2019年9月22日(日)に滋賀県大津市びわこボートレース場
(びわこ競艇場)にて行われた、「第7回スモールドラゴン
ボート日本選手権大会」(以下、スモール選手権)の模様より、
中編。
![c0032138_18013971.jpg]()
本記事では、4つある本大会のカテゴリーの内
「選手権混合の部」の模様について紹介していこう。
(以下、適宜「混合の部」と省略する)
「混合」とは「男女混合」という意味である。「選手権」
とは、本大会が国際大会の代表選考を行う公式大会である
事を示している。
全国から強豪チームが集まる大激戦区のカテゴリーであり、
準決勝あたりからは、他大会の決勝戦並みのハイレベルな
組み合わせとなる。
たとえ地方大会優勝クラスの強豪チームであっても、
本大会の決勝戦に進むのは容易では無い。
日本選手権(旧:天神大会、20人漕ぎ)の観戦記事でも
良く書くが、選手権クラスの大会(日本選手権と本大会)
では、決勝戦に進出するだけでも、物凄く価値がある事だ。
国内チームの他には、海外チームも3チーム参戦している。
(内、2チームは、オープンの部とのダブルエントリー)
ただし、海外チームは「選手権決勝」には進出できず、
「国際チャレンジ混合(決勝戦)」に出場する事になる。
![c0032138_18013938.jpg]()
上写真は、香港から参戦の、企業チーム「北大新鴻基」
チームである。
混合の部では予選敗退ではあるが、国際チャレンジ混合
決勝戦には進出できる。
![c0032138_18013972.jpg]()
上写真は予選の模様。手前は、香港から参戦の「B-CROSS」
チームである、奥は、国内チーム「Rowing Team 浪わ」
海外チームは、予選から準決勝までの間は、国内チーム
に混じって、同じレースフローで漕ぐが、準決勝では
その順位はカウントされない。つまり、国内チームよりも
海外チームが速かった場合でも、国内チームの順位のみで
「選手権(国内)決勝」の進出チームを決める事となる。
ではここで、参考の為、過去5年間の本大会での
(選手権)混合の部の決勝進出チームと、その順位、
出身地域を紹介しておこう。
(注:2015年迄は決勝は「4艘建て」であった)
2014年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:NPO法人 海猿火組(静岡)
3位:くまもっこり(和歌山)
4位:東海龍舟(愛知)
2015年
1位:海猿火組(静岡)
2位:くまもっこり(和歌山)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:すいすい丸(京都)
2016年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:暴漕連合(東京他)
3位:海猿火組(静岡)
4位:すいすい丸 工場(京都)
5位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
2017年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:暴漕連合(東京他)
5位:関西龍舟 バーバリアンズ(兵庫)
2018年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:すいすい丸 トレイン(京都)
4位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:暴漕連合(東京他)
こんな感じであるが、だいたい同じチーム名が並んで
いるものの、毎年少しづつゆっくりと勢力図が変化して
いる事が良くわかると思う。
ちなみに、「暴漕連合」とは、主に東京地区等で、
(現在は活動していない)強豪チームのOBメンバーや、
その年にチームとしては本大会にエントリーしていない
強豪チームのメンバーがソロで参加する等・・ による
スペシャル・コラボチームであるが、今年(2019年)に
関しては(チーム再編等の理由からか?)不参加である。
![c0032138_18013871.jpg]()
さてここで、時系列は戻るが、開会式の際に行われた、
和太鼓の演奏の模様を紹介しておこう。
![c0032138_18014893.jpg]()
演奏者は、和太鼓集団「湖鼓RO」(”こころ”と読む、
「湖鼓Ro」または「湖鼓ro」と記される場合もある)
滋賀県大津市を中心に、コンサート、各地のイベントや
神社等での奉納演奏を行っているプロ音楽家集団である。
本大会においては、他地区大会で良くある、安全祈願の
「入魂式」(にゅうこんしき:ドラゴン艇の龍の目に
朱を入れる儀式)に替えて、同じく安全祈願の為に
奉納する演奏である。
「湖鼓RO」の一部のメンバーは、ドラゴン専業チーム
「G.P.O」の選手を兼任している。
前編記事で紹介したが、「G.P.O」は、本大会の「普及
オープンの部で健闘し、決勝戦に進出していたが、
結果は5位と、入賞ならず。
なお、この和太鼓の演奏では、なかなか体力を消耗する
模様であり、10分程度の演奏で特に大太鼓の方などは
「腕がパンパンになってしまった・・」と、良く言って
いるのを聞く。
![c0032138_18014884.jpg]()
確かに、とても疲れそうだ・・ この演奏の後で
ドラゴン競技で漕ぐのは、なかなか大変かも知れない。
ちなみに、「湖鼓Ro」のチーム名称でも、ドラゴン類似
競技である「堅田 湖族船競争」(別途観戦記事参照)
に、ここ4年間連続参戦していて(注:G.P.Oとコラボ)
