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【熱い季節2017】宇治川・源平・龍舟祭2017(後編)

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2017年5月7日に開催された「宇治川・源平・龍舟祭2017」
の模様より。
今回、後編では「オープンの部」のレースの模様を紹介する。
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オープンの部の参加チームは31チームであり、
全てが「ドラゴン専業チーム」である。

ドラゴン専業チームとは、日常的にドラゴンボートの練習及び
大会参戦を行っているチームであり、そのチームの地元の大会
(ホーム大会)以外にも他地区の大会に参戦するチームを言う。

これはドラゴンの正式な用語ではなく、本ブログ独自の定義で
あるが、従来は、こうした専門的にドラゴンボートを行うチーム
群を指す言葉が無かった為、近年では少しづつ選手達にも浸透
してきている用語だ。

それと、本大会は10人漕ぎの「スモール大会」であるが、
各地の大会では、20人漕ぎの大会も依然多いので、
専業チームは殆どの場合、20人以上の漕手を擁している。

この為、スモール大会においては10人づつの漕手に分割し、
舵手と鼓手を各々手配し、2チームで参戦する事も多い。
これを「ダブルエントリー」と呼んでいるが、本大会において
は市内の部にもオープンの部にも、そうしたチームが多数居る。

オープンの部では、以下の8チームがダブルエントリーだ。

関西龍舟(A,B)(冒頭写真)
すいすい丸(家族健診、プレミアムドック)
bp,Beautiflul Planet
チームBanana(抹茶ん、兎ん)
小寺製作所、錺部(かざりぶ)
吹田龍舟倶楽部、吹田ドラゴン
琵琶湖ドラゴンボートクラブ、琵琶湖龍舟
Rスポーツマンクラブ(A,B)

ダブルエントリーには様々な戦略的な意味がある、
例えば、2つのチームを異なるカテゴリーに分散させて参戦し、
総合的に上位入賞の確率を増やす。
あるいは2つのチームの選手配分にあえて実力差を儲け、
1チームを本命(一軍)とし、他を新人等に経験を積ませる為の
練習用チームとする。
はたまた、チーム間でのメンバーチェンジがルール的に可能な
大会では、予選の間は両チームの実力を平均化しておき、
どちらかが決勝等に残った場合、そのチームに主力メンバー
を集めるという戦略もある。

ただし、本大会の場合は専業チームが参戦できるカテゴリーは、
オープンの部しか無く、メンバーチェンジも恐らく不可なので、
あまり凝った戦略を行うわけにもいかない。
だから結局、本大会でのダブルエントリーは、両参戦チームの
実力値を平均化させるケースも多いと思われる。

で、8チームがダブルエントリーであるから、都合16チーム
となる。オープンの部の全参加チームは31チームであるから
約半数のチームがダブルエントリーだ。
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上写真は単独エントリーの「Spirits Club」
が、単独エントリーであるから不利だ、とも言い切れず、
そこに精鋭メンバーを集めている場合も勿論ある。
なのでまあ、本大会におけるエントリーのスタイルによる
有利不利は無く、あくまでチーム各々の実力次第の勝負だ。

むしろ差異が少し出るのは、本大会においては、カテゴリーが
「オープンの部」のみでそれ以上は細分化されていない点だ。

「レガシー」なカテゴリー分けでは、男女混合、女子、シニア、
そしてオープンとなっている。

なお、ここで「レガシー」というのは、IT業界等では昔から
使われていた技術用語であり、「先人の作り上げたシステム」
という意味となる、IT業界でのハードやソフトの進歩は速い為
この言葉はITやPC業界では、一般的には「古臭い」という
ネガティブな意味に用いられている。

近年、某政治家が、このようなカタカナ用語を沢山使い、
その中に「レガシー」もあったので世間一般にも注目された
言葉となったのだが、前向きな意味も後ろ向きな意味も両方
あるので、使用するのが少々難しい言葉である。

