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【熱い季節2018】第8回堺泉北港スモールドラゴンボート大会(前編)

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2018年6月17日(日)に、大阪府・高石市・大阪府立漕艇センター
にて行われた、「第8回堺泉北港スモールドラゴンボート大会」
(通称:高石大会)の模様より。
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この日の翌日は大阪北部で大きな地震があり、犠牲者が出たり、
交通機関やライフラインにも大きな影響があった。
私の自宅も、余震を含めて都合3度も棚の上から様々な物が落ち、
その度に片付けし直しだったが、まあ微細な被害だ。

この大会の日は、地震の予兆など全く無く、のんびりした休日。
梅雨時ながらも、幸いにして好天に恵まれた。
ここ高石市では、大会当日は天候は1日を通じて晴れ、
気温は28℃位にまで上がったと思われ、夏日となっている。

さて、会場の大阪府立漕艇センターだが、アクセスが少々
難しい、毎年の本大会の観戦記事でも述べているが、
今回も簡単に会場アクセスの方法を述べておこう。

まず鉄道でのアクセスは、大阪方面(含む、兵庫、京都、奈良、
滋賀)からは、南海難波(発)からの南海本線またはJR環状線の
新今宮駅での南海本線乗り換えで、羽衣駅まで向かう。

その際の時刻は、午前8時の開会式に間に合うようにする場合、
難波発で午前7時以前が限界点で、これより遅くなると間に合わない。

羽衣駅に着いたら、支線の「高師浜(たかしのはま)線」に
乗り換える。難波方面からの下り線での乗り換えは少々距離が
あり、4分程度は時間がかかると思っておくのが良いであろう、
高師浜線は、だいたい急行到着後7~10分で出発するダイヤだ。

難波~高師浜駅間の運賃は2018年時点で380円。
交通系ICカードが利用可能だが、各ターミナル駅の周辺には
休日回数券のバラ売り販売機もある模様だし、チームで人数が
7名以上と多ければ、休日回数券(14枚組)を駅の自販機で
正規購入して皆で分けると、だいぶ安上がりになると思う。

高師浜駅に着いて駅前に出たら、ここから会場行きのシャトル
バス乗り場に向かう為に、「臨海スポーツセンター」方面の
看板に沿って歩く。
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この付近は住宅街で、あまりバス停がありそうな雰囲気が
無いので、道を間違えないように注意が必要だ。
なお、開会式には間に合わせる為には、7時38分発のバスが
限界だ、高師浜駅到着が7時半を過ぎると、次のバスは現状の
時刻表では8時発となり、その時点でもう間に合わない。
この件については、電車の到着時刻とバス時刻表を連動して
もらうように、運営側の高石商工会の方には提案中だ。
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3分ほど歩くと、正面に「臨海スポーツセンター」が見えて来る。
道に出るのは小さい階段を上る必要があるが、これが正規ルートだ。

この建物には入らず、この前の道を左に曲がり、さらに50m程
進むと「旧市民会館」(標識・看板無し)があり、警備の方が
誘導をしているのが見えると思う。
そこから会場行きのシャトルバスが発着している。
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会場まで電車では無く、車で来る場合でも、この場所は覚えて
おく必要がある。会場近くは駐車場の数が非常に限られている為
この旧市民会館の裏手が第二駐車場となっていて、選手達は
ここからシャトルバスで会場まで往復可能なのだ。

もしシャトルバスのタイミングが合わないとかで、会場まで
歩いていくのは少々厳しい。「漕艇センター」までは、
駅からは2km弱、徒歩だとおよそ30分はかかってしまう。

ちなみに、その昔、私が本大会に初めて来た際、漕艇センターの
対岸の「浜寺公園」で大会をやっているものだ、と勘違いをして
浜寺公園駅で降りてしまい、会場までおよそ5km弱を歩いて
いくのに、1時間半以上もかかってしまった事がある。
勿論大遅刻だ(汗) 着いたらすぐに昼食だった(苦笑)

なお、滋賀、京都、奈良、兵庫等の遠方だと、この時間帯に
間に合わすのは電車では容易では無い、恐らく始発レベルと
なるだろう。遠方の場合は車で来るのが確実だと思う。

さらに遠方だと鳥取から毎年参戦しているチーム(しげる)も
あるが、車で朝4時頃に出てきているそうだ(これだと8時の
開会式には間に合わないが、市外チームの競技スタートは、
もう少し遅い時間帯だ)