戦績は2位、3位、3位、2位と、毎年の入賞は立派だ。
(この間、同大会での優勝チームは「小寺製作所」と
「守のシルバニアファミリー」(3連覇)となっている)
演奏家とは言え、殆ど準専業チームという感じであろう。
![c0032138_18014890.jpg]()
なお、湖族船競争で入賞すると、レース後、艇の上で、
笛、太鼓、鐘などによる即興演奏を行いながら帰ってくる
ので、それが「上手だ」と、他の大会参戦チームや大会
本部等の間で話題となっている。
それと、「堅田 湖族船競争」大会での地元(自治会)の
部の今年の優勝チーム「小番城(こばんぎ/こばき)」の
メンバーが主力となっているのが、本スモール選手権の
普及オープンの部に出場している「堅田湖族」チームで
あるが、本大会では(何かあったのか?)途中棄権と
なってしまっていた。
![c0032138_18014892.jpg]()
さて、時系列を元に戻す。
選手権混合の部の予選は淡々と進んでいる、混合の部
の参戦チーム数は多く、全体でも本大会はチーム数が
60近くと多い。
混合の部の予選(5レース)と、敗者復活(4レース)
が終わるのは、昼食後の13時ごろになる。
上写真の手前チームは、混合の部予選第3組を一位抜け
した「漕遊人」(沖縄)である。彼ら彼女らの詳細に
ついては、また後述していこう。
さて、ここからは、惜しくも、混合の部で予選敗退と
なってしまったチームをいくつか紹介しておこう。
![c0032138_18015893.jpg]()
上写真は「香里丘高校5期生」チーム。
本大会以外にも、「宇治大会」や「日本選手権」にも
参戦しているので、名前は良く知られていると思うが、
ドラゴン界では希少な「同級生チーム」である。
他にも「同級生チーム」は無い事も無いのだが、専業
チームとして日常的に活動しているのは彼らだけだと
思われる。
数年間、各大会に参戦しているが、入賞経験はまだ
無かったと思う、どこかの大会で初入賞すれば、
それはイコール「同級生チーム」として初の快挙となる。
本大会に関しては、メンバー不足で、8人の漕手での
参戦となっている。当然、パワー不足で、残念ながら
予選敗退となってしまった。
![c0032138_18015845.jpg]()
上写真は「フォーティーズ」
入賞経験がまだ無いチームなので、あまり目立たないと
思うが「日本選手権」には、旧「天神大会」の頃から、
およそ25年間も連続参戦している超ベテランチームだ。
天神大会の初期の頃では「ギャンブラーズ」と言って
いた模様である。途中(時期不明、10数年程前?)で
改名してしまったので、同大会の30周年記念大会の際、
連続出場での表彰対象から漏れてしまっていた。
この改名の際、メンバーが平均40歳前後だったので、
「フォーティーズ」と称した模様である。
「日本選手権」の他、本大会や「堺泉北港(高石)」
大会等にも参戦している。
前記「香里丘高校5期生」(枚方市)とは、淀川を挟んで
対岸の高槻市出身であるので、”お隣さん”という事で、
最近ではチーム間で話をしている模様だ。
---
それと、本記事の冒頭写真は、初参戦の「JSD」チーム
の美人ドラマーである。
取材が追いついていない内に予選敗退となってしまったが
学生(大学生)を中心に構成されているチームとの事。
また来年以降も参戦するのであれば、詳しく話を聞いて
みる事にしよう。
![c0032138_18015885.jpg]()
上写真は、「Team BANANA」(混合にダブルエントリー)
と、「チーム未来」(選手権オープンの部)のメンバー
が、面白い格好をして遊んでいるところ。
選手権大会とは言っても、本大会では、あまり必要以上
にピリピリとした雰囲気は無く、大会の雰囲気は良い。
観戦環境もなかなか良いのだが、前編で書いた通り、
雨になりやすいのが本大会の弱点である。
で、同月初旬開催の「KIX大会」では、混合の部で準優勝と
なった「Team BANANA」ではあるが、本大会では
残念ながら予選敗退だ。
![c0032138_18015898.jpg]()
「からしれんこん」(上写真)は、”びわこペーロン”大会に
引き続き、今回も「小寺製作所」チームの助っ人要員となって
いて、いわゆる「からしレンタル」状態である(笑)
「小寺製作所」は、選手権オープンの部とのダブルエントリー
であったが、こちらの選手権混合では、B決勝進出だった。
![c0032138_18021468.jpg]()
上写真は「関西龍舟 バーバリアンズ」
混合の部で「シンバ」とダブルエントリーであったが、
「シンバ」が主力で「バーバリアンズ」は育成チームだ。
その「バーバリアンズ」だが、予選1回戦、最初のレース
で、いきなり蛇行のアクシデント!(下写真、中央の艇)
![c0032138_18021373.jpg]()
育成チームとは言え、10年程漕いでいるベテランメンバー
も多く含まれているし、つい先月の「びわこペーロン」
大会では準優勝している強豪チームである。
・・なので、こうしたアクシデントは極めて珍しい。
確か、記憶によれば「関西龍舟」の蛇行アクシデントは、
今から12~13年前の「1000m選手権」の際に一度あった
だけであり、その後はこうした事は無かったと思う。
しかし実は、その後の本大会予選で、同じくベテランの
「Team BANANA」と「打艇龍舟倶楽部」も、それぞれ
蛇行してしまっている。いずれも15年以上もドラゴンを
やっている老舗チームだし、普段では蛇行やアクシデント
は、まず無いチーム達なので、極めて異例だ。
何か、特別に操船が難しい原因があった模様で、一部の
