Quantcast
Channel: 【匠のデジタル工房・玄人専科】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

ATC ライティングショー 2016

$
0
0

正式名称は「ATC BAYSIDE CHRISMAS 2016 ライティングショー
& 特殊効果花火」という、ちょっと長い名前のイベントが、
2016年12月23日,24日の両日に行われた。

c0032138_1852472.jpg

ATCでは、今から十数年前の2000年代前半には、X'masに花火を
上げるイベントを開催していた模様なのだが、私はその頃の
ATCの花火は見た事が無かった。

そしてちょうどその頃2000年代、各地の花火大会で大小の事故が
発生し警備体制などが社会問題となって、全国各地の花火大会は
縮小または廃止される傾向となった、いくつかの大きな花火大会は
生き残ったのであるが、逆にそれらに観客が集中するようになり、
よりいっそうの警備体制や安全対策等が必要となったり、あるいは
数日前からの場所取り等のマナーの悪さが問題になったりもしていた。

そのような世情の中、ATCでも200年代後半からはX'masの花火は
中止していたのだが、2013年におよそ8年ぶりに、花火イベントが
復活する事となった。

復活の際には、消防、警察、港湾などの許可を取る事が大変
だったと聞く。まあ、各地の花火大会での事故の前例があるので
当然であろう、それでも無事2013年にはX'mas花火ショーを
ATCで開催する事ができた。
その後、2015年に第2回目、そして昨年(2016年)に
第3回目が開催される事となった。

さて、冒頭の写真だが、2016年のATCのX'masツリーである、
すでに11月3日に「点灯式」が行われていて、その模様は
過去記事で紹介済みだ。
12月25日迄のおよそ2ヶ月間、このツリーは展示されていた、
2016年の展示の締めくくりとなるのが、12月23/24日の、この
「ライティングショー&特殊効果花火」のイベントだ。

私は毎回スタッフとして、この花火ショーを撮影している、
さて今回はどんな感じに上がるのか?そんな期待もある。
撮影というよりは、見ているだけでも楽しいイベントなのだ。

ショーの当日の夕方、地下鉄に乗り込み、ATCに向かう。
c0032138_18523185.jpg

地下鉄の各路線の全車両には、ATCのこのイベントのポスターが
貼られていた、そう、本イベントは、主催のATCの他、住之江区
や大阪市交通局が協賛しているのだ。

このポスターには前回の第2回イベントを私の方で撮影した写真が
使われている、だいたい同じようにトリミングしたものが以下だ。
c0032138_18525256.jpg

やや露出オーバー気味だが、ポスター編集時には、少し輝度を
調整したのであろう、いい感じになっていた。
露出オーバーに感じるのは、こちらで編集の際に、デジタル
クロスフィルターを追加したからでもある。この効果は、やや
やりすぎ感も出る場合もあるので、ATCへの提出分は、フィルター
効果無しと有りとの両方を作ってあったのだが、フィルター有り
の方が採用された模様だ、ポスター等の一般向けには派手に
見える方が良い、という判断なのかも知れない。

なお、クロスフィルターには、物理的にレンズの前に装着する物も
銀塩時代の昔からあり、私も色々なタイプ(例えば、光芒が4本の物
6本や8本の物、角度を変えられる物)を所有しているのだが、
それらを使って撮影すると、今度はその効果が必要無い、と思った
場合に、画像編集で光芒を取り除くのは、ほぼ不可能だ。
だから、クロスフィルター無しで撮っておいて、編集で必要により
効果(エフェクト)を追加した方が効率的、という訳だ。

あと、印刷物の場合と、ディスプレイで見た感じとは、写真の
雰囲気はずいぶんと異なる、ATCの建物の中にある広告ディスプレイ
(電子看板、デジタルサイネージ)でも同じ写真が使われているが、
そちらはLCDバックライト光源で、バッチリの雰囲気であった。

ちなみに、2013年の1回目のイベントの時の写真は以下だ、
c0032138_18533191.jpg

こうしてみると、毎年ATCクリスマスツリーのセットもデザインが
色々と変わっている模様であり、特に昨年(2016年)バージョンは
点灯式の記事でも紹介したが、山下達郎「On the street corner」
のジャケットのような雰囲気の(実際には意匠はかなり異なるが)
外国の港町風のデザイン・コンセプトが秀逸である。

