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第33回セタシジミ祭~ドラゴンボート体験乗船会

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2018年4月23日(日)に、滋賀県大津市、瀬田唐橋東詰にて
行われた「第33回セタシジミ祭」のイベントの模様より。

本イベントの内容は「シジミ掻き体験」や弁当配布、出店等
様々であり、その中に「ドラゴンボート体験乗船会」もある。

なお、事前申し込み制であり、参加料は大人1000円、
子供500円となっている(注:以前より値下げしている模様)

さて、私はこのイベントそのものには不参加であるが、
ちょっとドラゴン体験乗船の様子を見学しに行こう。
会場は昨年末等の記事で「Head of the SETA」の多種ボート
競技のイベントを数回観戦した瀬田川であるので、まあ良く
知った場所だ。
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「瀬田の唐橋」は、日本三大橋の1つ呼ばれる名橋。
交通の要所であり、古代から壬申の乱(671年)や、源平合戦
(1184年頃)の折に、この付近が戦場となっている。

戦国時代の話で有名なのは、上洛中の「武田信玄」が
死の間際に、「明日は勢多(瀬田)に武田の旗を立てよ」と、
重臣の山県昌景に言い残した、と伝えられている(1573年)

唐橋は、京の都の目と鼻の先(直線距離で十数km程度)
まあつまり、戦略的にも要所という事であろう。
その為、古来より戦時には橋が何度も焼き払われており、
(注:勿論、軍勢を足止めする為だ)
よって、古来からの橋そのものは残っていない。

現在の橋のベースは約40年前に建てられたもので、その後
幾度かの改修や塗り替えが行われていて現在に至っている。
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こちらは唐橋から見た「セタシジミ祭」の会場だ。
唐橋は全長260mの大きな橋であり、石山方面(西側)から
徒歩で渡って来るのは少し時間がかかる。

瀬田川の河川敷全体が公園であるが、本イベントの駐車場は
無い。アクセスは京阪石山坂本線の「唐橋前」駅が最寄だが、
その駅からでも徒歩6~7分はかかる。その駅は、JR東海道
本線の石山駅からわずかに一駅なので、JR石山駅から歩いて
行く観光客も多い、その場合は徒歩20~25分位となる。
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会場は瀬田川に面している。
ここでは、いつでも様々な観光船、漁船、各種ボート競技の
練習艇等が多数行きかい、観光地としても人気だ。

琵琶湖には百数十という多数の様々な河川が流れ込んでいるが、
琵琶湖から流れ出る川は、再南端の瀬田川のただ1本だけである。
この瀬田川は、京都地区で宇治川、大阪地区で淀川と名前を変え
大阪湾にまで流れている。流路距離、流域面積、流域人口の
いずれも西日本トップクラスの大河だ。

この恵まれた環境の為、魚介類の収穫もかつては多かった、
そのひとつが、「セタシジミ」であり、味も良く、約60年前の
1957年頃にはその漁獲量もピークとなっていた。

しかし、この流域面積が広い事が瀬田川の課題でもある。
古来から大雨などの際には琵琶湖が氾濫、その大量の水は下流の
京都や大阪にも甚大な洪水被害をもたらした。

長い年月をかけ、堰やダムが建設され、そして河川の拡幅工事
等も淀川水系全域で何度も何度も行われている。
(注:こうした水流改良工事の影響で、例年5月に下流の宇治川
で行われていたドラゴンボート大会は、今年は会場工事中の為
9月に延期されている)

で、こうした各種工事の影響や琵琶湖水質悪化の影響もあってか、
セタシジミの収穫量は年々減少、この状況を持って、琵琶湖の
水質環境改善と「セタシジミ」の復活を願って、市民等にこれを
広める目的で33年前から行われているのが、この「セタシジミ祭」
である。
主催は瀬田町漁業協同組合「セタシジミ祭実行委員会」だ。

