.

「GPO」単独ではなく、今回単体チームでの参加を見送った
「師走の会」のメンバーを加え、及び、恐らくだが「豪腕龍」
(本大会では、10人漕ぎ混合に参戦)もコラボしている
かも知れない。この全体は、なかなかの大勢力だ(下写真)
Clik here to view.

特にパナソニック系のチームが多数ここに参戦している。
その他、「東レ・プレシジョン」や「不二ドラゴンズ」、
「トヨタ紡織」と、地元企業系では常連の中堅チームの
参戦も多いカテゴリーだ。
決勝枠は5艇であり、専業チームは3つだけなので、地元の
どのチームが決勝進出するかが注目点となってくる。
予選の模様だが、6レースあり、以下のチームが1位抜けで
直接の準決勝進出となった。
「パナソニック キッチンA」「トヨタ紡織」「GPO」(専)
「不二ドラゴンズB」「東レ・プレシジョンB」
「守のシルバニファミリー」(専)
このあたり、極めて順当な結果である。大会の歴史も長く
なってくると、地元の企業系ビギナーチームとは言え、
少しづつではあるが、実力差が出て来ている。
これらの予選1位の企業チームは、どれも毎年強いのだ。
Clik here to view.

出ていたが、そこでは、専業チームには正直歯が立たず、
目立つ事も少なかった。
近年では、これらのチームは20人以上のメンバーが居る
場合でも、A,Bチームなどに10人づつ分割して、10人漕ぎ
のカテゴリーにダブルエントリーをしている。
この戦略は、専業チームに直接当たらないようにする上で
極めて有効であり、この結果、このカテゴリーにおいては
こうした地元企業系強豪チームの活躍が目立つようになった。
なお、自然に強くなったのでは無く、彼らはそれなりに
努力や投資もしている。例えば、本大会に10年程前から
専業チームが参戦し、その速さに地元チームが衝撃を受けた
際、専業チームの「カーボンパドル」が注目された。
地「速いチームは皆カーボンを使っている、よし、
オレ達も使おう」
という感じだ。
地元チームで勝敗に拘るチームでは、数年前からカーボン
パドルを導入している、その最初となったチームは
「東レ・プレシジョン」であり、以下、「パナソニック
キッチン」も導入、さらに、20人漕ぎの「日立建機」等が
順次導入、これらのチームが地元系では、1歩先を進んで
いる様相だ。
なお、「パナソニック」は現在、ほぼ全てのチームが
カーボンパドルを導入している。パナソニックは巨大
勢力であり、200人を優に超える選手が参戦している。
が、新入社員等の福利厚生としての要素も強い本大会では、
中には、カーボンパドルの有り難味や価値を理解していない
新人選手も居て、ぞんざいな扱いとなっているケースもある。
そんな状況を見かけると、
匠「そのバドル、いくらくらいすると思います?」
と話しかけ、それが1本2~3万円、パナソニック全体で恐らく
500万円以上にもなる事を伝えると、彼らはびっくりして、
パ「ひえ~、そんなに高いのですか!?
これからは、これを拝むようにしなければ(笑)」
と、なる訳だ。
企業チームでも、まだ予算が確保できずに、カーボンパドル
を装備できない所も多い。だからこそ、本大会では「カーボン
装備」は各地元チームの憧れとなっている。
ただまあ、選手達には以下のように伝える事もある。
匠「専業チームの選手達は皆、自腹で買っていますよ。
自分でお金を出さず、会社から買ってもらっても
ありがた味も無いし、結果、練習もしない。
だったら、あまり意味は無いですよね・・」
こういう話を、選手達に対してのみならず、企業チームでの
お金を出す(承認する)立場の、お偉いさん方と話をする
ケースもある。今回も、ある企業チームの社長さん、及び
別の企業チームの「本部長」さんと話をしていて、そういう
会話の流れになった際にも、
社「全くその通りですね、ただ予算をつけて買ってあげる
だけでは、チームは強くなりませんよね」
と、大きく同意されていた。
Clik here to view.