さて、そんな事を考えているうちに、トレードセンター前駅、
つまりATCの最寄駅に到着した、駅からは徒歩数分でツリーの
ある会場に行ける、会場までの一帯は「ウミエール広場」と
呼ばれていて、ここも全体的にライトアップが行われている。
c0032138_1854488.jpg

今日は(2016年)12月23日の祝日だ。
休日ともなると、ATCには名物の「コスプレーヤー」達が
集まってくる、今日は特に多い模様で、皆、ライトアップの前で
思い思いのコスチュームで写真を撮っていた。

ただ、輝度差が極めて大きい撮影なので、フラッシュを使った
としても結構高度な撮影技術が要求されるであろう、もし私が
撮るならば、アベイラブルライト(その場の光)のみで大口径
レンズを使用して撮ると思うが、コスプレを撮るアマチュア
カメラマン達の中で、そのような機材を用いている人は居なかった。

それから、コスプレーヤー以外にも、今日のATCは人出が多いように
思える。現在時刻は午後6時、午後7時からの花火イベントに向けて、
すでに多くの警備員さん達が「花火会場はあちらです」と誘導を
行っていた、気温は今年に関しては例年に比べだいぶ暖かく、
本日の最高気温は14℃にもなっていた、2015年もまあ10℃位で
あったが、2013年は非常に寒く、恐らく5℃以下であっただろう、
今日はそれらよりもだいぶマシだ。
で、昼間少し雨が降ったが夕方は雨も止んでいる、ただし少し風が
出てきて肌寒く、それよりも花火や煙が風で舞うのが少々心配だ。

人出が多いのは、この時期、他に目だったライトアップイベントが
少ないからかも知れない。例えば神戸ルミナリエ、京都嵐山花灯路
は既に終了している。大阪中之島の光のルネサンスはまだやって
いたが、もう終了間際だし、すでに見た大阪人も多い事であろう。

で、これだけATCに人が集まっていれば、今日のイベントの成功は
まあ間違い無し、という感じであろう。

かつて、ATCでは2014年,2015年に2回のドラゴンボート大会を
開催したが、あいにくの大雨と酷暑で、観客の入りは壊滅的に近い
状況であったのだ。ATCは商業施設であるから集客が望めない
イベントは継続が難しい。だがまあ、それらは天候の問題も
あったと思うので、ドラゴン大会そのものの問題とは言い難い要素
もある。本花火大会が8年ぶりに復活したように、ドラゴン大会も
いずれの復活に向けて、また提案していくとしようか・・

さて、会場に到着
c0032138_18543366.jpg

まだ開演1時間前なので、ツリーは暗く静まり返っている。
観客もまだ殆ど居ない、まあ、この時期は寒いので例年、暖かい
ATCの館内でぎりぎりまで時間をつぶし、開演直前に集まって来る
というパターンだ。

運営スタッフの人達に挨拶をする、
ス「昨日は大雨の中で設営の準備をして大変だったのです」
匠「それは大変ご苦労様でした、今日はまあ、天気もなんとか
  なったし、よかったです。 で、ここに来る間にも今日は
  ATCは人出が多いみたいですし、うまくいきそうですね」

さて、まだ時間があるので、しばらく周辺で時間をつぶそう。

カメラを持っている人に「撮影ですか?」と声をかけられた、
「ええ」と答え、しばらくカメラ談義。

その男性は、花火の撮影の方法を聞いてきたのだが・・
匠「今日は混雑するので、三脚撮影はスタッフ以外は禁止に
  なると思うのですよ。で、手持ちでの撮影方法なのですが、
  可能なかぎりシャッター速度を落とした方が、花火の光が
  沢山残るので良いのです。ただ、どこまで落とせるか、は、
  機材やテクにもよるので、なんとも言えないです」

