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【熱い季節2019】第7回スモールドラゴンボート日本選手権大会(中編)

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2019年9月22日(日)に滋賀県大津市びわこボートレース場
(びわこ競艇場)にて行われた、「第7回スモールドラゴン
ボート日本選手権大会」(以下、スモール選手権)の模様より、
中編。
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本記事では、4つある本大会のカテゴリーの内
「選手権混合の部」の模様について紹介していこう。
(以下、適宜「混合の部」と省略する)

「混合」とは「男女混合」という意味である。「選手権」
とは、本大会が国際大会の代表選考を行う公式大会である
事を示している。

全国から強豪チームが集まる大激戦区のカテゴリーであり、
準決勝あたりからは、他大会の決勝戦並みのハイレベルな
組み合わせとなる。
たとえ地方大会優勝クラスの強豪チームであっても、
本大会の決勝戦に進むのは容易では無い。

日本選手権(旧:天神大会、20人漕ぎ)の観戦記事でも
良く書くが、選手権クラスの大会(日本選手権と本大会)
では、決勝戦に進出するだけでも、物凄く価値がある事だ。

国内チームの他には、海外チームも3チーム参戦している。
(内、2チームは、オープンの部とのダブルエントリー)
ただし、海外チームは「選手権決勝」には進出できず、
「国際チャレンジ混合(決勝戦)」に出場する事になる。
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上写真は、香港から参戦の、企業チーム「北大新鴻基」
チームである。
混合の部では予選敗退ではあるが、国際チャレンジ混合
決勝戦には進出できる。
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上写真は予選の模様。手前は、香港から参戦の「B-CROSS」
チームである、奥は、国内チーム「Rowing Team 浪わ」


海外チームは、予選から準決勝までの間は、国内チーム
に混じって、同じレースフローで漕ぐが、準決勝では
その順位はカウントされない。つまり、国内チームよりも
海外チームが速かった場合でも、国内チームの順位のみで
「選手権(国内)決勝」の進出チームを決める事となる。

ではここで、参考の為、過去5年間の本大会での
(選手権)混合の部の決勝進出チームと、その順位、
出身地域を紹介しておこう。
(注:2015年迄は決勝は「4艘建て」であった)

2014年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:NPO法人 海猿火組(静岡)
3位:くまもっこり(和歌山)
4位:東海龍舟(愛知)

2015年
1位:海猿火組(静岡)
2位:くまもっこり(和歌山)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:すいすい丸(京都)

2016年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:暴漕連合(東京他)
3位:海猿火組(静岡)
4位:すいすい丸 工場(京都)
5位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)

2017年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:暴漕連合(東京他)
5位:関西龍舟 バーバリアンズ(兵庫)

2018年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:すいすい丸 トレイン(京都)
4位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:暴漕連合(東京他)

こんな感じであるが、だいたい同じチーム名が並んで
いるものの、毎年少しづつゆっくりと勢力図が変化して
いる事が良くわかると思う。

ちなみに、「暴漕連合」とは、主に東京地区等で、
(現在は活動していない)強豪チームのOBメンバーや、
その年にチームとしては本大会にエントリーしていない
強豪チームのメンバーがソロで参加する等・・ による
スペシャル・コラボチームであるが、今年(2019年)に
関しては(チーム再編等の理由からか?)不参加である。
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さてここで、時系列は戻るが、開会式の際に行われた、
和太鼓の演奏の模様を紹介しておこう。
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演奏者は、和太鼓集団「湖鼓RO」(”こころ”と読む、
「湖鼓Ro」または「湖鼓ro」と記される場合もある)

滋賀県大津市を中心に、コンサート、各地のイベントや
神社等での奉納演奏を行っているプロ音楽家集団である。

本大会においては、他地区大会で良くある、安全祈願の
「入魂式」(にゅうこんしき:ドラゴン艇の龍の目に
朱を入れる儀式)に替えて、同じく安全祈願の為に
奉納する演奏である。

「湖鼓RO」の一部のメンバーは、ドラゴン専業チーム
「G.P.O」の選手を兼任している。
前編記事で紹介したが、「G.P.O」は、本大会の「普及
オープンの部で健闘し、決勝戦に進出していたが、
結果は5位と、入賞ならず。