なお、アクセスが若干不便なので、もう少し開会式の時間を
遅らせても良いようにも思うが、このドラゴンボート大会は
「高石シーサイドフェステイバル」の一環として行われており、
c0032138_18521813.jpg
そちらの準備の関連もあるからか、少なくとも市内の部は
午前中、あるいは遅くとも14時~15時頃までには終わらせる
必要があるのだと思う。
(注:市外の部の終了は16~17時、シーサイドフェスティバル
は16時スタートで、20時より花火開始)

それから、開会式から出る必要がなく、任意の時間に観戦しに
来る、といった場合では、シャトルバスは日中の間、30分に
1本のペースで運行されている。
c0032138_18523697.jpg
さて、無事に開会式に間に合った。

今回の参加チーム数はおよそ50チーム、うち半数程度が
地元の「市内の部」である。
本大会は数年前から、旧来の20人漕ぎ&500m戦から、
新しく10人漕ぎ&200m戦となったが、エントリーがしやすく
なったからか、市内の部の参加チーム数が年々増えている。

本記事(前編)では、その「市内の部」のレースの模様に
ついて紹介していこう。

もう1つ、本大会では、近年では珍しくなった「入魂式」
(にゅうこんしき:ドラゴン艇の目に朱を入れる)がある。
c0032138_18523602.jpg
高石市市長を始めとするVIP諸氏が、この儀式を行う事となる。
同時に、第一レースに参加する4艇の選手達もすでに乗船して
いて、太鼓を打ち鳴らし、大会の安全を祈願する慣わしだ。
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この「入魂式」は、旧来、大阪地区のドラゴンボート大会を
中心として良く行われていたのだが、近年は省略される事も多く、
だんだんと減ってきてしまっている。
あまり時間がかかる儀式でも無いし、独特の「文化」として
継承していくのも良いかとは思う。

---
さて、本会場だが、晴天となると午前中は強い逆光となり、
レースの模様を撮影するのは、なかなか厳しい状況だ。
観戦撮影のセオリーとしては、午前中は市内の部に出場する
地元チームを中心に取材を進めていく事となる。

市内チームを撮れる時に撮っておこう、という意図もあるが、
本大会にしか出ていないチームが大半である為、大会前での
過去大会の結果の復習作業は必須である。
(さもないと、地元チームとは話が出来ない)
ここ数年の市内の部の上位入賞の結果を振り返ってみよう。

2015年(第5回)(注:5艘建て)
1位:ドリーマーズ
2位:珍獣漕げ漕げ団
3位:エコジョーズ(鮫)
4位:日生建設龍舟部
5位:第7区北親会

2016年(第6回)
1位:ドリーマーズ
2位:珍獣漕げ漕げ団
3位:竹本自家発
4位:和歌山タチウォーズ

2017年(第7回)
1位:ドリーマーズ
2位:住まいの救急店なかやま
3位:ビヨンド・ボーダーズ
4位:日生建設龍舟部

---
なお、本大会は、従前から「堺泉北大会」として3度の試験的な
開催が行われ、2011年からは日本ドラゴンボート協会主管の
大会となった、西暦の末尾の数字が大会開催回数と同じとなる。
本大会は2016年からスモール化した訳だが、市内の部は、元々
250m(現、200m)の短距離戦である。

それと、スモール化以降では、4艘建て(同時4艘が発走)レース
となっているが、これは旧来のレギュラー艇(20人漕ぎ)に
対して、スモール艇(10人漕ぎ)の数が不足しているからで
あって、今後、スモール艇が普及してくれば、本会場の広さ
(幅約200m)であれば、6艘建て、あるいは最大7艘建ての
レースも可能だと思う。(本会場と同等の会場環境の
関空大会で、過去7艘建て決勝戦の実施例あり)

---
さて、市内の部での最大注目は「ドリーマーズ」であろう。
こちらは、旧名称「麒麟」の頃から、本大会での優勝常連
チームであり、近年では3連覇中である。

それもその筈、「ドリーマーズ」は「準専業チーム」であり、
本大会以外にも、過去、大阪ATC大会のチャレンジの部で優勝
経験もあり、関空(KIX)大会や、久美浜(京丹後)大会への参戦
経験もある。
今年は「滋賀・高島ペーロン大会にも参戦予定」との事なので
またその大会での活躍を期待しよう。