舵手の話によると「足元が滑り易い状態であった」との事。
(注:この時点では、まだ雨は降っていなかった)
そういえば今年7月の日本選手権でも、ドラゴン歴
約30年の超強豪「津奈木海龍」も、同様の理由で
舵の足元が滑って、蛇行してしまっていた。いずれも
チャンピオン艇なので、操舵がかなり難しいのであろう。
話によると、チャンピオン社製の艇は、生産時期(ロット)
により、仕様が微妙に改良しつづけられていて、新しい艇は、
幅がやや狭くなり「スピードは出るがバランスが取り難い」
とも聞いている。
なお、本大会、日本選手権、いずれのチームのケースも
アクシデントは予選レースだった為、その後の敗者復活戦
からの勝ち上がりで事なきを得ている。
しかし、今回「関西龍舟 バーバリアンズ」は、僅かな
タイム差で準決勝進出を逃してしまい、B決勝に進出
する事となった。
そこで「バーバリアンズ」は「B優勝」して、なにがしかの
賞品は貰ったのではあるが、B決勝進出は、選手達にとって、
あまり嬉しい話では無い模様・・・
なので、2枚上の写真では、「ワタシ達、反省してます」
と下向きのポーズをとっていた訳だ。
![c0032138_18021446.jpg]()
では、ここからは選手権混合の部の準決勝の模様を
紹介していこう。
準決勝第1組(下写真)と、その結果(順位、タイム)
を示す。(以下、タイムは基本的に秒単位で表記、
コンマ差になった場合のみ、1/100秒単位を記す)
![c0032138_18021445.jpg]()
1位:1分10秒:漕遊人(沖縄)
2位:1分11秒:すいすい丸 トレイン(京都)
3位:1分12秒:関西龍舟 シンバ(兵庫)
4位:1分14秒:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:1分16秒:すいすい丸 工場(京都)
タイムが例年よりも遅いのは、昨年までの200m戦
から今年は250m戦と、コース長が長くなったからである。
混合200m戦であれば1分を少し切る程度(59秒位)が
例年の決勝進出ラインとなっていた。
比較の為に単純計算をすれば、59秒x250m/200m=約73秒
となり、約1分13秒が250m戦での決勝進出の目安だ。
ただ、本日は台風の影響で午後から風が強くなり、
そこまで単純な話でも無い様子である。
「すいすい丸」は、姉妹チームのつぶし合いとなった。
まあ、超強豪チームは、本大会にはダブルエントリーも
普通の状況であり、こういうケースは良く起こる。
この際、ダブルエントリーの戦略が微妙に難しいので
あるが(例:実力の平均化、差別化等)そこは各チーム
の戦略や選手の状態次第であり、どの方法がセオリーだ
というものは無いと思う。
ちなみに、「すいすい丸」のサブチーム名「トレイン」
と「工場」は、いずれも「ケツメイシ」の楽曲(2007年)
のタイトルを由来としていると聞く。
で、この準決勝での2位までは混合決勝進出が確定。
ここで3位となった「関西龍舟シンバ」は、続く準決勝
第2組での3位とのタイム順で決勝進出の可否が決まる。
----
では、準決勝第2組(下写真)とその結果(順位、タイム)
を示す。
![c0032138_18022512.jpg]()
1位:1分09秒:東京龍舟(東京)
2位:1分09秒:NanJing(中国)→国際決勝へ
3位:1分11秒:B-CROSS(香港)→国際決勝へ
4位:1分12秒:Umihi(静岡)→国内2位
5位:1分13秒:琵琶湖龍舟(滋賀)→国内3位
ここで2位と3位は海外チームであるので、選手権(国内)
決勝には進出できない、なので「Umihi」(旧:海猿火組)
(下写真)が国内2位となり、こちらは決勝進出確定。
![c0032138_18022526.jpg]()
両、混合準決勝での3位チームのうち、速い方が決勝進出
なので、これはわずかな差で「関西龍舟シンバ」となった。
「琵琶ドラ」の2チームは、両者ともコンマ秒差で
残念ながら決勝進出ならず。
これで本カテゴリーでの(地元)滋賀県勢は居なくなって
しまった。
ちなみに「琵琶ドラ」は、過去5年間では1年おきに3位入賞
という戦績となっている(下写真)
![c0032138_18022488.jpg]()
では、ここからは選手権混合の部の決勝戦の模様だ。
選手権(国内)決勝戦進出チームは以下のとおり、
まずはレーン順を示す。
1:漕遊人(沖縄)
2:東京龍舟(東京)
3:すいすい丸 トレイン(京都)
4:Umihi(静岡)
5:関西龍舟 シンバ(兵庫)
いずれも各地の超強豪チームであり、選手権決勝に
ふさわしい組み合わせだ。
![c0032138_18022548.jpg]()
「漕遊人」(上写真は応援メンバー)であるが、基本的には
沖縄のチームである。ただ、若干遠征メンバーが不足する
場合がある模様で、昨年本大会では、「磯風」や「津奈木」
のメンバーを加えて、オープン(男子)の部に出場し、
「bp」に次ぐ準優勝となっていた。
今年は、「磯風」と「津奈木」は、それぞれオープンの
部に独立チームとして参戦している為、女子メンバーを
加えて混合の部に参戦している。なお「ドルフィン」等の
強豪女子チームからの助っ人、という訳でも無さそうで、
ドルフィン兼任選手が1名居る程度で、他は「漕遊人」の
オリジナル(沖縄)メンバーとの事。
「東京龍舟」は、本大会2017年、2018年の覇者であり
当然、「今年も」と3連覇を狙っている。
ちなみに、昨年と本年は、20人漕ぎの「日本選手権」
でも連覇中であり、現在「東ドラ」は黄金期を迎えて
いる次第だ。
その背景には、ライフスタイルの多様な東京地区での