なお、この和太鼓の演奏では、なかなか体力を消耗する
模様であり、10分程度の演奏で特に大太鼓の方などは
「腕がパンパンになってしまった・・」と、良く言って
いるのを聞く。
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確かに、とても疲れそうだ・・ この演奏の後で
ドラゴン競技で漕ぐのは、なかなか大変かも知れない。

ちなみに、「湖鼓Ro」のチーム名称でも、ドラゴン類似
競技である「堅田 湖族船競争」(別途観戦記事参照)
に、ここ4年間連続参戦していて(注:G.P.Oとコラボ)
戦績は2位、3位、3位、2位と、毎年の入賞は立派だ。
(この間、同大会での優勝チームは「小寺製作所」と
「守のシルバニアファミリー」(3連覇)となっている)
演奏家とは言え、殆ど準専業チームという感じであろう。
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なお、湖族船競争で入賞すると、レース後、艇の上で、
笛、太鼓、鐘などによる即興演奏を行いながら帰ってくる
ので、それが「上手だ」と、他の大会参戦チームや大会
本部等の間で話題となっている。

それと、「堅田 湖族船競争」大会での地元(自治会)の
部の今年の優勝チーム「小番城(こばんぎ/こばき)」の
メンバーが主力となっているのが、本スモール選手権の
普及オープンの部に出場している「堅田湖族」チームで
あるが、本大会では(何かあったのか?)途中棄権と
なってしまっていた。
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さて、時系列を元に戻す。
選手権混合の部の予選は淡々と進んでいる、混合の部
の参戦チーム数は多く、全体でも本大会はチーム数が
60近くと多い。
混合の部の予選(5レース)と、敗者復活(4レース)
が終わるのは、昼食後の13時ごろになる。

上写真の手前チームは、混合の部予選第3組を一位抜け
した「漕遊人」(沖縄)である。彼ら彼女らの詳細に
ついては、また後述していこう。

さて、ここからは、惜しくも、混合の部で予選敗退と
なってしまったチームをいくつか紹介しておこう。
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上写真は「香里丘高校5期生」チーム。
本大会以外にも、「宇治大会」や「日本選手権」にも
参戦しているので、名前は良く知られていると思うが、
ドラゴン界では希少な「同級生チーム」である。

他にも「同級生チーム」は無い事も無いのだが、専業
チームとして日常的に活動しているのは彼らだけだと
思われる。

数年間、各大会に参戦しているが、入賞経験はまだ
無かったと思う、どこかの大会で初入賞すれば、
それはイコール「同級生チーム」として初の快挙となる。

本大会に関しては、メンバー不足で、8人の漕手での
参戦となっている。当然、パワー不足で、残念ながら
予選敗退となってしまった。
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上写真は「フォーティーズ」

入賞経験がまだ無いチームなので、あまり目立たないと
思うが「日本選手権」には、旧「天神大会」の頃から、
およそ25年間も連続参戦している超ベテランチームだ。

天神大会の初期の頃では「ギャンブラーズ」と言って
いた模様である。途中(時期不明、10数年程前?)で
改名してしまったので、同大会の30周年記念大会の際、
連続出場での表彰対象から漏れてしまっていた。

この改名の際、メンバーが平均40歳前後だったので、
「フォーティーズ」と称した模様である。
「日本選手権」の他、本大会や「堺泉北港(高石)」
大会等にも参戦している。

前記「香里丘高校5期生」(枚方市)とは、淀川を挟んで
対岸の高槻市出身であるので、”お隣さん”という事で、
最近ではチーム間で話をしている模様だ。

---
それと、本記事の冒頭写真は、初参戦の「JSD」チーム
の美人ドラマーである。 
取材が追いついていない内に予選敗退となってしまったが
学生(大学生)を中心に構成されているチームとの事。
また来年以降も参戦するのであれば、詳しく話を聞いて
みる事にしよう。
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上写真は、「Team BANANA」(混合にダブルエントリー)
と、「チーム未来」(選手権オープンの部)のメンバー
が、面白い格好をして遊んでいるところ。

選手権大会とは言っても、本大会では、あまり必要以上
にピリピリとした雰囲気は無く、大会の雰囲気は良い。
観戦環境もなかなか良いのだが、前編で書いた通り、
雨になりやすいのが本大会の弱点である。