他の強豪チームは毎年入れ替わりが激しい。
その中でも、近年安定した実力を保っているのは「日生建設」や
「中山建設」といった建設系の地元企業チームであると思うが、
いずれも「今年はメンバーが集まらず、他企業との合同チームや
若手を加えた構成となっている」との事で、今回の実力値は不明だ。

それから、今年の注目は「信太山自衛隊協力会絆支部」チーム
である。(陸上自衛隊との事。以下、自衛隊チーム)
c0032138_18523688.jpg
自衛隊関連チームは、どの地方大会でも、なかなかの好成績を
収める事が多い。まあ、基礎体力に優れているから当然だとは
思うが、課題はドラゴンボートの練習を殆ど行っていない事だ。

しかし「前日の練習会で、自衛隊はなかなか速かった」との、
ドラゴン協会関係者からの情報もあり、上位入賞が期待できる。

予選では、いきなり1分ジャストと、ドラゴン専業中堅チーム並
の好タイムを叩き出し、これは優勝候補筆頭の「ドリーマーズ」
の予選タイムよりも1秒速い。
この分だと、決勝では「ドリーマーズ」と「自衛隊」の
一騎打ちになる可能性が高く、なかなか目が離せないレースに
なりそうだ。
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さて、市内の部の予選レースが始まっている。
上写真は「きゃらの郷第三」チーム。

本大会の最大勢力は、その「きゃらの郷」チームだ。
高石市羽衣にある市立の老人保健施設の職員チームであり、
本大会には数年前から複数チームでのエントリーを続けている。
いつも惜しい所で破れ、決勝進出経験はまだ無いと思う。

今年は3チームによる「トリプルエントリー」で気合十分だ。
若手(介護士さんだろうか?)のメンバーも多く、基礎体力
には問題なさそうだ、後はボート競技への「慣れ」だけだろう。
今回はいずれかのチームによる決勝進出を目指す。

---
さらには他大会にも参戦している準専業チームが2系列あり、
1つは大阪市役所職員等を中心とした「大阪魂・小麦色」だ。
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本大会の他、数年前から関空(KIX)大会にも複数エントリーして
いるので、もうお馴染みであろう。
今年の本来会にはダブルエントリーであり、各々のチーム名は
「大阪魂小麦色 チーム アンドリュー」と「同 キャッシー」
である。
上写真左端がアンドリュー君で、確かカナダ出身だったか??
日本語はペラペラなので、英語で話す必要は無い。
右端がキャッシーさんで、英会話教師との事で、こちらも日本語
はペラペラだ。なお、キャッシーさんは、もう数ヶ月したら
帰国してしまう模様なので、日本のドラゴン大会での出場は
これが最後となるだろう。できれば頑張っていずれかのチームは
上位に入ってもらいたいが、まあ、市内の部とは言え、なかなか
ハイレベルなので、少々難しい状況か・・

もう1つの準専業チーム系列は、「JP系」と呼ばれている、
郵便局関連職員のチーム群だ。
今回は「チームJP浜寺」「チームJP堺」「泉北部会」
「チームJP堺中央南部会」の4チームである。

これらはベテラン専業チーム「Rスポーツマンクラブ」に
所属する選手の方が郵便局の職員であり、声をかけて集まって
もらっているチームだ、本大会以外にも参戦するケースもあり
かれこれ7~8年は続けていると思うのだが、本大会に関しては
上位入賞は殆ど無かったと思う、まあ、メンバーが一定では
なく新人が乗る事も多いと思うので、あまり慣れていない点が
課題であろう。

なお「Rのお声がけ」という点では、「WAYG」というチームも
今回出場してあり、こちらもスモール選手権、日本選手権など
他の大会にも参戦している(下写真)
c0032138_18523632.jpg
今日の大会では、予選でいきなり「JP系」チームが3つ当たる
という組み合わせになった、これは不運と思えるかも知れないが
逆に言えば、そこで1位になれば、JP系のいずれかが準決勝に
進出できる(予選は1位抜けルール)
親分格(笑)の「R」としては大きく期待するレースであったが
なんと、唯一JP系では無い「逆転オームラン」チームが
1位抜けとなった。

あと、純粋な意味では、堺市等では高石市に対して「市内の部」
とは言い難い要素もあるが、実際のところは、本大会では、
堺市や泉大津市、忠岡町、大阪市などの近隣の自治体にも
後援していただいているので、広義に解釈すれば、近隣の範囲で
あれば「市内の部」で問題は無いと思う。
いや、むしろビギナーチームには、どんどんと参戦して
いただきたいので、どの地域からでも「ウェルカム」状態だ。