男「Avモードで撮ればいいですか?」
匠「ええ、そのモードでも良いです、ただしISO設定は手動、
  そして絞りもやや絞りますが、前半のライティングの
  あたりと、後半の花火のあたりでは設定が異なり、また
  花火の明るさやタイミングに合わせるので、これでOKと
  いう設定はありません」

男「急に設定は変えれませんね、で、おたくは、どうされてますか?」
匠「複数のカメラを異なる設定で使います、今日は3台持ちです」
男「なるほど! それで何枚くらい撮影されますか?」

匠「今日のショーは10分間、正確には13分と聞いてますが、
  多分300枚以上は撮りますよ」
男「そんなに沢山撮るのですか?」
匠「ええ、ひっきりなしにシャッターを切る感じでしょうね、
  それだけ撮っても、10枚に1枚程度、つまり全部で数十枚しか
  使えるカットは無いでしょうね」
男「なるほどねえ・・タイミングもありますしね」

匠「まあ、ということで沢山撮ってみてください、花火撮影の場合、
  どう上がるか予想ができないので、それしか手段は無いです」
男「わかりました、じゃあ、私ば撮影ポジションを探します、
  では 貴方も頑張って撮ってくださいね」
匠「はい、ありがとうございます」

まあ、あまり有益なアドバイスはできなかった・・
花火の場合、三脚を立てる撮影の方が遥かに容易なのだが、
その場合の設定は、やや特殊だ、そして、とてもその設定のままでは
手持ち撮影は出来ないのだ。
趣味の撮影であれば、三脚用設定のまま手持ちに切り替え、
踊り撮り(=カメラを揺らす)や露光間ズーム、露光間ピントずらし、
等の特殊技法が色々とあるのだが、さすがにそういう撮影技法は
今回は使えない、来年の花火イベントのポスターが、そんな変な
写真だったら、お客さんがあきれて来ないだろう(汗)

さて、時刻は6時40分、開演20分前だ、私も撮影ポジション
(ATC側でスタッフ専用エリアを確保していただいている)に入って、
テスト撮影をしてみよう。
c0032138_18554281.jpg

おっと、ピンボケだ(汗)
そう、このカメラ(一眼)は花火用設定に予めしてあったのだ。
暗い会場で撮影前に色々と設定をするのは、慌てる可能性もある為、
家を出る前にカメラを設定済みだ。

こちらのカメラは、SONY α65、
レンズは、TAMRON SP10-24mm/f3.5-4.5の超広角だ。

以下は三脚使用時用のカメラ設定だが、ISO感度は200とし、
絞りはf11としてある、M露出モード、シャッター速度はBULBだ、
リモコンまたはレリーズがあれば好ましいが、あいにくこのカメラ
用の物は所有していない、まあ、手押しでなんとかなるであろう。
ピントはMFだ、テスト撮影時はAFのつもりでシャッターを押したが
既にMFに設定してあったのだ、ピントリングは有限回転式なので
∞(無限遠)に廻しておけば良い(このたり、近年のミラーレス
用の無限回転式ヘリイドに比べて遥かに使い勝手が良い)

ただし、レンズまたはシステムによっては、「オーバーインフ」
という状況になるので注意が必要だ。
オーバーインフというのは、無限遠を超えてピントが合ってしまう
という事である、すなわちヘリコイドをいっぱいにしても∞では
なくてピンボケになる。
だがまあ、本レンズは10-24mmと超広角であり、おまけに絞りも
f11と絞り込んである、撮影距離約40m程度での被写界深度は
計算上ほぼパンフォーカスとなり、つまりだいたい∞近辺に
合わせておけば、どこにでもピントが合っている状態だ。
念の為、α65のMF時に有効になる「ピーキング機能」を用いて
ピントを確認する、赤い輪郭が被写体全般に見えているのでOKだ。

α65は、光学ファインダーではなく、EVFを搭載している、
つまり一眼レフとミラーレス一眼のハイブリッド機だ、
だからこうしたピーキング等の機能が使える訳だ。
ちなみに、α65の中身は、ミラーレスの名機SONY NEX-7と
ほぼ同等だ、NEX-7はもう数年使っていて、信頼のおけるカメラで
あるので、後からα65をAマウント用に買い足した訳だ。