で、同月初旬開催の「KIX大会」では、混合の部で準優勝と
なった「Team BANANA」ではあるが、本大会では
残念ながら予選敗退だ。
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「からしれんこん」(上写真)は、”びわこペーロン”大会に
引き続き、今回も「小寺製作所」チームの助っ人要員となって
いて、いわゆる「からしレンタル」状態である(笑)
「小寺製作所」は、選手権オープンの部とのダブルエントリー
であったが、こちらの選手権混合では、B決勝進出だった。
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上写真は「関西龍舟 バーバリアンズ」
混合の部で「シンバ」とダブルエントリーであったが、
「シンバ」が主力で「バーバリアンズ」は育成チームだ。

その「バーバリアンズ」だが、予選1回戦、最初のレース
で、いきなり蛇行のアクシデント!(下写真、中央の艇)
c0032138_18021373.jpg
育成チームとは言え、10年程漕いでいるベテランメンバー
も多く含まれているし、つい先月の「びわこペーロン」
大会では準優勝している強豪チームである。
・・なので、こうしたアクシデントは極めて珍しい。

確か、記憶によれば「関西龍舟」の蛇行アクシデントは、
今から12~13年前の「1000m選手権」の際に一度あった
だけであり、その後はこうした事は無かったと思う。

しかし実は、その後の本大会予選で、同じくベテランの
「Team BANANA」と「打艇龍舟倶楽部」も、それぞれ
蛇行してしまっている。いずれも15年以上もドラゴンを
やっている老舗チームだし、普段では蛇行やアクシデント
は、まず無いチーム達なので、極めて異例だ。

何か、特別に操船が難しい原因があった模様で、一部の
舵手の話によると「足元が滑り易い状態であった」との事。
(注:この時点では、まだ雨は降っていなかった)

そういえば今年7月の日本選手権でも、ドラゴン歴
約30年の超強豪「津奈木海龍」も、同様の理由で
舵の足元が滑って、蛇行してしまっていた。いずれも
チャンピオン艇なので、操舵がかなり難しいのであろう。

話によると、チャンピオン社製の艇は、生産時期(ロット)
により、仕様が微妙に改良しつづけられていて、新しい艇は、
幅がやや狭くなり「スピードは出るがバランスが取り難い」
とも聞いている。

なお、本大会、日本選手権、いずれのチームのケースも
アクシデントは予選レースだった為、その後の敗者復活戦
からの勝ち上がりで事なきを得ている。

しかし、今回「関西龍舟 バーバリアンズ」は、僅かな
タイム差で準決勝進出を逃してしまい、B決勝に進出
する事となった。
そこで「バーバリアンズ」は「B優勝」して、なにがしかの
賞品は貰ったのではあるが、B決勝進出は、選手達にとって、
あまり嬉しい話では無い模様・・・
なので、2枚上の写真では、「ワタシ達、反省してます」
と下向きのポーズをとっていた訳だ。
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では、ここからは選手権混合の部の準決勝の模様を
紹介していこう。 

準決勝第1組(下写真)と、その結果(順位、タイム)
を示す。(以下、タイムは基本的に秒単位で表記、
コンマ差になった場合のみ、1/100秒単位を記す)
c0032138_18021445.jpg
1位:1分10秒:漕遊人(沖縄)
2位:1分11秒:すいすい丸 トレイン(京都)
3位:1分12秒:関西龍舟 シンバ(兵庫)
4位:1分14秒:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:1分16秒:すいすい丸 工場(京都)

タイムが例年よりも遅いのは、昨年までの200m戦
から今年は250m戦と、コース長が長くなったからである。

混合200m戦であれば1分を少し切る程度(59秒位)が
例年の決勝進出ラインとなっていた。
比較の為に単純計算をすれば、59秒x250m/200m=約73秒
となり、約1分13秒が250m戦での決勝進出の目安だ。
ただ、本日は台風の影響で午後から風が強くなり、
そこまで単純な話でも無い様子である。

「すいすい丸」は、姉妹チームのつぶし合いとなった。
まあ、超強豪チームは、本大会にはダブルエントリーも
普通の状況であり、こういうケースは良く起こる。

この際、ダブルエントリーの戦略が微妙に難しいので
あるが(例:実力の平均化、差別化等)そこは各チーム
の戦略や選手の状態次第であり、どの方法がセオリーだ
というものは無いと思う。