ドラゴンボートとは直接関係は無いのだが、漁船による瀬田川
クルーズなどの参加者特典と合わせて、ドラゴンの体験乗船会が
行われている。
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会場はさほど広くは無いが、参加者は結構多い、数百人程度
であろうか・・ なお、この写真では人が少ないように見えるが
ちょうど「昼食休憩タイム」であり、支給の弁当で皆は食事中だ。
まあ、肖像権の関係からも、あまり人が多い状態で写真は撮れない
ので、このタイミングを狙った事もある。
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こちらが弁当と合わせて支給の「シジミ汁」、何も入っていない
ように見えるが、勿論シジミは皆、沈んでいるのだ。

支給品はちょっと小ぶりのシジミなのだが、なかなか美味しい。
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本来のセタシジミは、大きく、身が肉厚であるとの事。現在は
収穫量が少ないので、かなりの希少品だ。
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滋賀県ドラゴンボート協会の幹部の方も、本イベントのスタッフ
として参加されている。
こうした魚類は支給では無いが、出店で売られており、中には
珍しい、外来魚(ブラックバス)の天ぷら等もある。

ちなみに、ブラックバスやブルーギルといった外来魚は
琵琶湖や各地の湖沼の生態系を荒らす為に、リリース(放流)
禁止とか、持ち込み・持ち出し禁止などの厳重な措置が
取られている。

ブラックバスを食べる事は一般的には「臭みがある」と
嫌われているのだが、皮を取り除く等の適切な処理をすれば、
何ら問題無いとのことである。

滋賀県内でも「バス丼」などの料理が食べられる店舗が
いくつかある模様だが、有名なのは「滋賀県立琵琶湖博物館」
(草津市:JR草津駅から路線バスで25分程)の館内レストラン
であろうか。知人が実際に食べたのだが「なかなか美味しい。
完全に臭みは抜けていて、白身魚が食べられる人なら、何ら
違和感は無いであろう」との事であった。

なお、この「琵琶湖博物館」は近年リニューアル(改装)を
段階的に繰り返していて、綺麗で広い博物館であり、水族館も
ある。まあ、そういう関係で館内レストランにも力を入れている
様子である、所在地の烏丸半島(からすまはんとう)の近隣には
食事の出来る所が少なく、このレストランは本格的な料理を
安く提供するので貴重だ。

ちなみに、琵琶湖東岸から付き出た烏丸半島は、ハスの群生地
として有名であり、観光や写真撮影ポイントともなっていて、
私も何度か訪れた事があったのだが・・
近年、このハスがほぼ消滅してしまった模様。原因は不明だが、
現在これらを再生する為のプロジェクトが色々と進行している。

余談が長くなった、本「セタシジミ祭」でも、外来魚の
天ぷら等が販売されていて、滋賀県民のお父さん達には
「ビールのつまみに合う」と人気である。
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さて、昼食タイムも一段落したら、午後からはドラゴンボート
体験乗船会のスタートだ。
午後1時から乗船開始の前というのに、早速沢山の子供達が
集まってきている。

体験乗船で艇を漕いで動かすのは滋賀県の強豪ドラゴンチーム
「小寺製作所」および「池の里Lakers!」の選手達だ、
他にも瀬田漕艇倶楽部等のボート選手達が運営や指導に
あたっている。
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体験乗船の前には、勿論、子供達や大人の参加者への漕ぎや
安全の指導、当然ながら全員ライフジャケット(救命胴衣)
着用だ。

午前中のイベントの模様は見ていないが、参加者達は漁船等に
分乗してクルージングをしたり、シジミ漁の模様を見学
していた模様だ。

マザーレイク「琵琶湖」を擁し、マリンスポーツ大国でもある
滋賀県は、今時であれば子供達が、こうした様々な船舶に
乗る事には、まったく違和感が無い模様。

各地で子供達のドラゴンボート体験乗船会等を行っても、
水が怖く、揺れるので、泣いてしまう子供達を良く見かける。
滋賀県では、十数年前頃では、そういう状況も見たのだが
現代では、子供達はまったく物怖じしない、むしろ積極的に
色々な船に乗るし、それを漕ぎたいと言い出すのだ。
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滋賀県では全国でも非常に珍しい、小学生を中心とした
ドラゴンボート大会「ドラゴンギッズ選手権」が毎年夏休みに
行われているのだが、その大会も今年で13回(13年)目となる。