この記事で言う「レガシー」とは、以下のような意味がある。

まずドラゴンボート競技が日本で普及したのは、およそ25年前の
1990年代からであり、その頃から2000年代までドラゴン界が
まだ発展途上であった際には、チーム各々の実力差よりも、
むしろ男性や女性、シニアといった性別や年齢から来る体力差の
方が勝敗に影響する要素が強かった。

しかし近年、2010年代になると、一部の「専業チーム」では
質・量ともに非常に多くの練習メニューをこなし、その結果、
「常勝軍団」のような超強豪チームがいくつか出現している。

その事自体は悪い事ではなく、むしろドラゴン界全体のレベル
アップや、日本チームが世界にも通用するレベルとなる為には
必須の事なのだが、今の所ドラゴンやペーロンはプロスポーツ
では無いので、全てのチームが練習に明け暮れる状況になる
という訳にはいかない。各々のチーム方針により、あくまで
趣味の一環として、あるいは健康増進の為、はたまた仲間を
作る為、皆で楽しく漕ぎたい、といったチームも依然多い。

そうなると本格的超強豪チームと、楽しんで大会に参戦する
一般チームでは、ドラゴンという競技に関する心理的な意味
合いが異なる為、これを、男女混合やシニア等の肉体的な
差異を元にしたカテゴリー分けで分類するのは少々無理がある
という状況になって来ている。

この為、近年では「選手権大会」のような公式的要素の強い
大会を除き、各地のローカル大会では「実力別カテゴリー分け」
を採用しているケースが増えて来ている。
今後も、そうなって行く事は時代の流れであり、だから
これまでの旧来のカテゴリー分けを、ちょっと時代に合わなく
なってきた事から「レガシーな」と呼んでいる訳だ。

ちなみに個人的には、地元チームの参加率が7割を超える
地方大会では実力別カテゴリー分けを採用する事が望ましく、
対して、ビギナーチームの参加率が1~2割程度以下の
「選手権」クラスの大会では旧来のカテゴリー分けの方が
望ましいと思っている。
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さて、「実力別カテゴリー分け」は、それを採用している大会
でも、今度は専業チーム間での実力差が出て来ている。

本宇治大会においても、オープンの部での専業チーム間での
実力差が目立つようになってきた。
具体的に本大会のオープンの部での過去上位のチーム名を
挙げてみよう。

第1回 2013年
1位:bp ジュニア
2位:龍人(どらんちゅ)
3位:びわどらと池の里Lakers!

第2回 2014年
1位:bp
2位:大阪市立都島高等学校M's Power(bp軍団)
3位:DDT(bp軍団)

第3回 2015年
1位:大阪市立都島高等学校ドラゴンファイターズ(bp軍団)
2位:bp
3位:京都工場保健会すいすい丸プレミアムドック

第4回 2016年
1位:beautiful people(bp軍団)
2位:池の里Lakers!
3位:bp

全ての宇治ドラゴン大会で「bp軍団」が優勝および入賞している、
それはまあ「bp」は現在日本一の超強豪チームであり、世界をも
視点に入れて膨大な量・質の練習を毎日のようにこなしている
から、こういう結果となるのも当然だ。他の専業チームは「bp」
のレベルについて行けていない、という事であろう。

けど、この状況では、他のチーム、例えば惜しい入賞を果たした
「池の里」「琵琶ドラ」「龍人」「すいすい丸」には正直言って
優勝のチャンスは殆ど無い。他にも冒頭写真の「関西龍舟」は
超強豪チームだが、あいにく「男女混合」のカテゴリーをメイン
とするチームだ、また女子強豪の「チーム河童」は今年は
本大会へのエントリーを見送っている。

こうなってくると「競技観戦」という視点からは、興味の対象
が減ってきてしまうのはやむを得ない。

「何故そんな事を言うのか? 強いチームが勝って当然だ!」
という意見も勿論あるだろう、けれども、それはドラゴンボート
をアマチュア・スポーツとして見れば確かにその通りなのだが、
将来的にドラゴンをプロスポーツ化する可能性を意識する場合、
あまりに実力差が大きい状況は好ましくない。