今日は、そのNEX-7も持ってきている。
NEX-7にはE18-55mm/f3.5-5.6OSSという、
キットの標準ズームを装着している、画質的には何ら特徴が無い
ごく普通のレンズで、趣味撮影に使う事は無いのだが、
手ブレ補正が入っている事と、こういう機会でも無いと使う事が
無いので、減価償却の為の出動となった次第だ。
こちらはISO感度を1600程度まで上げ、手持ち撮影用としよう。

NEX-7の操作系は(中身がほぼ同等な)α65とは比べ物にならない
ほど優れている、だから、α65は固定設定の三脚撮影用とし、
手持ちで設定の融通性が問われる方を、NEX-7としている訳だ。

今日のショーでは前半はライティング、後半は花火と聞いている、
混雑する会場で2台も三脚を立てたら、スタッフとは言え周囲からの
顰蹙ものなので(一般客は三脚禁止だ)、三脚は花火用の1本のみ
とし、ライティングの方はNEX^7で、手持ちで撮る事にする。
c0032138_18561869.jpg

さあ、時刻は午後7時、そろそろイベントのスタートだ。
司会(MC)は「Yes Happy!」というアイドルユニット、
11月3日の点灯式でもメインMCを務めていてた、可愛い女性の
2人組なのだが、あいにく今日は、この撮影ポジションからは
まったく撮る事ができない。そのあたりは運営スタッフとも
打ち合わせ済みであり、「Yes Happy!」の撮影は今日は残念ながら
無しだ。「点灯式」の記事には何枚かの写真が掲載されているので、
気になる方は参照していただくとしよう。
c0032138_18564431.jpg

前述のようにショーの前半部はライティング効果だ。
ここはNEX-7での手持ち撮影を続ける。
少しでもシャッター速度を稼ぎ、かつシャドウ(暗部)の締まり
を良くする為に、露出補正を-0.7前後で微調整してかけている。
絞りは開放、この手の標準ズームの場合、本来は少し絞った方が
解像度が良くなり、収差が減るのだが、手持ちなので、絞り込むと
シャッター速度が1/10秒以下とかになってしまう。

手ブレ補正が入っていても、そのあたりのシャッター速度は手持ち
限界を下回るかもしれないので、ISOを3200以上に上げなくては
ならなくなり、そうなると今度は、高感度ノイズの問題が出てくる。
だからショーの光量(明るさ)に応じて、細かく設定を変化させる
必要がある。多少被写体の明るさに余裕があれば、絞りをやや絞るか、
ISOをやや落とせば良い。

で、このあたり、絞り値、シャッター速度、ISO感度のせめぎあいと
なって、バランスが難しい状態だ、しかもひっきりなしに撮影を
続けながら、それらを必要に応じて微調整しなければならない。

それこそ、ショー開演前の、男性カメラマンとの話しの中では、
有益なアドバイスが出来なかった原因なのだ。
中級クラスのカメラマンであっても、これらの設定を状況に
応じてリアルタイムに変えていく撮影は残念ながら無理であろう。

で、こういう状況は予想できていたので、そういう意味もあって
今回はNEX-7を持ち出してきている。
何故ならば、NEX-7には「トライ(3)ダイアル」という優秀な
操作系があって、今回は、3つのダイヤルに、絞り値、露出補正、
ISO感度を各々アサインしてある、なので、撮影しながら、その
設定の微調整に必要な3要素は全て右手だけの操作で出来る。

このような操作系を搭載しているカメラは他に殆ど存在しない為、
こうした状況では本当に頼りになるカメラだ。
NEX-7の操作系は「複雑すぎる」と不評だったかも知れず、
続くα7シリーズでは、よりシンプルな操作系に変更された、
だが、このカメラの、この操作系でないとできない撮影もあるのだ、
それはフルサイズか否か?、という事よりも、よほど重要な点だ。
c0032138_18571540.jpg

NEX-7の弱点であるAWB(オートホワイトバランス)の不安定さは、
このような撮影では、あまり問題にならない。というのも
ラインティングの色味は、刻々と変化し、これが正解という色味が
無いので、まあ、撮れてさえいれば色はある程度どうでも良いとも
言えるからだ。