今時の滋賀県の子供達のレベルは恐ろしく進化していて、
小学生の部(漕ぎ手の8割が小学生との規定)のレースでも
200m戦を1分少々と、すばらしく速く、大人の中堅ドラゴンチーム
でも負けてしまいそうな勢いである。

滋賀県における子供達の幼少期からのマリンスポーツの
経験度は、他地区とは一線を画す。

他地区であれば、親御さん達も、ボートに乗るとか、水場で
遊んでいる事に「危ない」と、ただ叱るだけの状況かも
知れないが、ここ滋賀県では全然OKだ。勿論安全についての
認識も子供達自身にもあり、どの程度の行為であれば危ない
のか否か、その線引きも子供達は、はっきりと認識している。

そして、ドラゴンボートはスポーツ(競技)であるので、
子供達には、その認識もある、小学生大会でも、ライバルチームの
予選タイム表を見ながら、「う~ん、あと3秒速くしないと、
あいつらに勝てないなあ・・」など、まるで大人の大会のように
競争心を持って、ボート競技に臨んでいるのだ。

まあ、とは言うものの・・
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「おっと危ない、大丈夫かあ?」
と、漕ぎのバランスを崩して、危うくポールに接触しかけて
しまうなど、慣れない競技で、多少のハプニングはあるが、
全般的には全く問題は無い、今回も何も事故もなく、順調に
体験乗船会は進んでいく。
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瀬田川には多数の観光船や漁船、練習艇などが行きかうが
それらの接触やニアミスもあまり心配は要らない。
こういうケースは、ここでは日常であり、ぶつかる事は皆無
であるし、大型船が通れば引き波が発生して小型艇が揺れる
等は、皆、誰でも知っている事なのだ。
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しかし、今日は何故か体験乗船者が非常に多い。
他地区でそれをやっても、そんなに人は集まらない。数十人
が良いところであり、過去、一番多かったケースで、大阪のATC
での100人強、まあ、そんな感じであっただろうが・・

今日、この会場では次から次へ、ひっきりなしに体験乗船の
希望者が現れる。
恐らくはこのドラゴン体験乗船が入場料の中に含まれている為
だとは思うが、何百人という参加者が、ほぼ全員乗りに来て
いる模様だ。
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ドラゴン艇は2艘準備してある、20人艇、10人艇であり
20人艇の方は、最大8名程度、10人艇では4名程度までしか
体験乗船者は乗せられず、他は安全の為、ドラゴンボートの
ベテラン選手達が乗って漕いでいるのだ。

結局、およそ10~15分の体験乗船を、およそ2時間半の間、
2艇のドラゴン艇が、各々繰り返し10回近くも発艇していた。

しかも、今日の大津市の最高気温は30度近くの夏日だ。
これは選手達にとっては「良い練習」のレベルを超えて
なかなかハードで厳しい。

体験乗船が終わる頃には、ずっと漕ぎ続けていた選手達は
ヘロヘロに疲れ果てていた。

まあ、選手達は暑さには慣れているとは思うが。
4月や5月で暑い日は、紫外線の量も真夏より多い模様だし、
なにより暑さに体が慣れていない、だからこの時期の運動は
なかなかキツいと選手達から良く聞く。