「チーム一極集中化現象」があり、現状「東ドラ」に
多くのドラゴン選手達が集まってきていて、大勢力に
なりつつある(本大会での最大勢力も「東ドラ」だ)
「すいすい丸 トレイン」は、本大会での優勝経験が無い。
・・と言うか、選手権クラスの大会での優勝がまだ無いが、
昨年の本大会で初入賞(3位)、そして今年の日本選手権
でも初入賞(準優勝)と、現在、極めて上り調子である。
5~6年前までの「すいすい丸」は、まだ中堅ドラゴン
専業チームという雰囲気であったが、その後、猛練習を
重ねていて、スポンサー企業もつき、現在では、日本一を
虎視眈々と狙える位置まで成長してきている。
「Umihi」は、静岡の超強豪。選手権クラスの大会と
相性が良く、過去、多数の入賞・優勝経験を持つ。
本大会では2014~2016年が連続入賞であり、圧巻は
2015年で、その大会では、選手権混合の部で優勝、
選手権シニアの部でも優勝、一般オープンの部準優勝、
と、好成績を残し、その年の本ブログでの「ベスト
チーム」として紹介していた。
だが、ここ2年ほど「Umihi」はメンバー再編の為か、
本大会混合の部の決勝進出を逃している。
しかしながら「Umihi」(旧:海猿火組)のサブチーム
である「FULLAHEAD」が、この期間、普及オープンの部で
3位と優勝の好成績を残し、これは若手メンバーが着実に
育って来た事を表しているのだろう。
少し若返った「Umihi」は、今年、3年ぶりの選手権
混合の部への決勝進出を果たした。
「関西龍舟 シンバ」は、本大会では、2014年と
2016年に優勝。2017~2018年は、いずれも準優勝だ。
2015年の記録が無いが、この年は欠場だ。恐らくだが
同日開催の他地区大会に転戦していたのだと思われる。
ここのところ2位続きなので、当然、3年ぶりの優勝を
狙って来る事であろう。
さて、それぞれのチームには、それぞれの勝ちたい
理由がある、そして実力も伯仲、天候もまだ雨には
なっていない、風はやや強い(約7m/s程度のフォロー)
が、条件は各チーム同じだ。
何処が勝ってもおかしくない、さあ、運命の決勝戦
がスタート!
![c0032138_18023950.jpg]()
中盤戦、一番奥5レーンの「関西龍舟 シンバ」がリード
しているように見えるが、これは、やや左に角度が
付いた撮影だから、手前の艇ほど遅れて見える。
実際には、1,2,3,5レーンは大差は無いと思うが、
3レーン「すいすい丸」がややリードか? これは
高ピッチ・スタート戦術を実行したと思われるので、
序盤戦はやや有利な状況だ。
4レーン「Umihi」は、やや出遅れた。
・・レース後半、一番手前の1レーン「漕遊人」と、
2レーン「東京龍舟」のストローク効率が良く、
じわりと前に出る。今回は250m戦なので、例年より
50m長い、つまりスプリント(短距離戦)で漕ぎきれる
訳では無いので、巡航時のレート(手数)とストローク
(推進力)のバランスが、微妙に勝敗に影響してくる。
で、これで1~3レーンは、ほぼ同等になった。
ゴール手前、順位はまったくわからなくなった。
1~3レーンが、なだれこむようにゴール!!
さて、もし「漕遊人」が勝っていたら、初優勝となる。
しかし、「漕遊人」は、昨年本大会では、「選手権
オープンの部」で準優勝している。
仮に、昨年優勝していて異カテゴリー連覇となったら、
過去、ドラゴン界では一度も無かった前人未到の
記録となっただろう。
で、もし「東京龍舟」が勝っていたら、3連覇だ。
本大会の混合の部では、それも初の記録となる。
そして「すいすい丸」が勝ったら、選手権初優勝と
なる、彼らにとっては悲願の「日本一」だ。
・・さあ、結果はいかに?
![c0032138_18023938.jpg]()
以下、選手権混合の部の最終順位とタイムである。
1位:1分09秒88:漕遊人
2位:1分10秒42:東京龍舟
3位:1分10秒84:すいすい丸 トレイン
4位:1分12秒:関西龍舟 シンバ
5位:1分14秒:Umihi
1位から3位までは1秒差も無い大接戦であった。
上写真は本大会初優勝を喜ぶ「漕遊人」のメンバー。
---
そして、その後、雨天の中で「国際チャレンジ混合」
の決勝戦が行われた。これは国内チームの上位2つと
海外から参戦の3チームにてレースが行われる。
![c0032138_18023916.jpg]()
国際決勝の結果順位は以下の通り。
1位:漕遊人
2位:東京龍舟
3位:B-CROSS Dragon Boat Team B(香港、上写真)
4位:NanJing XuanWu Secondary Vocanona School B(中国)
5位:北大新鴻基(香港)
ここも国内チームが上位を制する事となった。
ちなみに「B-CROSS」は昨年の本大会にも出場している。
海外チームで2年連続国内大会出場のケースは珍しく、
「Cathay Pacific Dragon Boat Team」(KIX大会)、
「La Salle Dragon Boat Team」(日本選手権)
「B-CROSS Dragon Boat Team」(スモール選手権)
の3例しか、過去に無かったと記憶している。
で、「B-CROSS」は、昨年よりも実力値が上がっている、
詳しくは次回後編記事で紹介しよう。
![c0032138_18023927.jpg]()
さて、これにて「混合の部」の模様の紹介は終了だ。
次回後編記事では「選手権オープンの部」の模様を
紹介していこう。
(びわこ競艇場)にて行われた、「第7回スモールドラゴン
ボート日本選手権大会」(以下、スモール選手権)の模様より、
中編。