---
さて、それから注目は「弘進製作所」チームだ。
地元の製造業の企業チームで、デジカメや乗用車の内部部品
などを作っている会社だそうだ。

昨年は僅差で準決勝敗退であったが、基本がしっかりした
チームであり、とても印象に残っていた。

今朝、たまたまシャトルバスでチームのメンバーの方々と
乗り合わせたので
匠「弘進さんですか? 昨年は惜しかったですね」
と声を掛けると
弘「そうなんですよ、今年は頑張ります!」と答えていた。
c0032138_18525991.jpg
今年は決勝進出なるものの、ほんの僅かなタイム差で入賞を
逃してしまう(後述)
ちょっと不運な星回りなのかも知れない。

「関西龍舟」の選手の方も、「弘進製作所」には注目していて
昨年も「ウチのチームに来ませんか?」勧誘していたのだが・・

昨年は私も「さすが関ドラさん、目の付け所が良いですね!」
と言ってはいたが、今年もまた繰り返しなので、チームからは
弘「そういえば去年も誘われましたね(笑)、考えておきます」
と、なかなか勧誘は成功しそうにない(汗)

匠「こちらの(関ドラ)チームは、国内トップクラスですよ、
  去年のこの大会もワンツーで優勝しているし、国際大会
  などにも出てますよ。入るならば是非」
と援護射撃をしておいた。
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さて、市内の部は、予選から敗者復活戦と続く、レースフロー
であり、参加チーム数が多い為、いずれも1位抜けのみの厳しい
レースフローだ、すなわち敗復では、1位になれなければ、
その時点でN/R(終了)となってしまう。
無事、準決勝に進めても、確実に決勝に進めるのは1位のチーム
のみであり、2位はタイム順なので決勝に進めるとは限らない。
c0032138_18525921.jpg
なお、地元チームは数が多すぎて、すべてを紹介するのは
困難だ、まだまだ紹介したいチームは沢山あるのだが、
記事文字数にも限りがある、紹介しそびれたチームには
申し訳無いが、また来年以降の機会とさせていただこう。

それから、地元チームには選手以外にも、応援の方々も多く
来られている。
c0032138_18530004.jpg
こちらは地元企業系チームの応援の美人のオネイサン達で
昨年も応援に来られていた。「写真の方は協会アルバムにも
載せさせていただいております」という事で、今年もまた
撮らせて貰っている。

彼女達が応援するチームは、残念ながら破れてしまったのだが
その後も結構長時間、市外の部なども観戦していただいていた。

彼女達の友人か同僚か、男性で一眼レフを持ってきている応援
の方も2人居たので、撮るべきポイントなどを色々と伝えておいた、
なお、昨年も来ていた男性カメラマンが居て、昨年「今お持ちの
レンズでは、ちょっとこの競技は撮り難いです」と言ったのだが、
今年、なかなか良い望遠レンズを新調して来ていた。

男性が「良く去年の事を覚えていますね」と聞いてきたのだが、
匠「美人のオネイサマ方は顔を覚えていました、男性の方々は
  顔は覚えていなかったけど、使っているカメラで覚えています」
と言ったら、笑っていたが・・

なお、本会場は直射日光で暑いので、長時間の観戦は、日焼けとか、
この6月の時期でも熱中症には十分に注意する必要があるだろう。

---
余談だが、熱中症と言えば、本大会は「フォトコンテスト」が
開催されている。
昨年のフォトコン入賞の方が、何処かの写真クラブの所属で、
今年は、とても沢山の他のメンバーを連れてきてくれたので、
会員以外を含め、20~30人位のアマチュアカメラマンが今日は
来ていた。皆、本格的な機材を持った中級者クラスの方なので、
今年のフォトコンは、レベルが上がるかも知れない。

まあ、その事自体は良いのだが、問題は三脚使用のシニアの
方が多い事だ。まず、直射日光のドラゴン会場では、三脚を
立てて一箇所から動かないと、熱中症のリスクが極めて高い。

この為、来場していたアマチュアカメラマンには、ほぼ全員に
声をかけて「水分補給」や「移動しながら適宜日陰で休む」等の
熱中症対策の説明をしておいた。
さらに、選手専用区域などに立ち入って撮影してしまうという
マナー面を守らないケースも多々あるので、「危険だから」と、
これも都度、注意しなければならない。
結局、あっちこっちで指導する必要があり、なかなか忙しい
状況であるが、まあ、殆どの皆さんには慣れない撮影ジャンル
なので、やむを得ないであろう。
で、6月ならば、ぎりぎりセーフだが、7月や8月の暑いシーズン
では、アマチュア層の大会撮影は、まったく推奨できない。