一応AFにしているが、シャッターを切る毎回のピント合わせは
被写体の輝度が大きく変化するため、暗い状態ではAFが迷う
場合もある、MFに切り替えようかと一瞬思ったが、一旦MFモード
に切り替えた場合、MF時にその切り替えボタンは画面拡大機能に
アサインしていた事を思い出した為、AFが再度必要になった際に
手間取るというリスクが懸念されたので、AFのままで撮影を続ける
事にした。
AFとMFとの間で、設定を矛盾なく移行できる操作系を持つカメラ
は、殆ど無く、さしものNEX-7であっても、そこはちょっと怪しい。
全ての点で操作系に不満の無いカメラなど、存在しないのだ。

それと、ラインティングの光量は一瞬で変化する、だから、
シャッターを半押しして露出を決めたら、すぐさま撮影を
行わなくてはならない。コンマ数秒でも待っていたら、その間に
被写体の露出が大きく変化してしまう。
連写などしようものなら最悪だ、最初の1枚で露出が固定したまま、
明るさがバラバラな写真が何枚も撮れてしまう。
面倒と思わずに、1枚1枚露出を計測していかなくてはならない。

まあ、このような状況は、ライティングイベントのみならず、
音楽ライブの撮影でも同様だ、一瞬のうちに変化する光線状況に
対応するには即時にカメラ設定を変更し、躊躇なくシャッターを
切る必要がある、私は昔からライブ撮影にも慣れているのだが、
いきなり言われて、いきなりライブを撮るのは、誰が撮っても
かなり困難であろう。

で、こうした忙しい状況で、たった1秒のカメラ操作もしたく無い
場合に、NEX-7の持つ優れた操作系はとても重要だ。
NEX-7であれば、瞬時に様々な撮影状況にあわせた設定が可能
になるわけだ。
事実、前半部のラィティングショーはおよそ5分間あったと思うが
その間、NEX-7の撮影枚数は、150枚を超えている、これはだいたい
2秒に1回、シャッターを切っている計算となる。
この頻度で撮影するのに、1秒ものカメラ操作は致命的なのだ。

さて、ショーは前半部が終わり、いよいよ後半部の花火だ。
カメラを花火用の一眼レフ(α65)に切り替える。
c0032138_18574812.jpg

こちらは超広角レンズを装着している、花火はツリーの数倍の
高さまで上がるための措置だ。
カメラ設定は手持ち用と大きく変わる、前述したとおりの花火用
かつ三脚用の設定であり、この場合は、撮影中に設定を変える事
が無い、必要なのは、ズーミングによる画角の調整と、あとは
シャッターを切る(押す、離す)タイミングだけだ。

α65は初級~中級層向けのカメラであり、操作系は良く無い、
中身はNEX-7であるのに、その操作系は天と地との開きがある。
ただ、それも用途次第であり、このように何も操作する必要の
無い撮影だからこそ、操作系に劣るα65を持ち出しているのだ、
ここでは上級機のような高度な操作系は全く不要なのだ。

で、こういう撮影は退屈だ、と思う。
撮影中に、何も操作する必要が無いからだ。

ただ、タイミングは極めて重要で、シャッターが切れている
時間の間に、うまく花火を(複数)捉えなければならない、
花火が上がるタイミングは事前にはわからず、仮にそのプログラム
を聞いてあったとしても、瞬時の対応は不可能だ。
よって、こちらも、ひたすらシャッターを切り続ける作業となる、
この場合、シャッターが切れている時間は平均1秒程度となるので
先のNEX-7による手持ち撮影よりもむしろ忙しい、シャッターを
押す間隔はゼロに近く、ひっきり無しに撮らなくてはならない。
c0032138_18581324.jpg

どうも画角が広すぎる模様だ(汗)、画角が広いと勿論、被写体の
様々な部分が写る、その際、BULBによる撮影技法では、被写体の
各部の露出差に対応できない。つまり、花火だけ写していれば
その際には良いものの、ツリーや他の被写体部分が入ると、
そこが部分的に露出オーバーになってしまうのだ。