「選手権混合の部」の模様について紹介していこう。
(以下、適宜「混合の部」と省略する)
「混合」とは「男女混合」という意味である。「選手権」
とは、本大会が国際大会の代表選考を行う公式大会である
事を示している。
全国から強豪チームが集まる大激戦区のカテゴリーであり、
準決勝あたりからは、他大会の決勝戦並みのハイレベルな
組み合わせとなる。
たとえ地方大会優勝クラスの強豪チームであっても、
本大会の決勝戦に進むのは容易では無い。
日本選手権(旧:天神大会、20人漕ぎ)の観戦記事でも
良く書くが、選手権クラスの大会(日本選手権と本大会)
では、決勝戦に進出するだけでも、物凄く価値がある事だ。
国内チームの他には、海外チームも3チーム参戦している。
(内、2チームは、オープンの部とのダブルエントリー)
ただし、海外チームは「選手権決勝」には進出できず、
「国際チャレンジ混合(決勝戦)」に出場する事になる。

チームである。
混合の部では予選敗退ではあるが、国際チャレンジ混合
決勝戦には進出できる。

チームである、奥は、国内チーム「Rowing Team 浪わ」
海外チームは、予選から準決勝までの間は、国内チーム
に混じって、同じレースフローで漕ぐが、準決勝では
その順位はカウントされない。つまり、国内チームよりも
海外チームが速かった場合でも、国内チームの順位のみで
「選手権(国内)決勝」の進出チームを決める事となる。
ではここで、参考の為、過去5年間の本大会での
(選手権)混合の部の決勝進出チームと、その順位、
出身地域を紹介しておこう。
(注:2015年迄は決勝は「4艘建て」であった)
2014年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:NPO法人 海猿火組(静岡)
3位:くまもっこり(和歌山)
4位:東海龍舟(愛知)
2015年
1位:海猿火組(静岡)
2位:くまもっこり(和歌山)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:すいすい丸(京都)
2016年
1位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
2位:暴漕連合(東京他)
3位:海猿火組(静岡)
4位:すいすい丸 工場(京都)
5位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
2017年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
4位:暴漕連合(東京他)
5位:関西龍舟 バーバリアンズ(兵庫)
2018年
1位:東京龍舟(東京)
2位:関西龍舟 シンバ(兵庫)
3位:すいすい丸 トレイン(京都)
4位:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:暴漕連合(東京他)
こんな感じであるが、だいたい同じチーム名が並んで
いるものの、毎年少しづつゆっくりと勢力図が変化して
いる事が良くわかると思う。
ちなみに、「暴漕連合」とは、主に東京地区等で、
(現在は活動していない)強豪チームのOBメンバーや、
その年にチームとしては本大会にエントリーしていない
強豪チームのメンバーがソロで参加する等・・ による
スペシャル・コラボチームであるが、今年(2019年)に
関しては(チーム再編等の理由からか?)不参加である。

和太鼓の演奏の模様を紹介しておこう。

「湖鼓Ro」または「湖鼓ro」と記される場合もある)
滋賀県大津市を中心に、コンサート、各地のイベントや
神社等での奉納演奏を行っているプロ音楽家集団である。
本大会においては、他地区大会で良くある、安全祈願の
「入魂式」(にゅうこんしき:ドラゴン艇の龍の目に
朱を入れる儀式)に替えて、同じく安全祈願の為に
奉納する演奏である。
「湖鼓RO」の一部のメンバーは、ドラゴン専業チーム
「G.P.O」の選手を兼任している。
前編記事で紹介したが、「G.P.O」は、本大会の「普及
オープンの部で健闘し、決勝戦に進出していたが、
結果は5位と、入賞ならず。
なお、この和太鼓の演奏では、なかなか体力を消耗する
模様であり、10分程度の演奏で特に大太鼓の方などは
「腕がパンパンになってしまった・・」と、良く言って
いるのを聞く。