なお、三脚を立てて一箇所から動かないと、毎レース同じような
構図でしか撮影できないし、その構図内で、どのような順位展開
になっているかは、各レースで大幅に異なってしまう。


まあ三脚や一脚で、パン(カメラを振れる)出来る人ならば
良いが、それは中上級者クラスだけであり、皆は、なかなか
それも出来ず、ボートのような動体撮影には、基本的に三脚の
使用は適さない。


加えて、高価な機材から目が離せない為に、一箇所から動けず
本部周辺でレース組み合わせや予選タイム等の情報を得る事が
出来ない事も大きな課題となる。

勿論、ボート競技でのレースは「生き物」であって、その出場
チームの組み合わせとか、様々な条件や、過去のしがらみ(例:
昨年は入賞を逃した等)で、毎レース「どこをどう撮るべきか」
は変化する。(ここの例は後述する)

よって、ドラゴンやペーロン競技の撮影では三脚を使わず、
レースの展開の予想や撮りたい構図意図に応じて、スタート地点、
中間地点、ゴール地点、などを移動しながらの撮影が必須だ。
結局、そのあたり全般は競技の観戦撮影経験が非常に重要という
事になる。

さて、余談が長くなった、市内の部の決勝進出チームを
紹介していこう。(以下、レーン順)

1レーン:きゃらの郷第一
2レーン:信太山自衛隊協力会絆支部
3レーン:弘進製作所
4レーン:ドリーマーズ

注目すべきは「きゃらの郷(第一)」が、数年越しの悲願の
決勝進出となっている事だ。
同チームには団扇を持った応援団(職員の同僚の方かな?)
の方々も毎年来ているので、決勝戦の応援にも熱が入る事で
あろう。
c0032138_18525913.jpg
これで彼らとしては、一応今年の目標達成であろうが、
できれば、もう1つ欲張って3位入賞を狙いたい。

----
さて、この決勝レースは、「ドリーマーズ」と「信太山自衛隊」
の優勝争いの接戦が予想される。
コンディションは向かい風微風、および若干の向かい波なので、
想定タイムは1分3秒前後だ。

他の艇は数秒程度遅れるであろう、仮に5秒差と予想すると、
200mを60秒で漕ぎ切るならば、秒速3.3mとなり、5秒で16m以上、
つまり1艇身(約9m)以上の差が出るので、全てのチームの
ボートを同時に(横から)構図内に撮れるのは、スタート地点のみ
であり、ゴール地点付近では無理だ。


結局、これを2艇のマッチレースとして撮るように意図すると、
撮影に適したポイントは、ゴール前30~50mの地点となる。
上記2艇のいずれかで、この地点で前に出たチームが優勝だ。


----

さて、スタート地点では、やや風と波があって、なかなか全艇が
揃わない状態だ。フォトコン狙いのアマチュアカメラマン層で、
三脚を使わない(手持ち)の人達は、もうカメラを構えて待って
いるが、それだと重量級レンズの場合では無駄に疲労してしまう。
それに200m以上も離れた地点を撮影できる超望遠レンズも無い為、
レースがスタートしてから、カメラの電源を入れて、構えても
十分に間に合う。

周囲のカメラマン達に「まだ焦って構えていなくてもいいですよ」
とアドバイスをする。

ようやく全艇が位置についた模様だ。放送が会場に鳴り響く
「Are you ready・・・  Attention GO!」

さあ、市内の部決勝レースがスタートした。
周りのカメラマン達にも撮影準備を薦める。

でもまだ予定撮影地点までは50秒も時間があるし、超遠距離で
撮影をしても、アングル的には、各艇を単独でしか撮れない。
これはレーン間に距離があり、撮影地点からも離れている為だ。
また、広く全体を撮ろうとすると非常に散漫な構図となる。

簡単に位置関係を示すならば、以下のような感じだ。
   <4号艇>(撮影地点からは単独でしか撮れない)
 <3号艇>
   <2号艇>(撮影地点からは単独でしか撮れない)
 <1号艇>
                   [撮影地点](約200m先)