上写真では、ツリーの下のピアノ鍵盤風のデコレーションの部分が
光が当たりすぎていて露出オーバーになってしまっている。
けど、これは残念ながら防ぐことはできない、上に上がっている
花火の軌跡を撮るならば、どうしてもこれくらい露出時間が必要
になるのだ。
よって、花火大会の商業写真(ポスター)においては、地上部分の
風景と花火部分を別々に撮って合成する事も普通に行われている、
その両者に同時に露出を合わせる事は不可能だからだ。
今回もそうした編集技法は使えない訳では無いのだが、たとえば
屋形船と、上空に上がる花火、のように、まったく位置が異なる
被写体の合成ならば比較的容易であるが、ツリーと花火は近接して
相互に関連しているので、残念ながらその方法は難しい。
1発撮りで対応するしか無い訳だ。
c0032138_18583694.jpg

ズームの画角を変えて、かつトリミングして中央部分だけ切り出して
みよう。まあ、これでも良いが、広く写らないと迫力には欠ける。
c0032138_18585771.jpg

再び画角を広めに撮る。
今度は、画角的には良いが、タイミングが悪い、ツリーが暗いし、
おまけに風や煙があるので、綺麗さには欠けてしまう。
c0032138_185918100.jpg

また画角を狭目にする、まあこれくらいにしておこうか。
でもこういう風に撮影中に色々と画角を変えるのも問題だ、
ズーミング操作で不用意にピント位置までずれてしまうかも知れない、
撮り損ないが効かないので、あくまで安全策がベターだ。
まあ、カメラ操作が何もないと退屈だ、という要素はあるのだが、
無意味な操作でリスクを負うのは良く無いであろう。
c0032138_18593996.jpg

まあこんなものか・・この写真は、ついでにクロスフィルター
処理を編集で加えておいた。

ショーの方もつつがなく終了、お客さんの数は満員であり
大盛況であった、短いイベントではあるが、皆、満足そうに
帰っていった。

さて、撮影枚数だが、2台のカメラをメインとし、(他の1台は
コンパクト機で会場の様子等の記録用)総撮影枚数は380枚位、
殆どがショーの間での撮影で、やはり2秒毎に1枚というペースと
なっていた。

明日(12月24日)にも同じショーが行われるが、今日の撮影で
十分であろう、明日は撮影後の編集作業に当てるとするか
クリスマスイブだが、まあしかたない、カメラマンは撮影後も
忙しいのだ、銀塩の時代は、撮った後はDPE店にフィルムを
持っていって、あとはおまかせ、という風に出来たのであるが
デジタルではそうはいかない・・

という事で、撮影はとても忙しかったが、まあショー自体は
年々手慣れてきている雰囲気でもあり、お客さんの満足度は
高かった事であろう。
事実、私の隣で観覧していた、和歌山から来たという一般客の
女性も花火が上がると「キャーキャー」と喜んでいて、終了したら
「あ~楽しかった」という感想を言っていたのだ。

手慣れてきているという点については、例えば初回の本イベント
では、ぐるぐる回転する花火など、特殊な花火を多数使ったりも
していたが、まあ、そういうのは恐らく手間もコストも余分に
かかるのであろう、けど、そうして仮に数倍のコストをかけた
としても(注:詳しいコストは聞いてはいないので想像だ)
それでお客さんが数倍喜んでくれる訳でも無い。だとしたら、
ある一定のコストで、それなりに楽しんでいたければ、
すなわち「コストパフォーマンスが良い」という事になる訳だ。

本ブログでは、カメラやレンズ等で「コスパ」を良く話題にする
のであるが、その考え方は、そのような機材やアイテムのみならず、
あらゆる分野で同じなのであろう、ショーやイベントでも同様だ、

本イベントは元々観覧無料である、そうした状況においても
適切なコストで十分な集客を行え、かつ来場したお客さんに満足
してもらえればそれで良い訳だ。

お客さんの中には毎回来られているリピーターの方も居ると聞く、
今後も多くの観客に何度も来ていただけるイベントになって
いけば、それが一番だとも思う。
今年(2017年)の本イベントも、また楽しみだ・・

Viewing all articles
Browse latest Browse all 791

Trending Articles