ちなみに、「すいすい丸」のサブチーム名「トレイン」
と「工場」は、いずれも「ケツメイシ」の楽曲(2007年)
のタイトルを由来としていると聞く。

で、この準決勝での2位までは混合決勝進出が確定。
ここで3位となった「関西龍舟シンバ」は、続く準決勝
第2組での3位とのタイム順で決勝進出の可否が決まる。

----
では、準決勝第2組(下写真)とその結果(順位、タイム)
を示す。
c0032138_18022512.jpg
1位:1分09秒:東京龍舟(東京)
2位:1分09秒:NanJing(中国)→国際決勝へ
3位:1分11秒:B-CROSS(香港)→国際決勝へ
4位:1分12秒:Umihi(静岡)→国内2位
5位:1分13秒:琵琶湖龍舟(滋賀)→国内3位

ここで2位と3位は海外チームであるので、選手権(国内)
決勝には進出できない、なので「Umihi」(旧:海猿火組)
(下写真)が国内2位となり、こちらは決勝進出確定。
c0032138_18022526.jpg
両、混合準決勝での3位チームのうち、速い方が決勝進出
なので、これはわずかな差で「関西龍舟シンバ」となった。

「琵琶ドラ」の2チームは、両者ともコンマ秒差で
残念ながら決勝進出ならず。
これで本カテゴリーでの(地元)滋賀県勢は居なくなって
しまった。

ちなみに「琵琶ドラ」は、過去5年間では1年おきに3位入賞
という戦績となっている(下写真)
c0032138_18022488.jpg
では、ここからは選手権混合の部の決勝戦の模様だ。

選手権(国内)決勝戦進出チームは以下のとおり、
まずはレーン順を示す。

1:漕遊人(沖縄)
2:東京龍舟(東京)
3:すいすい丸 トレイン(京都)
4:Umihi(静岡)
5:関西龍舟 シンバ(兵庫)

いずれも各地の超強豪チームであり、選手権決勝に
ふさわしい組み合わせだ。
c0032138_18022548.jpg
「漕遊人」(上写真は応援メンバー)であるが、基本的には
沖縄のチームである。ただ、若干遠征メンバーが不足する
場合がある模様で、昨年本大会では、「磯風」や「津奈木」
のメンバーを加えて、オープン(男子)の部に出場し、
「bp」に次ぐ準優勝となっていた。

今年は、「磯風」と「津奈木」は、それぞれオープンの
部に独立チームとして参戦している為、女子メンバーを
加えて混合の部に参戦している。なお「ドルフィン」等の
強豪女子チームからの助っ人、という訳でも無さそうで、
ドルフィン兼任選手が1名居る程度で、他は「漕遊人」の
オリジナル(沖縄)メンバーとの事。

「東京龍舟」は、本大会2017年、2018年の覇者であり
当然、「今年も」と3連覇を狙っている。
ちなみに、昨年と本年は、20人漕ぎの「日本選手権」
でも連覇中であり、現在「東ドラ」は黄金期を迎えて
いる次第だ。
その背景には、ライフスタイルの多様な東京地区での
「チーム一極集中化現象」があり、現状「東ドラ」に
多くのドラゴン選手達が集まってきていて、大勢力に
なりつつある(本大会での最大勢力も「東ドラ」だ)

「すいすい丸 トレイン」は、本大会での優勝経験が無い。
・・と言うか、選手権クラスの大会での優勝がまだ無いが、
昨年の本大会で初入賞(3位)、そして今年の日本選手権
でも初入賞(準優勝)と、現在、極めて上り調子である。
5~6年前までの「すいすい丸」は、まだ中堅ドラゴン
専業チームという雰囲気であったが、その後、猛練習を
重ねていて、スポンサー企業もつき、現在では、日本一を
虎視眈々と狙える位置まで成長してきている。

「Umihi」は、静岡の超強豪。選手権クラスの大会と
相性が良く、過去、多数の入賞・優勝経験を持つ。
本大会では2014~2016年が連続入賞であり、圧巻は
2015年で、その大会では、選手権混合の部で優勝、
選手権シニアの部でも優勝、一般オープンの部準優勝、
と、好成績を残し、その年の本ブログでの「ベスト
チーム」として紹介していた。
だが、ここ2年ほど「Umihi」はメンバー再編の為か、
本大会混合の部の決勝進出を逃している。