例えばプロスポーツでも、サッカー等では勝敗予想を行う
「くじ」が行われていて、それの売上金がプロ競技の運営に
使われている。
またファン層は、誰が勝つかわからない実力伯仲状態である
から面白いのであり、例えば相撲界でも飛びぬけて強い横綱が
居る時期などは、相撲人気は若干翳ってしまい、
「栃若時代」「柏鵬時代」「輪湖時代」「曙貴時代」のように
実力伯仲した横綱等の複数の強豪力士が居た時代の方が相撲
人気は高まっていたのだ。 
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さて、という訳で、実力別カテゴリー分けにおいて、オープン
の部では、さらにこの競技性あるいは観戦時の魅力を増強
させるには、もう1段、方式を進化させる必要性があると思う。

その具体例としては「チャンピオンカテゴリー」を新設する等だ。
これは超強豪チーム同士によるカテゴリーで、ここにエントリー
するのは、例えば過去の同大会で優勝したという事実を持って
しても良いし、チームの自己申告制でも良いと思う。

この方式は、静岡の2大会(御前崎、ツナカップ)で数年前より
行われている他、類似方式として、滋賀の「高島ペーロン」や
相生の「ペーロン競漕」でも行われている。

相生の方式は、1部2部という、サッカーのJ1,J2のような
順位によるリーグがあって、毎年1部の下位チームと2部の
上位チームの入れ替わりがある。ただ1部2部方式を採用
するのは歴史の浅い大会では若干難しく、百年の伝統を持ち
毎年の参加チームの顔ぶれがほぼ一定である「相生ペーロン」
ならではの方式だ。
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静岡の大会の場合は、基本的には参加カテゴリーは自己申告制
なのだが、下位のカテゴリーで優勝したチームは、翌年は、
半強制的(汗)に「チャンピオンリーグ」へのエントリーを示唆
される事もある、でもまあ、この方式は悪くない。

それから他競技だが、今年「京都駅階段かけあがり大会」を
観戦し、以前の記事で紹介した。
この大会では、5回優勝すると「殿堂入り」となって、
同じチームはエントリーできなくなる、すなわちメンバーを
分割、再編成して参戦する必要がある。

この「殿堂入り」制度はアマチュアスポーツであれば有効だが、
プロスポーツでは残念ながらありえない。例えばプロ野球の
「阪神タイガース」が強すぎてリーグ戦に出られなくなったり
ヒットを沢山打つ「イチロー」が殿堂入りで試合に出られなく
なったりする事は、ビジネス的には不可能だ。

ドラゴンボートは現状アマチュアスポーツといえども、プロ化が
少しづつ進行している、具体的にはスポンサーの居るチームが
すでにいくつか存在していて、それらのチームが殿堂入りして
仮に参戦できなくなると、スポンサーが困ってしまう。
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また、ドラゴン界には企業チームもいくつかあって、現状、
それらのチームは、あくまで趣味の範囲に徹してはいるのだが、
将来的には、企業が全国から優秀な選手を集めてチームを結成
する可能性は高い、それはプロ野球でも、サッカーでも、
バレーボールでも何でも、かつて、そうであったからだ。
プロ化においては、そうした「スポンサード」は当然の流れだ。

殿堂入り制度を採用するとしても、あくまでチャンピオンリーグ
とかで、出場機会をちゃんと保持する形式として、今度は
その上位リーグの中でも、観客にとって面白い実力伯仲の試合が
行われる事が望ましい。

あるいは、チャンピオンリーグ内で旧来の男女混合などの
カテゴリー分けを行ったり、昔、本ブログでも書いた事があるが
「タイムハンデ制」を新規採用するなどで、競技志向を高める
必要性があるだろう。

さあ、余談が若干長くなったが、本大会のオープンの部の
様子に戻ろう。
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まず注目点は、本大会は今年のシーズンの関西圏の公式戦と
しては最初である事だ。

つまり、各チームの様子を見るには最適の大会である。
前述の「超強豪チーム」の話にも関連するが、近年では、
冬のオフシーズンの間も、かなりの練習メニューをこなすチーム
もあって、「初戦」と言っても、野球で言う「オープン戦」
ではなく、いきなり本番の「ペナントレース」な訳だからだ。