ドラゴン競技で漕ぐのは、なかなか大変かも知れない。
ちなみに、「湖鼓Ro」のチーム名称でも、ドラゴン類似
競技である「堅田 湖族船競争」(別途観戦記事参照)
に、ここ4年間連続参戦していて(注:G.P.Oとコラボ)
戦績は2位、3位、3位、2位と、毎年の入賞は立派だ。
(この間、同大会での優勝チームは「小寺製作所」と
「守のシルバニアファミリー」(3連覇)となっている)
演奏家とは言え、殆ど準専業チームという感じであろう。

笛、太鼓、鐘などによる即興演奏を行いながら帰ってくる
ので、それが「上手だ」と、他の大会参戦チームや大会
本部等の間で話題となっている。
それと、「堅田 湖族船競争」大会での地元(自治会)の
部の今年の優勝チーム「小番城(こばんぎ/こばき)」の
メンバーが主力となっているのが、本スモール選手権の
普及オープンの部に出場している「堅田湖族」チームで
あるが、本大会では(何かあったのか?)途中棄権と
なってしまっていた。

選手権混合の部の予選は淡々と進んでいる、混合の部
の参戦チーム数は多く、全体でも本大会はチーム数が
60近くと多い。
混合の部の予選(5レース)と、敗者復活(4レース)
が終わるのは、昼食後の13時ごろになる。
上写真の手前チームは、混合の部予選第3組を一位抜け
した「漕遊人」(沖縄)である。彼ら彼女らの詳細に
ついては、また後述していこう。
さて、ここからは、惜しくも、混合の部で予選敗退と
なってしまったチームをいくつか紹介しておこう。

本大会以外にも、「宇治大会」や「日本選手権」にも
参戦しているので、名前は良く知られていると思うが、
ドラゴン界では希少な「同級生チーム」である。
他にも「同級生チーム」は無い事も無いのだが、専業
チームとして日常的に活動しているのは彼らだけだと
思われる。
数年間、各大会に参戦しているが、入賞経験はまだ
無かったと思う、どこかの大会で初入賞すれば、
それはイコール「同級生チーム」として初の快挙となる。
本大会に関しては、メンバー不足で、8人の漕手での
参戦となっている。当然、パワー不足で、残念ながら
予選敗退となってしまった。

入賞経験がまだ無いチームなので、あまり目立たないと
思うが「日本選手権」には、旧「天神大会」の頃から、
およそ25年間も連続参戦している超ベテランチームだ。
天神大会の初期の頃では「ギャンブラーズ」と言って
いた模様である。途中(時期不明、10数年程前?)で
改名してしまったので、同大会の30周年記念大会の際、
連続出場での表彰対象から漏れてしまっていた。
この改名の際、メンバーが平均40歳前後だったので、
「フォーティーズ」と称した模様である。
「日本選手権」の他、本大会や「堺泉北港(高石)」
大会等にも参戦している。
前記「香里丘高校5期生」(枚方市)とは、淀川を挟んで
対岸の高槻市出身であるので、”お隣さん”という事で、
最近ではチーム間で話をしている模様だ。
---
それと、本記事の冒頭写真は、初参戦の「JSD」チーム
の美人ドラマーである。
取材が追いついていない内に予選敗退となってしまったが
学生(大学生)を中心に構成されているチームとの事。
また来年以降も参戦するのであれば、詳しく話を聞いて
みる事にしよう。

と、「チーム未来」(選手権オープンの部)のメンバー
が、面白い格好をして遊んでいるところ。
選手権大会とは言っても、本大会では、あまり必要以上
にピリピリとした雰囲気は無く、大会の雰囲気は良い。
観戦環境もなかなか良いのだが、前編で書いた通り、
雨になりやすいのが本大会の弱点である。
で、同月初旬開催の「KIX大会」では、混合の部で準優勝と
なった「Team BANANA」ではあるが、本大会では
残念ながら予選敗退だ。

引き続き、今回も「小寺製作所」チームの助っ人要員となって
いて、いわゆる「からしレンタル」状態である(笑)
「小寺製作所」は、選手権オープンの部とのダブルエントリー
であったが、こちらの選手権混合では、B決勝進出だった。

混合の部で「シンバ」とダブルエントリーであったが、
「シンバ」が主力で「バーバリアンズ」は育成チームだ。
その「バーバリアンズ」だが、予選1回戦、最初のレース
で、いきなり蛇行のアクシデント!(下写真、中央の艇)