しかしながら「Umihi」(旧:海猿火組)のサブチーム
である「FULLAHEAD」が、この期間、普及オープンの部で
3位と優勝の好成績を残し、これは若手メンバーが着実に
育って来た事を表しているのだろう。
少し若返った「Umihi」は、今年、3年ぶりの選手権
混合の部への決勝進出を果たした。 

「関西龍舟 シンバ」は、本大会では、2014年と
2016年に優勝。2017~2018年は、いずれも準優勝だ。
2015年の記録が無いが、この年は欠場だ。恐らくだが
同日開催の他地区大会に転戦していたのだと思われる。
ここのところ2位続きなので、当然、3年ぶりの優勝を
狙って来る事であろう。

さて、それぞれのチームには、それぞれの勝ちたい
理由がある、そして実力も伯仲、天候もまだ雨には
なっていない、風はやや強い(約7m/s程度のフォロー)
が、条件は各チーム同じだ。
何処が勝ってもおかしくない、さあ、運命の決勝戦
がスタート!
c0032138_18023950.jpg
中盤戦、一番奥5レーンの「関西龍舟 シンバ」がリード
しているように見えるが、これは、やや左に角度が
付いた撮影だから、手前の艇ほど遅れて見える。
実際には、1,2,3,5レーンは大差は無いと思うが、
3レーン「すいすい丸」がややリードか? これは
高ピッチ・スタート戦術を実行したと思われるので、
序盤戦はやや有利な状況だ。
4レーン「Umihi」は、やや出遅れた。

・・レース後半、一番手前の1レーン「漕遊人」と、
2レーン「東京龍舟」のストローク効率が良く、
じわりと前に出る。今回は250m戦なので、例年より
50m長い、つまりスプリント(短距離戦)で漕ぎきれる
訳では無いので、巡航時のレート(手数)とストローク
(推進力)のバランスが、微妙に勝敗に影響してくる。
で、これで1~3レーンは、ほぼ同等になった。

ゴール手前、順位はまったくわからなくなった。
1~3レーンが、なだれこむようにゴール!!

さて、もし「漕遊人」が勝っていたら、初優勝となる。
しかし、「漕遊人」は、昨年本大会では、「選手権
オープンの部」で準優勝している。
仮に、昨年優勝していて異カテゴリー連覇となったら、
過去、ドラゴン界では一度も無かった前人未到の
記録となっただろう。

で、もし「東京龍舟」が勝っていたら、3連覇だ。
本大会の混合の部では、それも初の記録となる。

そして「すいすい丸」が勝ったら、選手権初優勝と
なる、彼らにとっては悲願の「日本一」だ。

・・さあ、結果はいかに?
c0032138_18023938.jpg
以下、選手権混合の部の最終順位とタイムである。
1位:1分09秒88:漕遊人
2位:1分10秒42:東京龍舟
3位:1分10秒84:すいすい丸 トレイン
4位:1分12秒:関西龍舟 シンバ
5位:1分14秒:Umihi

1位から3位までは1秒差も無い大接戦であった。
上写真は本大会初優勝を喜ぶ「漕遊人」のメンバー。

---
そして、その後、雨天の中で「国際チャレンジ混合」
の決勝戦が行われた。これは国内チームの上位2つと
海外から参戦の3チームにてレースが行われる。
c0032138_18023916.jpg
国際決勝の結果順位は以下の通り。
1位:漕遊人
2位:東京龍舟
3位:B-CROSS Dragon Boat Team B(香港、上写真)
4位:NanJing XuanWu Secondary Vocanona School B(中国)
5位:北大新鴻基(香港)

ここも国内チームが上位を制する事となった。

ちなみに「B-CROSS」は昨年の本大会にも出場している。
海外チームで2年連続国内大会出場のケースは珍しく、
「Cathay Pacific Dragon Boat Team」(KIX大会)、
「La Salle Dragon Boat Team」(日本選手権)
「B-CROSS Dragon Boat Team」(スモール選手権)
の3例しか、過去に無かったと記憶している。

で、「B-CROSS」は、昨年よりも実力値が上がっている、
詳しくは次回後編記事で紹介しよう。
c0032138_18023927.jpg
さて、これにて「混合の部」の模様の紹介は終了だ。
次回後編記事では「選手権オープンの部」の模様を
紹介していこう。


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