各チームの様子を見ていこう。なお、例によって参加チーム数が
多い為、全てのチームの紹介は出来ない、ドラゴンの記事は
今年も何度も掲載予定であり、常連チームばかりでもあるので、
また他の記事でも紹介機会はあると思う。
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上写真は「大阪産業大学 常翔喜龍(じょうしょうきりゅう)」
こちらのチームは、大学のクラブ(的)活動のチームであるが、
大学であるから当然卒業・新入学によるメンバーチェンジが
発生する。よって、安定した実力値をキープするのは難しく、
その年によって異なってしまうのだが、そこについては
悪い話ばかりでもなく、毎年フレッシュなメンバーが加わる事で
ドラゴン界の裾野を少しづつ広げていく大事な役割もあると思う。

本大会では準決勝には届かないタイムではあったが、さほど
悪いタイムではなく、強豪チームにわずかに数秒遅れ程度だ。
今後練習次第では、今年は良い所まで行けるかも知れない。
毎年元気で楽しそうにレースに参戦しているのが印象的だ。
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手前は「Rスポーツマンクラブ」、奥が「Spirits Club」
「スピリッツ」については、前編で紹介している。

「R」だが、今年の重要なイベントとしては、7月末に
マレーシアで行われる「ランカウイ大会」に参戦する事だ。
この大会は今年初めて行われる。風光明媚な環境なようで
勝敗は勿論だが世界のチームの様子を実際に見て貰いたいのと、
それと、メンバーも楽しんで来ていただきたいと思っている。

なお、参加費はさほど高くなく、かつ一部の費用は現地協会
負担なので、海外旅行として考えても安い模様である。
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こちらは「関西龍舟」
言わずと知れた超強豪チームだが、昨年より新人の補強に
力を入れている模様だ。特に若手では、まだ15歳とかの
男性漕手が何人か居る模様であり、将来の「関ドラ」を
背負って立つ期待が大きい。(注、こちらの艇ではなく、
もう1つの関ドラチームの艇の前列に乗っていた、いずれ
肖像権を確認の上(未成年者の為)紹介する事にしよう)

サッカー界でも、近年15歳の若手選手が注目されているが
ドラゴンでも若手は注目だ、ニュースのネタになるので、
もし将来、ドラゴンがプロ化して、雑誌や新聞が出るような
状況になれば、取材の申し込みが殺到する事であろう。

「関西龍舟」は、現在チーム再編中ではあるが、まあそれでも
毎年どこかの大会で、確実に優勝をしている。

どこのチームもメンバーは一定ではなく、仮に一定であっても
今度は高齢化という問題もある為、メンバーの再編は必須だ。
その際に成績を落としてしまうチームも多々あったり、最悪は
チーム解散等のケースもある中、実力値や成果を保ったまま
チーム再編を行うのは非常に大変な事だ。そうした状況の中、
「関西龍舟」は、とても良くやっているチームだと思う。
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こちらは「吹田龍舟倶楽部」
昨年は「びわこペーロン大会」の優勝(2連覇)が光った。
他の大会でも入賞があったので、まあ今は、好調な時期と
言えると思う。

今年の調子を占う意味でも、本宇治大会でのタイムは注目だ、
「吹田龍舟倶楽部」「吹田ドラゴン」のダブルエントリーで
あるが、うち「吹田龍舟倶楽部」は、予選で1分11秒50の
好タイムをたたき出し、これは準決勝進出(上位4チーム)の
ぎりぎり当確線上だ、準決勝に駒を進める事ができなければ
本大会では即敗退となり、敗者復活はないので、コンマ差の
タイムが極めて重要だ、この状況については後述する。
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こちらは「池の里Lalers!」

本大会では、過去2位と3位があり、また市内の部での強豪
「塔ノ島」(現:激漕)にも、舵手を派遣するなどして
相性の良い大会だ。

昨年の戦績は、びわこペーロンの20人漕ぎの部での連覇が
光るが、他は2位が多く「万年2位状態」が復活している。
万年2位は「安定した成績」とも言えるが、彼らの経験値から
言えば、もう少し優勝が欲しい所だろう。