と言うと、同じ専業の「シルバニア」に予選では負けている。
が、百戦錬磨の「BANANA」だ、敗者復活からは確実に上がって
くるだろう。
事実そうなっていて、決勝戦での実況放送では、
実「初出場の Team BANANAが頑張っています、これは
快挙でしょう!」
といった解説もあったのだが・・
まあ、ドラゴン界に詳しい関係者からすれば、これは当然の
状況であり、むしろ注目するのは、新進で今年から本格的な
ドラゴン戦法を身につけた「シルバニア」と、ベテランの
「BANANA」がどのような戦いをするのか? どちらが速いのか?
が、最大のポイントなのだ。
ちなみに「シルバニア」の今年の戦績であるが、
高島ペーロン=3位入賞(強豪専業に混じっての好成績)
堅田船競争=優勝(強豪専業を抑えての2連覇)
である、これはもう「絶好調」という雰囲気にも近い。
Clik here to view.

「ロケットスタート」の習得である。スタートレートは
およそ90回/分にも達すると思われ、一流強豪専業チーム
並みである。
これで序盤から他チームを圧倒的にリード、以降は
「巡航レート」に落として、悠々の逃げ切り戦術である。
ベテラン強豪の「小寺製作所」ですら、「高島ペーロン」
の予選で、この「シルバニア」と当たって、その新戦法に
翻弄されてペースを乱してしまった。負けん気でなんとか
シルバニアに僅差で勝ったが、体力消耗は激しく、かつ
以降では厳しいレースフローとなってしまい、「試合には
勝ったが、勝負に負けた」という様相だった。
ただ、今年の「シルバニア」の全レースを観戦している
私の目からは、「シルバニア」の課題も見えてきている。
それは「巡航レートからラストスパートに移行出来ていない」
という点だ。
「シルバニア」のメンバーに、そのあたりを直接聞いて
みた、すると、
シ「ああ、スタートは徹底的に練習しましたが、後半戦の
ペース配分は、まだ練習していないのですよ」
との事であった。
まあつまり、まだ練習の途中段階という事であろう。
その課題は彼らには伝えたので、きっとまた練習を
積んでくると思う。このメンバーは、かつて「松陽台」
として「高島ペーロン」での地元強豪であったのだが、
その大会も専業チームの多数の参戦により、地元チームが
勝てなくなってしまった為、「松陽台」は、昨年に大幅な
チーム改編を行った。チームを2分割し、その若手チームを
「守のシルバニアファミリー」とした、こちらはドラゴン
戦術を大幅に取り入れた近代化を図っている訳だ。
若手メンバーゆえに、伸びシロも大きい、ますます今後の
「シルバニア」については注目である。
Clik here to view.

「シルバニアは90回/分」と書いたが、これは目視での
推測値である。
実際にどこまでのレートで漕いでいるかを知る手段として
ちょっと現在実験中の方法がある。
それは、高速連写一眼レフを用いて連続的にフォームを
撮影して、写真のコマ数からレートを数える方法論だ。
今回、少し試してみた。毎秒8コマ撮れるカメラで
「シルバニア」を撮って、何コマ目で1ストロークが完了
するかを数える。
すると、だいたい5~6コマで、ストロークの1周だ。
計算すると、
毎秒8コマ÷5枚x60秒=レート96(回/分)
毎秒8コマ÷6枚x60秒=レート80(回/分)
となった。つまり、レートは80~96(回/分)の間だ。
だが、これではちょっと計算精度が粗い、1コマ違う
だけでレートが16(回/分)程度も変わってしまう。
もっと解析精度を上げようとすると、毎秒10~12コマの
さらなる高速連写機を使う必要があるだろう、いちおう
そのレベルまでの機材は所有している。
でも、毎秒12コマでも、レートの数字の精度は10刻み
程度だ。
Clik here to view.