も多く含まれているし、つい先月の「びわこペーロン」
大会では準優勝している強豪チームである。
・・なので、こうしたアクシデントは極めて珍しい。
確か、記憶によれば「関西龍舟」の蛇行アクシデントは、
今から12~13年前の「1000m選手権」の際に一度あった
だけであり、その後はこうした事は無かったと思う。
しかし実は、その後の本大会予選で、同じくベテランの
「Team BANANA」と「打艇龍舟倶楽部」も、それぞれ
蛇行してしまっている。いずれも15年以上もドラゴンを
やっている老舗チームだし、普段では蛇行やアクシデント
は、まず無いチーム達なので、極めて異例だ。
何か、特別に操船が難しい原因があった模様で、一部の
舵手の話によると「足元が滑り易い状態であった」との事。
(注:この時点では、まだ雨は降っていなかった)
そういえば今年7月の日本選手権でも、ドラゴン歴
約30年の超強豪「津奈木海龍」も、同様の理由で
舵の足元が滑って、蛇行してしまっていた。いずれも
チャンピオン艇なので、操舵がかなり難しいのであろう。
話によると、チャンピオン社製の艇は、生産時期(ロット)
により、仕様が微妙に改良しつづけられていて、新しい艇は、
幅がやや狭くなり「スピードは出るがバランスが取り難い」
とも聞いている。
なお、本大会、日本選手権、いずれのチームのケースも
アクシデントは予選レースだった為、その後の敗者復活戦
からの勝ち上がりで事なきを得ている。
しかし、今回「関西龍舟 バーバリアンズ」は、僅かな
タイム差で準決勝進出を逃してしまい、B決勝に進出
する事となった。
そこで「バーバリアンズ」は「B優勝」して、なにがしかの
賞品は貰ったのではあるが、B決勝進出は、選手達にとって、
あまり嬉しい話では無い模様・・・
なので、2枚上の写真では、「ワタシ達、反省してます」
と下向きのポーズをとっていた訳だ。

紹介していこう。
準決勝第1組(下写真)と、その結果(順位、タイム)
を示す。(以下、タイムは基本的に秒単位で表記、
コンマ差になった場合のみ、1/100秒単位を記す)

2位:1分11秒:すいすい丸 トレイン(京都)
3位:1分12秒:関西龍舟 シンバ(兵庫)
4位:1分14秒:琵琶湖ドラゴンボートクラブ(滋賀)
5位:1分16秒:すいすい丸 工場(京都)
タイムが例年よりも遅いのは、昨年までの200m戦
から今年は250m戦と、コース長が長くなったからである。
混合200m戦であれば1分を少し切る程度(59秒位)が
例年の決勝進出ラインとなっていた。
比較の為に単純計算をすれば、59秒x250m/200m=約73秒
となり、約1分13秒が250m戦での決勝進出の目安だ。
ただ、本日は台風の影響で午後から風が強くなり、
そこまで単純な話でも無い様子である。
「すいすい丸」は、姉妹チームのつぶし合いとなった。
まあ、超強豪チームは、本大会にはダブルエントリーも
普通の状況であり、こういうケースは良く起こる。
この際、ダブルエントリーの戦略が微妙に難しいので
あるが(例:実力の平均化、差別化等)そこは各チーム
の戦略や選手の状態次第であり、どの方法がセオリーだ
というものは無いと思う。
ちなみに、「すいすい丸」のサブチーム名「トレイン」
と「工場」は、いずれも「ケツメイシ」の楽曲(2007年)
のタイトルを由来としていると聞く。
で、この準決勝での2位までは混合決勝進出が確定。
ここで3位となった「関西龍舟シンバ」は、続く準決勝
第2組での3位とのタイム順で決勝進出の可否が決まる。
----
では、準決勝第2組(下写真)とその結果(順位、タイム)
を示す。

2位:1分09秒:NanJing(中国)→国際決勝へ
3位:1分11秒:B-CROSS(香港)→国際決勝へ
4位:1分12秒:Umihi(静岡)→国内2位
5位:1分13秒:琵琶湖龍舟(滋賀)→国内3位
ここで2位と3位は海外チームであるので、選手権(国内)
決勝には進出できない、なので「Umihi」(旧:海猿火組)
(下写真)が国内2位となり、こちらは決勝進出確定。

なので、これはわずかな差で「関西龍舟シンバ」となった。
「琵琶ドラ」の2チームは、両者ともコンマ秒差で
残念ながら決勝進出ならず。
これで本カテゴリーでの(地元)滋賀県勢は居なくなって
しまった。
ちなみに「琵琶ドラ」は、過去5年間では1年おきに3位入賞
という戦績となっている(下写真)

選手権(国内)決勝戦進出チームは以下のとおり、
まずはレーン順を示す。
1:漕遊人(沖縄)
2:東京龍舟(東京)
3:すいすい丸 トレイン(京都)
4:Umihi(静岡)
5:関西龍舟 シンバ(兵庫)
いずれも各地の超強豪チームであり、選手権決勝に
ふさわしい組み合わせだ。