過去4度の優勝は全て「ペーロン」と名が付く大会ばかり
なので、「ドラゴン大会で1度勝ちたい」というのが、まずは
今年の目標であろう。

それと関西龍舟の項目で前述したが、チーム再編の課題がある
池の里は地域の純血(町内会)であるので、新人メンバーの
補充が難しい。が、その点については「池の里」には
切り札があり、彼らの子供達(実子)が、もうすぐ成長して
選手として漕げる年齢になりつつあるのだ。
滋賀県の「ドラゴンキッズ」では、池の里の小学生チームは
連覇を続けていて、最強の子供達であった。

後述するが、今回「bp軍団」には、選手の実子が乗って
いるケースがあり、選手層を子供達に引き継いでいく時代が
もうすぐそこまで迫っている、その可能性があるのは、
「bp」や「池の里」そして、まだ若すぎる子供達が多いが
チーム内結婚の多い「チーム未来」「海猿火組」「東海龍舟」
などがある。

さて「池の里」であるが、予選2回戦で好タイムを出せば
準決勝進出の可能性が高かった。
この時点で「bp軍団」2チームは準決勝がほぼ確定、
以下、「すいすい丸(家族健診)」が1分11秒21
そして「吹田龍舟倶楽部」が1分11秒50というタイム。
「池の里」が1分11秒50以下を出せば準決勝に進める。

「池の里」の舵手は、市内の部の「激漕」のレースにおいて、
完璧なコース(ライン)取りを見せ、結果3位となったが、
それでも市内の部では予選最速のタイムであった。

「池の里」は予選で若干不利な2レーンでも1分13秒の好タイム
を出している、前編でも書いたが、上手なチームはレーン
コンディションの差異をあまり問題にしていない。
「激漕」のレースで練習した「池の里」が予選2回戦の1レーン
で1分11秒台を出してくる可能性は高かった。

上写真は「池の里」の舵手が、中間地点でコース取りを転進
した瞬間である、これは上手くいったように見えた・・

だが、結果は不利な2レーンの時のタイムより悪い1分14秒台、
これで準決勝進出の夢は途絶え、予選敗退だ。

原因は良くわからない、併走していた「bp」の返し波を
受けたのかも知れないが、詳しいところは不明だ。

それから今日、「池の里」は監督であるT氏を欠いている、
T氏のFacebookには、どこかのお寺で「池の里の健闘」を
祈願している写真が載っていたが、残念ながら及ばなかった。

この結果、準決勝進出チームは「bp」「Beautiful Planet」
「すいすい丸(家族健診)」「吹田龍舟倶楽部」の4チームに
決定した。

ここで準決勝のレーン抽選が極めて重要になる。

そして抽選、奇しくも「bp」軍団が準決勝で当たる事となった。
これで状況は「すいすい丸」と「吹龍」にとっては有利だ。
準決勝をなんとかしのげば「bp軍団」のどちらか1チーム
だけを決勝で相手にすれば良い。
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準決勝、「bp」同士の戦い、
ここでは、本家の「bp」(手前1レーン)が勝利した。

ただ、よく考えてみれば、本家「bp」も、本大会では、
過去第2回大会(2014年)の1度しか優勝がない。
他は全て若手(=bpジュニア)の優勝なのだ。

ちなみに「Beautiful Planet」のドラマーは軽量な女性だ。
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恐らくは幹部選手の実子の方であろう、軽量な女性ドラマーは
レースのタイム短縮にわずかに貢献する。

昨年まで「bp」では「謎の美少女」というニックネームの
女性ドラマーが居たが、彼女は今年は学業の都合で、ちょっと
出場できないかも知れないと聞いている。

新人ドラマーの場合、問題はペース配分やメンバーへの指示を
ちゃんと行えるかどうか?という点だが、まあそのあたりは
「bo」クラスのメンバーであれば、ペース配分の練習は反復して
行っているだろうから、大きな問題にはならない。
c0032138_18170854.jpg
同様に「bp」のドラマーも、可愛い小さい女の子だ。
さらなる軽量化で、タイム短縮を狙う。