毎秒数十コマというカメラも、世の中に存在するが、
動体撮影で被写体が歪むのでは?という危惧があるのと
(注:ローリングシャッター動体歪みが発生した写真は
記録写真として適切では無い)
それらは高価な最新機材である為、まだ購入できていない。
いずれ近い将来に、それら新鋭超高速連写機が入手でき
この目的に使えるならば、有効な解析手段であろう。
勿論ビデオでも出来ると思うが、コマ数の解析が煩雑だ。
(ビデオでは、そこからすぐに写真に起こせない点もある)
なお、この実験をやっている時に、専業チームの選手が
近くにいて
匠「さて、シルバニアのスタートレートを測ってみよう。
カメラを高速連写モードに設定して・・」
とか、やっていたら、その選手から聞かれた、
選「そんな分析が出来るのですか? それは便利そうだな」
匠「いや、まだ実験中なんですよ、上手く解析できるか
どうかは不明です」
という、やりとりがあった。
だいたいレートを5(回/分)刻み程度の精度で解析できれば
有効な手段だと思われる。しかし超望遠レンズで被写体を
手持ちで追い続けるのは結構高度な撮影技術が要求されるし
加えて、撮影枚数も、とんても無く増える。
この大会では、あまりこうした連続撮影は行っては
いないとは言え、それでも、最も多く撮ったカメラ1台で
3200枚もの撮影となっている。全撮影枚数は4000枚オーバー
であり、後の選別や編集の作業が極めて大変だ。
それに加えて、各チームのレート解析などは、正直やって
いられない(汗)私は別に選手でも無いからだ。
まあ、強豪専業チーム等で、興味があれば、この方法を
試してみるのも良いかも知れない。
Clik here to view.

常連強豪の「相生市役所」が何故か不参加である。
例年「AI」「OI」チームとして、入賞を重ねていたので
ちょっと残念であるが、また来年あたりから参戦を
復活していただきたく思う。また相生市役所チームには
「高島ペーロン大会」への参戦も提案してあり、それは
その大会のレギュレーションが殆ど「相生ペーロン競漕」
と同じだからだ。機会あれば、そちらへも是非。
(同様に、相生の「ヤンググリーン」さんも、是非)
ただまあ、「相生市役所」が不参加な事で、入賞争いは
激化するであろう、専業チームも3つだけなので、
上手くすれば地元チームの入賞も期待できる。
前述の、地元企業系チームが、その対象であるが、
他には、例えば「志士の会」(上写真、本記事前編で紹介)
も居るし、「GSH48」というチーム(一応出自は聞いたの
だが長くて覚え切れなかった・汗)も、大勢力で4チームが
参戦している。それらの頑張りも期待したい所だ。
Clik here to view.

各チームで「BBQ」(バーベキュー)が行われている。
以前は、自由に出来たのだが、近年では安全面からも
「事前申し込み制」となっていて、所定のBBQエリア
でしか出来ない。
そのエリアの近隣のチームでは、美味しそうな臭いに
悩まされるかも知れないが(笑)、まあ必要であれば、
BBQを申し込むのも良いであろう。
なお、本大会に限らず、どのドラゴン系の大会でも飲酒は
厳禁である、勿論競技面から危険であるし、かつて20年程
前に、どこかの大会での選手の帰路での、飲酒運転事故が
あったそうだ。
Clik here to view.

準決勝は4~5艘建てで行い、4レースがある、
各々の1位チーム(x4戦)および各々の2位チームの中で
最速の1チームの、計5チームが決勝に進出できる。
準決勝第1組は、パナソニックが3チームと、GSH48、東レ
の地元企業系チーム同士の対決。
ここは、本大会の企業チーム中で初めてカーボンパドルを
導入した「東レ・プレシジョンB」が一日の長により1位抜け。
準決勝第2組は、パナソニック、DBS、トヨタ紡織の企業系
チームと、政治家系「志士の会」、そして「守のシルバニア
ファミリー」の戦い。
ここは当然ながら専業の「シルバニア」の圧勝である。
準決勝第3組は4艘建てだ。BM,Revolusion,GSH48、
不二ドラゴンズAの3つの企業チーム対、専業の「GPO」
ここは順当にGPOの勝ちと予想していたが、不二ドラゴンズA
が非常に頑張った、両者ほぼ同着であったが、コンマ差で
不二ドラゴンズAの勝利だった。
だが、1分54秒台とレベルの高い戦いであったので、
GPOは2位の中での最速チームとなり、決勝進出できる。
なお、「不二ドラゴンズ」は、本大会20人漕ぎの部で3連覇
中の超強豪「池の里Lakers!」と若干関連のあるチームで、
「池の里」による指導も行われているそうだ。
まあ、であれば好成績も不思議では無い。
準決勝第4組も4艘建てだ。パナソニック、Wonder Hikone、
そしてここでも不二ドラゴンズBが残っている。
これら企業系チームに対抗するのは専業の「Team BANANA」
ここは順当に「BANANA」が勝ち上がっている。
Clik here to view.