アスリートでも勿論そうだし、写真撮影もそうだ。
いきなり慣れない真夏の長時間撮影などは、危険極まりない、
熱中症などのリスクが大変高いのだ。

・・まあ、だから、最近ではアマチュア層、特にシニア層の
夏季のドラゴンやペーロン大会の観戦撮影は推奨していない。
加えて報道系のプロ層でも慣れていない夏場は危ないので、それら
カメラマン等を各地の会場で見かけた場合には、熱中症対策として
水分や塩分の大量補給、タオルや帽子などの使用、それから長時間
続けては撮らずに適宜日陰で休む、等を色々とアドバイスしている。

なお、この日は京都等では30度くらいにまで気温が上がった様子で
他のイベントで、シニアの方が熱中症で倒れて救急車で搬送された
とも聞いている。4月だから平気だろうとは思わず、この時期、これ
くらいの気温となると、むしろ熱中症対策は入念に行う必要がある。

しかし、私もちょっと気を抜いていた、短時間(3時間くらい)
なので平気だろう、と塩分補給を全く怠っていたのだ。
体調が悪くなる事はなかったが、やはりちょっと疲労が大きい。

主力の超望遠機材(重量級一眼レフ+400mmズーム)は2kg強程度の
重さであり、昨年シーズンオフより、久しぶりに3時間ほど続けて
その重さの機材を構えていたら、腕もかなり疲労して痛くなってきた。
今回は機材軽量化を狙って、他の機材は標準ズーム付きの一眼のみ
だが、シーズンインしたら撮影機材は3台となり、気温は35℃超、
撮影時間も最大で10時間程度になるので、今のうちから重さにも
暑さにも、慣れておく必要がある。

まあつまり、アスリート同様に、カメラマンもシーズンに向けての
調整期間が必須という事だ。
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さて、この回のドラマー(太鼓手)を務める、「小寺製作所」の
小寺団長は、乗船中にも子供達に対して熱血指導だ。

こういう事からも、滋賀県の子供達のマリンスポーツのレベルが
上がっていくのであろう。

前述のドラゴンキッズ大会は、稀に滋賀県外からのチーム参加も
あるが、今のところ、殆どが滋賀県内から参加のチームである。

他地区の現行ドラゴンチームの選手の子供達が成長したら「キッズ
チームを作ってキッズ大会に参戦(挑戦?)しに行く」という話も
良く聞のだが、まだ現役選手の子供達は年少なので、今のところ
それは実現していない。

他地区の子供達も、幼少のうちから、様々なマリンスポーツの
体験を積んでおかないと、なかなか滋賀県の子供達には勝てない
かも知れないなあ・・ とも思う。
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さて、「セタシジミ祭」は、午後3時までで終了。
会場はすでに後片付けを始めているのだが、ドラゴン体験が済んで
いない参加者達が、まだまだ残っている。そこでドラゴン体験は
時間延長となり、さらに20分程度続ける事となった。

もう漕ぎ手の選手達の疲労もピークに達しており、会場撤収の都合も
ある、桟橋からはグルグルと手を振る(=巻き、急げ、のサイン)
があって、上写真の「池の里Lakers!」は、レースさながらの
本格的ラストスパートを見せる。

体験乗船の子供達は、当然このピッチにはついていかれないが、
それでも、下船した子供達は「スピードが出ていておもしろかった」
などの笑顔だ。まあ、なかなか良い体験イベントであったと思う。

さて、これにて私も会場を撤収。
日焼けした模様で、顔や半袖の腕がピリピリとする。
まあ、これも7月や8月ともなれば、真っ黒に日焼けするので、
まだ今は調整期間に過ぎない、シーズン本番はまだまだ先だ。
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瀬田の唐橋から見ると、体験乗船のスタッフ選手達は全員ドラゴン
艇に乗って撤収だ。これは恐らくこの会場では駐車場が無いので
艇の保管庫まで漕いでいって、そこから解散という事なのだろう。

さて、これにて「セタシジミ祭」のドラゴンボート体験乗船
イベントの記事は終了。

今年のドラゴンボートのシーズンインは例年よりやや遅い、
また各大会の日程や見所などは、適宜、別記事で紹介しよう。


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