ちなみに、軽量で不安定な「スモール艇」で、かつ「bp」の
ようなダイナミックな漕ぎを行う場合、ドラマーの座席位置
でも動きが激しく、艇から振り落とされる危険性がある。
この為、彼女は、多くの場合片手でドラマー席の背もたれを
ホールドし片手でのみ太鼓を叩いていた。
まあ、今回は初回の参戦なので慣れていない為、そうした措置が
安全であり良いと思う。
いずれ慣れてくれば先代の「謎の美少女」のように、上手に
鼓手の役目が果たせるようになる事であろう。

---
さて、もう1つの準決勝は「すいすい丸」対「吹龍」と
なったが、これはライバルチーム対決だ。
近年、びわこペーロン大会や関空大会等で「すいすい丸」と
「吹龍」がしのぎを削るレースを行う事がよくある。

実力値はほぼ互角、しかし、若干漕ぎやすい1レーンを抽選で
引いたのが「すいすい丸」であった為、こちらが決勝進出と
なった。

決勝戦は「bp」と「すいすい丸(家族健診)」で行われる
事となる。注目は「すいすい丸」の両カテゴリー制覇だ。

中編で紹介した「市内の部」では「京都工場保険会
受けよう精密検査」(=すいすい丸の兄弟チーム)が既に
優勝を決めており、オープンの部でも「すいすい丸」が
勝利すれば、すいすい丸初の2カテゴリー制覇、これは勿論
宇治大会でもbp軍団以外のチームの初優勝、等多数の「初」
記録が生まれる事になる。

ちなみに「すいすい丸」のスポンサーは「喜撰茶屋」であり
これは本大会会場のすぐ横にある店舗だ。
スポンサーのお膝元で、この快挙を成し遂げたい気持ちは
大きい事であろう。

すると、決勝前の抽選に全てがかかる事となる、
「bp」の予選タイムは1分7秒台と驚異的であるが、
若干コントロールが難しい2レーンの場合は1分11秒台後半だ。
「すいすい丸(家族健診)」の予選ベストタイムは1レーンで
1分11秒21、つまり「すいすい丸」が抽選で1レーンを引けば
両者ほぼ同等になり、「すいすい丸」完全制覇の夢に繋がる。

注目の抽選は「bp」が1レーンを引いた。
「bp」は、この時「すいすい丸」に「1レーンをどうぞ」という
提案を行った、それの方がレースが面白くなるからであり
なかなかの申し出だ。
しかし、「すいすい丸」は「いえ、抽選どおりで結構です」
と意外な返事。

まあ、それはアスリート心理からは十分にありえるだろう
有利なレーンを取るということは、つまり「ハンデ」に相当する。
強豪チームからハンデを貰って、仮にそれで勝っても面白くない。
例えば将棋の強い人と戦って、平手(ノーハンデ)で勝てれば
嬉しいが、「角落ちでどうぞ」と言われて勝ったところで、
実力で勝ったとは言えないからだ。

さて、オープンの部、決勝戦のスタートだ。
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「bo」速い!

日が翳り、風も横風、水深も若干浅くなって、あまり良い
レース・コンディションとは言えない状況であるが、
それでも1分8秒台はお見事。

「すいすい丸」もかなり善戦して1分10秒台。
さすがに「bp」には及ばなかったが、不利な2レーンでも
自身の1レーンでの予選タイム1分11秒台を上回り、
レーン間のコンディションの差異を技術ではねのける事が
出来る事を見事に立証した。
c0032138_18170837.jpg
表彰式では2位ながら満足げな表情の「すいすい丸(家族健診)」

まあ、市内の部でも兄弟チームが優勝しているし、この結果は
満足である事だろう、王者「bp」に対しても自己ベストタイムで
善戦した事も自信に繋がったかも知れない。
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ラストは「bp軍団」の記念撮影、毎年この狭い橋の上に
何故か集まりたがる(笑)

さて、今年のドラゴン開幕戦は「bp」の勝利とはなったが
「すいすい丸」の健闘も光った。

今後のシーズン本番が楽しみだ・・


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