1:GPO
2:Team BANANA
3:守のシルバニアファミリー
4:東レ・プレシジョンB
5:不二ドラゴンズA
予選からのタイムを見ても、ここは「シルバニア」の優勝
は堅いところだ。
が、気をつけなくてはならないのは、前大会の「堅田船競争」
でも「シルバニア」は優勝(2連覇)しているのだが、
2017年の堅田船競争で初優勝した際には、メンバー全員が
非常に喜んでいたのが、今年の優勝の際には、「当然」と
ばかりに醒めた様子であった事だ。
今日、また「びわこペーロン」で初優勝したら、ある意味
有頂天(天狗)になってしまうかも知れない。
準決勝あたりで、シルバニアを応援していた女性メンバー
には、以下のようにお伝えしておいた。
匠「今日もシルバニアさんは優勝できると思います。
でも、強豪チームが少ないカテゴリーだし・・
漕ぎ方は、スタートは非常に良いけど、レース後半に
課題も残っている模様もあります。
今日、無事優勝できたとしても、次のスモール選手権を
目指して頑張ってくださいね、メンバーにもお伝え下さい」
順位予想だが、「BANANA」の2位も堅いとは思うが、それ以下
が不明だ。「GPO」は専業チームであるが、今日は準専業の
「師走の会」等との臨時編成コラボチームとなっているので、
実力値が予想しずらい。そして「東レ」と「不二」の
両地元企業チームは近年伸びてきている。
結果、3位争いは激化しそうなのだが、他カテゴリー全体を
見ても、地元の非専業チームが入賞できそうなカテゴリーは
この「10人漕ぎ一般」の部しかない。
本大会で近年続いている「地元チーム全滅」(=入賞は
全て専業チーム)という、シナリオ的に好ましく無い状態
を打破するには、このカテゴリーで地元企業系チームが
頑張って、入賞して貰いたいようにも思う。
さて、決勝戦がスタート。
Clik here to view.

が、地力があるし、ベテラン故に、シルバニアのロケット
スタートを見てもペースを乱される事も無い。BANANAは
じわじわと順位を上げ2位に浮上、これで上位2チームは確定だ。
だが、3位争いが微妙だ、他の3チームは大接戦で、ゴール
の瞬間まで順位はわからない。
Clik here to view.

(1分49秒、これは10人漕ぎ混合での超強豪の「関ドラ」と
同等のタイムであった。「関ドラ」のメンバーは驚いて、
関「彼らは何者ですか?」と私に聞いて来たので出自を説明、
関「なるほど、良くわかりました。さすが事情通ですね」
との事だったが、まあ、専業チームも地元系チームの研究と
対策は必要になってくるであろう。(もっとも「関ドラ」は
そのあたり、非常に廻りを良く見ているチームでもあるが)
以下、「BANANA」が準優勝(1分53秒)
3位には「不二ドラゴンズA」が入った(1分55秒)
Clik here to view.

Clik here to view.

感想であるが、このカテゴリーは今年は専業チームが
少なく、地元系チームが十分に楽しめたと思う。
であれば、例えばこのカテゴリーは「10人漕ぎ企業の部」
または「10人漕ぎチャレンジの部」のように、地元チーム
限定にしてしまう方法論もあると思う。
ここで優勝したチームは、もうこのカテゴリーでは出場
できず、翌年からは他カテゴリーで漕いで貰えばよい。
勿論「10人漕ぎ」は他も残しておいて、専業チーム等は、
そちらにエントリーする。
そんな感じにしたら、地元チームも、専業チームも
どちらも楽しめるのではなかろうか?
なお、今回「東レ」「不二」「GSH」「パナソニック」等の
チームが行ったように、20人以上のメンバー数が居る場合
でも、20人漕ぎの部へのエントリーを避けて、10人漕ぎに
分割するのが良いと思う。20人漕ぎは、ほぼ、専業チームと
地元系強豪(日立建機やシンコーメタリコン等)の専用の
「競技志向」の強いカテゴリー(チャンピオンシップ)に
してしまえば良い訳だ。
これで、殆ど現在のレギュレーションを変更しないままで
「実力別カテゴリー分け」に移行できる。
(あとは、20人漕ぎ混合を復活させるか否かがポイントだ)
ちなみに、他の地方大会は、現代では殆ど実質的な「実力別
カテゴリー分け」を採用している状態なのだ。
Clik here to view.