よって、ここは、しばらくは肉眼でレースの展開を見守る。
その状況に応じて、どのように撮影したいかも変わってくる訳だ。

前半は奥の4レーン優勝候補の「ドリーマーズ」がリード、ここが
逃げ切れば4連覇である。その場合は「逃げ切った」という意図の
構図となるので、撮影地点からは、できるだけ右向きのアングルで、
「4レーンが先行ゴールした」という風な写真になる(以下に示す)

      <4号艇>(こっちの艇にピントを当てる)
    <2号艇>
 [撮影地点]  [ゴール地点]

さて、現実のレースであるが、試合慣れしていない自衛隊
(2レーン)はスタートで出遅れた模様だが、中盤から急激に
追い上げて来ている。
基礎体力があるので、上手くスピードに乗れば逆転優勝だ。

その場合は「抜く瞬間」が撮りたい。ただ難しいのは、レーン
間で距離差があると、撮影地点から見て手前のレーンの艇の
移動「角速度」が大きく、撮影ポイント前では、手前のレーンが
とても速く動くように見えてしまう事だ。
この為、追い抜いているように見えるポイントは一瞬しか無い。
(以下のような感じ)

 <4号艇>
  <2号艇>
 [撮影地点]   [ゴール地点]

これを撮影するには、一発必中とするか、あるいは、近年の
高性能カメラでは毎秒8コマから10コマ程度の高速連写が
可能である為、必要なシーンの前後あたりで数秒間、数十コマの
連写を行う。私が今日使っている一眼レフは秒10コマのタイプ
であるので、この決勝戦では秒10コマの最高速に設定している。
(注:他のレースでは、撮り過ぎると後で大変なので、秒6コマ
程度までの控えめ目の設定に切り替えている)

さて、予想通り、ほぼ目の前の地点で、先行する「ドリーマーズ」
を、追い上げている「自衛隊」が捉えた。
c0032138_18525962.jpg
ここで手前の自衛隊が抜き去った、残りは数十mあるが、もう
これで勝敗は確定だ、再逆転は有り得ない。

「ドリーマーズ4連覇ならず」、これは「番狂わせ」とも言える
かも知れないが、今日のレース展開では必然であろう、予選の
時点から、自衛隊の方が1秒速かったのだ。
c0032138_18534081.jpg
こちらは優勝した「自衛隊チーム」
タイムは1分2秒台であった。

「来年も来ていただけますか?」と聞くと、
「もう来ません、勝ち逃げです(笑)」との事だ。
まあどこまで本気か冗談かはわからないが、来年もまた参戦
していただき、ドリーマーズ等と好レースを繰り広げて
貰いたいと思う。
c0032138_18533990.jpg
こちらは準優勝のドリーマーズ。
タイムは1分4秒台、自衛隊とは約半艇身の差であった。

まあ、ちょっと残念であったが、これも良い経験だと思う。
それと、今回、ドリーマーズの選手の方1名と陸上から決勝戦
の模様を観戦していたのだが、選手の方いわく
ド「陸から見ていると、色々と気がつきますね、もっと改善
  するべき点が多々あります。選手の皆にも伝えておきます」
とのことであった。

まあ、それはとても良い事だと思う、勝ち続けている間は
見えて来ないが、負けて初めて知る事も確かに沢山あるのだ。
幸いにしてドリーマースは、今年は他のドラゴン・ペーロン大会
にも参戦する模様だ、他の大会で様子を見て、また色々と話を
聞いてみよう。
c0032138_18533963.jpg
今回頑張ったのは「きゃらの郷」チームだ。
トリプルエントリーの3チームの中の1つ(第一)が、
悲願の決勝進出に加えて、見事3位に入賞。
4位の「弘進製作所」とは、コンマ3秒差の接戦であった。

「きゃらの郷」チームは、これを機に、是非、他の同僚(兄弟)
チームとともに切磋琢磨していただき、来年や数年後の大会では、
ワンツーフィニッシュ、あるいは、表彰台独占という快挙に繋げて
いただきたい(表彰台独占は、他の全てのドラゴン大会を含めて、
過去2回位しか前例が無い)

本高石大会を制したら、次は他の大会に出場するのも良いかも
知れない、関空大会や日本選手権など、大阪府内で行われる
他大会もあるし、ちょっと足を伸ばせば、兵庫、京都、滋賀
等でドラゴンボートやペーロン大会はいくらでもある。
是非、そうやって、ボート競技にハマっていって貰いたい
ように思うの、今後の彼らの活躍に期待しよう。

では、本記事は、このあたりまでで。
次回の本大会記事(中編)は、混合の部の結果を紹介しよう。


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