沖縄のチームである。ただ、若干遠征メンバーが不足する
場合がある模様で、昨年本大会では、「磯風」や「津奈木」
のメンバーを加えて、オープン(男子)の部に出場し、
「bp」に次ぐ準優勝となっていた。
今年は、「磯風」と「津奈木」は、それぞれオープンの
部に独立チームとして参戦している為、女子メンバーを
加えて混合の部に参戦している。なお「ドルフィン」等の
強豪女子チームからの助っ人、という訳でも無さそうで、
ドルフィン兼任選手が1名居る程度で、他は「漕遊人」の
オリジナル(沖縄)メンバーとの事。
「東京龍舟」は、本大会2017年、2018年の覇者であり
当然、「今年も」と3連覇を狙っている。
ちなみに、昨年と本年は、20人漕ぎの「日本選手権」
でも連覇中であり、現在「東ドラ」は黄金期を迎えて
いる次第だ。
その背景には、ライフスタイルの多様な東京地区での
「チーム一極集中化現象」があり、現状「東ドラ」に
多くのドラゴン選手達が集まってきていて、大勢力に
なりつつある(本大会での最大勢力も「東ドラ」だ)
「すいすい丸 トレイン」は、本大会での優勝経験が無い。
・・と言うか、選手権クラスの大会での優勝がまだ無いが、
昨年の本大会で初入賞(3位)、そして今年の日本選手権
でも初入賞(準優勝)と、現在、極めて上り調子である。
5~6年前までの「すいすい丸」は、まだ中堅ドラゴン
専業チームという雰囲気であったが、その後、猛練習を
重ねていて、スポンサー企業もつき、現在では、日本一を
虎視眈々と狙える位置まで成長してきている。
「Umihi」は、静岡の超強豪。選手権クラスの大会と
相性が良く、過去、多数の入賞・優勝経験を持つ。
本大会では2014~2016年が連続入賞であり、圧巻は
2015年で、その大会では、選手権混合の部で優勝、
選手権シニアの部でも優勝、一般オープンの部準優勝、
と、好成績を残し、その年の本ブログでの「ベスト
チーム」として紹介していた。
だが、ここ2年ほど「Umihi」はメンバー再編の為か、
本大会混合の部の決勝進出を逃している。
しかしながら「Umihi」(旧:海猿火組)のサブチーム
である「FULLAHEAD」が、この期間、普及オープンの部で
3位と優勝の好成績を残し、これは若手メンバーが着実に
育って来た事を表しているのだろう。
少し若返った「Umihi」は、今年、3年ぶりの選手権
混合の部への決勝進出を果たした。
「関西龍舟 シンバ」は、本大会では、2014年と
2016年に優勝。2017~2018年は、いずれも準優勝だ。
2015年の記録が無いが、この年は欠場だ。恐らくだが
同日開催の他地区大会に転戦していたのだと思われる。
ここのところ2位続きなので、当然、3年ぶりの優勝を
狙って来る事であろう。
さて、それぞれのチームには、それぞれの勝ちたい
理由がある、そして実力も伯仲、天候もまだ雨には
なっていない、風はやや強い(約7m/s程度のフォロー)
が、条件は各チーム同じだ。
何処が勝ってもおかしくない、さあ、運命の決勝戦
がスタート!

しているように見えるが、これは、やや左に角度が
付いた撮影だから、手前の艇ほど遅れて見える。
実際には、1,2,3,5レーンは大差は無いと思うが、
3レーン「すいすい丸」がややリードか? これは
高ピッチ・スタート戦術を実行したと思われるので、
序盤戦はやや有利な状況だ。
4レーン「Umihi」は、やや出遅れた。
・・レース後半、一番手前の1レーン「漕遊人」と、
2レーン「東京龍舟」のストローク効率が良く、
じわりと前に出る。今回は250m戦なので、例年より
50m長い、つまりスプリント(短距離戦)で漕ぎきれる
訳では無いので、巡航時のレート(手数)とストローク
(推進力)のバランスが、微妙に勝敗に影響してくる。
で、これで1~3レーンは、ほぼ同等になった。
ゴール手前、順位はまったくわからなくなった。
1~3レーンが、なだれこむようにゴール!!
さて、もし「漕遊人」が勝っていたら、初優勝となる。
しかし、「漕遊人」は、昨年本大会では、「選手権
オープンの部」で準優勝している。
仮に、昨年優勝していて異カテゴリー連覇となったら、
過去、ドラゴン界では一度も無かった前人未到の
記録となっただろう。
で、もし「東京龍舟」が勝っていたら、3連覇だ。
本大会の混合の部では、それも初の記録となる。
そして「すいすい丸」が勝ったら、選手権初優勝と
なる、彼らにとっては悲願の「日本一」だ。
・・さあ、結果はいかに?

1位:1分09秒88:漕遊人
2位:1分10秒42:東京龍舟
3位:1分10秒84:すいすい丸 トレイン
4位:1分12秒:関西龍舟 シンバ
5位:1分14秒:Umihi
1位から3位までは1秒差も無い大接戦であった。
上写真は本大会初優勝を喜ぶ「漕遊人」のメンバー。
---
そして、その後、雨天の中で「国際チャレンジ混合」
の決勝戦が行われた。これは国内チームの上位2つと
海外から参戦の3チームにてレースが行われる。

1位:漕遊人
2位:東京龍舟
3位:B-CROSS Dragon Boat Team B(香港、上写真)
4位:NanJing XuanWu Secondary Vocanona School B(中国)
5位:北大新鴻基(香港)
ここも国内チームが上位を制する事となった。
ちなみに「B-CROSS」は昨年の本大会にも出場している。
海外チームで2年連続国内大会出場のケースは珍しく、
「Cathay Pacific Dragon Boat Team」(KIX大会)、
「La Salle Dragon Boat Team」(日本選手権)
「B-CROSS Dragon Boat Team」(スモール選手権)
の3例しか、過去に無かったと記憶している。
で、「B-CROSS」は、昨年よりも実力値が上がっている、
詳しくは次回後編記事で紹介しよう。

次回後編記事では「選手権オープンの部」の模様を
紹介していこう。